JP2009242761A - 水分散体及び該水分散体を含む水性塗料組成物 - Google Patents

水分散体及び該水分散体を含む水性塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期貯蔵安定性に優れたアクリル変性デンプン水分散体及び該分散体を用いて得られる仕上がり性、硬化性、耐候性などに優れた被膜を形成することのできる水性塗料組成物を提供すること。
【解決手段】
デンプン及び/又は変性デンプンの存在下で、疎水性重合体を形成するためのラジカル重合性不飽和単量体混合物と親水性重合体を形成するためのラジカル重合性不飽和単量体混合物ををそれぞれ別個にグラフト重合させ、必要に応じてアクリル変性デンプン中のカルボキシ基を塩基性物質で中和して得られる水分散体。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来の原料であるデンプンを用いた貯蔵安定性に優れた水分散体に関するものであり、該水分散体を用いて得られる仕上がり性、硬化性、耐候性などに優れた被膜を形成することのできる水性塗料組成物に関するものである。
近年、地球の環境汚染が顕在化し、環境への負荷低減を考慮した循環型社会の構築が進む中、塗料業界においても、地球環境に優しい製品の開発が求められている。このような状況において、室内環境の悪化の原因となるトルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)などを多量に含まないことは勿論、廃棄後の土壌汚染等の観点から、生分解作用を有する材料を用いたコーティング剤が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、デンプン、及び該デンプン分子中に含まれる少なくとも1個の水酸基と相補的に反応する官能基を有する硬化剤との混合物であることを特徴とする硬化型デンプン組成物が開示されている。そして、該硬化型デンプン組成物は水系溶媒に分散して使用することができることが記載されている。しかしながら、デンプンを水系媒体中に安定に分散させることは容易ではない。
また、特許文献2には、特定のデンプンエステル、疎水性可塑剤及び水を含む剥離または防湿塗料組成物が開示されている。しかしながらここで用いられるデンプンエステルが疎水性であるため、水に分散させることが困難であり、形成塗膜の常温での仕上がり性に劣るという問題がある。
さらに、特許文献3では、変性デンプン及び重合性不飽和モノマーの(共)重合体を構成成分とする変性デンプン含有樹脂水分散体が開示されている。共重合体樹脂の助けにより水分散体の貯蔵安定性はかなり改善されるが、それでも長期での貯蔵において、分散体粒子の沈殿や分散液の増粘が生じることが多く、塗料設計の自由度が限られていた。
特開2004−224887号公報 特開2001−40267号公報 特開2006−52338号公報
本発明の目的は、長期貯蔵においても分散体粒子の沈殿や分散液の増粘が生じることがないアクリル変性デンプン水分散体を提供することであり、該水分散体を使用した仕上がり性、硬度、耐候性などに優れた被膜を形成することのできる水性塗料組成物を提供することであり、該水性塗料組成物を塗装して得られる仕上がり性、硬化性、耐候性などに優れた塗装物品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、デンプン及び/又は変性デンプンの存在下で、先にカルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体をほとんど含まず、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体を特定量含有するラジカル重合性不飽和単量体混合物を共重合させ、しかる後に特定量のカルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体及び特定量の水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体を含有するラジカル重合性不飽和単量体混合物を共重合させるか、先に特定量のカルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体及び特定量の水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体を含有するラジカル重合性不飽和単量体混合物を共重合させしかる後にカルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体をほとんど含まず、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体を特定量含有するラジカル重合性不飽和単量体混合物を共重合させてなるアクリル変性デンプンであって、且つ酸価が特定範囲に調整されたものであるアクリル変性デンプンを水中に分散してなる水分散体が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)をラジカル重合反応させて反応生成物を得た後、該反応生成物の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)をラジカル重合反応させて得られるアクリル変性デンプン(A)を水性媒体に分散してなる水分散体であって、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5質量%未満、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%よりなるものであり、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体0〜90質量%よりなるものであり、アクリル変性デンプン(A)の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする水分散体に関するものである。
また、上記発明において、デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下で、先にラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)をラジカル重合反応させて反応生成物を得た後、該反応生成物の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)をラジカル重合反応させて得られるアクリル変性デンプン(A)を水性媒体に分散してなる水分散体に関するものである。
また、本発明は、上記水分散体を使用した水性塗料組成物に関するものであり、該水性塗料組成物を塗装して得られる塗装物品に関するものである。
本発明のアクリル変性デンプン水分散体は、デンプン及び/又は変性デンプンの存在下で、疎水性重合体を形成するためのラジカル重合性不飽和単量体混合物と親水性重合体を形成するためのラジカル重合性不飽和単量体混合物をそれぞれ別個にグラフト重合させ、必要に応じてアクリル変性デンプン中のカルボキシ基を塩基性物質で中和して水分散させることにより得られるものである。この方法により、デンプン及び/又は変性デンプンに疎水性側鎖と親水性側鎖が形成されることで、水中に分散した場合の粒子のコアとなる部分とシェルとなる部分がはっきりし、しっかりとした粒子が形成されたものと推測され、粒子の粒径も単にデンプンに親水性側鎖を導入したアクリル変性デンプンの水分散体に比較し小さくなり、アクリル変性デンプン水分散体の長期貯蔵安定性が著しく向上させることができたものである。
また、該アクリル変性デンプン水分散体は生分解性を有する変性デンプンを含有しつつも、諸特性に優れるものであり、塗料だけではなく、インク、接着剤、成型剤等の幅広い分野に応用することができるが、特に塗料に適用した場合、仕上がり性、硬度、耐候性などに優れた被膜を形成でき、極めて有用なものである。
アクリル変性デンプン水分散体
本発明の水分散体は、 デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下で疎水性重合体を形成するためのラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)と親水性重合体を形成するためのラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)を別々にラジカル重合反応させて得られるアクリル変性デンプン(A)を水性媒体に分散してなるものである。
上記デンプン及び/又は変性デンプン(a)としては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、コーンスターチ、ハイアミローススターチ、小麦デンプン、米デンプンなどの地上茎未変性デンプン、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプンなどの地下茎未変性デンプン、及び、それらのデンプンの低度エステル化、エーテル化、酸化、酸処理化、デキストリン化されたデンプン置換誘導体などが挙げられる。これらのものは、単独又は複数併用して使用できる。これらの中でも特にエステル化デンプンはアクリル変性デンプンの製造安定性の点で優れており、(a)成分中30質量%以上、特に50質量%以上、さらに特に70質量%以上含有していることが好ましい。
デンプンのエステル化に際して好ましい変性基としては炭素数2〜18のアシル基が挙げられる。変性は炭素数2〜18の有機酸を単独でまたは2種以上組み合わせて用いることにより行うことができる。変性程度は、置換度で0.5〜2.8の範囲内が好ましく、特に1.0〜2.5の範囲内が好ましい。置換度が0.5未満では、重合性不飽和単量体との溶解性が不十分となり、形成塗膜の仕上がり性等が不十分になることがある。他方、置換度が2.8を超えると、生分解のスピードが遅くなることがある。
また、変性デンプンは、デンプンの分解温度(約350℃)以下にガラス転移点を有し、熱可塑性を有し且つ生分解性も有しているように変性の程度を調節することが望ましく、したがって、変性に使用する置換基の炭素数が多い場合には、低変性レベル、例えば、置換基が炭素数18のステアリル基である場合には、エステル置換度が0.5〜1.8の範囲内となるようにすることが好ましく、反対に、置換基の炭素数が少ない場合には、高変性レベル、例えば、置換基が炭素数2のアセチル基である場合には、エステル置換度が1.5〜2.8の範囲内となるようにすることが好ましい。
なお、本明細書において、置換度は、澱粉を構成する単糖単位1個あたりの変性剤により置換された水酸基の平均個数であり、例えば、置換度3は澱粉を構成する単糖単位1個中に存在する3個の水酸基が全て変性剤により置換されたことを意味し、置換度1は澱粉を構成する単糖単位1個中に存在する3個の水酸基のうちの1個だけが変性剤により置換されていることを意味する。
上記デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)及びラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)を別々にラジカル重合反応させることによりアクリル変性デンプン(A)を得ることができる。
上記(b1)及び(b2)に用いられるカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC2〜C8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、これら水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体のラクトン変性物(ダイセル化学社製の商品名「プラクセルF」シリーズ)などが挙げられる。
また、上記以外のその他のラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、
・メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC1〜C18のアルキル又はシクロアルキルエステル類;
・スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン、ビニルピリジン等のビニル芳香族化合物;
・N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド等の窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体;
・ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、ビニルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和単量体;
・ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレート等の1分子中に2個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する単量体;脂肪酸変性アクリル系単量体等を挙げることができる。
アクリル変性デンプン(A)の製造は、上記デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)をラジカル重合反応させて反応生成物を得た後、該反応生成物の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)をラジカル重合反応させるか、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)をラジカル重合反応させて反応生成物を得た後、該反応生成物の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)をラジカル重合反応させることにより得られる。
上記ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5質量%未満、特に4質量%未満、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%、特に10〜70質量%、その他のラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%、特に30〜90質量%の範囲内にあることが好ましい。
該混合物中のカルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体の量が5質量%未満であることが、アクリル変性デンプン水分散体の貯蔵安定性の点から好ましく、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体の量が5〜95質量%の範囲内にあることが、得られる被膜の硬化性、耐候性などの点から好ましい。
一方、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%、特に7〜70質量%、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%、特に10〜70質量%、その他のラジカル重合性不飽和単量体0〜90質量%、特に0〜83質量%の範囲内にあることが好ましい。
該混合物中のカルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体の量が5〜95質量%の範囲内にあることが、アクリル変性デンプン水分散体の貯蔵安定性の点から好ましく、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体の量が5〜95質量%の範囲内にあることが、得られる被膜の硬化性、耐候性などの点から好ましい。
各々の配合量は、本発明の水分散体の長期貯蔵安定性の点から、デンプン及び/又は変性デンプン(a)、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)及びラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)の合計量100質量部に対して、
デンプン及び/又は変性デンプン(a) 20〜90質量部、
ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1) 5〜40質量部、及び
ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2) 5〜40質量部
の範囲内であることが好ましく、
デンプン及び/又は変性デンプン(a) 30〜80質量部、
ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1) 10〜35質量部、及び
ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2) 10〜35質量部
の範囲内であることがより好ましい。
アクリル変性デンプン(A)の製造は、デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)及びラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)を別々にラジカル重合反応させるものであるが、重合させる順番としては、先に(b1)を重合させた後に(b2)を重合させる方が、(b2)を重合させた後に(b1)を重合させるよりも得られるアクリル変性デンプン水分散体の長期貯蔵安定性がやや優れる傾向にあり、こちらの方が好ましい。
(b1)及び(b2)を重合させる際の反応温度は通常約60〜約200℃、好ましくは約70〜約160℃の範囲であり、そして反応時間は通常約10時間以下、好ましくは約0.5〜約6時間である。
上記の反応においては、適宜、重合開始剤を添加することが好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウムまたはアンモニウム、過酸化水素、過炭酸塩のような無機のパーオキサイド化合物、アシルパーオキサイド(例えば、ベンゾイルパーオキサイド)、アルキルヒドロパーオキサイド(例えば、第3級ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド)、ジアルキルパーオキサイド(例えば、ジ−第3級ブチルパーオキサイド)、パーカーボネート(例えば、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート)のような有機パーオキサイド化合物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物が用いられる。これら重合触媒は2種以上併用してもよい。また、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)の重合時及びラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)の重合時で重合開始剤の種類や量が異なっても何ら問題ない。
これらの重合開始剤の中でもベンゾイルパーオキサイド又はt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートを用いることが得られる水分散体の長期貯蔵安定性の点から好ましい。
重合開始剤の配合量としては、ラジカル重合性不飽和単量体混合物100質量部に基づいて0.01〜20質量部、特に0.1〜15質量部、さらに特に0.3〜10質量部の範囲が、得られる水分散体の安定性の点から好ましい。
アクリル変性デンプン(A)を製造するための上記重合は通常有機溶剤の存在下で行う。有機溶剤の選択は、重合温度、水分散体製造時の取り扱いやすさ及び得られる水分散体の長期貯蔵安定性を考慮して適宜行なうことができる。
また、アクリル変性デンプンを水中に分散させる場合にも有機溶剤を添加することが可能である。
上記有機溶剤としては、アルコール系溶剤、セロソルブ系溶剤、カルビトール系溶剤などが好ましい。具体的には、例えば、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のカルビトール系溶剤などを挙げることができる。また、有機溶剤としては、上記以外の有機溶剤もアクリル変性デンプンの水性媒体中での安定性に支障を来たさない範囲で使用可能であり、この有機溶剤として、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤などを挙げることができる。本発明の水分散体における有機溶剤の量は、環境保護の観点から水性媒体中の50質量%以下の範囲であることが望ましい。
アクリル変性デンプン(A)は、上記配合に従って製造されるが、得られたアクリル変性デンプン(A)の酸価は10〜150mgKOH/g、特に12〜120mgKOH/g、さらに特に15〜90mgKOH/gの範囲内にあることが得られる水分散体の長期貯蔵安定性の点から好ましい。
アクリル変性デンプン(A)を水中に分散させる場合、通常アクリル変性デンプン(A)中のカルボキシル基の一部または全部を塩基性化合物で中和して水中に分散するが、塩基性化合物を含有する水中にアクリル変性デンプンを添加することも可能である。
中和のための塩基性化合物は、アクリル変性デンプン(A)中のカルボキシル基に対し0.1〜1.1当量、好ましくは0.5〜0.9当量用いることが適当である。また、中和のための塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、ジエチルアミン、エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、エチルアミノエチルアミン、ヒドロキシエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチレントリアミンなどの有機アミン;或いはカセイソーダ、カセイカリなどのアルカリ金属水酸化物等を用いることができる。
本発明においては、アクリル変性デンプン(A)の水分散体は、平均粒子径(注1)が0.05〜1.0μm、好ましくは0.08〜0.8μmの水分散体とすることができる。
(注1)平均粒子径:サブミクロン粒子アナライザーN4(商品名、ベックマン・コールター株式会社製、粒度分布測定装置)にて、試料を脱イオン水にて測定に適した濃度に希釈して、常温(20℃程度)にて測定した。
水性塗料組成物
本発明のアクリル変性デンプン(A)の水分散体は、それ自身塗装して乾燥させることにより成膜するため、そのまま被覆剤として使用することができるが、アクリル変性デンプン中の水酸基と反応する基を有する硬化剤と組み合わせることによって、硬化性、耐候性、耐薬品性などの諸性能に優れる被膜を形成することができる。該硬化剤としてはアミノ樹脂及び/又はブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物が好ましい。
上記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂が一般的で、なかでもメチロール化メラミン樹脂や該メチロール化メラミン樹脂のメチロール基の少なくとも一部を炭素数1〜10の1価アルコールでフルエーテル化又は部分エーテル化してなるアルキルエーテル化メラミン樹脂が挙げられ、その分子中にイミノ基が併存するメラミン樹脂も使用できる。これらの数平均分子量は3000以下、特に1500以下であることが適している。特に水溶性ないしは水分散性を有するものが適しているが水不溶性のものも使用できる。
上記ブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物は、フリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物及びイソシアネート基がブロック化されたブロック化ポリイソシアネート化合物の両者を包含する。
フリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物の如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ポリイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等を挙げることができる。フリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を用いる場合には、塗装直前にアクリル変性デンプン水分散体と混合して使用する2液型塗料であることが、塗料の貯蔵性や硬化性の点から好ましい。
イソシアネート基がブロックされたポリイソシアネート化合物としては、上記したフリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、オキシム、フェノール、アルコール、ラクタム、マロン酸ジエステル、アセト酢酸エステル又はメルカプタン等の公知のブロック剤でブロックしたものが挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物としては水分散性であることが好ましく、例えば、ポリイソシアネートを水中で自己乳化させたものや、攪拌器等により強制分散させたもの、アニオン性又はノニオン性界面活性剤を用いて分散させたものが挙げられる。市販品としては、例えば、アクアネート100、アクアネート110、アクアネート200及びアクアネート210(いずれも商品名、日本ポリウレタン工業社製);バイヒジュールTPLS−2032、SUB−イソシアネートL801、バイヒジュールVPLS−2319、バイヒジュール3100、VPLS−2336及びVPLS−2150/1(いずれも商品名、住化バイエルウレタン社製);タケネートWD−720、タケネートWD−725及びタケネートWD−220(いずれも商品名、三井化学ポリウレタン社製);レザミンD−56(商品名、大日精化工業社製)等が挙げられ、これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
上記硬化剤は、通常、前記アクリル変性デンプンとの合計固形分質量に基づいて約10〜50質量%、特に15〜40質量%の範囲内で配合するのが望ましい。
水性塗料組成物はクリヤー塗料、エナメル塗料のいずれのタイプであってもよく、適宜に、各種樹脂(アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等)、沈降防止剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、顔料分散剤、並びに、顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;鱗片状のアルミニウムやマイカ等の光輝性顔料;クレー、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウムなどの防錆顔料)等を要求される目的に応じて配合することができる。水性塗料組成物の固形分調整は、脱イオン水を加えて、塗料固形分を5〜70質量%、好ましくは20〜60質量%に希釈することによって製造することができる。
上記水性塗料組成物は、各種の基材の表面に適用することができ、該基材としては、例えば、スレート板、PC板等の無機基材;プラスチック等の有機基材;鉄、アルミニウム等の金属などが挙げられる。これらの被塗面には、水性又は溶剤型の下塗り材を塗布してもよく、必要に応じて該下塗り材を塗布した後、上記水性塗料組成物を上塗り材として塗布することができる。一方、本発明の水性塗料組成物を下塗り材として塗布した後、既知の水性上塗り材を塗布することも可能である。
本発明の水性塗料組成物の塗布方法としては、例えば、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電塗装、ハケ塗装、ローラー塗装、リシンガン、万能ガン、浸漬、ロールコーター、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター等が挙げられ、基材の用途等に応じて適宜選択することができる。塗布量としては、例えば、10〜100μm、好ましくは15〜80μmの範囲内とすることができる。また、塗膜外観を損なわない範囲で複数回塗り重ねてもよい。形成塗膜の乾燥方法としては、該水性塗料組成物中のアクリル変性デンプン水分散体の種類などに依存して、100〜200℃で10〜120分間、好ましくは120〜180℃で20〜90分間での焼付け乾燥や、又は100℃未満で1〜40分間強制乾燥を行った後、常温(50℃以下)で10時間以上放置、又は常温(50℃以下)で1日間〜7日間放置することにより、塗膜中の水や有機溶剤が揮散して塗膜が連続塗膜を形成する。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとする。
変性デンプンの製造
製造例1
ハイアミロースコーンスターチ(日本コーンスターチ社製、水酸基価500mgKOH/g)25部をジメチルスルホキシド(DMSO)200部に懸濁させ、攪拌しながら90℃まで昇温し、20分間その温度に保持して糊化させた。この溶液に重炭酸ナトリウム20部を触媒として添加し、90℃に維持してラウリン酸ビニル17部を添加し、その温度で1時間反応させた。次いで、さらに酢酸ビニル37部を添加し、80℃で1時間反応させた。その後、反応液を水道水中に流し込み、高速で攪拌して、粉砕を行い、濾過し、脱水乾燥して、エステル化デンプンP1を得た。
アクリル変性デンプン水分散体の製造
実施例1
温度計、攪拌機、還流冷却管及び窒素導入口を備えたガラス製4つ口フラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を入れ、攪拌しながら窒素気流下50℃まで昇温し、50℃に達したら製造例1で得られたエステル化デンプンP1を60部入れ、攪拌しながら120℃まで昇温した。エステル化デンプンが溶解した後、メチルメタクリレート10部、n−ブチルアクリレート5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部及びベンゾイルパーオキサイド1部の混合溶液を120℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後120℃に1時間保持して反応生成物を得た。
次に、上記フラスコ中に、メチルメタクリレート10部、n−ブチルアクリレート1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、アクリル酸4部及びベンゾイルパーオキサイド1部の混合溶液を120℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後120℃に1時間保持してアクリル変性エステル化デンプン溶液を得た。
該アクリル変性エステル化デンプン溶液を90℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン4.45部を添加し、15分間混合攪拌した。さらに、攪拌しながら脱イオン水179部を1時間かけて滴下して、樹脂固形分30%、樹脂酸価37mgKOH/g、平均粒子径0.29μmのアクリル変性デンプン水分散体No.1を得た。
実施例2〜9及び比較例2、3
実施例1において各原料、配合量及び反応温度を下記表1に示す内容とする以外は実施例1と同様にして各アクリル変性デンプン水分散体を得た。
比較例1
温度計、攪拌機、還流冷却管及び窒素導入口を備えたガラス製4つ口フラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を入れ、攪拌しながら窒素気流下50℃まで昇温し、50℃に達したら30%エステル化デンプン溶液P1を60部入れ、攪拌しながら120℃まで昇温した。エステル化デンプンが溶解した後、メチルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アクリル酸4部及びベンゾイルパーオキサイド2部の混合溶液を120℃で1時間かけて滴下し、滴下終了後120℃に1時間保持してアクリル変性エステル化デンプン溶液を得た。該アクリル変性エステル化デンプン溶液を90℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン4.45部を添加し、15分間混合攪拌した。さらに、攪拌しながら脱イオン水179部を1時間かけて滴下して、樹脂固形分30%、樹脂酸価37mgKOH/g、平均粒子径1.30μmのアクリル変性デンプン水分散体No.10を得た。
貯蔵安定性
上記で得られた各アクリル変性デンプン水分散体について下記試験方法に従って、貯蔵安定性の試験を行った。結果を表1に合わせて示す。
貯蔵安定性:各水分散体を容量が約1Lのガラス瓶に800g入れ、40℃の恒温室中で60日間貯蔵した。その後、室温に戻し、容器の中の状態を目視にて観察し、次の基準で評価した。
○:沈降物の発生や著しい粘度変化が認められない。
×:沈降物の発生及び/又は著しい粘度変化が認められる。
Figure 2009242761
Figure 2009242761
水性塗料組成物の製造
実施例10
容器に、実施例1で得られたアクリル変性デンプン水分散体を227部(固形分68部)、バイヒジュールVPLS−2319(住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系水分散性ポリイソシアネート化合物、固形分100%)を32部、及び脱イオン水を27部を入れて攪拌しながら混合し、固形分35%の水性塗料組成物B1を得た。
実施例11〜18、及び比較例4〜5
上記実施例10において、配合組成を下記表2に記載のとおりとする以外は実施例10と同様にして水性塗料組成物(B2)〜(B11)を得た。
試験板の作成及び評価
上記で得られた各水性塗料組成物をポリプロピレン板に乾燥膜厚が50μmになるようにスプレー塗装した。次に電気熱風乾燥器を用いて80℃で30分間乾燥し、1日放置して試験塗板を作成した後、下記の試験に供した。
仕上がり性
各試験塗板の表面状態を目視で観察し、下記基準で評価した。
○:平滑性が良好で問題のないレベル。
△:うねり、ツヤビケ及びチリ肌の少なくとも1つが少し見られ、やや問題なレベル。
×:うねり、ツヤビケ及びチリ肌の少なくとも1つが著しく、問題なレベル。
塗膜の非粘着性
各試験塗板の表面を指先(爪が塗面にあたるようにする。)で押し、粘着性や塗膜の爪跡の程度を下記基準で評価した。
◎:粘着性はなく、爪跡もつかない。
○:粘着性はなく、爪跡は少しつく程度で実用上問題のないレベル。
△:粘着性が少しあるが指紋の跡はつかない。
×:粘着性があり、指紋の跡がつく。
ゲル分率(%)
ポリプロピレン板上の塗膜を剥がしてフリーフィルムとし、該フィルムをセパレート型の丸底フラスコに入れ、フィルム1gに対してアセトンを100g以上加えて加熱し、3時間還流した。次にフィルムを取り出して105℃で1時間乾燥し、還流前後のフィルム質量を測定し、下記式に適用して算出した。
ゲル分率(%)=100×還流後のフィルム質量/還流前のフィルム質量。
Figure 2009242761

Claims (7)

  1. デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)をラジカル重合反応させて反応生成物を得た後、該反応生成物の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)をラジカル重合反応させて得られるアクリル変性デンプン(A)を水性媒体に分散してなる水分散体であって、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5質量%未満、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%よりなるものであり、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体0〜90質量%よりなるものであり、アクリル変性デンプン(A)の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする水分散体。
  2. デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)をラジカル重合反応させて反応生成物を得た後、該反応生成物の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)をラジカル重合反応させて得られるアクリル変性デンプン(A)を水性媒体に分散してなる水分散体であって、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5質量%未満、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体0〜95質量%よりなるものであり、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)は、カルボキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体5〜95質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体0〜90質量%よりなるものであり、アクリル変性デンプン(A)の酸価が10〜150mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする水分散体。
  3. デンプン及び/又は変性デンプン(a)、ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)及びラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)の合計量100質量部に対して、
    デンプン及び/又は変性デンプン(a) 20〜90質量部、
    ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1) 5〜40質量部、及び
    ラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2) 5〜40質量部
    の範囲内である請求項1又は2に記載の水分散体。
  4. (a)成分が、エステル化デンプンを30質量%以上含有するものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の水分散体。
  5. デンプン及び/又は変性デンプン(a)の存在下でラジカル重合性不飽和単量体混合物(b1)及び/又はラジカル重合性不飽和単量体混合物(b2)をラジカル重合反応させる際のラジカル重合開始剤がベンゾイルパーオキサイド又はt−ブチルパーオキシイソブチルカーボネイトである請求項1〜4のいずれか一項に記載の水分散体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水分散体を含む水性塗料組成物。
  7. 請求項6に記載の水性塗料組成物を塗装して得られる塗装物品。
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