JP2009242703A - ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体並びにセメント混和剤 - Google Patents

ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体並びにセメント混和剤 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の用途に好適に適用できるポリアルキレングリコール系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体、及び、減水性能等のセメント組成物等に対する性能が改善されたセメント混和剤を提供する。
【解決手段】ポリアルキレングリコール鎖長の差が5〜50モルである2種類のポリアルキレングリコールAとポリアルキレングリコールBとを必須成分として含むポリアルキレングリコール混合物とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とから得られるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体であって、該ポリアルキレングリコールAは、ポリアルキレングリコール鎖長mが1〜30モルであり、該ポリアルキレングリコールBは、ポリアルキレングリコール鎖長nが10〜80モルであって、該ポリアルキレングリコール混合物は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量の分子量分布が、主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有するものであり、該高分子量側のピーク面積が、全体の分子量分布における面積の4%以上であるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体並びにセメント混和剤に関する。より詳しくは、種々の原料等に好適に用いることができるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体並びにセメント組成物等に対して流動性を高めるための減水剤等として適用することができるセメント混和剤に関する。
ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体は、複数のオキシアルキレン基が付加した構造を有し、親水性等の物性をもつ化合物(付加重合体)であるポリアルキレングリコールと、不飽和カルボン酸系化合物とから得られるものであって、工業的に有用なものであり、例えば、ポリカルボン酸系共重合体等の原料等として広く用いられている。得られたポリカルボン酸系共重合体は、ポリアルキレングリコールに由来する種々の物性を発揮し、例えば、セメント混和剤をはじめとして分散剤やその他の種々な用途に用いられている。中でも、セメント混和剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等に対して減水剤等として広く用いられており、セメント組成物から土木・建築構造物等を構築するために欠かすことのできないものとなっている。このようなセメント混和剤は、セメント組成物の流動性を高めてセメント組成物を減水させることにより、硬化物の強度や耐久性等を向上させる作用を有することになる。減水剤の中でもポリカルボン酸系重合体を含むセメント混和剤は、従来のナフタレン系等の減水剤に比べて高い減水性能を発揮するため、高性能AE減水剤として多くの実績がある。
従来のセメント混和剤に関し、ゲル浸透クロマトグラム上の最大の屈折率強度極大点とベースラインの最短距離をLとしたとき、溶出開始点からクロマトグラム上の屈折率強度がL/3となる最速溶出時間までのピーク面積S1と、溶出開始点から最大の屈折率強度極大点までのピーク面積S0の比が、S1/S0が0.15以下であるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、該エステルの単独重合体及び共重合体、並びに、該共重合体を含有する分散剤が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
またアルキレンオキシド付加モル数が80〜300のポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)と、アルキレンオキシド付加モル数が5〜30のポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル単量体(B)と、アクリル酸系単量体若しくはジカルボン酸系単量体又はこれらの塩からなる単量体(C)とを、反応単位として(A)/(B)/(C)=51〜80/10〜45/1〜40の重量比で重合して得られる共重合体を必須成分とすることを特徴とするコンクリート混和剤が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に第1のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(1−a)、第2のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(1−b)、並びに単量体(1−c)を、(1−a)/(1−b)/(1−c)=5〜90/5〜90/1〜40の重量比で共重合して得られる共重合体(イ)を含有する水硬性組成物用分散剤が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
更に不飽和カルボン酸系化合物及びアルコールの少なくとも一方を二種類以上用い、同時に反応させて、二種類以上のエステル化物を得た後、得られた二種類以上のエステル化物に、必要に応じて共重合可能な単量体を加えて単量体混合物とし、これを重合して得られるポリカルボン酸系重合体を必須成分とするセメント添加剤が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2000−344883号公報(第1−2頁) 特開平11−157897号公報(第1−2頁) 特開2003−2714号公報(第1−2頁) 特開2002−12459号公報(第1−2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、種々の用途に好適に適用できるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体、及び、減水性能等のセメント組成物等に対する性能が改善されたセメント混和剤を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体について種々検討したところ、原料として用いるポリアルキレングリコールについて、鎖長の差が特定の関係を満たすポリアルキレングリコールの混合物が、様々な用途に好適に用いることができることを見いだした。そして、このようなポリアルキレングリコールをカルボン酸(塩)系不飽和単量体とエステル化することで、特定の分布のポリアルキレングリコール鎖長を有するポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体を得られることを見いだした。更に、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とを必須として共重合することにより、特定の分布のポリアルキレングリコール鎖長を有するポリカルボン酸系共重合体を得ることができ、このようなポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤は、セメント組成物等に対して優れた減水性能を発揮することができることも見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリアルキレングリコール鎖長の差が5〜50モルである2種類のポリアルキレングリコールAとポリアルキレングリコールBとを必須成分として含むポリアルキレングリコール混合物とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とから得られるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体であって、前記ポリアルキレングリコールAは、ポリアルキレングリコール鎖長mが1〜30モルであり、前記ポリアルキレングリコールBは、ポリアルキレングリコール鎖長nが10〜80モルであって、前記ポリアルキレングリコール混合物は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量の分子量分布が、主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有するものであり、前記高分子量側のピーク面積が、全体の分子量分布における面積の4%以上であるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体である。
以下に本発明を詳述する。
本発明のポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体の原料として用いられるポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコール鎖長mが1〜30モルであるポリアルキレングリコールAと、ポリアルキレングリコール鎖長nが10〜80モルであるポリアルキレングリコールBであって、ポリアルキレングリコールAとBのポリアルキレングリコール鎖長の差が5〜50モルであるポリアルキレングリコールAとBとを必須とするポリアルキレングリコール混合物であって、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量の分子量分布が、主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有するものである。このように、主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有することにより、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体、セメント混和剤等の原料の用途に好適にも用いることができる。例えば、上記主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有するポリアルキレングリコールを原料として用いて得られるポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤は、いずれか一方のピークのみを有するポリアルキレングリコールから得られるポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤では達成できなかった作用効果を発揮することができる。具体的には、主要なピークのみを有するポリアルキレングリコールから得られるものである場合、このようなセメント混和剤は、優れた保持性及びセメントの状態とすることができるが、際立った減水性を発揮するものではなく、特に、水/セメント比が小さい領域でのセメント分散性が充分ではないことから、このような領域での用途にも用いることができるセメント混和剤が求められている。主要なピークよりも高分子量側のピークのみを有するポリアルキレングリコールから得られるものである場合、このようなセメント混和剤は、優れた減水性を発揮するが、際立った保持性及び際立って優れたセメントの状態を有するものではなく、これらにも充分に優れたセメント混和剤が求められている。一方、上記主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有するポリアルキレングリコールから得られるポリカルボン酸系共重合体を含むセメント混和剤は、保持性、減水性、セメントの状態のいずれも極めて優れたものとすることができ、水/セメント比が小さい領域でもこれらの優れた作用効果を発揮することができることから、このような2つのピークを有するポリアルキレングリコールは、セメント混和剤の原料として極めて有用である。
上記ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー測定による分子量分布が、主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有することについて以下に説明する。
上記分子量分布におけるピークとは、ポリアルキレングリコールについてゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、電圧(eV)を縦軸、収集時間(分)を横軸とした分布曲線を得たときに、当該分布曲線において認められるピークである。主要なピークは、当該分布曲線において縦軸方向に最大のピークである。主要なピークよりも高分子量側のピークは、主要なピークとは別のピークであって、主要なピークよりも高分子量側に現れる単数又は複数(好ましくは、単数)のピークである。高分子量側のピークは、主要なピークに重なっている場合もあり、その場合、主要なピークのショルダーピークとして表れる。これらの2つのピークは、図1に示されるように1つの山において認められることが好ましい。例えば、図1においては、収集時間(保持時間)が28.2分近辺から33.4分近辺の1つの大きな山において、いわゆるショルダー(肩)と呼ばれる小さな山が29.6分近辺に認められている。この場合、29.6分近辺の小さな山と32.4分近辺にピークが認められる大きな山とによって2つのピークが形成されることになる。32.4付近の大きな山は、主要なピークを、29.6分近辺の小さな山は、主要なピークよりも高分子量側のピークを示すこととなる。
なお、図1において、収集時間が33.6分近辺のマイナスピークは、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー測定において収集時間の最後に認められる溶離液由来のものであり、本発明における2つのピークに該当するものではない。
上記ゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量は、下記GPC測定条件により測定することが好ましい。
GPC分子量測定条件
使用カラム:東ソー社製TSKguardColumn SWXL+TSKge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に、酢酸でpH6.0に調整した溶離液溶液を用いる。
打込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.3.21
上記高分子量側のピーク面積は、全体の分子量分布における面積の4%以上である。主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとが1つの山において認められる場合には、高分子量側のピーク面積は、主要なピークとの間の変極点で分割することにより求めることができる。この場合、全体の面積としては、その1つの山の面積を全体の面積とする。また、主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとが異なった山(1つの山において認められない)として認められる場合には、それら2つの山の面積の和が全体の面積となる。なお、GPC測定において収集時間の最後に認められるピークが現れた場合は、このピークの面積は、いずれの場合も、全体の面積に含めない。
このようにして求められる高分子量側のピーク面積は、全体の分子量分布における面積の4%以上であり、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、最も好ましくは30%以上である。
本発明のポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体の原料として用いられるポリアルキレングリコール混合物は、ポリアルキレングリコール鎖長が異なる2種類のポリアルキレングリコールA、Bを必須とするものである。ポリアルキレングリコールは、オキシアルキレン基がアルコールに付加した構造を有し、オキシアルキレン基の平均付加モル数がポリアルキレングリコール鎖長を表すことになる。オキシアルキレン基の平均付加モル数とは、当該ポリアルキレングリコールが有するオキシアルキレン基により形成される基1モル中において付加している当該オキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体の原料として、用いるポリアルキレングリコール混合物は、ポリアルキレングリコール鎖長mが1〜30モルであるポリアルキレングリコールAと、ポリアルキレングリコール鎖長nが10〜80モルであるポリアルキレングリコールBであって、ポリアルキレングリコールAとBとのポリアルキレングリコール鎖長の差が5〜50モルであるポリアルキレングリコールAとBとを必須とするものであるが、そのようなポリアルキレングリコールA及びBの組み合わせが好ましい理由は以下の通りである。
本発明の根幹は、特定の分子量分布を特徴とするポリアルキレングリコール混合物を用いることで、セメントに対して優れた減水性能・スランプ保持性能・粘性を示すポリカルボン酸系重合体を提供することであるので、当然のことながらその鎖長には好ましい関係が存在する。すなわち、ポリアルキレングリコールAとポリアルキレングリコールBの鎖長は近すぎても遠すぎても種々の不都合が生じるのである。
例えば、ポリアルキレングリコールAの鎖長が25モルであり、ポリアルキレングリコールBの鎖長が28モルであれば、ポリアルキレングリコールA及びBの鎖長が近すぎるので、得られるポリカルボン酸系重合体の性能はポリアルキレングリコールAのみから得られるポリカルボン酸系重合体の性能に相当近いものにしかなり得ない。
また、別の1例としては、ポリアルキレングリコールA/Bの鎖長が30モル/90モルであったり、4モル/25モルであったりすると、ポリアルキレングリコールBに由来する性能がポリアルキレングリコールAに由来する性能とあまりにも違うので、ポリカルボン酸系重合体の性能に様々な悪影響を及ぼすのである。すなわち、鎖長90モルのポリアルキレングリコール鎖は鎖長30モルを主成分としたポリカルボン酸を用いたセメント混合物の粘性を高くしてしまうし、鎖長25モルのポリアルキレングリコール鎖は減水性能が強すぎるため鎖長4モルを主成分としたポリカルボン酸系重合体を用いた場合よりスランプ保持性能を悪化させてしまう。
上記ポリアルキレングリコールAとBの鎖長差については、好ましくは6〜50であり、より好ましくは15〜50であり、最も好ましくは25〜50である。
上記ポリアルキレングリコールAとBは、それぞれ下記一般式(1)、(2);
Figure 2009242703
(式中、R、Rは、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。m、nは、ポリアルキレングリコールの平均付加モル数を表し、mは、1〜30であり、nは、10〜80である。)で表される。
上記mは、4〜30であることが好ましい。より好ましくは、6〜30であり、更に好ましくは、10〜25である。
上記nは、15〜80であることが好ましい。より好ましくは、20〜80であり、更に好ましくは、25〜75である。
上記ポリアルキレングリコールは、オキシアルキレン基がアルコールに付加した構造を有するものであるが、このようなオキシアルキレン基としては、炭素数2〜18のアルキレンオキシド基であることが好ましい。すなわち、上記一般式(1)、(2)において、R、Rは、炭素数2〜18のアルキレン基であることが好ましい。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられるが、これらのオキシアルキレン基は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。オキシアルキレン基が同一のポリアルキレングリコールに2種以上存在する場合には、オキシアルキレン基がランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。オキシアルキレン基が同一のポリアルキレングリコールに2種以上存在する場合の好ましい形態としては、エチレンオキシドが主体であるアルコキシポリアルキレングリコールである。
上記オキシアルキレン基は、炭素数2〜18のアルキレンオキシド付加物であることが好ましいが、このようなアルキレンオキシド付加物の構造は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド等のアルキレンオキシドの1種又は2種以上により形成される構造である。このようなアルキレンオキシド付加物の中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド付加物であることが好ましい。更にエチレンオキシドが主体であるものが好ましい。
上記オキシアルキレン基は、オキシエチレン基を主体とするものであることが好ましい。この場合、主体とは、全オキシアルキレン基の存在数において、大半を占めることを意味する。上記の「大半を占める」とは、全オキシアルキレン基100モル%中のオキシエチレン基をモル%で表すとき、50〜100モル%が好ましい。50モル%未満であると、オキシアルキレン基の親水性が不足しセメント粒子の分散性能が低下するおそれがある。好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上である。
上記ポリアルキレングリコールにおいて、オキシアルキレン基が付加するアルコールとしては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール類、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数3〜30の不飽和アルコール類が好ましい。すなわち、上記一般式(1)、(2)において、R、Rは、炭素数1〜30の炭化水素基であることが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜4の炭化水素基である。R、Rが、炭素数1〜30の炭化水素基であるポリアルキレングリコールの原料となるアルコールとしては、上記のものの中で、炭素数が1〜4であるものが好適に用いられる。なお、上記アルコール中に含まれる水に対してオキシアルキレン基が付加することもあるので、R、Rは水素原子であってもかまわない。
上記ポリアルキレングリコールとしては、具体的には、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール、メトキシポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール等が挙げられる。
本発明のポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体は、ポリアルキレングリコールとカルボン酸(塩)系不飽和単量体とから得られるものである。
ポリアルキレングリコールは上述したように、種々のポリアルキレングリコール鎖長のものがあり、これをカルボン酸(塩)系不飽和単量体とエステル化するか、カルボン酸系不飽和単量体のアルキルエステルとエステル交換することにより、上述したようなポリアルキレングリコール鎖長を有するポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とすることができる。本発明では、ポリアルキレングリコール混合物とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とを同時にエステル化反応させて、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体を得ることができる。「同時にエステル化反応させる」ために、原料のカルボン酸(塩)系不飽和単量体及びポリアルキレングリコール混合物は、最初に反応器に仕込んでもよいし、滴下してもよい。また、ここで、「同時にエステル化反応させる」とは、
(1)反応容器内にカルボン酸(塩)系不飽和単量体及びポリアルキレングリコール混合物を仕込む場合
(2)カルボン酸(塩)系不飽和単量体及びポリアルキレングリコール混合物を滴下する場合
(3)反応容器内にカルボン酸(塩)系不飽和単量体を仕込み、ポリアルキレングリコール混合物を滴下する場合
(4)反応容器内にポリアルキレングリコール混合物を仕込み、カルボン酸(塩)系不飽和単量体を滴下する場合
(5)カルボン酸(塩)系不飽和単量体の一部及び/又はポリアルキレングリコール混合物の一部を最初に反応容器に仕込み、残りを滴下する場合、が挙げられる。
本発明におけるエステル化反応においては、必要に応じて、反応系に酸触媒を加えて行ってもよい。酸触媒としては、例えば、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸水和物、キシレンスルホン酸、キシレンスルホン酸水和物、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸水和物、トリフルオロメタンスルホン酸、「Nafion」レジン、「Amberlyst 15」レジン、リンタングステン酸、リンタングステン酸水和物、塩酸等が挙げられ、これらのうち、硫酸、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸水和物、メタンスルホン酸等が好ましく使用される。これらの中でも特に、エステル化物の品質及び性能の低下の原因となる不純物のジエステルの生成原因の一つであるアルコール原料の切断を起こしにくいという点で、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸水和物が好ましい。
本発明におけるエステル化反応においては、必要に応じて反応系に脱水溶剤を加えることもできる。ここで、脱水溶剤とは、水と共沸する溶剤として規定されるものである。脱水溶剤を用いることにより、エステル化反応により生成する生成水を効率良く共沸させることができるものである。このような脱水溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ジオキサン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、クロロベンゼン、イソプロピルエーテル等が挙げられ、これらを単独であるいは二種以上の混合溶剤として使用することができる。あるいは、本発明のエステル化反応においては、脱水溶剤を用いずに無溶媒下でエステル化反応を行うこともできる。この場合には、生成する水を除去するために反応液に空気、不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、二酸化炭素)等の気体(好ましくは水蒸気を含まない気体)を用いたバブリング処理を行うことが好ましい。かかるバブリング処理としては、例えば、反応槽内の下部に設けられたエアノズル等から連続して気体(バブル)を反応液内に吹き出させ、反応液内を通過する過程で反応液内の水分を気泡(バブル)内に取り込ませ、反応液中を通過してきた水蒸気含有気体を反応系外に排気する(好ましくは、排気した気体に含まれる水蒸気を液化除去し、再び乾燥された気体を循環する)方法等が例示できるが、これに限定されない。
また、本発明におけるエステル化反応においては、必要に応じて重合禁止剤が反応系に加えられていても良い。本発明で用いることのできる重合禁止剤としては、例えば、フェノチアジン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ジ−p−フルオロフェニルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ベンゾキノン、ハイドロキノン、メトキノン、ブチルカテコール、ニトロソベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド、クペロン、塩化銅(II)等が挙げられる。これらのうち、脱水溶剤や生成水の溶解性の理由から、フェノチアジン、ハイドロキノン、メトキノンが好ましく使用される。
本発明において、エステル化反応は、回分式あるいは連続式のいずれで行ってもよいが、回分式で行うことが好ましい。また、エステル化反応における反応条件は、エステル化反応が円滑に進行する条件であればよいが、例えば、反応温度は30〜140℃、好ましくは60〜130℃、更に好ましくは90〜125℃、特に好ましくは100〜120℃である。本発明のエステル化物の製造方法によって得られる反応生成物は、目的物であるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体を含み、場合により未反応のカルボン酸(塩)系不飽和単量体又はポリアルキレングリコール混合物を含む。
上記反応生成物から目的であるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体を単離するためには、未反応の原料や副生物を蒸留、透析、限外ろ過、イオン交換等の方法により除去すればよいが、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体を単離することなく、得られた反応生成物に、必要に応じて共重合可能な単量体を加えて単量体混合物とし、これを重合して、ポリカルボン酸系重合体を得ることが好ましい。原料として用いるカルボン酸(塩)系不飽和単量体中のカルボキシル基の合計モル数を、原料として用いるポリアルキレングリコール混合物中の水酸基の合計モル数よりも多いものとすると、反応生成物に未反応のカルボン酸(塩)系不飽和単量体が含まれるため、これを重合することでポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とカルボン酸(塩)系不飽和単量体の共重合体であるポリカルボン酸系共重合体を得ることができる。カルボン酸(塩)系不飽和単量体の過剰率については、カルボン酸(塩)系不飽和単量体中のカルボキシル基の合計モル数が、ポリアルキレングリコール混合物中の水酸基の合計モル数の1.05当量以上であることが好ましく、1.2当量以上であることがより好ましい。このポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体についてポリアルキレングリコールと同様にGPC測定した場合には、やはり高分子量側のピークが存在する。そのピーク面積は全体の4%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上、最も好ましくは30%以上である。
上記カルボン酸(塩)系不飽和単量体としては、重合性不飽和基とカルボキシル基とを有する単量体であればよい。すなわち、上記カルボン酸(塩)系不飽和単量体は、下記一般式(3);
Figure 2009242703
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、メチル基、又は、−(CH)zCOOMを表し、zは、0〜2の数を表す。−(CH)zCOOMは、−COOM又は他の−(CH)zCOOMと無水物を形成していてもよい。M及びMは、同一若しくは異なって、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される単量体であることが好ましい。なお、上記有機アミンとしては、有機アンモニウム基であってもよい。
上記カルボン酸(塩)系不飽和単量体としては、上記一般式(3)を満たすものであればよいが、中でも、(塩)系単量体としては、R、R及びRのいずれもがカルボキシル基でない不飽和モノカルボン酸系単量体やR、R及びRのいずれかがカルボキシル基である不飽和ジカルボン酸系単量体等が好適である。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基とカルボキシル基とを1つずつ有する単量体であればよく、好ましい形態としては、下記一般式(4)で表される化合物である。
Figure 2009242703
上記一般式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基(有機アンモニウム基、すなわちプロトン化した有機アミン)を表す。
上記一般式(4)のMにおける金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の1価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の2価の金属原子;アルミニウム、鉄等の3価の金属原子が好適である。また、有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好適である。更に、アンモニウム基であってもよい。このような不飽和モノカルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等;これらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩(有機アンモニウム塩)が好適である。これらの中でも、セメント分散性能の向上の面から、メタクリル酸;その1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩を用いることが好ましく、カルボン酸(塩)系不飽和単量体として好適である。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基を1つとカルボキシル基を2つとを有する単量体であればよいが、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、又は、それらの無水物が好適である。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体としては、これらの他にも、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル、マレアミン酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミドが好適である。
上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体としては、上述したポリアルキレングリコールと上記カルボン酸(塩)系不飽和単量体とから得られるものであり、不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とがエステル結合を介して結合された構造を有する単量体であれば特に限定されない。具体的には、不飽和カルボン酸ポリアルキレングリコールエステル系化合物が好適であり、以下に示す(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステル類等が好ましい。例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
本発明は更に、上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体から得られるポリカルボン酸系共重合体でもある。
このようなポリカルボン酸系共重合体は、上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体から得られるものであれば特に限定されないが、例えば、上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とを重合してなるものであることが好ましい。このような重合体を2元系共重合体ともいうが、上記2種の単量体が共重合される限り、他の単量体が共重合されてもよく、特に2元系に限定されるものではなく、不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物、アルキル(メタ)アクリレート系単量体、上記2種以外の他の単量体と共重合可能な単量体が入っていてもよい。上記各単量体は、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。なお、他の単量体が共重合される場合、上記2種の単量体が単量体成分における主成分であることが好ましい。このような単量体成分から形成されるポリカルボン酸系重合体は、ポリアルキレングリコールが主鎖に結合した構造となる側鎖を持つ、すなわちポリアルキレングリコールを側鎖に持つ重合体となる。側鎖は、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体により形成されるものを必須とすることになる。このようなポリカルボン酸系共重合体は、上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体から得られるものであることから、上述したようなポリアルキレングリコール鎖長を有するものとなり、種々の用途に好適に用いることができるものとなる。
上記不飽和カルボン酸系重合体の重量平均分子量(Mw)は、5000〜1000000が好ましく、7000〜500000が更に好ましく、10000〜100000が最も好ましい。
なお、重合体の重量平均分子量は、GPCによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量であり、好ましいGPC測定条件は、上述したものと同様である。
上記ポリカルボン酸系重合体は、上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体及びカルボン酸(塩)系不飽和単量体を含む単量体成分を重合してなるものであればよく、その割合としては、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体が10〜70モル%及びカルボン酸(塩)系不飽和単量体が30〜90モル%であることが好ましい。
また、上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体及びカルボン酸(塩)系不飽和単量体以外の第3成分が含まれる場合には、その範囲としては、0〜30モル%であることが好ましい。なお、これらのモル%は、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、カルボン酸(塩)系不飽和単量体及び第3成分の合計を100モル%としたときの値である。
上記カルボン酸(塩)系不飽和単量体としては、上述したカルボン酸(塩)系不飽和単量体と同様のものが好適であり、そのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体及びカルボン酸(塩)系不飽和単量体以外の第3成分が含まれる場合には、第3成分としては、不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物、アルキル(メタ)アクリレート系単量体、又は、上記2種以外の他の単量体と共重合可能な単量体であればよい。
上記不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、不飽和基を有するアルコールにポリアルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であればよく、例えば、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物が好適である。
上記不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としてはまた、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテルが好適である。
上記アルキル(メタ)アクリレート系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートが好適である。
上記2種以外の他の単量体と共重合可能な単量体としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数23〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数23〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸系単量体とのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数5〜18のグリコール若しくはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;マレアミン酸と炭素原子数5〜18のグリコール若しくはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体が好適であり、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
次に、本発明におけるポリカルボン酸系重合体の製造方法を以下に説明する。
上記製造方法としては、例えば、単量体成分と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合等の重合方法により行うことができる。重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシドが好適である。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合方法においては、連鎖移動剤も必要に応じて使用することができる。このような連鎖移動剤としては、1種又は2種以上使用でき、疎水性連鎖移動剤を用いることもできる。
上記疎水性連鎖移動剤としては、炭素数3以上の炭化水素基をもつチオール化合物又は25℃の水に対する溶解度が10%以下の化合物が好適であり、上述した連鎖移動剤や、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、ターピノーレン等の不飽和炭化水素化合物が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。
上記疎水性連鎖移動剤は、必要に応じて親水性連鎖移動剤の1種又は2種と併用してもよい。このような親水性連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;2−アミノプロパン−1−オール等の1級アルコール;イソプロパノール等の2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物及びその塩が好適である。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成するオキシアルキレン基を有する単量体、溶媒等とあらかじめ混同しておいてもよい。
上記重合方法は、回分式でも連続式でも行うことができる。また、重合の際、必要に応じて使用される溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、単量体成分及び得られる重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。
上記重合方法において、単量体成分や重合開始剤等の反応容器への添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に添加することによって重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分と重合開始剤の全量を添加する方法等が好適である。このような方法の中でも、得られる重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、セメント組成物等の流動性を高める作用であるセメント分散性を向上することができることから、重合開始剤と単量体成分とを反応容器に逐次滴下する方法で重合を行うことが好ましい。また、単量体成分の重合性が向上して得られる重合体の保存安定性がより向上することから、重合中の反応容器内の水の濃度を50%以下に維持して重合反応を行うことが好ましい。より好ましくは、40%以下であり、更に好ましくは、30%以下である。
上記重合方法において、重合温度等の重合条件としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤により適宜定められるが、重合温度としては、通常0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、50℃以上であり、特に好ましくは、60℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、100℃以下であり、特に好ましくは、85℃以下である。
上記重合方法により得られるポリカルボン酸系重合体は、そのままでもセメント添加剤の主成分として用いられるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、1価金属及び2価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミンを用いることが好ましい。
本発明のセメント混和剤を製造する方法としては、上述した単量体成分を重合することにより行うことができる。重合の方法としては、上述した方法が好適であり、単量体成分中の単量体の種類や量、重合の条件等を適宜設定することになる。
上記重合方法においてはまた、反応容器における単量体成分のモル比を反応途中において少なくとも1回は変化させることが好ましい。この場合には、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体と、カルボン酸(塩)系不飽和単量体とのモル比を反応途中において少なくとも1回は変化させることが好ましい。このように重合中に単量体成分のモル比を変化させることにより2種類以上の共重合体の混合物が形成されるようにすると、該共重合体の混合物を用いたセメント混和剤がそれぞれの共重合体の各種の特性を持ち合わせたものとなり、作業効率等を改善することができるセメント混和剤を製造することができることとなる。
上記モル比を変化させる方法としては、例えば、モル比を増加させたり、減少させたり、増加と減少とを組み合わせたりすることが挙げられ、また、これらの変化の度合いを更に変化させることもできる。また、モル比の変化は、段階的であってもよく、連続的であってもよい。このようにモル比を重合中に変化させる方法としては、例えば、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(以下、単量体(A)ともいう。)及びカルボン酸(塩)系不飽和単量体(以下、単量体(B)ともいう。)のいずれか又は両方を重合容器に滴下し、滴下する単量体の滴下速度を段階的に又は連続的に変化させることにより行うことができる。
上記モル比を変化させる方法においては、上記単量体成分を用いた重合の初期から重合を終えるまでの重合中のある時点における重合容器中において、単量体(A)及び単量体(B)の重合の初期からその時点までに仕込まれたモル数をそれぞれA及びBとすると、モル比A/Bを重合中に少なくとも1回は変化させることになる。
また、単量体(A)/単量体(B)のモル比A/Bは、0.1以上であり、また、2以下であることが好ましい。より好ましくは、0.3以上であり、また、1.2以下である。
上記モル比を変化させる方法においては、各単量体単位のモル比A/Bが異なる共重合体を少なくとも2種含むことになるが、該共重合体を用いたセメント混和剤がそれぞれの共重合体の各種の特性を持ち合わせ、本発明の作用効果を充分に発揮するという点から、上記モル比A/Bが異なる共重合体3種以上を含む共重合体混合物を必須とすることが好ましい。すなわち重合中に単量体成分のモル比を変化させることにより3種類以上の共重合体の混合物が形成されるようにすることが好ましい。
また、単量体(A)及び単量体(B)の2種以上の単量体を含む単量体成分を重合してなる共重合体、並びに、単量体(A)及び単量体(B)の2種の単量体を含む単量体成分を重合してなる共重合体のうち少なくとも3種の共重合体を含む共重合体混合物を必須とするものであることが好ましい。すなわちモル比A/Bが異なる共重合体2種以上を含む共重合体混合物を必須とすることが好ましい。
本発明はそして、上記ポリカルボン酸系共重合体を含んでなるセメント混和剤でもある。
本発明のセメント混和剤は、必須成分として上記ポリカルボン酸系重合体を含有するものであるが、このようなセメント混和剤は、セメント組成物等に混和することができる剤、すなわちセメント添加剤等を含んでなる剤を意味する。上記必須成分を主成分として含むセメント混和剤は、本発明の好ましい形態の一つである。
本発明のセメント混和剤の使用方法としては、1種のセメント混和剤をセメント組成物に添加する形態において用いてもよく、2種以上のセメント混和剤をセメント組成物に添加する形態において用いてもよい。例えば、減水性が高い混和剤と併用して用いることが好ましい。この場合には、本発明のセメント混和剤として減水性が高いものと低いものとを用いてもよく、本発明のセメント混和剤と、それよりも減水性が高い他のセメント混和剤とを用いてもよい。減水性が高いセメント混和剤としては、例えば、ポリアルキレングリコール鎖長が長いポリカルボン酸系重合体を必須とする混和剤や、(メタ)アクリレート含有量の少ないポリカルボン酸系重合体(ポリアルキレングリコール鎖長は6モル以上)を必須とする混和剤が好適であり、ポリカルボン酸系重合体を形成する単量体成分としては、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体及びカルボン酸(塩)系不飽和単量体を必須成分として含むものが好適である。(メタ)アクリレートを含有しない場合のポリアルキレングリコール鎖長は4モル以上が好ましく、より好ましくは6モル〜200モル、更に好ましくは10〜100モルである。(メタ)アクリレートを含有する場合は、ポリアルキレングリコール鎖長は10モル以上が好ましい。より好ましくは、25モル以上であり、更に好ましくは、25〜200モルであり、特に好ましくは、25〜100モルである。
本発明における必須成分は、セメント添加剤の主成分として好適なものであり、それにより本発明のセメント混和剤を構成することもできる。このようなセメント添加剤について以下に説明する。
上記セメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができる。また、超高強度コンクリートにも用いることができる。
上記セメント組成物としては、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含む通常用いられるものが好適である。また、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、石灰石等の微粉体を添加したものであってもよい。
上記超高強度コンクリートとは、セメント組成物の分野で一般的にそのように称されているもの、すなわち従来のコンクリートに比べて水/セメント比を小さくしてもその硬化物が従来と同等又はより高い強度となるようなコンクリートを意味し、例えば、水/セメント比が25質量%以下、更に20質量%以下、特に18質量%以下、特に14質量%以下、特に12質量%程度であっても通常の使用に支障をきたすことのない作業性を有するコンクリートとなり、その硬化物が60N/mm以上、更に80N/mm以上、より更に100N/mm以上、特に120N/mm以上、特に160N/mm以上、特に200N/mm以上の圧縮強度を示すことになるものである。
上記セメントとしては、普通、早強、超早強、中庸熱、白色等のポルトランドセメント;アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント等の混合ポルトランドセメントが好適である。上記セメントのコンクリート1m当たりの配合量及び単位水量としては、例えば、高耐久性・高強度のコンクリートを製造するためには、単位水量100〜185kg/m、水/セメント比=10〜70%とすることが好ましい。より好ましくは、単位水量120〜175kg/m、水/セメント比=20〜65%である。
上記セメント添加剤のセメント組成物への添加量としては、本発明の必須成分であるポリカルボン酸系重合体が、セメント質量の全量100質量%に対して、0.01質量%以上となるようにすることが好ましく、また、10質量%以下となるようにすることが好ましい。0.01質量%未満であると、性能的に不充分となるおそれがあり、10質量%を超えると、経済性が劣ることとなる。より好ましくは、0.05質量%以上であり、また、8質量%以下であり、更に好ましくは、0.1質量%以上であり、また、5質量%以下である。
なお、上記質量%は、固形分換算の値である。
上記セメント添加剤は、通常用いられるセメント分散剤と併用することができる。上記セメント分散剤としては、リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物等が好適である。これらセメント分散剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セメント分散剤を併用する場合には、使用するセメント分散剤の種類、配合及び試験条件等の違いにより一義的に決められないが、上記セメント添加剤と上記セメント分散剤との配合質量の割合は、5〜95:95〜5であることが好ましい。より好ましくは、10〜90:90〜10である。
本発明のセメント混和剤としてはまた、上記ポリカルボン酸系重合体と、これとは異なるポリカルボン酸系重合体とを含む形態であることが好適である。この上記ポリカルボン酸系重合体とは異なるポリカルボン酸系重合体としては、上記ポリカルボン酸系重合体と、酸価や分子量、構成単位の構造、構成単位の組成等の点で異なるポリカルボン酸系重合体であればよいが、例えば、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の構成単位と、不飽和モノカルボン酸系単量体由来の構成単位とを有する共重合体(D);不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位と、マレイン酸系単量体由来の構成単位とを有する共重合体(E);不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体由来の構成単位と、不飽和モノカルボン酸系単量体由来の構成単位とを有する共重合体(F);特開平7−53645号公報、特開平8−208769号公報、特開平8−208770号公報の如くポリエーテル化合物に不飽和カルボン酸系単量体をグラフト重合した親水性グラフト重合体等が好適である。これらの中でも、共重合体(D)、共重合体(E)及び共重合体(F)からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体を用いることが好ましい。なお、これらの重合体等は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このように2種以上のポリカルボン酸系重合体を含むことにより、上記セメント混和剤がブレンドされたポリカルボン酸系重合体の各種特性を持ち合わせることとなるため、これをセメント組成物等に添加した場合には、コンクリートの粘性の低下、スランプ保持性の向上、ブリーディング水が少ないといった特性をより充分に発揮することが可能となる。このようなセメント混和剤としては、セメント組成物等に添加される前にこれらのポリカルボン酸系重合体が混合(ブレンド)されることにより混合物となってもよいし、セメント組成物等に別々に添加されることにより、セメント組成物等において混合物となってもよい。
上記セメント混和剤において、上記ポリカルボン酸系重合体と、これとは異なるポリカルボン酸系重合体との配合質量の割合としては、5〜95:95〜5であることが好適である。より好ましくは、10〜90:90〜10である。特に好ましい形態としては、セメント混和剤の総量100質量%に対して、上記ポリカルボン酸系重合体(本発明のセメント混和剤の必須成分であるポリカルボン酸系重合体)の割合が50質量%以上である形態であり、これにより、本発明の作用効果を更に充分に発揮することが可能となる。より好ましくは、60質量%以上である。また、好適な範囲としては、50〜95質量%である。
以下に、共重合体(D)、共重合体(E)及び共重合体(F)について説明する。なお、これらの共重合体の製造方法としては特に限定されず、通常の重合方法により製造することができる。
共重合体(D)は、下記一般式(5);
Figure 2009242703
(式中、R、R及びR10は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。)で表される構成単位と、下記一般式(6);
Figure 2009242703
(式中、R11、R12及びR13は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。pは0の数を表す。qは1の数を表す。R14は、同一又は異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。mは、R14Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。R15は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)で表される構成単位とを必須の構成単位として含む共重合体である。
上記共重合体(D)としては、上記2種の構成単位を含むものであるが、更にその他の共重合可能な単量体(例えば、上記ポリカルボン酸系重合体における第4成分として記載した単量体)に由来する構成単位を含むものであってもよい。共重合体(D)におけるこれらの構成単位は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記共重合体(D)においては、上記一般式(5)で表される構成単位と上記一般式(6)で表される構成単位とが各々全構成単位中の1質量%以上を占めることが好適であり、これらの比率としては、上記一般式(5)で表される構成単位/上記一般式(6)で表される構成単位(質量%)=1〜99/99〜1であることが好ましい。より好ましくは、2〜90/98〜10であり、更に好ましくは、3〜70/97〜30であり、特に好ましくは、4〜50/96〜50である。また、共重合体(D)において、上記一般式(5)で表される構成単位と上記一般式(6)で表される構成単位との合計の比率(質量%)としては、共重合体(D)全体の50〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、70〜100質量%である。
共重合体(E)は、上記一般式(5)で表される構成単位(式中、R及びR10は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Rは、COOMを表し、COOMと無水物を形成していてもよい。M及びMは、同一若しくは異なって、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。)と、上記一般式(6)で表される構成単位(式中、R11、R12及びR13は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。pは0〜2の数を表す。qは0の数を表す。R14は、同一又は異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。mは、R14Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。R15は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)とを必須の構成単位として含む共重合体である。
上記共重合体(E)としては、上記2種の構成単位を含むものであるが、更にその他の共重合可能な単量体(例えば、上記ポリカルボン酸系重合体における第4成分として記載した単量体)に由来する構成単位を含むものであってもよい。共重合体(E)におけるこれらの構成単位は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記共重合体(E)においては、上記一般式(5)で表される構成単位と上記一般式(6)で表される構成単位とが各々全構成単位中の1質量%以上を占めることが好適であり、これらの比率としては、上記一般式(5)で表される構成単位/上記一般式(6)で表される構成単位(質量%)=1〜99/99〜1であることが好ましい。より好ましくは、2〜90/98〜10であり、更に好ましくは、3〜70/97〜30であり、特に好ましくは、4〜50/96〜50である。また、共重合体(E)において、上記一般式(5)で表される構成単位と上記一般式(6)で表される構成単位との合計の比率(質量%)としては、共重合体(E)全体の50〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、70〜100質量%である。
共重合体(F)は、上記一般式(5)で表される構成単位(式中、R、R及びR10は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。Mは、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アンモニウム基を表す。)と、上記一般式(6)で表される構成単位(式中、R11、R12及びR13は、同一若しくは異なって、水素原子又はメチル基を表す。pは0〜2の数を表す。qは0の数を表す。R14は、同一又は異なって、炭素数2〜18のアルキレン基を表す。mは、R14Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。R15は、水素原子又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。)とを必須の構成単位として含む共重合体である。
上記共重合体(F)としては、上記2種の構成単位を含むものであるが、更にその他の共重合可能な単量体(例えば、上記ポリカルボン酸系重合体における第4成分として記載した単量体)に由来する構成単位を含むものであってもよい。共重合体(F)におけるこれらの構成単位は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
上記共重合体(F)においては、上記一般式(5)で表される構成単位と上記一般式(6)で表される構成単位とが各々全構成単位中の1質量%以上を占めることが好適であり、これらの比率としては、上記一般式(5)で表される構成単位/上記一般式(6)で表される構成単位(質量%)1〜99/99〜1であることが好ましい。より好ましくは、2〜90/98〜10であり、更に好ましくは、3〜70/97〜30であり、特に好ましくは、4〜50/96〜50である。また、共重合体(F)において、上記一般式(5)で表される構成単位と上記一般式(6)で表される構成単位との合計の比率(質量%)としては、共重合体(F)全体の50〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、70〜100質量%である。
また、本発明のセメント混和剤は、他のセメント添加剤と組み合わせて用いることもできる。上記他のセメント添加剤としては、例えば、以下に示すようなセメント添加剤(材)等が挙げられる。
(1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物のナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシエチレンあるいはポリオキシプロピレンのポリマー又はそれらのコポリマー;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル類;酵母グルカンやキサンタンガム、β−1,3グルカン類(直鎖状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カードラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポリマー及びその四級化合物等。
(2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキル等の各種ビニル単量体の共重合物等。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(4)早強剤・促進剤:塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等の可溶性カルシウム塩;塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物;硫酸塩;水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;炭酸塩;チオ硫酸塩;ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩;アルカノールアミン;アルミナセメント;カルシウムアルミネートシリケート等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(9)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、炭素数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。
(10)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和あるいは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(16)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールやステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキレンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシル基を置換基として有しても良い、スルホン基を有する2個のフェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;アルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
その他のセメント添加剤(材)としては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等を挙げることができる。これらのセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記セメント添加剤は、上述したセメント分散剤やセメント添加剤(材)の他に、セメント組成物の分散性、抑泡制等を向上させるものと併用させてもよい。セメント添加剤やセメント分散剤をセメント組成物に加える方法としては、これらのセメント添加剤やセメント分散剤を混合してセメント混和剤とし、セメント組成物への混入を容易にして行うことが好ましい。
上記セメント組成物において、セメント及び水以外の成分についての特に好適な実施形態としては、次の(1)〜(6)が挙げられる。
(1)<1>本発明のセメント混和剤、及び、<2>オキシアルキレン系消泡剤の2成分を必須とする組み合わせ。尚、<2>のオキシアルキレン系消泡剤の配合質量比としては、<1>のセメント混和剤に対して0.01〜20質量%が好ましい。
(2)<1>本発明のセメント混和剤、<2>オキシアルキレン系消泡剤及び<3>AE剤の3成分を必須とする組み合わせ。オキシアルキレン系消泡剤としては、ポリオキシアルキレン類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアセチレンエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類等が使用可能であるが、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類が特に好適である。尚、<1>のセメント混和剤と<2>の消泡剤との配合質量比としては、<2>の消泡剤が<1>のセメント混和剤に対して0.01〜20質量%であることが好ましい。一方、<3>のAE剤の配合質量比としては、セメントに対して0.001〜2質量%が好ましい。
(3)<1>本発明のセメント混和剤、及び、<2>材料分離低減剤の2成分を必須とする組み合わせ。材料分離低減剤としては、非イオン性セルロースエーテル類等の各種増粘剤、部分構造として炭素数4〜30の炭化水素鎖からなる疎水性置換基と炭素数2〜18のアルキレンオキシドを平均付加モル数で2〜300付加したポリオキシアルキレン鎖とを有する化合物等が使用可能である。尚、<1>のセメント混和剤と、<2>の材料分離低減剤との配合質量比としては、10/90〜99.99/0.01が好ましく、50/50〜99.9/0.1がより好ましい。この組み合わせのセメント組成物は、高流動コンクリート、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材として好適である。
(4)<1>本発明のセメント混和剤、<2>遅延剤の2成分を必須とする組み合わせ。遅延剤としては、グルコン酸(塩)、クエン酸(塩)等のオキシカルボン酸類、グルコース等の糖類、ソルビトール等の糖アルコール類、アミノトリ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸類等が使用可能であるが、オキシカルボン酸類が特に好適である。尚、<1>のセメント混和剤と<2>の遅延剤との配合質量比としては、10/90〜99.9/0.1の範囲が好ましく、20/80〜99/1の範囲がより好ましい。
(5)<1>本発明のセメント混和剤、<2>促進剤の2成分を必須とする組み合わせ。促進剤としては、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の可溶性カルシウム塩類、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物類、チオ硫酸塩、ギ酸及びギ酸カルシウム等のギ酸塩類、アルカノールアミン等が使用可能である。尚、<1>のセメント混和剤と<2>の促進剤との配合質量比としては、0.1/99.9〜90/10の範囲が好ましく、1/99〜70/30の範囲がより好ましい。
(6)<1>本発明のセメント混和剤、<2>分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤の2成分を必須とする組み合わせ。尚、スルホン酸系分散剤としては、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系の分散剤等が使用可能である。尚、<1>のセメント混和剤と<2>のスルホン酸系分散剤との配合質量比としては、5/95〜95/5の範囲が好ましく、10/90〜90/10の範囲がより好ましい。
本発明のセメント混和剤は、各種のセメント組成物等に好適に適用することができるうえに、セメント組成物等の粘性の低下、スランプ保持性の向上、ブリーディング水が少ないといった特性を発揮することができるものであることから、本発明のセメント混和剤を用いることにより、セメント組成物の減水性が向上してその硬化物の強度や耐久性が優れたものとなり、しかもセメント組成物を取り扱う現場において作業しやすくなるような粘性となり、土木・建築構造物等を構築における作業効率等が改善されることとなる。
本発明はまた、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とを必須成分として共重合してなるポリカルボン酸系共重合体の製造方法であって、該製造方法は、上述した本発明のポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とからポリカルボン酸系共重合体を得る工程を含むポリカルボン酸系共重合体の製造方法でもある。
ポリカルボン酸系共重合体をこのような方法で製造することにより、異なる鎖長を併せ持つポリカルボン酸系共重合体を効率よく製造することができる。このような製造方法により得られるポリカルボン酸系共重合体もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記製造方法においては、上記カルボン酸(塩)系不飽和単量体としては、上述したカルボン酸(塩)系不飽和単量体が好ましい。中でも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
本発明のポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、ポリカルボン酸系共重合体及びセメント混和剤は、上述の構成よりなり、種々の原料等として様々な用途に好適も用いられ、特に、セメント組成物等に対して流動性を高めるための減水剤等として適用することができるセメント混和剤である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<実施例1>
[ポリアルキレングリコール混合物1の調整]
メトキシポリエチレングリコール(鎖長4モル)190重量部と、メトキシポリエチレングリコール(鎖長10モル)10重量部を混合し、本発明のポリアルキレングリコール混合物1を得た。GPC測定の結果、高分子量側のピーク面積は12.1%であった。
[ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体1を含む水溶液の合成]
温度計、攪拌機、窒素導入管、及び縮合水分離管を備えた反応器に、ポリアルキレングリコール混合物1を596.3重量部、メタクリル酸412.2重量部、パラトルエンスルホン酸1水和物22.3重量部、フェノチアジン0.3重量部、及び、共沸溶媒としてシクロヘキサン100.8重量部を仕込み、110℃に保ち、縮合水を分離しながら20時間加熱してエステル化を行った。その後、蒸留水201.0重量部と30%水酸化ナトリウム溶液18.5重量部を加えた後、再び昇温して共沸によりシクロヘキサンを除去してから、調整用蒸留水を加えて、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体1を65%と未反応のメタクリル酸15%を含む混合物の水溶液を得た。GPC測定の結果、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体1の高分子量側のピーク面積は11.6%であった。
[ポリカルボン酸系重合体(1)の合成]
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管、及び冷却管を備えた反応器に、蒸留水637重量部を仕込み、70℃に昇温した。続いて、前記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体1を65%と未反応のメタクリル酸15%を含む混合物の水溶液1045重量部、蒸留水82重量部、及び、3−メルカプトプロピオン酸10重量部を混合した溶液を5時間、並びに、蒸留水87.5重量部と30%過酸化水素水12.5重量部を混合した溶液を5時間、並びに、蒸留水95重量部とL−アスコルビン酸5重量部を混合した溶液を5時間かけて滴下した。その後、70℃に保ったままで1時間熟成してから冷却し、30質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH7に調整し、更に蒸留水を加えて、重量平均分子量19500のポリカルボン酸系重合体(1)の水溶液(固形分濃度45質量%)を得た。
<比較例1>
メトキシポリエチレングリコール(鎖長4モル)だけを用いる以外は、実施例1と同様にしてポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体65%と未反応のメタクリル酸15%を含む混合物の水溶液合成を行った。GPC測定の結果、高分子量側のピーク面積は0.1%であった。実施例1と同様に重合を行って重量平均分子量18300の比較ポリカルボン酸系重合体(1)の水溶液(固形分濃度45質量%)を得た。
<実施例2>
[ポリアルキレングリコール混合物2の調整]
メトキシポリエチレングリコール(鎖長10モル)190.0重量部と、メトキシポリエチレングリコール(鎖長25モル)10.0重量部を混合し、本発明のポリアルキレングリコール混合物2を得た。GPC測定の結果、高分子量側のピーク面積は10.9%であった。
[ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体2を含む水溶液の合成]
得られたポリアルキレングリコール混合物2を用い、実施例1と同様にしてポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体2を70%と未反応のメタクリル酸13%を含む混合物の水溶液を得た。GPC測定の結果、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体2の高分子量側のピーク面積は10.1%であった。
[ポリカルボン酸系重合体(2)の合成]
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水465.4部を仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体2を含む水溶液を797.2部及び3−メルカプトプロピオン酸10.3部を混合したモノマー水溶液を4時間、並びに過硫酸ナトリウム13.3部、水125.5部からなる水溶液を5時間かけて反応容器に滴下し、その後1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、冷却して、重合反応を終了した。その後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液とイオン交換水とを用いて反応溶液をpH=7に中和し、固形分が45質量%となるように調製し、重量平均分子量12000のポリカルボン酸系重合体(2)の水溶液を得た。
<比較例2>
メトキシポリエチレングリコール(鎖長10モル)だけを用いる以外は、実施例2と同様にしてポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体70%と未反応のメタクリル酸13%を含む混合物の水溶液合成を行った。GPC測定の結果、高分子量側のピーク面積は0.1%であった。実施例2と同様に重合を行って、重量平均分子量11800の比較ポリカルボン酸系重合体(2)の水溶液(固形分濃度45質量%)を得た。
<モルタル試験>
実施例1、2及び比較例1、2で得られたポリカルボン酸系重合体(1)、(2)および比較ポリカルボン酸系重合体(1)、(2)の水溶液を用いて、表1に示す配合でモルタルを調合・混練し、スランプフロー値を評価した。結果を表2に示した。
Figure 2009242703
セメント:太平洋セメント社製普通ポルトランドセメント
細骨材:ISO標準砂
セメント質量に対するセメント混和剤配合量は、混和剤の固形分量で計算し、%表示で表2に示した。
混練条件
上記配合で、HOBARTミキサーにセメントと細骨材を投入して回転1で30秒混練し、次いでセメント混和剤を配合した水を加えて回転1で30秒混練し、更に回転2で60秒間混練した後に壁面付着物を掻き落とし、更に回転2で60秒混練することで、モルタルを製造した。
評価方法および評価基準
得られたモルタルのスランプフロー値の測定は、日本工業規格(JIS A 1101、1128、6204)に準拠して行った。
Figure 2009242703
実施例1に示した本発明のポリカルボン酸系重合体(1)は、表2に示した評価結果から明らかなように、比較例1の比較ポリカルボン酸系重合体(1)と同じ添加量でモルタルフロー値が格段に大きくなっている。また同様に、実施例2に示した本発明のポリカルボン酸系重合体(2)は、比較例2の比較ポリカルボン酸系重合体(2)と同じ添加量でモルタルフロー値が格段に大きくなっている。このことはすなわち、高分子量側の面積比率が4%以上である本発明のポリアルキレングリコールから得られるポリカルボン酸系重合体が、セメント分散剤として優れていることを示している。
<実施例3>
[ポリアルキレングリコール混合物3の調整]
メトキシポリエチレングリコール(鎖長25モル)166.6重量部と、メトキシポリエチレングリコール(鎖長75モル)33.4重量部を混合し、本発明のポリアルキレングリコール混合物3を得た。GPC測定の結果を図2に示すが、高分子量側のピーク面積が7275000μV秒、主要なピーク面積が33985000μV秒であり、高分子量側のピーク面積は17.6%であった。
[ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体3を含む水溶液の合成]
実施例1と同様にしてポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体3を64%と未反応メタクリル酸13.8%を含む混合物の水溶液を得た。GPC測定の結果、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体3の高分子量側のピーク面積は17.1%であった。
[ポリカルボン酸系重合体(3)の合成]
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水465.4部を仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体3を含む水溶液813.8部及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸22.3部を混合したモノマー水溶液を4時間、並びに過硫酸ナトリウム13.3部、水125.5部からなる水溶液を5時間かけて反応容器に滴下し、その後1時間引き続いて80℃に温度を維持した後、冷却して、重合反応を終了した。その後、48質量%水酸化ナトリウム水溶液とイオン交換水とを用いて反応溶液をpH=7に中和し、固形分が45質量%となるように調製し、重量平均分子量13200のポリカルボン酸系重合体(3)の水溶液を得た。
<実施例4〜6および比較例3>
表3に示す割合でメトキシポリエチレングリコール(鎖長25モル)と、メトキシポリエチレングリコール(鎖長75モル)を混合し、実施例3と同様にして得られたポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体4〜6を64%と未反応メタクリル酸16%を含む混合物の水溶液を用い、実施例3と同様に重合し、以下に示す重量平均分子量のポリカルボン酸系重合体(4)〜(6)および比較ポリカルボン酸系重合体(3)の水溶液を得た。
重量平均分子量
ポリカルボン酸系重合体(4):13200
ポリカルボン酸系重合体(5):12000
ポリカルボン酸系重合体(6):11500
比較ポリカルボン酸系重合体(3):11200
Figure 2009242703
<モルタル試験>
実施例3〜6及び比較例3で得られたポリカルボン酸系重合体(3)〜(6)及び比較ポリカルボン酸系重合体(3)の水溶液を用いて、表4に示す配合でモルタルを調合・混練し、スランプフロー値を評価した。結果を表5に示した。
Figure 2009242703
セメント:宇部三菱セメント社製シリカフュームセメント「SFC」
細骨材:千葉県君津産山砂
セメント質量に対するセメント混和剤配合量は、混和剤の固形分量で計算し、%表示で表5に示した。
混練条件
上記配合で、HOBARTミキサーにセメントを投入して回転1で20秒混練し、次いでセメント混和剤を配合した水を加えて回転1で100秒混練し、次いで細骨材を加えて回転1で90秒間混練した後に壁面付着物を掻き落とし、更に回転1で120秒混練することで、モルタルを製造した。
評価方法及び評価基準
得られたモルタルのスランプフロー値の測定は、日本工業規格(JIS A 1101、1128、6204)に準拠して行った。
Figure 2009242703
評価結果
実施例3〜6に示した本発明のポリカルボン酸系重合体(3)〜(6)は、表5に示した評価結果から明らかなように、比較例3の比較ポリカルボン酸系重合体(3)と同じ添加量でモルタルフロー値がいずれも大きくなっており、特にポリカルボン酸系重合体(3)及び(4)が格段に大きくなっている。このことはすなわち、高分子量側の面積比率が4%以上である本発明のポリアルキレングリコールから得られるポリカルボン酸系重合体が、セメント分散剤として優れていることを示している。
ポリアルキレングリコールのGPCピーク例である。 実施例3のポリアルキレングリコール混合物3のGPC測定結果である。

Claims (4)

  1. ポリアルキレングリコール鎖長の差が5〜50モルである2種類のポリアルキレングリコールAとポリアルキレングリコールBとを必須成分として含むポリアルキレングリコール混合物とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とから得られるポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体であって、
    該ポリアルキレングリコールAは、ポリアルキレングリコール鎖長mが1〜30モルであり、該ポリアルキレングリコールBは、ポリアルキレングリコール鎖長nが10〜80モルであって、
    該ポリアルキレングリコール混合物は、ゲルパーミーエーションクロマトグラフィーによるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量の分子量分布が、主要なピークとそれよりも高分子量側のピークとを有するものであり、
    該高分子量側のピーク面積が、全体の分子量分布における面積の4%以上である
    ことを特徴とするポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体。
  2. 請求項1記載のポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体から得られることを特徴とするポリカルボン酸系共重合体。
  3. 請求項2記載のポリカルボン酸系共重合体を含んでなることを特徴とするセメント混和剤。
  4. ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とを必須成分として共重合してなるポリカルボン酸系共重合体の製造方法であって、
    該製造方法は、請求項1記載のポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体とカルボン酸(塩)系不飽和単量体とからポリカルボン酸系共重合体を得る工程を含む
    ことを特徴とするポリカルボン酸系共重合体の製造方法。
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