JP2009242500A - 化粧材用樹脂組成物及び化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙間強度、鉛筆硬度に優れた化粧材を提供する。
【解決手段】下記ステップに基づいて化粧材を得る。a)板状の基材に化粧紙を貼着するステップ、b)該化粧紙の表面に光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂を必須成分とする化粧材用樹脂組成物を主成分とする樹脂液を塗布するステップ、c)化粧表面仕上げ用のプラスチックフィルムで塗布面を被覆し、脱泡するステップ、d)表面に紫外線を照射し、樹脂液が硬化した後、該プラスチックフィルムを硬化面から剥がすステップ。
【選択図】なし

Description

本発明は化粧材用樹脂組成物及び化粧材に関する。
従来、化粧材としては、合板やMDFやパーティクルボードといった木質系基材に化粧板用の化粧紙を接着し、表面に不飽和ポリエステル樹脂を用いたポリエステル化粧材が広く知られている。製造方法については、近年は生産が容易なフィルム成形法が主流となっている。
このフィルム成形法について述べると、合板などの板状の基材に無地或は図柄を印刷した化粧紙をポリ酢酸ビニルエマルジョン、或は不飽和ポリエステル樹脂などの接着剤を用いて貼付け、その上に不飽和ポリエステル樹脂よりなる樹脂液を塗布し、しかる後粘着テープ、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、ゴム等で鉄製枠に張ったフィルムで被覆してゴムローラーで脱泡し、樹脂液が硬化した後フィルムを除去する方法である。
特開平9−11402号公報 特開2006−89580号公報
しかしながら、上記方法によって得られる、ポリエステル化粧材は使用する樹脂中に含まれるスチレンの残存モノマーによる強い臭気があり、対策が求められている。
かかる問題を解決するために、表面に使用する樹脂中に臭気を有するモノマーを添加しない、光硬化性樹脂を用いる成形方法もあるが、この方法では深層部や紙間中にまで光が届かないため、そうした箇所において未硬化の残存樹脂分が多く、紙間の強度が得られないなどの問題があった。
本発明はかかる状況に鑑み検討されたもので、光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂を必須成分とする化粧材用樹脂組成物及びこれを用いた化粧材を要旨とするものである。
光硬化性樹脂の未硬化部分の硬化を促すことにより紙間強化を図ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる板状の基材としては、合板、パーティクルボード、MDFなどの木質系基材、石膏ボ−ド、珪酸カルシウムなどの無機質系基材、或いはこれらを複合化した複合材、更にはハニカムコア、ロ−ルコア、ぺ−パ−コアなどの中空芯材を組み合わせたものなどが適用できる。化粧紙は坪量が20〜200g/m2の化粧板用に供される通常公知のものであれば特に制約はなく、無地、木目柄、抽象柄など適宜選択される。
板状の基材に化粧紙を接着するための接着剤は特に制約はなく、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂や、スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス、ポリアクリルエマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、ブタジエン−ニトリル樹脂エマルジョンなどのエマルジョン系接着剤、PUR等が挙げられ、フローコーター、ロールコーター、ハケなどで塗布すればよい。塗布方法について特に制約はない。
化粧紙の表面に塗布される樹脂は、光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂を必須成分とする樹脂液、または両性能を有した樹脂である。
光硬化型樹脂は光を照射することによって、重合もしくは架橋反応を生成する組成物であり、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂などが挙げられる。中でも耐汚染性、柔軟性等の観点よりウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、光重合開始剤とともに用いられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、分子中に(メタ)アクリロイル基及びウレタン結合をそれぞれ少なくとも1つ含有する樹脂であり、イソシアネート化合物と分子内に(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシル化合物とのウレタン化反応、あるいは分子内に(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物とヒドロキシル化合物とのウレタン化反応により得ることが出来る。
イソシアネートとしては、有機ジイソシアネート、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート及びその混合物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4、4’MDI)、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチル−4,4‘−ビフェニルメタンジイソシアネート、粗製TDI、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(PDI)、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、2、4−トルエンジイソシアネート、2、6−トルエンジイソシアネート、2、4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリジンイソシアネート、1、5−ナフチレンジイソシアネート、トランスシクロへキサン1、4−ジイソシアネート、2,4−キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、などが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシ化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、1、4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルが好ましく用いられる。
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]-2−モルフォリノプロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、ベンゾフェノン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4、4’−ジメトキシベンゾフェノン、4、4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、キサントン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げられ、市販品としてはIRGACURE184、369、651、500、819、907、DAROCUR1173、TPO、MBF(以上、チバ・ジャパン社製)などが挙げられる。
レドックス硬化型樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、該樹脂は不飽和ポリエステルを主成分とし、これに重合性モノマー、重合開始剤、重合促進剤、重合禁止剤、及び必要に応じて紫外線吸収剤などを加えて粘稠溶液にしたもので、粘度は0.2〜8Pa・s程度であれば良い。
不飽和ポリエステルは、不飽和二塩基酸及び/又はその酸無水物と必要に応じて用いられるその他の飽和酸及び/又はその酸無水物とを含む酸成分と、多価アルコールとを窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で160〜230℃程度、好ましくは210〜230℃で常法に従い脱水縮合反応させればよく、得られる不飽和ポリエステルの酸価は15〜35が好ましい。
不飽和二塩基酸及びその酸無水物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられ、単独で用いても2種以上を併用しても良い。不飽和二塩基酸及びその酸無水物は、酸成分中50〜100mol%使用されることが好ましく、特に60〜100mol%使用されることが好ましい。
必要に応じて用いられるその他の飽和酸及び/又はその酸無水物としては、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸などの飽和二塩基酸などが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。飽和酸の配合量は、酸成分中0〜50mol%、好ましくは0〜40mol%の範囲とされる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3―ブタンジオール、1、4―ブタンジオール、2、3―ブタンジオール、1、5―ペンタジオール、1、6―ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ペンタエリスリトールなどの四価アルコールなどが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。配合量は全酸成分100に対して100〜110molの範囲が良い。
重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラメチルスチレンなどの芳香族重合性モノマー類、(メタ)アクリル系モノマー及びまたはその誘導体、例えば、メチル(メタ)アクリレート[(メタ)アクリレートはメタクリレート又はアクリレートを示す。以下同じ。]、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性モノマー類などが挙げられる。
その他、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジブチルマレエート、ジブチルフマレート、ジメチルイタコネート、ジブチルイタコネートなどの不飽和二塩基酸塩のジアルキルエステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2−ベンゾトリアゾール、2、2、6、6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、N−メチル−2、2、6、6−テトラメチルピペリジニルメタクリレートなどの窒素含有重合性モノマー類、酢酸ビニルの如きビニルエステル、(メタ)アクリロニトリルの如き重合性シアノ化合物なども例示される。
これらは1種または2種以上を用いることができき、樹脂液中の不飽和ポリエステルと重合性モノマーとの配合割合は、不飽和ポリエステル60〜80重量%に対してモノマーは20〜40重量%が望ましい。特に(メタ)アクリル系モノマーを使用すれば、架橋に支障無く、製品の残存モノマーに起因する臭気がほとんど無くなり特に好ましい。
レドックス重合開始剤として使用される成分としては、不飽和ポリエステル樹脂用途に用いられる公知の重合開始剤が使用でき、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソピルベンゼンパーオキサイドなどハイドロパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、1、1、3、3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレートなどのパーオキシエステル類などの有機過酸化物や、2、2′−アゾビスイソブチルニトリル、2、2′−アゾビス−2−メチルブチルニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上の併用が可能である。好ましくは有機過酸化物で分解温度が低いものが硬化性の面で都合が良く、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドを用いるのが好ましい。
本発明において、重合開始剤と併用して硬化を促進させる目的で配合される必須の重合促進剤として、金属石鹸が採択されるが、ここでいう金属石鹸は金属の脂肪酸塩を示し、脂肪酸としては、炭素数6ないし30の主鎖を有する天然あるいは合成の飽和もしくは不飽和脂肪酸あるいはこれらの混合物であり、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナーセム銅、ネオデカン酸コバルト、オクテン酸コバルトなどを挙げることができ、重合促進助剤として2,2−ビピリジル、ジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類を用いることも出来る。
重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ナフチキノン、フェナンスキラノン、2、5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、パラキシロキノン、パラトルキノン、2、6−ジクロロキノン、2、5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2、5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノンなどのキノン類、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、2、5−ジ―t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類、アセトアミジンアセテート、アセトアミジンサルフェートなどのアミジン類、ジ−t−ブチル・パラクレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのフェノール類、フェニルヒドラジン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩などのヒドラジン塩類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩類、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、フェノチアジンなどの硫黄化合物などが挙げられ、樹脂液の保存性、硬化時間などを考慮して適宜選択して用いることができる。これらは単独、あるいは2種以上の併用が可能である。
光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂を必須成分とする樹脂液を化粧紙の表面に塗布する方法としては、フローコーター法、フィルム法、プレス法などがあるが、作業性、生産性の面からフィルム法が好ましく、このフィルム法について述べると、塗布面を前述のフィルムを被覆する際には、フィルム面にしわが生じないように事前にフィルムを枠に張っておき、その後塗布面をフィルムで被覆しゴムローラーで樹脂液を均一に広げつつ脱泡し、表面に紫外線を照射し、樹脂液が硬化した後にフィルムを除去すると、本発明の化粧材を得ることができる。
化粧紙の表面に樹脂液を塗布した後、塗布面に密着させるフィルムの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、セロハン、飽和ポリエステル、ポリアミドあるいはこれらのフィルムと硬質塩化ビニルフィルムとの複合フィルムなどが挙げられ、フィルムに所望の艶、エンボス形状が賦与される。これらのフィルムの中でも樹脂液の被覆、仕上り表面の艶などを考慮すれば、ある程度の耐熱性が有り、ゴムローラーで脱泡する際に破損することがなく、耐久性や光透過性にも優れたポリプロピレンフィルムが好ましい。
光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂の配合割合は、固形分比で30〜90:70〜10とするのが好ましく、光硬化型樹脂が多いと紙間強度が劣りやすく、少ないと紫外線照射直後の表面の硬化不良が起こり、作業性に支障をきたす。
光硬化型樹脂の硬化反応に用いられる光照射装置としては、波長200〜800nmを含むものであれば、特に限定されず、例えば、炭素アーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、タングステンフィラメントランプ、太陽光等の適宜の光源を用いることができる。中でも、取り扱いが簡便であり、比較的高エネルギーを得ることのできる紫外線発生装置が好ましく用いられる。
光硬化型樹脂
攪拌装置、温度計、留分凝縮冷却管(コンデンサー)、滴下装置を備えた2リットルのセパラブルフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)252g(0.50モル)を攪拌して60℃に昇温した。内温が90℃以下になるように滴下速度を調整しながら2−ヒドロキシエチルメタアクリレート208g(1.60モル)とウレタン化触媒であるジ−n−ブチルスズジラウレート0.062gを添加した。滴下終了後、内温を60℃に保ちながら、反応液をサンプリングし、FTIRにてイソシアネート基にもとづく2275cm−1の吸収ピークが消失したことを確認した時点で、冷却バットに反応液を移送し光硬化型樹脂を得た。
レドックス硬化型樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)
不飽和ポリエステル 65重量部
(フマル酸、無水フタル酸−エチレングリコール、プロピレングリコール系)
メタクリル酸エステル 35重量部
重合禁止剤
(メトキノン) 200ppm
厚み2.5mmの合板にポリ酢酸ビニルエマルジョン接着剤を用いて坪量65g/m2の白色の化粧紙を接着した。次いで表面に光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂が50/50となるように混合した液に対し、光重合開始剤および硬化促進剤の8%オクテン酸コバルト石鹸を添加した(A液)を塗布し、次いで光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂を50/50の比率で混合した液に対し、光重合開始剤およびレドックス重合開始剤55%MEKPOを添加した(B液)をバーコーターで130g/m2塗布した。次いで,化粧紙の表面に前記の樹脂液が塗布された面を,ポリプロピレンフィルムで被覆し,ゴムローラーで樹脂液を均一に広げながら気泡を除去した。次いで照度ピーク強度=2000mW/cm2、積算照度=340mJ/cm2、ランプ電力=120W/cmのUVランプ(FUSION UV Systems Standard Products F300S)にて照射し、しかる後フィルムを剥がして実施例1の化粧材を得た。
実施例1において、光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂の配合比率を90/10とした以外は同様に実施した。
実施例1において、光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂の配合比率を30/70とした以外は同様に実施した。
実施例1において、A液の光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂の配合比率を30/70とし、B液の光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂の配合比率を50/50とした以外は同様に実施した。
比較例1
実施例1において、光硬化型樹脂を用いずレドックス硬化型樹脂100重量部を用いた以外は同様に実施したが、成形直後に表面のベタツキが見られ、外観不良となった。
比較例2
実施例1において、レドックス硬化型樹脂を用いず光硬化型樹脂100重量部を用いた以外は同様に実施したが、紙間強度が得られず化粧表面が剥離した。
比較例3
実施例1において、8%オクテン酸コバルトおよび55%メチルエチルパーオキサイドを用いない以外は同様に実施したが、紙間強度が得られず化粧表面が剥離した。
比較例4
実施例1において、光重合開始剤を用いない以外は同様に実施したが、成形直後に表面のベタツキが見られ、外観不良となった。
比較例5
実施例1において、光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂の配合比を20/80とした以外は同様に実施したが、成形直後に表面のベタツキが見られた。
比較例6
実施例1において、光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂の配合比を95/5とした以外は同様に実施したが、紙間強度が不足した。
比較例7
実施例4において、メタクリル酸エステルの添加量を5部とした以外は同様に実施したが、樹脂の浸透性が悪く表面の密着が不足しピンホール外観となった。
実施例1〜4および比較例1〜7における、主剤(光硬化性樹脂、レドックス硬化性樹脂、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA))、および光重合開始剤(IRGACURE−184、DAROCUR−TPO、8%オクテン酸コバルト(8%Co−OTX)、55%メチルエチルケトンパーオキサイド(55%MEKPO))の配合を表1に示す。
評価結果を表2に示す。
試験方法は以下の通りとした。
なお紙間強度試験、鉛筆硬度試験の試験体は、紫外線照射後10分以内に表面仕上げ用のプラスチックフィルムを剥離した後、常態で3日間放置したものを用い、表面外観についてはプラスチックフィルムを剥離した直後の試験体を用いて、それぞれ以下の要領に沿って評価を行った。
紙間強度;化粧材表面に30〜40度の角度になるように切り込みを入れ、セロハンテープ(JISA1522に記されるもの)を化粧材表面に完全に付着させた後、直ちにセロハンテープの一端を45度の角度に保ち、勢い良く引き離す。表面樹脂または紙の繊維がセロハンテープ面に付着している様子を観測し、以下の評価基準で評価を行った。
評価基準
○;セロハンテープを貼り付けた面積の0〜10%未満で紙が付着した。
×;セロハンテープを貼り付けた面積の50%以上で紙が付着した。
鉛筆硬度;JIS K5600準拠。斜め45度に固定した鉛筆の真上から1000gの荷重をかけ引っ掻き試験を行った。傷の入らなかった鉛筆の硬度を表記した。
成形品外観;試験体を日中の太陽光射光にかざし、表面樹脂のベタツキ、表面凹凸およびピンホール等、外観上の欠点を目視にて評価した。
評価基準
○;成形品表面にベタツキ或いは目立った外観上の欠点が確認されない。
△;成形品表面にベタツキ或いは外観上の欠点の一方が確認された。
×;成形品表面にベタツキ、外観上の欠点が確認された。

Claims (2)

  1. 光硬化型樹脂とレドックス硬化型樹脂または両性能を有した樹脂を必須成分とする化粧材用樹脂組成物。
  2. 下記ステップに基づく化粧材。
    a)板状の基材に化粧紙を貼着するステップ、
    b)該化粧紙の表面に請求項1に記載の化粧材用樹脂組成物を主成分とする樹脂液を塗布するステップ、
    c)化粧表面仕上げ用のプラスチックフィルムで塗布面を被覆し、脱泡するステップ、
    d)表面に紫外線を照射し、樹脂液が硬化した後、該プラスチックフィルムを硬化面から剥がすステップ。
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