JP2009241147A - 開先加工方法、制御プログラム、演算プログラム、制御システム及びプラズマ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トーチ2と、加工位置保持機構10と、傾斜機構と、移動機構とを備えたプラズマ加工装置1を制御する制御システム20であって、開先形状部を形成する場合に、2回目以降の加工が、該加工による加工空間の領域内に前回の加工による加工空間の加工先端部が形成されるように加工し、かつ、最後の加工による加工空間が前記他方側の面に到達するように構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば、プラズマ加工機を用いてプラズマアークにより開先形状部を形成する場合、被加工材に対して傾斜させたトーチを開先形状部の開先面又はルート面に対応する方向に傾斜させてプラズマアークを噴射しながら移動する加工を開先形状部に対応する面の回数だけ行って開先形状部を形成し、残材が毎回の加工ごとに被加工材から取り除かれるようになっている。
また、製品予定部から分離された残材は、熱歪により変形するために製品予定部と正確に隣接させることは容易ではなく、製品予定部と残材との間に空間が形成されると、2回目以降の加工に際してプラズマアークが製品予定部と残材の間の空間をまたいで形成されるために、プラズマアークが不安定となってドロスが生成されるなど開先形状部の表面が粗くなり、又開先形状部が丸くなるという問題があった。
また、その結果として、プラズマアークにより開先形状部を形成する場合、熱歪の影響が小さくなるような形状及び加工経路を考慮することが必要とされ、多くの手間が必要になるという問題があった。
請求項1に記載された発明は、被加工材に対して傾斜させたトーチからプラズマアークを噴射させながら前記被加工材と相対移動して、前記被加工材の一方の面に開口し他方側の面に伸びる加工空間を形成する加工を前記トーチの傾斜角度を変えて複数回行なうことにより開先形状部を形成する開先加工方法であって、少なくとも2回目以降のいずれかの加工による加工空間の領域内に前回以前の加工による加工空間の加工先端部が形成されるように加工し、かつ、最後の加工による加工空間が前記他方側の面に到達するように加工することを特徴とする。
請求項10に記載された発明は、プラズマ加工装置であって、請求項9に記載の制御システムを備えることを特徴とする。
また、プラズマアークを乱す開口部が形成されることがないため残材を製品予定部に並べて位置決めする作業が不要とされるとともに最後の加工により残材が製品予定部から分離されるので、人手による作業が軽減し生産性が向上する。
また、2回目以降の加工による加工空間の領域内に前回の加工による加工空間の加工先端部が形成されるように加工することにより、プラズマアークの乱れをより確実に抑制することができる。
また、M+1回目の加工をする際のプラズマアークが、M回目に形成された加工空間をまたぐことに起因するプラズマアークの不安定が抑制され、正確な開先形状部を得るとともに開先形状部の表面が粗くなることが抑制される。
その結果、プラズマ加工装置において本発明を実施するための制御プログラム、加工データを、プラズマ加工装置の外(例えば、ワークステーション)において容易に作成することができる。
また、開先形状部の表面が粗くなるのを抑制して、安定した表面及び形状を備えた開先形状部を容易に加工することができる。
図1は、この発明の一実施形態を示す図であり、符号1は加工装置(プラズマ加工装置)を、符号2はトーチを、符号20は制御装置(制御システム)を示している。
加工装置1は、トーチ2と、定盤3と、トーチ2を保持するとともにトーチ2を所定の角度に保持してトーチ2に傾斜角度を付与するトーチ保持部材(加工位置保持機構)10と、トーチ2をトーチ保持部材10とともに加工装置1の定盤上でX軸方向(走行方向)及びY軸方向(横行方向)に移動させる移動機構16と、トーチ保持部材10に保持したトーチ2のトーチ軸線O1をY軸方向及びX軸方向に回動させる傾斜機構15と、制御システム20とを備えている。
トーチ2のトーチ軸線O1と被加工材Wの加工面との交点には加工点Pが形成され、加工空間の加工面における略中心に位置する。また、この加工点Pは、トーチ2が移動する経路、すなわち加工軌跡上に形成されるものである。
また、トーチ2は、定盤3に鉛直とされ上記加工点Pを通過する軸線O2廻りに回動可能とされている。
その結果、トーチ2の傾斜角度が変化しても、加工面における加工点Pとトーチ2の先端との相対位置が維持されるようになっている。
また、B軸モータ15Bは、軸線O2廻りにトーチ2を回動させてトーチ軸線O1のXY平面における方向を制御するようになっている。
かかるA軸モータ15A及びB軸モータ15Bの回動角度を組み合わせることにより、平面視定盤3上の任意の方向において、トーチ軸線O1を任意の傾斜角度Sに傾けることができるようになっている。
その結果、制御システム20は、入力部21から入力される開先形状部に関するデータに基づいて、加工位置保持機構10による加工点P、傾斜機構15によるトーチ2の傾斜角度、移動機構16によるトーチ2の移動速度Vと、トーチ2から噴射されるプラズマアークの噴射条件(例えば、電流、ガス種、ガス圧力、ガス流量、トーチ高さ等)とを制御して、被加工材Wに所望の加工空間HMを形成することができるようになっている。
この場合、M(Mは、N−1以下の自然数)回目の加工による加工空間HMの加工先端部は、被加工材Wの他方側(加工面の反対側)の面に至る途中に位置するとともにM+1回目の加工による加工空間HM+1の領域内に形成されるように算出されるようになっている。
なお、N回目に加工される加工空間HN(HM+1、M=N−1)は、その加工先端部が被加工材Wの他方側の面に到達するように加工長さLNが算出されるようになっている。
また、加工軌跡T0上の所要通過点における加工点PでのA軸モータ15A及びB軸モータ15Bの回動角度は直線補間により制御可能とされている。
なお、Z軸方向移動機構16Zは、例えば、人手により入力された指示信号により駆動されてもよい。
以下、フローによる動作手順について説明する。
1)開先形状部に関するデータとして、被加工材Wの材質、厚さt、トーチ2の加工軌跡T0に関するデータ、開先形状部の断面形状D0に関するデータを入力部21から入力する(S1)。
2)演算部22は、入力部21から入力された開先形状部の断面形状D0に関するデータに基づいてトーチ2の傾斜角度S1からSNを算出するとともに、被加工材Wの厚さt、傾斜角度SNからN回目に加工される加工空間HNの加工先端部が被加工材Wの他方側の面に到達する加工長さLNを算出する(S2)。
3)N回目に加工する加工空間HNを加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチの移動速度VNを、被加工材Wの材質、加工長さLNをデータベース24と照合して取得する(S3)。
なお、ここで取得したプラズマアークの噴射条件、トーチの移動速度VNに関する加工データは図示しない記憶部に格納される。
4)次に、1回目からM回目の加工に関する加工条件を演算の繰り返しにより算出するために、例えば、M=N−1と設定する(S4)。Nは、開先形状部の断面形状D0に関するデータに基づいて自動的に算出可能であり、例えば、Y開先加工ではN=2、X開先加工ではN=3とされる。なお、Nを入力部21から入力する構成としてもよい。
5)次に、M回目の加工による加工空間HMの加工先端部が、被加工材Wの他方側の面に至る途中に位置するとともにM+1回目の加工による加工空間HM+1の領域内に形成されるように加工空間HMの加工長さLMを算出する(S5)。
6)M回目に加工する加工空間HMを加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチの移動速度VMを、被加工材Wの材質、加工長さLMをデータベース24と照合して取得する(S6)。
なお、ここで取得したプラズマアークの噴射条件、トーチの移動速度VMに関する加工データは図示しない記憶部に格納される。
7)M>1の場合には、Mから1を減じ(S8)て、上記5)に移行して5)、6)を繰り返し(S7)、M=1の場合には、開先形状部の加工に移行する(S7)。
8)M=1を設定し、加工空間HMの加工に移行する(S9)。
9)プラズマアークにより加工された加工空間HMによって被加工材Wの製品予定部に開先面、ルート面が形成可能とされるM回目の加工に対応する加工点PMの位置を、加工軌跡T0及び傾斜角度SMに基づいて算出する(S10)。
10)加工空間HMを加工する。
この場合、トーチ2のトーチ軸線O1を被加工材Wの加工面に対して傾斜角度SMに傾斜させるとともに加工点PMの位置を加工軌跡T0の所要通過点に合わせ、記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、トーチ2を加工軌跡T0に沿って移動速度VMで移動させる(S11)。
11)MがN未満の場合(S12)には、Mに1を加算(S13)して、上記10)、11)を繰り返し、M=Nである場合(S12)には、加工を終了する。
また、製品予定部と残材との相対的な位置が正確に維持されるので安定した形状及び表面を有する開先形状部を容易に得ることができる。
また、開先形状部を形成する場合に熱歪の影響が小さくなるような形状及び加工経路を考慮する必要がなくなり開先形状部の形成にかかる検討時間を低減することができる。
被加工材Wの製品予定部W1に表Y開先形状部を形成する手順を、図4を参照して説明する。表Y開先形状部は、N=2とされ、以下の1)から3)は、トーチ2が移動開始するまでに制御システム20において行なわれるものである。また、図4(A)は加工前の被加工材W及び製品予定部W1を示す図である。
1)まず、入力部21から、被加工材Wの材質、図4(A)、(B)、(C)に示すような厚さt、製品予定部W1のルート面R11を平面視して定義されるトーチ2の加工軌跡T0に関するデータ、開先形状部の断面形状D0に関するデータが入力され、これらデータに基づいてトーチ2の傾斜角度S11(S1に相当)、傾斜角度S12(S2に相当)を算出するとともに、被加工材Wの厚さt、傾斜角度S12に基づいて2回目に加工される加工空間Y12(H2に相当)の加工先端部が被加工材Wの加工面と反対(他方)側の面に到達する加工長さL12(L2に相当)を算出する。
2)被加工材Wの材質、加工長さ加工長さL12をデータベース24と照合して、2回目に加工する加工空間Y12を加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチの移動速度V12を取得して図示しない記憶部に記憶する。
3)次に、1回目の加工により形成する加工空間Y11(H1に相当)の加工先端部が、被加工材Wの反対側の面に至る途中に位置するとともに加工空間Y12の領域内に形成されるように加工空間Y11の加工長さL11を算出し、加工空間Y11を加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチ2の移動速度V11、被加工材Wの材質、加工長さL11を、データベース24と照合して取得し、図示しない記憶部に記憶する。
4)次いで、プラズマアークを噴射しながらトーチ2を移動させることにより、加工空間Y11、加工空間Y12をこの順に加工する。
このとき、図4(B)に示すように、加工空間Y11を加工する際の加工点P11(P1に相当)の位置を、加工空間Y11が製品予定部W1の開先面K11に対応するように、加工軌跡T0及び傾斜角度S11に基づいて算出する。
その後トーチ2は傾斜角度S11に傾斜させるとともに記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、加工点P11を加工軌跡T0に沿って移動速度V11で移動して加工空間Y11を加工する。
5)次いで、図4(C)に示すように、加工空間Y12を加工する際の加工点P12(P2に相当)の位置を、加工空間Y12が製品予定部W1のルート面R11に対応するように、加工軌跡T0及び傾斜角度S12に基づいて算出する。
その後トーチ2を傾斜角度S12に傾斜させるとともに記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、加工点P12を加工軌跡T0に沿って移動速度V12で移動して加工空間Y11を加工して、製品予定部W1に表開先形状部が形成される。
上記手順により、表面が粗くなることが抑制され安定した開先形状部を有する表Y開先形状部を形成することができる。
被加工材Wの製品予定部W2に裏Y開先形状部を形成する手順を、図5を参照して説明する。裏Y開先形状部は、N=2とされ、以下の1)から3)は、トーチ2が移動開始するまでに制御システム20において行なわれるものである。また、図5(A)は加工前の被加工材W及び製品予定部W2を示す図である。
1)まず、入力部21から、被加工材Wの材質、図5(A)、(B)、(C)に示すような厚さt、製品予定部W2のルート面R21を平面視して定義されるトーチ2の加工軌跡T0に関するデータ、開先形状部の断面形状D0に関するデータが入力され、これらデータに基づいてトーチ2の傾斜角度S21(S1に相当)、傾斜角度S22(S2に相当)を算出するとともに、被加工材Wの厚さt、傾斜角度S22に基づいて2回目に加工される加工空間Y22(H2に相当)の加工先端部が被加工材Wの加工面と反対(他方)側の面に到達する加工長さL22(L2に相当)を算出する。
2)被加工材Wの材質、加工長さ加工長さL22をデータベース24と照合して、2回目に加工する加工空間Y22を加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチの移動速度V22を取得して図示しない記憶部に記憶する。
3)次に、1回目の加工により形成する加工空間Y21(H1に相当)の加工先端部が、被加工材Wの反対側の面に至る途中に位置するとともに加工空間Y22の領域内に形成されるように加工空間Y21の加工長さL21を算出し、加工空間Y21を加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチ2の移動速度V21、被加工材Wの材質、加工長さL21を、データベース24と照合して取得し、図示しない記憶部に記憶する。
4)次いで、プラズマアークを噴射しながらトーチ2を移動させることにより、加工空間Y21、加工空間Y22をこの順に加工する。
このとき、図5(B)に示すように、加工空間Y21を加工する際の加工点P21(P1に相当)の位置を、加工空間Y21が製品予定部W2のルート面R21に対応するように、加工軌跡T0及び傾斜角度S21に基づいて算出する。
その後トーチ2は傾斜角度S21に傾斜させるとともに記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、加工点P21を加工軌跡T0に沿って移動速度V21で移動して加工空間Y21を加工する。
5)次いで、図5(C)に示すように、加工空間Y22を加工する際の加工点P22(P2に相当)の位置を、加工空間Y22が製品予定部W2の開先面K21に対応するように、加工軌跡T0及び傾斜角度S22に基づいて算出する。
その後トーチ2を傾斜角度S22に傾斜させるとともに記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、加工点P22を加工軌跡T0に沿って移動速度V22で移動して加工空間Y22を加工して、製品予定部W2に裏開先形状部が形成される。
上記手順により、表面が粗くなることが抑制され安定した開先形状部を有する裏Y開先形状部を形成することができる。
被加工材Wの製品予定部W3にX開先形状部を形成する手順を、図6を参照して説明する。X開先形状部は、N=3とされ、以下の1)から4)は、トーチ2が移動開始するまでに制御システム20において行なわれるものである。また、図6(A)は加工前の被加工材W及び製品予定部W3を示す図である。
1)まず、入力部21から、被加工材Wの材質、図6(A)、(B)、(C)、(D)に示すような厚さt、製品予定部W3のルート面R31を平面視して定義されるトーチ2の加工軌跡T0に関するデータ、開先形状部の断面形状D0に関するデータが入力され、これらデータに基づいてトーチ2の傾斜角度S31(S1に相当)、傾斜角度S32(S2に相当)、傾斜角度S33(S3に相当)を算出するとともに、被加工材Wの厚さt、傾斜角度S32に基づいて3回目に加工される加工空間X3(H2に相当)の加工先端部が被加工材Wの加工面と反対(他方)側の面に到達する加工長さL33(L3に相当)を算出する。
2)被加工材Wの材質、加工長さ加工長さL33をデータベース24と照合して、3回目に加工する加工空間X3を加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチの移動速度V33を取得して図示しない記憶部に記憶する。
3)次に、2回目の加工により形成する加工空間X2(H2に相当)の加工先端部が、被加工材Wの反対側の面に至る途中に位置するとともに加工空間X3の領域内に形成されるように加工空間X2の加工長さL32を算出し、加工空間X2を加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチ2の移動速度V32、被加工材Wの材質、加工長さL32を、データベース24と照合して取得し、図示しない記憶部に記憶する。
4)次に、1回目の加工により形成する加工空間X1(H1に相当)の加工先端部が、被加工材Wの反対側の面に至る途中に位置するとともに加工空間X2の領域内に形成されるように加工空間X1の加工長さL31を算出し、加工空間X1を加工するためのプラズマアークの噴射条件、トーチ2の移動速度V31、被加工材Wの材質、加工長さL31を、データベース24と照合して取得し、図示しない記憶部に記憶する。
5)次いで、プラズマアークを噴射しながらトーチ2を移動させることにより、加工空間X1、加工空間X2、加工空間X3をこの順に加工する。
このとき、図6(B)に示すように、加工空間X3を加工する際の加工点P31(P1に相当)の位置を、加工空間X1が製品予定部W3の第1の開先面K31に対応するように、加工軌跡T0及び傾斜角度S31に基づいて算出する。
その後トーチ2は傾斜角度S31に傾斜させるとともに記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、加工点P31を加工軌跡T0に沿って移動速度V31で移動して加工空間X1を加工する。
6)次に、図6(C)に示すように、加工空間X2を加工する際の加工点P32(P2に相当)の位置を、加工空間X2が製品予定部W3のルート面R31に対応するように、加工軌跡T0及び傾斜角度S32に基づいて算出する。
その後トーチ2は傾斜角度S32に傾斜させるとともに記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、加工点P32を加工軌跡T0に沿って移動速度V32で移動して加工空間X2を加工する。
7)次いで、図5(D)に示すように、加工空間X3を加工する際の加工点P33(P3に相当)の位置を、加工空間X3が製品予定部W3の第2の開先面K32に対応するように、加工軌跡T0及び傾斜角度S33に基づいて算出する。
その後トーチ2を傾斜角度S33に傾斜させるとともに記憶部に格納されたプラズマアークの噴射条件によりプラズマアークを噴射しながら、加工点P33を加工軌跡T0に沿って移動速度V33で移動して加工空間X3を加工して、製品予定部W3にX開先形状部が形成される。
上記手順により、表面が粗くなることが抑制され安定した開先形状部を有するX開先形状部を形成することができる。
かかる構成を採用することにより、種々の開先形状部の加工に柔軟に対応することができる。
また、制御プログラムの上記以外の構成とすることが可能であることはいうまでもない。
また、上記実施の形態に係る制御プログラムを、例えば、ワークステーションのように加工装置1から分離された別の装置において作成して、その後、加工装置1に読み込ませて加工する場合の制御プログラムも本発明に含まれることはいうまでもない。
また、Z軸方向移動機構16Zの駆動は、例えば、トーチ2の先端と被加工材である鋼板との高さを一定に維持するために用いるが、手動によってトーチ2の高さを移動させることも可能である。
また、上記実施の形態においては、被加工材の断面における開先形状部が一定の場合について説明したが、加工軌跡T0上の位置により傾斜角度SMが変化する開先形状部に対して適用することを妨げない。
VM、VM+1、VN、V11、V12、V21、V22、V31、V32、V33 トーチの移動速度
P、PM、P11、P12、P21、P22、P31、P32、P33 加工点
SM、S11、S12、S21、S22、S31、S32、S33 傾斜角度
W 被加工材
W1、W2、W3 製品予定部
R11、R21、R31 ルート面
K11、K21 開先面
K31 第1の開先面
K32 第2の開先面
O1 トーチ軸線
1 加工装置(プラズマ加工装置)
2 トーチ
3 定盤
10 トーチ保持部材(加工位置保持機構)
15 傾斜機構
16 移動機構
20 制御システム
Claims (11)
- 被加工材に対して傾斜させたトーチからプラズマアークを噴射させながら前記被加工材と相対移動して、前記被加工材の一方の面に開口し他方側の面に伸びる加工空間を形成する加工を前記トーチの傾斜角度を変えて複数回行なうことにより開先形状部を形成する開先加工方法であって、
少なくとも2回目以降のいずれかの加工による加工空間の領域内に前回以前の加工による加工空間の加工先端部が形成されるように加工し、かつ、最後の加工による加工空間が前記他方側の面に到達するように加工することを特徴とする開先加工方法。 - 請求項1記載の開先加工方法であって、
2回目以降の加工による加工空間の領域内に前回の加工による加工空間の加工先端部が形成されるように加工することを特徴とする開先加工方法。 - 請求項2記載の開先加工方法であって、
前記傾斜角度を変える回数をN(Nは、2以上の自然数)とした場合に、
M(Mは、N−1以下の自然数)回目の加工による前記加工空間の加工先端部は、前記被加工材の他方側の面に至る途中に位置するとともにM+1回目の加工による加工空間の領域内となるように形成され、
かつ、M=N−1であるN回目の加工による加工空間は、前記他方側の面まで到達するように加工することを特徴とする開先加工方法。 - 請求項3記載の開先加工方法であって、
N=2で、前記開先形状部が表Y開先形状部の場合に、
前記トーチを前記被加工材の製品予定部の開先面に対応する傾斜角度に傾斜して1回目の加工をし、
次いで、前記トーチを前記製品予定部のルート面に対応する傾斜角度に傾斜して2回目の加工をすることを特徴とする開先加工方法。 - 請求項3記載の開先加工方法であって、
N=2で、前記開先形状部が裏Y開先形状部の場合に、
前記トーチを前記被加工材の製品予定部のルート面に対応する傾斜角度に傾斜して1回目の加工をし、
次いで、前記トーチを前記製品予定部の開先面に沿う傾斜角度に傾斜して2回目の加工をすることを特徴とする開先加工方法。 - 請求項3記載の開先加工方法であって、
N=3で、前記開先形状部がX開先形状部の場合に、
前記トーチを前記被加工材の製品予定部に形成する第1の開先面に対応する第1の傾斜角度に傾斜して1回目の加工をし、
次いで、前記トーチを前記製品予定部のルート面に対応する第2の傾斜角度に傾斜して2回目の加工をし、
次いで、前記トーチを前記製品予定部の第2の開先面に対応する第3の傾斜角度に傾斜して3回目の加工をすることを特徴とする開先加工方法。 - 被加工材が載置可能とされる定盤と、
プラズマアークが噴射可能とされたトーチと、
前記トーチの前記被加工材に対する加工位置を保持する加工位置保持機構と、
前記トーチを前記被加工材に対して所定の傾斜角度に傾斜させる傾斜機構と、
前記トーチを前記定盤に対して相対移動する移動機構とを備え、
前記プラズマアークの噴射条件と、前記加工位置保持機構による加工位置と、前記傾斜機構による傾斜角度と、前記移動機構による相対移動速度とを制御可能に構成されたプラズマ加工装置を制御する制御プログラムであって、
前記トーチを傾斜させて、前記プラズマアークを噴射させながら前記被加工材と相対移動して前記被加工材の一方の面に開口し他方の面側に伸びる加工空間を、前記傾斜角度を変えて複数回加工することにより開先形状部を形成する場合に、
少なくとも2回目以降のいずれかの加工による加工空間は、該加工空間の領域内に前回以前の加工による加工空間の加工先端部が形成され、かつ最後の加工による加工空間が、前記他方側の面に到達するように構成されていることを特徴とする制御プログラム。 - 請求項7記載の制御プログラムであって、
2回目以降の加工による加工空間の領域内に前回の加工による加工空間の加工先端部が形成されるように加工することを特徴とする制御プログラム。 - 請求項7又は請求項8に記載の制御プログラムを備えることを特徴とする制御システム。
- 請求項9に記載の制御システムを備えることを特徴とするプラズマ加工装置。
- 被加工材が載置可能とされる定盤と、
プラズマアークが噴射可能とされたトーチと、
前記トーチの前記被加工材に対する加工位置を保持する加工位置保持機構と、
前記トーチを前記被加工材に対して所定の傾斜角度に傾斜させる傾斜機構と、
前記トーチを前記定盤に対して相対移動する移動機構とを備え、
前記プラズマアークの噴射条件と、前記加工位置保持機構による加工位置と、前記傾斜機構による傾斜角度と、前記移動機構による相対移動速度とを制御可能に構成されたプラズマ加工装置により、前記トーチを傾斜させて、前記プラズマアークを噴射させながら前記被加工材と相対移動して前記被加工材の一方の面に開口し他方の面側に伸びる加工空間を、前記傾斜角度を変えて複数回加工することにより開先形状部を形成する場合に、
少なくとも2回目以降のいずれかの加工による加工空間の領域内に前回以前の加工による加工空間の加工先端部が形成され、かつ最後の加工による加工空間が前記他方側の面に到達するための、前記噴射条件と前記相対移動速度の少なくとも一方を演算することを特徴とする演算プログラム。
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JP2012236209A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Nissan Tanaka Corp | 開先加工用プログラム、制御システム及びプラズマ切断装置 |
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008093483A patent/JP5097599B2/ja active Active
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