図1は本発明の実施例1に係る撮影情報の表示機能を有する撮像装置である一眼レフカメラの要部を示す光学配置図である。
図1において、1は撮像レンズであり、図1では便宜上2枚のレンズ1a,1bで示したが、実際は多数のレンズから構成されている。2はメインミラーであり、観察状態と撮影状態に応じて撮影光路へ斜設され、あるいは退去される。3はメインミラー2を透過した光束をカメラ本体の下方へ向けて反射するサブミラー、4はシャッタである。5はCCDやMOS型等の撮像素子である。
6は焦点検出装置であり、結像面近傍に配置されたフィールドレンズ6a、反射ミラー6b及び6c、絞り6d、2次結像レンズ6e、複数のCCDから成るラインセンサ6f等から構成され、周知の位相差方式を採用している。この焦点検出装置6は、ファインダ観察画面内に表示される複数の焦点検出位置に対応する焦点検出部301〜307(図7参照)でデフォーカス情報(焦点情報)を得ることができる。この焦点検出部301〜307は後述のピント板7の後段に配置された情報表示部22に形成されており、情報表示部22には透過型液晶や無機ELが用いられ、表示駆動部25により駆動されてピント板7上の被写体像に重ねて撮影情報の表示が行われる。29は焦点検出位置選択スイッチであり、詳しくは後述の図2および図3にて説明する第1機能ボタン42、第1操作部材43から構成される。この焦点検出位置選択スイッチ29を操作することで、撮像画面内における複数の焦点検出位置に対応する複数の焦点検出部301〜307のうちのどの焦点検出部を使用するかを選択することができる。
7は撮像レンズ1の予定結像面に配置されたピント板、8はファインダ光路変更用のペンタプリズムである。9,10は観察画面内の被写体の明るさを測定するための結像レンズと測光センサであり、結像レンズ9はペンタプリズム8内の反射光路を介してピント板7と測光センサ10を共役に関係付けられている。11はペンタプリズム8の射出面後方に配置される光分割器11aを備えた接眼レンズであり、撮影者の眼15によるピント板7および情報表示部22の観察に使用される。光分割器11aは、例えば可視光を透過し、赤外光及び赤外寄りの可視光(赤色光)を反射するダイクロイックミラーより成っている。
14は受光レンズ12を介して所定の位置にある撮影者の眼15の瞳孔近傍と共役になるように配置されている光電素子列を2次元的に配したCCDである。13a〜13d,13e〜13hは各々撮影者の眼15の照明光源であるところの8個のIREDであり、接眼レンズ11の回りに配置されている。
31は撮像レンズ1内に設けられた絞り、32は後述する絞り駆動部を含む絞り駆動装置、33はレンズ駆動用モータ、34は駆動ギヤ等から成るレンズ駆動部材である。35はフォトカプラであり、レンズ駆動部材34に連動するパルス板36の回転を検知してレンズ焦点調節回路37に伝えている。レンズ焦点調節回路37は、この情報とカメラ本体側からのレンズ駆動量の情報に基づいてレンズ駆動用モータ33を所定量駆動させ、撮像レンズ1内の焦点調節用のレンズ1aを合焦位置に移動させるようになっている。38は公知のカメラ本体と交換式の撮像レンズ1とのインターフェースとなるマウント接点である。
図2及び図3は本発明の実施例1に係る、撮影情報の表示機能を有する一眼レフカメラの要部を示す外観図であり、図2は一眼レフカメラの上面図、図3は一眼レフカメラの背面図である。
これらの図において、1は撮像レンズである。11は接眼レンズであり、撮像レンズ1からの被写体像を視認することができる。49はモードダイヤルであり、撮影モード、再生モード、消去モード、通信接続モード等の各機能モードを切り換え設定することができる。50はシャッタボタンであり、撮影動作を開始するためのスイッチである。シャッタボタン50の操作により、後述するAE(自動露出)処理、AF(オートフォーカス)処理等の動作開始や露光動作を指示する。41はTFT LCD等から成る画像表示部であり、カメラ本体の背面側に具備されており、後述する画像データや撮影情報が表示される。
42は図7に示す複数の焦点検出部301〜307のうち、どの焦点検出部で焦点検出を行うかを選択するための第1機能ボタンである。この第1機能ボタン42をONした後に、第1操作部材43を操作することにより、所望の焦点検出部を手動選択することができる。上記したように、第1機能ボタン42、第1操作部材43が、図1に示した焦点検出位置選択スイッチ29に相当する。第1操作部材43は図3の矢印方向に押すことが可能であり、押すことによりスイッチが入り、設定された動作を行うようにするものである。例えば、第1機能ボタン42がONされた後に第1操作部材43を操作、例えば左方向の矢印を押せば、複数ある焦点検出部301〜307(図7参照)のうち、焦点検出部301方向の焦点検出部の選択が可能である。また、右方向の矢印を押せば、焦点検出部305方向の焦点検出部の選択が可能であり、上方向の矢印を押せば、焦点検出部306方向の焦点検出部の選択が可能である。また、下方向の矢印を押せば、焦点検出部307方向の焦点検出部の選択が可能である。
また、図9等で詳細は後述するが、第1操作部材43を例えば上方向の矢印を押せば、撮影情報を表示する情報表示領域311〜317を撮像画面に対応するファインダ観察画面300内の上方に移動させることができる。また、右斜め下方に押せば、情報表示領域311〜317をファインダ観察画面300内の斜め下方に移動させることができる。
第2操作部材44は円盤状のスイッチであり、回転させることでスイッチが入り、設定された動作を行うようにするものである。例えばモードダイヤル49で撮影モードを設定後、シャッタスピード優先モードであれば、第2操作部材44を回転させることでシャッタスピードを変更することができる。また、レンズ絞り優先モードであれば、第2操作部材44を回転させることで撮像レンズの絞り値を変更することができるというものである。
45は第2機能ボタンであり、各種機能のON/OFFを行うものである。例えば画像表示部41の画像表示が行われている時に、第2機能ボタン45を押すことで画像表示部41の表示を消すことができ、画像表示部41の表示が消えているときに第2機能ボタン45を押すことで画像表示部41の表示を点灯させることができる。また、第2機能ボタン45は図7に示す複数の焦点検出部301〜307のうち、焦点検出を行い、合焦した後に第2機能ボタン45をONすることで撮影情報を表示する情報表示領域311〜317を移動させるモードに切り換える情報表示移動用スイッチを兼ねる。この第2機能ボタン45をONした後に、第1操作部材43を操作することにより、撮影情報を表示する情報表示領域311〜317を移動させることができる。例えば、焦点検出部301〜307が合焦後に第2機能ボタン45をONし、その後に第1操作部材43を操作する。これにより、図9等で詳細は後述するが、第1操作部材43を例えば上方向の矢印を押せば、撮影情報を表示する情報表示領域311〜317を撮像画面に対応するファインダ観察画面300内の上方に移動させることができる。また、右斜め下方に押せば、情報表示領域311〜317をファインダ観察画面300内の斜め下方に移動させることができる。Hは各種操作を行う手である。
71はカメラ本体の上面側に具備された外部情報表示部であり、LCD等で表示を行うものである。その外部情報表示部71に表示されるものとして、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマ表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、ISO感度表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、露出補正表示が含まれる。さらには、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、エラー表示、警告表示が含まれる。さらには、記録媒体80(図4参照)の着脱状態表示、撮像レンズ1の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示等が含まれる。
図4は、本発明の実施例1に係わる一眼レフカメラの電気的構成を示す図である。
図4において、100はカメラ本体であり、1は交換式の撮像レンズである。5は光学像を電気信号に変換する撮像素子、111は撮像素子5のアナログ信号出力をディジタル信号に変換するA/D変換器である。112は画像処理回路であり、A/D変換器111からのデータ或いは後述のメモリ制御回路113からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。113はメモリ制御回路であり、A/D変換器111、画像処理回路112、および、後述の、画像表示メモリ114、D/A変換器115、メモリ117、圧縮伸長回路118を制御する。
A/D変換器111のデータが画像処理回路112、メモリ制御回路113を介して、或いはA/D変換器111のデータが画像処理回路112を経ることなく、メモリ制御回路113を介して、後述の画像表示メモリ114或いはメモリ117に書き込まれる。114は画像表示メモリ、115はD/A変換器である。116はTFT LCD等から成る画像表示部であり、図3の画像表示部41に対応するもので、該画像表示部116は外部液晶モニターをファインダとして用いる外部電子ビューファインダ用として用いられる。
画像表示メモリ114には画像データから表示用の画像データが書き込まれて、後述する記録媒体に画像データを記録した後にメモリ制御回路113とD/A変換器115を介して画像表示部116により表示される。また、後述するライブビューモードが選択されている場合は、画像表示メモリ114に一旦蓄えられた画像データを順次D/A変換器115を介して画像表示部116に連続表示させることにより、動画像を得られるようにしている。また、画像表示部116は、システム制御回路120の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはカメラ本体100の電力消費を大幅に低減することができる。
117は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ117に対して行うことが可能となる。また、メモリ117はシステム制御回路120の作業領域としても使用することが可能である。118は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮伸長回路であり、メモリ117に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ117に書き込む。
136はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。測光制御部133、測距制御部134はTTL方式を用いて制御されており、撮像した画像データを画像処理回路112によって演算した演算結果に基づき、システム制御回路120が測光制御部133、測距制御部134に対して制御を行う。120はカメラ本体100全体を制御するシステム制御回路、121はシステム制御回路120の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
122は、システム制御回路120でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等の情報表示を制御する表示制御回路である。この表示制御回路122はカメラ本体100の操作部近辺の視認し易い位置に設置される単数或いは複数個所の情報表示部を制御する。例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。また、この表示制御回路122には、図1に示した表示駆動部25が具備されている。
表示制御回路122からの表示内容のうち、その一部の機能が図2に示した外部情報表示部71に備えられている。外部情報表示部71はLCD等で表示を行うものであり、ここに表示される内容は既に述べた通りである。
また、表示制御回路122からの表示内容のうち、その一部の機能が光学ファインダ11内の情報表示部22に備えられている。情報表示部22は透過型液晶、無機EL等の透過型表示装置で表示を行うものであり、表示駆動部25により駆動される。情報表示部22に表示されるものとしては、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示が、ISO感度表示、シャッタスピード表示、絞り値表示が含まれる。さらには、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示、エラー表示、警告表示が含まれる。
48,49,50,51,52,53,54,55,57は、システム制御回路120の各種の動作指示を入力するための操作部材であり、これらの操作部材の具体的な説明を行う。
48はメインスイッチであり、電源のON/OFFを設定することができる。49は図2に示したモードダイヤルであり、撮影モード、再生モード、消去モード、通信接続モード等の各機能モードを切り換え設定することができる。50は同じく図2に示したシャッタボタンである。51はシャッタボタン50の操作途中でONとなるスイッチSW1であり、AE(自動露出)処理、AF(オートフォーカス)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作の開始を指示する。
52はシャッタボタン50の操作完了でONとなるスイッチSW2であり、撮像素子5から読み出した信号をA/D変換器111、メモリ制御回路113を介してメモリ117に画像データとして書き込む露光処理を指示する。さらには、画像処理回路112やメモリ制御回路113での演算を用いた現像処理を指示する。さらには、メモリ117から画像データを読み出し、圧縮伸長回路118で圧縮を行い、記録媒体80に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。この時、システム制御回路120からシャッタ制御部130にシャッタ動作を指示する。つまり、シャッタ4(図1参照)の先幕(露光開始用シャッタ)131の走行による撮像素子5への露光開始と、所定タイマ後(露光時間)、後幕(露光終了用シャッタ)132の走行による撮像素子5への露光終了を指示する。
53は画像表示ON/OFFスイッチであり、画像表示部116(41)のON/OFFを設定することができる。この機能により、TFT LCD等から成る画像表示部116への電流供給を遮断することにより、省電力を図ることが可能となる。54はクイックレビューON/OFFスイッチであり、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定する。55はライブビューON/OFFスイッチで、撮影画像データを光学ファインダ内のピント板7もしくは外部の画像表示部116に連続表示させることにより、画像データをファインダ画像のようにするライブビュー機能を設定する。
56は操作部57の機能を切り換えるための機能切換制御部であり、通常撮影時には操作部57の操作により撮影を行うための各種設定に用いられる。例えば複数の焦点検出部301〜307のうち、どの焦点検出部で焦点検出を行うかを選択するために、第1機能ボタン42をONした後に、第1操作部材43を操作することにより、所望の焦点検出部を手動選択することができる。上記したように、第1機能ボタン42、第1操作部材43が、図1に示した焦点検出位置選択スイッチ29及び図4に示した操作部57に相当する。そして、機能切換制御部56により所定の条件となった場合には、画像表示部116に表示された撮影情報を操作部57の操作により移動させることができるようになる。
なお、所定の条件とは、後述する、図5のステップS110にてスイッチSW1のON保持時、図10の撮影情報表示移動タイマ作動時、図11の情報表示移動用スイッチが操作された場合を意味する。この所定条件であるスイッチSW1のON保持時の状態となった場合にステップS111に移行し、機能切換制御部56の制御と操作部57の操作により画像表示部116に表示された撮影情報を移動させることができるようになる。
60は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り換えるスイッチ回路等により構成されている。そして、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路120の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。61は外部電源のインターフェースであり、90はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源である。
119はメモリカードやハードディスク等を接続するための記録媒体インターフェースである。記録媒体インターフェース119は、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェースを組み合わせて備える構成としても構わない。また、インターフェースとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。さらに、インターフェース119をPCMCIAカードやCFカード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カードを接続したとする。あるいは、SCSIカード、PHS等の通信カード等の各種通信カードを接続したとする。このことにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
16は光学ファインダであり、光学ファインダ16のみを用いて撮影を行う被写体像の確認を行うことが可能である。また、光学ファインダ16内には、表示制御回路122の一部の機能を表示する情報表示部22が備えられており、該情報表示部22には透過型表示装置が設置されている。これにより、光学ファインダ16で確認する被写体像に重ね合わせるように表示できるように、例えば透過型液晶表示や無機EL表示などが設置されている。撮影情報として例えば、合焦表示、警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタスピード表示、絞り値表示、ISO感度表示、ホワイトバランス表示、露出補正表示などの表示が可能となっている。
110は、カメラ本体100を撮像レンズ1と接続するためのインターフェースであり、不図示のバヨネットマウントなどを用いた周知のインターフェースである。
123はカメラ本体100に撮像レンズ1が装着されているか否かを検知するレンズ着脱検知部である。カメラ本体100から撮像レンズ1を着脱する場合の操作は、撮像レンズ1を光軸中心に対して円周方向に回転させることにより、カメラ本体100及び該撮像レンズ1の不図示のバヨネットマウントの係合状態を変化させることで達成している。この時、撮像レンズ1の光軸中心に対する円周方向への回転移動をレンズ着脱検知部123で検知することにより、撮像レンズ1の着脱検知を達成している。
80はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体80は、カメラ本体100の記録媒体インターフェース119と接続される。
図5は本発明の実施例1に係わる一眼レフカメラのシステム制御回路120における主要部分の動作を示すフローチャートである。
図5のステップS101では、システム制御回路120は、電池交換等の電源投入によりフラグや制御変数等を初期化する。次のステップS102では、スイッチSW1(51)がONされたか否かを判定し、ONされていなければONするまでこのステップで待機する。その後、スイッチSW1がONするとステップS103へ進み、複数ある焦点検出位置(撮影画面内の焦点検出部301〜307の位置を意味する)のうち、焦点検出位置を自動選択するか否かを判定する。判定の結果、自動選択でなければ焦点検出位置の手動選択となるステップS116へ進む。
一方、焦点検出位置を自動選択する場合は、システム制御回路120は、ステップS103からステップS104へ進み、複数の焦点検出位置それぞれで測距及び測光の動作を開始する。そして、周知の技術である近点優先等による自動選択で焦点検出位置を選択する。次のステップS105では、焦点検出位置を自動で選択できたか否かを判定し、自動選択できなければ自動選択できるまでこのステップで待機する。その後、焦点検出位置を自動選択できた場合はステップS106へ進む。
次のステップS106では、システム制御回路120は、自動選択した焦点検出位置で撮像レンズ1内のフォーカスレンズ1aの焦点を被写体に合わせる。さらには、測光処理を行って絞り値及びシャッタ時間を決定する。測光処理において、必要であればフラッシュの設定も行う。この焦点検出(測距)・測光検出処理は周知の技術により制御されているものとする。
その後、焦点検出動作が完了したならば、システム制御回路120は、ステップS106からステップS107へ進み、選択された焦点検出位置にて焦点が合った状態(合焦状態)になったことを示す合焦表示を、選択された焦点検出位置の焦点検出部にさせる。換言すれば、合焦している焦点検出部を表示させる。そして、次のステップS108にて、合焦表示を行っている情報表示部22の焦点検出位置(焦点検出部)の近傍の規定位置に、ステップS106で決定した絞り値及びシャッタ時間などの撮影情報を表示する。
次のステップS109では、システム制御回路120は、スイッチSW2(52)がONされたか否かを判定し、ONされていればステップS115へ進み、図6にて詳述する露光動作を開始する。スイッチSW2(52)がONされていなければステップS109からステップS110へ進み、スイッチSW1(51)がONのままであるか否かを判定する。スイッチSW1がOFFされていればステップS102に戻り、以下同様の動作を繰り返す。
上記ステップS110にてスイッチSW1がONされたままである場合は、システム制御回路120は、ステップS111へ進み、焦点検出位置選択スイッチ29の機能切り換えを行う。そして、次のステップS112にて、焦点検出位置選択スイッチ29がONされているか否かを判定し、ONされていなければステップS110へ進む。一方、焦点検出位置選択スイッチ29がONされていればステップS113へ進み、情報表示部22の撮影情報表示を移動させるようにする。
ここで、通常の焦点検出位置選択スイッチ29は、第1機能ボタン42をONすることで焦点検出位置の手動選択モードに入り、第1操作部材43の操作により複数ある焦点検出位置から手動で選択するように用いられる。しかし、合焦後、スイッチSW1がONされたままである場合は、その機能を切り換えて第1機能ボタン42をONすることで撮影情報表示を移動させるモードに入る。そして、第1操作部材43の操作により、画像表示部116(41)及び情報表示部22に表示された撮影情報を移動させることができるようになる。また、合焦後スイッチSW1がONされたままの状態で、直接第1操作部材43の操作により、画像表示部116(41)及び情報表示部22に表示された撮影情報を移動させることができるようにしてもよい。
次のステップS114では、システム制御回路120は、焦点検出位置選択スイッチ29がOFFされたか否かを判定し、OFFされていればステップS109に戻る。また、焦点検出位置選択スイッチ29がONのままであればステップS112,S113にて、撮影情報表示の移動を継続する。
上記ステップS103にて複数ある焦点検出位置の自動選択が選択されていないと判定した場合は、システム制御回路120は、ステップS116およびステップS117へ進み、撮影者により任意の焦点検出位置(焦点検出部)が選択されるのを待機する。焦点検出部の手動選択については、既に説明した通りであるので、ここではその詳細は省略する。その後、ステップS117にて任意の焦点検出位置の手動選択の完了を判定するとステップS118へ進み、選択された焦点検出位置で焦点検出(測距)及び測光の動作を開始する。そして、撮像レンズ1の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値及びシャッタ時間を決定する。測光処理に於いて、必要であればフラッシュの設定も行う。その後はステップS119へ進み、焦点検出(測距)動作が完了したか否かを判定し、完了していなければステップS118に戻る。焦点検出動作が完了を確認したならばステップS107へ進み、上記と同様、選択された焦点検出位置が合焦状態になったことを示す合焦表示を、選択された焦点検出位置にさせる。
以降は、上記と同様の動作を行う。
次に、図6のフローチャートを用いて、図5のステップS115にて実行される露光動作開始の動作を説明する。
図6のステップS120より露光動作を開始し、まずステップS121では、システム制御回路120は、ステップS106で決定された絞り値およびシャッタ時間に従って、タイマを開始させる。そして、次のステップS122にて、シャッタ制御回路130により先幕131を走行させることによりシャッタ4を開状態にする。これにより、撮像素子5への露光動作が開始される。
次のステップS123では、システム制御回路120は、上記タイマが設定時間を計時したか否かを判定し、計時し終えていない場合はこのステップで待機する。その後、上記タイマの計時が設定時間に達したことを判定するとステップS124へ進み、ここではシャッタ制御回路130により後幕132を走行させ、シャッタ4を閉状態にし、次のステップS125にて、撮像素子5への露光動作を終了する。
次のステップS126では、上記の露光動作によって得られた画像データの画像処理を行い、続くステップS127にて、その像を所定の圧縮率で圧縮する。そして、次のステップS128にて、記録メディアである記録媒体80への記録を行う。その後は図5のステップS102へ戻る。
ここで、上記の画像データの処理についてもう少し詳しく説明する。撮像レンズ1を通して得られた物体像を、撮像素子5、A/D変換器111、画像処理回路112、メモリ制御回路113を介して、或いはA/D変換器111からメモリ制御回路113のみを介してメモリ117に蓄積する。そして、メモリ117に蓄積した撮影画像データを読み出して、メモリ制御回路113、そして必要に応じて画像処理回路112を用いて各種画像処理を行う。また、圧縮伸長回路118を用いて設定したモードに応じた画像圧縮処理を行う圧縮処理を行う。その後、記録媒体インターフェース119を介してメモリカードやコンパクトフラッシュカード等の記録媒体80へ画像データの書き込みを行う記録処理を実行する。
図7、図8および図9は、撮像画面に対応するファインダ観察画面内での表示の概略を示す図である。詳しくは、図7はファインダ観察画面内における、焦点検出位置に対応する焦点検出部301〜307と撮影情報を表示する情報表示領域311〜317を示している。また、図8(a),(b)は表示の仕方を、図9は撮影情報表示の移動の仕方を、それぞれ説明するための図である。
図7において、ファインダ観察画面300内には、焦点検出装置6により焦点検出を行う複数の焦点検出位置に対応する焦点検出部301〜307が観察できるように形成されている。311〜317は焦点検出部301〜307それぞれに対応した情報表示領域を示している。焦点検出部301〜307は、光学ファインダ16内の情報表示部22に形成された透過型液晶や無機ELなどにより表示されるようになっている。詳しくは、図4の表示制御回路122に含まれる表示駆動部25が各種撮影表示の駆動を行う。そして、撮像レンズ1の予定結像面に配置されたピント板7に形成される被写体像と合成して、ペンタプリズム8、接眼レンズ11を通して、撮影者の眼15に、ピント板7および情報表示部22の観察を行えるようにしている。
デフォーカス情報の検出(焦点検出)は、焦点検出装置6で周知の位相差方式により複数の焦点検出を行う領域である焦点検出位置に対応する焦点検出部301〜307それぞれにて行われる。そして、その焦点検出結果に応じて、主被写体に焦点が合う状態(合焦状態)となった焦点検出位置に対応する焦点検出部を点灯表示するように表示駆動部25を駆動する。これにより、情報表示部22に焦点検出部の表示が行われる。
図8(a)では、ファインダ観察画面300内の左側の焦点検出部301が合焦状態となり、点灯表示を行っている状態を示している。焦点検出部301〜307それぞれの近傍には、それぞれに対応した規定の位置としての、撮影情報を表示する情報表示領域311〜317が形成されている。この情報表示領域311〜317には、撮影を行う際の撮影情報(撮影条件)、例えばシャッタ速度、レンズ絞り値、ISO感度、露出補正値などが表示される。
図8(b)では、ファインダ観察画面300内の左側の焦点検出部301が合焦状態となり、スーパーインポーズ表示を行うと共に、情報表示領域311に撮影情報表示を行っている状態を示している。情報表示領域311には、シャッタ速度情報(1/125)361、レンズ絞り値情報(F5.6)362が表示された例を示している。
図9において、合焦状態の焦点検出部301をスーパーインポーズ表示すると共に、情報表示領域311に撮影情報の表示を行っているのは、図8と同様である。この状態時に、スイッチSW1がONされた状態ならば、システム制御回路120は、焦点検出位置選択スイッチ29の機能切り換えを行う(図5のステップS110→S111)。そして、焦点検出位置選択スイッチ29がONされたならば(ステップS112のYES)、情報表示領域311の表示位置を移動させる(ステップS113)。
図9では、第1操作部材43が上側に押されているので、システム制御回路120は撮影情報の表示位置を上側である矢印M101の方向に移動させることになる。また、第1操作部材43が右斜め下側に押された場合には、撮影情報の表示位置を右斜め下方である矢印M102の方向に移動させることになる。
従って、ファインダ観察画面300内には、図7に示した規定位置での情報表示領域311〜317以外に、図9に示したような上方や斜め下方等の位置に情報表示領域が移動可能となっている。前記表示位置の移動操作が行われたら、その方向に情報表示領域が移動することになる。なお、図9では、ファインダ観察画面300を例に挙げて前記表示位置の移動操作が行われたら、その方向に情報表示領域が移動する説明を行った。しかし、この動作はファインダ観察画面300だけではなく、画像表示部116(41)に表示される情報表示領域も表示位置の移動操作が行われたら移動するようにしてもよい。
上記の実施例1によれば、撮像画面に対応する画面内に被写体像を視認可能に表示するピント板7および情報表示部22を有する。そして、この情報表示部22は、複数の焦点検出位置のうちの合焦となった位置を示す焦点検出部301〜307を、被写体像に重ねて表示可能にしている。さらには、合焦となった前記焦点検出位置での撮影に関連する撮影情報を示す情報表示領域311〜317を、被写体像に重ねて表示可能にしている。
上記構成において、撮影情報表示位置の移動操作が行われたとする。すると、合焦となった前記焦点検出位置の近傍の規定位置の前記情報表示領域311〜317に表示されている撮影情報を、表示位置移動操作された方向に移動させるようにしている。詳しくは、撮影情報表示位置の移動操作を行うための第1機能ボタン42、第1操作部材43を有する。これら操作部材による撮影情報表示位置の移動操作は、撮影準備動作開始用のスイッチ部材であるスイッチSW1が投入(ON)された状態が保持されている時に行えるようにしている。
カメラの使用者は通常、被写体の焦点を検出した焦点検出位置(合焦位置)を視認する。したがって、どの焦点検出部が合焦したことを示す合焦表示を行うとともに、合焦表示位置の近傍の規定位置に撮影情報を表示するようにしたので、被写体像から目を離すこと無く、撮影情報を確認させることができる。
また、情報表示部22を、透過型液晶などとすることで、被写体像の表示範囲以外に情報表示のために従来のバックライトを必要とする液晶表示装置を設ける必要がなくなり、メカ的な省スペース化が可能となる。そして、撮影情報の表示位置を所望の位置へ移動できるようにしているので、撮影シーンにより撮影情報の表示位置を変えたい場合には、撮影情報の表示位置を所望の位置に撮影者が決めることができるようになった。
つまり、画面内における被写体像から目を離すこと無く、撮影情報を確認させることができると共に、使用者の意思により見易い位置に撮影情報の表示を移動させることができる一眼レフカメラとすることができる。