JP2009238798A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板表面に形成された金属薄膜を腐食させることなく、基板表面を良好に洗浄することができる基板処理方法および基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板表面Wfに銅配線81が形成された基板Wに対してポリマー除去成分を含む処理液による洗浄処理に続けてDIWによるリンス処理が行われる。このリンス処理中においては、ヴィアホール83a内に入り込んだ処理液を短時間でリンス液に置換することは難しく、ヴィアホール83a内に処理液とリンス液が並存し、このことが銅配線81のうちヴィアホール83aの底部に位置する部分に腐食を発生させる主要因のひとつと考えられるが、処理液の酸化還元電位とリンス液の酸化還元電位の差を20mV以下とすることで処理液とリンス液の相互作用を抑えて腐食発生を効果的に防止することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、表面に銅配線などの金属薄膜が形成された基板に処理液を供給して基板表面に洗浄処理を施した後にリンス液を基板表面に供給して基板表面に付着する処理液を洗い流す基板処理方法および基板処理装置に関するものである。なお、基板には、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板等が含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、基板の表面に成膜やエッチングなどの処理を繰り返し施して微細パターンを形成していく工程が含まれる。例えば、半導体装置の製造工程においては半導体ウエハなどの基板上に形成されたアルミニウムや銅などの金属薄膜がレジスト膜をマスクとしてエッチングされて半導体素子の配線とされる工程がある。また、微細加工を良好に行うためには基板表面を清浄な状態に保つ必要があり、必要に応じて基板の洗浄処理が行われる。例えば特許文献1に記載の発明では、基板に付着するレジスト残渣を洗浄するために洗浄処理に適した薬液(ポリマー除去液)をそのまま処理液として、あるいは薬液に純水やDIW(deionized water:脱イオン水)などを混合した混合液を処理液として基板表面に供給してレジスト残渣を除去した後、その基板表面に残留している処理液を純水やDIWなどのリンス液によってリンス除去している。また、リンス処理終了後、基板を高速回転させることによって基板表面に残留しているリンス液を振切って乾燥させている。
特開2002−151482号公報(図5)
近年電子部品の配線パターンの微細化が進んでおり、上記した基板処理(洗浄処理−リンス処理)をそのまま適用した場合に微細化された金属配線に腐食の痕跡が出現することがあった。このような腐食が問題となる電子部品としては、例えば多層配線構造を有する半導体装置がある。この半導体装置は、動作速度を高めるために、金属配線材料として銅配線を用いるとともに、酸化シリコンに比べて比誘電率の小さな低誘電率絶縁膜(いわゆるLow-k膜)を層間絶縁膜として用いた多層配線構造を有している。つまり、この半導体装置では、層間絶縁膜にヴィアホールが形成されるとともに、当該ヴィアホールに銅プラグが埋め込まれることによって、異なる層の銅配線間が電気的に接続される。通常、層間絶縁膜へのヴィアホールの形成は反応性イオンエッチングに代表されるドライエッチング法が用いられているが、エッチング時に層間絶縁膜だけでなくマスクとして機能するレジスト膜の一部がポリマー(レジスト残渣)として基板表面に残留することがある。そこで、上記した特許文献1に記載の発明などを用いてポリマーを洗浄除去している。こうした基板処理(洗浄処理−リンス処理)を行った際にヴィアホールの底部に位置する銅配線が腐食されることがあった。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、基板表面に形成された金属薄膜を腐食させることなく、基板表面を良好に洗浄することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理方法は、上記目的を達成するため、表面に金属薄膜が形成された、基板に処理液を供給して基板表面を洗浄する洗浄工程と、洗浄工程を受けた基板表面にリンス液を供給して基板表面に付着する処理液を洗い流すリンス工程とを備え、処理液の酸化還元電位とリンス液の酸化還元電位の差が20mV以下であることを特徴としている。
また、この発明にかかる基板処理装置は、表面に金属薄膜が形成された、基板に処理液を供給して基板表面に洗浄処理を施した後にリンス液を基板表面に供給して基板表面に付着する処理液を洗い流す基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板を保持する基板保持手段と、リンス液に対して酸化還元電位の差が20mV以下となっている、処理液を基板保持手段に保持された基板の表面に供給する処理液供給手段とを備えたことを特徴としている。
このように基板表面に処理液を供給して当該基板表面に洗浄処理を施した後に、リンス液を基板表面に供給して処理液を基板表面から除去しようとしても短時間で基板表面上の処理液をリンス液に完全に置換することが難しいことがある。例えば、上記したように金属薄膜上に層間絶縁膜のヴィアホールが形成されている場合には、ヴィアホール内に入り込んだ処理液は短時間でリンス液に置換されず、ヴィアホール内に処理液とリンス液が並存することがある。この場合、両者の相互作用によって金属薄膜のうちヴィアホールの底部に位置する部分に対して腐食が発生する可能性がある。しかしながら、処理液の酸化還元電位とリンス液の酸化還元電位の差を20mV以下に設定すると、処理液とリンス液の相互作用が抑えられて腐食発生が効果的に防止される。なお、この作用効果については、後で実験結果を示して詳述する。
ここで、酸素濃度が5%以下の雰囲気でリンス処理を実行すると、リンス液への酸素の溶込みを抑えて金属薄膜の腐食をさらに効果的に防止することができる。また、リンス工程のみならず、洗浄工程においても酸素濃度が5%以下の雰囲気に調整することで処理液への酸素の溶込みを抑えて金属薄膜の腐食をさらに効果的に防止することができる。
なお、金属薄膜には、半導体装置や液晶表示装置などの電子部品において使用される銅、アルミニウムなどの金属あるいは合金の薄膜が含まれる。また、処理液には、基板表面に付着する洗浄対象物を除去するための薬液、あるいは薬液に純水やDIWなどを混合した混合液が含まれる。
この発明によれば、処理液の酸化還元電位とリンス液の酸化還元電位の差が20mV以下に設定されているので、リンス処理中に金属薄膜が腐食されるのを効果的に防止しながら、基板表面を良好に洗浄することができる。
図1はこの発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着している不要物を除去するための洗浄処理に用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、基板表面Wfに対してポリマー除去液などの薬液を主成分とする処理液による洗浄処理および純水やDIWなどのリンス液によるリンス処理を施した後、リンス液で濡れた基板表面Wfを乾燥させる装置である。なお、この実施形態では、基板表面Wfとは銅配線を構成する金属薄膜が形成された金属薄膜形成面をいう。
この基板処理装置は、基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック1を備えている。このスピンチャック1は、回転支軸11がモータを含むチャック回転機構13の回転軸に連結されており、チャック回転機構13の駆動により回転軸J(鉛直軸)回りに回転可能となっている。これら回転支軸11、チャック回転機構13は、円筒状のケーシング2内に収容されている。また、回転支軸11の上端部には、円盤状のスピンベース15が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット(図示省略)からの動作指令に応じてチャック回転機構13を駆動させることによりスピンベース15が回転軸J回りに回転する。
スピンベース15の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン17が立設されている。チャックピン17は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース15の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン17のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン17は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
スピンベース15に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン17を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン17を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン17は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース15から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(金属薄膜形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で支持される。このように、この実施形態では、チャックピン17が本発明の「基板保持手段」として機能する。なお、基板保持手段としてはチャックピン17に限らず、基板裏面Wbを吸引して基板Wを支持する真空チャックを用いてもよい。
また、スピンチャック1の上方位置に遮断部材3が配置されている。この遮断部材3は、中心部に開口部を有するドーナツ盤状の板状部材31と、内部が中空に仕上げられ、板状部材31を支持する回転支軸33と、回転支軸33の中空部および板状部材31の開口部に挿通された内挿軸35とを有している。板状部材31はスピンチャック1に保持された基板Wの表面Wfに対向配置されている。また、板状部材31の下面(底面)37は基板表面Wfと略平行に対向する基板対向面となっており、その平面サイズは基板Wの直径と同等以上の大きさに形成されている。さらに、板状部材31は略円筒形状を有する回転支軸33の下端部に略水平に取り付けられている。
回転支軸33の内周面と内挿軸35の外周面の間には、ベアリング(図示せず)が設けられており、回転支軸33が内挿軸35に対して回転自在となっている。また、回転支軸33は水平方向に延びるアーム39により基板Wの中心を通る回転軸J回りに回転可能に保持されている。このアーム39には、遮断部材回転機構41と遮断部材昇降機構43が接続されている。そして、これらのうち遮断部材回転機構41が図示を省略する制御ユニットからの動作指令に応じて作動すると、回転支軸33が回転する。この回転動作によって、板状部材31が回転支軸33とともに一体的に回転する。なお、この実施形態では、遮断部材回転機構41はスピンチャック1に保持された基板Wの回転に応じて基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で板状部材31(下面37)を回転させるように構成されている。
また、遮断部材昇降機構43は、制御ユニットからの動作指令に応じて遮断部材3をスピンベース15に近接して対向させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニットは遮断部材昇降機構43を作動させることで、基板処理装置に対して基板Wを搬入出させる際には、スピンチャック1の上方の離間位置に遮断部材3を上昇させる。その一方で、基板Wに対して所定の処理を施す際には、スピンチャック1に保持された基板Wの表面Wfのごく近傍に設定された所定の対向位置(図1に示す位置)まで遮断部材3を下降させる。この実施形態では、洗浄処理が開始されてから遮断部材3を離間位置から対向位置に下降させ、乾燥処理が完了するまで継続して遮断部材3を対向位置に位置させる。
このように構成された遮断部材3には処理液供給ユニット5が接続されている。この処理液供給ユニット5は、後述するようにリンス液に対して酸化還元電位の差が20mV以下となっている処理液を貯留するタンク(図示省略)と、タンク内の処理液を遮断部材3に向けて圧送する供給部(図示省略)とを備えている。そして、処理液供給ユニット5から遮断部材3に向けて処理液が圧送されると、板状部材31の中心部に形成された処理液用の開口部から基板表面Wfに向けて処理液が吐出される。こうして基板表面Wfに対する洗浄処理が実行されて基板表面Wfに残留するレジスト残渣(ポリマー)が洗浄除去される。なお、処理液としては、ポリマー除去液などの薬液をそのまま、あるいは薬液に純水やDIWなどを混合した混合液を用いることができる。
また、遮断部材3にはリンス液バルブ61を介して工場のユーティリティ等で構成されるDIW供給源(図示省略)に接続されており、リンス液バルブ61が開かれることにより、板状部材31の中心部に形成されたリンス液用の開口部からDIWをリンス液として吐出可能となっている。こうして基板表面Wfに対するリンス処理が実行されて基板表面Wfに付着している処理液がリンス液で洗い流される。
さらに、遮断部材3には窒素バルブ63を介して工場のユーティリティ等で構成される窒素ガス供給源(図示省略)に接続されている。そして、窒素バルブ63が開かれることにより板状部材31の中心部に形成された窒素ガス用の開口部から窒素ガスを基板表面Wfに吐出可能となっている。この実施形態では、上記した洗浄処理、リンス処理ならびに乾燥処理を行っている間、遮断部材3はスピンベース15に近接して対向しており、基板表面Wfと基板対向面37の間に形成される空間を微小空間SPとしている。そして、上記したように窒素ガスが遮断部材3から吐出されると、微小空間SPが窒素雰囲気となり、基板表面Wfと接する空間SPの酸素濃度が大幅、例えば2%程度に抑えられる。
ケーシング2の周囲には、受け部材21が固定的に取り付けられている。受け部材21には、円筒状の仕切り部材23a,23b,23cが立設されており、3種類の排液槽25a,25b,25cが設けられている。また、各排液槽25a,25b,25cの上方にはスプラッシュガード7がスピンチャック1に水平姿勢で保持されている基板Wの周囲を包囲するようにスピンチャック1の回転軸Jに対して昇降自在に設けられている。このスプラッシュガード7は回転軸Jに対して略回転対称な形状を有しており、スピンチャック1と同心円状に径方向内側から外側に向かって配置された3つのガード71,73,75を備えている。3つのガード71,73,75は、最外部のガード75から最内部のガード71に向かって、順に高さが低くなるように設けられるとともに、各ガード71,73,75の上端部が鉛直方向に延びる面内に収まるように配置されている。
スプラッシュガード7は、ガード昇降機構45と接続され、制御ユニットからの動作指令に応じてガード昇降機構45の昇降駆動用アクチェータ(例えばエアシリンダーなど)を作動させることで、スプラッシュガード7をスピンチャック1に対して昇降させることが可能となっている。この実施形態では、ガード昇降機構45の駆動によりスプラッシュガード7を段階的に昇降させることで、回転する基板Wから飛散する処理液を排液槽25a〜25cに分別して排液させることが可能となっている。
次に、上記のように構成された基板処理装置の動作について図2を参照しつつ詳述する。図2は図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。上記のように構成された基板処理装置では、基板搬送手段(図示せず)により前工程を担当した装置から基板Wが装置内に搬入されて基板表面Wfを上方に向けた状態でスピンチャック1に保持される。このように前工程から搬入されてくる未処理の基板Wの基板表面Wfには、同図(a−2)に示すように、銅配線81および層間絶縁膜83が形成されている。また、前工程では層間絶縁膜83にレジスト膜のパターンに応じたヴィアホール83aが形成されるが、その前工程において発生したレジスト残渣85が基板表面Wfに付着している。なお、この段階では、同図(a−1)に示すように、遮断部材3はスピンチャック1の上方の離間位置にあり、基板Wとの干渉を防止している。
基板搬入が完了すると、同図(b−1)、(b−2)に示すように遮断部材3の基板対向面37を基板表面Wfに近接して対向させるとともに基板Wと遮断部材3を同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で回転させながら、板状部材31の処理液用開口部から基板表面Wfに向けて処理液を吐出してレジスト残渣85を基板表面Wfから洗浄除去する(洗浄処理)。また、この洗浄処理の開始前あるいは開始と同時に、板状部材31の窒素ガス用開口部から窒素ガスが基板表面Wfと遮断部材3で挟まれた微小空間SPに供給されて当該微小空間SPが窒素ガス雰囲気となっている。これによって、微小空間SPでの酸素濃度は5%以下、より好ましくは2%以下に低減される。なお、この窒素ガス吐出は次のリンス処理および乾燥処理にも継続されて酸素濃度を低減させた状態のままリンス処理などが実行される。
次に、処理液の供給を停止した後、同図(c−1)、(c−2)に示すように、リンス液を板状部材31のリンス液用開口部から基板表面Wfに向けてリンス液を吐出して基板表面Wfに付着する処理液を基板表面Wfから洗い流す(リンス処理)。そして、リンス処理が完了すると、リンス液の供給を停止した後、窒素ガス用開口部から窒素ガスの吐出を継続させたままチャック回転機構13の回転速度を高めて基板Wを高速回転(例えば1000〜3000rpm)させる。これにより、基板表面Wfに付着するリンス液が振り切られ、基板Wの乾燥処理(スピンドライ)が実行される。なお、基板Wの乾燥処理が終了すると、基板Wの回転が停止されるとともに、窒素バルブ63を閉じて窒素ガスの吐出を停止する。その後、基板搬送手段が処理済の基板Wを装置から搬出して、1枚の基板Wに対する一連の基板処理が終了する。
以上のように、この実施形態では、基板表面Wfに銅配線81が形成された基板Wに対してポリマー除去成分を含む処理液による洗浄処理に続けてDIWによるリンス処理を行っているが、ヴィアホール83a内に入り込んだ処理液は短時間でリンス液に置換されず、ヴィアホール83a内に処理液とリンス液が並存する。したがって、両者の相互作用によって銅配線81のうちヴィアホール83aの底部に位置する部分に対して腐食が発生する可能性がある。しかしながら、本実施形態では、処理液の酸化還元電位ORP(p)とリンス液の酸化還元電位ORP(r)の差を20mV以下に設定しているため、処理液とリンス液の相互作用が抑えられて腐食発生が効果的に防止される。したがって、銅配線81を腐食させることなく、基板表面Wfからレジスト残渣を良好に洗浄除去することができる。このように酸化還元電位差を20mV以下に設定することの作用効果については、後で実験結果を踏まえて詳しく説明する。
また、上記実施形態では、洗浄処理およびリンス処理を実行している間、遮断部材3を基板Wに近接配置して基板表面Wfが接する空間を微小空間SPに制限しつつ、当該微小空間SPに窒素ガスを供給して窒素ガス雰囲気を形成して当該微小空間SPの酸素濃度を5%以下に低減している。このため、洗浄処理およびリンス処理中に酸素が処理液(処理液およびリンス液)に取り込まれるのを効果的に防止することができ、銅配線81の腐食をさらに抑制することができる。この効果を得るためには、酸素濃度を5%以下に抑えるのが望ましく、より好ましくは2%以下の酸素濃度に低減させるのが望ましい。例えば、上記実施形態において窒素雰囲気を形成して酸素濃度を2%に低減させた場合と、形成しない場合とで、基板表面Wfに供給されたリンス液中の溶存酸素濃度を求めたところ、図3に示す結果が得られた。また、これらの処理条件で銅のエッチング量を求めたところ、図4に示す結果が得られた。なお、エッチング量の測定は次の方法により求めた。
ここでは、大気雰囲気と2%酸素濃度の雰囲気を用意し、各雰囲気で次のリンス処理を行った。このリンス処理とは、表面に銅薄膜が形成された基板を500rpmで回転させながら基板の表面中心部にDIWをリンス液として2(リッター/min)の流量で1800(sec)間供給する処理である。そして、基板表面の各部における銅薄膜の膜厚を4探針法(JIS K 7194)を用いるシート抵抗測定器により測定し、その測定結果をプロットしたものが図4のグラフである。
これらの図に示すように、遮断部材3を上方位置に退避させて基板表面Wfを大気に晒した状態(大気雰囲気)で基板表面Wfの中心部にリンス液を供給すると、基板表面Wfの中心部から周縁部に離れるにしたがってリンス液に酸素が取り込まれて溶存酸素濃度は急減に増大している。そして、このようにして基板処理を行った場合には、基板表面Wf、特に周縁部で銅の腐食が発生している。これに対し、本実施形態によれば、上記した構成(遮断部材3+窒素ガス供給)によって広範囲にわたってリンス液中の溶存酸素濃度を低く抑え(2%酸素濃度雰囲気)、銅の腐食を基板表面全体に渡って均一に、かつ効果的に抑えることができる。なお、処理液やリンス液の供給経路に脱気ユニットを介挿すると、遮断部材3の開口部から吐出される処理液やリンス液に溶存する酸素濃度が低くなり、さらに腐食発生を防止することができる。
次に、処理液の酸化還元電位とリンス液の酸化還元電位の差を20mV以下に設定することの作用効果について、互いに種類や組成が異なる処理液を用いて洗浄処理およびリンス処理を行った結果を踏まえて詳述する。
Figure 2009238798
ここでは、表1に示すように、3種類の薬液(ポリマー除去液)を準備するとともに、薬液とDIWとの混合比率を変えて5つの処理液を調製した。すなわち、第1処理液、第3処理液および第5処理液はそれぞれ薬液A、B、Cをそのまま処理液として用いている。また、第2処理液は薬液AとDIWを比率(50%:50%)で混合した混合液である。さらに、第4処理液は薬液BとDIWを比率(50%:50%)で混合した混合液である。これら第1ないし第5処理液の酸化還元電位ORP(p)を以下のようにして測定した。
この実施形態では、酸化還元電位測定電極(測定電極)、比較電極および処理液の温度を検出する温度センサが一体化された、酸化還元測定用複合電極を処理液に浸漬して処理液の酸化還元電位を測定した。なお、この酸化還元電位測定装置では、白金電極を測定電極として用いる一方、内部電極として塩化銀電極を使用するとともに内部液として塩化カリウム(KCl)を使用する、塩化銀電極を比較電極として用いている。
そして、その測定結果を同表中の「ORP(p)」の欄にまとめた。また、DIWの酸化還元電位ORP(r)についても処理液と同様にして測定したところ、「131(mV)」であった。
また、第1〜第5処理液を用いて次の実験条件下で洗浄処理およびリンス処理を行った。すなわち、処理液ごとに、表面に銅配線が形成された基板を用意して(1)当該処理液に浸漬して洗浄処理を行い、(2)DIWによるリンス処理を10〜20(sec)実行して基板表面から処理液を除去した後、(3)2500rpmで基板を10(sec)間回転させてスピンドライさせる。そして、各基板について、銅配線81に発生したエッチング領域87(図5参照)の断面積、つまり銅配線81の幅方向断面積を計測した。その結果をDIWに対する酸化還元電位の差と対応つけて表1の右端の2欄にまとめた。また、DIWの酸化還元電位ORP(r)との電位差に対するエッチング断面積を図6にプロットした。表1および図6から明らかなように、処理液の酸化還元電位ORP(p)とDIW(リンス液)の酸化還元電位ORP(r)との電位差を小さくするにしたがってエッチング断面積は減少していく。そして、上記した実験条件に即して許容されるエッチング断面積を検討すると、それは1600nm程度であり、電位差が20mV以下となっている場合には、銅配線81の腐食はほとんど発生しない、発生したとしても製品レベルで許容される程度に収まる。よって、処理液の酸化還元電位ORP(p)とDIW(リンス液)の酸化還元電位ORP(r)との電位差を20mV以下となるように処理液とリンス液の組み合わせを設定することで、銅配線81を腐食させることなく、基板表面Wfを良好に洗浄することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、基板表面Wfに銅配線81が形成された基板Wに対して本発明を適用しているが、銅以外の金属薄膜が基板表面に形成された基板に対しても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、基板表面Wf上の絶縁膜83にヴィアホール83aが形成された基板Wに対して本発明を適用することによって、ヴィアホール83aの底部に位置する金属薄膜の腐食が効果的に防止される点について説明したが、本発明の適用対象はヴィアホールが形成された基板に限定されるものではなく、洗浄処理に続いてリンス処理を行うことで金属薄膜の腐食が問題となる基板全般に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、洗浄処理に適した薬液としてポリマー除去液をそのまま処理液として用いたり、純水やDIWなどを混合した混合液を処理液として用いているが、ポリマー除去液以外の薬液を用いて金属薄膜を有する基板に対して洗浄処理を施す基板処理方法や装置に対しても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、洗浄処理およびリンス処理時に処理液やリンス液に酸素が溶け込むのを防止するために微小空間SPに窒素ガスを供給しているが、窒素ガス以外の不活性ガスを供給して不活性ガス雰囲気を形成してもよい。
この発明は、基板表面に金属薄膜が形成された基板(半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板など)に対して洗浄処理およびリンス処理を連続して施す基板処理方法および装置に適用することができる。
この発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の動作を示す模式図である。 基板表面に供給されたリンス液に溶け込む溶存酸素濃度の変化を示すグラフである。 リンス液中の溶存酸素濃度とエッチング量との関係を示すグラフである。 金属薄膜に形成されるエッチング領域を模式的に示す図である。 酸化還元電位差に対する銅エッチング量の変化を示すグラフである。
符号の説明
1…スピンチャック(基板保持手段)
5…処理液供給ユニット(処理液供給手段)
17…チャックピン(基板保持手段)
81…銅配線(金属薄膜)
A〜C…薬液(処理液)
SP…微小空間
W…基板
Wf…基板表面

Claims (4)

  1. 表面に金属薄膜が形成された、基板に処理液を供給して前記基板表面を洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程を受けた前記基板表面にリンス液を供給して前記基板表面に付着する前記処理液を洗い流すリンス工程とを備え、
    前記処理液の酸化還元電位と前記リンス液の酸化還元電位の差が20mV以下であることを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記リンス工程は、酸素濃度が5%以下の雰囲気で実行される請求項1記載の基板処理方法。
  3. 前記洗浄工程は、酸素濃度が5%以下の雰囲気で実行される請求項2記載の基板処理方法。
  4. 表面に金属薄膜が形成された、基板に処理液を供給して前記基板表面に洗浄処理を施した後にリンス液を前記基板表面に供給して前記基板表面に付着する前記処理液を洗い流す基板処理装置において、
    前記基板を保持する基板保持手段と、
    前記リンス液に対して酸化還元電位の差が20mV以下となっている、処理液を前記基板保持手段に保持された前記基板の表面に供給する処理液供給手段と
    を備えたことを特徴とする基板処理装置。
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