JP2009238503A - 複合スイッチ - Google Patents

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Yuki Nagai
祐樹 永井
Noboru Fujima
昇 藤間
Akira Takaoka
亮 高岡
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Abstract

【課題】部品点数が少なく構造が簡単で組み立てが容易で薄型化が図れる複合スイッチを提供する。
【解決手段】両端が固定側部材(ケース230,基台10)に取り付けられ且つ中央のスイッチ設置部131が固定側部材に対して上下動自在に設置される取付台130と、スイッチ設置部131の両端側上面に設置される側部スイッチ175と、スイッチ設置部131の中央下面側に配置される第1,第2中央スイッチ43,107と、揺動自在に取付台130上方に配置されるキートップ200とを有する。キートップ200を揺動した際は側部スイッチ175が押圧され、キートップ200と共にスイッチ設置部131を下降した際は第1,第2中央スイッチ43,107が押圧される。
【選択図】図2

Description

本発明は、キートップを揺動することでスイッチをオンすると共に、このキートップを真下に押圧することで別のスイッチをオンする構造の複合スイッチに関するものである。
デジタルカメラなどの操作スイッチとして、揺動自在に設置したキートップ表面の左右何れかの部分を押圧することでキートップを揺動させてカメラのズーム操作を行い、またそのキートップ表面の中央部分を垂直(真下)に押圧することでピント合せを行ない、さらに押し込むことでシャッターをオンする構造のものが要望されている。つまり揺動自在のキートップを有するシーソー型スイッチの下部に、キートップの中央部分を押圧することで操作できるスイッチ(特に二段スイッチ)を設置してなる複合スイッチが要望されている。
そして従来、この種の機構を有する複合スイッチとして、例えば特許文献1に示す多方向押圧型スイッチなどがあった(但しキートップの中央を押圧したときに操作されるスイッチは前記二段スイッチではなく一段スイッチである)。
しかしながら特許文献1の多方向押圧型スイッチは、操作つまみ(キートップ)(100)を揺動した際に揺動する揺動操作型物(80)と、操作つまみ(100)を真上から押圧した際に下降する押圧操作型物(40)とが別部品として必要であり、部品点数が多く、構造が複雑で、組み立ても煩雑であった。また厚み方向の薄型化が図れない。
特開2005−19314号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、部品点数が少なくて構造が簡単で組み立てが容易で薄型化が図れる複合スイッチを提供することにある。
本願請求項1に記載の発明は、両端が固定側部材に取り付けられ且つ中央のスイッチ設置部が固定側部材に対して上下動自在に設置される取付台と、前記スイッチ設置部の両端側上面に設置される側部スイッチと、前記スイッチ設置部の中央下面側に配置される中央スイッチと、揺動自在に前記取付台上方に配置されるキートップとを有し、前記キートップが揺動した際は側部スイッチを押圧し、またキートップと共に取付台のスイッチ設置部が下降した際は中央スイッチを押圧することを特徴とする複合スイッチにある。
本願請求項2に記載の発明は、前記取付台は、中央のスイッチ設置部の両端に上下方向に可撓性を有する薄板帯状の連結部を介して固定側部材に取り付けられる取付部が設けられ、これによって両取付部に対してスイッチ設置部を上下動自在としたことを特徴とする請求項1に記載の複合スイッチにある。
本願請求項3に記載の発明は、前記複合スイッチはその上部が前記キートップの上面を露出する開口を有するケースによって覆われており、前記キートップの両側辺の揺動中心軸の位置から突出する軸部を前記ケースに設けた上側軸受部と前記取付台に設けた下側軸受部の間に挟んで設置することでキートップを揺動自在に保持したことを特徴とする請求項1または2に記載の複合スイッチにある。
本願請求項4に記載の発明は、前記キートップの軸部の少なくとも一方は上下面が平面状であり、これら上下面が前記上側軸受部と下側軸受部に挟まれていることを特徴とする請求項3に記載の複合スイッチにある。
本願請求項5に記載の発明は、前記ケースの上側軸受部と前記取付台の下側軸受部の部分には、ケースに対して取付台のスイッチ設置部が上下方向に平行移動するのをガイドする凹凸からなるガイド部が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の複合スイッチにある。
請求項1に記載の発明によれば、側部スイッチを設置する取付台自体を上下動自在とすることで取付台の下面側に設置した中央スイッチを押圧操作するので、部品点数が少なく、また簡単な構造で、組み立て容易且つ薄型化が図れる複合スイッチを提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、取付台のスイッチ設置部を固定側部材に対して容易且つ簡単な構成で上下方向に平行移動させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、キートップの軸部を簡単な構成で容易に揺動自在に軸支できる。
請求項4に記載の発明によれば、上下面が平面状のキートップの軸部が上側軸受部と下側軸受部に挟持されるので、キートップをフリーの状態(荷重をかけない状態)にした際に、キートップを自動的に左右に傾かない水平状態とさせておくことができる。またキートップの揺動中心軸より左右に少しずれた位置の上面を下方向に押圧した際でもキートップは傾くことなく、確実にこれを下方向に下降させることができ、従って側部スイッチが意に反して押圧される恐れもなくなる。
請求項5に記載の発明によれば、ケースと取付台を利用したガイド部によって、簡単な構造で容易に取付台のスイッチ設置部を確実に上下方向に平行移動させるようにすることができる。特にキートップの軸部の上下面を平面状にした場合は、キートップの揺動時にスイッチ設置部が傾こうとするが、これを防止することもできる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態にかかる複合スイッチ1の斜視図、図2は複合スイッチ1の概略側断面図(図1のE−E線での断面図)、図3は複合スイッチ1を上側から見た分解斜視図(上側の部品)、図4は複合スイッチ1を上側から見た分解斜視図(下側の部品)、図5は複合スイッチ1を下側から見た分解斜視図(上側の部品)、図6は複合スイッチ1を下側から見た分解斜視図(下側の部品)である。これらの図に示すように複合スイッチ1は、基台10上に、第1スイッチ回路基板40と、押圧部材70と、第2スイッチ回路基板100と、取付台130と、第3スイッチ回路基板170と、キートップ200と、ケース230とを設置して構成されている。以下各構成部品について説明する。なお以下の説明において、「上」とは取付台130からキートップ200側を向く方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
基台10は合成樹脂を略長尺矩形の板状に成形して構成されており、その中央部分の上面は平面状の第1の基板載置部11となっている。またその長手方向の両端はその面を上方向に持ち上げるように屈曲することで平板状のケース等取付部13,13としている。第1の基板載置部11の上面の所定位置(一方のケース等取付部13に偏っている位置)には上方向に向かって突出する一対の小突起からなる取付突起15が設けられている。また両ケース等取付部13,13には、一対ずつ上下に貫通する小孔からなる係合部17が設けられている。また図2,図6に示すように、第1の基板載置部11の一方の端部であってこれに連続するケース等取付部13の根元部分には、下記する第1スイッチ回路基板40の引出部45を挿通する寸法で水平方向に貫通する引出部挿通部19が設けられている。なおこの実施形態においては基台10を構成する合成樹脂としてABS樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂を用いても良い。
第1スイッチ回路基板40は可撓性を有する合成樹脂フイルムを前記基台10の第1の基板載置部11上に載置できる寸法の略矩形状に形成してなるスイッチ基板本体部41を具備し、このスイッチ基板本体部41の略中央に第1中央スイッチ43を設け、またその外周辺の内の前記基台10の引出部挿通部19に対向する辺に帯状の引出部45を接続し、また長尺な側の対向する一対の辺にそれぞれ帯状の第2スイッチ回路基板連結部47と第3スイッチ回路基板連結部49とを接続して構成されている。
第1中央スイッチ43は前記スイッチ基板本体部41を構成する合成樹脂フイルム上に形成した図示しない一対の接点パターン上に弾性金属板を略ドーム形状に形成した反転板43aを取り付けて構成されている。反転板43aはその外周の少なくとも一部が一方の接点パターンに接触しており、もう一方の接点パターンが反転板43aの下面中央に所定の隙間を介して対向しており、反転板43aを押圧してこれを反転することで反転板43aの下面中央をこれに対向する接点パターンに当接して両接点パターン間をオンする構造に構成されている。なお第1中央スイッチ43の構造はこの実施形態の構造に限定されず、例えば2枚の合成樹脂フイルムを重ね合わせて両合成樹脂フイルムにそれぞれ設けた一対の接点パターンを隙間を介して対向させ、一方の合成樹脂フイルムに設けた接点パターンの裏面側に反転板を設置することで構成されるいわゆるメンブレンスイッチで構成しても良い。
第2スイッチ回路基板連結部47はスイッチ基板本体部41の外周辺から外方に突出された後に180°折り返されてスイッチ基板本体部41上に重畳され、さらにその先端部分を上方向に向けて略直角に折り曲げ、下記する第2スイッチ回路基板100に連結されている。スイッチ基板本体部41と第2スイッチ回路基板連結部47の重畳されている部分には、両者を貫通する一対ずつの取付穴51が設けられている。これら一対の取付穴51は前記基台10の一対の取付突起15に対向する位置でこれら取付突起15を挿入する寸法形状に形成されている。第3スイッチ回路基板連結部49はスイッチ基板本体部41の外周辺から上方向に向けて略直角に折り曲げられ、下記する第3スイッチ回路基板170に連結されている。
つまり第1,第2,第3スイッチ回路基板40,100,170は一枚の合成樹脂フイルムをそれぞれ第2,第3スイッチ回路基板連結部47,49によって連結して構成されており、第1,第2,第3スイッチ回路基板40,100,170の各スイッチ(第1中央スイッチ43と下記する第2中央スイッチ107と一対の側部スイッチ175)の出力は前記引出部45から引き出される。第1,第2,第3スイッチ回路基板40,100,170を構成する可撓性のある合成樹脂フイルムの材質としてこの実施形態ではポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを用いているが、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性の他の各種可撓性を有する合成樹脂フイルム、例えばポリフェニレンスルフイド(PPS)フイルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フイルム、ポリエーテルイミド(PEI)フイルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フイルム、ポリエーテルケトン(PEK)フイルム、ポリカーボネート(PC)フイルム、ポリブチレンナフタレート(PBN)フイルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フイルム等を用いても良い。
押圧部材70は合成樹脂製であり、略矩形状で平板状の第2の基板載置部71と、略矩形状で平板状の押圧部材取付部73と、前記第2の基板載置部71と押圧部材取付部73とを一体に連結する連結撓み部75とを一体成形して構成されている。第2の基板載置部71はその上面を平面状に形成すると共にその下面中央に下方向に突出する小突起からなる押圧部77を設けて構成されている。押圧部材取付部73は一対の上下に貫通する取付固定部79を設け、またその下面の両取付固定部79を囲む部分に凹部81を設けて構成されている。これら一対の取付固定部79は前記基台10の一対の取付突起15に対向する位置でこれら取付突起15を挿入する寸法形状に形成されている。連結撓み部75は2本並列に設置され、直線帯状で可撓性を有する程度に薄板状とされている。押圧部材70の材質としてこの実施形態ではABS樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂を用いても良い。
第2スイッチ回路基板100は可撓性を有する合成樹脂フイルムを前記押圧部材70(第2の基板載置部71と押圧部材取付部73と連結撓み部75とを含むその全体)の外形寸法形状と略同一の外形寸法形状に形成し、前記第2の基板載置部71に対向するスイッチ基板部101と、押圧部材取付部73に対向する取付部103と、連結撓み部75に対向する連結部105とを具備して構成されている。スイッチ基板部101上面の略中央には第2中央スイッチ107が設けられ、また取付部103の一外周辺には帯状の前記第2スイッチ回路基板連結部47が接続されている。
第2中央スイッチ107は、前記第1中央スイッチ43と同一の構造であり、スイッチ基板部101を構成する合成樹脂フイルム上に形成した図示しない一対の接点パターン上に弾性金属板を略ドーム形状に形成した反転板107aを取り付けて構成されている。第2中央スイッチ107の動作は前記第1中央スイッチ43の動作と同じである。いわゆるメンブレンスイッチで構成しても良いことも同様である。また取付部103には一対の貫通する小孔からなる取付孔109が設けられている。これら一対の取付孔109は前記基台10の一対の取付突起15に対向する位置でこれら取付突起15を挿入する寸法形状に形成されている。
取付台130は合成樹脂の一体成形品であってその全体が略平板矩形状であり、その中央のスイッチ設置部131の両端に連結部133を介して一対の取付部135を取り付けて構成されている。取付台130を構成する合成樹脂としてこの実施形態ではABS樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂を用いても良い。スイッチ設置部131は長尺な略矩形状(帯状)の平板形状であり、その下面中央には下方向に向かって突出する小突起状の押圧部137が設けられ、また取付部135を設置していない側の対向する両側辺の中央にはこれら両側辺から突出する一対のガイド部(以下「第1ガイド部」という)139が設けられている。第1ガイド部139は略矩形状であって上下方向に立設しており、スイッチ設置部131の上面から下方向に向かって突出するように形成され、上下方向に向かう左右の両辺は垂直で平行なガイド辺141となっている。第1ガイド部139の上辺の面は下側軸受部143であり、スイッチ設置部131の上面と同一の水平面となっており、その両端には上方向に向かう小突起状の軸保持部145が設けられている。また第1ガイド部139の下辺の面はストッパー部147となっている。
連結部133は上下方向に可撓性を有する程度に薄板帯状であってその長さを長く取れるように屈曲させて構成されている。取付部135は略矩形平板状であって前記基台10のケース等取付部13と下記するケース230の取付台取付部237の間に挟持されて取り付けられるものであり、その内部に上下に貫通する一対の挿通取付部149を設けている。これら挿通取付部149は下記するケース230の取付突部239に対向する位置に設けられ、これら取付突部239をぴったり挿入する寸法形状に形成されている。なお取付台130の上面は軸保持部145を除いて同一平面としている。
第3スイッチ回路基板170は連結部177で連結された2枚の可撓性を有する合成樹脂フイルムからなる第1,第2回路基板部171,173を重ね合せることでメンブレンスイッチからなる一対の側部スイッチ175を形成して構成されている。第3スイッチ回路基板170の外形形状は長尺矩形状であり、前記取付台130(スイッチ設置部131と連結部133と取付部135とを含むその全体)の外形寸法形状と略同一の外形寸法形状に形成されており、その両端に一対ずつ上下の第1,第2回路基板部171,173を貫通する小孔からなる挿通孔179が設けられている。これら挿通孔179は下記するケース230に設けた取付突部239に対向する位置に設けられ、これら取付突部239をぴったり挿入する寸法形状に形成されている。両側部スイッチ175は第1,第2回路基板部171,173を重ね合わせて両第1,第2回路基板部171,173にそれぞれ設けた一対の図示しない接点パターンを隙間を介して対向させることで構成されており、この実施形態では側部スイッチ175の上に反転板は設置していない。もちろん場合によっては反転板を設置しても良いし、反転板を設置する場合は前記第1中央スイッチ43や第2中央スイッチ107のような1枚の合成樹脂フイルム上に形成されるスイッチとしても良い。
キートップ200は合成樹脂の一体成形品であってその全体が略平板長尺矩形状であり、長尺な側の対向する両側辺の中央(キートップ200の揺動中心軸L1の位置)からその幅方向に向けて一対の軸部201を突出して構成されている。軸部201は上下面が平面状であり全体として扁平形状となっている。キートップ200を構成する合成樹脂としてこの実施形態ではABS樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂を用いても良い。またキートップ200の下面の揺動中心軸L1を挟んでその両側には一対の小突起状の押圧部203,203が設けられている。
ケース230は合成樹脂の一体成形品であって下面が開放された略長尺矩形状の箱型に形成されており、上面部231と、上面部231の長手方向の両側辺から真下に向けて垂下される一対の側壁部233とを具備して構成されている。ケース230を構成する合成樹脂としてこの実施形態ではABS樹脂を用いているが、他の各種合成樹脂を用いても良い。上面部231の中央には前記キートップ200の上面全体を露出する内径寸法形状の開口235が設けられている。また上面部231の下面の長手方向の両端部近傍はそれぞれ平面状の取付台取付部237となっており、これら取付台取付部237から下方に向かって一対の突起状の取付突部239が突設されている。一方一対の側壁部233の内側面の中央部分には、上下方向に向かって略矩形凹状に切り欠かれその下端が側壁部233の下辺に至っているガイド部(以下「第2ガイド部」という)241が設けられている。第2ガイド部241の上端面(即ち上面部231の下面)は平面状の上側軸受部243となっており、また第2ガイド部241の左右両側辺はガイド受け辺245となっている。第2ガイド部241の幅寸法(両ガイド受け辺245間の距離)は前記取付台130の第1ガイド部139の幅寸法(両ガイド辺141間の距離)より若干大きい寸法となっており、第1ガイド部139が上下動自在に挿入できるように形成されている。
次に複合スイッチ1の組み立て方法を説明する。まず基台10上に第1スイッチ回路基板40と押圧部材70と第2スイッチ回路基板100とを載置する。このとき第1スイッチ回路基板40と第2スイッチ回路基板100は第2スイッチ回路基板連結部47によって連結されているので、この第2スイッチ回路基板連結部47を折り畳みながら第1スイッチ回路基板40と第2スイッチ回路基板100の間に押圧部材70を配置することとなる。そして基台10上に設けた一対の取付突起15を第1スイッチ回路基板40の取付穴51と押圧部材70の取付固定部79と第2スイッチ回路基板100の取付孔109とに挿入し、取付突起15の先端を第2スイッチ回路基板100上で熱かしめし、これによって基台10上に第1スイッチ回路基板40と押圧部材70と第2スイッチ回路基板100とを一体に取り付ける。このとき図2に示すように、第1中央スイッチ43の反転板43aの上面中央に押圧部材70の押圧部77が当接(または接近して位置)する。またこのとき第1スイッチ回路基板40の引出部45は基台10の引出部挿通部19から基台10の外部に引き出される。
次にケース230の下面側にキートップ200と第3スイッチ回路基板170と取付台130とを設置し、その際ケース230の両第2ガイド部241内にキートップ200の両軸部201と取付台130の両第1ガイド部139とを挿入し、同時にケース230の各取付突部239を第3スイッチ回路基板170の各挿通孔179と取付台130の各挿通取付部149に挿入する。そしてこのケース230を前記第1スイッチ回路基板40などを取り付けた基台10上に被せ、ケース230の前記各取付突部239の先端を基台10の各係合部17に挿入し、基台10のケース等取付部13の下面側で各取付突部239の先端を熱かしめすることでこれら各部材を一体にする。これによって複合スイッチ1の組み立てが完了する。
このとき図2に示すように、キートップ200の上面はケース230の開口235内に露出し、キートップ200の一対の押圧部203はそれぞれ取付台130上に載置した第3スイッチ回路基板170に設けた各側部スイッチ175上に当接(または接近して位置)し、取付台130下面の押圧部137は第2中央スイッチ107の反転板107aの上面中央に当接(または接近して位置)する。
またこのときキートップ200の両軸部201は、図7にその概略を示すように、平面状の上下面が、ケース230の上側軸受部243と取付台130の下側軸受部143に挟まれてそれぞれの面同士が当接し、これによってキートップ200をフリーの状態(荷重をかけない状態)にした際に、キートップ200は自動的に左右に傾かない水平状態の姿勢を維持することができる。またケース230の上側軸受部243を設けた第2ガイド部241と取付台130の下側軸受部143を設けた第1ガイド部139は、ケース230に対して取付台130のスイッチ設置部131が上下方向(図7の矢印A方向)にのみ平行移動自在となるようにガイド辺141とガイド受け辺245が係合している。つまり第1,第2ガイド部139,241によってケース230に対して取付台130のスイッチ設置部131が上下方向に平行移動するのをガイドする凹凸からなるガイド部が構成されている。
なお上記複合スイッチ1の組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
次に複合スイッチ1の動作を説明する。まず図2に示すキートップ200がフリーで水平の状態から、キートップ200の向かって右側の上面を押圧すると(矢印B方向)、図8に示すように上側軸受部243と下側軸受部143の間に挟持されている軸部201がその揺動中心軸L1を中心にして揺動し、図2に示す向かって右側の押圧部203が下降してこれに対向する位置にある第3スイッチ回路基板170の側部スイッチ175が押圧されてオンする。このとき図8に示すように軸部201は少し傾き、そのため第1ガイド部139及びこれと一体の取付台130のスイッチ設置部131が少し下方に平行移動によって下降する。しかしながらこの下降寸法は短いので、図2に示すスイッチ設置部131の下面側にある第2,第1中央スイッチ107,43がオンすることはない。なお図8に示すように軸部201の一端によって下側軸受部143の一端部分が押圧されると、スイッチ設置部131にはこれを傾けようとする力が働くが、第1,第2ガイド部139,241によってスイッチ設置部131は上下方向に平行移動するので、スイッチ設置部131が傾くことはない。そして前記キートップ200への押圧を解除すると取付台130両側の連結部133の弾性復帰力によってスイッチ設置部131は元の位置に上昇して自動復帰し、その際再び図7に示すように軸部201の平面状の上下面が上側軸受部243と下側軸受部143に挟まれてそれらの面同士が当接するので、キートップ200は自動的に左右に傾かない水平状態の姿勢に戻る。キートップ200の図2に示す向かって左側の上面を押圧した場合も同様に動作する。
一方図2に示すようにキートップ200がフリーで水平の状態からキートップ200の中央部分の上面を押圧すると(矢印C方向)、図7において軸部201の下面が下側軸受部143を押圧し、これによって第1ガイド部139が第2ガイド部241内を下方向にスライド移動し、図2に示す取付台130のスイッチ設置部131及びキートップ200は水平状態を保ったまま同時に下降して軸部201の部分は図9に示す状態となり、図2に示す取付台130の押圧部137が反転板107aを押圧してこれを反転し、クリック感覚を生じながら第2中央スイッチ107がオンする。さらにキートップ200の中央部分の上面を押圧していくと(矢印C方向)、軸部201の部分は図9に示す状態からさらに軸部201の下面が下側軸受部143を押圧し、これによって図10に示すように第1ガイド部139が第2ガイド部241内をさらに下方向にスライド移動し、図2に示す取付台130のスイッチ設置部131及びキートップ200は水平状態を保ったまま同時にさらに下降して取付台130の押圧部137が押圧部材70の第2の基板載置部71を押圧して連結撓み部75が撓んで第2の基板載置部71が下降(揺動)し、その押圧部77が反転板43aを押圧してこれを反転し、クリック感覚を生じながら第1中央スイッチ43がオンする。なおさらにキートップ200を押圧しても、ストッパー部147が第1スイッチ回路基板40上面に当接するので、オーバーストロークを防止できる。なお取付台130のスイッチ設置部131が下降する際は、水平状態を保つと記載したが、その両端が連結部133に連結されているので、スイッチ設置部131はその両端に対して中央部分が多少下方向に凸となるように撓む場合もあるが、その変形量は小さいので問題ない。なお以下の水平状態を用いた説明についても同様である。
ところで取付台130のスイッチ設置部131は固定側部材であるケース230に対して第1ガイド部139が第2ガイド部241内を上下方向にスライド移動することで確実に水平状態を保ったまま上下動するが、同時にキートップ200の軸部201はその上下面が平面状なので例えキートップ200の中央上面(回転中心軸L1の真上の面)から左右に僅かにずれた位置を押圧してもキートップ200は取付台130のスイッチ設置部131に対して揺動することはなく、従って側部スイッチ175が意に反して押圧される恐れもない。
そして前記キートップ200の中央部分の押圧を解除すると、前記押圧時の動作とは逆に、第2の基板載置部71が上昇して反転板43aが元の状態に戻って第1中央スイッチ43がオフし、スイッチ設置部131が上昇して反転板107aが元の状態に戻って第2中央スイッチ107がオフし、キートップ200は元の図2に示すフリーの状態に戻る。
以上説明したように複合スイッチ1は、両端が固定側部材であるケース230及び基台10に取り付けられ且つ中央のスイッチ設置部131が固定側部材(ケース230及び基台10)に対して上下動自在に設置される取付台130と、スイッチ設置部131の両端側上面に設置される第3スイッチ回路基板170の側部スイッチ175と、スイッチ設置部131の中央下面側に配置される第1,第2中央スイッチ43,107と、揺動自在に取付台130上方に配置されるキートップ200とを有し、キートップ200が揺動した際は側部スイッチ175を押圧し、またキートップ200と共に取付台130のスイッチ設置部131を下降した際は第1,第2中央スイッチ43,107を押圧するように構成されている。つまり側部スイッチ175を取り付ける取付台130のスイッチ設置部131自体を用いて第1,第2中央スイッチ43,107を押圧操作するので、部品点数が少なく、また簡単な構造で、組み立て容易且つ薄型化が図れる複合スイッチ1を提供できる。
また取付台130は、中央のスイッチ設置部131の両端に上下方向に可撓性を有する薄板帯状の連結部133を介して固定側部材に取り付けられる取付部135が設けられており、これによって両取付部135に対してスイッチ設置部131を上下動自在としているので、取付台130のスイッチ設置部131を固定側部材に対して容易且つ簡単な構成で上下方向に平行移動(多少撓む場合も含む)させることができる。またキートップ200の両側辺の揺動中心軸L1の位置から突出する軸部201をケース230に設けた上側軸受部243と取付台130に設けた下側軸受部143の間に挟んで設置することでキートップ200を揺動自在に保持したので、キートップ200の軸部201を簡単な構成で容易に揺動自在に軸支できる。さらにこの実施形態ではキートップ200の軸部201の上下面を平面状として、これら上下面を上側軸受部243と下側軸受部143で挟んだので、キートップ200をフリーの状態(荷重をかけない状態)にした際にキートップ200を自動的に左右に傾かない水平状態とさせておくことができるばかりか、キートップ200の揺動中心軸L1より左右に少しずれた位置の上面を下方向に押圧した際でもキートップ200は傾くことなく、確実にこれを下方向に下降させることができ、従って側部スイッチ175が意に反して押圧される恐れもなくなる。またケース230の上側軸受部243と取付台130の下側軸受部143の部分にケース230に対して取付台130のスイッチ設置部131が上下方向に移動するのをガイドする凹凸からなるガイド部(第1,第2ガイド部)139,241を設けたので、ケース230と取付台130を利用したガイド部によって、簡単な構造で容易に取付台130を確実に上下方向に平行移動させるようにすることができる。特にキートップ200の軸部201の上下面を平面状にしているので、キートップ200の揺動時(図8の状態のとき)に取付台130のスイッチ設置部131が傾こうとするが、これを防止することもできる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では取付台130の両端を固定する固定側部材としてケース230と基台10とを用いたが、ケース230と基台10の内の何れか一方の部品のみに固定しても良いし、ケース230と基台10以外の各種固定側部材に固定しても良い。また上記実施形態では両端に設けた連結部133及び取付部135によって中央のスイッチ設置部131を固定側部材に対して上下動自在に設置したが、連結部133及び取付部135は1ヶ所または3ヶ所以上に設けてもよい。
また上記実施形態では側部スイッチ175を第3スイッチ回路基板170に設けたが、スイッチ設置部131を硬質回路基板で構成してこれに直接側部スイッチ175を設けても良い。また上記実施形態では第3スイッチ回路基板170を可撓性を有する合成樹脂フイルムによって構成したが、硬質基板によって構成しても良い。また上記実施形態では中央スイッチとして第1,第2中央スイッチ(2段押圧型中央スイッチ)43,107を設けたが、何れか一方を省略した1つの中央スイッチで構成しても良い。また上記実施形態ではキートップ200の一対の軸部201の両方の上下面を平面状に形成したが、一方の軸部のみの上下面を平面状に形成してもよい。また上記実施形態ではガイド部として凸状の第1ガイド部139と凹状の第2ガイド部241とを用いたが、第1ガイド部139を凹状とし、第2ガイド部241を凸状としても良い。
複合スイッチ1の斜視図である。 複合スイッチ1の概略側断面図(図1のE−E線での断面図)である。 複合スイッチ1を上側から見た分解斜視図(上側の部品)である。 複合スイッチ1を上側から見た分解斜視図(下側の部品)である。 複合スイッチ1を下側から見た分解斜視図(上側の部品)である。 複合スイッチ1を下側から見た分解斜視図(下側の部品)である。 軸部201周囲の状態を示す拡大概略図である。 軸部201周囲の動作状態を示す拡大概略図である。 軸部201周囲の動作状態を示す拡大概略図である。 軸部201周囲の動作状態を示す拡大概略図である。
符号の説明
1 複合スイッチ
10 基台(固定側部材)
40 第1スイッチ回路基板
43 第1中央スイッチ(中央スイッチ)
70 押圧部材
100 第2スイッチ回路基板
107 第2中央スイッチ(中央スイッチ)
130 取付台
131 スイッチ設置部
133 連結部
135 取付部
139 第1ガイド部(ガイド部)
143 下側軸受部
170 第3スイッチ回路基板
175 側部スイッチ
200 キートップ
201 軸部
L1 揺動中心軸
230 ケース(固定側部材)
235 開口
241 第2ガイド部(ガイド部)
243 上側軸受部

Claims (5)

  1. 両端が固定側部材に取り付けられ且つ中央のスイッチ設置部が固定側部材に対して上下動自在に設置される取付台と、
    前記スイッチ設置部の両端側上面に設置される側部スイッチと、
    前記スイッチ設置部の中央下面側に配置される中央スイッチと、
    揺動自在に前記取付台上方に配置されるキートップとを有し、
    前記キートップが揺動した際は側部スイッチを押圧し、またキートップと共に取付台のスイッチ設置部が下降した際は中央スイッチを押圧することを特徴とする複合スイッチ。
  2. 前記取付台は、中央のスイッチ設置部の両端に上下方向に可撓性を有する薄板帯状の連結部を介して固定側部材に取り付けられる取付部が設けられ、これによって両取付部に対してスイッチ設置部を上下動自在としたことを特徴とする請求項1に記載の複合スイッチ。
  3. 前記複合スイッチはその上部が前記キートップの上面を露出する開口を有するケースによって覆われており、
    前記キートップの両側辺の揺動中心軸の位置から突出する軸部を前記ケースに設けた上側軸受部と前記取付台に設けた下側軸受部の間に挟んで設置することでキートップを揺動自在に保持したことを特徴とする請求項1または2に記載の複合スイッチ。
  4. 前記キートップの軸部の少なくとも一方は上下面が平面状であり、これら上下面が前記上側軸受部と下側軸受部に挟まれていることを特徴とする請求項3に記載の複合スイッチ。
  5. 前記ケースの上側軸受部と前記取付台の下側軸受部の部分には、ケースに対して取付台のスイッチ設置部が上下方向に平行移動するのをガイドする凹凸からなるガイド部が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の複合スイッチ。
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