JP2009238485A - プラズマ発生体、プラズマ発生体の製造方法、および反応装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理を行う流体の条件によって、各放電空間内のプラズマ密度をり最適化し、消費電力を低減することが可能なプラズマ発生体を提供する。
【解決手段】一方向に配列された複数の誘電体と、該各誘電体の内部に配設された導電体とを有し、導電体間に電圧を印加することにより誘電体間にプラズマを発生可能なプラズマ発生体であって、誘電体は、3つ以上であり、導電体は、所定の間隔で配置されており、互いに隣接する少なくとも1組の誘電体対における誘電体間の距離が、他の組の誘電体対における誘電体間の距離と異なる。
【選択図】図1
【解決手段】一方向に配列された複数の誘電体と、該各誘電体の内部に配設された導電体とを有し、導電体間に電圧を印加することにより誘電体間にプラズマを発生可能なプラズマ発生体であって、誘電体は、3つ以上であり、導電体は、所定の間隔で配置されており、互いに隣接する少なくとも1組の誘電体対における誘電体間の距離が、他の組の誘電体対における誘電体間の距離と異なる。
【選択図】図1
Description
本発明は、発生させたプラズマによって流体の浄化等を行なうプラズマ発生体およびその製造方法、並びにそのプラズマ発生体を用いた反応装置に関する。
従来、排気ガス等の有害物質を含む流体を浄化する方法として、プラズマを利用するものが知られている。このようなプラズマは、導電体間に電圧を印加することにより発生し、その導電体間を通過する流体の有害物質と反応し、流体を浄化させることができる。
このような導電体を誘電体の内部に配設すると、導電体を直接プラズマに晒すことなく、無声放電によってプラズマを発生させることが可能になる。このようなプラズマ発生体では、誘電体によって囲まれた放電空間が所定の方向に配列され、その放電空間を挟むように導電体が配置されている。
特開2004−92589号公報
ここで、放電空間を通過する流体が複数種類の物質を含み、その種類毎に物質の重量が異なるとき、流体中で種類の異なる物質が分離して、それぞれ異なる放電空間を通過する場合がある。さらに、それらの物質の種類毎にプラズマに対する分解のしやすさ(以下、分解性)が異なると、分解しやすい、すなわち分解性が良い物質が通過する放電空間と分解しにくい、すなわち分解性が悪い物質が通過する放電空間とで処理に必要なプラズマの量が異なるため、放電空間が一定の間隔に配列されたプラズマ発生体では、分解性の良い物質が通過する放電空間に必要以上のプラズマを発生させることになり、消費電力が大きくなるという問題があった。
また、流体中で複数の種類の物質が実質的に均一に混ざりあっている場合でも、一般に、プラズマ発生体を通過する流体の流速は流路の中央部分が早くなり、外周部分が遅くなることから、中央部の放電空間と外周部の放電空間とで処理をする流体の量が異なるため、放電空間が一定の間隔に配列されたプラズマ発生体では、外周部に必要以上のプラズマを発生させることになり、消費電力が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、例えば、流体の速度、および流体に含まれる物質の種類等のような、処理を行う流体の条件によって、各放電空間内のプラズマ密度を最適化し、消費電力を低減することが可能なプラズマ発生体およびその製造方法、並びにプラズマ発生体を用いた反応装置を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ発生体は、一方向に配列された複数の誘電体と、該各誘電体の内部に配設された導電体とを有し、前記の導電体間に電圧を印加することにより前記の誘電体間にプラズマを発生可能なプラズマ発生体であって、前記の誘電体は、3つ以上であり、前記の導電体は、所定の間隔で配置されており、互いに隣接する少なくとも1組の誘電体対における誘電体間の距離が、他の組の誘電体対における誘電体間の距離と異なる。このプラズマ発生体を「第1のプラズマ発生体」という。
好ましくは、第1プラズマ発生体第1のプラズマ発生体において、前記の誘電体は、4つ以上であり、前記の誘電体の配列方向の一方の端部における前記の誘電体間の距離は、他方の端部における前記の誘電体間の距離よりも短い。このプラズマ発生体を「第2のプラズマ発生体」という。
好ましくは、第2のプラズマ発生体において、前記の誘電体間の距離は、前記の誘電体の配列方向において、前記の一方の端部から前記の他方の端部に向かうにつれて漸次短くなる。このプラズマ発生体を「第3のプラズマ発生体」という。
好ましくは、第1のプラズマ発生体において、前記の誘電体は、4つ以上であり、前記の誘電体の配列方向の中央部における前記の誘電体間の距離は、端部における前記の誘電体間の距離よりも短い。このプラズマ発生体を「第4のプラズマ発生体」という。
好ましくは、第4のプラズマ発生体において、前記の誘電体間の距離は、前記の誘電体の配列方向において、端部から中央部に向かうにつれて漸次短くなる。このプラズマ発生体を「第5のプラズマ発生体」という。
本発明のプラズマ発生体の製造方法は、第1乃至第5のプラズマ発生体のいずれかを製造するための製造方法であって、前記の誘電体および該誘電体の内部に配設された前記の誘電体を複数のセラミックグリーンシートと該セラミックグリーンシートの間には配設された導電ペーストを同時に焼成することにより形成する。
本発明の反応装置は、第1乃至第5のプラズマ発生体のいずれかと、プラズマ発生体の導電体間に交流電圧、若しくはパルス電圧を印加するための電源と、誘電体間に流体を供給可能な供給部とを備える。
本発明のプラズマ発生体によれば、処理を行う流体の条件によって各放電空間内のプラズマ密度を最適化し、消費電力を低減することが可能なプラズマ発生体を実現することができる。
本発明のプラズマ発生体の製造方法によれば、処理を行う流体の条件によって各放電空間内のプラズマ密度を最適化し、消費電力を低減することが可能なプラズマ発生体を製造することができる。
本発明の反応装置によれば、処理を行う流体の条件によって各放電空間内のプラズマ密度を最適化し、消費電力を低減できるプラズマ発生体を動作させることが可能な反応装置を実現することができる。
以下に、本発明のプラズマ発生体の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態によるプラズマ発生体の構成例を示す斜視図であり、図2(a)は、図1のプラズマ発生体の平面図、図2(b)は、図1のプラズマ発生体の側面図である。また、図3(a)は、図2(a)の1A−1A’線における断面図、図3(b)は、図2(b)の1B−1B’線における断面図、図3(c)は、図2(b)の1C−1C’線における断面図である。図1乃至図3に示されるように、本実施の形態によるプラズマ発生体11は、基体12を備える。この基体12は、一方向に配列された複数の平板状の誘電体13と、複数の誘電体13を支持する支持部14とを備える。誘電体13と支持部14は、放電空間となる空洞16を構成する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるプラズマ発生体の構成例を示す斜視図であり、図2(a)は、図1のプラズマ発生体の平面図、図2(b)は、図1のプラズマ発生体の側面図である。また、図3(a)は、図2(a)の1A−1A’線における断面図、図3(b)は、図2(b)の1B−1B’線における断面図、図3(c)は、図2(b)の1C−1C’線における断面図である。図1乃至図3に示されるように、本実施の形態によるプラズマ発生体11は、基体12を備える。この基体12は、一方向に配列された複数の平板状の誘電体13と、複数の誘電体13を支持する支持部14とを備える。誘電体13と支持部14は、放電空間となる空洞16を構成する。
本実施の形態によるプラズマ発生体11では、第1空洞16a,第2空洞16b,第3空洞16cを有する。そして、誘電体13の配列方向において互いに隣接する少なくとも1組の誘電体対の誘電体13間の距離が異なる。ここでは、第3空洞16cを構成する誘電体13間の距離が、第1空洞16aおよび第2空洞16bを構成する誘電体13間の距離よりも短い。なお、本明細書では、第1空洞16a,第2空洞16b,および第3空洞16cを区別せずに、単に空洞16という場合がある。
さらに、各誘電体13の内部には、空洞16内にプラズマを発生可能な導電体15が配設される。導電体15は、空洞16を挟んで対向する平板状の導電体であり、交互に配設された第1誘電体15aと第2誘電体15bとからなる。なお、導電体15の間隔は、実質的に同一である。
さらに、基体12の一方の端面には、第1導電体15aが電気的に接続される外部端子17aが設けられ、基体12の他方の端面には、第2導電体15bが電気的に接続される外部端子17bが設けられる。なお、本明細書で基体12とは、内部に形成された導電体15等の他の部品を除いた部分をいい、後述するようにプラズマ発生体12が複数のセラミックグリーンシートの積層体とその各セラミックグリーンシートの表面に形成された導電体ペーストを同時焼成して得られる場合には、その積層体に対応する部分のみをいう。
本実施の形態によるプラズマ発生体11では、隣接する導電体15間に高電圧を印加して空洞16内にプラズマを発生させ、この空洞16内に例えば排気ガス等の流体を通過させることにより、流体中の化学物質を反応および分解させる。
基体12は、電気絶縁材料から成り、例えば、セラミックスから成る。具体的に、基体12を製造する場合には、複数のセラミックグリーンシートを準備し、準備したセラミックグリーンシートに必要に応じて適当な打ち抜き加工を施すとともにそれらのグリーンシートを積層し、高温(約1300〜1800℃)で焼成することにより製作される。電気絶縁材料としては、例えば、酸化アルミニウム焼結体(アルミナセラミックス)がある。例えば酸化アルミニウム質焼結体から成るグリーンシートは、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、カルシア(CaO)、およびマグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤および溶媒を添加混合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクターブレード法、またはカレンダーロール法等を採用し、シート状に成形することによって得られる。
セラミックグリーンシートの積層体を作製する場合には、セラミックグリーンシートを積層した後圧着を行なう。圧着は3.0〜8.0MPa程度の圧力を加えて行ない、必要に応じて35〜80℃で加熱を行なう。このとき、空洞16を形成するために、少なくとも1つのグリーンシートに貫通孔を形成する。また、セラミックグリーンシート同士の十分な接着性を得るために、溶剤と樹脂バインダーを混合するなどして作製した接着剤を用いてもよい。なお、誘電体材料としては、酸化アルミニウム質焼結体以外にも、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、コーディライト質焼結体、または炭化珪素質焼結体等が挙げられる。
第1導電体15aおよび第2導電体15bは、基体12内に保持されており、空洞16内にプラズマ場を発生させるための導電体として機能する。すなわち、第1導電体15aおよび第2導電体15bは、基体12の表面または内部に、空洞16を挟んで互いに対向するようにそれぞれ形成されている。なお、第1導電体15aおよび第2導電体15bは、その端部が基体12の外表面近傍まで導出されており、外部端子17a,17bに直接に、または補助導体を介して電気的に接続される。第1導電体15aおよび第2導電体15bは、タングステン、モリブデン、銅、または銀等の金属粉末導電体からなり、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いて、基体12用のセラミックグリーンシートの所定の位置に第1導電体15aおよび第2導電体15b用の導電体ペーストを印刷塗布し、基体12用のセラミックグリーンシートと同時焼成することによって基体12の内部に所定のパターンに形成することができる。導電体ペーストは、主成分の金属粉末に有機バインダーおよび有機溶剤、並びに必要に応じて分散剤等を加えて、ボールミル、三本ロールミル、またはプラネタリーミキサー等の混練手段により混合および混練することで製作される。導電体ペーストには、セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼結後の絶縁基板との接合強度を高めたりするためにガラスやセラミックスの粉末を添加しても良い。
なお、図3に示すように、第1導電体15aおよび第2導電体15bは、基体12の内部に空洞16に露出することなく配設することが好ましい。これは、第1導電体15aおよび第2導電体15bが空洞16内を通過する流体に直接接触しにくくなるので、流体により第1導電体15aおよび第2導電体15bが腐食し、プラズマの強度が低下する可能性を抑制することができるからである。なお、基体12の表面に形成する場合には、第1導電体15aおよび第2導電体15bの露出する表面には、ニッケルおよび金等の耐蝕性に優れる金属を被着しておくことが好ましい。また、プラズマ発生体11を高温下の環境にて使用する場合は、熱により金属同士の拡散が行われやすくなるので、ニッケルまたは金等の耐蝕性に優れる金属を単層で被着しておいても構わない。例えば、ニッケルめっき層と金めっき層とを順次被着している場合、高温下の熱によりニッケルと金とが容易に拡散し、第1導電体15aおよび第2導電体15bが劣化してプラズマの強度が低下する可能性やプラズマの強度がばらつく可能性がある。このため、プラズマ発生体11を高温下の環境にて使用する場合は、第1導電体15aおよび第2導電体15bの露出する表面に金めっき層のみを0.1〜10μm程度被着させておいても構わない。
また、第1導電体15aと第2導電体15bとの面積は、必要とするプラズマの強度や第1導電体15aおよび第2導電体15bに印加する電圧等によって適宜決定される。例えば、ディーゼルエンジンの排気ガス中のPMや酸化成分等の流体を浄化するプラズマ発生体11における第1導電体15aと第2導電体15bとの面積は、100mm2〜90000mm2程度が好ましい。
基体12の外表面には、外部端子17a,17bが形成されている。外部端子17a,17bは、外部電源から第1導電体15aおよび第2導電体15bに電圧を印加するための導電路として機能し、基体12の外表面に導出された第1導電体15aおよび第2導電体15bのそれぞれに電気的に接続されている。外部端子17a,17bは、タングステン、モリブデン、銅、または銀等の金属粉末導電体からなり、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いて、基体12用のセラミックグリーンシートの所定の位置に外部端子17a,17b用の導電体ペーストを印刷塗布し、基体12用のセラミックグリーンシートと同時焼成することによってプラズマ発生体11の所定の位置に形成することができる。外部端子17a,17b用の導電体ペーストは、第1導電体15aおよび第2導電体15b用の導電体ペーストと同様にして作製されるが、有機バインダーおよび有機溶剤の量により印刷に適した粘度に調製される。
なお、外部端子17a,17bの露出する表面には、ニッケルまたは金等の耐蝕性に優れる金属を被着しておくことが好ましい。なお、外部端子17a,17bが酸化腐食するのを抑制するとともに、外部端子17a,17bと外部電源の電源端子との接合を強固なものとするために、厚みが1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚みが0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着されていることが好ましい。なお、外部端子17a,17bにおいても、上述と同様に、高温下にて使用する場合には、ニッケルまたは金等の耐蝕性に優れる金属を単層で被着しておいても構わない。
あるいは、外部端子17a,17bは、基体12用のセラミックグリーンシートの焼成後に、所定の位置に貼り付けられた金属板でもよい。
そして、外部電源の電源端子を圧接または接合等の手段により外部端子17a,17bに電気的に接続し、外部端子17a,17bを通して第1導電体15aおよび第2導電体15bに電圧を印加すると、第1導電体15aと第2導電体15bとの対向面(平面視して、第1導電体15aと第2導電体15bとが重畳する領域)の間にプラズマを発生させることができる。これにより、プラズマ発生体11の一方側面から他方側面にかけて形成された空洞16内を通過する流体は、第1導電体15aと第2導電体15bとの間のプラズマを通過することとなるので、反応および分解して、浄化される。例えば、還元性雰囲気下においては、NOX(窒素酸化物)は、下記の式(1)および(2)に示された反応より分解して、N2およびO2が生成されて浄化される。
2NO2 → 2NO+O2・・・・・・・・・・(1)
2NO+O2 → N2+2O2・・・・・・・・・・(2)
2NO+O2 → N2+2O2・・・・・・・・・・(2)
なお、第1導電体15aと第2導電体15bとの間にプラズマを発生させるために、周波数の高い交流電圧が印加される。印加される交流電圧は、必要とされるプラズマの強度等によって適宜選択される。例えば、ディーゼルエンジンの排気ガス中のPMや酸化成分等の流体を浄化するプラズマ発生体において印加される交流電圧の周波数は、例えば、1kHz〜100MHzである。
また、導電体15間に印加する電圧は、交流電圧以外に、パルス電圧であってもよい。なお、交流電圧は、正弦波電圧に限らず、矩形波電圧若しくは方形波電圧等であってよい。
本実施の形態によるプラズマ発生体11は、第3空洞16cを構成する誘電体13間の距離が第1空洞16aおよび第2空洞16bを構成する誘電体13間の距離よりも短いことから、各導電体15間に同じ電圧を印加して空洞16にプラズマを発生させた際に、第3空洞16cの内部に発生するプラズマの密度が、第1空洞16aおよび第2空洞16bの内部に発生するプラズマの密度よりも大きくなることから、第3空洞16cの内部に発生するプラズマの強度が、第1空洞16aおよび第2空洞16bの内部に発生するプラズマの強度よりも大きくなる。このように、誘電体13の配列方向の一方の端部に配置された第3空洞16cの内部に発生するプラズマの強度が、上記配列方向の中央部および他方の端部に配置された第2空洞16bおよび第1空洞16aの内部に発生するプラズマの強度よりも強くなることから、例えば、流体中に、重量が大きく、分解に大きなエネルギーが必要となる分解性の悪い物質が含まれていた場合に、そのような物質が多く通過する下端部の空洞16c内部のプラズマ強度を強くすることにより、消費電力を不必要に増加させることなく効率的に流体を分解させて浄化することができる。
また、本実施の形態によるプラズマ発生体11において、空洞16は、一方向に延在した形状であるが、これに限らず、任意の形状であってよい。
また、本実施の形態によるプラズマ発生体11において、基体12は、複数のセラミック層からなり、そのセラミック層に貫通孔を設けて空洞16としたが、空洞16は、貫通孔から構成されなくともよく、セラミック層の表面に1つの開口を有する穴部により構成されてもよい。
また、図4に示すように、プラズマ発生体は、複数の空洞16A〜16Dが厚み方向に形成されたものであっても良い。図4のプラズマ発生体19では、配列方向の中央部に空洞16B、16Cを配置し、配列方向の端部に空洞16A、16Dを配置している。このような構成において、隣接する導電体15間に電圧を印加して各空洞16A〜16Dにそれぞれプラズマを発生させ、それぞれの空洞16A〜16D内を通過する流体を反応および分解させることにより、その流体を浄化することができる。このように、プラズマ発生体11に複数の空洞16A〜16Dを設けることにより、複数の空洞16A〜16Dで流体を反応および分解させることができるので、流体を効率よく浄化することができる。
なお、空洞16を構成する誘電体13間の距離が誘電体13の配列方向における一方の端部から他方の端部に向けて漸次短くなる場合には、プラズマ発生体11の一方の端部から他方の端部に向けて放電空間16におけるプラズマ強度が強くなるため、隣接する放電空間16の間でプラズマ強度が急激に変化することがなく、また、これにより隣接する放電空間26の間で放電空間26の内部の温度が急激に変化することがないことから、誘電体13に発生する応力が小さくなり、より都合がよい。なお、誘電体の配列方向の端部における誘電体間の距離とは、上記配列方向の端部における誘電体と、その誘電体に隣接する誘電体23との間の距離である。
なお、プラズマ発生体11,19は、基体12が、セラミックグリーンシートを同時焼成することにより形成され、第1導電体15a、第2導電体15b、および外部端子17a,17bが、導電体ペーストをセラミックグリーンシートと同時に焼成することにより形成されることが好ましい。このような場合には、プラズマ発生体11,19がセラミックスと導電体ペーストを同時焼成することにより一体化されているので、高温、または高振動等の環境下で長期間使用される場合にも、プラズマ発生体11,19の変形を小さなものとし、空洞16の形状を安定したものとすることができる。従って、空洞16内を通過するPMや酸化性成分等の流体を長期間に渡って安定して反応させ、分解させて良好に浄化することができる。
なお、プラズマ発生体単独ではなく、他の排気ガスの浄化機構をともに用いてもよい。例えば、プラズマ発生体の前後にフィルターや触媒を付着しておいても良く、これにより排気ガス中のPMや酸化成分等の排出をさらに低減させることができる。このようなフィルターとして、セラミック製のDPF(Diesel Particulate Filter)等があり、触媒として白金等を用いることができる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態によるプラズマ発生体の構成例を示す斜視図であり、図6(a)は、図5のプラズマ発生体の平面図、図6(b)は、図5のプラズマ発生体の側面図である。また、図7(a)は、図6(a)の2A−2A’線における断面図、図7(b)は、図6(b)の2B−2B’線における断面図、図7(c)は、図6(b)の2C−2C’線における断面図である。本実施の形態によるプラズマ発生体が、第1の実施の形態によるプラズマ発生体と異なる点は、第2空洞26bを構成する誘電体13間の距離が、第1空洞26aおよび第3空洞26cを構成する誘電体23間の距離よりも短い点である。
図5は、本発明の第2の実施の形態によるプラズマ発生体の構成例を示す斜視図であり、図6(a)は、図5のプラズマ発生体の平面図、図6(b)は、図5のプラズマ発生体の側面図である。また、図7(a)は、図6(a)の2A−2A’線における断面図、図7(b)は、図6(b)の2B−2B’線における断面図、図7(c)は、図6(b)の2C−2C’線における断面図である。本実施の形態によるプラズマ発生体が、第1の実施の形態によるプラズマ発生体と異なる点は、第2空洞26bを構成する誘電体13間の距離が、第1空洞26aおよび第3空洞26cを構成する誘電体23間の距離よりも短い点である。
本実施の形態によるプラズマ発生体21によれば、第2空洞26bの内部に発生するプラズマの強度が、第1空洞26aおよび第3空洞26cの内部に発生するプラズマの強度よりも強くなる。このように、プラズマ発生体21の中央部に配置された第2空洞26bの内部に発生するプラズマの強度が、端部に配置された第1空洞26aおよび第3空洞26cの内部に発生するプラズマの強度よりも強くなることから、例えば、流体中に、分解に大きなエネルギーが必要となる物質が含まれており、その物質が流体の中央に集まる傾向がある場合等に、中央部の空洞26内のプラズマ強度をより強くして、消費電力を不必要に増加させることなく、流体を効率的に浄化することができる。
また、流体中で複数の種類の物質が実質的に均等に混ざりあっている場合でも、一般に、プラズマ発生体を通過する流体の流速は流路の中央部分が早くなり、外周部分が遅くなることから、流体が多く流れる中央部の空洞において、プラズマ強度を強くすることにより、消費電力を不必要に増加させることなく効率よく流体を浄化することができる。
なお、流体中に、複数の物質が含まれており、他の物質よりも分解性が良い物質が流体の中央に集まる傾向がある場合等に、中央部の空洞の内部のプラズマ強度を端部の空洞の内部のプラズマ強度よりも弱くすることができれば、消費電力を不必要に増加させることなく、流体を効率的に浄化することができる。この場合のプラズマ発生体の構成を、例えば、図8〜図10に示す。図8〜図10に示されるように、第2空洞36bを構成する誘電体33間の距離が、第1空洞36aおよび第3空洞36cを構成する誘電体33間の距離よりも長い場合には、第2空洞36b内のプラズマ強度を他の空洞内のプラズマ強度よりも小さくすることができる。
なお、プラズマ発生体の中央部の空洞(放電空間)とは、プラズマ発生体が奇数個の放電空間を有する場合には、中央の放電空間であり、プラズマ発生体が偶数個の放電空間を有する場合には、中央の隣接する2つの放電空間である。
言い換えると、プラズマ発生体が奇数個の放電空間を有する場合、すなわち誘電体13が偶数個存在する場合には、中央部の空洞は、誘電体13の配列方向の中央部において隣接する2つの誘電体13の間の空間であり、プラズマ発生体が偶数個の放電空間を有する場合、すなわち誘電体が奇数個存在する場合には、上記配列方向の中央部において隣接する3つの誘電体13によって形成される2つの空間をいう。
例えば、中央部の放電空間におけるプラズマ強度を、他の放電空間内のプラズマ強度よりも大きくする場合、誘電体13の配列方向の中央部における誘電体13間の距離を、上記配列方向の端部における誘電体13間の距離よりも小さくする。
ここで、プラズマ発生体が奇数個存在する場合、すなわち誘電体23が偶数個存在する場合には、誘電体23の配列方向の中央部において隣接する2つの誘電体23の間の距離を上記配列方向の端部における誘電体23の間の距離よりも小さくし、プラズマ発生体が偶数個の放電空間を有する場合、すなわち誘電体が奇数個存在する場合には、上記配列方向の中央部において隣接する3つの誘電体23のうち中央の誘電体23とその中央の誘電体23に隣接する誘電体23との間の距離を、上記配列方向の端部における誘電体23の間の距離よりも小さくする。
なお、誘電体23が奇数個存在する場合には、中央の誘電体23に隣接する誘電体23は2つあるが、これら2つの誘電体23のうち一方の誘電体23と中央の誘電体23との間の距離、および他方の誘電体23と中央の誘電体23との間の距離の少なくとも一方を、上記端部における誘電体23の間の距離よりも小さくすれば、中央部の放電空間内のプラズマ強度を大きくすることができる。すなわち、誘電体の配列方向の中央部における誘電体間の距離、例えば誘電体が奇数個存在する場合には、2つの誘電体23のうち一方の誘電体23と中央の誘電体23との間の距離、および他方の誘電体23と中央の誘電体23との間の距離の少なくとも一方を、上記配列方向の端部における誘電体間の距離よりも小さくすれば、中央部の放電空間内のプラズマ強度を大きくすることができる。ここで、誘電体23の配列方向の端部における誘電体23の間の距離とは、上記配列方向の端部における誘電体23と、その誘電体23に隣接する誘電体23との間の距離である。
なお、中央部の放電空間におけるプラズマ強度を、他の放電空間内のプラズマ強度よりも小さくする場合も、例えば誘電体が奇数個存在する場合には、2つの誘電体33のうち一方の誘電体33と中央の誘電体33との間の距離、および他方の誘電体33と中央の誘電体33との間の距離の少なくとも一方を、上記配列方向の端部における誘電体33間の距離よりも長くすれば、中央部の放電空間内のプラズマ強度を小さくすることができる。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る反応装置100の構造的な構成を示す概念図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、第1の実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る反応装置100の構造的な構成を示す概念図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、第1の実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
反応装置100は、第1の実施形態のプラズマ発生体11を備え、プラズマ発生体11により被処理流体を処理して排出する装置として構成されている。被処理流体は、例えば、自動車の内燃機関の排気ガスであり、空洞16(以下、「放電空間」ともいう。)における化学変化によりNOxが分解される。また、例えば、被処理流体は、冷蔵庫やエアコンに冷却媒体として使用されたフロンであり、放電空間16における化学変化によりフロンが分解される。なお、以下では、反応装置100のうち、プラズマ発生体11以外の部分を、反応装置本体部101ということがある。
反応装置本体部101は、被処理流体を供給する流体源103と、流体源103からプラズマ発生体11に被処理流体を導く供給管105(供給部の一例)と、プラズマ発生体1により処理された被処理流体を排出する排出管107と、被処理流体の流動を制御するための被処理流体用ポンプ109と、冷却媒体を供給する冷媒源111と、冷媒源111からプラズマ発生体1に冷却媒体を導く供給用流動管50A(冷却部の一例)と、プラズマ発生体11から冷媒源111に冷却媒体を導く排出用流動管50Bと、冷却媒体の流動を制御するための冷却媒体用ポンプ113(冷却部の一例)とを備えている。
流体源103は、被処理流体としての排気ガスを排出する自動車の内燃機関等、被処理流体を生成するものである。あるいは、流体源103は、使用済みの冷蔵庫やエアコンの冷却媒体を保持したタンク等、被処理流体を保持するものである。
供給管105は、一端側が、流体源103の被処理流体を生成又は保持する空間に連通し、他端側が、プラズマ発生体11の放電空間16に連通している。供給管105のプラズマ発生体11側は、放電空間16の数に対応して第1分岐部105aA、第2分岐部105aB、第3分岐部105aC(以下、単に「分岐部105a」といい、これらを区別しないことがある。)に分岐し、第1分岐部105aA〜第3分岐部105aCは、それぞれ第1放電空間16a〜第3放電空間16cに連通している。
排出管107は、一端側が、プラズマ発生体11の放電空間16に、供給管105とは反対側から連通し、他端側が、大気に開放され、又は、処理後の被処理流体を保持若しくは処理後の被処理流体に別の処理を施す不図示の空間に連通している。排出管107のプラズマ発生体11側は、放電空間16の数に対応して第1分岐部107aA、第2分岐部107aB、第3分岐部107aC(以下、単に「分岐部107a」といい、これらを区別しないことがある。)に分岐し、第1分岐部107aA〜第3分岐部107aCは、それぞれ第1放電空間16a〜第3放電空間16cに連通している。なお、排出管107は、省略されてもよい。例えば、処理後の被処理流体が放電空間16から大気へ直接的に排出されてもよい。
供給管105及び排出管107は、金属や樹脂などの適宜な材料により形成されている。供給管105及び排出管107は、可撓性を有していてもよいし、有していなくてもよい。分岐部105a及び分岐部107aと、放電空間6との接続は、例えば、分岐部105aや分岐部107aの端部を、基体12における放電空間16の開口を有していない側面に当接させて、接着剤や螺合部材などの適宜な固定部材により分岐部105aや分岐部107aと基体12とを固定することにより行われる。なお、分岐部105aや分岐部107aを放電空間16に嵌合挿入したり、流出用接続管等の突出した環状部分を放電空間16の端部に基体12と一体的に形成し、その突出部分を分岐部105aや分岐部107aに嵌合挿入することにより行われてもよい。
被処理流体用ポンプ109は、供給管105及び排出管107の少なくともいずれかに設けられている。図11では、供給管105に設けられた場合を例示している。なお、流体源103が内燃機関である場合など、流体源103の動力により被処理流体が流動される場合には、被処理流体用ポンプ109は省略されてもよい。また、被処理流体用ポンプ109は、プラズマ発生体11に設けることも可能である。被処理流体用ポンプ109は、ロータリーポンプや往復ポンプ等の適宜なポンプにより構成されてよい。
冷媒源111は、例えば、熱交換器を含んで構成され、排出用流動管50Bからの冷却媒体の温度を熱交換器により降下させて供給用流動管50Aに供給する。なお、冷媒源111は、冷却媒体を供給することができればよく、排出用流動管50Bからの冷却媒体を受け入れて冷却媒体を循環させるものでなくてもよい。すなわち、排出用流動管50Bからの冷却媒体は、冷媒源111とは異なる場所へ排出されてよい。例えば、冷却媒体として水道水が利用されるような場合に、排出用流動管50Bからの水は、冷媒源111としての水源とは異なる場所へ排出されてよい。逆に、冷却媒体が循環される構成である場合には、冷媒源111は省略されてもよい。
供給用流動管50Aは、一端が冷媒源111に連通するとともに、他端が、上述のように、流入用接続管等を介してプラズマ発生体11の空洞16(流路)に連通している。排出用流動管50Bは、一端が、基体12に一体的に設けられた流出用接続管等を介してプラズマ発生体11の空洞16に連通するとともに、他端が冷媒源111に連通している。流動管50は、金属や樹脂などの適宜な材料により形成されている。流動管50は、可撓性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
冷却媒体用ポンプ113は、供給用流動管50A及び排出用流動管50Bの少なくともいずれかに設けられている。図11では、供給用流動管50Aに設けられた場合を例示している。なお、冷媒源111が高位置にあるタンクであり、重力により冷却媒体を流動させることができるなど、適宜に冷却媒体を流動させる動力が得られる場合には、冷却媒体用ポンプ113は省略されてもよい。また、冷却媒体用ポンプ113は、プラズマ発生体1に設けることも可能である。冷却媒体用ポンプ113は、ロータリーポンプや往復ポンプ等の適宜なポンプにより構成されてよい。
図12は、反応装置100の電気系の構成を示すブロック図である。ここでは、例として、基体12の内部に基体12の温度を検出するための温度検出素子115と、基体12を加熱するためのヒータ116とが設けられているものする。また、基体12の表面に導電体15に電圧を印加するための導電体用端子117、温度検出素子115からの電気信号を出力ためのセンサ用端子118、ヒータ116に電力を供給するためのヒータ用端子119がそれぞれ露出しているものとする。
反応装置本体部101は、導電体用端子117、センサ用端子118、ヒータ用端子119に接続される装置側導電体用端子141、装置側センサ用端子143、装置側ヒータ用端子145を備えている。プラズマ発生体11は、これら端子を介して反応装置本体部101から電力が供給されて駆動制御される。具体的には、以下のとおりである。
電源部121は、例えば、バッテリを含んで構成され、バッテリからの直流電力を適宜な電圧の交流電力又は直流電力に変換して供給する。あるいは、商用周波数の交流電力を適宜な電圧の交流電力又は直流電力に変換して供給する。電源部121の電力は、制御部123、放電制御部125、温度検出部127、ヒータ駆動部129、被処理流体用ポンプ109、冷却媒体用ポンプ113に供給される。
放電制御部125は、電源部121から供給される電力を、制御部123からの制御信号に応じた電圧の交流電力に変換し、その変換後の電力を装置側導電体用端子141及び導電体用端子117を介して導電体15に供給する。放電制御部125は、例えば、インバータや変圧器等の電源回路を含んで構成されている。導電体15では、放電制御部125により印加された電圧に応じた量の放電が行われる。
温度検出部127は、例えば、温度検出素子115が温度変化により電気抵抗値が変化する抵抗体により構成されている場合、電源部121から供給される電力を適宜な電圧の直流電力又は交流電力に変換し、その変換した電力を装置側センサ用端子143及びセンサ用端子118を介して温度検出素子115に供給する。そして、温度検出素子115は、温度検出素子115の電気抵抗値を検出し、その検出した電気抵抗値に応じた信号を制御部123に出力する。温度検出素子115は、検出した電気抵抗値に基づいて温度検出素子115の温度を算出し、その算出値に応じた信号を制御部123に出力してもよい。
ヒータ駆動部129は、電源部121から供給される電力を、制御部123からの制御信号に応じた電圧の直流電力又は交流電力に変換し、その変換した電力を装置側ヒータ用導電体145及びヒータ用導電体13を介してヒータ116に供給する。ヒータ駆動部129は、例えば、整流回路や変圧器等の電源回路を含んで構成されている。ヒータ116では、ヒータ駆動部129により印加された電圧に応じた量の発熱が行われる。
被処理流体用ポンプ109及び冷却媒体用ポンプ113はそれぞれ、例えば、特に図示しないが、ポンプの駆動源としてのモータと、当該モータを駆動するモータドライバとを含んで構成されており、モータドライバは、電源部121から供給される電力を、制御部123からの制御信号に応じた電圧の交流電力又は直流電力に変換してモータに印加する。モータは、印加された電圧に応じた回転数で回転し、ひいては、印加された電圧に応じた力が被処理流体や冷却媒体に加えられる。
入力部131は、ユーザの操作を受け付け、ユーザの操作に応じた信号を制御部123に出力する。例えば、入力部131は、反応装置100の駆動開始操作、駆動停止操作、温度設定や流量制御に係る各種のパラメータの設定操作を受け付け、操作に応じた信号を出力する。入力部131は、例えば、各種スイッチを含んだ制御パネルやキーボードにより構成されている。
制御部123は、例えば、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM及び外部記憶装置を備えたコンピュータにより構成されている。制御部123は、温度検出部127や入力部131からの信号に基づいて、放電制御部125、ヒータ駆動部129、被処理流体用ポンプ109及び冷却媒体用ポンプ113に制御信号を出力する。
例えば、制御部123は、入力部131から反応装置100の駆動開始操作に応じた信号が入力された場合には、導電体15への電力の供給を開始するように放電制御部125に制御信号を出力し、入力部131から反応装置100の駆動停止操作に応じた信号が入力された場合には、導電体15への電力の供給を停止するように放電制御部125に制御信号を出力する。
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度が、プラズマ発生体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度として設定された所定の目標温度に達していないと判定した場合は、導電体15へ供給する電力を、通常運転時に供給する電力よりも増加させるように、放電制御部125に制御信号を出力し、プラズマ発生体11が目標温度に到達した場合には、導電体15へ供給する電力を通常運転時に供給する電力に維持するように、放電制御部125に制御信号を出力する。
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度が、プラズマ発生体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度として設定された所定の目標温度に達していないと判定した場合は、ヒータ116へ電力を供給し、又は、ヒータ116へ供給する電力を増加させるように、ヒータ駆動部129に制御信号を出力する。そして、プラズマ発生体11が目標温度に到達した場合には、ヒータ116へ供給する電力を減少させ、又は、ヒータ116への電力の供給を停止するように、ヒータ駆動部129に制御信号を出力する。
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度と、プラズマ発生体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度、あるいは、プラズマ発生体11や反応装置本体部101が安全に運転される温度として設定された所定の目標温度とを比較し、検出された温度が目標温度よりも高い場合には冷却媒体の流速を高く、低い場合には冷却媒体の流速を低くするように、冷却媒体用ポンプ113へ制御信号を出力する。
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度が、プラズマ発生体11が効率的にプラズマを発生させることができる温度として設定された所定の目標温度に達していないと判定した場合は、被処理流体の流速を低く、達したと判定した場合は、被処理流体の流速を高くするように、被処理流体用ポンプ109へ制御信号を出力する。
また、例えば、制御部123は、温度検出部127により検出される温度と、プラズマ発生体11や反応装置本体部101が安全に運転される温度として設定された所定の温度範囲とを比較し、検出された温度が設定された温度範囲を超えた場合には、不図示の表示装置やスピーカ等の報知部に、異常の発生を報知するように制御信号を出力する。
以上の第4の実施形態によれば、反応装置100は、第1の実施形態のプラズマ発生体11と、放電空間16に被処理流体を供給する供給管105と、放電空間16でプラズマ発生を行なって被処理流体を化学変化させた反応流体を排出するための排出管107とを備えているから、第1の実施形態と同様に、プラズマ発生体11の耐久性の向上やプラズマ発生体11の小型化の効果が得られ、ひいては、反応装置100の耐久性の向上や小型化の効果が得られる。
なお、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述においては、自動車、船舶、発電機等に使用されるディーゼルエンジン等の排気ガスの浄化について説明を行っているが、その他の用途に使用されるプラズマ発生体およびその反応装置に適用しても良い。例えば、消臭、ダイオキシン分解、花粉分解等に使用される空気洗浄機器やプラズマエッチング、薄膜装置等に搭載されるプラズマ発生体および反応装置等に適用することができる。また、プラズマ反応により空洞内を通過する流体を反応または分解させるためのプラズマ発生体およびその反応装置に適用することが可能である。
11 :プラズマ発生体
12 :基体
13 :誘電体
14 :支持部
15 :導電体
16 :空洞
17 :外部端子
12 :基体
13 :誘電体
14 :支持部
15 :導電体
16 :空洞
17 :外部端子
Claims (7)
- 一方向に配列された複数の誘電体と、該各誘電体の内部に配設された導電体とを有し、前記導電体間に電圧を印加することにより前記誘電体間にプラズマを発生可能なプラズマ発生体であって、
前記誘電体は、3つ以上であり、前記導電体は、所定の間隔で配置されており、
互いに隣接する少なくとも1組の誘電体対における誘電体間の距離が、他の組の誘電体対における誘電体間の距離と異なることを特徴とするプラズマ発生体。 - 前記誘電体は、4つ以上であり、
前記誘電体の配列方向の一方の端部における前記誘電体間の距離は、他方の端部における前記誘電体間の距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生体。 - 前記誘電体間の距離は、前記誘電体の配列方向において、前記一方の端部から前記他方の端部に向かうにつれて漸次短くなることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生体。
- 前記誘電体は、4つ以上であり、
前記誘電体の配列方向の中央部における前記誘電体間の距離は、端部における前記誘電体間の距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生体。 - 前記誘電体間の距離は、前記誘電体の配列方向において、端部から中央部に向かうにつれて漸次短くなることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ発生体。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載のプラズマ発生体を製造するための製造方法であって、前記誘電体および該誘電体の内部に配設された前記導電体を複数のセラミックグリーンシートと該セラミックグリーンシートの間には配設された導電ペーストを同時に焼成することにより形成するプラズマ発生体の製造方法。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載のプラズマ発生体と、
前記プラズマ発生体の前記導電体間に交流電圧、若しくはパルス電圧を印加するための電源と、
前記誘電体間に流体を供給可能な供給部と
を備えた反応装置。
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US10115565B2 (en) | 2012-03-02 | 2018-10-30 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Plasma processing apparatus and plasma processing method |
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- 2008-03-26 JP JP2008081169A patent/JP2009238485A/ja active Pending
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