JP2009236675A - 電磁特性測定装置及び電磁特性測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】姿勢の自己保持が困難な試料の電磁特性を測定することが可能な電磁特性測定装置及び電磁特性測定方法を提供する。
【解決手段】試料210の測定では、導波管110の軸方向に試料を挟み込む2つの支持部材を用いる。2つの支持部材310,320によって試料210を挟み込むと、試料210の外周面211は、導波管110の内壁と正しく接し、且つ、平面213,214は導波管110の軸方向に対して正しく垂直に保持される。これにより、図示しない治具を用いて、支持部材310,320に挟み込まれた試料210を導波管110の所望の位置に移動させれば、試料210はその位置に留まり、測定器120を用いてSパラメータを正しく測定することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】試料210の測定では、導波管110の軸方向に試料を挟み込む2つの支持部材を用いる。2つの支持部材310,320によって試料210を挟み込むと、試料210の外周面211は、導波管110の内壁と正しく接し、且つ、平面213,214は導波管110の軸方向に対して正しく垂直に保持される。これにより、図示しない治具を用いて、支持部材310,320に挟み込まれた試料210を導波管110の所望の位置に移動させれば、試料210はその位置に留まり、測定器120を用いてSパラメータを正しく測定することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は電磁特性測定装置及び電磁特性測定方法に関し、特に、シート状の試料のように、姿勢の自己保持が困難な試料の電磁特性を測定する装置及び方法に関する。
近年、各種電子機器には高速動作や低消費電力化が強く求められており、これを実現すべく、動作周波数の向上や動作電圧の低減などが進められている。しかしながら、動作周波数の向上や動作電圧の低減が進むと、ノイズによる誤動作が発生しやすくなるばかりでなく、自らがノイズの発生源となって他の電子機器を誤動作させてしまうおそれが生じる。このため近年においては、ノイズ耐性を高めるとともに、自らがノイズの発生源とならないよう、いわゆるEMC(Electromagnetic Compatibility)特性が非常に重要視されている。
EMC特性を向上させるためには、フィルタなどを用いることによって電子回路自体のEMC特性を高めることが最も重要であるが、これに加え、電波吸収材やノイズ抑制シートなどを用いることによってノイズを遮蔽することも重要である。電波吸収材やノイズ抑制シートを用いる場合、その材料となる機能性材料の電磁特性(透磁率や誘電率)をある程度正確に把握することが必要である。
機能性材料の電磁特性を測定する方法としては、いわゆるSパラメータ法が知られている。Sパラメータ法とは、試料のSパラメータを測定し、測定されたSパラメータから透磁率や誘電率を算出する方法である。Sパラメータ法による測定には導波管が用いられ、試料を導波管の所定の位置に正しくセットした状態で測定が行われる(特許文献1〜4参照)。
特開平5−157784号公報
特開2005−62152号公報
特開2006−220646号公報
特開2007−127606号公報
しかしながら、測定対象となる試料がバルク状ではなく、薄いシート状であったり、圧延形成のため最初から反った状態であったりすると、姿勢の自己保持ができないため、導波管の内部に正しく配置することができない。このため、この種の試料に対しては正しく測定を行うことができないという問題があった。
したがって、本発明は、姿勢の自己保持が困難な試料の電磁特性を測定することが可能な電磁特性測定装置及び電磁特性測定方法を提供することを目的とする。
本発明による電磁特性測定装置は、試料が挿入される導波管と、導波管内において試料を支持する支持手段と、導波管に挿入された試料及び支持手段の合成Sパラメータを測定する測定器と、合成Sパラメータ及び支持手段の電磁特性に基づいて、試料の電磁特性を計算する計算機とを備え、試料は、導波管の内壁と接する外周面と、外周面に対して垂直な第1及び第2の平面とを有し、支持部材は、導波管の内壁を摺動する外周部と、試料の第1及び第2の平面の少なくとも一方と接する支持部とを含むことを特徴とする。
また、本発明による電磁特性測定方法は、導波管に挿入された試料及び支持手段の合成Sパラメータを測定するステップと、合成Sパラメータ及び支持手段の電磁特性に基づいて試料の電磁特性を計算するステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、導波管内の試料が支持手段によって支持されることから、姿勢の自己保持が困難な試料であっても、電磁特性を正しく測定することが可能になる。特に、導波管の内部における支持部材のガタつきなどが防止されるとともに、導波管内において試料を確実に支持することが可能となる。この場合、得られるSパラメータは、試料及び支持手段の合成Sパラメータとなるが、支持手段の電磁特性をあらかじめ測定しておくことにより、合成Sパラメータと支持手段の電磁特性に基づいて、試料の電磁特性を算出することが可能となる。
支持手段の電磁特性は、導波管に前記試料を挿入することなく支持手段を挿入するステップと、導波管に挿入された支持手段のSパラメータを測定するステップと、Sパラメータに基づいて支持手段の電磁特性を計算するステップとによって得ることが可能である。
尚、本発明において「導波管」とは、円形導波管、方形導波管、同軸型導波管(同軸管)などを含む概念であり、特定の形状に限定されるものではない。また、本発明における導波管は、両端が開放された筒状体であることは必須でなく、一端が閉じられた筒状体であっても構わない。
本発明において、支持手段には、外周部に囲まれた領域の少なくとも一部に空洞が設けられていることが好ましい。これによれば、摺動に必要な外周部の面積を確保しつつ、支持部材の体積を低減させることができる。このため、支持部材が合成Sパラメータに与える影響が減少し、より精度の高い測定を行うことが可能となる。
本発明において、支持手段は、導波管の軸方向に試料を挟み込む第1及び第2の支持部材を含み、第1及び第2の支持部材は、試料の第1及び第2の平面とそれぞれ接することが好ましい。これによれば、両側から挟み込むように試料が支持されることから、導波管の内部における試料の姿勢をより確実に保持することが可能となる。
本発明において、支持手段の比誘電率及び比透磁率は、試料の比誘電率及び比透磁率よりも低いことが好ましい。これによれば、支持部材が合成Sパラメータに与える影響が小さくなることから、より精度の高い測定を行うことが可能となる。
本発明による電磁特性測定装置は、支持手段を導波管の所定の位置に保持するストッパーをさらに備えることが好ましい。これによれば、ストッパーによって支持手段が導波管の所定の位置に保持されることから、試料や支持手段のズレを防止することが可能となり、より正確な測定を行うことが可能となる。
本発明において、支持手段は導波管の内壁を摺動し、摩擦によって導波管の所望の位置に固定可能な弾性体によって構成されていることもまた好ましい。これによれば、ストッパーを用いることなく、支持手段が導波管の所定の位置に保持されることから、試料や支持手段のズレが防止され、より正確な測定を行うことが可能となる。
このように、本発明によれば、薄いシート状の試料など、姿勢の自己保持が困難な試料であっても、電磁特性を正しく測定することが可能なる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による電磁特性測定装置を示す全体図である。
図1に示すように、本実施形態による電磁特性測定装置100は、測定対象となる試料が挿入される導波管110と、導波管110に挿入された試料のSパラメータを測定するネットワークアナライザ等の測定器120と、測定されたSパラメータに基づいて試料の電磁特性を計算するパーソナルコンピュータ等の計算機130によって構成されている。導波管110の一端はケーブル140aを介して測定器120の信号入出力端子120aに接続されており、他端はケーブル140bを介して測定器120の信号入出力端子120bに接続されている。
測定器120を用いたSパラメータの測定では、2端子対回路網の一方の端子対を構成する信号入出力端子120aから正弦高周波信号を入力したとき、当該信号入出力端子120a側で観測される反射電力、およびもう片方の端子対を構成する信号入出力端子120b側で観測される通過電力の周波数特性を測定する。通過・反射電力特性はSパラメータとして測定され、測定結果はスミスチャートや周波数グラフとして出力される。
図2は、導波管110の主要部の構造を示す図であり、(a)は切り欠き斜視図、(b)は軸方向に切断した場合の略断面図、(c)は(b)のA−A線に沿った断面図である。
図2に示すように、本実施形態にて使用する導波管110は同軸型導波管(同軸管)であり、筒状の外部導体111と、外部導体111と同軸に配置された内部導体112によって構成されている。外部導体111にはグランド電位などの基準電位が与えられ、内部導体112には高周波信号が与えられる。外部導体111と内部導体112との間に形成される断面がドーナツ状の空間113には、試料が挿入される。したがって、試料は空間113の形状に合わせてドーナツ状に加工される。
図3は、導波管110の内部に種々の試料を挿入した状態を示す略断面図であり、(a)はバルク状の試料を挿入した状態、(b)は薄いシート状の試料を挿入した状態、(c)は圧延形成されたシート状の試料を挿入した状態を示している。図3(a)〜(c)に示す試料210は、いずれも導波管110の内壁(外部導体111)と接する外周面211と、導波管110の内部導体112と接する内周面212と、外周面211及び内周面212に対して垂直な平面213,214とを有している。
図3(a)に示すように、試料210がバルク状である場合、それ自体で姿勢を保持可能であることから、導波管110の内部に挿入すると、外周面211が外部導体111と正しく接し、且つ、内周面212が内部導体112と正しく接することになる。この場合、試料210の平面213,214は、導波管110の軸方向に対して正しく垂直となる。このため、図示しない治具を用いて試料210を導波管110の所望の位置に移動させれば、試料210はその位置に留まり、測定器120を用いてSパラメータを正しく測定することが可能となる。
これに対し、図3(b)に示すように、試料210が薄いシート状である場合、姿勢を自己保持することができないため、導波管110の内部に挿入すると、導波管110の内部で折れ曲がってしまう。このため、外周面211の一部が外部導体111から分離するとともに、平面213,214の向きが定まらなくなる。
同様に、図3(c)に示すように、試料210が圧延形成されたシート状である場合、始めから平面213,214が反った状態となっているため、当然ながら、導波管110の内部で折れ曲がってしまう。このため、図3(b)に示した例と同様、外周面211の一部が外部導体111から分離するとともに、平面213,214の向きが定まらなくなる。
このような問題を解決すべく、本実施形態においては、導波管110の軸方向に試料を挟み込む2つの支持部材を用いる。
図4は、2つの支持部材310,320によって試料を挟み込んだ状態を示す略断面図である。
図4に示すように、支持部材310は、導波管110の内壁である外部導体111を摺動する外周部311と、試料210の平面213と接する支持部312とを有している。同様に、支持部材320は、導波管110の内壁である外部導体111を摺動する外周部321と、試料210の平面214と接する支持部322とを有している。
かかる構成により、2つの支持部材310,320によって試料210を挟み込むと、試料210の外周面211及び内周面212は、導波管110の内壁と正しく接し、且つ、平面213,214は導波管110の軸方向に対して正しく垂直に保持される。これにより、図示しない治具を用いて、支持部材310,320に挟み込まれた試料210を導波管110の所望の位置に移動させれば、試料210はその位置に留まり、測定器120を用いてSパラメータを正しく測定することが可能となる。
試料210の電磁特性の算出を容易にするためには、支持部材310,320の材料は同一であることが好ましい。支持部材310,320の材料については特に限定されないが、比誘電率及び比透磁率が試料210の比誘電率及び比透磁率よりも低い材料を選択することが好ましい。試料210の比誘電率及び比透磁率は、測定の対象であるため未知であるが、おおよその値は十分予想可能である。したがって、比誘電率及び比透磁率が試料210の予想される比誘電率及び比透磁率よりも低い材料を選択すればよい。
具体的な材料としては、シリコンゴム、発泡スチロール、ポリテトラフロロエチレン、アルミナなどを挙げることができる。これらの材料はいずれも比誘電率及び誘電損失が低く、且つ、非磁性であるからである。なかでも、発泡スチロールは容積の大部分が空気であることから、空気に近い値を得ることができる。また、摩擦係数も比較的大きいことから、導波管110内の所望の位置に正しく停止させることも容易である。
また、シリコンゴムなどの弾性体を選択した場合には、その弾性力により、導波管110内の所望の位置に確実に停止させることが可能である。
一方、ポリテトラフロロエチレン、アルミナなどの材料を選択した場合は、導波管110内の所望の位置に正しく停止させるためのストッパーを用いることが好適である。
図5は、ストッパーを備える導波管の構造の一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は軸方向における断面図、(c)は径方向における断面図を示している。
図5に示すように、導波管110の外部導体111には2つのスリット111a,111bが設けられている。スリット111a,111bは、それぞれ支持部材310,320の端部を露出させる位置に形成されている。支持部材310,320の露出した端部には、それぞれストッパー410,420が押し当てられ、支持部材310,320は、試料210を挟み込む方向に押しつけられる。これにより、支持部材310,320は導波管110の所望の位置に正しく保持され、ポリテトラフロロエチレン、アルミナなどの材料を選択した場合であっても、その位置がずれることがなくなる。
尚、導波管110の外部導体111にスリット111a,111bを設けると、この部分において電流経路が妨げられることから、測定誤差の原因となる。このような影響を軽減するためには、例えば、図6に示すように、スリット111a,111bによって分断された電流経路を回復させる導電部材500をスリット内又はスリット上に配置することが好ましい。このような導電部材500を用いて電流経路を回復させれば、測定誤差を低減することが可能となる。
さらに、ストッパー410,420の材料として銀、銅、アルミニウム、真鍮などの導電率の高い金属を用いた場合には、それ自身がスリット111a,111bによって妨げられた電流経路を回復させることができる。よって、ストッパー410,420単体、或いはストッパー410,420と導電部材500とを組み合わせて、測定誤差のさらなる低減を図ることができる。
また、図7に示すように、一方の支持部材310を導波管110の内部にあらかじめ固定しておけば、ストッパーを用いた固定は支持部材320だけとなる。この場合には、ストッパーを挿入するためのスリット111bが1個だけで済むことから、測定誤差を低減することが可能となる。この場合も、図6に示した導電部材500を用いて電流経路を回復させれば、測定誤差をよりいっそう低減することが可能となる。
図8は、支持部材310,320の形状の変形例を示す略断面図である。
図8に示すように、支持部材330,340の立体形状は略カップ形状(断面は略コの字状)を有している。そして、カップの開口が外側を向き、カップの底面が試料210の平面と密着するように挿入されている。支持部材330は、導波管110の内壁である外部導体111を摺動する外周部331と、試料210の平面213と接する支持部332とを有しており、外周部331に囲まれた領域の一部に空洞333が設けられている。また、支持部材340は、導波管110の内壁である外部導体111を摺動する外周部341と、試料210の平面214と接する支持部342とを有しており、外周部341に囲まれた領域の一部に空洞343が設けられている。したがって、図4に示した支持部材310,320と同様の機能を有するだけでなく、開口による空洞部分があることにより支持部材の誘電率や透磁率を空気の誘電率や透磁率に近づけることができ、このため、支持部材が合成Sパラメータの測定に与える影響を少なくすることができ、より精度の高い測定を行うことが可能となる。
次に、本実施形態による電磁特性測定装置100を用いた電磁特性測定方法について説明する。
図9は、電磁特性測定方法を説明するためのフローチャートである。
まず、試料210の電磁特性を測定する前に、支持部材310,320の電磁特性μ2,ε2を測定する(ステップS11〜S13)。但し、本発明において支持部材310,320の電磁特性を測定することは必須でなく、これらの値が既知であれば省略することが可能である。但し、より正確な測定を行うためには、支持部材310,320の電磁特性が既知であっても、下記の手順に沿ってこれらの電磁特性を測定することが望ましい。
支持部材310,320の電磁特性μ2,ε2を測定するためには、まず、導波管110に試料210を挿入することなく、支持部材310,320のみを挿入する(ステップS11)。図10は導波管110内に支持部材310,320のみが挿入された状態を示しており、この状態で図1に示した測定器120を用いてSパラメータを測定する(ステップS12)。このとき、支持部材310,320は一体の部材として見なせるよう互いに密着状態で挿入されることが必要である。測定器120によって得られるSパラメータは、反射率(=反射波/入射波)を表すSパラメータS11と、透過率(=透過波/入射波)を表すSパラメータS21である。
ここで、SパラメータS11は式(1)で表され、SパラメータS21は式(2)で表される。
式(1),(2)において、L2は支持部材310,320全体の軸方向の長さである。また、R12,R21,T12,T21,γ2は、それぞれ式(3)〜(7)で表される。なお、μ0は空気の比透磁率、ε0は空気の比誘電率、cは光速、fは周波数である。
よって、支持部材310,320の電磁特性μ2,ε2を求める場合には、式(1),(2)にR12,R21,T12,T21,γ2を代入すると共に、測定器120を用いて測定したSパラメータS11,S21を式(1),(2)に代入することによって求めることができる(ステップS13)。
次に、試料210の電磁特性μ1,ε1を測定する(ステップS14〜S17)。試料210の電磁特性μ1,ε1を測定するためには、まず、支持部材310,320によって支持された試料210を用意し、導波管110に試料210及び支持部材310,320を挿入し(ステップS14)、導波管110内の試料210の位置を支持部材310,320と共に調整する(ステップS15)。図11は導波管110内に試料210が支持部材310,320と共に挿入された状態を示しており、この状態にて図1に示した測定器120を用いて合成Sパラメータを測定する(ステップS16)。測定器120によって得られる合成Sパラメータは、反射率(=反射波/入射波)を表すSパラメータS11と、透過率(=透過波/入射波)を表すSパラメータS21である。
ここで、SパラメータS11は式(8)で表され、SパラメータS21は式(9)で表される。
式(8),(9)において、L1は試料210の軸方向の長さである。また、R12,R21,T12,T21,γ1は、それぞれ式(10)〜(14)で表される。
よって、試料210の電磁特性μ1,ε1を求める場合には、式(10)〜(14)に支持部材310,320の磁性特性μ2,ε2を代入し、次いで式(8),(9)にR12,R21,T12,T21,γ1を代入し、さらに測定器120を用いて測定した合成SパラメータS11,S21を代入することによって求めることができる(ステップS17)。
以上説明したように、本実施形態によれば、導波管110内の試料210が支持部材310,320によって支持されることから、姿勢の自己保持が困難な形状を有する試料であっても、電磁特性を正しく測定することが可能なる。この場合、得られるSパラメータは、試料及び支持部材310,320の合成Sパラメータとなるが、支持部材310,320の電磁特性をあらかじめ測定しておくことにより、合成Sパラメータと支持部材310,320の電磁特性に基づいて、試料の電磁特性を算出することが可能となる。
なお、Sパラメータから支持体や試料の電磁特性を求める際、前述の数式を用いる以外にも、電磁界シミュレータを用いることもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、導波管として同軸管を用いているが、方形導波管や円形導波管を用いることも可能である。円形導波管、方形導波管、同軸型導波管(同軸管)等を用いても良く、特定の形状に限定されるものではない。また、本発明における導波管は、両端が開放された筒状体であることは必須でなく、一端が閉じられた筒状体であっても構わない。
また、上記実施形態においては、測定器120の一方の入出力端子120aより正弦高調波を入力しているが、他方の入出力端子120bより正弦高調波を入力してもよい。
また、上記実施形態においては、試料210のない状態で支持部材310,320のみを挿入して電磁特性を測定し、その後、試料210を支持部材310,320で挟み込んだ状態で挿入して電磁特性を測定しているが、本発明において測定順序は特に限定されない。したがって、試料210を支持部材310,320で挟み込んだ状態で挿入して電磁特性を測定した後、試料210のない状態で支持部材310,320のみを挿入して電磁特性を測定してもよい。
100 電磁特性測定装置
110 導波管
111a,111b スリット
111 外部導体
112 内部導体
113 導波管の内部空間
120 測定器(ネットワークアナライザ)
120a 測定器の信号入出力端子
120b 測定器の信号入出力端子
130 計算機(パーソナルコンピュータ)
140a,140b ケーブル
210 試料
211 試料の外周面
212 試料の内周面
213,214 試料の平面
310 支持部材
311 支持部材の外周部
312 支持部材の支持部
320 支持部材
321 支持部材の外周部
322 支持部材の支持部
330 支持部材
331 支持部材の外周部
332 支持部材の支持部
333 空洞
340 支持部材
341 支持部材の外周部
342 支持部材の支持部
343 空洞
410,420 ストッパー
500 導電部材
110 導波管
111a,111b スリット
111 外部導体
112 内部導体
113 導波管の内部空間
120 測定器(ネットワークアナライザ)
120a 測定器の信号入出力端子
120b 測定器の信号入出力端子
130 計算機(パーソナルコンピュータ)
140a,140b ケーブル
210 試料
211 試料の外周面
212 試料の内周面
213,214 試料の平面
310 支持部材
311 支持部材の外周部
312 支持部材の支持部
320 支持部材
321 支持部材の外周部
322 支持部材の支持部
330 支持部材
331 支持部材の外周部
332 支持部材の支持部
333 空洞
340 支持部材
341 支持部材の外周部
342 支持部材の支持部
343 空洞
410,420 ストッパー
500 導電部材
Claims (8)
- 試料が挿入される導波管と、
前記導波管内において前記試料を支持する支持手段と、
前記導波管に挿入された前記試料及び前記支持手段の合成Sパラメータを測定する測定器と、
前記合成Sパラメータ及び前記支持手段の電磁特性に基づいて、前記試料の電磁特性を計算する計算機とを備え、
前記試料は、前記導波管の内壁と接する外周面と、前記外周面に対して垂直な第1及び第2の平面とを有し、
前記支持部材は、前記導波管の内壁を摺動する外周部と、前記試料の前記第1及び第2の平面の少なくとも一方と接する支持部とを含むことを特徴とする電磁特性測定装置。 - 前記支持手段には、前記外周部に囲まれた領域の少なくとも一部に空洞が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁特性測定装置。
- 前記支持手段は、前記導波管の軸方向に前記試料を挟み込む第1及び第2の支持部材を含み、
前記第1及び第2の支持部材は、前記試料の前記第1及び第2の平面とそれぞれ接することを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁特性測定装置。 - 前記支持手段の比誘電率及び比透磁率は、前記試料の比誘電率及び比透磁率よりも低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁特性測定装置。
- 前記支持手段を前記導波管の所定の位置に保持するストッパーをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁特性測定装置。
- 前記支持手段は、前記導波管の内壁を摺動し、摩擦によって前記導波管の所望の位置に固定可能な弾性体によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電磁特性測定装置。
- 導波管に試料及び支持手段を挿入するステップと、
前記導波管に挿入された前記試料及び前記支持手段の合成Sパラメータを測定するステップと、
前記合成Sパラメータ及び前記支持手段の電磁特性に基づいて前記試料の電磁特性を計算するステップとを備えることを特徴とする電磁特性測定方法。 - 前記導波管に前記試料を挿入することなく前記支持手段を挿入するステップと、
前記導波管に挿入された前記支持手段のSパラメータを測定するステップと、
前記Sパラメータに基づいて前記支持手段の電磁特性を計算するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の電磁特性測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008083002A JP2009236675A (ja) | 2008-03-27 | 2008-03-27 | 電磁特性測定装置及び電磁特性測定方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2015133266A1 (ja) * | 2014-03-04 | 2017-04-06 | 株式会社村田製作所 | 電気回路網のsパラメータ導出方法 |
-
2008
- 2008-03-27 JP JP2008083002A patent/JP2009236675A/ja not_active Withdrawn
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