JP2009236401A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気調和機等の冷凍装置の熱交換器伝熱管など、高圧の冷媒が流通する冷媒管は、使用によって管壁部分に微細なクラックやピンホールが発生することがあり、冷媒漏れの恐れが生じ。これを人為的な特別な修理加工を施すことなく防止できるようにする。
【解決手段】高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した冷凍装置において、冷媒又は潤滑油中に少なくとも高分子樹脂合成用モノマーを添加しておくことにより、ピンホールやクラック等の微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した冷凍装置において、冷媒又は潤滑油中に少なくとも高分子樹脂合成用モノマーを添加しておくことにより、ピンホールやクラック等の微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにした。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、冷媒の漏洩防止手段を具備した冷凍装置の構成に関するものである。
空調機等の冷凍装置では、冷媒が徐々に漏れて、空調機が作動しないということも想定される。このような場合の対応の仕方としては、漏れている場所が確認できた場合は、機外からロウ付けや溶接により補修を行う。しかし、漏れ箇所を特定することが難しいケースも考えられ、このようなケースでは漏れ箇所の修理は断念し、冷媒を多めに充填し漏れが生じた状態で空調機を運転し、繰り返し冷媒を補充するということも考えなければならない。
もちろん漏れの発生しているパーツ(熱交換器)が特定できれば、例えば同パーツのみ新品に交換することも考えられる。
しかし、前者の場合、再度の冷媒の補充が必要なだけでなく、冷媒を放出するという点で好ましくない。また後者の場合、ユーザーに新たな出費を負担させることになり、経済的ではない。
さらに、ヨーロッパなどでは、冷媒の大気中への漏れを防止するために、空調機に冷媒漏洩検知機器の取り付けを義務化することが始まっている。それに伴い、冷媒の漏洩を検出した場合の有効な漏れ防止対策が求められている。
実験的に、冷媒漏れが生じている熱交換器の伝熱管等冷媒管1の管壁部1aの構造を調べてみると、その漏れ箇所は、例えば図5に示すような非常に微小な数十μmのクラック(亀裂)CLか、またはピンホール(孔)PHである場合が多い冷媒の漏れ箇所が微小なクラックCLやピンホールPH(3次元方向の)があり、空調機内部には高圧冷媒と圧縮機用の潤滑油が多量に存在する場合、同微小なクラックやピンホールを経由して冷媒が放出される。
このような冷媒の漏洩防止手段を採用したものとして、例えば蒸発器伝熱管の管壁に生じたピンホールを冷媒中の所望の微粒子(黒煙粒子、テフロン粒子)で充填することによりシールするようにしたものがある(特許文献1参照)。
このように冷媒中に所定の大きさの固体微粒子を微量添加し分散させておくと、それによりピンホールの微小な隙間を潤滑油とともに冷媒圧で吹き出る際に、同固体微粒子がピンホール部に充填され、徐々にホールを塞いで冷媒の漏れを停止することができる。
しかし、同特許文献のものは、上記ピンホール部に集積された相互に化学反応しない微粒子を上記ピンホール部に作用する冷媒圧(管内圧)によって膠着一体化することによってシールするだけものにすぎず、冷媒圧(管内圧)の変動(低下)や振動によって、膠着状態も変化し、シール状態が悪化する問題がある。
また、生じたピンホールが、例えば図6に示すように3次元方向に形成されている場合やクラックの径が大きい場合や小さい場合に対して、適切に対応することができず、信頼性に欠ける。
本願発明は、そのような課題を解決するためになされたもので、上述のような冷凍装置において、冷媒又は潤滑油中に少なくとも高分子樹脂合成用モノマーを添加しておき、ピンホールやクラック等の微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層によりピンホールやクラック等の微小な隙間を確実に塞ぐ冷媒漏れ防止手段を備えた冷凍装置を提供することを目的とするものである。
本願発明は、上記の従来の問題を確実に解決し、その目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明
この発明は、高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した冷凍装置であって、冷媒又は潤滑油中に高分子樹脂合成用モノマーを添加しておくことにより、ピンホールやクラック等の微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにしたことを特徴とするものである。
この発明は、高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した冷凍装置であって、冷媒又は潤滑油中に高分子樹脂合成用モノマーを添加しておくことにより、ピンホールやクラック等の微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにしたことを特徴とするものである。
このように、冷凍装置の冷凍回路中の冷媒又は潤滑油中に高分子樹脂を合成する合成用モノマーを添加しておくようにすると、前述したピンホールやクラック等の微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応(例えば酸化重合/水分重合など)して高分子樹脂層を形成する。
そして、この高分子樹脂層が、上記ピンホールやクラック等の微小な隙間を確実に塞ぐようになる。その結果、従来のような冷媒の機外への漏出の恐れを確実に解消することができる。
しかも、このような構成によれば、従来例のようなピンホール部に集積された相互に化学反応しない黒鉛、テフロン等の微粒子を、当該ピンホール部に作用する冷媒圧(管内圧)のみによって充填するもののように、冷媒圧(管内圧)の変動(低下)や振動によって充填状態が変化し、シール性能が低下する問題も生じない。
また、ピンホールの発生が3次元方向のものであっても、またクラックの径に大小があっても、比較的自由に対応することができる。
(2) 請求項2の発明
この発明は、高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した空調機であって、冷媒又は潤滑油中に固体微粒子と高分子樹脂合成用モノマーを同時に添加しておくことにより、上記固体微粒子の集積作用により速やかにピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐとともに、同ピンホールやクラック等の微小な隙間を上記高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層と固体微粒子によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにしたことを特徴とするものである。
この発明は、高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した空調機であって、冷媒又は潤滑油中に固体微粒子と高分子樹脂合成用モノマーを同時に添加しておくことにより、上記固体微粒子の集積作用により速やかにピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐとともに、同ピンホールやクラック等の微小な隙間を上記高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層と固体微粒子によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにしたことを特徴とするものである。
このように、冷凍装置の冷凍回路中の冷媒又は潤滑油中に固体微粒子と高分子樹脂合成用モノマーを同時に添加しておくようにすると、先ず上記固体微粒子の集積作用により速やかにピンホールやクラック等の微小な隙間を塞いで冷媒の漏出を止め、その上で、さらに、同ピンホールやクラック等の微小な隙間を高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて最終的に高分子樹脂層を形成する。そして、それによって同高分子樹脂層が充填されている固体微粒子とともに、より確実にピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようになる。
その結果、従来のような冷媒の機外への漏出の恐れを確実に解消する。
しかも、このような構成によれば、従来例のようなピンホール部に集積された相互に化学反応しない黒鉛、テフロン等の微粒子を、当該ピンホール部に作用する冷媒圧(管内圧)によって充填してシールするものように、冷媒圧(管内圧)の変動(低下)や振動によって充填状態が変化し、シール性能が低下する問題も生じない。
また、ピンホールの発生が3次元方向のものであっても、クラックの径に大小があっても、比較的自由に対応することができる。
特に固体微粒子が径の大きなピンホールやクラックに対して、有効に対応することができる。
(3) 請求項3の発明
この発明は、上記請求項1又は2の発明の構成において、重合反応が酸化重合反応であることを特徴とするもである。
この発明は、上記請求項1又は2の発明の構成において、重合反応が酸化重合反応であることを特徴とするもである。
このように、上記各構成において、上述のように高分子樹脂層を合成するに際し、大気中の酸素分子が触媒となる酸化重合反応を採用すると、上記ピンホールやクラック等を介して高分子樹脂合成用モノマーが外気と接触した時に重合反応が生じて、適切にシール用の合成樹脂層が形成され、ピンホールやクラック部のシールが実現される。
(4) 請求項4の発明
この発明は、上記請求項1又は2の発明の構成において、重合反応が水分重合反応であることを特徴とするもである。
この発明は、上記請求項1又は2の発明の構成において、重合反応が水分重合反応であることを特徴とするもである。
このように、上記各構成において、上述のように高分子樹脂層を合成するに際し、大気中の水分子が触媒となる水分重合反応を採用すると、上記ピンホールやクラック等を介して高分子樹脂合成用モノマーが外部の水分と接触した時に重合反応が生じて、適切にシール用の合成樹脂層が形成され、ピンホールやクラック部のシールが実現される。
(5) 請求項5の発明
この発明は、上記請求項2,3又は4の発明の構成において、固体微粒子が、冷媒や潤滑油と反応することのない有機物または無機物であることを特徴とするものである。
この発明は、上記請求項2,3又は4の発明の構成において、固体微粒子が、冷媒や潤滑油と反応することのない有機物または無機物であることを特徴とするものである。
このような構成によれば、冷媒や潤滑油に対して、その機能を阻害することなく、固体微粒子を使用することができる。
(6) 請求項6の発明
この発明は、上記請求項2,3,4又は5の発明の構成において、固体微粒子が、高分子樹脂合成用モノマーと重合反応する樹脂材料よりなることを特徴とするものである。
この発明は、上記請求項2,3,4又は5の発明の構成において、固体微粒子が、高分子樹脂合成用モノマーと重合反応する樹脂材料よりなることを特徴とするものである。
このような構成によると、最終的な高分子樹脂形成作用が効率良く促進され、より速やかなシール作用が実現される。
(7) 請求項7の発明
この発明は、上記請求項2,3,4,5又は6の発明の構成において、固体微粒子の粒径が0.01μm〜100μmの範囲であることを特徴とするものである。
この発明は、上記請求項2,3,4,5又は6の発明の構成において、固体微粒子の粒径が0.01μm〜100μmの範囲であることを特徴とするものである。
このように、固体微粒子の粒径は0.01μm〜100μmの範囲が最適である。
粒径が0.01μm未満では、効果的に隙間や孔を塞ぐことはできない。また、粒径が100μmを超えると、圧縮機の回転を阻害し、消費電力が上昇する。
(8) 請求項8の発明
この発明は、上記請求項1,2,3,4,5,6又は7の発明の構成において、高分子樹脂合成用モノマーを潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの比率で分散させたことを特徴とするものである。
この発明は、上記請求項1,2,3,4,5,6又は7の発明の構成において、高分子樹脂合成用モノマーを潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの比率で分散させたことを特徴とするものである。
このように、上記固体微粒子は、潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの比率で分散させるのが好ましい。
10ppm未満では、効果的に隙間や孔を塞ぐことはできない。また、10000ppmを超えると、圧縮機の回転を阻害し、消費電力が上昇する。
(9) 請求項9の発明
この発明は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7又は8の発明の構成において、固体微粒子を潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの比率で分散させたことを特徴とするものである。
この発明は、上記請求項1,2,3,4,5,6,7又は8の発明の構成において、固体微粒子を潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの比率で分散させたことを特徴とするものである。
このように、上記固体微粒子は、機内潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの範囲で分散させるのが好ましい。
10ppm未満では、効果的に隙間や孔を塞ぐことはできない。また、10000ppmを超えると、圧縮機の回転を阻害し、消費電力が上昇する。
以上のように、本願発明によると、従来例に比較して、長期に亘り、より確実で安定したシールを可能とすることができ、冷凍装置の冷媒漏れ防止性能に対する信頼性が高くなる。
(最良の実施の形態1)
先ず図1は、本願発明の最良の実施の形態1に係る空気調和機等冷凍装置の熱交換器用伝熱管等高圧の冷媒が流れる円筒状の冷媒管の要部(管壁部分)の構成を示している。
先ず図1は、本願発明の最良の実施の形態1に係る空気調和機等冷凍装置の熱交換器用伝熱管等高圧の冷媒が流れる円筒状の冷媒管の要部(管壁部分)の構成を示している。
図中、符号1が同冷媒管、1aが同冷媒管1の所定の厚さの管壁であり、同冷媒管1は、例えば銅製のものからなっている。
そして、この実施の形態の場合、上記冷媒管1の内部には、所定の重量比で圧縮機潤滑用の潤滑油が混入された冷媒(各種新冷媒又は旧冷媒の何れか)が高圧の封入状態で流されている。
一方、同冷媒中に混入された潤滑油LO中には、例えば高分子樹脂合成用のモノマーHm,Hm・・・が所定の比率で添加されており、例えば図示のように、管壁1a部分にクラックCLが生じた場合に、同クラックCLの微小な隙間を当該高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・が冷媒圧により外部に向けて通過(漏出)する過程で、所定の触媒作用により重合反応して高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層により同クラックCLの微小な隙間を確実に塞ぐようになっている。
このように、冷凍装置の冷媒管1中の潤滑油LO中に高分子樹脂を合成する高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・を添加しておくと、上記クラックCLの微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・が通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応(例えば酸化重合/水分重合など)して、図示のように高圧冷媒に対して極めてシール性の高い高分子樹脂層を形成する。
そして、この高分子樹脂層が、上記クラックCLの微小な隙間を確実に塞ぐようになる。その結果、従来のような冷媒の機外への漏出の恐れを確実に解消することができる。
しかも、先に述べた従来例のようなピンホール部に集積された相互に化学反応しない黒鉛、テフロン等の微粒子を、単に当該ピンホール部に作用する冷媒圧(管内圧)のみによって加圧充填してシールするだけものと異なり、冷媒圧(管内圧)の変動(低下)や振動によってもシール状態が変化することがなく、長期に亘り、安定したシール性能が維持される。
この場合、上記のように高分子樹脂層を形成する触媒作用を利用した重合反応としては、例えば酸化重合又は水分重合等の重合反応が用いられる。
大気中の酸素分子が触媒となる酸化重合反応を採用すると、上記クラックCLを介して高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・が外気と接触した時に重合反応が生じて、適切にシール用の合成樹脂層が形成され、クラック部のシールが実現される。
また、大気中の水分子が触媒となる水分重合反応を採用すると、上記クラックCLを介して高分子樹脂合成用モノマーが外部の水分(湿気)と接触した時に重合反応が生じて、適切にシール用の合成樹脂層が形成され、クラック部のシールが実現される。
なお、この場合に、酸化重合する高分子樹脂としては、さらに例えばフタル酸樹脂、油変性ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、カシュー樹脂などが適している。
また、水分重合する高分子樹脂としては、例えばポリウレタン樹脂が適している。
そして、上記高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・は、上記酸化重合又は水分重合何れの場合にも、潤滑油LOの重量に対して10ppm〜10000ppmの重量比率で分散されるのが好ましい。
10ppm未満では、効果的に隙間や孔を塞ぐことはできない。また、10000ppmを超えると、圧縮機の回転を阻害し、消費電力が上昇する。
以上のように、同構成によると、従来例に比較して、長期に亘り、より確実で安定したシールを可能とすることができ、冷凍装置の冷媒漏れに対する信頼性が高くなる。
(最良の実施の形態2)
次に、図2は、本願発明の最良の実施の形態2に係る空気調和機等冷凍装置の要部である冷媒管(管壁部分)の構成を示している。
次に、図2は、本願発明の最良の実施の形態2に係る空気調和機等冷凍装置の要部である冷媒管(管壁部分)の構成を示している。
この実施の形態では、上記最良の実施の形態1の場合と同様に高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した空調機等冷凍装置の冷媒管1において、その管内を流れる冷媒中に混入された潤滑油LO中に新たな固体微粒子P0,P0・・・と上述の高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・の各々を同時に添加しておくことにより、上記固体微粒子P0,P0・・・の集積作用により速やかにクラックCLの微小な隙間を塞ぐとともに、同クラックCL等の微小な隙間を上記固体微粒子P0,P0・・・と共に高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・が通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、上記固体微粒子P0,P0・・・と高分子樹脂層の共働により上記クラックCL等の微小な隙間を、その大きさが大きいような時にも迅速かつ確実に塞ぐようにしたことを特徴とするものである。
このように、冷凍装置の冷媒管1中を流れる冷媒中の潤滑油LO中に固体微粒子P0,P0・・・と高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・を同時に添加しておくようにすると、先ず上記固体微粒子P0,P0・・・の集積作用により速やかにクラックCL等の微小な隙間を塞いで冷媒の漏出を止め、その上で、さらに、同クラックCL等の微小な隙間を高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・が通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて最終的に極めてシール性の高い高分子樹脂層を形成する。そして、それによって同高分子樹脂層が確実にクラックCL等の微小な隙間を塞ぐようになる。
その結果、クラックCLの径が大きいような場合にも、従来のような冷媒の機外への漏出の恐れを一層確実に解消することができる。
しかも、このような構成によれば、従来例のようなピンホール部に集積された相互に化学反応しない黒鉛、テフロン等の微粒子を、当該ピンホール部に作用する冷媒圧(管内圧)によって充填してシールするものと異なり、冷媒圧(管内圧)の変動(低下)や振動によって充填状態が変化し、シール性能が低下するような問題も生じない。
この場合、固体微粒子P0,P0・・・は、例えば冷媒や潤滑油LOと反応することのない有機物または無機物であっても良いし、また高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・と重合反応するポリエチレン等の樹脂材料であってもよい。
前者の場合、冷媒や潤滑油に対して、その機能を阻害することなく、固体微粒子P0,P0・・・を使用することができる。
一方、後者の場合、高分子樹脂形成作用が一層効率良く促進されるようになり、さらに速やかな高分子樹脂層による確実かつ強固なシール作用が実現される。
そして、上記固体微粒子P0,P0・・・の粒径は、例えば0.01μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
同粒径が0.01μm未満では、効果的に隙間や孔を塞ぐことはできない。また、粒径が100μmを超えると、圧縮機の回転を阻害し、消費電力が上昇する。
また、上記固体微粒子P0,P0・・・は、機内潤滑油重量LOに対して10ppm〜10000ppmの範囲で分散させるのが好ましい。
10ppm未満では、効果的に隙間や孔を塞ぐことはできない。また、10000ppmを超えると、圧縮機の回転を阻害し、消費電力が上昇する。
以上のように、同構成によると、従来例に比較して、長期に亘り、より確実で安定したシールを可能とすることができ、冷凍装置の冷媒漏れに対する信頼性が高くなる。
(最良の実施の形態3)
以上の最良の実施の形態1,2では、その何れの場合にも冷媒に混入される潤滑油LO中に高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・を添加するようにしたが、これは例えば冷媒中に添加するようにしても、略同様の作用効果を実現することができる。
以上の最良の実施の形態1,2では、その何れの場合にも冷媒に混入される潤滑油LO中に高分子樹脂合成用モノマーHm,Hm・・・を添加するようにしたが、これは例えば冷媒中に添加するようにしても、略同様の作用効果を実現することができる。
<実験例1>
先ず図3は、室外熱交換器6、室内熱交換器10、膨張弁7、圧縮機5を冷媒配管8,8を介して冷媒が循環するように接続して構成された家庭用の空気調和機である。この空気調和機が冷えなくなったので、調べたところ、冷媒が無くなっていた。気密試験を行ったところ、室内熱交換器10の伝熱管のヘアピン部に前述の図5のような微小なクラックCLが発生していることがわかった。このクラックCLから冷媒が漏れたために、冷えなくなったことが判明した。再度冷媒を充填して運転したが、やはり10時間後に再び冷えなくなったので、調べたところ、やはり冷媒が無くなっていた。
先ず図3は、室外熱交換器6、室内熱交換器10、膨張弁7、圧縮機5を冷媒配管8,8を介して冷媒が循環するように接続して構成された家庭用の空気調和機である。この空気調和機が冷えなくなったので、調べたところ、冷媒が無くなっていた。気密試験を行ったところ、室内熱交換器10の伝熱管のヘアピン部に前述の図5のような微小なクラックCLが発生していることがわかった。このクラックCLから冷媒が漏れたために、冷えなくなったことが判明した。再度冷媒を充填して運転したが、やはり10時間後に再び冷えなくなったので、調べたところ、やはり冷媒が無くなっていた。
そこで、その冷凍回路中から潤滑油を500cc抜き取り、同潤滑油中に、印刷用インクの硬化用に使用されているカシュー樹脂を機内の全潤滑油重量に対して1000ppmの濃度で分散させたものを調整し、再度冷凍回路中に封入し、さらに冷媒を充填した。
その後、運転を開始し、1000時間経過後も正常に運転できることを確認した後、先に見出していたヘアピン部のクラック発生箇所を切り出し、クラックCLの断面を観察した。その結果、微小なクラックの内壁にカシュー樹脂層が形成されて、クラック隙間からの冷媒の漏洩を防止していることを確認した。また、このようにカシュー樹脂を添加しても圧縮機5のトラブルや膨張弁7のトラブルが生じないことを確認した。
<実験例2>
次に図4は、4階建ビルBDの屋上に設置された室外熱交換器11を1階から4階までの各階の室内熱交換器12,12,12,12に冷媒配管13,13で接続して冷凍回路を構成した業務用の空気調和機(ビル用マルチ)である。
次に図4は、4階建ビルBDの屋上に設置された室外熱交換器11を1階から4階までの各階の室内熱交換器12,12,12,12に冷媒配管13,13で接続して冷凍回路を構成した業務用の空気調和機(ビル用マルチ)である。
この空気調和機が冷えなくなったので、調べたところ、やはり冷媒が無くなっていた。窒素ガス加圧試験により冷媒が漏れている箇所を見出そうと試みたが、同装置の場合、検査範囲が広いために漏れている箇所を探すのは困難であった。
そこで、室外熱交換器11から潤滑油を1000cc抜き取り、印刷用インクの硬化用に使用されているカシュー樹脂と粒径5μmのポリエチレン製微粒子を各々機内の全潤滑油重量に対して1000ppmの濃度で分散させたものを調整し、再度室外熱交換器11の冷凍回路中に封入し、さらに冷媒を所定量充填した。その後、運転を開始し、2000時間経過した後も正常に運転できることを確認した。
この場合には、クラックの発生箇所を切り出すことはできないが、微小なクラックの内壁にカシュー樹脂とポリエチレン製微粒子が付着して、クラック隙間からの冷媒の漏洩を防止していることが容易に想定できる。また、同樹脂等を潤滑油中に分散させても、圧縮機5のトラブルや膨張弁7のトラブルが生じないことが確認された。
1は冷媒管、1aは管壁部、CLはクラック、PHはピンホール、LOは潤滑油、P0は固体微粒子、Hmは高分子樹脂合成用モノマーである。
Claims (9)
- 高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した冷凍装置であって、冷媒又は潤滑油中に高分子樹脂合成用モノマーを添加しておくことにより、ピンホールやクラック等の微小な隙間を同高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにしたことを特徴とする冷凍装置。
- 高圧冷媒と潤滑油を機内に封入した空調機であって、冷媒又は潤滑油中に固体微粒子と高分子樹脂合成用モノマーを同時に添加しておくことにより、上記固体微粒子の集積作用により速やかにピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐとともに、同ピンホールやクラック等の微小な隙間を上記高分子樹脂合成用モノマーが通過する過程で、所定の触媒作用により重合反応させて高分子樹脂層を形成し、同高分子樹脂層および上記固体微粒子によりピンホールやクラック等の微小な隙間を塞ぐようにしたことを特徴とする冷凍装置。
- 重合反応が酸化重合反応であることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍装置。
- 重合反応が水分重合反応であることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍装置。
- 固体微粒子が、冷媒や潤滑油と反応することのない有機物または無機物であることを特徴とする請求項2,3又は4記載の冷凍装置。
- 固体微粒子が、高分子樹脂合成用モノマーと重合反応する樹脂材料よりなることを特徴とする請求項2,3,4又は5記載の冷凍装置。
- 固体微粒子の粒径が0.01μm〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項2,3,4,5又は6記載の冷凍装置。
- 高分子樹脂合成用モノマーを潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの比率で分散させたことを特徴とする1,2,3,4,5,6又は7記載の冷凍装置。
- 固体微粒子を潤滑油重量に対して10ppm〜10000ppmの比率で分散させたことを特徴とする2,3,4,5,6,7又は8記載の冷凍装置。
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Cited By (2)
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