JP2009235509A - ベルレス高炉への原料装入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装入したペレットが、コークス層の中に入り込んだり、高炉の中心側に流れ込んでコークス層を巻き込んだりして混合層を形成してしまうことを抑制することができ、高炉内の通気性を常に良好な状態に保つことで、安定操業を行うことができるベルレス高炉への原料装入方法を提供する。
【解決手段】コークスの装入により高炉壁Cに沿って既に形成されたコークステラスb上に、旋回シュートから質量%でペレット配合比40%以上の鉱石を装入するにあたり、その旋回シュートの2旋回目以後の鉱石の装入では、既に鉱石を装入してコークステラスb上に形成された鉱石層Aの表面に衝突するようにして鉱石を落下させ、高炉内に鉱石を装入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉内へ、その炉頂から、質量%でペレット配合比40%以上の鉱石と、コークスを、旋回シュートで交互に鉱石層とコークス層が形成されるようにして落下装入し、高炉内へ原料を装入するベルレス高炉への原料装入方法に関するものである。
一般に高炉内に装入される鉱石は、質量%で約15%の塊鉱石のほか、焼結鉱とペレットから構成されるが、その大部分を占めるペレットと焼結鉱の物理的性質や化学的性質は異なっている。
ペレットは、その形状が丸いため高炉の炉頂からコークス層上に装入すると、コークス層の内部に侵入してコークス層の隙間を埋めるため、炉内の通気性が悪化する。また、ペレットは、安息角が焼結鉱より小さいため高炉の中心側に流れ込みやすく、コークス層表面を流れ込む際にコークスを巻き込んで混合層を形成する。このペレットとコークスによる混合層は、コークスの隙間をペレットが埋めて形成されるため、この面でも炉内の通気性が悪化する。コークス層は、炉内の通気性を維持するための機能を担っており、コークス層の通気性を悪化させることは、高価なコークス使用量を低減する上での障害となる。
また、特に高炉内の中心部にコークスを装入してガス流を中心流にして操業を行う高炉操業方法にあっては、高炉の中心部に流れ込んだペレットがその通気性を悪化させ、ガス流が不安定な周辺流になってしまうという傾向がある。更には、ペレットは焼結鉱より気孔率が小さいため、還元ポテンシャルが低いと還元停滞を起こし高温性状が悪化しやすくなるという傾向がある。
そのため、ペレットの配合比が高い鉱石を用いた高炉操業では、通気障害が発生して高炉内におけるガス流分布が不安定になる可能性が高く、その結果、安定操業が困難となる。特に高炉内の中心部にコークスを装入してガス流を中心流にする高炉操業方法で、高炉の安定操業を維持すると共に、高炉の炉体を保護するためには、高炉内のガス流が常に中心流になるよう維持し続けることが極めて重要である。
より詳しく述べると、ガス流分布が不安定になると、高炉の径方向において、高炉に装入する原料の還元に必要なガス量を確保できない部位が生じる。このようなガス流が不足する部位を通過した装入原料が高炉の下部に降下してくると、未還元溶融物の融着による通気障害を発生し、棚吊り、スリップ等による炉況悪化や炉熱低下を誘発する。これと同時に、ガス流は周辺流となることが多く、亜鉛、アルカリを含んだ高温のガスが炉壁に沿って上昇していくため、炉体煉瓦、ステーブ等の炉体冷却設備の損傷を誘発する。このような不具合を避けるために、従来から様々な高炉内へ原料を装入する方法が提案されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、ペレットを高炉の径方向に均一に分布させるのが望ましいと考え、事前にコンベアベルト上や原料堆積ホッパー内において、ペレットと他の鉱石とを均一に混合させて高炉に均一に装入することが開示されている。
また、特許文献3や特許文献4には、ペレットまわりの還元ポテンシャルを高めるために、ペレット層中に炭材あるいは高反応性コークスを混合することが開示されている。
また、特許文献5や特許文献6には、ガス流分布の安定化を図るために、ベルアーマ式、ベルレス式の装入装置により、コークスを高炉の径方向の中心側に、鉱石をその周辺側に装入することを基本として、高炉の径方向の鉱石層とコークス層との層厚比O/Cの調整を確実に行うことによって、高炉の中心部に適正なガス流が発生するようにすることが開示されている。
更には、特許文献7〜10には、高炉壁に沿ってコークステラスを形成し、そのコークステラス上に、鉱石を装入するという原料の装入方法が開示されている。
特開昭58−157905号公報 特公平3−14883号公報 特開平2−254112号公報 特公昭57−45288号公報 特公平2−51962号公報 特公昭59−10404号公報 特開平11−117007号公報 特開2000−212613号公報 特開2006−89773号公報 特開2006−131967号公報
しかしながら、これらの特許文献に開示された技術は、その何れもが、ベルレス高炉において、質量%でペレット配合比が40%以上と高い鉱石を用いて高炉操業する際に、装入したペレットがコークス層の中に入ったり、そのペレットが高炉の中心側に流れ込んでコークス層を巻き込んで混合層を形成したりすることで、高炉内の通気性を悪化させてしまうという課題を解決しようとする技術ではないので、これらの特許文献に開示された技術を用いてもこの課題を解決することは不可能である。
本発明は、このような課題を解決せんとしてなされたもので、質量%でペレット配合比が40%以上と高い鉱石を用いて高炉操業する際に、装入したペレットが、コークス層の中に入り込んだり、高炉の中心側に流れ込んでコークス層を巻き込んだりして混合層を形成してしまうことを抑制することができ、高炉内の通気性を常に良好な状態に保つことで、安定操業を行うことが可能で、また、亜鉛、アルカリを含んだ高温のガスが高炉壁に沿って上昇することはなく、炉体が損傷することも防止することができるベルレス高炉への原料装入方法を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、質量%でペレット配合比40%以上の鉱石と、コークスを、旋回シュートで交互に鉱石層とコークス層が形成されるように落下装入するベルレス高炉への原料装入方法であって、 前記コークスの装入により既に形成された高炉壁周辺部のコークス層で成るコークステラス平坦部上に、前記旋回シュートから鉱石を装入するにあたり、その旋回シュートの2旋回目以後の鉱石の装入では、既に鉱石を装入して前記コークステラス上に形成された鉱石層の表面に衝突させるようにして鉱石を落下させて高炉内に鉱石を装入することを特徴とするベルレス高炉への原料装入方法である。
請求項2記載の発明は、前記鉱石の装入によりコークステラス上に形成した鉱石層で鉱石層テラスを形成させた後、その鉱石層テラス上に、更に旋回シュートでコークスを装入し、初期のコークスの装入の際には、先にその平均粒径より径の小さい小粒径コークスを1旋回目の鉱石の落下領域の上方に配置するように鉱石層テラス上に、落下堆積させることを特徴とする請求項1記載のベルレス高炉への原料装入方法である。
本発明の請求項1記載のベルレス高炉への原料装入方法によると、質量%でペレット配合比が40%以上と高い鉱石を用いて高炉操業する場合であっても、高炉の中心近傍のコークス層の表面と、高炉の中心側に流れ込むペレットの量は僅かであり、ペレットがコークス層の中に入り込んだり、コークス層を巻き込んだりして混合層を形成することを抑制することができ、高炉内の通気性を常に良好な状態に保つことで、安定操業を行うことができる。また、亜鉛、アルカリを含んだ高温のガスが高炉壁に沿って上昇していくこともなく、炉体が損傷することも防止できる。
本発明の請求項2記載のベルレス高炉への原料装入方法によると、高炉の中心側に流れ込む小粒径のコークスは僅かであり、小粒径のコークスだけが高炉の中心部に密に集まることで通気層を形成する隙間がなくなるといったことはなく、高炉内の通気性を常に良好な状態に保つことができ、安定操業を行うことができる。また、亜鉛、アルカリを含んだ高温のガスが高炉壁に沿って上昇していくこともなく、炉体が損傷することも防止できる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
ベルレス高炉では、その炉頂から、塊鉱石と焼結鉱とペレット等からなる鉱石と、コークスを、旋回シュートで交互に落下装入して、高炉内に複数層の鉱石層とコークス層を交互に形成することで操業を行っている。一般に高炉内に装入される鉱石は、質量%で約15%の塊鉱石のほか、焼結鉱とペレットから構成されている。本発明では、鉱石中のペレット配合比が、質量%で40%以上の鉱石を対象とする。尚、以下の明細書中で%と説明するのは、特に断りのない限り全て質量%のことである。
本発明が、鉱石中のペレット配合比を、質量%で40%以上としたのは、鉱石中のペレット配合比が40%未満であれば、旋回シュートで高炉壁側に向けて鉱石を装入した際に、高炉の中心側に流れ込んだペレットがコークス層の中に入り込んだり、そのペレットがココークス層を巻き込んだりして、高炉内の通気性への影響するほどの大きな混合層を形成する可能性は、極めて低いためである。
本発明のベルレス高炉への原料装入方法においては、まず、旋回シュート(図示しない)を旋回させて旋回シュートの傾動角を変化させることによって、コークスの落下位置を調整し、図1に示すように、高炉壁C側から高炉の中心側に向けてコークスを落下装入して、高炉壁Cに沿うようにしてコークステラスaを形成する。このとき、旋回シュートからの排出粒子径の時系列変化特性を把握した上で、コークステラスaの周辺部に、小粒径のコークスを配置するように調整する。尚、本発明では、粒径が20〜45mm程度のコークスのことを小粒径コークスという。
そのコークスの落下装入が全て終了した後で、ペレット配合比が40%以上の鉱石を旋回シュートから装入する。旋回シュートの1旋回目で鉱石は、コークステラスa上に落下し、そのコークステラスa上に鉱石層Bを形成する。旋回シュートの2回転目以後は、高炉壁Cに沿うようにして既に形成された鉱石層Bの表面に衝突させるようにして鉱石を順次炉内に落下装入する。このように、旋回シュートの2回転目以後に高炉内に装入する鉱石は、先に装入された鉱石で形成された鉱石層Bの表面に衝突させるようにして高炉内に落下装入するため、鉱石中のペレットがコークス層Aの中に入り込んだり、コークス層Aを巻き込んだりすることはない。
1旋回目の鉱石はコークステラスa上の周辺部に落下させるが、コークステラスaの周辺部には小粒径コークスが配置されているため、コークス層Aの内部には侵入しにくい。また、コークス斜面上を高炉の中心部に向けて流れ落ちるペレットは基本的に、旋回シュートの複数旋回分の1旋回分のペレットだけであり、その量は僅かであるため、コークスを巻き込むエネルギーが小さく混合層を形成しにくい。鉱石装入量(t/ch)が一定条件では、旋回数が多い方が1旋回当たりの鉱石量(ペレットの量)は少なくなるため、この効果は大きくなる。尚、コークステラスaの長さを高炉の中心側に延長してコークス斜面の長さを短くすることにより、コークステラスa上から高炉の中心部に向けて流れ落ちるペレットを殆どなくすることも可能である。
特に高炉内の中心部にコークスを装入してガス流を中心流にする高炉操業方法においては、本発明を採用することで、高炉内の中心部のコークスとペレットが混じりあい、コークスとペレットによる、図8、図9に示すような大きな混合層Dを形成することはないので、高炉内の通気性を悪化させることはない。
その鉱石の落下装入が全て終了した後で、図2に示すように、コークスを旋回シュートから装入する。尚、このコークスの装入は、先に説明したコークスの旋回シュートでの落下装入と同じであり、このコークスの装入と先に説明した鉱石の装入を順次交互に繰り返すことで高炉内への原料装入は行われる。
ここでは、図2に基づき、そのコークスの装入についてより具体的に説明する。鉱石の装入により高炉壁Cに沿って形成された鉱石テラスb上に、旋回シュートを旋回させることでコークスを落下装入する。このコークスの落下装入の際に、初期に落下装入されるのは全コークス中でも比較的小粒径のコークスである。その理由は後で説明する。初期に落下装入される小粒径のコークスは、まず、高炉壁Cに沿って形成された鉱石テラスb上に積層する。この鉱石テラスb上に高炉の周辺部から中心方向に向かって配置されるため、高炉の中心側に向けて流れ落ちることはない。
更に、コークスの落下装入を続けると、旋回シュートから装入されるコークスは、全コークス中でも比較的大粒径のコークスがその殆どとなる。このコークスを高炉の中心側に配置させることで、比較的大粒径のコークスが高炉の中心部に集まるため、コークス間に十分な隙間を確保することが可能となる。よって、通気層を確保することができ、高炉内の通気性を常に良好な状態に保つことができる。
旋回シュートから装入される全コークスのうち、初期に落下装入されるコークスは比較的小粒径のコークスであり、旋回シュート上に残って後で落下装入されるコークスは比較的大粒径のコークスであることを、実炉で確認した。その確認結果を図3に示す。図の縦軸は装入されるコークスの相対粒径、横軸は装入されるコークスの初期装入時からの経過時間であり、夫々無次元化している。図3から明らかなように、コークスの装入開始時点から装入終了時点までの内で、装入開始時点から約6割の時間内に装入されるコークスの径は、平均粒径以下の比較的小粒径であり、その後に装入されるコークスの径は、平均粒径以上の比較的大粒径である。即ち、高炉壁C側から高炉の中心側に向けて流れ込むコークスは、比較的大粒径のコークスであることを確認した。
また、上記で説明した如く、本発明のベルレス高炉への原料装入方法を採用することで、高炉の中心部に確実に通気層を確保することができるため、亜鉛、アルカリを含んだ高温のガスが高炉壁Cに沿って上昇することがなくなり、炉体が損傷することを防止することができる。
実炉の1/5の模型を作製して試験を実施した。試験は本発明の方法に基づき高炉内に原料を装入して試験を行った。これを発明例とする。また、これに併せ、コークステラス、鉱石テラスを特に形成させない従来からの方法で、高炉内に原料を装入して試験を行った。これを比較例とする。
発明例では、まず、図1に示すように、高炉壁Cに沿うようにしてコークステラスaを形成した。鉱石装入前の初期のコークス層Aの表面を点線で表示する。その後、ペレット配合比が40%以上の鉱石を旋回シュートから装入した。旋回シュートからの鉱石の装入は、旋回シュートの回転12旋回分とし、図1には各旋回毎に、積層した鉱石層Bを実線で区切って表示する。また、鉱石層B中の数字は、旋回シュートの何旋回目で装入された鉱石で形成された鉱石層Bであるかを示す。
旋回シュートの1旋回目では、高炉壁Cに沿うようにしてコークステラスa上に鉱石を落下装入し、2旋回目以後は、既に鉱石を装入してコークステラスa上に形成された鉱石層Bの表面に衝突させるようにして鉱石を順次炉内に落下装入した。尚、図1の左側の隆起は、ガス流を中心流にするために高炉内の中心部に装入したコークスである。
その結果、旋回シュートの1旋回目から9旋回目までは、コークステラスa上に鉱石が順次積層して鉱石層Bとなり、鉱石テラスbを形成する。10旋回目で、ペレットを含む鉱石がコークス斜面上を高炉の中心部に向けて流れ落ちて、ペレットがコークス層Aの中に入り込んだり、コークス層Aを巻き込んだりした。しかしながら、その量は、図4、図5に示すように極僅かな量(図4に示す実線と点線の間の斜線部)であり、高炉内の通気性には影響することはない。尚、11旋回目、12旋回目では、ペレットを含む鉱石が高炉の中心部に向けて流れ落ちるが、1旋回前の鉱石の装入で形成された鉱石層Bの上に積層し、新たな鉱石層Bを形成するだけで混合層Dを形成することはない。また、コークス層Aに侵入するペレットも殆どない。
これに対し、比較例では、図6に示すように、コークス層Aでコークステラスaを形成していないので、鉱石装入前の初期のコークス層Aの表面は、点線で表示するように単なる傾斜面である。その後、ペレット配合比が40%以上の鉱石を旋回シュートから装入した。旋回シュートからの鉱石の装入は、発明例同様に、旋回シュートの回転12旋回分とし、図6には各旋回毎に、積層した鉱石層bを実線で区切って表示する。また、鉱石層B中の数字は、旋回シュートの何旋回目で装入された鉱石で形成された鉱石層Bであるかを示す。
旋回シュートの1旋回目から12旋回目まで、高炉壁C側から高炉の中心側に向けてペレット配合比が40%以上の鉱石を旋回シュートの傾動角一定で、高炉内の周辺部に落下装入した。尚、図6の左側の隆起は、ガス流を中心流にするために高炉内の中心部に装入したコークスである。
その結果、旋回シュートの1旋回目から6旋回目まで、ペレットを含む鉱石が高炉壁C側から高炉の中心部に向けてコークス層Aの表面上を流れ落ちて、ペレットがコークス層Aの中に入り込んだり、コークス層Aを巻き込んだりして、図6、図8に示すように、ペレットとコークスの混合層Dを形成した。形成される混合層Dは、図8に示す左傾斜の斜線部であり、その量は図4に示すペレットがコークス層Aの中に入り込んだり、コークス層Aを巻き込んだりした部位と比較して非常に大量である。また、右傾斜の斜線部は、ペレットがコークス層A上を流れ落ちる際にコークス層Aの表面を削り取った部位を示し、この量も大量であることが分かる。即ち、比較例では、ペレットとコークスによる大きな混合層Dが高炉の中心部近傍に形成されてしまうため、高炉の中心部に適正なガス流が発生することを阻害することとなり、高炉内の通気性を悪化させてしまう。尚、7旋回目から12旋回目までは、その1旋回前の鉱石の装入で形成された鉱石層Bの上に積層し、新たな鉱石層Bを形成するだけである。
また、発明例では、前記の鉱石の落下装入が終了した後で、図2に示すように、コークスを旋回シュートから装入した。旋回シュートからのコークスの装入は、旋回シュートの回転10旋回分とし、図2には各旋回毎に、積層したコークス層Aを実線で区切って表示する。また、コークス層A中の数字は、旋回シュートの何旋回目で装入された鉱石で形成されたコークス層Aであるかを示す。
旋回シュートの1旋回目から10旋回目まで、鉱石テラスb上にコークスを落下装入した。
その結果、旋回シュートの1旋回目から6旋回目まで、特に旋回シュートの1旋回目から3旋回目までは、略100%のコークスが鉱石テラスb上に順次積層するが、このコークスの落下装入の際に、1旋回目から6旋回目までに落下装入されるのは、実炉で確認したように、全コークス中でも比較的小粒径のコークスである。このように比較的小粒径のコークスは、鉱石テラスb上に積層して次のコークステラスaを形成するため、高炉の中心側に向けて流れ落ちることはない。従って発明例では、小粒径のコークスだけが高炉の中心部に密に集まって通気層を形成する隙間がなくなるといったことはない。
旋回シュートの7旋回目から10旋回目までに落下装入されるコークスは、高炉壁C側から高炉の中心部に向けて流れ落ちるが、このコークスは、実炉で確認したように、全コークス中でも比較的大粒径のコークスである。従って、このコークスが高炉の中心部に集まってもコークス間に十分な隙間が形成されるため、通気層を確保することができ、高炉内の通気性には影響しない。
また、比較例でも、前記の鉱石の落下装入が終了した後で、図7に示すように、コークスを旋回シュートから装入した。旋回シュートからのコークスの装入は、旋回シュートの回転10旋回分とし、図7には各旋回毎に、積層したコークス層Aを実線で区切って表示する。また、コークス層A中の数字は、旋回シュートの何旋回目で装入された鉱石で形成されたコークス層Aであるかを示す。
比較例では、鉱石層Bの表面は略等勾配の傾斜面となっているため、旋回シュートの1旋回目から10旋回目までに旋回シュートから落下装入したコークスは全て、その鉱石層Bの表面に、旋回装入毎に略同じ厚みのコークス層Aを形成しながら、高炉の中心部に向けて流れ落ちる。即ち、高炉の中心部に向けて流れ落ちるコークスは、小粒径から大粒径までの全てを含むこととなり、小粒径のコークスを含むコークスが高炉の中心部に密に集まる結果、コークス間に十分な隙間が形成されない可能性があり、必ずしも十分な通気性が確保できるとはいえない。
本発明の一実施形態によりコークス層上に鉱石を装入した状態を示す高炉内の要部縦断面図である。 本発明の一実施形態により鉱石層上にコークスを装入した状態を示す高炉内の要部縦断面図である。 コークスの装入開始時点から装入終了時点までに経過時間舞に装入されるコークスの相対粒径を示すグラフである。 実炉の1/5の模型を作製して試験を実施した発明例の炉内の状態を示す説明図である。 実炉の1/5の模型を作製して試験を実施した発明例の炉内の状態を示す要部断面写真である。 従来技術によりコークス層上に鉱石を装入した状態を示す高炉内の要部縦断面図である。 従来技術により鉱石層上にコークスを装入した状態を示す高炉内の要部縦断面図である。 実炉の1/5の模型を作製して試験を実施した比較例の炉内の状態を示す説明図である。 実炉の1/5の模型を作製して試験を実施した比較例の炉内の状態を示す要部断面写真である。
符号の説明
A…コークス層
a…コークステラス
B…鉱石層
b…鉱石テラス
C…高炉壁
D…混合層

Claims (2)

  1. 質量%でペレット配合比40%以上の鉱石と、コークスを、旋回シュートで交互に鉱石層とコークス層が形成されるように落下装入するベルレス高炉への原料装入方法であって、
    前記コークスの装入により既に形成された高炉壁周辺部のコークス層で成るコークステラス平坦部上に、前記旋回シュートから鉱石を装入するにあたり、その旋回シュートの2旋回目以後の鉱石の装入では、既に鉱石を装入して前記コークステラス上に形成された鉱石層の表面に衝突させるようにして鉱石を落下させて高炉内に鉱石を装入することを特徴とするベルレス高炉への原料装入方法。
  2. 前記鉱石の装入によりコークステラス上に形成した鉱石層で鉱石層テラスを形成させた後、その鉱石層テラス上に、更に旋回シュートでコークスを装入し、初期のコークスの装入の際には、先にその平均粒径より径の小さい小粒径コークスを1旋回目の鉱石の落下領域の上方に配置するように鉱石層テラス上に、落下堆積させることを特徴とする請求項1記載のベルレス高炉への原料装入方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103882167A (zh) * 2014-03-21 2014-06-25 济钢集团有限公司 一种高炉料层结构

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