JP2009235138A - 光硬化型インクジェットインキ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、光照射により硬化する光重合開始剤を含む光硬化型インクジェットインキに関し、さらに詳細には、光重合開始剤としてジケト型オキシムエステル化合物を用いることで、エネルギー線、特に光の照射により活性なラジカルを効率よく発生し、ラジカル重合性化合物を短時間に重合させうる高感度な光硬化型インクジェットインキに関する。
従来、インクジェット方式の印刷は広く知られており、その最大の特徴は、インクを噴射するノズルと非記録材とが非接触状態にあるため、平らではない形状の記録材に対しても良好な印刷を行なうことができることにある。そのため様々な分野への応用が期待されている印刷方式である。
近年、このインクジェット方式にUV硬化技術を融合したUV−IJ技術が急速に発展を遂げてきている。これは典型的には、光重合開始剤と重合性化合物を含むインクを用いて、噴射されたインクが記録材へ着弾した後に、光照射を行なうことにより硬化せしめる方式である。この方式は蒸発乾燥方式や酸化乾燥方式に比べて、乾燥(硬化)が極めて早い。さらに、このような光硬化型インクジェットインクにおいて、紫外光により活性なラジカルを発生する開始剤と、アクリレート系化合物を併用するシステムは、プラスチックや金属などの非吸収性記録材に対しても適応できること、また無溶剤(VOCフリー)であり、近年求められている環境への負荷を低減できるという点からも、その重要性は益々高まってきている。
光硬化型インクジェットインキの硬化性は、開始剤の感度に大きく依存する。高速かつ高硬度を求めるだけなら、例えばフォーミュレーション中の開始剤含有量を上げることで向上が望める。しかしながら、開始剤の多くは溶解度が悪いため多量に用いると析出してしまい、ノズルの目詰まりを引き起こしてしまう。さらに開始剤もしくは開始剤由来の成分は、硬化後の臭気の原因となってしまうので過剰に用いることは望ましくない。また例えば、強い光照射装置や複数の光照射装置を用いたり、照射時間を長くすることで硬化性を向上する手段も考えられるが、これらは生産プロセスへの負荷が非常に大きくなってしまう。したがって、より少ない開始剤含有量でなおかつ充分な硬化特性を達成できる開始剤が求められている。
光硬化型インクジェットインキに用いられる光ラジカル重合開始剤として、ベンジルケタール化合物、α―ヒドロキシケトン化合物、α―アミノケトン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物が開示されている(特許文献1〜9)。また近年α―ケトオキシムエステル化合物も開始剤として開示されている(特許文献10〜14参照)。これらはいずれも重合開始剤として機能しうるが、上記した要求を充分に満たしているとは言えず、生産性の向上や新しく提案される様々なプロセスに対応すべく、重合開始剤の高感度化が普遍的に求められている。
本発明の目的は、光開始剤としてジケト型オキシムエステル化合物を用いることで、エネルギー線、特に光の照射により活性なラジカルを効率よく発生し、ラジカル重合性化合物を短時間に重合させうる高感度な光硬化型インクジェットインキを提供することにある。
本発明者らは、以上の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、少なくともモノマーと、顔料と、下記一般式(1)で表される光重合開始剤とからなる光硬化型インクジェットインキに関する。
(式中、R1〜R5、およびR12〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキニル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアシル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。また、これらR1〜R5、およびR12〜R16は、隣接する置換基が一体となって環を形成してもよい。
R6〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
XおよびYは、それぞれ独立に、一価の有機残基を表す。)
R6〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
XおよびYは、それぞれ独立に、一価の有機残基を表す。)
また、本発明は、上記の光重合開始剤のR12〜R16の少なくとも一つが、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、および置換もしくは未置換のアミノ基のいずれかである光硬化型インクジェットインキに関する。
また、本発明は、上記の光重合開始剤のR12〜R16の少なくとも一つが、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基である光硬化型インクジェットインキに関する。
また、本発明は、上記光硬化型インクジェットインキを印刷し、光照射によって硬化させる、印刷物の製造方法に関する。
また、本発明は、上記の製造方法で得られる印刷物に関する。
本発明の光硬化型インクジェットインキは、従来のオキシムエステルを光重合開始剤として含む光硬化型インクジェットインキと比べ、より少ない光の照射で充分な硬化を得ることが出来る。さらにその結果、生産プロセスを向上することが出来る。
本発明の光硬化型インクジェットインキは、モノマー、顔料、上記の光重合開始剤からなる。また、各種添加剤(例えば、他の光重合開始剤、光増感剤や重合禁止剤等)を組み合わせて用いることも出来る。
まず、光重合開始剤について説明する。本発明の光重合開始剤は、1−位にベンゾイルカルバゾリル基、また3−位にフェニル基を有することを特徴とするα,α'−ジケトオキシムエステル化合物であり、エネルギー線、特に光の照射により活性なラジカルを効率よく発生する。
一般式(1)中、R1〜R5、およびR12〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキニル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。また、R6〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられ、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられ、具体例としては、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換基もしくは未置換のアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6〜18の単環または縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、9−フルオレニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換の複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、単環または縮合多環複素環基が挙げられ、具体例としては、2−フラニル基、2−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−アクリジニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアルキルオキシ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状あるいは縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられ、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
アルキルスルファニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルスルファニル基が挙げられ、具体例としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ペンチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、デシルスルファニル基、ドデシルスルファニル基、オクタデシルスルファニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
アリールスルファニル基としては、炭素数6〜18の単環状または縮合多環状アリールスルファニル基が挙げられ、具体例としては、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、9−アンスリルスルファニル基、9−フェナントリルスルファニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、あるいは、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状あるいは縮合多環状複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、それらは構造中に不飽和結合を有していてもよく、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、シンナモイル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、9−アンスロイル基、5−ナフタセノイル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
置換もしくは未置換のアミノ基としては、総炭素数0〜50のアミノ基が好ましく、例えば、−NH2、N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N、N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−t−ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基、N、N−ジブチルアミノ基、N、N−ジフェニルアミノ基、N、N−ジアセチルアミノ基、N、N−ジベンゾイルアミノ基、N、N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N、N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらに、前述した置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキニル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアミノ基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルキルオキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
一般式(1)中、好ましくは、置換基R12〜R16の少なくとも一つが、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、および置換もしくは未置換のアミノ基のいずれかであり、より好ましくは、置換基R12〜R16の少なくとも一つが、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、および置換もしくは未置換のアミノ基のいずれかである。
具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ジメチルアミノ基が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
さらに、特に好ましい場合として、置換基R12〜R16の少なくとも一つが置換もしくは未置換のアルキルオキシ基である。
これらの置換基により、一般式(1)中のR12〜R16の少なくとも一つが置換されている場合、より少ない光の照射量で化合物が分解し、効率よくラジカルを発生するようになるほか、吸収特性や、樹脂・溶剤との相溶性や、経時安定性の向上、現像性の向上などのすべてにおいて優れるため好ましいが、現在のところその詳細な理由については明らかではない。
一般式(1)中、R6〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
ここで、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基は、前述したR1〜R5、およびR12〜R16における置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基と同義である。
これらR6〜R11がとりうる置換基の水素原子はさらに置換されていてもよく、そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルキルオキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
これらR6〜R11は、原料の入手のしやすさ、合成のしやすさから、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基が好ましい。
また、R1〜R5、およびR12〜R16は、隣接する置換基が一体となって環を形成してもよく、具体例としては以下が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)中の置換基XおよびYは一価の有機残基を表わす。一価の有機残基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよい複素環オキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいホスフィノイル基、置換基を有してもよい複素環基が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、およびp−トリル基、キシリル基、o−、m−、およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルオキシ基としては、炭素数1〜30のアルキルオキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N, N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N− メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が好ましく、例えば、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルファニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルファニル基が好ましく、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、シクロヘキシルスルファニル基、オクチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、デカノイルスルファニル基、ドデカノイルスルファニル基、オクタデカノイルスルファニル基、シアノメチルスルファニル基、メトキシメチルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルファニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルファニル基が好ましく、例えば、フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基、2−クロロフェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、2−メトキシフェニルスルファニル基、2−ブトキシフェニルスルファニル基、3−クロロフェニルスルファニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルファニル基、3−シアノフェニルスルファニル基、3−ニトロフェニルスルファニル基、4−フルオロフェニルスルファニル基、4−シアノフェニルスルファニル基、4−メトキシフェニルスルファニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルファニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルファニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルキルオキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいカルバモイル基としては、総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、例えば、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいスルファモイル基としては、総炭素数0〜30のスルファモイル基が好ましく、例えば、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアミノ基としては、総炭素数0〜50のアミノ基が好ましく、例えば、−NH2,N−アルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N−アシルアミノ基、N−スルホニルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、N、N−ジスルホニルアミノ基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N−t―ブチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N−2−エチルヘキシルアミノ基、N−デシルアミノ基、N−オクタデシルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−2−メチルフェニルアミノ基、N−2−クロロフェニルアミノ基、N−2−メトキシフェニルアミノ基、N−2−イソプロポキシフェニルアミノ基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルアミノ基、N−3−クロロフェニルアミノ基、N−3−ニトロフェニルアミノ基、N−3−シアノフェニルアミノ基、N−3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メトキシフェニルアミノ基、N−4−シアノフェニルアミノ基、N−4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、N−4−メチルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−フェニルスルファニルフェニルアミノ基、N−4−ジメチルアミノフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基、N、N−ジブチルアミノ基、N、N−ジフェニルアミノ基、N、N−ジアセチルアミノ基、N、N−ジベンゾイルアミノ基、N、N−(ジブチルカルボニル)アミノ基、N、N−(ジメチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジエチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジブチルスルホニル)アミノ基、N、N−(ジフェニルスルホニル)アミノ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいホスフィノイル基としては、総炭素数2〜50のホスフィノイル基が好ましく、例えば、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族あるいは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられる。
さらに、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルキルオキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよい複素環オキシ基、置換基を有してもよいアシルオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルファニル基、置換基を有してもよいアリールスルファニル基、置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有してもよいカルバモイル基、置換基を有してもよいスルファモイル基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよい複素環基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert− ブトキシ基等のアルキルオキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
これら置換基Xにおいて、好ましくは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアシル基、置換基を有してもよいホスフィニル基、置換基を有してもよい複素環基等が挙げられ、より好ましくは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
これら置換基Yにおいて、原料の入手のしやすさ、合成のしやすさから、置換もしくは未置換のアルキル基が好ましい。
以上述べた本発明の光重合開始剤として、特に好ましい具体例を表1に示すが、本発明の光重合開始剤の構造はそれらに限定されるものではない。
本発明の光重合開始剤は、インクジェットインキ中に0.1〜20重量%,好ましくは,1〜12重量%の範囲で用いられる。
本発明の光硬化型インクジェットインキにおけるモノマーとは、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーであり、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有するモノマーとは、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ以上を有するモノマーであればどのようなものでも良い。これらはただ一種のみ用いても、目的とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合した系でもかまわない。
本発明に使用するモノマーとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β−カルボキシルエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート等が挙げられる。さらには、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79項、(1989年、シーエムシー)、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性モノマーが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
モノマーは、インクジェットインキ中に30.0〜90.0重量%の範囲で用いられる。
本発明の光硬化型インクジェットインキには、上記モノマー以外にオリゴマー、プレポリマーと呼ばれるものを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。
本発明で使用される光硬化型インクジェットインキの顔料としては、従来インクジェットインキに使用されている顔料、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が挙げられる。これらはただ一種のみ用いても、または色相および濃度の調整等を目的とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合した系でもかまわない。
具体的な有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等の公知公用の各種顔料が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
上記顔料の中で、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。 有機顔料は、レーザー散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細顔料であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを越える場合は、分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じやすくなる。
有機顔料の微細化は下記の方法で行うことができる。すなわち、有機顔料、有機顔料の3重量倍以上の水溶性の無機塩および水溶性の溶剤の少なくとも3つの成分からなる混合物を粘土状の混合物とし、ニーダー等で強く練りこんで微細化したのち水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩および水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。
水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は、有機顔料の3重量倍以上、好ましくは20重量倍以下の範囲で用いる。無機塩の量が3重量倍よりも少ないと、所望の大きさの処理顔料が得られない。また、20重量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
水溶性の溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性の無機塩との適度な粘土状態をつくり、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
本発明において顔料は、十分な濃度および十分な耐光性を得るため、インクジェットインキ中に1〜30重量%の範囲で用いられる。
本発明では、顔料の分散性およびインキの保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加するのが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、アビシア社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824」等が挙げられる。
分散剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
本発明のインクジェットインキには、顔料の分散性およびインキの保存安定性をより向上させるために、有機顔料の酸性誘導体を顔料の分散時に配合することが好ましい。
また、本発明の光硬化型インクジェットインキはさらに感度向上の目的で他の重合開始剤と併用することが可能である。
本発明の光硬化型インクジェットインキと混合して併用可能な他の重合開始剤としては、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(旭電化社)、Esacure1001M(Lamberti社)、ルシリンTPO(BASF社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−213861号公報、特開平5−255347号公報、特開平5−255421号公報、特開平6−157623号公報、特開2000−344812号公報、特開2002−265512号公報、特願2004−053009号公報、ならびに特願2004−263413号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)、特開昭61−24558号公報、特表2004−534797号公報、ならびに特開2004−359639号公報記載のオキシムエステル化合物、特表2002−530372号公報記載の二官能性光開始剤などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また紫外から近赤外の光に対して吸収を持つ増感剤と組み合わせて組成物とすることによっても紫外から近赤外領域にかけての光に対する活性を高め、極めて高感度な光重合性組成物とすることが可能である。
本発明の光硬化型インクジェットインキと混合して併用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン類、カルコン誘導体やジベンザルアセトンなどに代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどを挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどを挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102などを挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用される併用してもよい光重合開始剤および増感剤は、インクジェットインキ中に0〜20重量%,好ましくは,0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
また、本発明の光硬化型インクジェットインキは保存時の重合を防止する目的で重合禁止剤を添加することが可能である。
本発明の光硬化型インクジェットインキに添加可能な重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることが出来る。重合禁止剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.01〜5重量%の範囲で用いられる。
また、本発明の重合性組成物はさらに重合を促進する目的で、アミンやチオール、ジスルフィドなどに代表される重合促進剤や連鎖移動触媒を添加することが可能である。
本発明の重合性組成物に添加可能な重合促進剤や連鎖移動触媒の具体例としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、N−フェニルグリシン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルアニリン等のアミン類、USP第4414312号明細書や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−291561号公報記載のジスルフィド類、USP第3558322号明細書や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類があげられる。重合促進剤や連鎖移動触媒の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.001〜5重量%の範囲で用いられる。
本発明のインクジェットインキには、基材への濡れ性を向上させるために表面調整剤を加えることが好ましい。表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、370、375、377、350、352、354、355、356、358N、361N、357、390、392、UV3500、UV3510、UV3570」テゴケミー社製「Tegorad−2100,2200、2250、2500、2700」等が挙げられる。これら表面調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
表面調整剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくはインクジェットインキ中に0.001〜1重量%の範囲で用いられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは可塑剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明のインクジェットインキは、モノマー、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め顔料高濃度の濃縮液を作成しておいてモノマーで希釈することが好ましい。通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インキ成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインキが調製される。インキは、孔径3μm以下さらには、1μ以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
本発明のインクジェットインキは、25℃での粘度が5〜50mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度が5〜50mPa・sのインキは、特に通常の4〜10KHzの周波数を有するヘッドから、10〜50KHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。
粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められ、50mPa・sを越える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなる。
また、本発明のインクジェットインキは、ピエゾヘッドにおいては、10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインキとすることが好ましい。また、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
本発明のインクジェットインキを使用するには、まずこのインクジェットインキをインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
本発明の光硬化型インクジェットインキは重合反応に際して、紫外線や可視光線、近赤外線、電子線等によるエネルギーの付与により重合し、目的とする重合物を得ることが可能である。尚、本明細書でいう紫外線、可視光線、近赤外線等の定義は久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)によった。
したがって、本発明の光硬化型インクジェットインキは、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、発光ダイオード、CRT光源、プラズマ光源、電子線、γ線、ArFエキシマーレーザ、KrFエキシマーレーザ、F2レーザ等の各種光源によるエネルギーの付与により目的とする重合物や硬化物を得ることが出来る。
本発明で用いることのできる基材としては、非コート紙、コート紙、非吸収性支持体等が挙げられる。
具体的な非吸収性支持体としては、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムが挙げられ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることが出来る。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、金属類やガラス類も使用することが出来る。
本発明で得られた光硬化型インクジェットインキは、従来同様の手法を用いて、印刷や硬化をすることが出来る。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに、なんら限定されるものではない。尚、以下の実施例における表中の数字は重量%を表す。
実施例に先だって、実施例及び比較例に用いた化合物を表2に示す。
これらの表2に記載の化合物1〜30は、特願2006−5887、特願2006−19293、特願2006−19294、特願2006−194241に記載されている合成方法を用いることで得ることができた。また化合物31〜36はCiba Specialty Chemicals社の製品である。
まず、顔料と顔料分散剤とモノマーとからなるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック顔料分散体を作成した。このうちシアン顔料分散体の配合を表3に示す。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで攪拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作製した。
実施例1〜30、比較例1〜6
顔料分散体、モノマー、樹脂、光重合開始剤とを混合してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックインキを得た。このうちシアンインクジェットインキの配合を表4に示し、使用した光重合開始剤を表5に示す。
顔料分散体、モノマー、樹脂、光重合開始剤とを混合してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックインキを得た。このうちシアンインクジェットインキの配合を表4に示し、使用した光重合開始剤を表5に示す。
印刷インキの硬化性を以下のようにして評価した。インクジェットインキをUV−IJプリンターにてPETに印字したものを、紫外線照射(メタルハライドランプ120W/cm1灯)のコンベアスピード50m/分光照射を行なった後、インキ表面を接触してタックの有無を判定した結果を表6に示す。評価は以下の通りである。
○:タックなし
×:タックあり
○:タックなし
×:タックあり
本発明の光重合開始剤を用いた光硬化型インクジェットインキ(実施例1−30)は、一般的に使用されている光重合開始剤を用いた光硬化型インクジェットインキ(比較例1−4)と比較して明らかに良い硬化性を有していることが分かった。また本発明以外のオキシムエステルを光重合開始剤として用いた光硬化型インクジェットインキ(比較例5、6)と比較しても明らかに良い硬化性を有していることがわかった。すなわち本発明のジケト型オキシムエステルを光重合開始剤を用いることで、非常に高感度な光硬化型インクジェットインキを実現できることが分かった。
Claims (5)
- 少なくともモノマーと、顔料と、下記一般式(1)で表される光重合開始剤とからなる光硬化型インクジェットインキ。
一般式(1)
(式中、R1〜R5、およびR12〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキニル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、置換もしくは未置換のアシル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。また、これらR1〜R5、およびR12〜R16は、隣接する置換基が一体となって環を形成してもよい。
R6〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
XおよびYは、それぞれ独立に、一価の有機残基を表す。) - R12〜R16の少なくとも一つが、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアルキルスルファニル基、置換もしくは未置換のアリールスルファニル基、および置換もしくは未置換のアミノ基のいずれかである請求項1記載の光硬化型インクジェットインキ。
- R12〜R16の少なくとも一つが、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基である請求項1または2記載の光硬化型インクジェットインキ。
- 請求項1〜3いずれか記載の光硬化型インクジェットインキを印刷し、光照射によって硬化させる、印刷物の製造方法。
- 請求項4に記載の製造方法で得られる印刷物。
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CN103819583A (zh) * | 2014-03-18 | 2014-05-28 | 常州强力电子新材料股份有限公司 | 一种含硝基双肟酯类光引发剂及其制备方法和应用 |
-
2008
- 2008-03-26 JP JP2008079409A patent/JP2009235138A/ja active Pending
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