JP2009233643A - 乾式脱硫・脱硝装置を用いた排ガス処理方法 - Google Patents

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【課題】乾式脱硫・脱硝装置内部で発生する活性コークスのダストを低減することにより乾式脱硫・脱硝装置の排ガスとともに排出される煤塵およびダイオキシン類の濃度を低減することができる排ガス処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】活性コークスを用いた排ガスの乾式脱硫・脱硝装置において、活性コークスの突起部を面取りした後発生したダストを除去してなる活性コークスであって、ロガ強度が98%以上の当該活性コークスを使用する排ガス処理方法。
【選択図】図2

Description

本発明は活性コークスが装入された乾式脱硫・脱硝装置を用いた排ガス処理方法に関する。
活性コークスは、乾式脱硫・脱硝することを目的として開発された炭素系の多孔質材料である。この多孔性のため排ガス中の微量の有害成分に対して活性炭に類似した吸着性能を有し、排ガス中の硫黄酸化物またはダイオキシン類等を吸着・除去すると共に、100〜200℃の範囲においては脱硝触媒としての機能を発揮するため、窒素酸化物の除去作用も有する。
一般に、実機プラントに使用されている活性コークスは比表面積が150〜250m2/g程度であり、活性炭の比表面積に比べ1/5程度であるため、活性炭よりも安価に製造できるという利点がある。
ここで、活性コークスが装入された乾式脱硫・脱硝塔装置を用いた従来の排ガス処理方法の一例を図1に示す。
比表面積が150〜250m2/gで直径約10mm、長さ約15mmの円柱状の活性コークスは乾式脱硫・脱硝装置1に装入され、排ガスの脱硫・脱硝に供される。ここで硫黄酸化物は乾式脱硫・脱硝装置1の前段で注入されたアンモニアと反応してアンモニウム塩となり、活性コークスに吸着される。また、窒素酸化物はアンモニアと活性コークスの触媒作用で還元されて窒素になる。
次に、乾式脱硫・脱硝装置1から排出された活性コークスは再生塔2に移送され、ここで還元雰囲気にて400〜500℃で加熱され、吸着したSOxの脱離、ダイオキシン類の分解等が起こり、吸着性能が再生することになる。再生塔から排出された活性コークスは再び乾式脱硫・脱硝装置に装入され循環利用される。
しかしこの一連の循環工程において、乾式脱硫・脱硝装置内部または再生塔内部、更には輸送途中において、活性コークス同士の摩擦または各装置内壁との接触等により、活性コークス表面から微粉状のダストが発生する場合がある。
かかるダストが発生してしまうと、これらは排ガスと共に乾式脱硫・脱硝装置外に排出されることになり、結果として排ガス中の煤塵濃度の増加、更には排ガス中のダイオキシン類の濃度が増加することになる。
この対策として、例えば特許文献1には再生塔出口に分級機3を設けて、所定粒径以下のダストを分離・除去する方法が開示されている。または、乾式脱硫・脱硝装置の後段にバグフィルターを設置して排ガス中の煤塵を捕捉・除去する場合もある。
特開平11−347405号公報
しかし、再生塔出口または乾式脱硫・脱硝装置入口に分級機を設ける場合、分級機の前段で発生したダストの分離除去は可能であっても、乾式脱硫・脱硝装置内部で発生したダストの除去には対応できず、結果として排ガス中の煤塵濃度の増加、更には排ガス中のダイオキシン濃度の増加をもたらすことになる。
また、乾式脱硫・脱硝装置後段にバグフィルターを設置する場合、設備コストの増加等を招くことになる。
本発明者は、乾式脱硫・脱硝装置内部でのダストの発生メカニズムを研究した結果、以下の特性があることを見出し本発明を完成した。
即ち、乾式脱硫・脱硝装置に装入される活性コークスが、新品の形状に近いほど、ダストの発生量が多くなる傾向が見られた。これは、活性コークスが新品に近い形状ほど突起部が多く、これらが互いに擦れ合うことで微粉の発生源になっていると考えられる。
従って、これら突起部を予め除去することにより、乾式脱硫・脱硝装置内部から発生するダストを大幅に低減することができる。
即ち、本発明は、活性コークスを用いた排ガスの乾式脱硫・脱硝装置において、活性コークスの突起部を面取りした後発生したダストを除去してなる活性コークスであって、ロガ強度が98%以上の当該活性コークスを使用する排ガス処理方法を提供するものである。
ここで、ロガ強度とは耐摩耗性の指標であり、JIS M 8801に記載されているロガ試験方法に準じて、3mm以上の試料30gを回転ドラムに装入し、回転ドラムを1000回転(50rpm)させた後、3mm以上の篩に残ったものの割合で表したものである。
前記の排ガス処理方法を用いれば、乾式脱硫・脱硝装置内部で発生するダストを大幅に低減できるため、排ガスと共に排出されるダストを大幅に低減でき、これにより排ガス中の煤塵濃度、更にはダイオキシン類濃度を低減させることができる。また、後段にバグフィルターの設置を必要としないため、設備コストを抑制することもできる。
本発明の排ガス処理方法の一例を図2に示す。
活性コークスの突起部をドラム式等の面取り機で面取りした後、発生したダストは振動篩等の分級機により分離・除去される。次に、ダストを除去した活性コークスは乾式脱硫・脱硝装置1に装入され、排ガスの脱硫・脱硝に供される。硫黄酸化物は乾式脱硫・脱硝装置1の前段で注入されたアンモニアと反応してアンモニウム塩となり、活性コークスに吸着される。また、窒素酸化物はアンモニアと活性コークスの触媒作用で還元されて窒素になる。
次に、乾式脱硫・脱硝装置1から排出された活性コークスは再生塔2に移送され、ここで還元雰囲気にて400〜500℃で加熱されて、吸着したSOxの脱離やダイオキシン類の分解等が起こり、再び吸着性能を有する状態になる。そして再生塔2から排出された活性コークスは再生塔内で発生したダストと分離・除去されて、再び乾式脱硫・脱硝装置1に送られ循環利用される。尚、再生塔の出口には分級機3が設けられ、粒径2mm以下の活性コークスはここで分離・除去される。
[実施例]
活性コークスをドラム式面取り機4に投入し、24時間これを運転した。その後、振動篩5に移送し、粒径2mm以下のダストを除去した後、通常の活性コークスの供給ルートからダストを除去した活性コークスを装入した。この時の活性コークスのロガ強度は98%であり、また、乾式脱硫・脱硝装置から排出されたガス中の煤塵濃度は0.005g/m3Nでダイオキシン濃度は0.01ng−TEQ/m3Nであった。
[比較例]
実施例で用いた活性コークスを、面取りすることなくそのままの状態で通常の活性コークスの供給ルートから投入した。この時の活性コークスのロガ強度は95%であり、また、乾式脱硫・脱硝装置から排出されたガス中の煤塵濃度は0.02g/m3N、ダイオキシン濃度は0.05ng−TEQ/m3Nであった。
以上のことから、本発明の排ガス処理方法は、排ガス中の煤塵濃度の低減およびダイオキシン濃度の低減に高い効果があることが分かる。
従来の乾式脱硫・脱硝方法を用いた排ガス処理方法の一例を示す図である。 本発明の乾式脱硫・脱硝装置を用いた排ガス処理方法の一例を示す図である。
符号の説明
1 乾式脱硫・脱硝装置
2 再生塔
3 第一の分級機
4 面取り機
5 第二の分級機

Claims (1)

  1. 活性コークスを用いた排ガスの乾式脱硫・脱硝装置において、活性コークスの突起部を面取りした後発生したダストを除去してなる活性コークスであって、ロガ強度が98%以上の当該活性コークスを使用することを特徴とする排ガス処理方法。
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