JP2009232842A - 遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法 - Google Patents

遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009232842A
JP2009232842A JP2009049009A JP2009049009A JP2009232842A JP 2009232842 A JP2009232842 A JP 2009232842A JP 2009049009 A JP2009049009 A JP 2009049009A JP 2009049009 A JP2009049009 A JP 2009049009A JP 2009232842 A JP2009232842 A JP 2009232842A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
base sequence
sequence represented
chemical substance
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009049009A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryozo Tsuji
良三 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2009049009A priority Critical patent/JP2009232842A/ja
Publication of JP2009232842A publication Critical patent/JP2009232842A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】化学物質が有する発達神経毒性を簡便に検出する方法を提供すること。
【解決手段】
化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物由来の検体における、特定の遺伝子又はそのオーソログな遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子の発現レベルを測定する第一工程と、前記第一工程で得られた検体における前記遺伝子の発現レベルの測定値を当該遺伝子の発現レベルの対照値と比較し、その差異に基づいて当該検体における化学物質が有する発達神経毒性のレベルを評価する第二工程と、を有することを特徴とする化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法に関する。
化学物質を発達期にある哺乳動物に曝露させると、当該化学物質によって当該哺乳動物の神経系の形態や機能に影響を及ぼす発達神経毒性が惹起されることが知られている。具体的に、アルコール、鉛又はニコチン等の化学物質を発達期にある哺乳動物に曝露させると、当該哺乳動物の神経系における樹状突起の成長やシナプス形成の遅延等の形態的な変化や、当該神経系の自発運動量の増加等が生じ、これに関連して当該哺乳動物の学習能力が低下すること等が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
従来、このような化学物質が有する発達神経毒性を検出する方法として、化学物質が曝露された哺乳動物の自発運動量の測定、聴覚驚愕反応の測定、並びに記憶学習検査等の行動学的検査や、当該哺乳動物の脳重量の測定及び病理組織学的検査等を実施する方法が用いられてきた(例えば、非特許文献2参照)。
Handbook of developmental neurotoxicology edited by William Slikker,Jr and Louis W. Chang, ACADEMIC PRESS EPA Health Effects Test Guidelines (1998) OPPTS 870.6300 Developmental Neurotoxicity Study EPA 712-C-98-239
しかし、これらの化学物質が有する発達神経毒性を検出する方法を実施するには、多大な労力や時間を要していた。よって、簡便に化学物質が有する発達神経毒性を検出する方法の開発が切望されていた。
かかる状況の下、本発明者は鋭意検討した結果、哺乳動物に発現する特定の遺伝子(具体的には、後述する登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列を有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子)に関して、発達神経毒性を有する化学物質に接触させた哺乳動物由来の検体における当該遺伝子の発現レベルと、当該化学物質を接触させていない哺乳動物由来の検体における当該遺伝子の発現レベルとを比較した結果、明らかな差異を生じることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.化学物質が有する発達神経毒性の検出方法であって、
(1)前記化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における、下記登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列のいずれかを有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子の発現レベルを測定する第一工程と、
(2)前記第一工程で得られた検体における前記遺伝子の発現レベルの測定値を当該遺伝子の発現レベルの対照値と比較し、その差異に基づいて当該検体における化学物質が有する発達神経毒性のレベルを評価する第二工程と、
を有することを特徴とする化学物質が有する発達神経毒性の検出方法;
<登録番号1>
(a1)AB001382(配列番号1で示される塩基配列)
(a2)AI599423(配列番号2で示される塩基配列)
(a3)BI288619(配列番号3で示される塩基配列)
(a4)AI030650(配列番号4で示される塩基配列)
(a5)BI288701(配列番号5で示される塩基配列)
(a6)BG375198(配列番号6で示される塩基配列)
(a7)BF418582(配列番号7で示される塩基配列)
(a8)U77931(配列番号8で示される塩基配列)
(a9)Y10369(配列番号9で示される塩基配列)
(a10)BM389650(配列番号10で示される塩基配列)
(a11)NM_080906(配列番号11で示される塩基配列)
(a12)AI710051(配列番号12で示される塩基配列)
(a13)AI179404(配列番号13で示される塩基配列)
(a14)AI233288(配列番号14で示される塩基配列)
(a15)AI072956(配列番号15で示される塩基配列)
(a16)BF396316(配列番号16で示される塩基配列)
(a17)BE107169(配列番号17で示される塩基配列)
(a18)BM391860(配列番号18で示される塩基配列)
(b1)NM_054008(配列番号19で示される塩基配列)
(b2)BE102969(配列番号20で示される塩基配列)
(b3)AY030276(配列番号21で示される塩基配列)
(b4)BF565718(配列番号22で示される塩基配列)
(b5)AI411359(配列番号23で示される塩基配列)
(b6)NM_031642(配列番号24で示される塩基配列)
(b7)NM_012870(配列番号25で示される塩基配列)
(b8)AI704885(配列番号26で示される塩基配列)
(b9)BG380409(配列番号27で示される塩基配列)
(b10)AI764706(配列番号28で示される塩基配列)
(b11)BF413248(配列番号29で示される塩基配列)
(b12)AA900322(配列番号30で示される塩基配列)
(b13)BE107458(配列番号31で示される塩基配列)
(b14)BG668719(配列番号32で示される塩基配列)
(b15)BF405113(配列番号33で示される塩基配列)
(b16)AI576233(配列番号34で示される塩基配列)
2.前記検体が、器官を構成する細胞又はこの細胞の内容物が含まれる可能性のある試料である前項1に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法;
3.前記器官が大脳皮質である前項2記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法;
4.前記遺伝子の発現レベルの測定が、この遺伝子の転写産物量又は翻訳産物量の測定によりなされる前項1〜3のいずれか一項に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法;
5.前記遺伝子の発現レベルの対照値が、化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における当該遺伝子の発現レベルの測定値である前項1〜4のいずれか一項に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法;
6.前記哺乳動物が、児哺乳動物である前項1〜5のいずれか一項に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法;
7.前項1〜6のいずれか一項に記載された化学物質が有する発達神経毒性の検出方法により評価された当該化学物質が有する発達神経毒性のレベルに基づいて、当該発達神経毒性を有する化学物質を選抜する工程を更に有する発達神経毒性を有する化学物質の探索方法;
8.前記第一工程の前の工程として、
(A)妊娠期又は哺育期間中の母哺乳動物又は児哺乳動物を飼育する第A工程と、
(B)第A工程で飼育された母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は当該母哺乳動物細胞若しくは当該児哺乳動物細胞に対して化学物質を接触させる第B工程と、
(C)第B工程で化学物質が接触した母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は母哺乳動物細胞若しくは児哺乳動物細胞から前記第一工程で用いる検体を単離する第C工程と、
を更に有する前項1に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法;
9.前項1に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法により検出された化学物質が有する発達神経毒性に係るデータを入力、蓄積、並びに管理する手段aと、所望の結果を得るための条件に基づいて前記データを照会及び検索する手段bと、前記照会及び検索された結果を表示及び出力する手段cと、を有することを特徴とするシステム;
等を提供するものである。
本発明によって、特定の遺伝子の発現レベルを指標とした、化学物質が有する発達神経毒性の簡便な検定方法等を提供することができる。
実施例12の結果を示すグラフである。図中の*は、標準偏差p<0.05を意味する。 実施例12の結果を示すグラフである。図中の*は、標準偏差p<0.05を意味する。
本発明は、
(1)前記化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における、登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列のいずれかを有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子の発現レベルを測定する第一工程と、
(2)前記第一工程で得られた検体における前記遺伝子の発現レベルの測定値を当該遺伝子の発現レベルの対照値と比較し、その差異に基づいて当該検体における化学物質が有する発達神経毒性のレベルを評価する第二工程と、を有する化学物質が有する発達神経毒性の検出方法に関するものである。
第一工程で使用される哺乳動物とは、例えば、ラット、マウス等のげっ歯類動物等を挙げることができ、当該哺乳動物に対して化学物質を接触させる方法としては、例えば、当該哺乳動物に対して化学物質を経口投与(強制又は飲料水や餌に混合)、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、経気道投与する方法等が挙げられる。このときの投与量、投与回数及び投与期間は、例えば、哺乳動物の全身状態や全身諸器官組織等に重篤な影響を及ぼさない範囲内(例えば投与量は、最大耐量)とすればよい。
検体は、化学物質に接触(投与)した哺乳動物個体由来の検体と、化学物質に接触した哺乳動物細胞由来の検体とがある。
化学物質に接触(投与)した哺乳動物個体由来の検体とは、例えば、前段落で記載した方法を用いて、化学物質を接触(投与)させた哺乳動物由来の大脳皮質等の器官を構成する細胞又はこの細胞の内容物が含まれる可能性のある試料(生体試料)等を挙げることができる。より具体的に例えば、当該哺乳動物から採取された大脳皮質等の組織、或いはこれらの組織から分離された細胞又はこの細胞の培養細胞等を挙げることができる。また、これらの細胞は処理せずそのまま用いてもよく、かかる細胞から分離、分画、固定化等の種々の処理により調製された細胞を用いてもよい。
また、化学物質に接触した哺乳動物細胞由来の検体とは、例えば、前段落で記載した方法を用いずに、すなわち化学物質を接触(投与)させていない哺乳動物由来の大脳皮質等の器官を構成する細胞又はこの細胞の内容物が含まれる可能性のある試料(生体試料)等に化学物質を接触させたものを挙げることができる。より具体的に例えば、当該哺乳動物から採取された大脳皮質等の組織、或いはこれらの組織から分離された細胞又はこの細胞の培養細胞等に化学物質を接触させたものを挙げることができる。また、これらの細胞は処理せずそのまま用いてもよく、かかる細胞から分離、分画、固定化等の種々の処理により調製された細胞を用いてもよい。
本発明において、発現レベルが測定される遺伝子は、以下の登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列のいずれかを有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子(以下、本遺伝子と記すこともある。)から選ばれる1以上の遺伝子である。また、本遺伝子は、これらの塩基配列と全く同一の塩基配列を有する遺伝子の他、当該塩基配列に生物の種差、個体差若しくは器官、組織間の差異等により天然に生じる変異による塩基の欠失、置換若しくは付加が生じた塩基配列を有する遺伝子も含まれる。
<登録番号1>
(a1)AB001382(配列番号1で示される塩基配列)
(a2)AI599423(配列番号2で示される塩基配列)
(a3)BI288619(配列番号3で示される塩基配列)
(a4)AI030650(配列番号4で示される塩基配列)
(a5)BI288701(配列番号5で示される塩基配列)
(a6)BG375198(配列番号6で示される塩基配列)
(a7)BF418582(配列番号7で示される塩基配列)
(a8)U77931(配列番号8で示される塩基配列)
(a9)Y10369(配列番号9で示される塩基配列)
(a10)BM389650(配列番号10で示される塩基配列)
(a11)NM_080906(配列番号11で示される塩基配列)
(a12)AI710051(配列番号12で示される塩基配列)
(a13)AI179404(配列番号13で示される塩基配列)
(a14)AI233288(配列番号14で示される塩基配列)
(a15)AI072956(配列番号15で示される塩基配列)
(a16)BF396316(配列番号16で示される塩基配列)
(a17)BE107169(配列番号17で示される塩基配列)
(a18)BM391860(配列番号18で示される塩基配列)
(b1)NM_054008(配列番号19で示される塩基配列)
(b2)BE102969(配列番号20で示される塩基配列)
(b3)AY030276(配列番号21で示される塩基配列)
(b4)BF565718(配列番号22で示される塩基配列)
(b5)AI411359(配列番号23で示される塩基配列)
(b6)NM_031642(配列番号24で示される塩基配列)
(b7)NM_012870(配列番号25で示される塩基配列)
(b8)AI704885(配列番号26で示される塩基配列)
(b9)BG380409(配列番号27で示される塩基配列)
(b10)AI764706(配列番号28で示される塩基配列)
(b11)BF413248(配列番号29で示される塩基配列)
(b12)AA900322(配列番号30で示される塩基配列)
(b13)BE107458(配列番号31で示される塩基配列)
(b14)BG668719(配列番号32で示される塩基配列)
(b15)BF405113(配列番号33で示される塩基配列)
(b16)AI576233(配列番号34で示される塩基配列)
Genbankに登録されている塩基配列に関する情報は、例えば、National Center for Biotechnology Information のWEBペ−ジ(URL;http://www.ncbi.nlm.nih.gov)から、Genbankによって各遺伝子に付与されている前記登録番号 (Accession No.)をもとに検索することによって入手することができる。因みに、Genbankの他、DDBL及びEMBLの各デ−タバンクが公開している全てのデ−タは誰でも制限なしで利用でき、これら3デ−タバンクで構成される国際塩基配列デ−タベ−ス(international Nucleotide Sequence Databases, INSD)の諮問機関である国際諮問委員会により作成された「DDBL/EMBL/Genbankの登録デ−タの取り扱い」(2002年5月23−24日)には、当該INSDに登録されたデ−タは科学資料として永久に保存及び公開されることが明文化されており、如何なる当業者であっても登録番号 (Accession No.)に基づきデ−タの照合、検索、及び入手等が可能である。
本遺伝子の発現レベルの測定は、例えば、単位検体量当たりの本遺伝子の転写産物量を測定する方法や、単位検体量当たりの本遺伝子の翻訳産物量を測定する方法等により行うことができる。
本遺伝子の転写産物量を測定するには、例えば、本遺伝子の転写産物であるmRNA量を測定する。本遺伝子のmRNA量の測定は、具体的に例えば、ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法[J.Sambrook, E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラ−・クロ−ニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コ−ルドスプリング・ハ−バ−・ラボラトリ−(Cold Spring Harbor Laboratory)発行、1989年]、定量的リアルタイム−ポリメラ−ゼチェイン反応(以下、定量的RT−PCRと記す。)、DNAアレイ法、インサイチュ−ハイブリダイゼ−ション法等により行うことができる。
本遺伝子の転写産物量の測定方法について更に詳述する。
本遺伝子の転写産物であるmRNA量は、例えば、本遺伝子の塩基配列に基づいて設計、調製されたプロ−ブ又はプライマ−を使用して、通常の遺伝子工学的方法、例えば、ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法、定量的RT−PCR、DNAアレイ法、インサイチュ−ハイブリダイゼ−ション法等を用いることによって測定することができる。具体的に例えば、J.Sambrook, E.F.Frisch,T.Maniatis著;モレキュラ−・クロ−ニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コ−ルドスプリング・ハ−バ−・ラボラトリ−(Cold Spring Harbor Laboratory)発行、1989年等に記載された方法に準じて行うことができる。
この際、細胞組織における発現レベルが恒常的に一定であることが知られている遺伝子(以下、対照遺伝子と記す。)、例えば、β−actin遺伝子(Nucl.Acids.Res., vol.12,No.3, p.1687,1984)や36B4(Acidic Ribosomal Phosphoprotein)(Nucl.Acids.Res., vol.19,No.14, p.3998,1991)遺伝子等のmRNA量を同時に測定しても良い。そして、この対照遺伝子のmRNA量若しくはその指標値当たりの本遺伝子のmRNA量又はその指標値を算出することにより、本遺伝子の発現レベルを求めてもよい。
(1.ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法)
まず、mRNA量を測定しようとする本遺伝子のDNAを調製し、次いで、その全部又は一部からなるDNAを標識してプロ−ブを調製する。本遺伝子は、市販のcDNA(例えば宝酒造から入手)又は以下に示した方法により調製したcDNAを鋳型にしてPCR等によって調製することができる。例えば、まず本遺伝子を発現する組織から、塩酸グアニジン/フェノ−ル法、SDS−フェノ−ル法、グアニジンチオシアネ−ト/CsCl法等の通常の方法によって全RNAを抽出する。このとき例えば、ISOGEN(ニッポンジ−ン製)等の市販のキットを利用して全RNAを抽出してもよい。
抽出された全RNAから、例えば、以下のようにしてmRNAを調製する。まず、オリゴdTをリガンドとして有するポリAカラムを5倍カラム容量以上のLoading buffer[20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.6)、0.5M NaCl、1mM EDTA、0.1%(w/v)SDS]を用いて、平衡化し、続いて前述の方法で調製された全RNAをカラムにかけ、10倍カラム容量のloading bufferで洗浄する。更に5倍カラム容量のWashing buffer[20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.6)、0.1M NaCl、1mM EDTA、0.1%(w/v)SDS]で洗浄する。続いて、3倍カラム容量のelution buffer[10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.6)、1mM EDTA、0.05%(w/v)SDS]でmRNAを溶出させることによってmRNAを得る。
次いで、オリゴdTプライマ−を前記全RNA又はmRNAのポリA鎖にアニ−ルさせ、例えばcDNA合成キット(宝酒造)のプロトコ−ルに従って、一本鎖cDNAを合成する。この時、鋳型とするRNAは、全RNA又はmRNAのどちらでも良いが、mRNAを用いる方がより好ましい。
前記一本鎖cDNAを鋳型にして、TaKaRa taq(宝酒造)等のDNA polymeraseを用いてPCRすることにより、DNAを増幅する。PCRの条件は、測定対象とする動物の種類、使用するプライマ−の配列等により異なるが、例えば、反応緩衝液[10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、50mM KCl,1.5mM MgCl2]中、2.5mM NTP存在下で、94℃,30秒間次いで40℃〜60℃,2分間更に72℃,2分間の保温を1サイクルとしてこれを30〜55サイクル行う条件等を挙げることができる。
このようにして増幅された本遺伝子のDNAは、pUC118等のベクタ−に挿入してクロ−ニングしておいてもよい。当該DNAの塩基配列は、Maxam Gilbert法 (例えば、Maxam,A.M&W.Gilbert, Proc.Natl.Acad.Sci.,74,560,1977 等に記載)やSanger法(例えばSanger,F.&A.R.Coulson,J.Mol.Biol.,94,441,1975 、Sanger,F,& Nicklen and A.R.Coulson., Proc.Natl.Acad.Sci.,74,5463,1977等に記載)等により確認することができる。
また、このようにして調製された本遺伝子のDNAの全部又はその一部を、次のようにして放射性同位元素や蛍光色素等で標識することによりプロ−ブを調製することができる。例えば、前述の方法により調製されたDNAを鋳型とし、当該DNAの塩基配列の部分配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマ−に用いて、[α−32P]dCTP又は[α−32P]dATPを含むdNTPを反応液に添加してPCRを行うことにより32Pで標識されたプロ−ブが得られる。また、前述の方法により調製されたDNAを、例えば、Random prime labeling Kit(ベ−リンガ−マンハイム社)、MEGALABEL(宝酒造)等の市販の標識キットを用いて標識してもよい。
次に、前記プロ−ブを使用して、ノ−ザンハイブリダイゼ−ション分析を行う。具体的には、遺伝子の発現レベルを測定しようとする組織又は細胞から全RNA又はmRNAを調製する。調製された全RNA 20μg又はmRNA 2μgをアガロ−スゲルで分離し、10×SSC(1.5M NaCl、0.35Mクエン酸ナトリウム)で洗浄した後、ナイロンメンブラン[例えば、Hybond−N(アマシャム製)等]に移す。ポリエチレン袋にメンブランを入れ、ハイブリダイゼ−ションバッファ−〔6×SSC(0.9M NaCl、0.21Mクエン酸ナトリウム)、5×デンハルト溶液[0.1%(w/v)フィコ−ル400、0.1%(w/v)ポリビニルピロリドン、0.1%BSA]、0.1%(w/v)SDS,100μg/ml変性サケ精子DNA、50%ホルムアミド〕25mlを加えて、50℃、2時間インキュベ−トした後、ハイブリダイゼ−ションバッファ−を捨て、新たに2ml〜6mlのハイブリダイゼ−ションバッファ−を加える。更に前記方法で得られたプロ−ブを加え、50℃、一晩インキュベ−トする。ハイブリダイゼ−ションバッファ−としては、前記のほかに、市販のDIG EASY Hyb(ベ−リンガ−マンハイム社)等を用いることができる。メンブランを取り出して、50〜100mlの2×SSC、0.1% SDS中で室温、15分間インキュベ−トし、更に同じ操作を1回繰り返し行い、最後に50〜100mlの0.1×SSC、0.1% SDS中で68℃、30分間インキュベ−トする。メンブラン上の標識量を測定することにより、本遺伝子の転写産物であるmRNAの量を測定することができる。
(2.定量的RT−PCR)
本遺伝子の発現レベルを測定しようとする組織又は細胞から前記(1 ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法)の方法でmRNAを調製する。調製されたmRNAに例えばMMLV(東洋紡)等の逆転写酵素を添加し、反応緩衝液[50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、3mM MgCl2、75mM KCl、10mM DTT]中、0.5mM dNTP及び25μg/mlオリゴdT存在下で42℃、15分間〜1時間反応させ、対応するcDNAを調製する。cDNA合成キット(宝酒造)を用いて対応するcDNAを調製しても良い。調製されたcDNAを鋳型にして、本遺伝子の塩基配列の一部分を有するDNAをプライマ−としてPCRを行う。プライマ−としては、例えば、登録番号AB001382でGenbankに登録されている塩基配列を有する遺伝子の部分塩基配列を有するプライマ−を挙げることができる。PCRの条件としては、例えば、例えば、TAKARA taq(宝酒造)を使用し、反応緩衝液[10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、50mM KCl,1.5mM MgCl2]中、2.5mM dNTP及び[α32P]−dCTP存在下で、例えば、94℃,30秒間次いで40℃〜60℃,2分間更に72℃,2分間の保温を1サイクルとしてこれを30〜55サイクル行う条件を挙げることができる。増幅されたDNAをポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、分離されたDNAの放射活性量を測定することにより、本遺伝子のmRNAの量を測定することができる。或いはまた、例えば、TAKARA taq(宝酒造)を使用し、反応緩衝液[10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、50mM KCl,1.5mM MgCl2]中、SYBR Green PCR ReagentsPCR(ABI社) 25μlを含む50μlの反応液を調製し、ABI7700(ABI社)を用いて、50℃,2分間次いで95℃,10分間の保温の後、95℃,15秒間次いで60℃,1分間の保温を1サイクルとしてこれを40サイクル実施する条件でPCRを行う。増幅されたDNAの蛍光を測定することにより、本遺伝子のmRNAの量を測定することができる。
(3.DNAアレイ解析)
本遺伝子の転写産物量の測定には、ナイロンメンブラン等のメンブランフィルタ−等に本遺伝子のcDNAをスポットして作製されるマクロアレイ、スライドガラス等に本遺伝子のcDNAをスポットして作製されるマイクロアレイ、スライドガラス上に本遺伝子の塩基配列の部分配列を有するオリゴヌクレオチド(通常18〜25merの鎖長)を光化学反応を利用して固定して作製されるプロ−ブアレイ等、公知の技術に基づいたDNAアレイを利用することができる。これらのアレイの作製は、例えばゲノム機能研究プロトコ−ル 実験医学別冊(羊土社刊)等に記載された方法に準じて行うことができる。またAffymetrix社等から市販されているGenechip等を利用することもできる。
以下、前記DNAアレイを用いて本遺伝子の転写産物量を測定する方法の一例を示す。
(3−1.マクロアレイによる定量)
本遺伝子の発現レベルを測定しようとする組織又は細胞から前記(1 ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法)の方法でmRNAを調製する。調製されたmRNAに、例えばMMLV(東洋紡社)等の逆転写酵素を添加し、反応緩衝液[例えば50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、3mM MgCl2、75mM KCl、及び10mM DTTを含む液]中、0.5mMdNTP、[α32P]−dCTP、及び25μg/mlオリゴdT存在下で42℃、15分間〜1時間反応させて、標識DNAを調製し、これをプロ−ブとする。このとき、cDNA合成キット(宝酒造)等を用いても良い。メンブランフィルタ−に本遺伝子のcDNAをスポットして作製されたマクロアレイをポリエチレン袋に入れ、ハイブリダイゼ−ションバッファ−〔6×SSC(0.9M NaCl、0.21Mクエン酸ナトリウム)、5×デンハルト溶液[0.1%(w/v)フィコ−ル400、0.1%(w/v)ポリビニルピロリドン、0.1% BSA]、0.1%(w/v) SDS,100μg/ml変性サケ精子DNA、50%ホルムアミド〕25mlを加えて、50℃、2時間インキュベ−トした後、ハイブリダイゼ−ションバッファ−を除去し、新たに2ml〜6mlのハイブリダイゼ−ションバッファ−を添加する。更に前記プロ−ブを加え、50℃、一晩インキュベ−トする。ハイブリダイゼ−ションバッファ−としては、前記のほかに、市販のDIG EASY Hyb(ベ−リンガ−マンハイム社)等を用いることもできる。マクロアレイを取り出して、50ml〜100mlの2×SSC、0.1% SDSに浸し室温にて15分間程度インキュベ−トした後、更に同じ操作を1回繰り返し行い、最後に50ml〜100mlの0.1×SSC、0.1% SDS中で68℃、30分間インキュベ−トする。マクロアレイ上の標識量を測定することにより、本遺伝子の転写産物であるmRNAの量、即ち、本遺伝子の発現量を測定することができる。
(3−2.マイクロアレイによる定量)
本遺伝子の発現レベルを測定しようとする組織又は細胞から前記(1 ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法)の方法でmRNAを調製する。調製されたmRNAに、例えばMMLV(東洋紡社)等の逆転写酵素を添加し、反応緩衝液[例えば、50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.3)、3mM MgCl2、75mM KCl、及び10mM DTTを含む液]中、0.5mM dNTP、Cy3−dUTP、(又はCy5−dUTP)及び25μg/mlオリゴdT存在下で42℃、15分間〜1時間反応させる。アルカリバッファ−(例えば、1N NaOH、20mM EDTAを含む液)を加え、65℃10分間保温した後、MicroconYM−30等を用いて遊離のCy3又はCy5を除くことにより蛍光標識DNAを調製し、これをプロ−ブとする。得られたプロ−ブを用いてマイクロアレイに対して(3−1 DNAマクロアレイによる定量)に記載された方法でハイブリダイゼ−ションを行う。アレイ上のシグナル量をスキャナ−により測定することによって、本遺伝子の転写産物であるmRNAの量、即ち、本遺伝子の発現量を測定することができる。
(3−3.プロ−ブアレイによる定量)
本遺伝子の発現レベルを測定しようとする組織又は細胞から前記(1 ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法)の方法でmRNAを調製する。調製されたmRNAに、例えば、cDNA合成キット(GENSET社)等を用いてcDNAを調製する。調製されたcDNAを、例えば、ビオチンラベル化cRNA合成キット(In Vitro Transcription社)(Enzo社)等によりビオチン標識し、cRNA cleanup and quantitation キット(In Vitro Transcription社)により精製する。生成されたビオチン標識DNAをFragmentation バッファ−(200mMトリス酢酸(pH8.1)、500mM KOAc、150mM MgOAc)により断片化する。これに内部標準物質Contol Oligo B2 (Amersham社製)、100×Control cRNA Cocktail、Herring sperm DNA (Promega社製)、Acetylated BSA(Gibco−BRL社製)、2×MES Hybridization Buffer〔200mM MES、2M [Na], 40mM EDTA、0.02% Tween20 (Pierce社製)、pH6.5〜6.7〕及びDEPC処理滅菌蒸留水を加え、ハイブリカクテルを作製する。
1×MESハイブリダイゼ−ションバッファ−で満たしたプロ−ブアレイ[例えば、Genechip(Affymetrix社製)等]を、ハイブリオ−ブン内で、45℃、60rpm、10分間回転させた後、1×MESハイブリダイゼ−ションバッファ−を除去する。その後、当該プロ−ブアレイに前記のハイブリカクテル200μlを添加し、ハイブリオ−ブン内で45℃、60rpm、16時間回転させる(ハイブリダイゼ−ション)。続いてハイブリカクテルを除去し、Non−Stringent Wash Buffer〔6×SSPE[20×SSPE(ナカライテスク社製)を希釈]、0.01% Tween20、及び0.005% Antifoam0−30(Sigma社)を含む〕で満たした後、GeneChip Fluidics Station 400(Affymetrix社製)の所定の位置に前記プロ−ブアレイを装着し、プロトコ−ルに従って洗浄する。次いで、MicroArray Suite(Affymetrix社)の染色プロトコ−ルEuKGE−WS2に従って当該プロ−ブアレイを染色する。HP GeneArray Scanner(Affymetrix社製)により570nmの蛍光輝度を測定することにより、本遺伝子の転写産物であるmRNAの量、即ち、本遺伝子の発現量を測定することができる。
(4.インサイチュ−ハイブリダイゼ−ション法)
基本的には1)組織の固定、包埋、及び切片の作製、2)プロ−ブの調製、3)ハイブリダイゼ−ションによる検出からなり、あらかじめ放射性若しくは非放射性物質で標識されたRNA又はDNAをプロ−ブとすること以外は、例えば、Heiles,H.et al., Biotechniques,6,978,1988、遺伝子工学ハンドブック 羊土社 278 1991、細胞工学ハンドブック,羊土社,214,1992、細胞工学ハンドブック,羊土社,222,1992等に記載される方法に準じて行うことができる。
RNAプロ−ブを調製する場合には、まず、例えば前記(1 ノ−ザンハイブリダイゼ−ション法)の方法で本遺伝子のDNAを取得し、当該DNAをSP6、T7、T3RNAポリメラ−ゼプロモ−タ−をもったベクタ−(例えばStratagene社のBluescript、Promega社のpGEM等)に組み込んで大腸菌に導入し、プラスミドDNAを調製する。次いで、センス(ネガティブコントロ−ル用)、アンチセンス(ハイブリダイゼ−ション用)RNAができるようにプラスミドDNAを制限酵素で切断する。これらDNAを鋳型とし、放射性標識の場合はα−35S−UTP等、非放射性標識の場合にはディゴキシゲニンUTP又はフルオレセイン修飾UTP等を基質として、SP6、T7、T3RNAポリメラ−ゼを用いてRNAを合成しながら標識し、アルカリ加水分解によりハイブリダイゼ−ションに適したサイズに切断することによって、あらかじめ放射性若しくは非放射性物質で標識されたRNAを調製する。なお、これらの方法に基づいたキットとしては、例えば、放射性標識用にはRNAラベリングキット(アマシャム社)が、非放射性標識用にはDIG RNAラベリングキット(ベーリンガーマンハイム社)やRNAカラ−キット(アマシャム社)が市販されている。
また、DNAプロ−ブを調製する場合には、例えば、32P等で標識した放射性ヌクレオチド又はビオチン、ディゴキシゲニン若しくはフルオレセインで標識したヌクレオチドを、ニックトランスレ−ション法(J.Mol.Biol.,113,237,Molecular Cloning,A Laboratory Manual 2nd ed.,10,6−10,12,Cold Spring Harbor Lab.)又はランダムプライム法(Anal.Biochem., 132,6,Anal.Biochem.,137,266)によって取り込ませることによって、あらかじめ放射性若しくは非放射性物質で標識されたDNAを調製する。これらの方法に基づいたキットとしては、例えば、放射性標識用にはニックトランスレ−ションキット(アマシャム社)やRandom Prime Labeling Kit(ベーリンガーマンハイム社)が、非放射性標識用にはDIG DNA標識キット(ベーリンガーマンハイム社)、DNAカラ−キット(アマシャム社)等が市販されている。
具体的には、本遺伝子の発現レベルを測定しようとする組織又は細胞をパラホルムアルデヒド等で固定し、パラフィン等に包埋した後、薄切切片を作製しスライドグラスに張り付ける。又は、当該組織又は細胞をOCTコンパウンドに包埋後、液体窒素又は液体窒素で冷却したイソペンタン中にて凍結させ、その薄切切片を作製し、スライドグラスに張り付ける。このようにしてスライド標本を得る。
次に、前記組織又は細胞中にあって使用されるプロ−ブと非特異的に反応する物質を除去するために、前記のようにして作製されたスライドグラス切片をプロテイナ−ゼK処理し、アセチル化する。次いで、当該スライドグラス切片と前記のようにして調製されたプロ−ブとのハイブリダイゼ−ションを行う。例えば、前記プロ−ブを90℃で3分間加熱した後ハイブリダイゼ−ション溶液で希釈し、当該溶液を前処理の終了したスライドグラス切片上に滴下してフィルムでおおい、モイスチャーチャンバー中で45℃、16時間保温することにより、ハイブリッドを形成させる。ハイブリダイゼ−ションの後、非特異的吸着又は未反応プロ−ブを洗浄等(RNAプロ−ブを用いた場合はRNase処理も加える)により除去する。転写産物量は、例えば、スライドグラス切片上の標識量を測定すること、或いは薄切切片中のラジオアイソト−プ若しくは蛍光活性を示す部分の面積若しくは細胞数をカウントすることにより、本遺伝子の転写産物であるmRNAの量又はそれに相当する値を測定することができる。
本遺伝子の翻訳産物量を測定するには、例えば、本遺伝子の塩基配列にコ−ドされるアミノ酸配列を有する蛋白質の量を測定する。この蛋白質の量の測定は、具体的に例えば、蛋白質に対する特異抗体を用いた免疫学的測定法(例えば、ELISA、ウェスタンブロット、RIA、免疫組織化学的検査等)、二次元電気泳動法、高速液体クロマトグラフィ−等により行うことができる。なお、前記特異抗体は、常法に準じて、本遺伝子の塩基配列にコ−ドされるアミノ酸配列を有する蛋白質を免疫抗原として調製することができる。
第二工程では、第一工程で得られた検体における本遺伝子の発現レベルの測定値を当該遺伝子の発現レベルの対照値と比較し、その差異に基づいて当該検体における化学物質が有する発達神経毒性のレベルを評価する。
ここで本遺伝子の発現レベルの対照値とは、例えば、化学物質に接触していない哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における当該遺伝子の発現レベルの測定値を挙げることができる。かかる対照値は、化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における当該遺伝子の発現レベルと併行して測定して求めてもよいし、別途測定して求めてもよい。また、発達神経毒性を有する公知の化学物質又は発達神経毒性を有しない公知の化学物質に予め接触した哺乳動物由来の検体における本遺伝子の発現レベルを測定して求めてもよい。
例えば、化学物質に接触していない哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における本遺伝子の発現レベルの測定値を対照値として、化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における、前記登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列を有する遺伝子又はそのオ−ソログな遺伝子の発現レベルの測定値が対照値と有意に異なれば、当該化学物質は発達神経毒性を有すると評価することができる。
具体的に例えば、化学物質が発達神経毒性を有する場合、当該化学物質に接触していない哺乳動物個体由来の大脳皮質又は海馬における本遺伝子又はそのオ−ソログな遺伝子の発現レベルの測定値を対照値として、当該化学物質に接触した哺乳動物個体由来の大脳皮質における前記登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列(a1〜a18)を有する遺伝子又はそのオ−ソログな遺伝子の発現レベルの測定値が対照値よりも高ければ、化学物質に発達神経毒性があると評価することができる。
一方、化学物質に接触していない哺乳動物個体由来の大脳皮質又は海馬における本遺伝子又はそのオ−ソログな遺伝子の発現レベルの測定値を対照値として、当該化学物質に接触した哺乳動物個体由来の大脳皮質あるいは海馬における前記登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列(b1〜b16)を有する遺伝子又はそのオ−ソログな遺伝子の発現レベルの測定値が対照値よりも低高ければ、化学物質に発達神経毒性があると評価することができる。
また、この化学物質が有する発達神経毒性のレベルに基づいて、当該発達神経毒性を有する化学物質を選抜、探索することができる。具体的に例えば、特定の化学物質に接触していない哺乳動物個体由来の大脳皮質における前記登録番号1に示されるGenebankに登録されている塩基配列を有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子の発現レベルの測定値を対照値として、当該特定の化学物質に接触した哺乳動物個体由来の大脳皮質あるいは海馬における本遺伝子又はそのオーソログな遺伝子の発現レベルの測定値が前記対照値と有意に異なれば、当該特定の化学物質が発達神経毒性を有する化学物質であることが分かる。
また、前記第一工程の前の工程として、
(A)妊娠期又は哺育期間中の母哺乳動物又は児哺乳動物を飼育する第A工程と、
(B)第A工程で飼育された母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は当該母哺乳動物細胞若しくは当該児哺乳動物細胞に対して化学物質を接触させる第B工程と、
(C)第B工程で化学物質が接触した母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は母哺乳動物細胞若しくは児哺乳動物細胞から前記第一工程で用いる検体を単離する第C工程と、
を更に行うことによって化学物質が有する発達神経毒性を検出することができる。
第A工程において、妊娠期又は哺育期間中の母哺乳動物又は児哺乳動物を飼育するには、例えば、動物業者から妊娠期又は哺育期間中の哺乳動物を購入して飼育しても良いし、又は非妊娠期の雌哺乳動物を雄哺乳動物と交配させることにより妊娠期又は哺育期間中の哺乳動物を入手して飼育してもよい。なお、分娩前にはケージ内に床敷を敷いた分娩用受け皿を装着し、児哺乳動物は床敷存在下で飼育するとよい。
第B工程において、母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体に対して化学物質を接触させる方法としては、例えば、当該母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体に対して化学物質を経口投与(強制又は飲料水や餌に混合)、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、経気道投与する方法等が挙げられる。このときの投与量、投与回数及び投与期間は、例えば、当該哺乳動物の全身状態や全身諸器官組織等に重篤な影響を及ぼさない範囲内(例えば投与量は、最大耐量)とすればよい。また、投与は母哺乳動物に対して行い、胎盤又は乳汁移行により児哺乳動物へ化学物質を曝露させてもよいし、直接、前記投与方法等を用いて児哺乳動物に化学物質を投与してもよい。もちろん、母哺乳動物及び児哺乳動物共に投与してもよい。
具体的に例えば、第A工程により飼育された児哺乳動物に対して化学物質を投与するには、以下のように行えばよい。児哺乳動物に対して化学物質を、例えば、胎生6日から生後21日までの1日間以上、少なくとも1日1回以上、経口投与、皮下投与又は吸入投与する。
第B工程において、母哺乳動物細胞若しくは児哺乳動物細胞に対して化学物質を接触させる方法としては、例えば、前段落で記載した方法を用いずに、すなわち化学物質を接触(投与)させていない母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体由来の大脳皮質又は海馬等の器官を構成する細胞又はこの細胞の内容物が含まれる可能性のある試料(生体試料)等に化学物質を接触させる方法を挙げることができる。より具体的に例えば、当該母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体から採取された大脳皮質又は海馬等の組織、或いはこれらの組織から分離された細胞又はこの細胞の培養細胞等に化学物質を接触させる方法を挙げることができる。また、これらの細胞は処理せずそのまま化学物質を接触させてもよく、或いは細胞から分離、分画、固定化等の種々の処理により調製された細胞に化学物質を接触させてもよい。
具体的に第B工程における化学物質の経口投与は、例えば、以下の手順で行えばよい。
まず、投与液の作製に関して、化学物質を必要量秤量し、これをそのまま投与液とする。必要に応じて適当な溶媒(コーンオイルや約0.25〜0.5%のメチルセルロース溶液等)を用いて溶液又は均一な懸濁液を作製する。経口投与は注射筒及び弾性カテーテル等を用いて母哺乳動物個体1匹当たり約5〜10mL/kg/dayの液量で少なくとも1日1回以上経口投与する。或いは児哺乳動物個体に直接投与する場合は児哺乳動物1匹当たり約10μL/gの液量で1日1回以上経口投与する。これを1日間以上継続して行う。
具体的に第B工程における化学物質の皮下投与は、例えば、以下の手順で行えばよい。
まず、投与液の作製に関して、化学物質を必要量秤量し、これをそのまま投与液とする。必要に応じて適当な溶媒(コーンオイルや約0.25〜0.5%のメチルセルロース溶液等)を用いて溶液又は均一な懸濁液を作製する。皮下投与は注射筒及び注射針等を用いて、母哺乳動物個体1匹当たり約0.5〜1mL/kg/dayの液量で少なくとも1日1回以上皮下投与する。これを1日間以上継続して行う。
具体的に第B工程における化学物質の吸入投与は、例えば、以下の手順で行えばよい。
まず、投与液の作製に関して、化学物質を必要量秤量し、これをそのまま投与液とする。必要に応じて適当な溶媒(コーンオイルやアセトン等)を用いて作製した溶液を噴霧装置に装着する。吸入投与は適当な曝露チャンバーを用いて、母哺乳動物個体又は児哺乳動物個体の自発呼吸により吸引させることにより行う。少なくとも、1日1回以上、1回当たり連続約4時間以上吸入投与する。これを1日間以上継続して行う。
第C工程において、第B工程後、化学物質に接触させられた母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は母哺乳動物細胞若しくは児哺乳動物細胞から前記第一工程で用いる検体を単離するには、当該分野における通常の方法により行えばよい。
化学物質に接触させられた母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体から前記第一工程で用いる検体を単離するには具体的に例えば、まず、第B工程における最終投与日の翌日、母哺乳動物個体又は児哺乳動物個体を断頭して致死させる。その後、当該母哺乳動物個体又は児哺乳動物個体から出来るだけ早く脳を摘出する。摘出された脳は、冷えたトレー上で大脳皮質を分割し、液体窒素で即座に凍結し、−80℃で保存すればよい。
また、化学物質に接触させられた母哺乳動物細胞若しくは児哺乳動物細胞から前記第一工程で用いる検体を単離するには具体的に例えば、前記第B工程で得られた化学物質に接触させられた細胞をそのまま検体として保存してもよく、或いは当該細胞から分離、分画、固定化等の種々の処理により調製された細胞を検体として用いてもよい。
なお、前記母哺乳動物細胞とは、前記母哺乳動物個体から採取した細胞のことであり、前記児哺乳動物細胞とは、前記児哺乳動物個体から採取した細胞のことである。
次に、前記のようにして化学物質に接触させられた母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は母哺乳動物細胞若しくは児哺乳動物細胞由来の検体における本遺伝子の発現レベルを、前述のように、例えば単位検体量当たりの本遺伝子の転写産物量を測定する方法、単位検体量当たりの本遺伝子の翻訳産物量を測定する方法等により測定することができる。
また本発明は、化学物質が有する発達神経毒性の検出方法により検出された当該化学物質が有する発達神経毒性に係るデータを入力、蓄積、並びに管理する手段aと、所望の結果を得るための条件に基づいて前記データを照会及び検索する手段bと、前記照会及び検索された結果を表示及び出力する手段cと、を有するシステムを含む。
手段aは、化学物質が有する発達神経毒性に係るデータ情報を入力した後、入力された当該情報を蓄積及び管理する手段である。かかる情報は、入力手段により入力され、通常記憶手段に記憶される。
入力手段としては、例えばキーボード、マウス等の当該情報の入力可能なものが挙げられる。当該情報の入力、蓄積、並びに管理が完了すれば、次の手段bに進む。なお、当該情報の蓄積及び管理には、コンピュータ等のハードウェアとOS及びデータベース管理等のソフトウエアとを用いて、データ構造を有する情報を入力し、適当な記憶装置、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読取可能な記録媒体に蓄積することにより、大量のデータを効率良く蓄積し管理すればよい。
手段bは、前記手段aにより蓄積及び管理されたデータ情報を、所望の結果を得るための条件に基づき照会及び検索する手段である。かかる情報は、前記入力手段により照会及び検索のための条件が入力され、通常、前記記憶手段に記憶された情報の中で当該条件に合致したものを選択すれば、次の手段cに進む。選択された結果は、通常、前記記憶手段に記憶され、更に表示出力手段により表示可能となっている。
手段cは、照会及び検索された結果を表示及び出力する手段である。表示出力手段としては、例えばディスプレイ、プリンタ等が挙げられ、当該結果をコンピュータのディスプレイ装置に表示するか、印刷等により紙上に出力するか等すればよい。
以下、実施例を挙げて更に詳細に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 (被験哺乳動物の準備)
妊娠13日のCrj:CD(SD)IGS雌ラットを日本チャールス・リバーから購入し、前面・床面ステンレス網、壁面アルミ製懸垂式ケージ(ヤマト科学社製)を用いて飼育した。妊娠20日からケージ前面をステンレス製の遮蔽版で覆い、ケージ内に床敷(アルファドライ、Shepherd Specialty Papers Inc.製)を敷いた分娩用受け皿を装着した。なお、児哺乳動物は生後0日から実験終了時まで同腹時毎に母哺乳動物と同居させた。また、入荷からの1週間は、検疫期間として対応した。
実施例2 (化学物質の投与)
実施例1により飼育された児哺乳ラットに、発達神経毒性作用を有するエタノールの20%水溶液を5g/kg/dayの投与量で、生後6日から生後8日まで3日間、強制経口投与した。なお、エタノールの投与は、2.5g/kgを投与した約3時間後に再度2.5g/kgを実施した。投与には、注射筒及び弾性カテーテルを用いた。また、このエタノールが投与された哺乳動物(以下、被験哺乳動物と記すこともある)の対照哺乳動物として、エタノールを含む投与液の代わりに同カロリーとなるようショ糖水溶液(11.4%)が前記と同様に投与された児哺乳ラットが用いられた。
実施例3 (大脳皮質の摘出)
生後8日の投与後に児哺乳動物を断頭し致死させた。致死させた当該児哺乳動物から脳を摘出した。摘出された脳を冷やしたトレー上で速やかに大脳皮質を分割し、これをセラムチューブに入れた。セラムチューブに入れられた大脳皮質を液体窒素で凍結した後、−80℃で保存した。
実施例4 (total RNAの調製)
実施例3で保存された大脳皮質組織に、湿重量50〜100mgに対して1mlのISOGEN(株式会社 ニッポンジーン社製)を加えた後、当該混合物を氷冷しながらポリトロンホモジナイザーにてホモジナイズし、5分間室温で放置した。次いで、放置された混合物に0.2mlのクロロホルム(関東化学社製)を添加した後、これを15秒間上下に激しく撹拌した。5分間室温で放置した後、4℃、12,000g、15分間遠心分離した。当該操作により得られた水層を1.5mlアシストチューブ(アシスト社製)に回収した。更に、回収された混合物に、0.5mlの2-プロパノール(関東化学社製)を添加し、これを転倒混和した後、室温で10分間静置した。4℃、12,000g、10分間遠心分離した後、上清を除去することによりペレットを得た。得られたペレットを、1mlの70%エタノール溶液で洗浄した後、これにDEPC処理滅菌蒸留水を20μl添加し、溶解することにより、total RNA溶液を得た。各サンプルのtotal RNA溶液について260nmの吸光度を分光光度計により測定し、RNA濃度を算出した(OD2601.0=40μg/mL)。total RNA溶液の最終濃度が200ng/μLになるようにDEPC処理滅菌蒸留水にて希釈した。
実施例5 (cDNAの調製)
実施例4で調製されたtotal RNA 10μg、T7-(dT)24プライマー(Amersham社製) 100pmolを含む11μLの混合液を、70℃、10分間加熱後、氷上で冷却した。冷却後、SuperScript Choice System for cDNA Synthesis(Gibco-BRL社製)に含まれる5×First Strand cDNA Buffer 4μL、当該キットに含まれる0.1M DTT 2μL及び当該キットに含まれる10mM dNTP Mix 1μLを添加し、42℃、2分間加熱した。更に、当該キットに含まれるSuper ScriptII RT 2μL(400U)を添加し、42℃、1時間加熱後、氷上で冷却した。冷却後、DEPC処理滅菌蒸留水91μL、当該キットに含まれる5×Second Strand Reaction Buffer 30μL、10mM dNTP Mix 3μL、当該キットに含まれるE. coli DNA Ligase 1μL(10U)、当該キットに含まれるE. coli DNA Polymerase I 4μL(40U)及び当該キットに含まれるE. coli RNaseH 1μL(2U)を添加し、16℃、2時間反応させた。次いで、当該キットに含まれるT4 DNA Polymerase 2μL(10U)を加え、16℃、5分間反応させた後、0.5M EDTA 10μLを添加した。次いで、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール溶液(ニッポンジーン社製)162μLを添加し、混合した。当該混合液を、予め室温、14,000rpm、30秒間遠心分離しておいたPhase Lock Gel Light(エッペンドルフ社製)に移し、室温、14,000rpm、2分間遠心分離後、145μLの水層をエッペンドルフチューブに移す。これに、7.5M酢酸アンモニウム溶液72.5μL、エタノール362.5μLを加え混合した後、4℃、14,000rpm、20分間遠心分離した。遠心分離後、上清を捨て、DNAペレットを得た。その後、DNAペレットに80%エタノール0.5mLを添加し、4℃、14,000rpm、5分間遠心分離後、上清を捨てた。DNAペレットに再度80%エタノール0.5mLを添加し、4℃、14,000rpm、5分間遠心分離後、上清を捨てた後、当該ペレットを乾燥させ、DEPC処理滅菌蒸留水10μLに溶解し、cDNA溶液を得た。
実施例6 (ラベル化cRNAの調製)
被験哺乳動物(以下、エタノール投与群と記すこともある。)由来の大脳皮質組織と、ショ糖投与群(以下、コントロール群と記すこともある。)由来の大脳皮質脳組織とのそれぞれからcDNAを用いて、ラベル化cRNAを調製した。即ち、前記実施例5で得られたcDNA溶液5μL、DEPC処理滅菌蒸留水17μL、BioArray High Yield RNA Transcript Labeling Kit(ENZO社製)に含まれる10×HY Reaction Buffer 4μL、当該キットに含まれる10×Biotin Labeled Ribonucleotides 4μL、当該キットに含まれる10×DTT 4μL、当該キットに含まれる10×RNase Inhibitor Mix 4μL及び当該キットに含まれる20×T7 RNA Polymerase 2μLを混合し、37℃、5時間反応させた。当該反応液にDEPC処理滅菌蒸留水60μLを加えたのち、前記実施例4に記載された RNeasy Mini Kitを用いてラベル化cRNAの精製を行った。
実施例7 (ラベル化cRNAのフラグメント化)
精製されたラベル化cRNA 20μg、5×Fragmentation Buffer(200mMトリス−酢酸 pH8.1(Sigma社製)、 500mM酢酸カリウム(Sigma社製)及び150mM酢酸マグネシウム(Sigma社製))8μLを含む反応液40μLを、94℃、35分間加熱後、氷冷し、フラグメント化cRNA溶液を得た。
実施例8 (フラグメント化cRNAとプロ−ブアレイとのハイブリダイズ)
エタノール投与群由来の大脳皮質組織及びコントロール群由来の大脳皮質脳組織のフラグメント化cRNAを、以下のようにしてそれぞれプローブアレイとハイブリダイズさせた。即ち、前記実施例7で得られたフラグメント化cRNA溶液 40μL、5nM Contol Oligo B2 (Amersham社製)4μL、100×Control cRNA Cocktail 4μL、Herring sperm DNA (Promega社製)40μg、Acetylated BSA(Gibco-BRL社製)200μg、2×MES Hybridization Buffer(200mM MES、2M [Na+], 40mM EDTA、0.02% Tween20 (Pierce社製)、pH6.5〜6.7) 200μL及びDEPC処理滅菌蒸留水144μLを混合し、400μLのハイブリカクテルを得た。得られたハイブリカクテルを99℃、5分間加熱、更に45℃、5分間加熱した。加熱後、室温、14,000rpm、5分間遠心分離し、ハイブリカクテル上清を得た。
1×MESハイブリダイゼーションバッファーで満たしたヒトゲノムU95プローブアレイ(Affymetrix社製)を、ハイブリオーブン内で、45℃、60rpm、10分間回転させた後、1×MESハイブリダイゼーションバッファーを除去した。その後、当該プローブアレイに当該ハイブリカクテル上清200μLを添加し、ハイブリオーブン内で45℃、60rpm、16時間回転させ、ハイブリダイズ済みプローブアレイを得た。
実施例9 (プロ−ブアレイの染色)
実施例8で得られたハイブリダイズ済みプローブアレイからハイブリカクテルを除去し、Non-Stringent Wash Buffer[6×SSPE(20×SSPE(ナカライテスク社製)を希釈)、0.01%Tween20を含む]で満たした。GeneChip Fluidics Station 400(Affymetrix社製)の所定の位置に前記プローブアレイを装着し、プロトコールに従って前記プローブアレイを洗浄した後、MicroArray Suite(Affymetrix社)の染色プロトコールEuKGE-WS2に従って以下の方法により前記プローブアレイを染色した。まず1次染色液[10μg/mL Streptavidin Phycoerythrin (SAPE)(Molecular Probe社製)、2mg/mL Acetylated BSA、100mM MES、1M NaCl(Ambion社製)、0.05%Tween20を含む]に45分間浸漬した。次いで、2次染色液[100μg/mL Goat IgG (Sigma社製)、3μg/mL Biotinylated Anti-Streptavidinantibody (Vector Laboratories社製)、2mg/mL Acetylated BSA、100mM MES、1M NaCl、0.05%Tween20及び0.005%Antifoam0-30を含む]に10分間浸漬し、最後に1次染色液に45分間浸漬した。
実施例10 (プロ−ブアレイのスキャン、解析)
実施例9で染色されたエタノール投与群由来の大脳皮質組織と、コントロール群由来の大脳皮質脳組織とのそれぞれからのプローブアレイをHP GeneArray Scanner(Affymetrix社製)に供し、シグナルを570nmの蛍光輝度を測定することによって読み取った。この結果をGeneChip Microarray Suite(Affymetrix社製)によって比較解析し、エタノール投与群由来の大脳皮質組織とコントロール群由来の大脳皮質組織とで発現レベルが異なる遺伝子を抽出した。なお、比較は、母獣が同じ(同腹の)児哺乳動物間で行い、それを4母獣から4組準備した。下記の登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列のうち、(a1)〜(a18)のいずれかを有する遺伝子の場合には、4組の内、GeneChip Microarray Suiteによりエタノール投与群由来の大脳皮質由来のプローブアレイにおいて検出されたシグナルが、コントロール群由来のものよりも増加した場合と判断されたものが3組以上あった。
一方、下記の登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列のうち、(b1)〜(b16)のいずれかを有する遺伝子の場合には、4組の内、GeneChip Microarray Suiteによりエタノール投与群由来の大脳皮質由来のプローブアレイにおいて検出されたシグナルが、コントロール群由来のものよりも減少した場合と判断されたものが3組以上あった。

<登録番号1>
(a1)AB001382(配列番号1で示される塩基配列)
(a2)AI599423(配列番号2で示される塩基配列)
(a3)BI288619(配列番号3で示される塩基配列)
(a4)AI030650(配列番号4で示される塩基配列)
(a5)BI288701(配列番号5で示される塩基配列)
(a6)BG375198(配列番号6で示される塩基配列)
(a7)BF418582(配列番号7で示される塩基配列)
(a8)U77931(配列番号8で示される塩基配列)
(a9)Y10369(配列番号9で示される塩基配列)
(a10)BM389650(配列番号10で示される塩基配列)
(a11)NM_080906(配列番号11で示される塩基配列)
(a12)AI710051(配列番号12で示される塩基配列)
(a13)AI179404(配列番号13で示される塩基配列)
(a14)AI233288(配列番号14で示される塩基配列)
(a15)AI072956(配列番号15で示される塩基配列)
(a16)BF396316(配列番号16で示される塩基配列)
(a17)BE107169(配列番号17で示される塩基配列)
(a18)BM391860(配列番号18で示される塩基配列)
(b1)NM_054008(配列番号19で示される塩基配列)
(b2)BE102969(配列番号20で示される塩基配列)
(b3)AY030276(配列番号21で示される塩基配列)
(b4)BF565718(配列番号22で示される塩基配列)
(b5)AI411359(配列番号23で示される塩基配列)
(b6)NM_031642(配列番号24で示される塩基配列)
(b7)NM_012870(配列番号25で示される塩基配列)
(b8)AI704885(配列番号26で示される塩基配列)
(b9)BG380409(配列番号27で示される塩基配列)
(b10)AI764706(配列番号28で示される塩基配列)
(b11)BF413248(配列番号29で示される塩基配列)
(b12)AA900322(配列番号30で示される塩基配列)
(b13)BE107458(配列番号31で示される塩基配列)
(b14)BG668719(配列番号32で示される塩基配列)
(b15)BF405113(配列番号33で示される塩基配列)
(b16)AI576233(配列番号34で示される塩基配列)
実施例11 (定量的RT−PCRに用いるcDNAの調製)
実施例10の結果の信頼性を確かめるために、登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列のうち、下記の登録番号2でGenbankに登録されている塩基配列を有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子について定量的RT-PCRを行った。市販のキットTaqMan Reverse Transcription(ABI社製)のTaqMan Reverse Transcription Regentsに含まれる試薬(10x Taq Man RT buffer 1μL、25mM MgCl2 2.2μL、DeoxyNTPs Mixure 2μL、Oligo dT 0.5μL、RNase Inhibitor 0.2μL、MultiScribe RT 0.25μL)及びDEPC処理滅菌蒸留水2.85μLを混合した。次いで、当該混合物に、実施例4で調製された大脳皮質組織由来のtotal RNA 1μL(200 ng)を添加した後、得られた混合物について、25℃、10分間、次いで48℃、30分間保温した後、95℃、5分間加熱する反応条件を用いて逆転写反応を行った。逆転写反応後、反応物を4℃で冷却することにより、cDNA溶液を調製した。

<登録番号2>
(a1)AB001382(配列番号1で示される塩基配列)
(a2)AI599423(配列番号2で示される塩基配列)
(a3)BI288619(配列番号3で示される塩基配列)
(a4)AI030650(配列番号4で示される塩基配列)
(a5)BI288701(配列番号5で示される塩基配列)
(b1)NM_054008(配列番号19で示される塩基配列)
(b2)BE102969(配列番号20で示される塩基配列)
(b3)AY030276(配列番号21で示される塩基配列)
(b4)BF565718(配列番号22で示される塩基配列)
(b5)AI411359(配列番号23で示される塩基配列)
実施例12(定量的RT−PCRを用いた本遺伝子の発現レベルの測定)
エタノール投与群由来の大脳皮質組織と、ショ糖投与群(以下、コントロール群と記すこともある。)由来の大脳皮質組織から、実施例4記載の操作によりtotal RNAを調製した後、実施例11記載の操作によりエタノール投与群由来の大脳皮質組織と、コントロール群由来の大脳皮質組織とのそれぞれからcDNAを調製した。次に、調製されたcDNAを鋳型として、以下の反応条件を用いてPCRを行うことにより、サイバーグリーン法にて、増幅されたDNAを定量した。即ち、当該cDNA 0.5μl、Forwardプライマー( AB001382定量用(配列番号35:5'GCT CTC AAG GTC ATC CCA GTT G 3')、AI599423定量用(配列番号37:5'GCC TTG GAG AAG CTC AGT TTG T 3')、BI288619定量用(配列番号39:5'AAG CCA AGG GTA CAC AAG ATG G 3')、 AI030650定量用(配列番号41:5'AGG CAT CCT GTC ACA AGC AAT 3')、BI288701定量用(配列番号43:5'CAA ACA CCA CTG GTT TCC AGA A 3')、NM_054008定量用(配列番号45:5'AAC TTT AGC CAT TGG GTC CAT CT 3')、BE102969定量用(配列番号47:5'TGA CAA TAA TAA GGG TTG GGC ATT 3')、AY030276定量用(配列番号49:5'TTC GAC TGG AGA TTG GGA GAA A 3')、BF565718定量用(配列番号51:5'CTG AGG GAG CAG AGG ATG AAT C 3')、又は、AI411359定量用(配列番号53:5'CAG ATC TGC ACA TGC CCA GTT 3'))300nmol、Reverseプライマー( AB001382定量用(配列番号36:5'TCC CGT TGC TGT CCT GAT C 3')、AI599423定量用(配列番号38:5'ACT CGG GAA GGG TGA TGC T 3')、BI288619定量用(配列番号40:5'GTC CTT CCC ACT CCA GCA CA 3')、AI030650定量用(配列番号42:5'GGC ACT GTC TTT CTA AAA GAC ATA AGT TT 3')、BI288701定量用(配列番号44:5'TTG TGG TTG ATG CGG ATA CAG 3')、NM_054008定量用(配列番号46:5'ATG GTG CAG GCA GGT AAA CAA 3')、BE102969定量用(配列番号48:5'GGC ACA GTA CCC TGG TCT TAG G 3')、AY030276定量用(配列番号50:5'TTC CTC TGT TTT AGC CAG AAG ATT G 3')、 BF565718定量用(配列番号52:5'TTC CAT GGC CGC CTC TT 3')、又は、AI411359定量用(配列番号54:5'GTA GAT CCC ACG TCG TTT GGA 3'))300nmol及び2x Syber Green Master Mix(ABI社) 12.5μlを含む25μlの反応液を調製し、調製された反応液をGeneAmp5700 Sequence detection System(ABI社)を用いて、50℃ 5分間、次いで95℃ 10分間保温した後、95℃ 15秒、次いで60℃ 1分間の保温を1サイクルとしてこれを40サイクル実施する反応条件を用いてPCRを行った。また、組織における発現レベルが恒常的に一定であることが知られている対照遺伝子(G3PDH)については、Forwardプライマー(配列番号55:5' GCT GCC TTC TCT TGT GAC AAA GT 3')及びReverseプライマー(配列番号56:5' CTC AGC CTT GAC TGT GCC ATT 3')を用いて、その他の条件は前記の方法と同様の方法でPCRを行った。そして、対照遺伝子の増幅されたDNA量当たりの本遺伝子の増幅されたDNA量を算出することにより、エタノール投与群由来の大脳皮質における本遺伝子の発現レベル及びコントロール群由来の大脳皮質組織における本遺伝子の発現レベルのそれぞれを求めた。
登録番号2に示されるGenbankに登録されている塩基配列のいずれかを有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子の発現レベルにおいて、化学物質投与群由来の大脳皮質組織における発現レベルの測定値が、コントロール群由来の大脳皮質組織の発現レベルの対照値に対して有意差があれば、当該化学物質は発達神経毒性を有すると評価した。その結果を図1及び図2に示す。図1及び図2から明らかなように、エタノールが投与された哺乳動物の大脳皮質における塩基配列のAccession IDがAB001382、AI599423、BI288619、AI030650及びBI288701のmRNA発現量は対照哺乳動物の大脳皮質における同AB001382、AI599423、BI288619、AI030650及びBI288701のmRNA発現量と比べて有意に高い値を示しており、一方、塩基配列のAccession IDがNM_054008、BE102969、AY030276、BF565718及びAI411359のmRNA発現量は対照哺乳動物の大脳皮質における同NM_054008、BE102969、AY030276、BF565718及びAI411359のmRNA発現量と比べて有意に低い値を示しており、本発明に係る方法が、化学物質が有する発達神経毒性を検出する方法として有効であることが確認された。
本発明によって、特定の遺伝子の発現レベルを指標とした、化学物質が有する発達神経毒性の簡便な検定方法等を提供することができる。
配列番号35
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号36
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号37
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号38
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号39
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号40
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号41
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号42
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号43
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号44
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号45
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号46
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号47
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号48
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号49
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号50
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号51
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号52
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号53
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号54
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号55
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
配列番号56
RT−PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー

Claims (9)

  1. 遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法であって、
    (1)前記化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における、下記の登録番号1に示されるGenbankに登録されている塩基配列のいずれかを有する遺伝子又はそのオーソログな遺伝子から選ばれる1以上の遺伝子の発現レベルを測定する第一工程と、
    (2)前記第一工程で得られた検体における前記遺伝子の発現レベルの測定値を当該遺伝子の発現レベルの対照値と比較し、その差異に基づいて当該検体における化学物質が有する発達神経毒性のレベルを評価する第二工程と、
    を有することを特徴とする化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
    <登録番号1>
    (a1)AB001382(配列番号1で示される塩基配列)
    (a2)AI599423(配列番号2で示される塩基配列)
    (a3)BI288619(配列番号3で示される塩基配列)
    (a4)AI030650(配列番号4で示される塩基配列)
    (a5)BI288701(配列番号5で示される塩基配列)
    (a6)BG375198(配列番号6で示される塩基配列)
    (a7)BF418582(配列番号7で示される塩基配列)
    (a8)U77931(配列番号8で示される塩基配列)
    (a9)Y10369(配列番号9で示される塩基配列)
    (a10)BM389650(配列番号10で示される塩基配列)
    (a11)NM_080906(配列番号11で示される塩基配列)
    (a12)AI710051(配列番号12で示される塩基配列)
    (a13)AI179404(配列番号13で示される塩基配列)
    (a14)AI233288(配列番号14で示される塩基配列)
    (a15)AI072956(配列番号15で示される塩基配列)
    (a16)BF396316(配列番号16で示される塩基配列)
    (a17)BE107169(配列番号17で示される塩基配列)
    (a18)BM391860(配列番号18で示される塩基配列)
    (b1)NM_054008(配列番号19で示される塩基配列)
    (b2)BE102969(配列番号20で示される塩基配列)
    (b3)AY030276(配列番号21で示される塩基配列)
    (b4)BF565718(配列番号22で示される塩基配列)
    (b5)AI411359(配列番号23で示される塩基配列)
    (b6)NM_031642(配列番号24で示される塩基配列)
    (b7)NM_012870(配列番号25で示される塩基配列)
    (b8)AI704885(配列番号26で示される塩基配列)
    (b9)BG380409(配列番号27で示される塩基配列)
    (b10)AI764706(配列番号28で示される塩基配列)
    (b11)BF413248(配列番号29で示される塩基配列)
    (b12)AA900322(配列番号30で示される塩基配列)
    (b13)BE107458(配列番号31で示される塩基配列)
    (b14)BG668719(配列番号32で示される塩基配列)
    (b15)BF405113(配列番号33で示される塩基配列)
    (b16)AI576233(配列番号34で示される塩基配列)
  2. 前記検体が、器官を構成する細胞又はこの細胞の内容物が含まれる可能性のある試料である請求項1に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
  3. 前記器官が大脳皮質である請求項2記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
  4. 前記遺伝子の発現レベルの測定が、この遺伝子の転写産物量又は翻訳産物量の測定によりなされる請求項1〜3のいずれか一項に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
  5. 前記遺伝子の発現レベルの対照値が、化学物質に接触した哺乳動物個体又は哺乳動物細胞由来の検体における当該遺伝子の発現レベルの測定値である請求項1〜4のいずれか一項に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
  6. 前記哺乳動物が、児哺乳動物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載された化学物質が有する発達神経毒性の検出方法により評価された当該化学物質が有する発達神経毒性のレベルに基づいて、当該発達神経毒性を有する化学物質を選抜する工程を更に有する発達神経毒性を有する化学物質の探索方法。
  8. 前記第一工程の前の工程として、
    (A)妊娠期又は哺育期間中の母哺乳動物又は児哺乳動物を飼育する第A工程と、
    (B)第A工程で飼育された母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は当該母哺乳動物細胞若しくは当該児哺乳動物細胞に対して化学物質を接触させる第B工程と、
    (C)第B工程で化学物質が接触した母哺乳動物個体若しくは児哺乳動物個体又は母哺乳動物細胞若しくは児哺乳動物細胞から前記第一工程で用いる検体を単離する第C工程と、
    を更に有する請求項1に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法。
  9. 請求項1に記載の化学物質が有する発達神経毒性の検出方法により検出された化学物質が有する発達神経毒性に係るデータを入力、蓄積、並びに管理する手段aと、
    所望の結果を得るための条件に基づいて前記データを照会及び検索する手段bと、
    前記照会及び検索された結果を表示及び出力する手段cと、
    を有することを特徴とするシステム。
JP2009049009A 2008-03-06 2009-03-03 遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法 Pending JP2009232842A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009049009A JP2009232842A (ja) 2008-03-06 2009-03-03 遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008055781 2008-03-06
JP2009049009A JP2009232842A (ja) 2008-03-06 2009-03-03 遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009232842A true JP2009232842A (ja) 2009-10-15

Family

ID=41247590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009049009A Pending JP2009232842A (ja) 2008-03-06 2009-03-03 遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009232842A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018023392A (ja) 肝線維症に関連する遺伝的多型、その検出方法および使用
WO2005001132A2 (en) Gene expression profiles that identify genetically elite ungulate mammals
JP2002518003A (ja) 遺伝子発現プロフィールを利用した疾患状態および治療のモニター方法
JP2021100932A (ja) Crhr1拮抗薬を用いた治療に対する反応の遺伝子予測因子を用いた治療の方法
JP2002523112A (ja) 毒物学的反応マーカー
JP2021100420A (ja) Crhr1拮抗薬を用いた治療に対する反応の遺伝子予測因子
US20140046047A1 (en) Organ-specific gene, method for identifying the same and use thereof
JP5677291B2 (ja) 肥満素因の評価方法及びキット、並びに、抗肥満薬及びそのスクリーニング方法、非ヒト動物、脂肪組織、脂肪細胞、トランスジェニックマウス作成方法、抗原、抗体
JP2009232842A (ja) 遺伝子解析による化学物質が有する発達神経毒性の検出方法
JP2009077701A (ja) 化学物質が有する発達神経毒性の検出方法
US7091033B2 (en) Array of toxicologically relevant canine genes and uses thereof
JP2006115749A (ja) Nr2b遺伝子の発現レベルに基づき化学物質が有する発達神経毒性を検出する方法
JP2006115748A (ja) Nr2a遺伝子の発現レベルに基づき化学物質が有する発達神経毒性を検出する方法
JP2006115797A (ja) 哺乳動物における肝細胞癌の検定方法
JP4214235B2 (ja) 2型糖尿病診断用キット
JP2010252682A (ja) 物質が有する神経栄養性能力の検定方法
JP2006320201A (ja) 気分障害又は関連障害による疾患症状を改善させる方法
JP2005176764A (ja) 胎盤型グルタチオン−s−トランスフェラ−ゼ酵素を認識する抗体に対して陰性を示すラット肝臓腫瘍性病変又は前腫瘍性病変の検定方法
JP2006288387A (ja) 気分障害又は関連障害による疾患症状を改善させる方法
JP2005176765A (ja) 哺乳動物における肝臓腫瘍性病変又は前腫瘍性病変の検定方法
JP2010252683A (ja) 物質が有する神経栄養性能力の検定方法
JP2010259385A (ja) 化学物質が有するクロフィブレート様の毒性の検定方法
JP2006115796A (ja) 哺乳動物における肝臓腫瘍性病変の検定方法
JP2004344069A (ja) 胎盤型グルタチオン−s−トランスフェラーゼ酵素を認識する抗体に対して陰性を示すラット肝臓前癌病変の検定方法
JP2004344068A (ja) 脊椎動物における肝臓腫瘍性病変又は前腫瘍性病変の検定方法