本発明に係る帯域管理装置は、背景技術の欄にて説明した優先制御型QoSにより、通信ネットワークの伝送帯域(送信許可期間)を管理するものである。なお、帯域管理装置は、一般的に親機と称される。各実施の形態では、本発明に係る帯域管理装置を「親機」と称して説明する。
また、各実施の形態では、管理対象となる通信ネットワークとして、LAN、特に、HomePlugAV仕様(HomePlug AV Specification Version 1.0.10)に準拠したPLC(Power Line Communication:電力線搬送通信)を用いたLANを想定している。HomePlugAV仕様においては、CCo(Central Coordinator)が親機に相当する。
次に、各実施の形態において、「データフロー」とは、連続して伝送する必要のある一連のデータに属する連続したパケット群を指す。連続して伝送する必要のある一連のデータとは、例えば、1つの映像コンテンツ、または、1つの音声コンテンツなど、意味のあるひとまとまりのデータである。したがって、例を挙げると、サーバなどの装置に保持されている1つの映像コンテンツなどを一連の複数のパケットとして受信端末に送信する際の、上記一連の複数のパケットが、データフローである。
さらに、映像コンテンツのデータフローおよびVoIPで送信される音声のデータフローを、それぞれ「映像フロー」および「VoIPフロー」とも称する。また、映像フローに属するパケットを「映像パケット」と、VoIPフローに属するパケットを「VoIPパケット」とも称する。
また、各実施の形態では、VoIPフローが第1データフローに対応し、映像フローが第2データフローに対応する。
また、各実施の形態では、データフロー毎に割り当てられる帯域とは、データフロー毎に割り当てられる送信許可期間である。データフローに割り当てられた送信許可期間内に、該データフローに属するパケットが通信ネットワークに送出可能となる。
また、各実施の形態において、VoIPパケットの優先度は、他のデータフローに属するパケットの優先度よりも高く設定されているものとする。そのため、優先制御型QoSでは、VoIPパケットは、どのデータフローにも送信許可期間が割り当てられていない不割当期間においては、他のデータフローに属するパケットよりも優先的に通信ネットワークに送出される。
また、各実施の形態において、「帯域(送信許可期間)を設定する」ことを、「帯域(送信許可期間)を割り当てる」とも表記する。
(帯域管理システムの基本構成)
図2を参照しながら、本発明の実施の形態に係る帯域管理システムの基本構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る帯域管理システムの基本構成例を模式的に示すブロック図である。
この例では、通信ネットワーク100の伝送帯域を管理する親機(帯域管理装置)20(20a、20b、20c、20d、20e、20fを含む)と、複数の子機30とが、通信ネットワーク100に通信可能に接続されている。さらに、子機30は、それぞれ帯域設定要求装置40(40a、40b、40dを含む)と通信可能に接続されている。また、子機30のうちの1つは、サーバ10と通信可能に接続されている。
なお、以降では、後述する帯域管理装置20a、20b、20c、20d、20e、および20fを含む帯域管理装置の総称として、帯域管理装置20と表記する。同様に、後述する帯域設定要求装置40a、40b、および40dを含む帯域設定要求装置の総称として、帯域設定要求装置40と表記する。
帯域設定要求装置40とは、映像コンテンツ、VoIPデータ、Webコンテンツなどの各種データを送受信する端末であり、例えば、STB、IPパケットをアナログ電話信号に変換する装置であるVoIPアダプタなどが挙げられる。なお、さらに、PC、VoIPアダプタの機能を内蔵した電話機であるIP電話機、映像データや音声データをIPパケットとして送信する装置であるIPカメラ、ネットワークアクセス可能なハードディスクであるNAS(Network Attached Storage)など、最終的にデータフローを受信(または送信)する端末(データフロー受信装置)を含めて帯域設定要求装置40としてもよい。
子機30は、帯域設定要求装置40同士の通信、または、サーバ10と帯域設定要求装置40との通信を中継する装置である。子機30は、親機20が設定した帯域割り当て情報に基づいて、自装置に到着したパケットを通信ネットワーク100に送出するか、または、送出可能となるまで自装置内でバッファリングする。
以下では、データを要求する側の帯域設定要求装置40に接続されている子機30を、要求側子機30とも称し、一方、データを要求されたサーバ10に接続されている子機30を、応答側子機30とも称する。
次に、子機30を介した、帯域設定要求装置40同士の通信の流れについて説明する。まず、送信側のサーバ10または帯域設定要求装置40は、自装置に接続されている応答側子機30に対してデータを送信する。そして、応答側子機30は、該受信したデータを通信ネットワーク100にて伝送可能な信号に変換し、該変換後の信号を、通信ネットワーク100に送出することにより、要求側子機30に転送する。次に、要求側子機30は、該受信した信号を、帯域設定要求装置40が受信可能な信号に変換し、該変換後のデータを帯域設定要求装置40に送信する。なお、サーバ10と帯域設定要求装置40との通信についても、上述と同様に、子機30が中継する。
以上のように、本発明を適用するシステムでは、帯域設定要求装置40同士、および、サーバ10と帯域設定要求装置40とが、子機30および通信ネットワーク100を介して、各種データを送受信する。
このとき、親機20は、通信ネットワーク100上のデータ通信が競合しないように、各装置間のデータフローの伝送に必要な帯域(すなわち、データフローの送信許可期間)を適切に割り当て、通信ネットワーク100全体の通信をスムーズに実施させる役割を担う。そのため親機20は、帯域設定装置あるいは帯域管理装置とも称される。そして親機20は、通信タイミングを各子機30間で同期させるためのビーコン信号を、一定周期で通信ネットワーク100全体に対して発信(すなわちブロードキャスト)する。
ビーコン信号には、送信元の装置を示す情報、送信先の装置を示す情報、帯域(送信許可期間)の割り当て期間を示す情報などが、データフローごとに含まれる。ビーコン信号を受け取った子機30は、サイクル内で与えられた、データフロー毎の送信許可期間に応じて、通信を行なう。この送信許可期間は、特定の装置間で確立した通信毎に、その伝送に必要とされる伝送速度に基づいて、1サイクルの期間を分割して割り当てられる。
また、親機20は、上述のような通信ネットワーク100の帯域管理のみを実施する装置に限定されるものではなく、子機30のように、帯域設定要求装置40と接続され、帯域設定要求装置40からのデータを他の装置に転送する機能を具備していてもよい。さらに言えば、子機30のうちのいずれか1台が、帯域管理機能を具備していてもよい。
なお、図2で示したシステム構成は、以降の各実施の形態に共通の構成例である。
(帯域管理システムの具体的構成例)
図3を参照しながら、図2で示した帯域管理システムの具体的構成例について説明する。図3は、図2で示した帯域管理システムの具体的構成の一例を模式的に示すブロック図である。図3では、図2で示した各装置および通信ネットワークのそれぞれに対して、具体例を当てはめている。
図3では、PLCを利用したLANであるPLCネットワーク1001が、図2で示した通信ネットワーク100に相当する。また、PLCネットワークで用いられるブリッジ装置であるPLCアダプタ301、302、303、304が、それぞれ図2で示した4台の子機30に相当する。また、PC401、STB402、VoIPアダプタ403が、それぞれ図2で示した3台の帯域設定要求装置40に相当する。なお、STB402は、受信した映像フローを出力するテレビ52(データフロー受信装置)と通信可能に接続されており、VoIPアダプタ403は、音声データをやりとりする電話機53(データフロー受信装置)と通信可能に接続されている。
また、Webコンテンツなどのデータを提供するデータサーバ101、映像などのVoDコンテンツを提供するVoDサーバ102、別のユーザ宅などに設置されているVoIP相手局103などが、図2で示したサーバ10に相当する。VoIP相手局103とは、別のユーザ宅などに設置されているVoIP通信を行なうための装置群(ルータおよびVoIPアダプタおよび電話機など)である。ここでは説明の簡略化のために、それら装置群を総称してVoIP相手局103と称している。
なお、PLCアダプタ304と外部ネットワークであるFTTH(Fiber To The Home)との間には、ルータ305があり、ルータ305は、FTTHおよびIP網を介して、データサーバ101とVoDサーバ102とVoIP相手局103とに接続されている。本来はFTTHの信号をイーサネットに変換するモデムが存在したり、ルータがモデムの機能を内蔵したりするが、説明の簡単化のため省略する。
上記のような構成の帯域管理システムにおいて、例えば、ユーザがテレビ52にて映像コンテンツを視聴する場合は、STB402が、PLCアダプタ302およびPLCアダプタ304を介して、VoDサーバ102から映像コンテンツを受信し、該受信した映像コンテンツをテレビ52に送信する。また、ユーザが電話機53にて通話を行なう場合は、VoIPアダプタ403とVoIP相手局103とが、PLCアダプタ303およびPLCアダプタ304を介して、VoIPのデータ通信を行なう。
なお、VoIPの通信において、一般的には、VoIPサーバが、IP網などのアクセスネットワーク内に存在し、通信開始時にVoIPサーバがVoIPアダプタ同士の通話を仲介するが、本発明の本質的部分ではないので、ここではその説明を省略する。
また図3では、PLCアダプタ301、302、303は、それぞれ独立した装置として図示しているが、それぞれが、PC401、STB402、VoIPアダプタ403のそれぞれに内蔵される構成であってもよい。また、親機20の機能がPLCアダプタ301〜304に内包されており、そのPLCアダプタが親機20の役割を果たしてもよい。
なお、図3で示したシステム構成は、以降の各実施の形態に共通の構成例である。各実施の形態では、図3で示したシステム構成に基づいて説明する。各実施の形態において、子機30と表現する場合は、特に指定している場合を除き、PLCアダプタ301、PLCアダプタ302、PLCアダプタ303、およびPLCアダプタ304のいずれかを指すものとする。また、帯域設定要求装置40(または、帯域設定要求装置40、帯域設定要求装置40b)と表現する場合は、特に指定している場合を除き、PC401、STB402、およびVoIPアダプタ403のいずれかを指すものとする。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1、および図4〜8に基づいて説明すると以下の通りである。
本実施の形態では、1)最初に、あるユーザが、STB402などの帯域設定要求装置40aにて、VoDサーバ102にて提供されている映像コンテンツの視聴を開始し、2)その後に、別のユーザが、VoIPでの通信を行なう電話機53などの帯域設定要求装置40aにて、通話を開始するシーケンスを例に挙げて説明を行なう。したがって、VoDサーバ102からは、映像フローが送信され、VoIP相手局103からはVoIPフローが送信される。
そして、本実施の形態に係る親機20a(帯域管理装置)は、映像フローに対する帯域(送信許可期間)の割り当てを行い、VoDサーバ102からの映像パケットおよびVoIP相手局103からのVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304は、上記帯域(送信許可期間)の割り当て結果に従って、映像パケットおよびVoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出する。
また、本実施の形態では、PLCアダプタ304は、上記受信した映像パケットをTDMA方式にてPLCネットワーク1001に送出し、また、上記受信したVoIPパケットをCSMA方式にてPLCネットワーク1001に送出するものとする。したがって、本実施の形態では、映像フローの受信を要求する子機であるPLCアダプタ302から親機20aに対して、映像フローの帯域(送信許可期間)を割り当てるための帯域設定要求(以下、映像フローの帯域設定要求と称する)は行われるが、VoIPフローの受信を要求する子機であるVoIPアダプタ403から親機20aに対して、VoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てるための帯域設定要求(以下、VoIPフローの帯域設定要求と称する)は行われない。
(本実施の形態の概要)
本実施の形態では、まず、1)親機20aが、映像フローの受信を要求する子機であるPLCアダプタ302から、映像フローの帯域設定要求を受信した際、映像フローに対して細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)を割り当てる。このとき、特定のデータフローを予め割り当てておかない帯域(すなわち、映像フロー以外の任意のデータフローを送信可能な期間)(以下、不割当期間と称する)を、映像フローに対して割り当てた細切れの帯域(送信許可期間)同士の間に設ける。なお、不割当期間は、VoIPフローのQoSを確保するために必要なVoIPパケットの送出間隔毎に設ける。
2)その後、VoDサーバ102から映像パケットおよびVoIPパケットを受信した子機であるPLCアダプタ304が、映像パケットを、上記映像フローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットを上記不割当期間にてCSMA方式でPLCネットワーク1001に送出する。
本実施の形態によれば、親機20aが、上述したように、映像フローの帯域(送信許可期間)および不割当期間を設けることにより、VoDサーバ102およびVoIP相手局103からの映像パケットおよびVoIPパケットをPLCネットワーク1001に送信する子機であるPLCアダプタ304は、VoIPフローのQoSを確保するために必要なVoIPパケットの送出間隔毎に、VoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出する。その結果、最終的にデータを受信する端末におけるVoIPパケットの伝送遅延および到着間隔は、従来方式を用いて帯域割り当てを行った場合におけるVoIPパケットの伝送遅延および到着間隔よりも、少なくすることができる。
なお、本実施の形態では、親機20aは、VoIPでのデータ通信において使用される標準的なコーデック(G.711やG.729など)に関する情報を、工場出荷時などに予め自装置に記憶しているものとする。そのため、後述するように、標準的なコーデックに関する情報に基づいて、不割当期間を予め決定することができる。
(帯域設定要求装置がデータを要求してから受信するまでの流れ)
次に、図4を参照しながら、図3で示した帯域管理システムにおいて、STB402およびVoIPアダプタ403がデータを要求してから受信するまでの流れの概略について説明する。図4は、図3で示した帯域管理システムにおいて、STB402およびVoIPアダプタ403がデータを要求してから受信するまでの流れの一例を模式的に示したシーケンス図である。
図4に示すシーケンスを用いて、あるユーザが、テレビ52にてVoDサーバ102にて提供される映像コンテンツを視聴するまで、および、他のユーザが、電話機53にてVoIP相手局103との間でVoIP通信を行なうまでの処理の流れについて、説明する。
図4に示すシーケンスは、シーケンスJ1、J2、およびJ3から構成されている。シーケンスJ1は、STB402が映像コンテンツをVoDサーバ102に要求するまでの流れを示しており、シーケンスJ2は、VoIPアダプタ403がVoIP相手局103との通信開始を要求する流れを示しており、シーケンスJ3は、VoDサーバ102およびVoIP相手局103のそれぞれから送信された映像フローおよびVoIPフローを、STB402およびVoIPアダプタ403がそれぞれ受信する流れを示している。
まず、STB402に対して、映像コンテンツを視聴するユーザ操作(例えば、リモコン操作など)が行われると、STB402は映像コンテンツの受信を開始する処理(受信開始処理)を行い、STB402に接続されているPLCアダプタ302に対して、上記映像コンテンツのデータフローの帯域設定要求を送信する(ステップS201)。
ここで、上記帯域設定要求は、帯域設定要求を行なう対象のデータフローを識別する情報(以下、フロー識別情報と称する)と、割り当てを希望する帯域幅(以下、要求帯域サイズと称する)、帯域割り当て間隔(TXOP間隔)、および、1度に割り当てる帯域幅(TXOP長)を含むCSPEC(Connection Specification)情報とをパラメータとして指定可能であるが、少なくともフロー識別情報および要求帯域サイズは設定されているものとする。本実施の形態では、TXOP間隔およびTXOP長は、パラメータとして指定されていなくてもよい。
なお、フロー識別情報とは、例えば、送信元装置のIPアドレス、送信先装置のIPアドレス、送信元装置のポート番号、送信先装置のポート番号、TOS(Type Of Service)値などの一部または全ての組み合わせである。STB402から送信されるフロー識別情報は、STB402のIPアドレス、VoDサーバ102のIPアドレス、STB402にて映像フローの受信に使用されるポート番号、VoDサーバ102にて映像フローの送信に使用されるポート番号などが含まれる。また、この例では、要求帯域サイズは、映像コンテンツのデータフローの伝送に必要なビットレート(例えば10Mbps)である。
フロー識別情報および要求帯域サイズは、STB402が、データの取得先であるVoDサーバ102との間で、事前にネゴシエーションすることにより決まるものであるが、本発明の本質的部分ではないので、ここではネゴシエーションの説明を省略し、STB402とVoDサーバ102とは、すでにフロー識別情報および要求帯域サイズを把握しているものとする。
なお、STB402からPLCアダプタ302へ帯域設定要求を行なう方法は任意であるが、ここでは、STB402からPLCアダプタ302に対して、所定の制御用パケットを送信するものとする。
PLCアダプタ302から親機20aに送信する帯域設定要求は、STB402からPLCアダプタ302に送信された帯域設定要求と同一の、フロー識別情報および要求帯域サイズをパラメータに含む所定の制御用パケットである。
なお、ここでは、STB402からPLCアダプタ302への帯域設定要求と、PLCアダプタ302から親機20aへの帯域設定要求とを、異なる制御用パケットとして説明したが、これに限定されるものではなく、STB402が直接親機20aに対して、1つの制御用パケットを送信してもよい。
次に、親機20aは、PLCアダプタ302からの帯域設定要求を受信すると、映像フローに対する帯域割り当て処理を行なう(ステップS202)。親機20aは、この帯域割り当て処理の結果として、帯域の割り当て情報を生成する。帯域割り当て処理の詳細、および、帯域の割り当て情報の具体例については、後述する。
帯域割り当て処理の最後に、親機20aは、帯域設定要求を受け付けたことを通知するための帯域設定通知を送信する。帯域設定通知の送信は、帯域設定要求を送信してきたPLCアダプタ302および、映像フローの送信元となるVoDサーバ102(実質的にはIP網を経てVoDサーバと接続されているルータ305)が接続されているPLCアダプタ304の両方に対して行なう。これにより、PLCアダプタ302およびPLCアダプタ304は、親機20aにて(映像フローの)帯域設定要求が受け付けられたことを知ることができる。そして、PLCアダプタ302はSTB402に帯域設定要求が受け付けられた事を通知し、STB402も、帯域割り当てが完了したことを知る。
そして、STB402は、映像コンテンツの受信を行なうために、VoDサーバ102に向けて(PLCアダプタ302、PLCアダプタ304、およびルータ305を介して)通信開始要求を送信する(ステップS203)。なお、通信開始要求を送信するにあたり、STB402は、VoDサーバ102およびルータ305のIPアドレスなどを事前に取得しておく必要があるので、例えば、ユーザがSTB402に事前に設定したり、STB402が所定の方法で自動的に収集したりするが、本発明の本質的部分ではないので、ここではその説明を省略する。
一方、電話機53にて、VoIP相手局103との通話を行なうユーザ操作(例えば、電話機53のボタン押下による電話番号の入力など)が行われると、VoIPアダプタ403は、通話を開始するために、VoIP相手局103に向けて(PLCアダプタ303、PLCアダプタ304、およびルータ305を介して)、通信開始要求を送信する(ステップS204)。なお、このとき、電話機53から帯域設定要求は送信されない。
なお、VoIP相手局103にて別のユーザが電話機の受話器を取るなど操作を行なうが、本発明の本質的部分ではないので、ここではその説明を省略する。そして、ここでは、VoIPアダプタ403とVoIP相手局103とにおいて、所定のやりとりが行われて、通話の準備が完了しているものとする。
また、通信開始要求を送信するにあたり、VoIPアダプタ403は、VoIP相手局103およびルータ305のIPアドレスなどを事前に取得しておく必要があるので、例えば、ユーザが事前に設定したり、VoIPアダプタ403が所定の方法で自動的に収集したりするが、本発明の本質的部分ではないので、ここではその説明を省略する。
ところで、STB402からの通信開始要求を受信したVoDサーバ102は、その応答として、STB402に向けて映像フローを送信する(ステップS205)。映像フローは、まず、VoDサーバ102から、ルータ305を介してPLCアダプタ304に送信される。PLCアダプタ304では、到着した映像フローに属するパケットを、PLCネットワーク1001に送出可能なタイミングになるまで、バッファリングする。
また、VoIPアダプタ403からの通信開始要求を受信したVoIP相手局103は、その応答として、VoIPアダプタ403に向けてVoIPフローを送信する(ステップS206)。VoIPフローは、VoIP相手局103から、ルータ305を介してPLCアダプタ304に送信される。PLCアダプタ304では、到着したVoIPフローに属するパケットを、PLCネットワーク1001に送出可能なタイミングになるまで、バッファリングする。
一方、親機20aは、一定周期毎に、通信タイミングを各子機間で同期させるためのビーコン信号を、PLCネットワーク1001の全体に対して送信(すなわちブロードキャスト)する(ビーコン送信処理)(ステップS207、S211)。このとき、帯域割り当て処理の結果として生成された、帯域の割り当て情報をビーコン信号に含めて送信する。従って、ビーコン信号を受信した各PLCアダプタは、帯域の割り当て情報を知ることができる。そして、該割り当て情報に基づいて、自装置にバッファリングしているパケットを、PLCネットワーク1001に送出するか、または、引き続きバッファリングする(パケット送出処理)(ステップS208)。例えば、映像フローに割り当てられた帯域(送信許可期間)では、映像パケットがPLCネットワーク1001に送出される。映像フローに割り当てられていない帯域(不割当期間)では、VoIPパケットや、他の(例えばWebコンテンツの)データフローに属するパケットがPLCネットワーク1001に送出される。パケット送出処理の詳細については、後述する。
そして、PLCアダプタ304から送出された映像パケットを、PLCアダプタ302を介してSTB402が受信し、テレビ52に出力する(ステップS209)。また、PLCアダプタ304から送出されたVoIPパケットを、PLCアダプタ303を介してVoIPアダプタ403が受信し、電話機53に出力する(ステップS210)。
以上の流れで映像パケットおよびVoIPパケットが送信されることにより、テレビ52にてVoDサーバ102にて提供される映像コンテンツを視聴することができ、また、電話機53にてVoIP相手局103との間でVoIP通信を行なうことができる。
なお、VoIPによる通信は双方向通信であるため、本来であれば、VoIPアダプタ403からVoIP相手局103に向けたVoIPパケットも送信されるが、ここでは説明の簡略化のために省略している。
(親機の構成)
次に、図1を参照しながら、本実施の形態に係る親機20aの概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る親機20aの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように親機20aは、制御部21、記憶部22、ネットワーク通信部23、および外部装置通信部24を含んで構成される。
制御部21は、記憶部22、ネットワーク通信部23、および外部装置通信部24の制御を行なうとともに、所定の演算処理を行なうものである。所定の演算処理としては、例えば、PLCアダプタ302からの映像フローの帯域設定要求の受信処理などがある。制御部21の詳細な構成については後述する。
記憶部22は、制御部21で利用される各種データ、プログラムの実行によって得られたデータなどを記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリおよび、ROM(Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで実現される。上記各種データは、記憶部22内部の各種記憶部に記憶される。記憶部22は、帯域設定情報記憶部221およびコーデック情報記憶部222を含んでいる。
帯域設定情報記憶部221は、後述する帯域割り当て部211が、映像フローに対して帯域を割り当てた結果を格納する。この帯域割り当て結果については、例を挙げて後述する。
コーデック情報記憶部222は、後述する帯域割り当て部211が、VoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を事前に決定する際に用いる、VoIPでのデータ通信にて使用される標準的なコーデックに関する情報(送信許可期間情報)を、工場出荷時などに予め記憶する。具体的には、標準的なコーデックの規格により定まる、VoIPフローに必要な帯域(送信許可期間)およびVoIPパケットの送出間隔を記憶する。
なお、記憶部22は、必ずしも親機20aに備えられる必要はなく、外部記憶装置として、読み取り可能な状態で親機20aに接続される構成でもよい。
ネットワーク通信部23は、PLCネットワーク1001を介して、PLCアダプタ302などの子機30と通信を行なうものである。
外部装置通信部24は、親機20aに接続される帯域設定要求装置40がある場合、該帯域設定要求装置40と通信を行なうものである。親機20aに接続される帯域設定要求装置40が無い場合、外部装置通信部24は備えなくてもよい。
次に、制御部21について詳細に説明する。制御部21は、帯域割り当て部211(送信許可期間決定手段、送信許可期間設定手段)、帯域通知部212、タイマー管理部213、各種データ送受信部214を含んでいる。
帯域割り当て部211は、まず、あとからVoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を事前に決定する(送信許可期間決定手段)。該決定は、コーデック情報記憶部222に予め記憶している、VoIPでのデータ通信にて使用される標準的なコーデックに関する情報に基づいて行なう。すなわち、標準的なコーデックの規格により定まる、VoIPフローに必要な帯域(送信許可期間)およびVoIPパケットの送出間隔をベースにして、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を事前に決定する。例えば、背景技術の欄にて述べたように、VoIPパケットの送信間隔は、G.711やG.729などに応じて定まっており、伝送遅延やジッタなどを考慮しなければ、VoIPパケットは所定間隔(20ms)毎に到着する。G.711を使用する場合、G.711では1パケットが200バイトで構成されるので、20ms毎に200バイトのデータをPLCネットワーク1001上で伝送する必要がある。そして、仮にPLCネットワーク1001全体で使用可能な帯域が50Mbpsであれば、VoIPフローに割り当てが必要な帯域(送信許可期間)は、20ms毎に32μs(200バイト÷50Mbps)となる。このように求めたVoIPパケットの到着間隔(20ms)および必要な帯域(32μs)から得られる帯域を、あとからVoIPフローに対して割り当てる帯域とする。なお、一般的にVoIPアダプタはVoIPのサービスの提供会社からユーザに販売される。よって、VoIPアダプタが使用するコーデックは工場出荷時から確定しているので、サービスで使用するコーデックにあわせた情報を記憶させておけば、G.711やG.729以外のコーデックを使用するサービスにおいても本発明を適用可能である。
なお、送信許可期間の決定結果そのものを、工場出荷時等にコーデック情報記憶部222に保存しておいてもよい。
次に、帯域割り当て部211は、さらに、ネットワーク通信部23が、PLCアダプタ302などの子機30から受信した帯域設定要求に基づいて、帯域(送信許可期間)の割り当てを行なう(つまり、帯域(送信許可期間)を設定する)(送信許可期間設定手段)。このとき、帯域割り当て部211は、まず、上記受信した帯域設定要求の内容を解析する。
具体的には、まず、上記受信した帯域設定要求のパラメータに含まれるフロー識別情報および要求帯域サイズを抽出する。そして、該抽出したフロー識別情報で示されるデータフロー(例えば、映像フロー)に対して、該抽出した要求帯域サイズで示される帯域の割り当てを行った場合に、他のデータフロー(特に、VoIPフロー)の送出に影響を及ぼさないかどうかを調べる。つまり、上記抽出したフロー識別情報で示されるデータフローに対して、上記抽出した要求帯域サイズで示される帯域をそのまま割り当てた場合に、PLCアダプタ304などの子機30にて、他のデータフローが所定期間以上送出できない状況が継続するか否かを調べる。
そして、他のデータフロー(特に、VoIPフロー)の送出に影響が生じると判断した場合、上記抽出したフロー識別情報で示されるデータフローに対して、上記抽出した要求帯域サイズで示される帯域をそのまま割り当てるのではなく、上記事前に決定した、あとからVoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を考慮した上で、細切れの帯域(送信許可期間)を割り当てる。
具体的には、上記抽出したフロー識別情報で示されるデータフローに対して、ひとかたまりの(時間的に連続した)帯域(送信許可期間)ではなく、細切れの帯域(送信許可期間)を割り当てる。このとき、該細切れの帯域(送信許可期間)同士の間に不割当期間を設ける。不割当期間を設ける間隔および不割当期間の長さは、上記事前に決定した、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)に基づいて決定する。
例えば、上記事前に決定した、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)が20ms毎に32μsである場合、20ms毎に32μsの不割当期間を設けるようにすればよい。ただし、この場合において、必ずしも厳密に20ms毎に32μsの不割当期間を設ける必要はない。すなわち、VoIPパケットの送信間隔として20msという値が理論上決定されたとしても、実際にはシステムやアプリケーションで許容される範囲で幅を持たせてもよい(すなわち、20±αmsとしてもよい)。例えば20msを越える間隔で不割当期間を設けても、VoIPの音声品質に影響が生じない範囲であれば問題ない。
また、例えば、伝送遅延やジッタが生じることを考慮して、VoIPパケットの送出間隔よりやや短い周期で上記細切れの帯域(送信許可期間)を設け、かつ、不割当期間をVoIPパケットの送出間隔よりもやや長く設けて(VoIPパケットの送出間隔は変わらないように)してもよい。
また、例えば、VoIPパケットの送出間隔に比べて極端に短い間隔、例えば半分の10ms毎に不割当期間を設けても、その間隔ではVoIPパケットが到着しないので、VoIPパケットを送出できないため、非効率な帯域割り当てとなり、望ましくない。
また、例えば、VoIPパケットの送出間隔より長い間隔で上記細切れの帯域(送信許可期間)を設けると、不割当期間がVoIPパケット送出間隔よりも長い間隔で設けられることになり、あとから不割当期間にVoIPフローを適切に割り当ててもVoIPパケットの送出間隔が長くなるので、結果として、音声が途切れることとなり、望ましくない。
このように、映像フローに割り当てる細切れの帯域(送信許可期間)、および、該細切れの帯域(送信許可期間)同士の間に設ける不割当期間は、VoIPでの通信で使用されるコーデックや、通話品質として設定する伝送遅延や、VoIPパケット間隔の許容値に基づいて、決定することとなる。
なお、上記抽出したフロー識別情報で示されるデータフロー(例えば、映像フローなど)に割り当てる帯域(送信許可期間)は、細切れになるが、不割当期間の時間幅が小さいので、送信先の帯域設定要求装置にて再生する際に、ほとんど影響は生じない。
なお、本実施形態において、この不割当期間は、VoIPによるデータ通信が実際に行なわれるか否か、PLCネットワーク1001にVoIPによる通信を行なう装置が接続されているか否か、それら装置の電源がオンになっているか否かにかかわらず、設ける。
最後に、帯域割り当て部211は、上述のように映像フローに対して帯域を割り当てた結果(帯域割り当て情報)を、帯域設定情報記憶部221に格納する。帯域割り当て情報については、例を挙げて後述する。
次に、帯域通知部212は、PLCアダプタ302などの子機30から受信した帯域設定要求の応答として、帯域設定要求を受け付けたことを通知するための帯域設定通知を送信する。帯域設定通知の送信は、帯域設定要求を送信してきた送信元の子機30(PLCアダプタ302)と、フローのパケットをPLCネットワーク1001に送出するデータの要求先に接続されている子機30(PLCアダプタ304)との両方に対して行なう。
また、帯域通知部212はさらに、タイマー管理部213からの通知をトリガに、ビーコン信号を送信する。ビーコン信号の送信は、PLCネットワーク1001全体に対して送信(すなわちブロードキャスト)する。このとき、帯域通知部212は、帯域設定情報記憶部221に格納した帯域の割り当て情報を、ビーコン信号を送信する直前に毎回取得し、該取得した帯域の割り当て情報をビーコン信号に含めて送信する。
なお、これにより、ビーコンを受信した子機30(PLCアダプタ304)は、帯域の割り当て情報を知ることができ、該割り当て情報に基づいて、自装置に到着したパケットを、PLCネットワーク1001上に送出するか、または、自装置にてバッファリングしておくかを判断する。
次に、タイマー管理部213は、所定周期毎(例えば100ms毎)に、帯域通知部212に対して、帯域通知部212がビーコン信号を送信するトリガとなる通知を行なう。
次に、各種データ送受信部214は、ネットワーク通信部23を介して、PLCアダプタ302などの子機30との間で各種データを送受信するとともに、外部装置通信部24を介して、帯域設定要求装置40との間で各種データを送受信する。
(帯域設定要求装置の構成)
次に、図5を参照しながら、本実施の形態に係る帯域設定要求装置40aの概略構成について説明する。図5は、本実施の形態に係る帯域設定要求装置40aの概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように帯域設定要求装置40aは、制御部41、記憶部42、子機通信部44、入力操作部45、およびデータ入出力部46を含んで構成される。
制御部41は、記憶部42、子機通信部44、入力操作部45、およびデータ入出力部46の制御を行なうとともに、所定の演算処理を行なうものである。所定の演算処理としては、例えば、PLCアダプタ302などの子機30からの映像フローの受信処理などがある。制御部41の詳細な構成については後述する。
記憶部42は、制御部41で利用される各種データ、プログラムの実行によって得られたデータなどを記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリおよび、ROM(Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリで実現される。上記各種データは、記憶部42内部の各種記憶部に記憶される。なお、記憶部42は、必ずしも帯域設定要求装置40aに備えられる必要はなく、外部記憶装置として、読み取り可能な状態で帯域設定要求装置40aに接続される構成でもよい。
子機通信部44は、帯域設定要求装置40aに接続される子機30との通信を行なうものである。
入力操作部45は、帯域設定要求装置40aのユーザの入力操作を受け付け、該入力操作に応じた入力信号を、後述するイベント処理部411に送信する。入力操作部45は、例えば、リモコン、マウス、キーボード、スイッチ、タッチパネルなどの入力デバイスで構成される。ユーザが入力操作部45から入力操作を行なうことにより、映像の視聴開始などの入力操作に応じた入力信号を生成する。
なお、入力操作部45は、必ずしも帯域設定要求装置40aに備えられる必要はなく、外部装置として帯域設定要求装置40aに通信可能に接続される構成でもよい。
データ入出力部46は、後述するデータ送受信部414が、PLCアダプタ302などの子機30から受信した映像や音声などのデータを出力するものであり、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)で構成される表示部であってもよいし、例えばスピーカで構成される音声出力部であってもよい。なお、データ入出力部46は、必ずしも帯域設定要求装置40aに備えられる必要はなく、外部装置として、帯域設定要求装置40aに接続される構成でもよい。例えば、帯域設定要求装置40aは映像や音声の出力端子を備えており、そこにケーブルでTVやスピーカを接続するという構成でもよい。
次に、制御部41について詳細に説明する。制御部41は、イベント処理部411、帯域設定要求処理部412、通信処理部413、データ送受信部414を含んでいる。
イベント処理部411は、帯域設定要求装置40aにおいて発生する各種イベントを検知して、所定の指示信号を、制御部41の各部に伝達するものである。例えば、イベント処理部411は、入力操作部45のボタンなどをユーザが押下したとき状態を検知する。
帯域設定要求処理部412は、入力操作部45からの所定の入力信号をトリガとして、通信相手先から受信したいデータフローに対する帯域の割り当てを、PLCアダプタ302などの子機30を介して親機20aに要求するための帯域設定要求を送信する。このとき、帯域設定要求処理部412は、送信する帯域設定要求のパラメータとして、帯域設定要求を行なう対象のフロー識別情報と要求帯域サイズとを少なくとも指定する。
また、帯域設定要求処理部412は、親機20aが帯域設定要求を受け付けたことを通知するための帯域設定通知を、親機20aから、帯域設定要求装置40aに接続されている子機30を介して受信する。
通信処理部413は、帯域設定要求処理部412が帯域設定通知を受信したことをトリガとして、通信相手先に対して、帯域設定要求装置40aに接続されている子機30を介して通信開始要求を送信する。
データ送受信部414は、通信相手先からのデータを、帯域設定要求装置40aに接続されている子機30を介して受信し、該受信したデータをデータ入出力部46に出力したり、逆に、データ入出力部46から入力されたデータを、帯域設定要求装置40aに接続されている子機30を介して通信相手先に送信したりする。
(帯域割り当て情報)
次に、図6を参照しながら、親機20aの帯域設定情報記憶部221に格納される、帯域割り当て情報について説明する。図6は、親機20aの帯域設定情報記憶部221に格納される、帯域割り当て情報の具体例を模式的に示した図である。
図6に示すように、帯域割り当て情報として6つの項目が含まれる。すなわち、送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、送信元ポート番号、送信元ポート番号、送信開始時間、および送信終了時間が含まれる。ただし、同様の情報を示すことができれば、これらの項目に限定されるものではない。
送信元IPアドレスは、パケットを送信しようとする装置のIPアドレスである。また、送信先IPアドレスは、上記パケットを送信する先の装置のIPアドレスである。
送信元ポート番号は、上記パケットを送信しようとする装置が、該パケットを送信する際に使用するポート番号である。また、送信元ポート番号は、上記パケットを送信する先の装置が、該パケットを受信する際に使用するポート番号である。ポート番号はトランスポートレイヤのプロトコルごとに一意に決定される(TCPの1番ポートとUDPの1番ポートは別のポートとして識別される)ので、本来はポート番号に加えてトランスポートレイヤのプロトコルを示す情報(例えばTCPかUDPかを示す情報)が必要であるが説明の簡単のため省略する。
送信開始時間は、上記パケットに割り当てられた帯域(送信許可期間)の開始時間である。また、送信終了時間は、上記パケットに割り当てられた帯域(送信許可期間)の終了時間である。
図6に示す例では、送信元IPアドレスが「IPアドレスA」、送信先IPアドレスが「IPアドレスB」、送信元ポート番号が「ポート番号A」、送信元ポート番号が「ポート番号B」、送信開始時間が「T1」、および送信終了時間が「T2」という情報が格納されている。さらに、送信元IPアドレスが「IPアドレスA」、送信先IPアドレスが「IPアドレスB」、送信元ポート番号が「ポート番号A」、送信元ポート番号が「ポート番号B」、送信開始時間が「T3」、および送信終了時間が「T4」という情報が格納されている。さらに、送信元IPアドレスが「IPアドレスA」、送信先IPアドレスが「IPアドレスB」、送信元ポート番号が「ポート番号A」、送信元ポート番号が「ポート番号B」、送信開始時間が「T5」、および送信終了時間が「T6」という情報が格納されている。
これは、IPアドレスがIPアドレスAである装置のポート番号Aから、IPアドレスがIPアドレスBである装置のポート番号Bに向けて送信されるパケットは、T1からT2まで、T3からT4まで、およびT5からT6までの時間帯に送信可能であることを示している。
(子機に到着したパケットの送出タイミング)
帯域割り当て情報を、ビーコン信号に含めて、親機20aからブロードキャストするので、ビーコン信号を受信した子機30は、どのようなパケットが、どの時間帯に送信可能であるかを知ることができる。そして、子機30は、帯域割り当て情報および、自装置に到着したパケットに含まれる情報(パケットを送信した装置のIPアドレスおよびポート番号、および、パケットを送信する先の装置のIPアドレスおよびポート番号)に基づいて、自装置に到着したパケットをPLCネットワーク1001へ送出する。パケットが自装置に到着したときが、該パケットの送信可能な時間帯ではない場合、子機30は、該パケットの送信可能な時間帯になるまで、該パケットをPLCネットワーク1001上へ送出せず自装置内でバッファリングする。
また、子機30は、上記割り当て情報に存在しないIPアドレスおよびポート番号を含むパケットを受信したときは、該受信したパケットを不割当期間にPLCネットワーク1001へ送出する。したがって、ビーコン信号に含まれる帯域割り当て情報が図6に示すものである場合において、子機30が、例えば、送信元IPアドレスが「IPアドレスC」、送信先IPアドレスが「IPアドレスD」、送信元ポート番号が「ポート番号C」、送信元ポート番号が「ポート番号D」という情報を含むパケットを受信した場合、子機30は、例えばT2からT3や、T4からT5といった時間帯に、該受信したパケットをPLCネットワーク1001へ送出する。
(帯域割り当て処理)
次に、図7を参照しながら、上述した帯域割り当て処理の流れを説明する。図7は、親機20aにおける、帯域割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、親機20aの起動直後、帯域割り当て部211が、あとからVoIPフローに割り当てるべき帯域(送信許可期間)を事前に決定する(ステップS100)。そして、上記決定後、親機20aは、受信待ち状態となる。
次に、子機30から帯域設定要求を受信すると(ステップS101にてYES)、帯域割り当て部211は、該受信した帯域設定要求の内容を解析する(ステップS102)。すなわち、該受信した帯域設定要求に含まれるフロー識別情報および帯域要求サイズを抽出する。なお、本実施の形態では、VoIPフローはCSMA方式にて伝送するため、子機30からは、VoIPフローの帯域設定要求は送信されない。
そして、帯域割り当て部211は、上記抽出した帯域要求サイズ、および、上記事前に決定したVoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)に基づいて、要求されたデータフローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てる。そして、帯域割り当て部211は、要求されたデータフローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てた結果を、帯域設定情報記憶部221に格納する(ステップS105)。
その後、帯域通知部212が、上記受信した帯域設定要求の応答として、帯域設定通知を送信する(ステップS106)。その後、親機20aは、再び受信待ち状態となる。
一方、子機30からの帯域設定要求を受信しなかった場合(ステップS101にてNO)、前回ビーコン信号を送信してから所定期間(例えば100ms)経過している場合(ステップS107にてYES)、すなわち、タイマー管理部213が帯域通知部212に対して通知を行った場合、帯域通知部212は、帯域設定情報記憶部221に格納されている、帯域の割り当て情報を取得し、該取得した帯域の割り当て情報をビーコン信号に含めて送信する(ステップS108)。その後、親機20aは、再び受信待ち状態となる。
なお、前回ビーコン信号を送信してから所定期間(100ms)経過していない場合(ステップS107にてNO)、親機20aは、再び受信待ち状態となる。
(パケット送出処理)
次に、図8を参照しながら、親機20aにおいて上述のように映像フローに対する帯域割り当て処理を行った後において、VoIP相手局103からVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、VoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出するタイミングについて説明する。図8は、親機20aにおいて上述のように映像フローに対する帯域割り当て処理を行った後において、PLCアダプタ304がVoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出するタイミングを模式的に示す図である。
まず、図8におけるブロックK1では、帯域割り当て部211が、PLCアダプタ302からの映像フローの帯域設定要求を受信し、映像フローに対して帯域を割り当てた状況を図示している。
この例では、ビーコン信号B1とビーコン信号B2との間、および、ビーコン信号B2とビーコン信号B3との間は100msである。すなわち、1サイクルは100msである。そして、映像フローは細切れの帯域(送信許可期間)E1〜E6に割り当てられている。また、映像フローが割り当てられた帯域(送信許可期間)の間には、それぞれ不割当期間N1〜N6が設けられている。不割当期間N1、N2、N4、N5は、あとからVoIPフローを伝送することを考慮して、ビーコン信号から20ms経過毎に設けた不割当期間である。なお、不割当期間N3およびN6は、VoIPフロー以外の(Webコンテンツなどの)データフローをも伝送可能とするために設けた期間である。なお、不割当期間N3およびN6に送出される対象となる、Webコンテンツのデータのパケットなどは、パケット間の送出時間のばらつきや遅延あっても、受信端末での表示などに影響を及ぼすことが少ないため、1サイクルの後半にまとめて送出されても問題ない。
なお、このように帯域(送信許可期間)が割り当てられたことは、親機20aからのビーコン信号により、PLCアダプタ304に通知されている。
次に、図8におけるブロックK2では、VoIP相手局103などからVoIPパケットP1〜P10がPLCアダプタ304に到着するタイミングを図示している。ここでは、VoIPパケットP1〜P10がそれぞれ20ms毎に到着している。なお、実際には、例えばVoIP相手局103などからIP網を経由して伝送される際に伝送遅延やジッタが発生するが、ここでは説明の簡略化のために無視する。
次に、図8におけるブロックK3では、PLCアダプタ304が、上記到着したVoIPパケットP1〜P10をPLCネットワーク1001に送出可能なタイミングを図示している。なお、ここでは、CSMA方式により上記到着したVoIPパケットP1〜P10をPLCネットワーク1001に送出する。まず、VoIPパケットP1が到着した時点では、伝送帯域(送信許可期間)は映像フローに対して割り当てられているため、VoIPパケットP1は直ちにはPLCネットワーク1001に送出できず、送出可能になるまでPLCアダプタ304にてバッファリングされる。そして、不割当期間N1では帯域が空いているので、PLCアダプタ304は上記バッファリングしていたVoIPパケットP1をPLCネットワーク1001に送出する。
PLCアダプタ304にてバッファリングしたために、VoIPパケットP1には伝送遅延D1(約20ms)が生じている。しかしながら、映像フローに割り当てる帯域(送信許可期間)を細切れにしたことにより、図27を用いて説明した従来方式にて生じたパケットの伝送遅延よりも小さくなっていることがわかる。
なお、本来は、最初のVoIPパケットの到着と1サイクルの開始点は必ずしも一致しないが、説明の簡単のためにこれらを一致させている。最初のパケットの到着時間がずれた場合にも、本発明が適用可能であることは、後述の説明から自明である。不割当期間は20msごとに設けられているので、サイクルの始点とVoIPパケットの送信のタイミングがどのようにずれても、伝送遅延D1が20msを超えることはない。(図8は伝送遅延D1が最も大きくなる場合である)また、VoIPアダプタ304は元々IP網でのパケット伝送遅延を考慮して設計されており、IP網での遅延は伝送遅延D1に比べて大きなものであるので、伝送遅延D1によって音質が劣化することはない。
同様に、VoIPパケットP2は、送出可能になるまでPLCアダプタ304にてバッファリングされ、不割当期間N2にてPLCネットワーク1001に送出される。なお、VoIPパケットP1をPLCネットワーク1001に送出する不割当期間N1とVoIPパケットP2をPLCネットワーク1001に送出する不割当期間N2との間隔は20msであり、PLCアダプタ304へのVoIPパケットP1の到着からVoIPパケットP2の到着までの間隔と同じであるから、通話品質は悪化しない。
また同様に、VoIPパケットP3およびVoIPパケットP4は、送出可能になるまでPLCアダプタ304にてバッファリングされ、不割当期間N3にてPLCネットワーク1001に送出される。
次に、VoIPパケットP5が到着するのは、不割当期間N3の期間中であるから、VoIPパケットP5については、到着後直ちにPLCネットワーク1001に送出可能となる。
なお、各不割当期間N1〜N6では、VoIPフロー以外のデータフローに属するパケット(例えば、Webコンテンツのデータフローに属するパケットなど)も送出の対象となるが、VoIPパケットの優先度フィールドにはVoIP相手局にて通常よりも高い値が設定されており(現在一般的に使用されているVoIPアダプタはそのように動作する)、優先制御型QoSにより、VoIPパケットが優先的にPLCネットワーク1001に送出される。
また、VoIPパケットP6は、不割当期間N3の終了後に到着するので、次の不割当期間N4までPLCネットワーク1001に送出することができない。したがって、VoIPパケットP5とVoIPパケットP6との送出間隔D2(約40ms)は、PLCアダプタ304へのVoIPパケットP5の到着からVoIPパケットP6の到着までの間隔よりも大きくなる。しかしながら、この間隔についても、映像フローに割り当てる帯域(送信許可期間)を細切れにしたことにより、図27を用いて説明した従来方式よりも小さくなっていることがわかる。
以上のように、本実施の形態によれば、1)親機20aは、映像フローの帯域設定要求を受信した際、映像フローに対して細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)に割り当てる。そして、不割当期間を、映像フローに対して割り当てた細切れの帯域(送信許可期間)同士の間に設ける。なお、不割当期間は、標準的なコーデックに関する情報に基づいて決定可能であり、VoIPフローのQoSを確保するために必要なVoIPパケットの送出間隔毎に設ける。2)そして、親機20aが帯域割り当てを行った後、VoDサーバ102からの映像パケットおよびVoIP相手局103からのVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットを上記映像フローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットを上記不割当期間にてCSMA方式でPLCネットワーク1001に送出する。
なお、通常は、映像フローのための送信許可期間はひとかたまりに割り当てられる。これに対して本実施形態では、複数の送信許可期間に分割して割り当てられる。送信許可期間の切れ目では、キャリアセンス(各端末が他の端末から信号が送信されているかどうか確認する)等の処理が必要となるため、送信許可期間の切れ目が多いほど、伝送のオーバーヘッドが大きくなる。つまり、本実施形態では、通常よりも映像フロー伝送のためのオーバーヘッドが増加するので、ネットワーク全体としての帯域の使用効率は若干低下する可能性がある。つまり、本発明はネットワーク全体としての帯域の使用効率を低下させてでも、VoIPの伝送品質を確保しようとするものである。
よって、VoIPフローと映像フローとが同一のネットワーク上で伝送される状況においても、VoIPパケットの伝送遅延や到着間隔が大きくならないようにすることができる。したがって、本実施の形態によれば、QoSを確保したVoIPによる通話を実現することができる。
(変形例)
上述では、最初に、あるユーザが、帯域設定要求装置40aであるSTB402にて、VoDサーバ102にて提供される映像コンテンツの視聴を開始し、その後に、別のユーザが、電話機53にて、VoIP相手局103との間で通話を開始する場合について説明した。しかしながら、最初に、あるユーザが、電話機53にて、VoIP相手局103との間で通話を開始し、その後、別のユーザが、STB402にて、VoDサーバ102にて提供される映像コンテンツの視聴を開始する場合であっても、ほぼ同様であるので、以下で説明する。
この場合、親機20aにおいて、映像フローに対する帯域割り当てが行われるより前に、PLCアダプタ304にVoIPパケットが到着する場合がある。この段階では、どのデータフローに対しても帯域(送信許可期間)が割り当てられていない。つまり、全ての期間が不割当期間であることとなる。したがって、この段階では、PLCアダプタ304に到着したVoIPパケットは、任意のタイミングでPLCネットワーク1001へ送出可能となる(他のフローのパケットの送信と競合する場合もあるが、VoIPパケットの優先度が高く設定されているので、優先的に送信できる)。
その後、親機20aにて、映像フローの帯域設定要求が受信されると、上述で説明したように、映像フローに対する帯域割り当てが行われ、その結果がビーコン信号とともに、PLCアダプタ304に送信される。したがって、このビーコン信号をPLCアダプタ304が受信した以降は、上述で説明したとおり、映像フローに割り当てられた帯域(送信許可期間)では、映像パケットがPLCネットワーク1001に送出される。不割当期間では、VoIPパケットや、他の(例えばWebコンテンツの)データフローに属するパケットがPLCネットワーク1001に送出される。
なお、本実施の形態ではVoIPフローの帯域(送信許可期間)を映像フローの帯域(送信許可期間)同士の間に挿入するように説明したが、挿入する帯域はVoIPフローの帯域に限らない。例えば、ネットワーク構成やアプリケーションなどにより予め定まる、伝送遅延やジッタなどの許容値が小さいデータフローの帯域(送信許可期間)を挿入するようにしてもよい。以下の実施の形態でも同様である。
また、本実施の形態では、映像フローの帯域(送信許可期間)を分割したが、これに限定されるものではなく、VoIPフローの伝送に影響を及ぼすような帯域割り当てが必要となる場合(ここでは20msより長い送信許可期間を割り当てる必要がある場合)に、そのフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を分割すればよい。このように、挿入する帯域および分割する帯域に関して、それぞれVoIPフローおよび映像フローに限定されないことは、以下の実施の形態でも同様である。
また、複数の映像フローが伝送されている場合は、VoIPフローのための送信許可期間の間にそれぞれの映像フローのための送信許可期間を設けたり(映像フローのための送信許可期間を半分ずつ割り当てる)、不割当期間に別の映像フローのための送信許可期間を割り当てること等が考えられる。どのように割り当てるかは、帯域設定要求装置から要求された必要帯域などに応じて決定すればよい。
なお、このようにして設定されたVoIPパケットの送出間隔を越える時間幅の帯域(ここでは、映像フローの帯域)を使用するデータ通信が終了した場合、1)この帯域割り当てをすぐに解放したり、2)しばらくそのまま割り当てた状態にしておき、他のデータフローに対して割り当てる帯域が不足した段階で解放したり、3)ユーザ指示などの所定トリガに従って解放したりすることが考えられるが、本発明の本質的部分ではないので、ここではその説明を省略する。
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、VoDサーバ102から映像パケットを受信し、VoIP相手局103からVoIPパケットを受信したPLCアダプタ302が、映像パケットをTDMA方式にてPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットをCSMA方式にてPLCネットワーク1001に送出する形態について説明したが、本実施の形態では、VoDサーバ102から映像パケットを受信し、VoIP相手局103からVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットおよびVoIPパケットのいずれについてもTDMA方式にてPLCネットワーク1001に送出する形態について説明する。したがって、本実施の形態では、映像フローの受信を要求する子機30であるPLCアダプタ302から親機20aに対して、映像フローの帯域設定要求が行われ、また、VoIPフローの受信を要求する子機30であるPLCアダプタ303から親機20aに対して、VoIPフローの帯域設定要求が行われる。
本実施の形態について図9から図13に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、実施の形態1にて説明した処理と同一に処理については、その説明を省略する。
(本実施の形態の概要)
本実施の形態では、まず、1)親機20aが、映像フローの受信を要求するPLCアダプタ302から、映像フローの帯域設定要求を受信した際、映像フローに対して細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)を割り当てる。このとき、特定のデータフローを予め割り当てておかない帯域(すなわち、映像フロー以外の任意のデータフローを送信可能な期間)(以下、不割当期間と称する)を、映像フローに対して割り当てた細切れの帯域(送信許可期間)同士の間に設ける。なお、不割当期間は、VoIPフローのQoSを確保するために必要なVoIPパケットの送出間隔毎に設ける。
2)次に、親機20aが、VoIPフローの受信を要求するPLCアダプタ303から、VoIPフローの帯域設定要求を受信した際、親機20aは、上記不割当期間を、VoIPフローを割り当てる帯域に設定する。
3)その後、VoDサーバ102からの映像パケットおよびVoIP相手局103からのVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットを、上記映像フローに割り当てた帯域にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットを、上記VoIPフローに割り当てた帯域にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出する。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、親機20aが、上述したように、映像フローの帯域(送信許可期間)およびVoIPフローの帯域(送信許可期間)を設けることにより、映像パケットおよびVoIPパケットをPLCネットワーク1001に送信するPLCアダプタ304は、VoIPフローのQoSを確保するために必要なVoIPパケットの送出間隔毎に、VoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出する。その結果、最終的にデータを受信する端末におけるVoIPパケットの伝送遅延および到着間隔は、従来方式を用いて帯域割り当てを行った場合におけるVoIPパケットの伝送遅延および到着間隔よりも、少なくすることができる。
(帯域設定要求装置がデータを要求してから受信するまでの流れ)
次に、図9を参照しながら、本実施の形態において、STB402およびVoIPアダプタ403がデータを要求してから受信するまでの流れの概略について説明する。図9は、本実施の形態において、STB402およびVoIPアダプタ403がデータを要求してから受信するまでの流れを模式的に示したシーケンス図である。
あるユーザが、テレビ52にてVoDサーバ102にて提供される映像コンテンツを視聴するまで、および、他のユーザが、電話機53にてVoIP相手局103との間でVoIP通信を行なうまでの処理の流れについて、説明する。実施の形態1にて図4を用いて説明した流れとほぼ同様であるが、図4におけるシーケンスJ2に代えて、シーケンスJ2’で示す流れとなる。
シーケンスJ2’では、まず電話機53にて、VoIP相手局103との通話を行なうユーザ操作(例えば、電話機53のボタン押下による電話番号の入力など)が行われると、電話番号などの情報がVoIPアダプタ403に通知される(不図示)。通知方法は本発明の本質と関わらないので省略するが、一般的なアナログ電話がVoIPアダプタ経由で通話を行う場合の処理である。これを受けたVoIPアダプタ403はVoIPでの受信を開始する処理(受信開始処理)として、VoIPアダプタ403に接続されているPLCアダプタ303に対して、VoIPフローの帯域設定要求を送信する(ステップS212)。
この場合、帯域設定要求に含まれるフロー識別情報は、VoIPアダプタ403のIPアドレス、VoIP相手局103のIPアドレス、VoIPアダプタ403にてVoIPデータの受信に使用されるポート番号、VoIP相手局103にてVoIPデータの送信に使用されるポート番号などが含まれる。これらの情報は電話機53から通知された電話番号の情報から変換するが、一般的な処理であり、本発明の本質に関わらないので省略する。
また、要求帯域サイズについては、VoIPアダプタには使用するべきコーデックに必要な帯域の情報を工場出荷時に記憶されており、その情報を元にVoIPアダプタ403が要求帯域サイズを決定することができる。
なお、VoIPアダプタ403からPLCアダプタ303へ帯域設定要求を行なう方法は任意であるが、ここでは、VoIPアダプタ403からPLCアダプタ303に対して、所定の制御用パケットを送信するものとする。また、帯域割り当て間隔(TXOP間隔)、および、1度に割り当てる帯域幅(TXOP長)を含むCSPEC情報等は通知しないものとする。
そして、PLCアダプタ303は、上記帯域設定要求を受信すると、親機20aに対して帯域設定要求を送信する。ここで、PLCアダプタ303から親機20aに送信する帯域設定要求は、VoIPアダプタ403からPLCアダプタ303に送信された帯域設定要求と同一の、フロー識別情報および要求帯域サイズを含む所定の制御用パケットである。
なお、ここでは、電話機53からPLCアダプタ303への帯域設定要求と、PLCアダプタ303から親機20aへの帯域設定要求とを異なる制御用パケットとして説明したが、これに限定されるものではなく、電話機53が直接親機20aに対して、1つの制御用パケットを送信してもよい。
次に、親機20aは、PLCアダプタ303からの帯域設定要求を受信すると、帯域割り当て処理を行なう(ステップS213)。親機20aは、帯域割り当て処理の結果として、帯域の割り当て情報を生成する。帯域割り当て処理の詳細、および、帯域の割り当て情報の具体例については、後述する。
帯域割り当て処理の最後に、親機20aは、帯域設定要求を受け付けたことを通知するための帯域設定通知を送信する。帯域設定通知の送信は、帯域設定要求を送信してきたPLCアダプタ303および、VoIPフローの送信元となるVoIP相手局103(実質的にはIP網を経てVoIP相手局と接続されているルータ305)が接続されているPLCアダプタ304の両方に対して行なう。これにより、PLCアダプタ303およびPLCアダプタ304は、親機20aにて(VoIPフローの)帯域設定要求が受け付けられたことを知ることができる。そして、PLCアダプタ303はVoIPアダプタ403に帯域設定要求が受け付けられた事を通知し、VoIPアダプタ403も、帯域設定通知を受信したことを知り、帯域割り当てが完了したことを知る。
そして、電話機53は、VoIPデータの受信を行なうために、VoIP相手局103に向けて(PLCアダプタ303、PLCアダプタ304、およびルータ305を介して)通信開始要求を送信する(ステップS204)。
また、ステップS208にて、ビーコン信号を受信した各PLCアダプタは、該割り当て情報に基づいて、自装置にバッファリングしているパケットを、PLCネットワーク1001に送出するか、または、引き続きバッファリングする(パケット送出処理)が、本実施の形態では、映像フローおよびVoIPフローのそれぞれについて帯域割り当てが行われているので、映像フローに割り当てられた帯域(送信許可期間)では、映像パケットがPLCネットワーク1001に送出され、VoIPフローに割り当てられた帯域(送信許可期間)では、VoIPパケットがPLCネットワーク1001に送出され、映像フローおよびVoIPフローのいずれもが割り当てられていない帯域(送信許可期間)では、他の(例えばWebコンテンツの)データフローに属するパケットがPLCネットワーク1001に送出される。本実施の形態におけるパケット送出処理の詳細については、後述する。
(帯域割り当て情報)
次に、図10を参照しながら、本実施の形態における、帯域割り当て情報について説明する。図10は、本実施の形態における、帯域割り当て情報の具体例を模式的に示した図である。
図10に示す帯域割り当て情報には、実施の形態1において図6で説明した3つの帯域割り当て情報に加えて、さらに3つの帯域割り当て情報が格納されている。
すなわち、送信元IPアドレスが「IPアドレスC」、送信先IPアドレスが「IPアドレスD」、送信元ポート番号が「ポート番号C」、送信元ポート番号が「ポート番号D」、送信開始時間が「T2」、および送信終了時間が「T3」という情報が格納されている。さらに、送信元IPアドレスが「IPアドレスC」、送信先IPアドレスが「IPアドレスD」、送信元ポート番号が「ポート番号C」、送信元ポート番号が「ポート番号D」、送信開始時間が「T4」、および送信終了時間が「T5」という情報が格納されている。さらに、送信元IPアドレスが「IPアドレスC」、送信先IPアドレスが「IPアドレスD」、送信元ポート番号が「ポート番号C」、送信元ポート番号が「ポート番号D」、送信開始時間が「T6」、および送信終了時間が「T7」という情報が格納されている。
したがって、図10に示す帯域割り当て情報からは、1)IPアドレスがIPアドレスAである装置のポート番号Aから、IPアドレスがIPアドレスBである装置のポート番号Bに向けて送信されるパケットは、T1からT2まで、T3からT4まで、およびT5からT6までの時間帯に送信可能であること、および、2)IPアドレスがIPアドレスCである装置のポート番号Cから、IPアドレスがIPアドレスDである装置のポート番号Dに向けて送信されるパケットは、T2からT3まで、T4からT5まで、およびT6からT7までの時間帯に送信可能であるがわかる。ここで、上記1)は、例えば映像フローに対する帯域割り当て情報であり、上記2)は、例えばVoIPフローに対する帯域割り当て情報である。
(帯域割り当て処理)
次に、図11を参照しながら、本実施の形態における、帯域割り当て処理の流れを説明する。図11は、本実施の形態における、帯域割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11は、実施の形態1において図7を用いて説明したフローチャートとほぼ同様であるが、図7と比較すると、ステップS103およびS104が含まれる点が異なる。
すなわち、ステップS102にて、帯域割り当て部211が、受信した帯域設定要求の内容を解析した結果、上記受信した帯域設定要求がVoIPフローに対するものであると判明した場合(ステップS103にてYES)、帯域割り当て部211は、ステップS100にて事前に決定したVoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を、そのままVoIPフローに対して割り当てる。そして、帯域割り当て部211は、VoIPフローに対して帯域を割り当てた結果を、帯域設定情報記憶部221に格納する(ステップS104)。
なお、受信した帯域設定要求がVoIPフローに対するものであるか否かを判定するには、帯域設定要求に含まれる帯域要求サイズが、予め記憶されているVoIPのコーデックの情報から決定された帯域要求サイズと合致するかどうかによって判定することが考えられる。また、後述するように、帯域設定要求に送信許可期間の割り当て間隔(TXOP間隔)、および、1度に割り当てる送信許可期間の長さ(TXOP長)が設定可能である場合には、そこに設定された値と予め記憶されているVoIPのコーデックの情報から決定されたパケット間隔やパケットサイズが合致するかどうかによって、VoIPフローに対する帯域設定要求であるか否かを判定できる。
また、帯域設定要求に対象となるフローがVoIPフローであるかどうかを判別できる情報を要求の送信側(VoIPアダプタ403やPLCアダプタ303)が帯域設定要求に含めて送信し、その情報を元に判定することが考えられる。例えば、フローの種類(映像、VoIP、他のデータ等)の識別コードを規定しておき、当該識別コードを帯域設定要求の送信側から親機へ通知することが考えられる。また、親機がPLCネットワーク1001上のパケットをスヌーピング(自装置宛でないパケットまでをも受信して解析する)し、VoIPフローと予想されるフローのフロー識別情報を記憶しておき、記憶しておいたフロー識別情報と帯域設定要求に含まれるフロー識別情報が合致した場合に、VoIPフローであると判定することが考えられる。親機は予め記憶されていたVoIPのコーデックの情報からVoIPフローのパケット送信間隔やパケットサイズを知ることができるので、PLCネットワーク1001において送信されているフローの送信間隔やパケットサイズを解析することでVoIPフローであるか否かを判定できる。
一方、ステップS102にて、帯域割り当て部211が、受信した帯域設定要求の内容を解析した結果、上記受信した帯域設定要求がVoIPフロー以外のフローに対するものであると判明した場合(ステップS103にてNO)、帯域割り当て部211は、受信した帯域設定要求から抽出した帯域要求サイズ、および、ステップS100にて事前に決定したVoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)に基づいて、要求されたデータフローに対して細切れに帯域(送信許可期間)を割り当てる。そして、帯域割り当て部211は、要求されたデータフローに対して帯域を割り当てた結果を、帯域設定情報記憶部221に格納する(ステップS105)。
(パケット送出処理)
次に、図12を参照しながら、本実施の形態において上述のように映像フローおよびVoIPフローに対する帯域割り当て処理を行った後において、VoIP相手局103からVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、VoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出するタイミングについて説明する。図12は、本実施の形態において映像フローおよびVoIPフローに対する帯域割り当て処理を行った後において、PLCアダプタ304がVoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出するタイミングを模式的に示す図である。
まず、図12におけるブロックK4では、帯域割り当て部211が、PLCアダプタ302およびPLCアダプタ303から、映像フローおよびVoIPフローの帯域設定要求をそれぞれ受信し、映像フローおよびVoIPフローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てた状況を図示している。
この例では、ビーコン信号B11とビーコン信号B12との間、および、ビーコン信号B12とビーコン信号B13との間は100msである。すなわち、1サイクルは100msである。そして、映像フローは細切れの帯域(送信許可期間)E11〜E16に割り当てられている。また、映像フローが割り当てられた帯域(送信許可期間)の間には、それぞれVoIPフローのために割り当てられた帯域(送信許可期間)V1〜V10が挿入されている。また、サイクルの後半には、不割当期間N11〜N14が設けられている。なお、不割当期間N11〜N14は、映像フローおよびVoIPフローの他の(Webコンテンツなどの)データフローを伝送可能な期間である。
なお、このように帯域(送信許可期間)が割り当てられたことは、親機20aからのビーコン信号により、PLCアダプタ304に通知されている。
次に、図12におけるブロックK5では、VoIP相手局103などからVoIPパケットP1〜P10がPLCアダプタ304に到着するタイミングを図示している。ここでは、VoIPパケットP1〜P10がそれぞれ20ms毎に到着している。なお、実際には、例えばVoIP相手局103などからIP網を経由して伝送される際に伝送遅延やジッタが発生するが、ここでは説明の簡略化のために無視する。
次に、図12におけるブロックK6では、PLCアダプタ304が、上記到着したVoIPパケットP1〜P10をPLCネットワーク1001に送出可能なタイミングを図示している。なお、ここでは、TDMA方式により上記到着したVoIPパケットP1〜P10をPLCネットワーク1001に送出する。すなわち、VoIPパケットP1が到着した時点では、伝送帯域(送信許可期間)は映像フローに対して割り当てられているため、VoIPパケットP1は直ちにはPLCネットワーク1001に送出できず、送出可能になるまでPLCアダプタ304にてバッファリングされる。そして、VoIPフローに割り当てた帯域(送信許可期間)V1にて、PLCアダプタ304は上記バッファリングしていたVoIPパケットP1をPLCネットワーク1001に送出する。
PLCアダプタ304にてバッファリングしたために、VoIPパケットP1には伝送遅延D3(約20ms)が生じている。しかしながら、映像フローに割り当てる帯域(送信許可期間)を細切れにしたことにより、図27を用いて説明した従来方式にて生じたパケットの伝送遅延よりも小さくなっていることがわかる。
なお、本来は、最初のVoIPパケットの到着と1サイクルの開始点は必ずしも一致しないが、説明の簡単のためにこれらを一致させている。最初のパケットの到着時間がずれた場合にも、本発明が適用可能であることは、後述の説明から自明である。不割当期間は20msごとに設けられているので、サイクルの始点とVoIPパケットの送信のタイミングがどのようにずれても、伝送遅延D3が20msを超えることはない。(図12はD3が最も大きくなる場合である)また、VoIPアダプタ304は元々IP網でのパケット伝送遅延を考慮して設計されており、IP網での遅延は伝送遅延D3に比べて大きなものであるので、伝送遅延D3の遅延によって音質が劣化することはない。
同様に、VoIPパケットP2は、送出可能になるまでPLCアダプタ304にてバッファリングされ、VoIPフローに割り当てた帯域(送信許可期間)V2にてPLCネットワーク1001に送出される。なお、VoIPパケットP1をPLCネットワーク1001に送出するタイミングとVoIPパケットP2をPLCネットワーク1001に送出するタイミングとの間隔は20msであり、PLCアダプタ304へのVoIPパケットP1の到着からVoIPパケットP2の到着までの間隔と同じであるから、通話品質は悪化しない。
以後同様に、VoIPパケットP3〜P10はそれぞれ、送信許可期間V3〜V10において、PLCネットワーク1001に送出される。
以上のように、本実施の形態によれば、1)親機20aは、映像フローの帯域設定要求を受信した際、映像フローに対して細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)に割り当てる。その際、不割当期間を、映像フローに対して割り当てた細切れの帯域(送信許可期間)同士の間に設ける。なお、不割当期間は、VoIPフローのQoSを確保するために必要なVoIPパケットの送出間隔毎に設ける。2)そして、親機20aは、VoIPフローの帯域設定要求を受信した際、上記不割当期間を、VoIPフローを割り当てる帯域(送信許可期間)とする。3)そして、親機20aが帯域割り当てを行った後、VoDサーバ102およびVoIP相手局103からそれぞれ映像パケットおよびVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットを上記映像フローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットを上記VoIPフローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出する。
よって、VoIPフローと映像フローとが同一のネットワーク上で伝送される状況においても、VoIPパケットの伝送遅延や到着間隔が大きくならないようにすることができる。したがって、本実施の形態によれば、QoSを確保したVoIPによる通話を実現することができる。
(変形例)
上述では、最初に、あるユーザが、帯域設定要求装置40aであるSTB402にて、VoDサーバ102にて提供される映像コンテンツの視聴を開始し、その後に、別のユーザが、例えば電話機53にて、VoIP相手局103との間で通話を開始する場合について説明した。しかしながら、最初に、あるユーザが、電話機53にて、VoIP相手局103との間で通話を開始し、その後、別のユーザが、STB402にて、VoDサーバ102にて提供される映像コンテンツの視聴を開始する場合であっても、同様である。
すなわち、親機20aが、最初に、VoIPフローに対する帯域(送信許可期間)の割り当てを要求する帯域設定要求を受信し、あとから、映像フローに対する帯域(送信許可期間)の割り当てを要求する帯域設定要求を受信しても、図11を用いて説明した帯域割り当て処理に影響はない。したがって、この場合においても、VoDサーバ102およびVoIP相手局103からそれぞれ映像パケットおよびVoIPパケットを受信するPLCアダプタ304は、適切な間隔でVoIPパケットをPLCネットワーク1001に送出することができる。
また、上述では、不割当期間をサイクルの後尾にまとめて割り当てる形態について説明したが、必要に応じて不割当期間についても、1サイクル内で複数に分割して割り当ててもよい。例えば、不割当期間をVoIPフローに割り当てた帯域(送信許可期間)の後のそれぞれに、割り当てた様子を図13に示す。これ以外にも、不割当期間を複数に分割して割り当てるパターンはいくつかあるが、ここではその説明を省略する。いずれの場合であっても、親機20aは、PLCネットワーク1001に送出するVoIPパケットの間隔が、許容される一定範囲内に収まるように、各データフローに対して帯域割り当てを行なう。
〔実施の形態3〕
実施の形態1では、映像フローの帯域設定要求を受信した親機20aが、あとからVoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を、自装置に記憶している標準的なコーデックに関する情報に基づいて事前に決定する形態について説明したが、本実施の形態では、映像フローの帯域設定要求に含めるパラメータを、VoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を考慮して指定する形態について説明する。
本実施の形態に係る親機20b(帯域管理装置)は、受信した帯域設定要求に含まれるパラメータに従って、映像フローに対して細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)に割り当てる。この結果、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信可能期間)としての不割当期間が確保されることになる。つまり、親機20bは、受信した帯域設定要求に含まれるパラメータに従って、映像フローに対して帯域(送信許可期間)に割り当てるだけで、結果的に、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信可能期間)を確保することとなる。
その後、VoDサーバ102およびVoIP相手局103からそれぞれ映像パケットおよびVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットを、映像フローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットを不割当期間にてCSMA方式でPLCネットワーク1001に送出する点については、実施の形態1と同様である。
なお、本実施の形態に係る親機20bは、受信した帯域設定要求に含まれるパラメータに従って、映像フローに対して細切れの帯域(送信許可期間)に割り当てるだけであり、VoIPフローに対して割り当てる帯域を決定する処理を行なわないので、従来から知られている帯域管理装置であってもよい。
本実施の形態について図14および図15に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1および2にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、実施の形態1および2にて説明した処理と同一の処理については、その説明を省略する。
本実施の形態に係る帯域設定要求装置40bであるSTB402は、VoIPでのデータ通信において使用される標準的なコーデックに関する情報を、工場出荷時などに予め自装置に記憶しているものとする。そのため、帯域設定要求装置40bであるSTB402は、標準的なコーデックに関する情報に基づいて、VoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を予め決定することができる。なお、標準的なコーデックに関する情報に基づいて、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を決定する方法は、実施の形態1において説明した方法と同様であるので、ここではその説明を省略する。
ところで、実施の形態1では、帯域設定要求のパラメータとして、フロー識別情報および要求帯域サイズを少なくとも指定していることを説明したが、さらに、送信許可期間の割り当て間隔(TXOP間隔)、および、1度に割り当てる送信許可期間の長さ(TXOP長)が設定可能である。
ここで、TXOP間隔およびTXOP長について、図8を例に挙げて説明する。図8におけるブロックK1で示すような映像フローの帯域割り当てを行ないたい場合、例えば、映像フローの帯域を割り当てる間隔である、時間T1から時間T3までの時間長(20ms)が、TXOP間隔である。また、一度に映像フローの帯域を割り当てる時間幅である、時間T1から時間T2までの時間長(20ms−32μs)が、TXOP長である。
ここで、時間T2から時間T4までの時間長(20ms)、および、VoIPフローに対して割り当てる帯域幅である、時間T2から時間T3までの時間長(32μs)は、実施の形態1にて説明したように、VoIPでのデータ通信において使用される標準的なコーデックに関する情報に基づいて、予め決定することができる。したがって、時間T2から時間T4までの時間長が求まれば、時間T1から時間T3までの時間長を求めることができ、さらに、時間T2から時間T3までの時間長が求まれば、これらに基づいて、時間T1から時間T3までの時間長が求まる。よって、VoIPでのデータ通信において使用される標準的なコーデックに関する情報に基づいて、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を予め決定することができる。
したがって、帯域設定要求装置40であるSTB402は、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を予め決定しておけば、フロー識別情報および要求帯域サイズに加えて、該決定したTXOP間隔およびTXOP長を、映像フローの帯域設定要求のパラメータとして指定することにより、親機20bに対して、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を送信することができる。
そして、親機20bでは、受信した帯域設定要求にパラメータとして指定されているTXOP間隔およびTXOP長を抽出し、該抽出したTXOP間隔およびTXOP長に基づいて、映像フローに対して細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)に割り当てることができる。この結果、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信可能期間)としての不割当期間が確保されることになる。その後は、実施の形態1にて説明した方法と同様の方法により帯域割り当てを行なえばよい。
(親機の構成)
次に、図14を参照しながら、本実施の形態に係る親機20bの構成について説明する。図14は、本実施の形態に係る親機20bの構成を示すブロック図である。
図14に示すように親機20bは、制御部21b、記憶部22b、ネットワーク通信部23、および外部装置通信部24を含んで構成される。
記憶部22bは、実施の形態1の記憶部22とは異なり、コーデック情報記憶部222を含んでいなくてもよい。
制御部21bは、実施の形態1の制御部21とほぼ同様の部材を備えているが、帯域割り当て部211に代えて、帯域割り当て部211b(送信許可期間設定手段)を備えている。帯域割り当て部211bは、帯域割り当て部211とほぼ同様の機能を備えているが、帯域割り当て部211とは異なり、受信した帯域設定要求のパラメータに含まれるTXOP間隔およびTXOP長を抽出し、該抽出したTXOP間隔およびTXOP長に基づいて、映像フローに対する帯域(送信許可期間)割り当てを行なう。この結果、映像フローが割り当てられていない帯域(送信許可期間)は不割当期間となる。その後、他のデータフロー(特に、VoIPフロー)の帯域設定要求が行われた際には、当該データフローを、不割当期間に割り当てる。
(帯域設定要求装置の構成)
次に、図15を参照しながら、本実施の形態に係る帯域設定要求装置40bの構成について説明する。図15は、本実施の形態に係る帯域設定要求装置40bの構成を示すブロック図である。
図15に示すように帯域設定要求装置40bは、制御部41b、記憶部42b、子機通信部44、入力操作部45、およびデータ入出力部46を含んで構成される。
記憶部42bは、実施の形態1の記憶部42と異なり、コーデック情報記憶部422を含んでいる。
コーデック情報記憶部422は、後述する帯域設定要求処理部412bが、TXOP間隔およびTXOP長を決定する際に用いる、VoIPでのデータ通信にて使用される標準的なコーデックに関する情報(送信許可期間情報)を、工場出荷時などに予め記憶する。具体的には、標準的なコーデックの規格により定まる、VoIPフローに必要な帯域(送信許可期間)およびVoIPパケットの送出間隔を記憶する。
制御部41bは、実施の形態1の制御部41とほぼ同様の部材を備えているが、帯域設定要求処理部412に代えて、帯域設定要求処理部412b(第1送信許可期間決定手段、第2送信許可期間決定手段、帯域設定要求手段)を備えている。帯域設定要求処理部412bは、帯域設定要求処理部412が備える機能に加えて、さらに、TXOP間隔およびTXOP長を、帯域設定要求のパラメータとして指定する。
TXOP間隔およびTXOP長を決定するために、帯域設定要求処理部412bは、コーデック情報記憶部422に予め記憶している、VoIPでのデータ通信にて使用される標準的なコーデックに関する情報に基づいて、VoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を決定する(第1送信許可期間決定手段)。この決定方法は、実施の形態1にて述べた方法と同様であるため、ここではその説明を省略する。
そして、帯域設定要求処理部412bは、該決定した結果に基づいて、上述したように、映像フローの帯域設定要求のためのTXOP間隔およびTXOP長を求める(つまり、TXOP間隔およびTXOP長を決定する)(第2送信許可期間決定手段)。
そして、帯域設定要求処理部412bは、入力操作部45からの所定の入力信号をトリガとして、上記求めたTXOP間隔およびTXOP長をパラメータとして指定した帯域設定要求を、親機20bに送信する(帯域設定要求手段)。
以上のように、本実施の形態によれば、1)帯域設定要求装置40bが、映像フローの帯域設定要求を行なう際、映像フローの帯域設定要求のパラメータに、TXOP間隔およびTXOP長を指定する。2)そして、親機20bは、映像フローの帯域設定要求を受信した際、映像フローに対して細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)を割り当てるが、このとき、該受信した帯域設定要求のパラメータとして指定されているTXOP間隔およびTXOP長に従って、映像フローに対して帯域を割り当てる。その結果、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信可能期間)としての不割当期間が確保されることになる。2)そして、親機20bが帯域割り当てを行った後、VoDサーバ102およびVoIP相手局103からそれぞれ映像パケットおよびVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットを上記映像フローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットを上記不割当期間にてCSMA方式でPLCネットワーク1001に送出する。
よって、VoIPフローと映像フローとが同一のネットワーク上で伝送される状況においても、VoIPパケットの伝送遅延や到着間隔が大きくならないようにすることができる。したがって、本実施の形態によれば、QoSを確保したVoIPによる通話を実現することができる。
〔実施の形態4〕
本実施の形態について説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜3にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、実施の形態1〜3にて説明した処理と同一に処理については、その説明を省略する。
本実施の形態では、映像パケットおよびVoIPパケットのいずれについてもTDMA方式にてPLCネットワーク1001に送出する形態である。したがって、本実施の形態では、映像フローの受信を要求するPLCアダプタ302から親機20bに対して、映像フローの帯域設定要求が行われ、VoIPフローの受信を要求するPLCアダプタ303から親機20bに対して、VoIPフローの帯域設定要求が行われる。
また、本実施の形態では、VoIPフローの伝送のために不割当期間が設けられるように、映像フローの帯域設定要求のパラメータを指定する形態である。そして、親機20bは、受信した帯域設定要求に含まれるパラメータに従って、映像フローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てると、細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)が割り当てられることとなり、その結果、VoIPフローの伝送のための不割当期間が生じる。その後、VoIPフローの帯域設定要求が行われた際には、当該不割当期間にVoIPフローのための帯域が割り当てられる。VoDサーバ102およびVoIP相手局103からそれぞれ映像パケットおよびVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットを、映像フローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットをVoIPフローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出する点については、実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、帯域設定要求装置40bであるSTB402が、VoIPでのデータ通信において使用される標準的なコーデックに関する情報を、工場出荷時などに予め自装置に記憶しているものとする。そのため、帯域設定要求装置40bであるSTB402は、標準的なコーデックに関する情報に基づいて、VoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を予め決定することができる。なお、標準的なコーデックに関する情報に基づいて、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を決定する方法は、実施の形態1において説明した方法と同様であるので、ここではその説明を省略する。
実施の形態3にて説明したように、帯域設定要求装置40bであるSTB402は、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を予め決定しておけば、フロー識別情報および要求帯域サイズに加えて、該決定したTXOP間隔およびTXOP長を、映像フローの帯域設定要求のパラメータとして指定することにより、親機20bに対して、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を送信することができる。
そして、親機20bでは、受信した帯域設定要求にパラメータとして指定されているTXOP間隔およびTXOP長を抽出し、該抽出したTXOP間隔およびTXOP長に基づいて、映像フローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てるが、これは細切れの(時間的に連続しない)帯域(送信許可期間)となり、VoIPフローの伝送のために使用される帯域は不割当期間となる。その後、VoIPフローの帯域設定要求が行われた際には、当該不割当期間にVoIPフローのための帯域を割り当てる。
以上のように、本実施の形態によれば、1)帯域設定要求装置40bが、映像フローの帯域設定要求を行なう際、映像フローの帯域設定要求のパラメータとして、TXOP間隔およびTXOP長を指定する。2)そして、親機20bは、映像フローの帯域設定要求を受信した際、映像フローの帯域(送信許可期間)に割り当てるが、このとき、該受信した帯域設定要求のパラメータとして指定されているTXOP間隔およびTXOP長を抽出し、該抽出したTXOP間隔およびTXOP長に基づいて、映像フローに対して帯域を割り当てれば、映像フローの帯域(送信許可期間)同士の間に不割当期間が設けられることになる。この不割当期間は、VoIPフローのQoSを確保するために必要なVoIPパケットの送出間隔毎に設けられることになる。2)そして、親機20bは、VoIPフローの帯域設定要求を受信した際、上記不割当期間を、VoIPフローを割り当てる帯域(送信許可期間)とする。3)そして、親機20bが帯域割り当てを行った後、VoDサーバ102およびVoIP相手局103からそれぞれ映像パケットおよびVoIPパケットを受信したPLCアダプタ304が、映像パケットを上記映像フローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出し、VoIPパケットを上記VoIPフローに対して割り当てた帯域(送信許可期間)にてTDMA方式でPLCネットワーク1001に送出する。
よって、VoIPフローと映像フローとが同一のネットワーク上で伝送される状況においても、VoIPパケットの伝送遅延や到着間隔が大きくならないようにすることができる。したがって、本実施の形態によれば、QoSを確保したVoIPによる通話を実現することができる。
〔実施の形態5〕
実施の形態1〜4において、VoIPでのデータ通信を行なうVoIPアダプタ403はPLCネットワーク1001上で常にアクティブであるものと仮定し、また、VoIPフローに対する帯域割り当ては、予め記憶している、コーデックに関する情報に基づいて決定する形態について説明した。つまり、現実にVoIPでのデータ通信を行なうかどうかにかかわらず、さらにはVoIPでのデータ通信を行なうVoIPアダプタ403の電源がオフである場合や、VoIPアダプタ403が接続されていない場合であっても、VoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てるようにした。
それに代えて、本実施の形態に係る親機20c(帯域管理装置)は、子機30(PLCアダプタ303)が保持する、該子機30に接続されている帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源の投入状況が確認可能な情報(以下、子機情報と称する)を取得する。そして、親機20cは、該取得した子機情報を基に、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源がオンであるか否かを判定する。そして、電源がオンの場合は、実施の形態1〜4で説明したように、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を考慮して、映像フローに対する帯域を割り当てる。一方、電源がオフの場合は、映像フローに対して時間的に連続する(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)を割り当てる。
本実施の形態について図16および図17に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜4にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、実施の形態1〜4にて説明した処理と同一に処理については、その説明を省略する。
(親機の構成)
次に、図16を参照しながら、本実施の形態に係る親機20cの構成について説明する。図16は、本実施の形態に係る親機20cの構成を示すブロック図である。
図16に示すように親機20cは、制御部21c、記憶部22、ネットワーク通信部23、および外部装置通信部24を含んで構成される。
制御部21cは、実施の形態2の制御部21とほぼ同様の部材を備えているが、新たに、子機情報取得・解析部215(電源状況取得手段)を備えている。また、帯域割り当て部211に代えて、帯域割り当て部211c(優先伝送判定手段、送信許可期間設定手段)を備えている。
子機情報取得・解析部215は、上述したように、子機30(PLCアダプタ303)が保持する子機情報を、所定トリガ(一定周期など)に応じて取得する。そして、該取得した子機情報を解析し、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源がオンであるか否かを確認する。そして、電源がオンであることを確認した場合、子機情報取得・解析部215は、帯域割り当て部211cにその旨通知する。
帯域割り当て部211cは、帯域割り当て部211とほぼ同様の機能を備えているが、帯域割り当て部211とは異なり、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)の事前決定は、子機情報取得・解析部215からの通知があったときに行なう。
なお、子機情報取得・解析部215からの通知により、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)の決定を行なう前に、帯域割り当て部211cが、他のデータフロー(映像フローなど)に対して、時間的に連続した(ひとまとまりの)帯域(送信許可期間)を既に割り当てていた場合、該他のデータフローに対する帯域(送信許可期間)の割り当てを再計算する。具体的には、上記決定したVoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を、既に他のデータフローに割り当てられた帯域(送信許可期間)の間に挿入できるように、既に他のデータフローに割り当てられた帯域(送信許可期間)を分割したり、並べ替えたりする。
一方、子機情報取得・解析部215からの通知がない間は、帯域割り当て部211cは、受信する帯域設定要求に基づいて、映像フローに対して時間的に連続する(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)を割り当てる。
なお、その他の機能については、帯域割り当て部211と同様である。
(帯域割り当て処理)
次に図17を参照しながら、本実施の形態における、帯域割り当て処理の流れを説明する。図17は、本実施の形態における、帯域割り当て処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図17は、実施の形態2において図11を用いて説明したフローチャートとほぼ同様であるが、図11と比較すると、ステップS100が無く、また、ステップS109〜S112が含まれる点が異なる。
すなわち、親機20cの起動直後、帯域割り当て部211cは、あとからVoIPフローに割り当てるべき帯域(送信許可期間)を事前に決定せずに、親機20cは、受信待ち状態となる。
また、前回ビーコン信号を送信してから所定期間を経過していない場合(ステップS107にてNO)、親機20cは、直ちに受信待ち状態とならず、子機情報取得・解析部215が、子機情報を取得する(ステップS109)。そして、子機情報取得・解析部215が、該取得した子機情報を解析し、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源がオンであるか否かを確認した結果、電源がオンであれば(ステップS110にてYES)、帯域割り当て部211cが、VoIPフローに割り当てるべき帯域(送信許可期間)を事前に決定する(ステップS111)。そして、他のデータフロー(映像フローなど)に対して、時間的に連続した(ひとまとまりの)帯域(送信許可期間)を既に割り当てている場合は、既他のデータフローに対する帯域(送信許可期間)の割り当てを再計算する(ステップS112)。その後、親機20cは、受信待ち状態となる。
また、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源がオフであれば(ステップS110にてNO)、その後、親機20cは、受信待ち状態となる。
以上のように、本実施の形態によれば、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源がオンである場合は、映像フローに対して細切れの帯域(送信許可期間)を割り当て、かつ、VoIPフローに対して割り当て可能な帯域(送信許可期間)を、映像フローに対して割り当てた細切れの帯域(送信許可期間)同士の間に設ける。一方、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源がオフの場合は、映像フローに対して時間的に連続する(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)を割り当てる。
よって、常にVoIPフローに対して割り当て可能な帯域(送信許可期間)を割り当てるのではなく、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53の電源がオンである(つまり、VoIPでの通信が行われる可能性がある)ときのみ、VoIPフローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てる。したがって、本実施の形態によれば、使用されないVoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てることが少なくなり、ネットワーク全体として効率的な帯域割り当てを実現することができる。
(変形例)
なお、上記では子機情報として電源の投入状況が確認可能な情報を通知しているが、これに代えて、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)や電話機53が通信を行っているか否かが確認可能な情報を通知してもよい。これにより、親局はVoIPフローを受信する装置が通信を行っている場合にのみ、VoIPフローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てることができる。
また、子機情報の取得については、所定トリガ(一定周期など)に応じて親機20cから子機30に対して取得要求を送信し、その応答として子機30が子機情報を通知するようにしてもよい。
また、親機20cが常に子機30からの受信を待っており、子機30は、データ送信装置などの電源状態の変化があったことを検知すると、能動的に子機情報を親機20cに送信するようにしてもよい。
上述では、親機20cが、子機30が保持する子機情報を取得し、該取得した子機情報を基に、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を事前に決定する構成としたが、例えば帯域設定要求装置が、自装置に接続されているデータ受信端末の電源の投入状況を取得し、該取得した情報を基に、VoIPフローに対して割り当てる帯域(送信許可期間)を事前に決定する構成としてもよいので、以下で説明する。
つまり、例えば、帯域設定要求装置であるSTB402が、VoIPフローのデータ受信端末である電話機53の電源がオンであるか否かを確認する(電源状況取得手段)。ここで、通常は、STB402と電話機53は離れた場所に設置されており、直接通信はできない。そのため、まず、電話機53に直接接続されているVoIPアダプタ403が電話機53の電源状況を取得する。そして、VoIPアダプタ403がPLCアダプタ303とPLCアダプタ302を経由してSTB402と通信し、電話機53の電源状況を通知することが考えられる。
そして、STB402が、電話機53の電源がオンであることを通知された場合、実施の形態3にて説明した方法により、VoIPフローの伝送を考慮したTXOP間隔およびTXOP長をパラメータとして指定した帯域設定要求を親機20cに送信する。すなわち、帯域設定要求装置であるSTB402が、予め自装置に記憶している標準的なコーデックに関する情報に基づいて、VoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を決定する。そして、該決定の結果に基づいて、VoIPフローの伝送を考慮して、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を決定することができる。この決定方法は、実施の形態3にて説明した決定方法と同様である。
そして、帯域設定要求装置であるSTB402は、上記決定したTXOP間隔およびTXOP長をパラメータとして指定した帯域設定要求を、親機20cに送信する(優先伝送判定手段、帯域設定要求手段)。
そして、親機20cの帯域割り当て部211cは、受信した帯域設定要求にパラメータとして指定されているTXOP間隔およびTXOP長を抽出し、該抽出したTXOP間隔およびTXOP長に基づいて、映像フローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てればよい。この帯域割り当てについても、実施の形態3にて説明したものと同様である。なお、TXOP間隔およびTXOP長が設定されていなければ、映像フローに対して時間的に連続した(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)を割り当てればよい。
〔実施の形態6〕
本実施の形態では、VoIPでのデータ通信を行なう帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が、自装置の存在を後述する親機20d(帯域管理装置)に通知する形態について説明する。その際、帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)は、自装置がVoIPでのデータ通信を行なうにあたって必要なVoIPフローの帯域の割り当て間隔を通知するものとする。そして、本実施の形態に係る親機20dは、上記通知を受信した場合だけ、VoIPフローに対する帯域割り当てを考慮するようにする。これにより、親局はネットワーク上にVoIPフローを受信する装置が存在するかどうかを認識できるので、VoIPフローを受信する装置が存在しないにもかかわらずVoIPフローに対する帯域割り当てのための処理を行ってしまう、という無駄を防ぐことができる。
本実施の形態について図18に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜5にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、実施の形態1〜5にて説明した処理と同一に処理については、その説明を省略する。
(帯域設定要求装置の構成)
帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)は、自装置の存在を通知するための制御用パケット(帯域設定要求とは別のパケット)を、自装置の起動時に、親機20dに向けて送信する。該制御用パケットには、自装置がVoIPでのデータ通信を行なうにあたって必要なVoIPフローの帯域の割り当て間隔を含めるようにする。上記必要なVoIPフローの帯域の割り当て間隔は、予め帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)に記憶させておけばよい。VoIPの通信で使用される音声コーデックは、VoIPアダプタの機種によって異なる場合があるが、VoIPアダプタ403から親局に通知するようにすれば、親局はVoIPアダプタの機種の違いを意識せずに、VoIPのための帯域割り当ての間隔を知ることができる。
(親機の構成)
次に、図18を参照しながら、本実施の形態に係る親機20dの構成について説明する。図18は、本実施の形態に係る親機20dの構成を示すブロック図である。
図18に示すように親機20dは、制御部21d、記憶部22d、ネットワーク通信部23、および外部装置通信部24を含んで構成される。
記憶部22dは、実施の形態1の記憶部22とは異なり、コーデック情報記憶部222を含んでいなくてもよい。
制御部21dは、実施の形態1の制御部21とほぼ同様の部材を備えているが、新たに、子機通知受信・解析部216(電源状況取得手段)を備えている。また、帯域割り当て部211に代えて、帯域割り当て部211d(優先伝送判定手段、送信許可期間設定手段)を備えている。
子機通知受信・解析部216は、帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)から、VoIPフローの帯域の割り当て間隔を含む制御用パケットを受信した場合、帯域設定要求装置40dがネットワーク上に存在しており、VoIPフローのための帯域を考慮しなければならないことを認識する。また、該制御用パケットから、VoIPフローの帯域の割り当て間隔を取得する。
帯域割り当て部211dは、帯域割り当て部211とほぼ同様の機能を備えているが、帯域割り当て部211とは異なり、自装置に保持しているコーデックに関する情報からVoIPフローに対して割り当てるべき帯域(送信許可期間)を決定しなくてもよい。
帯域割り当て部211dは、帯域割り当て部211と同様に、子機30から受信した帯域設定要求に含まれるフロー識別情報で示されるデータフローに対して細切れの帯域(送信許可期間)を割り当てるが、子機通知受信・解析部216にてVoIPアダプタ403がネットワーク上に存在していることが検出された場合にのみ、該細切れの帯域(送信許可期間)間のそれぞれに、子機通知受信・解析部216が取得した、VoIPフローの帯域の割り当て間隔を設けるように、上記細切れの帯域(送信許可期間)を割り当てる。なお、その他の機能は、帯域割り当て部211と同様である。
(変形例)
上述では、実施の形態1で説明した構成をベースにして、VoIPでのデータ通信を行なう帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が、自装置が存在することを親機20dに通知する構成について説明したが、これは、実施の形態2〜4で説明した構成にも適用可能である。
また上述では、帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が、自装置の存在を親機20dに通知する形態について説明したが、帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が使用するコーデックを識別可能な情報を親機20dに通知してもよい。そして、親機20dは、上記通知されたコーデックに基づいて、VoIPフローの帯域の割り当て間隔を決定してもよい。この場合、親機20dは、コーデックと割り当て間隔との対応づけを、工場出荷時などに予め自装置に記憶しているものとする。
また上述では、VoIPでのデータ通信を行なう帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が、起動時に制御用パケットを送信する形態について説明したが、実際にVoIPでのデータ通信が開始されるタイミングで上記制御用パケットを送信してもよい。この場合、親機20dは、上記制御用パケットを受信するまでは、映像フローを時間的に連続する(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)に割り当てておき、上記制御用パケットを受信した後は、上述したように、映像フローを細切れの帯域(送信許可期間)に割り当てるようにすればよい。
また上述では、VoIPでのデータ通信を行なう帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が、能動的に、上記制御パケットを送信する形態について説明したが、親機20dから帯域設定要求装置40の状態を確認する要求を送信し、帯域設定要求装置40が該要求の応答として、上記制御用パケットを送信してもよい。
また上述では、VoIPでのデータ通信を行なう帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が、上記制御パケットを送信する形態について説明したが、該帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)に接続されている子機30(PLCアダプタ303)が、帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)が存在するか否かを検出し、その検出結果に応じて制御用パケットを親機20dに送信してもよい。
〔実施の形態7〕
実施の形態6では、VoIPでのデータ通信を行なう帯域設定要求装置40d(VoIPアダプタ403)が親機20dに対して、自装置の存在を通知する形態について説明した。
それに代えて、本実施の形態に係る親機20e(帯域管理装置)は、PLCネットワーク1001で伝送されるパケットをスヌーピングし、VoIPでの通信を開始する際に呼び出し側と応答側との間でやりとりされるシグナリングパケットが伝送されていれば、そのパケットの内容を解析することにより、VoIPフローに割り当てが必要な帯域、および、VoIPパケットの送信間隔を求める。
上記シグナリングパケットとは、1)帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)(呼び出し側)からVoIP相手局103(応答側)へ送信される、シグナリングプロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)の“INVITE”メッセージのパケット、および、2)VoIP相手局103(応答側)から帯域設定要求装置40(VoIPアダプタ403)(呼び出し側)へ送信されるSIPの“200 OK”メッセージのパケットである。
上記シグナリングパケットは、VoIPでの通信の際に、呼び出し側と応答側との間でネゴシエーションのためにやりとりされるパケットである。したがって、上記シグナリングパケットが伝送された後で、VoIPでの通信が開始されることとなる。
そして、上記シグナリングパケットには、SDP(Session Description Protocol)にて記述された、ネゴシエーションに用いられる情報が含まれる。この情報には、“a=rtpmap”フィールドが含まれている。このフィールドには、呼び出し側と応答側との間で使用するコーデックを示す文字列が記述されている。“a=rtpmap”フィールドは、例えば、以下のように記述される。
a=rtpmap:0 PCMU/8000
a=rtpmap:18 G729/8000
上記において、PCMU/8000はG.711のコーデックを示し、G729/8000はG.729のコーデックを示す。なお、“a=rtpmap”フィールドに記述される文字列と、コーデックとの対応付けは、RFC1890にて定義されている。
したがって、“a=rtpmap”フィールドの記述内容を解析し、呼び出し側と応答側との間で使用するコーデックが分かれば、そのコーデックを使用するときの、VoIPフローに割り当てが必要な帯域、および、VoIPパケットの送信間隔が決まる。
例えば、コーデックがG.711であることがわかれば、VoIPフローに必要な帯域は64kbpsであり、VoIPパケットの送信間隔は20msと決まる。また、コーデックがG.729であることがわかれば、VoIPフローに必要な帯域は8kbpsであり、VoIPパケットの送信間隔は20msと決まる。なお、親機20eは、コーデックの種類と、必要な帯域およびパケット間隔との対応付けを、工場出荷時などに予め記憶しておけばよい。
したがって、上記のように求めた、VoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔にしたがって、親機20eは帯域割り当てを行なうようにすればよい。
本実施の形態について図19に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜6にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、実施の形態1〜6にて説明した処理と同一に処理については、その説明を省略する。
(親機の構成)
図19を参照しながら、本実施の形態に係る親機20eの構成について説明する。図19は、本実施の形態に係る親機20eの構成を示すブロック図である。
図19に示すように親機20eは、制御部21e、記憶部22、ネットワーク通信部23、および外部装置通信部24を含んで構成される。
制御部21eは、実施の形態1の制御部21とほぼ同様の部材を備えているが、新たに、パケット取得・解析部217(シグナリング信号検出手段)を備えている。また、帯域割り当て部211に代えて、帯域割り当て部211e(優先伝送判定手段、送信許可期間設定手段)を備えている。
パケット取得・解析部217は、上述した、PLCネットワーク1001上を流れるパケットをスヌーピングする(自装置宛でないパケットまでをも受信して解析する)。そして、上述したシグナリングパケットである、“INVITE”メッセージのパケット、および、“200 OK”メッセージのパケットが存在するかどうかを調べる。
そして、上記シグナリングパケットが存在すれば、パケット取得・解析部217は、それぞれのパケットに含まれる“a=rtpmap”フィールドの記述内容を解析することにより、使用されるコーデックの種類を調べる。
そして、パケット取得・解析部217は、予めコーデック情報記憶部222に記憶している、コーデックの種類と必要な帯域およびパケット間隔との対応付けを参照して、VoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔を求める。
そして、帯域割り当て部211eは、パケット取得・解析部217が上記求めたVoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔に基づいて、帯域割り当てを行なう。帯域割り当ての方法は、実施の形態1において説明した方法と同様であるので、ここではその説明を省略する。
(変形例)
上述では、実施の形態1で説明した構成をベースにして、シグナリングパケットを解析する構成について説明したが、これは、実施の形態2〜4で説明した構成にも適用可能である。
また上述では、シグナリングパケットをスヌーピングする形態について説明したが、VoIPパケットそのものをスヌーピングしてもよい。この場合、親機20eは、VoIPパケットの存在を確認するまでの間は、映像フローを時間的に連続する(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)に割り当てておき、VoIPパケットの存在を確認した後は、映像フローを細切れの帯域(送信許可期間)に割り当てるようにすればよい。パケットがVoIPフローに属するかどうかはパケットのRTPヘッダの”PT(payload type)フィールド”を解析すればわかる。PTフィールドは、そのパケットがどのようなデータであるかを示すフィールドであり、例えば、PTフィールドの値が0ならばG.711のパケットであり、PTフィールドの値が2ならばG.714のパケットであることがわかる。また、親機は予め記憶されていたVoIPのコーデックの情報からVoIPフローのパケット送信間隔やパケットサイズを知ることができるので、PLCネットワークにおいて送信されているパケットの送信間隔やパケットサイズを解析することでそのパケットがVoIPフローに属するか否かを判定してもよい。例えば、パケットの送信元IPアドレスや送信先IPアドレスが同じ値であるパケットのパケットサイズ、および、当該パケットが送信された時間の履歴を記憶部に保存する。そして、パケットの送信された時間の間隔の平均値と、コーデックで規定されているパケット送信間隔との差を算出する。そして、当該差が予め定めた閾値以下であり、かつ、当該パケットのパケットサイズとして記憶部に保存したものと、コーデックで規定されているパケットサイズとが一致する場合、当該パケットが属するデータフローが、そのコーデックを使用していると判定することが考えられる。
また上述では、シグナリングパケットに含まれる“a=rtpmap”フィールドの記述内容を解析することにより、使用されるコーデックの種類を調べる形態を説明したが、シグナリングパケットに含まれる“a=ptime”フィールドの記述を解析することにより、VoIPパケットの送信間隔を調べてもよい。なお、“a=ptime”フィールドは、例えば、「a=ptime:20」と記述されており、この場合は、VoIPパケットの送信間隔が20msであることを意味している。
また、上述では、親機20eが、PLCネットワーク1001で伝送されるパケットをスヌーピングし、VoIPでの通信を開始する際に呼び出し側と応答側との間でやりとりされるシグナリングパケットが伝送されていれば、そのパケットの内容を解析することにより、VoIPフローに割り当てが必要な帯域、および、VoIPパケットの送信間隔を求める構成について説明したが、上記スヌーピングおよびパケット内容の解析を帯域設定要求装置で行なう構成であってもよいので、以下で説明する。
すなわち、帯域設定要求装置がPLCネットワーク1001で伝送されるパケットを子機を経由してスヌーピングし、VoIPでの通信を開始する際に呼び出し側と応答側との間でやりとりされるネゴシエーションパケットが伝送されているか否かを調べる(シグナリング信号検出手段)。
そして、シグナリングパケットが伝送されていることがわかれば、帯域設定要求装置は、シグナリングパケットの内容を解析することによって、VoIPフローに割り当てが必要な帯域、および、VoIPパケットの送信間隔を求める。この解析方法は上述と同様である。
そして、帯域設定要求装置は、上記求めたVoIPフローに割り当てが必要な帯域、および、VoIPパケットの送信間隔から、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を決定することができる。この決定方法は、実施の形態3にて説明した決定方法と同様である。
そして、帯域設定要求装置は、上記決定したTXOP間隔およびTXOP長をパラメータとして指定した帯域設定要求を、親機20eに送信する。なお、シグナリングパケットが伝送されていなければ、TXOP間隔およびTXOP長をパラメータとして指定しない帯域設定要求を、親機20eに送信する(優先伝送判定手段、帯域設定要求手段)。
そして、親機20eの帯域割り当て部211eは、受信した帯域設定要求にパラメータとして指定されているTXOP間隔およびTXOP長を抽出し、該抽出したTXOP間隔およびTXOP長に基づいて、映像フローに対して帯域(送信許可期間)を割り当てればよい。なお、TXOP間隔およびTXOP長が設定されていなければ、映像フローに対して時間的に連続した(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)を割り当てればよい。この帯域割り当てについても、実施の形態3にて説明したものと同様である。
〔実施の形態8〕
本実施の形態に係る親機20f(帯域管理装置)は、Webサーバ機能を備えており、VoIPフローに対するQoSの設定画面を提供するWebページを生成する。VoIPフローに対するQoSの設定画面とは、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否か(言い換えれば、VoIPでの通信を優先的に行なうか否か)、さらには、どのようなVoIPのサービスを利用するか(例えば、A社が提供するVoIPサービスを利用するか、それとも、B社が提供するVoIPサービスを利用するか、など)についてユーザ入力可能な画面である。そして、ユーザは、帯域設定要求装置40や子機30にて、Webブラウザなどを利用して上記Webページにアクセスし、上記画面上で、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否か、さらには、どのようなVoIPのサービスを利用するかについて入力する。これにより、親機20fは、VoIPフローに必要な帯域、および、VoIPパケットの送出間隔を取得することができる。
本実施の形態について図20から図23に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜7にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。また、実施の形態1〜7にて説明した処理と同一に処理については、その説明を省略する。
(親機の構成)
次に、図20を参照しながら、本実施の形態に係る親機20fの構成について説明する。図20は、本実施の形態に係る親機20fの構成を示すブロック図である。
図20に示すように親機20fは、制御部21f、記憶部22f、ネットワーク通信部23、および外部装置通信部24を含んで構成される。
記憶部22fは、実施の形態1の記憶部22とは異なり、コーデック情報記憶部222に代えて、サービス情報記憶部223を含んでいる。サービス情報記憶部223は、帯域設定要求装置40が利用するであろうVoIPのサービスと、該VoIPのサービスで送信されるVoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔との対応付け(以下、サービス情報と称する)を、工場出荷時などに予め記憶している。
制御部21fは、実施の形態1の制御部21とほぼ同様の部材を備えているが、新たに、QoS設定画面提供部218(優先伝送入力手段)を備えている。また、帯域割り当て部211に代えて、帯域割り当て部211f(優先伝送判定手段、送信許可期間設定手段)を備えている。
QoS設定画面提供部218は、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否かが入力可能な画面をWebページとして提供する。さらに、サービス情報記憶部223から取得したVoIPのサービスに基づいて、どのようなVoIPのサービスを利用するかについて選択可能な画面を生成し、Webページとして提供してもよい。これらの2つの画面例については後述する。
なお、上記提供されるWebページのURLは、帯域設定要求装置40(STB402など)にて予め記憶されているか、または、ユーザが入力するものとする。
そして、QoS設定画面提供部218は、上記画面にてユーザが入力した結果を、後述する帯域割り当て部211fに送る。
帯域割り当て部211fは、QoS設定画面提供部218から、VoIPフローの帯域割り当てが必要である旨のユーザ入力結果が送られてくるまでは、映像フローを時間的に連続する(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)に割り当て、一方、VoIPフローの帯域割り当てが必要である旨のユーザ入力結果が送られてくると、その後は、不割当期間を設けながら、映像フローを細切れの帯域(送信許可期間)に割り当てる。
ここで、帯域割り当てを行なうにあたり、どのようなVoIPのサービスを利用するかについてユーザ選択がなされていない場合は、VoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔は、予め定めた所定の値(例えば、一般的に用いられているコーデックを考慮して、VoIPフローに必要な最大の帯域幅、および、VoIPパケットの最小の送信間隔)を用いる。
さらに、どのようなVoIPのサービスを利用するかについてユーザ選択がなされた場合は、サービス情報記憶部223にて、予めVoIPのサービスと対応付けて記憶されている、VoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔を取得し、該取得したVoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔に基づいて、帯域割り当てを行なう。
なお、帯域の割り当て方法については、実施の形態1で説明したものと同様である。
(サービス情報)
次に、図21を参照しながら、親機20fのサービス情報記憶部223に格納される、サービス情報について説明する。図21は、親機20fのサービス情報記憶部223に格納される、サービス情報の具体例を模式的に示した図である。
図21に示すように、サービス情報として3つの項目が対応付けて格納されている。すなわち、サービス名、必要帯域、およびパケット送出間隔が対応付けられている。ただし、これらの項目に限定されるものではない。
サービス名は、帯域設定要求装置40が利用するVoIPのサービスの名称である。必要帯域は、対応するVoIPのサービスにて送信されるVoIPフローに必要な帯域である。パケット送出間隔は、対応するVoIPのサービスにて送信されるVoIPパケットの送出間隔である。
図21では、「A社サービス」というサービス名のVoIPサービスは、必要帯域が「64kbps」であり、パケット送出間隔が「20ms」であるという情報が格納されている。また、「B社サービス」というサービス名のVoIPサービスは、必要帯域が「8kbps」であり、パケット送出間隔が「20ms」であるという情報が格納されている。また、「C社サービス」というサービス名のVoIPサービスは、必要帯域が「64kbps」であり、パケット送出間隔が「20ms」であるという情報が格納されている。
(画面例)
次に、図22および図23を参照しながら、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否かが入力可能な画面例、および、どのようなVoIPのサービスを利用するかについて選択可能な画面例について説明する。図22は、親機20fが提供する、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否かが入力可能な画面例の模式図である。図23は、親機20fが提供する、どのようなVoIPのサービスを利用するかについて選択可能な画面例の模式図である。
ユーザが、STB402などの帯域設定要求装置40から、親機20fの所定のURLにWebブラウザなどでアクセスすると、QoS設定画面提供部218は、図22に示す画面を生成し、Webページとして提供する。図22に示す画面例では、PLCネットワーク1001上でIP電話を優先的に伝送する帯域設定要求装置40を使用するか否か(すなわち、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否か)が、ボタン(YESまたはNO)にて入力可能である。
NOボタンが押下された場合、帯域割り当て部211fは、映像フローを時間的に連続する(ひとかたまりの)帯域(送信許可期間)に割り当て、一方、YESボタンが押下された場合、帯域割り当て部211fは、不割当期間を設けながら、映像フローを細切れの帯域(送信許可期間)に割り当てる。
次に、上記画面にてYESボタンが押下された場合、QoS設定画面提供部218はさらに、図23に示す画面を生成し、Webページとして提供してもよい。図23に示す画面例では、どの会社が提供するIP電話サービスを利用するか(すなわち、どのようなVoIPのサービスを利用するか)が、選択可能である。例えば、ユーザが、A社提供のIP電話サービスを選択した場合、QoS設定画面提供部218は、サービス情報記憶部223から、A社サービスにおけるVoIPフローに必要な帯域である「64kbps」、および、A社サービスにて送信されるVoIPパケットの送出間隔である「20ms」を取得し、帯域割り当て部211fに送る。そして、帯域割り当て部211fは、これら情報に基づいて、帯域割り当てを行なう。
(変形例)
上述では、実施の形態1で説明した構成をベースにして、VoIPフローに対するQoSの設定画面を提供するWebページを生成する構成について説明したが、これは、実施の形態2〜4で説明した構成にも適用可能である。
また上述では、親機20fが上記Webページを生成する形態について説明したが、親機20fに物理的なスイッチを設ける構成とし、該スイッチにより、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否か、さらには、どのようなVoIPのサービスを利用するかについて、ユーザが選択可能となるようにしてもよい。また、上記物理的なスイッチに代えて、他の入力手段(キーボードや液晶パネルなど)により実現してもよい。
また、上述では、親機20fがVoIPフローに対するQoSの設定画面を提供するWebページを生成する構成について説明したが、帯域設定要求装置が上記Webページを生成し、該生成したWebページにてユーザ入力された結果に基づいて、親機20fに帯域設定要求を送信する構成であってもよいので以下で説明する。
すなわち、帯域設定要求装置がWebサーバ機能を備えており、上述したVoIPフローに対するQoSの設定画面を提供するWebページを生成する。すなわち、図22および図23で説明した、VoIPフローの帯域割り当てが必要であるか否かが入力可能な画面例、および、どのようなVoIPのサービスを利用するかについて選択可能な画面を提供するWebページを生成する(優先伝送入力手段)。ユーザは該WebページにTVやPCのブラウザからアクセスして操作する。
上記画面において、VoIPフローの帯域割り当てが必要である旨のユーザ入力があった場合において、さらに、どのようなVoIPのサービスを利用するかについてユーザ選択がなされていない場合、帯域設定要求装置は、VoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔として、予め定めた所定の値(例えば、一般的に用いられているコーデックを考慮して、VoIPフローに必要な最大の帯域幅、および、VoIPパケットの最小の送信間隔)に基づいて、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を決定する。この決定方法は、実施の形態3にて説明した決定方法と同様である。また、VoIPフローの帯域割り当てが必要である旨のユーザ入力があった場合において、さらに、どのようなVoIPのサービスを利用するかについてユーザ選択がなされた場合、帯域設定要求装置は自装置に記憶している、予めVoIPのサービスと対応付けて記憶されている、VoIPフローに必要な帯域およびVoIPパケットの送信間隔に基づいて、映像フローのTXOP間隔およびTXOP長を決定する。
そして、帯域設定要求装置は、上記決定したTXOP間隔およびTXOP長をパラメータとして指定した帯域設定要求を、親機20fに送信する。また、上記Webページにおいて、VoIPフローの帯域割り当てが必要である旨のユーザ入力がない場合、帯域設定要求装置は、TXOP間隔およびTXOP長をパラメータとして指定しない帯域設定要求を、親機20fに送信する(優先伝送判定手段、帯域設定要求手段)。
そして、親機20fの帯域割り当て部211fは、受信した帯域設定要求にパラメータとして指定されているTXOP間隔およびTXOP長を抽出し、該抽出したTXOP間隔およびTXOP長に基づいて、映像フローに対して帯域を割り当てることができる。なお、TXOP間隔およびTXOP長が設定されていなければ、映像フローに対して時間的に連続した(ひとかたまりの)帯域を割り当てることとなる。
〔変形例〕
(変形例1)
各実施の形態では、PLCネットワーク1001に1台のVoIPアダプタ403が接続されている場合を例に挙げて説明したが、PLCネットワーク1001に複数のVoIPアダプタが接続されていてもよい。
複数のVoIPアダプタが、それぞれ別の通信を行なう場合、親機は、各VoIPアダプタが送信した帯域設定要求のそれぞれに対応するVoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てる必要がある。
例えば、実施の形態2では、親機20bは、映像フローを細切れの帯域(送信許可期間)に割り当て、該細切れの帯域(送信許可期間)の間に、1種類のVoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てた。しかしながら、同じサイクル内に、複数の異なるVoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てる場合、映像フローに割り当てる帯域(送信許可期間)、および、VoIPフローに割り当てる帯域(送信許可期間)は、実施の形態2で説明したものから変更する必要があるが、その他は上述の各実施の形態と同様である。
以下では、PLCネットワーク1001に2台のVoIPアダプタが接続されているものとして説明する。
図24および図25を参照しながら、映像フローおよび2種類のVoIPフローの帯域割り当てについて説明する。図24および図25は、映像フローおよび2種類のVoIPフローの帯域割り当ての様子を示す模式図である。
図24は、映像フローに割り当てる細切れの帯域(送信許可期間)を、1つのVoIPパケットの送出間隔(20ms)より短い幅とし、かつ、2種類のVoIPフロー(VoIP1およびVoIP2)の帯域(送信許可期間)を隣接して割り当てた例である。したがって、映像フローに割り当てる細切れの帯域(送信許可期間)は、1種類のVoIPフローを割り当てた場合(図12のブロックK4参照)と比べて狭くなっている。
なお、図24では、VoIP1およびVoIP2の帯域(送信許可期間)は、20ms毎に割り当てられており、標準的なコーデックの規格から求まるVoIPパケットの送出間隔である20msを満足させるものになっている。
次に、図25は、2種類のVoIPフロー(VoIP1およびVoIP2)の帯域(送信許可期間)を隣接させずに、分散させて割り当てた例である。この場合においても、VoIP1の帯域(送信許可期間)、および、VoIP2の帯域(送信許可期間)は、それぞれ20ms毎に割り当てられており、標準的なコーデックの規格から求まるVoIPパケットの送出間隔である20msを満足させるものになっている。
なお、図24および図25では、映像フローおよびVoIPフロー以外のデータフロー(Webコンテンツや文字データ)の帯域(送信許可期間)を、サイクルの後尾にまとめて割り当てているが、図13で説明したように、例えば、VoIPフローの帯域(送信許可期間)に隣接させて割り当ててもよい。
なお、上述の説明では、VoIPでの通信を行なうVoIPアダプタが2台である場合について説明したが、2台以上であってもよい。また、VoIPアダプタの台数は、デフォルト値として、親機または親機との通信が常に可能な子機30に予め格納しておいてもよいし、所定トリガ(電源オンの直後や、所定時刻毎など)に応じて親機からVoIPアダプタへの問合せを行なうことにより取得してもよい。また、VoIPアダプタが、自発的に、自装置の存在を親機20に通知してもよい。
なお、VoIPアダプタの台数をデフォルト値として予め格納しておく場合は、VoIPアダプタの電源がオンであるか否かにかかわらず、デフォルト値に応じたVoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てることができる。また、VoIPアダプタの電源がオンであるか否かにかかわらず、デフォルト値に応じたVoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てること、および、VoIPアダプタの電源がオンの場合にのみ、デフォルト値に応じたVoIPフローの帯域(送信許可期間)を割り当てることのいずれか一方を選択できるようにしてもよい。
また、一方、親機からVoIPアダプタへの問合せを行なうことによりVoIPアダプタの台数を取得する場合に、台数を取得する対象となるVoIPアダプタは、VoIPアダプタおよび該VoIPアダプタに接続されるPLCアダプタの電源がいずれもオンであり、かつ、親機からの問合せに対して、VoIPでの通信を行なう旨の内容を応答したVoIPアダプタであるとしてもよい。
なお、複数のVoIPアダプタがPLCネットワーク1001に接続されている場合、複数のVoIPアダプタのそれぞれが異なるコーデックを使用する場合は、複数のVoIPアダプタが送受信するVoIPパケットの送出間隔が異なる場合がある。したがって、それぞれのコーデックの規格から求まるVoIPパケットの送出間隔に応じて、VoIPフローの帯域幅と映像フローの帯域幅とがそれぞれ決まる。この結果に応じて、それぞれのVoIPアダプタ毎に、独立に帯域割り当てを行なう。
(変形例2)
本発明は、データ伝送のために予め通信ネットワーク上の帯域(送信許可期間)を割り当てておき、その帯域割り当てに従ってデータ通信を行なう通信システムおよび通信装置であれば、通信ネットワークの種類は特に限定されない。例えば、無線LANの規格であるIEEE802.11eにおける帯域管理にも本発明を適用することが可能である。IEEE802.11eでは、映像や音声などのストリーミングデータの通信品質を確保するため、データの種類ごとに送信権を一定時間ごとに割り当てることによって、通信品質を優先すべきデータ伝送ための帯域(送信許可期間)を割り当てる。この帯域割り当てにあたり、上述した各実施の形態にて説明したような帯域割り当て方法を適用することができる。
(付記事項)
実施の形態は上述の他に、以下のようにも表現できる。
[1]本発明に係る帯域管理装置は、ネットワーク全体の帯域を、伝送されるフロー毎に割り当てた送信許可期間として管理する帯域管理装置であって、第1のフローの受信端末における再生品質が低下しないように伝送するための伝送条件を算出する算出手段を有し、第2のフローについての帯域設定要求を受信した際に、前記第1のフローの伝送条件が満たされるように、第2のフローのための送信許可期間を決定する帯域設定手段を有するものであってもよい。
[2]さらに、本発明に係る帯域管理装置は、前記第1のフローを他のフローよりも優先的に伝送する必要があるか否かを判定する判定手段を有し、第2のフロー(映像)についての帯域設定要求を受信した際に、前記判定手段により前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定された場合は、前記第1のフローの伝送条件が満たされるように、第2のフローのための送信許可期間を決定し、前記判定手段により前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定された場合は、前記第1のフローの伝送条件を考慮せずに、第2のフローのための送信許可期間を決定するものであってもよい。
[3]さらに、本発明に係る帯域管理装置は、前記第1のフローの受信端末の電源が投入されているかどうかを知る手段をさらに有し、前記判定手段は、前記第1のフローの受信端末の電源が投入されている場合に、前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定し、前記第1のフローの受信端末の電源が投入されていない場合に、前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定するものであってもよい。
[4]さらに、本発明に係る帯域管理装置は、前記第1のフローについて、フローの伝送に先立ってフローの伝送準備を行なうために、前記第1のフローの送信局と受信局の間で行われるシグナリング通信を検出する手段をさらに有し、前記判定手段は、前記第1のフローのシグナリング通信を検出済みの場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定し、前記第1のフローのシグナリング通信を未検出の場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定するものであってもよい。
[5]さらに、本発明に係る帯域管理装置は、前記第1のフローについて、他のフローよりも優先的に伝送することを希望するかどうかをユーザに入力させるための手段をさらに有し、前記判定手段は、ユーザが第1のフローを優先的に伝送することを希望している場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定し、ユーザが第1のフローを優先的に伝送することを希望していない場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定するものであってもよい。
[6]本発明に係るデータ送受信装置は、ネットワーク全体の帯域を、伝送されるフロー毎に割り当てた送信許可期間として管理する帯域管理装置により、管理されるネットワークに属する端末であって、第1のフローの受信端末における再生品質が低下しないように伝送するための伝送条件を算出する算出手段を有し、前記第1のフローの伝送条件が満たされるように、自局の受信する第2のフローのための送信許可期間を決定し、帯域設定要求に含めて前期帯域管理装置に通知する帯域要求手段を有するものであってもよい。
[7]さらに、本発明に係るデータ送受信装置は、前記第1のフローを他のフローよりも優先的に伝送する必要があるか否かを判定する判定手段を有し、第2のフロー(映像)についての帯域設定要求を行なう際に、前記判定手段により前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定された場合は、前記第1のフローの伝送条件が満たされるように、第2のフローのための送信許可期間を決定し、前記判定手段により前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定された場合は、前記第1のフローの伝送条件を考慮せずに、第2のフローのための送信許可期間を決定するものであってもよい。
[8]さらに、本発明に係るデータ送受信装置は、前記第1のフローの受信端末の電源が投入されているかどうかを知る手段をさらに有し、前記判定手段は、前記第1のフローの受信端末の電源が投入されている場合に、前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定し、前記第1のフローの受信端末の電源が投入されていない場合に、前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定するものであってもよい。
[9]さらに、本発明に係るデータ送受信装置は、前記第1のフローについて、フローの伝送に先立ってフローの伝送準備を行なうために、前記第1のフローの送信局と受信局の間で行われるシグナリング通信を検出する手段をさらに有し、前記判定手段は、前記第1のフローのシグナリング通信を検出済みの場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定し、前記第1のフローのシグナリング通信を未検出の場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定するものであってもよい。
[10]さらに、本発明に係るデータ送受信装置は、前記第1のフローについて、他のフローよりも優先的に伝送することを希望するかどうかをユーザに入力させるための手段をさらに有し、前記判定手段は、ユーザが第1のフローを優先的に伝送することを希望している場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要があると判定し、ユーザが第1のフローを優先的に伝送することを希望していない場合は、前記第1のフローを優先的に伝送する必要がないと判定するものであってもよい。
[11]さらに、本発明に係る帯域管理装置は、前記第1のフローはVoIPのフローであってもよい。
[12]さらに、本発明に係る帯域管理装置は、前記ネットワークはPLC(Power Line Communication)であってもよい。
[13]さらに、本発明に係る帯域管理装置は、前記ネットワークは無線LANであってもよい。
また、実施の形態は、以下のようにも表現できる。
ネットワークに接続される各装置の帯域を伝送可能な時間帯として割り当てる親機は、予め決められた第1の子機のパケットの伝送間隔より長い時間帯を占める帯域設定を別の第2の子機から要求された場合、前記第1の子機のパケットの伝送間隔毎に前記第2の子機から要求された帯域を時間的に分割し、この分割した時間域に第1の子機がパケットを伝送する時間幅を第1の子機用帯域として第1の子機以外の装置用の帯域に優先して割り当てる。また、分割すべき帯域が無い場合でも第1の子機用帯域を、第1の子機が伝送するパケットの伝送間隔に合わせた不連続な時間帯として第1の子機以外の装置用の帯域に優先して割り当てる。また、第1の子機から帯域設定要求が無い場合、第1の子機の電源がオフの場合、第1の子機が接続されていない場合でも、第1の子機用帯域を、第1の子機が伝送するパケットの伝送間隔に合わせて第1の子機以外の装置用の帯域に優先して割り当てる。
最後に、制御部21・21b・21c・21d・21e・21f・41・41bは、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよいし、ハードウェアロジックによって構成してもよい。ソフトウェアによって実現する場合は、帯域管理装置20a・20b・20c・20d・20e・20f、帯域設定要求装置40a・40b・40dは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである帯域管理装置20a・20b・20c・20d・20e・20f、帯域設定要求装置40a・40b・40dの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、帯域管理装置20a・20b・20c・20d・20e・20f、帯域設定要求装置40a・40b・40dに供給し、帯域管理装置20a・20b・20c・20d・20e・20f、帯域設定要求装置40a・40b・40d内のコンピュータ(またはCPUやMPU(Micro Processing Unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、帯域管理装置20a・20b・20c・20d・20e・20f、帯域設定要求装置40a・40b・40dを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394ケーブル、USBケーブル、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。