JP2009230851A - 光照射方法、光記録媒体、記録再生装置 - Google Patents

光照射方法、光記録媒体、記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射型のホログラム記録媒体に対する記録時には1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにし、再生時は適正に再生光が得られるようにする。
【解決手段】反射型のホログラム記録媒体において、記録層と反射膜との間に偏光素子(例えば吸収型直線偏光素子)を形成しておく。このようなホログラム記録媒体に対し、装置側の1/2波長板を記録/再生時で所定角度差が与えられるように駆動することで、記録時にはX直線偏光、再生時にはY直線偏光が照射されるようにする。これにより、記録時には媒体側の偏光素子の偏光軸と照射光の偏光方向とが一致することで照射光が偏光素子にて吸収され、反射膜による反射光(復路光)の発生が防止され、1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにできる。また再生時には照射光の偏光方向が媒体側の偏光素子の偏光軸に対して直交するので、偏光素子にて照射光が透過され、反射膜に光が到達することで再生光を得ることができる。
【選択図】図9

Description

本発明は、光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体について記録再生を行うための光照射方法、及び光記録媒体に関する。また光記録媒体について記録再生を行う記録再生装置に関する。
米国特許出願公開第2003−0039001号明細書
ホログラム記録再生方式において、特に光ストレージ系の分野におけるホログラム記録再生方式では、光強度変調として例えば透過型液晶パネルやDMD(Digital Micro mirror Device)などのSLM(空間光変調器)が使用され、信号光にbit1(例えば光強度=強)、bit0(例えば光強度=弱)のパターン配列が得られるような強度変調をかけるようにされる。
このとき、SLMにおいては、例えばその中心部において記録データに応じて光強度変調を与えることで上記信号光を生成すると共に、その周りに輪状に光を透過させることで参照光を生成するようにされている。そして、記録データに応じて変調された信号光は、上記参照光と共にホログラム記録媒体に対して照射され、これにより、これら信号光と参照光との干渉縞がデータとしてホログラム記録媒体に記録される。
また、データの再生時においては、例えばSLMにおいて上記参照光のみを生成してこれをホログラム記録媒体に対して照射することで、上記干渉縞に応じた回折光を得るようにされる。この回折光に応じた像を例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどのイメージセンサ上に結像させ、記録ビットの各値を得てデータ再生を行う。
このようにして信号光と参照光とを同一光軸上で照射するホログラム記録再生方式は、コアキシャル方式として知られている。
ここで、このようなホログラム記録再生方式において、ホログラム記録媒体として反射型のホログラム記録媒体(反射膜を備えたホログラム記録媒体)に対応するとした場合には、従来のCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクの光学系技術が転用可能となる一方で、信号光、参照光の照射に伴い形成されるホログラムが複雑になるといった問題がある。
図25、図26は、反射型ホログラム記録媒体に対する記録時において生じうるホログラムのパターンを例示している。
これら図25、図26に示すようにして、反射型ホログラム記録媒体に対して記録を行う場合、形成されるホログラムのパターンとしては、

パターンA:信号光(往路)×参照光(往路)=透過型ホログラム
パターンB:信号光(往路)×参照光(復路)=反射型ホログラム
パターンC:信号光(復路)×参照光(往路)=反射型ホログラム
パターンD:信号光(復路)×参照光(復路)=透過型ホログラム

の4つが生じうる。
具体的にみると、先ず、図25(a)に示すパターンAの透過型ホログラムは、図示するようにして対物レンズを介してホログラム記録媒体に対して照射される信号光と参照光の両往路光の干渉によって形成されるホログラムとなる。また、図25(b)に示すパターンBの反射型ホログラムは、対物レンズを介してホログラム記録媒体に照射される信号光の往路光と、ホログラム記録媒体を反射して得られる参照光の復路光とが干渉して得られるホログラムとなる。
さらに、図26(a)のパターンCの反射光ホログラムは、上記パターンBとは逆のパターン、すなわち対物レンズを介してホログラム記録媒体に照射される参照光の往路光と、ホログラム記録媒体を反射した信号光の復路光とが干渉して生じるホログラムとなる。また、図26(b)のパターンDの透過型ホログラムは、共にホログラム記録媒体を反射して得られる参照光と信号光の両復路光が干渉して生じるホログラムとなる。
これら4つのホログラムは、その伝播方向、角度の違いから、形成される干渉縞の特性が異なり、メディアシフト、波長シフトなどに対する選択性が異なるものとなる(この点については、例えば下記参考文献1を参照)。このため、上記の各シフト発生時の特性補正が容易ではなく、それに伴ってSNR(S/N比)の低下を招く。

参考文献1:M.Toishi et al.Appl.Opt.,Vol.45,No.25,p.6367(2006)
このような問題を解決するための従来技術として、例えば上記特許文献1に記載される手法が既に知られている。
この特許文献1に記載の手法では、例えば次の図27(a)に示すようにして、反射型ホログラム記録媒体における反射膜の手前側の層に対し、1/4波長板を挿入するものとしている。すなわち、通常の反射型ホログラム記録媒体では、例えば最上層から順にカバーガラス→記録層→反射膜と形成されるところを、この場合は記録層と反射膜との間に1/4波長板を挿入しているものである。
このようなホログラム記録媒体を用いることで、反射型ホログラムの発生を効果的に防止することができる。その様子を次の図27(b)に示す。図示するようにして、この場合は、例えばX直線偏光による光を対物レンズを介してホログラム記録媒体に対して照射する。このようにホログラム記録媒体に対して照射されたX直線偏光は、ホログラム記録媒体における記録層を介した後、上述のようにして挿入された1/4波長板を透過することによって例えば図のように右回りの円偏光に変換され、これがその下層の反射膜に到達するようにされる。反射膜に到達した上記円偏光は、ここで反射され、上記1/4波長板を再度透過するようにされる。これにより、ホログラム記録媒体からの反射光としては、図示するようにしてY直線偏光により得られることになる。
上記特許文献1に記載の手法によれば、ホログラム記録媒体に対する往路光はX直線偏光、反射光としての復路光はY直線偏光により得ることができる。すなわち、このように往路光と復路光との偏光方向が互いに直交したものとなるようにされることで、往路光と復路光との干渉を防止することができ、先に説明したパターンB及びパターンCによる反射型ホログラムの発生を効果的に防止できる。
このようにして特許文献1の手法では、往路光と復路光の偏光方向が互いに直交する状態となるようにすることで、反射型ホログラムの発生を防止している。
しかしながら、先の図25、図26の説明によれば、ホログラム記録媒体への記録時には、透過型ホログラムも2種形成されるものとなっている。すなわち、この場合において反射型ホログラムの発生のみが防止されたとしても、図25(a)に示したパターンAと、図26(b)に示したパターンDによる2種の透過型ホログラムが形成さている状態となり、結果、ホログラム記録媒体に対して複数のホログラムが記録されてしまうことになる。すなわち、この点において特許文献1に記載の手法は、充分なSNRの向上が図られないものとなっている。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、先ずは第1の光照射方法として以下のようにすることとした。
つまり、光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体として、少なくとも、信号が記録される記録層と、上記記録層よりも下層に形成された吸収型の偏光素子と、さらに下層に形成された反射膜とを備える光記録媒体について記録再生を行うための光照射方法であって、上記光記録媒体に対して照射されるべき光を発光する発光手順を備える。
また、上記発光手順により発光した光を上記光記録媒体に対して導くための光学系において挿入された波長板を、その光学軸方向が記録時と再生時とで所定の角度差が与えられた状態となるようにして駆動する波長板駆動手順を備えるものである。
先ず、前提として、反射型ホログラムの発生防止と共に、一方の透過型ホログラムのみが形成されるようにするためには、記録時に光記録媒体からの反射光(つまり復路光)自体が生じないようにすればよい。すなわち、記録時に形成されるホログラムを往路光のみの干渉で生じる1種の透過型ホログラムのみとするものである。但し、このとき注意すべきは、再生時においては、光記録媒体からの再生光としての反射光が得られるようにしなければならないということである。すなわちこのことから、上記のようにして1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにして光記録媒体への記録再生を行うためには、記録時には復路光が生じないようにし、再生時には復路光が得られるようにされている必要があることになる。
また、上記第1の本発明において、上記吸収型の偏光素子は、その偏光軸方向と一致する偏光方向の直線偏光は吸収し直交する偏光方向の直線偏光は透過する性質を有する吸収型直線偏光素子や、所定回転方向の円偏光は吸収し逆回転方向の円偏光は透過する性質を有する吸収型円偏光素子を指すものである
これらの前提を踏まえた上で、上記第1の手法としての光照射方法によれば、このような吸収型の偏光素子を備えた光記録媒体に対し、記録時と再生時とでその光学軸方向に所定の角度差が与えられるようにされた波長板を介して光を照射することができる。
ここで、上記波長板として1/2波長板を用い、媒体側の吸収型偏光素子として上記吸収型直線偏光素子を用いた場合、記録時は上記吸収型直線偏光素子の偏光軸方向と一致する偏光方向の直線偏光を照射し、再生時には上記吸収型直線偏光素子の偏光軸方向と直交する偏光方向の直線偏光を照射するといったことができる。このようにして、記録時に吸収型直線偏光素子の偏光軸方向と一致する方向の直線偏光を照射することができれば、媒体への入射光を当該吸収型直線偏光素子において吸収させることができ、結果、記録時には上記反射膜に光を到達させず、復路光が発生しないようにできる。また、上記のように再生時には上記吸収型直線偏光素子の偏光軸方向と直交する方向の直線偏光を照射することができれば、当該吸収型直線偏光素子にて入射光を透過させることができ、結果、反射膜に光を到達させて復路光が得られるようにすることができる。
或いは、上記波長板として1/4波長板を用い、媒体側の吸収型偏光素子として上記吸収型円偏光素子を用いる場合、記録時は所定回転方向の円偏光が媒体側の上記吸収型円偏光素子に対して入射されるようにし、再生時には逆回転方向の円偏光が上記吸収型円偏光素子に対して入射されるようにすることができる。このように記録時において上記吸収型円偏光素子に所定回転方向の円偏光が入射されれば、当該入射光を吸収型円偏光素子にて吸収させることができ、結果、記録時には復路光を生じさせないようにできる。また、上記のように再生時には上記吸収型円偏光素子に対して逆回転方向の円偏光が入射されれば、当該入射光が吸収型円偏光素子を透過するようにでき、再生時には復路光が得られるようにすることができる。
このようにして本発明の第1の光照射方法によれば、記録時は復路光を生じさせず、再生時には適正に復路光が得られるようにすることができる。
また、本発明では第2の光照射方法として以下のようにすることとした。
すなわち、光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体として、少なくとも、信号が記録される記録層と、上記記録層よりも下層に形成された反射型の偏光素子とを備える光記録媒体について記録再生を行うための光照射方法であって、上記光記録媒体に対して照射されるべき光を発光する発光手順を備える。
また、上記発光手順により発光した光を上記光記録媒体に対して導くための光学系において挿入された波長板を、その光学軸方向が記録時と再生時とで所定の角度差が与えられた状態となるようにして駆動する波長板駆動手順を備えるものである。
上記反射型の偏光素子とは、その偏光軸方向と一致する偏光方向の直線偏光は透過し直交する偏光方向の直線偏光は反射する性質を有する反射型直線偏光素子、または所定回転方向の円偏光は透過し逆回転方向の円偏光は反射する性質を有する反射型円偏光素子を指す。
この第2の光照射方法で留意すべき点は、上記第1の手法の場合とは異なり、光記録媒体側では偏光素子の下層の反射膜が形成されていない点である。すなわち、この点と上記反射型の偏光素子の性質とを考慮して分かるように、この第2の手法では、記録時には照射光が媒体全体を透過して出力されるようにすることで復路光が発生しないようにし、再生時には照射光が上記反射型の偏光素子にて反射されるようにすることで復路光が得られるようにするものである。
上記第2の手法の光照射方法によれば、上記反射型の偏光素子を備えた光記録媒体に対し、記録時と再生時とでその光学軸方向に所定の角度差が与えられるようにされた波長板を介して光を照射することができる。
例えば、上記波長板として1/2波長板を用い、上記反射型偏光素子として上記反射型直線偏光素子を用いた場合、記録時は上記反射型直線偏光素子の偏光軸方向と一致する偏光方向の直線偏光を照射し、再生時には上記反射型直線偏光素子の偏光軸方向と直交する偏光方向の直線偏光を照射するといったことができる。このように記録時に反射型直線偏光素子の偏光軸方向と一致する方向の直線偏光を照射することができれば、当該反射型直線偏光素子にて入射光が透過されるようにできる。上述もしたようにこの場合は下層において反射膜が形成されないので、このように反射型直線偏光素子が入射光を透過するようにされることで、媒体全体を介して光を透過させることができる。この結果、記録時に復路光が発生しないようにできる。また、上記のように再生時には上記反射型直線偏光素子の偏光軸方向と直交する方向の直線偏光を照射することができれば、当該反射型直線偏光素子にて入射光を反射させることができ、この結果、復路光が得られるようにすることができる。
或いは、上記波長板として1/4波長板を用い、媒体側の反射型偏光素子として上記反射型円偏光素子を用いる場合、記録時は所定回転方向の円偏光が媒体側の上記反射型円偏光素子に対して入射されるようにし、再生時には逆回転方向の円偏光が上記反射型円偏光素子に対して入射されるようにすることができる。このように記録時において上記反射型円偏光素子に所定回転方向の円偏光が入射されれば、当該入射光を反射型円偏光素子にて透過させることができ、結果、この場合も入射光が媒体全体を透過して出力されるようにでき、復路光を生じさせないようにできる。また、上記のように再生時には上記反射型円偏光素子に対して逆回転方向の円偏光が入射されれば、当該入射光が反射型円偏光素子を透過するようにでき、再生時には復路光が得られるようにすることができる。
このようにして本発明の第2の手法の光照射方法によっても、記録時は復路光を生じさせず、再生時には適正に復路光が得られるようにすることができる。
また、本発明では記録再生装置として以下のように構成することとした。
つまり、光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体について記録再生を行う記録再生装置であって、所要の光源から発せられた光を上記光記録媒体に対して導くように構成された光学系を備える。
また、上記光学系における光路中の所定位置に対して挿入された波長板と、上記波長板を、その光学軸方向が記録時と再生時とで所定の角度差が与えられた状態となるようにして駆動する波長板駆動手段とを備えるものである。
上記本発明の記録再生装置によれば、例えば上記本発明の第1,第2の光照射方法に対応して、記録時には復路光を生じさせず、再生時には適正に復路光が得られるようにすることができる記録再生装置を提供することができる。
上記のようにして本発明の光照射方法によれば、記録時には復路光が生じないようにし、再生時には復路光が得られるようにすることができる。これにより、記録時には1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにでき、SNRの向上を図ることができる。また、再生時には復路光が得られるので、記録層に対して記録された信号を適正に再生することができる。
また、本発明の記録再生装置によれば、記録時には復路光を生じさせず、再生時には適正に復路光が得られるようにすることができる記録再生装置を提供することができる。
ホログラム記録再生の基本動作説明のための図として、コアキシャル方式が採用されたホログラム記録再生装置の内部構成例を示した図である。 ホログラム記録媒体への記録手法ついて説明するための図である。 ホログラム記録媒体の再生手法について説明するための図である。 空間光変調器において規定される参照光エリア、信号光エリア、ギャップエリアの各エリアについて説明するための図である。 実施の形態の光照射方法の第1の手法について説明するための図として、記録時の状態を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第1の手法について説明するための図として、再生時の状態を示した図である。 第1の手法(及び第2の手法、第3の手法)を実現するための記録再生装置の内部構成を示した図である。 第1の手法で用いるホログラム記録媒体の断面構造を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第2の手法について説明するための図として、記録時の状態を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第2の手法について説明するための図として、再生時の状態を示した図である。 第2の手法で用いるホログラム記録媒体の断面構造を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第3の手法について説明するための図として、記録時の状態を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第3の手法について説明するための図として、再生時の状態を示した図である。 第3の手法で用いるホログラム記録媒体の断面構造を示した図である。 第2の手法の変形例について説明するための図として、記録時の状態を示した図である。 第2の手法の変形例について説明するための図として、再生時の状態を示した図である。 第2の手法の変形例(及び第3の手法の変形例)を実現するための記録再生装置の内部構成を示した図である。 第3の手法の変形例について説明するための図として、記録時の状態を示した図である。 第3の手法の変形例について説明するための図として、再生時の状態を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第4の手法について説明するための図として、記録時の状態を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第4の手法について説明するための図として、再生時の状態を示した図である。 第4の手法(及び第5の手法)を実現するための記録再生装置の内部構成を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第5の手法について説明するための図として、記録時の状態を示した図である。 実施の形態の光照射方法の第5の手法について説明するための図として、再生時の状態を示した図である。 反射型のホログラム記録媒体への記録時に生じうるホログラムのパターンを示した図である。 同じく、反射型のホログラム記録媒体への記録時に生じうるホログラムのパターンを示した図である。 反射型ホログラムの記録防止を図る従来手法について説明するための図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行う。

1.ホログラム記録再生の基本動作説明
2.実施の形態としての光照射方法
2−1.第1の手法
2−2.第2の手法
2−3.第3の手法
2−4.第2の手法の変形例
2−5.第3の手法の変形例
2−6.第4の手法
2−7.第5の手法
1.ホログラム記録再生の基本動作説明

図1は、例えばコアキシャル方式が採用されたホログラム記録再生装置の内部構成について示した図である。なお、図1では主に記録再生装置の光学系の構成のみを抽出して示し、他の部分については省略する。
なお、コアキシャル方式は、先にも述べたように信号光と参照光とを同一軸上に配置し、それらを共に所定位置にセットされたホログラム記録媒体に照射して干渉縞によるデータ記録を行い、また再生時には参照光をホログラム記録媒体に対して照射することで干渉縞により記録されたデータの再生を行うものである。
この図1では、ホログラム記録媒体として、反射膜を備えた反射型のホログラム記録媒体に対応する記録再生装置の構成を例示している。
先ず、レーザダイオード(LD)1は、記録再生のためのレーザ光を得るための光源として設けられる。このレーザダイオード1としては、例えば外部共振器付きレーザダイオードが採用され、レーザ光の波長は例えば410nmとされる。
レーザダイオード1からの出射光はコリメータレンズ2を介した後、SLM(空間光変調器)3に対して入射する。
SLM3は、例えば透過型液晶パネルなどにより構成され、図示されない駆動回路からの駆動信号に応じて各画素が駆動制御されることで、入射光に対して記録データに応じた光強度変調を施すようにされる。具体的には、例えば駆動信号によってONとされた画素は入射光を透過し、OFFとされた画素は入射光を透過しないといったように、画素単位(ピクセル単位)で光のON/OFF制御を行うことが可能とされる。このようなSLM3のON/OFF制御により、「0」「1」のデータをピクセル単位で記録することが可能とされている。
上記SLM3にて空間光変調が施された光は、ビームスプリッタ4を透過した後、リレーレンズ5→遮光マスク6→リレーレンズ7によるリレーレンズ光学系を介し、さらに1/4波長板8を介した後に対物レンズ9で集光されてホログラム記録媒体10上に照射される。
ここで、記録時においては、後述するようにしてSLM3において記録データに応じた空間光強度変調を受けた信号光と、この信号光と同心円となる輪状の参照光とが生成されることになる。すなわち、このようにして生成された信号光と参照光とが、上記により説明した経路を経て上記ホログラム記録媒体10上に集光するようにされるものとなる。
一方、再生時においては、レーザダイオード1からの光が、記録時と同様にコリメータレンズ2を介してSLM3に入射される。再生時においてSLM3は、入射光に対し再生用の空間光強度変調を施して参照光のみを生成するようにされる。すなわち再生時においては信号光は照射せず、参照光のみをホログラム記録媒体10に対し照射するようにされている。
この参照光の照射に応じては、後述するようにしてホログラム記録媒体10上の記録データに応じた回折光が得られ、この回折光は、ホログラム記録媒体10からの反射光として、対物レンズ9を介した後、1/4波長板8→リレーレンズ7→遮光マスク6→リレーレンズ5を介してビームスプリッタ4に導かれる。ビームスプリッタ4では、上記経路により導かれたホログラム記録媒体10からの反射光が反射され、その反射光は図示するようにしてイメージセンサ11に導かれる。
イメージセンサ11は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備え、上記のようにして導かれたホログラム記録媒体10からの反射光(回折光)を受光し、これを電気信号に変換する。
次の図2、図3は、上記により説明した光学系の構成によって実現されるホログラム記録再生の基本動作について説明するための図である。図2は記録時、図3は再生時の動作についてそれぞれ示している。
なお、図2では、図1に示す光学系のうちSLM3、対物レンズ9のみを抽出して示している。また図3において、図3(a)は同様にSLM3、対物レンズ9のみを示し、図3(b)では対物レンズ9とイメージセンサ11のみを抽出して示している。
先ず、図2に示される記録時においては、SLM3が、入射光に対し、上述した参照光と、記録データに基づき「0」「1」のデータパターンに基づく光強度パターンが与えられた光(信号光と呼ばれる)とが同心円上に配置されるようにするための強度変調を行う。
この強度変調された光(つまり参照光と信号光)を、対物レンズ9によりホログラム記録媒体10上に集光し、これにより形成される参照光と信号光の干渉縞をデータとしてホログラム記録媒体10上に記録する。
また、再生時においては、先ず図3(a)に示すようにして、SLM3が入射光について空間光強度変調を施すことで参照光のみを生成し、これをホログラム記録媒体10上に集光するようにされる。その際、集光した光は、ホログラム記録媒体10に記録されたデータパターンに応じた干渉縞により回折を受け、ホログラム記録媒体10からの反射光として出力される。すなわち、この回折光は、図示するようにして記録データを反映した光強度パターンを有しており、この回折光の有する強度パターンをイメージセンサ11で検出した結果に基づき、データ再生を行うようにされる。
ここで、上記のようにSLM3においては、記録/再生時に対応して参照光、信号光を生成するようにされる。このため、SLM3においては、次の図4に示すような参照光エリアA1、信号光エリアA2、及びギャップエリアA3とが規定されている。すなわち、この図4に示されるように、SLM3の中心部分を含む所定の円形のエリアが、信号光エリアA2として定められている。そして、その外周部分に対しては、ギャップエリアA3を隔てて、信号光エリアA2と同心円となる輪状の参照光エリアA1が定められている。
なお、上記ギャップエリアA3は、参照光が信号光エリアA2に漏れ込んでノイズになることを避けるための領域として定められている。
記録時においては、参照光エリアA1内の予め定められた画素を「1」(光強度=強)、それ以外の画素を「0」(光強度=弱)とし、且つギャップエリアA3と上記参照光エリアA1より外周部分とを全て「0」とした上で、信号光エリアA2内の各画素を記録データに応じた「0」「1」のパターンとすることで、先の図2に示したような参照光と信号光とを生成・出力することができる。
また、再生時には、参照光エリアA1を記録時と同じ「0」「1」のパターンとし、他の領域はすべてビット「0」とすることで、図3(a)に示したようにして参照光のみを生成・出力することができる。
2.実施の形態としての光照射方法
2−1.第1の手法

本実施の形態では、先に説明した従来の問題点に鑑み、ホログラム記録媒体に対する記録再生を行う場合において、1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにすることのできる手法を提案する。以下、その第1の手法について説明していく。
第1の手法は、ホログラム記録媒体に対して1/4波長板と偏光板とを形成し、記録再生装置側には1/4波長板を設ける手法である。
図5、図6は、実施の形態の光照射方法における第1の手法について説明するための図として、第1の手法で用いるホログラム記録媒体HM1(断面図)と、装置側に備えられるビームスプリッタ4、対物レンズ9、及び1/4波長板12と、これらビームスプリッタ4→1/4波長板12→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM1に対して照射される光の様子とを模式的に示している。
先ずは、各図において示されるホログラム記録媒体HM1の構造について説明しておく。このホログラム記録媒体HM1は、反射膜53を備えた反射型のホログラム記録媒体とされ、上記反射膜53の上層には偏光板49が形成され、さらにその上層に1/4波長板52が形成されている。そして、この1/4波長板52の上層には参照光と信号光との干渉縞によって信号が記録される記録層51が形成され、さらにその上層には、記録層51を保護するためのカバーガラス50が形成されている。
図5、図6を参照して、このようなホログラム記録媒体HM1を用いた第1の手法としての光照射方法について説明する。
図5は、記録時の状態を示している。
この図5では、X軸とこれと直交するY軸とを基準として、1/4波長板12への入射光、ホログラム記録媒体HM1内の記録層51への入射光、偏光板49への入射光、反射膜53への入射光の各偏光方向と、さらに1/4波長板12の光学軸方向、1/4波長板52の光学軸方向とをそれぞれ示している。
ここでは一例として、装置側においては、図示するように1/4波長板12に対し、その偏光方向がX軸方向であるX直線偏光が入射される場合を示している。
この図5における記録時には、図示するようにして1/4波長板12の光学軸方向を、入射光の偏光方向とのなす角度が45度となるようにしておく。つまりこの場合は、1/4波長板12の光学軸方向が図示するようにしてX軸方向に対して45度傾く状態となるようにしておく。
また、ホログラム記録媒体HM1側においては、図示するようにして1/4波長板52の光学軸方向が装置側の1/4波長板12の光学軸方向と一致するようにしておく。すなわちこの場合、ホログラム記録媒体HM1側の1/4波長板52としても、その光学軸方向がX軸方向に対して45度だけ傾いた状態となるようにしておく。
さらに、ホログラム記録媒体HM1側において、上記1/4波長板52の下層に形成される偏光板49の偏光軸方向は、図示するようにして1/4波長板52の光学軸方向とのなす角度が45度となるようにしておく。具体的に、この場合の偏光板49の偏光軸方向は、X軸方向と一致する方向となるようにされる。
ここで、上記のようにして記録時においては、装置側の1/4波長板12の光学軸方向と、ホログラム記録媒体HM1側の1/4波長板52の光学軸方向とが一致した状態となるようにされるべく、媒体側の1/4波長板52の光学軸方向は、装置側の光学系において規定されるX軸方向とのなす角度が45度の状態となるようにされている必要がある。このことから、第1の手法においてホログラム記録媒体HM1は、装置側に対し、このように1/4波長板52の光学軸方向が光学系において規定されたX軸方向から45度だけ傾いた状態となるように、例えば位置決め部材などによりその取り付け角度が固定されるようにして取り付けられているものとする。
この図5において、上述のようにして1/4波長板12への入射光の偏光方向、及び1/4波長板12の光学軸方向が設定されることによって、記録時には、図示するようにホログラム記録媒体HM1側の記録層51に対して、右回りの円偏光が入射されることになる。
そして、1/4波長板52の光学軸方向が上記の設定とされていることで、上記記録層51を介して1/4波長板52に入射する右回りの円偏光は、当該1/4波長板52にてX直線偏光に戻され、このX直線偏光が偏光板49に対して入射されるようになる。
周知のように、偏光板49は、その偏光軸と一致する方向の直線偏光を吸収し、直交する方向の直線偏光は透過する性質を有する。この場合、偏光板49の偏光軸の方向は、上述したようにX軸方向と一致するようにされている。従って、上記のようにしてX直線偏光が入射されることによっては、このX直線偏光による媒体への入射光が偏光板49において吸収されることになる。
偏光板49において入射光が吸収されることで、この場合はその下層における反射膜53に光が到達しないものとなる。すなわち、このようにして記録時には、ホログラム記録媒体HM1からの反射光(つまり復路光)が生じないようにされている。
記録時において、上記のように復路光が生じないようにされることで、反射型ホログラムの発生が防止されることはもちろん、先の図27(b)に示した「参照光(復路)×信号光(復路)」による透過型ホログラム(パターンD)の発生も防止することができる。すなわち、このようにして第1の手法によれば、図26(a)に示した「参照光(往路)×信号光(往路)」(パターンA)による1種の透過型ホログラムのみをホログラム記録媒体HM1に対して記録することができるものである。
また、図6は、再生時の様子を示している。
なおこの図6においても、X軸とこれと直交するY軸とを基準として、1/4波長板12への入射光、ホログラム記録媒体HM1内の記録層51への入射光、偏光板49への入射光、反射膜53への入射光の各偏光方向と、さらに1/4波長板12の光学軸方向、1/4波長板52の光学軸方向とをそれぞれ示している。
先ず、上述もしたように第1の手法では、ホログラム記録媒体HM1は、装置側に対し、1/4波長板52の光学軸方向がX軸方向から45度だけ傾いた状態となるようにその取り付け角度が固定されて取り付けられているので、この場合もホログラム記録媒体HM1側における1/4波長板52の光学軸方向、偏光板49の偏光軸方向は先の図5に示したものと同様となる。
そして、この図6に示されるように、再生時においては、装置側の1/4波長板12を、先の図5の記録時の状態から90度回転させた状態でホログラム記録媒体HM1への光照射を行う。すなわち、このように1/4波長板12を90度回転させることで、1/4波長板12の光学軸方向を先の記録時とは直交する方向に変化させるものである。
このようにして1/4波長板12の光学軸方向が先の記録時とは直交した方向となるようにされることで、ホログラム記録媒体HM1への照射光(記録層51への入射光)は、図示するようにして記録時とは逆回転方向となる左回りの円偏光となる。この場合、ホログラム記録媒体HM1側の1/4波長板52の光学軸方向は、先の記録時の場合と同方向の状態にあるので、このような左回りの円偏光は当該1/4波長板52によってY直線偏光に変換される。これに伴い、この場合の偏光板49に対しては、その偏光軸方向(X軸方向)に対して直交する方向の直線偏光が入射されるものとなるので、この場合の媒体への入射光は当該偏光板49にて透過されることになる。
このようにして偏光板49において入射光が透過されることで、再生時には反射膜53による反射光(復路光)が得られることになる。この復路光は、図示するようにして偏光板49→1/4波長板52→記録層51→カバーガラス50を介してホログラム記録媒体HM1から出力された後、装置側の対物レンズ9→1/4波長板12を介してビームスプリッタ4で反射されることで、図示されないイメージセンサ11側に導かれるようになる。
このようにして第1の手法では、装置側に設けられた1/4波長板12を、記録時と再生時とでその光学軸に90度の角度差が与えられるようにして駆動するものとしている。
これにより、記録時と再生時とで、ホログラム記録媒体HM1に対してそれぞれ逆回りの円偏光を照射することができ、この結果、ホログラム記録媒体HM1内に形成された1/4波長板52・偏光板49の性質に応じて、記録時には上記偏光板49により媒体への照射光が吸収されるようにし、再生時には照射光を上記偏光板49にて透過させて反射膜53からの反射光(復路光)が得られるようにすることができる。すなわち、これによって、記録時には復路光を発生させずに1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにすることができ、一方で再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。
また、第1の手法では、上層側から順に記録層51→1/4波長板52→偏光板49→反射膜53が形成されたホログラム記録媒体HM1を用いるものとしているが、このようなホログラム記録媒体HM1によれば、装置側が、記録時は当該ホログラム記録媒体HM1に対し所定回転方向の円偏光(例えば右回り円偏光)を照射し、再生時には逆回転方向の円偏光(例えば左回り円偏光)を照射するように構成されていることで、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにでき、また再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。従って、上記ホログラム記録媒体HM1によれば、このように構成された記録再生装置に対応して、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにし、再生時には再生光が得られるようにすることのできる光記録媒体を提供することができる。
続いては、上記により説明した第1の手法を実現するための記録再生装置の構成について説明する。
図7に、その内部構成を示す。なお、図7において、既に先の図1において説明した部分については同一符号を付してその説明を省略する。
先ず、この図7に示す記録再生装置においては、ホログラム記録媒体HM1が、装置内の所定位置に対してセットされる。先にも述べたように、ホログラム記録媒体HM1は、自らが備える1/4波長板52の光学軸方向が、記録再生装置の光学系側で規定されたX軸方向に対し45度だけ傾いた状態となるようにその取り付け角度が固定されるようにして装置側に取り付けられる。
そして、このようにして記録再生装置側に対して取り付けられたホログラム記録媒体HM1は、図示するスライド機構25によってスライド移動可能に保持されるようになっている。
この場合の記録再生装置では、上記スライド機構25によってホログラム記録媒体HM1のスライド移動が可能とされていることで、ホログラム記録媒体HM1の任意の位置を対象として信号の記録再生を行うことが可能とされている。
ここで、上記のようにしてこの場合の記録再生装置では、スライド機構25によってホログラム記録媒体HM1の任意位置へのアクセスが可能とされているが、記録再生装置側での媒体上の記録再生位置管理が可能となるようにするために、実際においてホログラム記録媒体HM1に対しては、予め位置情報を記録しておくということが行われる。
具体的には、例えばホログラムの記録再生の行われる記録層51以外に、上記のような位置情報を記録するための別途の記録層を形成するということが行われる。
先の図5、図6においては、ホログラム記録媒体HM1の構造を模式的に簡略化して示したが、実際において、ホログラム記録媒体HM1の構造は、例えば次の図8に示すものとなる。
図8に示されるように、この場合のホログラム記録媒体HM1には、図5、図6にも示したカバーガラス50、記録層51、1/4波長板52、偏光板49、反射膜53が上層から順に形成された上で、さらに上記反射膜53の下層に対して、図示するようにして中間層54→反射膜55→基板56が形成される。
この場合、上記基板56は、例えばポリカーボネートなどの樹脂基板とされ、その表面には凹凸の断面形状(ピット・ランドの組み合わせ)によって情報が記録されたピット面が形成される。すなわち、このピット面において上述した位置情報など所要の情報が記録されている。
上記基板56のピット面に対しては、上記反射膜55が成膜され、このように反射膜55が成膜された基板56が、上記中間層54としての例えばレジンなどの接着材料によって反射膜53の下層側に接着されることで、この図8に示すホログラム記録媒体HM1の断面構造が形成されている。
このような断面構造とされたホログラム記録媒体HM1において、注意すべき点は、図示するようにして上記偏光板49と、上記反射膜53とが、それぞれ波長選択性を有するように構成されるという点である。具体的に、この場合の偏光板49、反射膜53としては、ホログラムの記録再生で用いられる例えば波長410nmのレーザ光については機能せず、上記基板56上の情報記録層(ピット面)に記録された情報を読み出すために照射される例えば波長650nmのレーザ光は透過するように構成されるものである。
ここで、先の第1の手法の説明によると、記録時には、ホログラム記録媒体HM1への入射光が偏光板49において吸収されてしまうことになる。すなわち、このことによると、仮に偏光板49が波長選択性を有していない場合には、上記基板56上の情報読み出しを行うためのレーザ光(650nm)としても偏光板49にて吸収されてしまうこととなり、情報読み出しを行うことができなくなってしまう。そこで、偏光板49としては波長選択性を有するように構成しておく必要がある。
また、このようにして偏光板49を透過させることができたとしても、仮にその下層の反射膜53が波長選択性を有していないとすると、透過したレーザ光は当該反射膜53にて反射されてしまい、その下層のピット面にレーザ光を到達させることができなくなってしまう。このため、反射膜53についても波長選択性を有するようにしておく必要があることになる。
説明を図7に戻す。
図7において、この場合の記録再生装置においても、先の図1で説明したレーザダイオード1、コリメータレンズ2、SLM3、ビームスプリッタ4、リレーレンズ5、遮光マスク6、リレーレンズ7、及びイメージセンサ11が設けられている。
なお、この場合は、後に説明するようにして波長の異なるレーザ光を照射するための第2レーザ15が設けられる関係から、区別のため以下では、上記レーザダイオード1は第1レーザ1と記すものとする。
この場合、上記第1レーザ1から発せられ、上記リレーレンズ7から出射される光は、ダイクロイックミラー13を透過し、ミラー14で反射されてその光軸が90度折り曲げられた後、先の図5、図6にも示した1/4波長板12に入射するようにされる。そして、当該1/4波長板12を透過した光は対物レンズ9を介して、上述のようにして所定位置にセットされたホログラム記録媒体HM1に対して照射される。
ここで、この記録再生装置には、先の図2にて説明したような記録データに応じたSLM3の光強度変調を実行させるための構成として、図示するデータ変調・振幅制御部19が設けられる。また、イメージセンサ11により検出された画像信号に基づき再生データを得るためのデータ再生部20が設けられる
先ず、データ変調・振幅制御部19には、ホログラム記録媒体HM1に対して記録されるべき記録データが入力される。データ変調・振幅制御部19は、記録時には、この記録データに応じてSLM3の光強度変調(特に信号光エリアA2内の光強度変調)を制御する動作を行うことになる。
具体的には、先ず、入力される記録データについて所定の記録フォーマットに従った記録変調符号化処理を施す。例えば、ホログラム記録再生方式にて一般的とされるスパース符号化として、記録データの1バイト(=8ビット)を4×4=16ビットの正方形によるブロック形状のデータ配列に変換する記録変調符号化が知られている。
そして、例えばこのような符号化により得られたブロック形状のデータ配列を、記録フォーマットに従って1枚のホログラムページ内に配列する(マッピングと呼ぶ)。このホログラムページとは、信号光エリアA2内に敷き詰められるデータ配列全体を指す。すなわち、信号光と参照光との干渉で一度に記録することのできるデータ単位となる。
このようにして記録データのマッピングを行うことで信号光エリアA2内の「0」「1」のデータパターンが得られる。
さらに、記録時においてデータ変調・振幅制御部19は、上記のようにして信号光エリアA2内のデータパターンを得ると共に、参照光エリアA1の所定の画素を「1」、それ以外の画素を「0」とし、且つギャップエリアA3と参照光エリアA1より外周部分とを全て「0」としたデータパターンを生成する。その上で、このデータパターンと上記信号光エリアA2内のデータパターンとを併せてSLM3の全有効画素分のデータパターンを生成する。
記録時においてデータ変調・振幅制御部19は、入力される記録データから順次、上記のようなSLM3の全有効画素分のデータパターン得て、当該データパターンに基づいてSLM3の各画素を駆動制御する。これにより、記録時においてSLM3からは、所定のON/OFFパターンによる参照光と共に、記録データの内容に応じ順次そのON/OFFパターンが変化するようにされた信号光とが出力されることになる。
また、データ変調・振幅制御部19は、再生時には参照光のみを生成するための動作を行う。
すなわち、先ず、参照光エリアA1を記録時と同様の「0」「1」パターンとした上で、他の領域をすべてビット「0」としたデータパターンを生成する。再生時には、このデータパターンに基づきSLM3の各画素を駆動制御する。これによって再生時には、SLM3から参照光のみを出力させることができる。
ホログラム記録媒体HM1に対して参照光が照射されることに伴っては、ホログラム記録媒体HM1に記録された記録データに応じた回折光により再生信号光が得られる。この再生信号光は、ホログラム記録媒体HM1からの反射光としてイメージセンサ11上に導かれ、ここに結像する。
データ再生部20では、上記のように再生信号光が結像することに伴ってイメージセンサ11から順次得られる画像信号から、ホログラムページ内の各ピクセルの値を検出し、その結果に基づいて再生データを得る。具体的には、これら各ピクセルの値に基づき、記録時に行った変調符号の復号処理を行うことで、例えば先に述べたような4×4=16のブロック形状のデータを元の1バイト単位によるデータに変換し、これによって記録データを再生する。
また、この図に示す記録再生装置においては、先の図8に示したような、ホログラム記録媒体HM1の基板56に形成されたピット面に記録された情報を読み出すための構成として、第2レーザ15、ビームスプリッタ16、コリメータレンズ17、及び先に述べたダイクロイックミラー13、さらにはフォトディテクタ18、反射光信号生成回路23が設けられる。
上記第2レーザ15は、上述した第1レーザ1の波長(例えば410nm)とは異なる波長(例えば650nm)によるレーザ光を発光する。この第2レーザ15により発光された光は、ビームスプリッタ16を透過した後、コリメータレンズ17を介してダイクロイックミラー13に入射する。
ダイクロイックミラー13では、上記第2レーザ15を光源とする入射光が反射され、この反射光が図示するようにしてミラー14に導かれる。このミラー14以降の光路は先に説明した第1レーザ1を光源とする光の場合と同様となり、上記第2レーザ15を光源とする光についても1/4波長板12→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM1に対して照射されることなる。
そして、このようにしてホログラム記録媒体HM1に照射された第2レーザ15を光源とする光は、ホログラム記録媒体HM1の基板56のピット面上に形成された反射膜56にて反射され、その反射光は対物レンズ9→1/4波長板12→ミラー14を介した後、ダイクロイックミラー13にて反射され、コリメータレンズ17を介してビームスプリッタ16に入射する。図示するようにして、このようにコリメータレンズ17側からビームスプリッタ16に入射した光は当該ビームスプリッタ16において反射され、フォトディテクタ18に対して導かれるようになっている。
フォトディテクタ18では、上記による経路によって入射された、上記ピット面上の反射膜56より得られた反射光を受光し、これを電気信号に変換して反射光信号生成回路23に供給する。この場合、フォトディテクタ18としては例えば光ディスクの分野で用いられる分割ディテクタを用いており、上記反射光信号生成回路23に対しては例えば4つなどの複数のディテクタによる検出信号が供給されるようになっている。
反射光信号生成回路23は、上記フォトディテクタ18からの電気信号に基づき、上述したホログラム記録媒体HM1上の位置情報を表す信号(位置情報信号)を取得する。このような位置情報信号は、図示するようにしてアクセス制御・スライド駆動部24に対して供給される。
アクセス制御・スライド駆動部24は、上記反射光信号生成回路23から入力される位置情報信号と、例えば図示されない制御部から指示さる位置情報とに基づき、例えば上記位置情報信号により示される位置情報と上記指示された位置情報とが一致する状態となるようにスライド機構25を駆動してホログラム記録媒体HM1をスライド移動させることで、記録または再生位置を指示された位置に移動させる。すなわち、このようなアクセス制御・スライド駆動部24によるスライド機構25の駆動制御によって、ホログラム記録媒体HM1へのアクセス制御が実現される。
さらに、この場合の記録再生装置には、1/4波長板12を回転駆動するための構成として、回転駆動部21と、波長板回転制御部22とが設けられている。
先ず、回転駆動部21は、光路中におけるミラー14と対物レンズ9との間に対して1/4波長板12が挿入された状態となるようにして当該1/4波長板12を保持すると共に、このように保持される1/4波長板12を回転駆動することができるように構成されている。具体的に、この回転駆動部21はモータを備えており、当該モータによる回転駆動力を1/4波長板12に対して与えるように構成されていることで、1/4波長板12を回転駆動することが可能とされる。
そして、上記波長板回転制御部22は、記録時と再生時とで上記1/4波長板12の回転角度が90度異なる状態となるようにして、上記回転駆動部21における上記モータの回転制御を行う。具体的には、記録時は上記1/4波長板12の回転角度が45度の状態、再生時は上記1/4波長板12の回転角度が45+90=135度となるようにして上記モータの回転制御を行う。
これにより、先の図5、図6にて説明したようにして、1/4波長板12を、記録時と再生時とでその光学軸方向に90度の角度差が与えられるようにして駆動することができる。
ここで、先の図5、図6の説明によると、第1の手法としては、記録時において上記1/4波長板12の光学軸方向が、光学系で規定されるX軸方向に対して45度傾いた状態となることを前提としている。
このため、第1の手法を成り立たせるためには、例えば上記波長板回転制御部22において基準とする1/4波長板12の回転角度45度の状態が、このように1/4波長板12の光学軸方向が光学系のX軸方向から45度傾いた状態となるようにしておく。つまり、例えば波長板回転制御部22によって1/4波長板12の回転角度が45度であると認識される状態が、1/4波長板12の光学軸方向が上記X軸方向から45度傾いた状態となるように、波長板回転制御部22による1/4波長板12の回転角度(つまり回転駆動部21におけるモータの回転角度)の認識状態と、1/4波長板12の回転駆動部21への取り付け角度との関係を調整しておく。
このような調整が為されることで、上記した波長板回転制御部22の回転制御によって、記録時には1/4波長板12の光学軸方向がX軸方向に対し45度傾いた状態となり、また再生時にはその状態から90度回転された状態となるようにすることができ、結果、第1の手法を正しく成り立たせることができる。
なお、上記のように波長板回転制御部22による回転駆動部21におけるモータの回転角度の認識状態と、1/4波長板12の回転駆動部21への取り付け角度との関係を調整する手法は、波長板回転駆動部22が上記モータの回転角度(1/4波長板12の回転角度)を管理するようにされている場合を前提としたものであるが、例えば波長板回転制御部22が、単に上記モータの回転方向を切り換えるのみの回転制御を行う場合等には、1/4波長板12の回転角度を90度の範囲に限定するような物理的なストッパなどを設けて回転角度を制御するといった手法を採ることもできる。
この図7に示す記録再生装置の構成により、先の図5、図6にて説明したような記録/再生時の1/4波長板12の回転制御を行うことが可能となり、この結果、記録時には1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにでき、且つ再生時には適正に再生光を得ることのできる記録再生装置を提供することができる。
2−2.第2の手法

続いて、第2の手法としての光照射方法について説明する。
第2の手法は、先の1/4波長板52・偏光板49の組に代えて、吸収型直線偏光素子57を設けるようにしたホログラム記録媒体HM2を用いる手法である。
図9、図10は、第2の手法について説明するための図として、第2の手法で用いる上記ホログラム記録媒体HM2(断面図)と、装置側に備えられるビームスプリッタ4、対物レンズ9、及び1/2波長板30と、これらビームスプリッタ4→1/2波長板30→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM2に対して照射される光の様子とを模式的に示している。図9は記録時、図10は再生時の状態を示している。
また、これら図9、図10では、X軸とこれと直交するY軸とを基準として、上記1/2波長板30への入射光、ホログラム記録媒体HM2内の上記吸収型直線偏光素子57への入射光の各偏光方向を示している。またこれと共に、上記1/2波長板30の光学軸方向、上記吸収型直線偏光素子57の偏光軸方向も併せて示している。
また、この場合としても、装置側の波長板(この場合は1/2波長板30)に対しては、図示するようにX直線偏光が入射される場合を例に挙げる。なおこのように装置側に設けられた波長板に対してX直線偏光を入射する点については、以降の説明においても同様であるとする。
先ず、これら図9、図10に示されているように、この場合のホログラム記録媒体HM2には、上層から順にカバーガラス50→記録層51→吸収型直線偏光素子57→反射膜53が形成される。
ここで、上記吸収型直線偏光素子57は、その偏光軸方向と一致する偏光方向を有する入射光は吸収し、上記偏光軸方向と直交する偏光方向を有する入射光は透過する性質を有するように構成された偏光素子を指す。つまり、この吸収型直線偏光素子57としては、先の第1の手法で用いた偏光板49と同様の性質を有するものであり、従って例えばこの偏光板49を用いることもできる。
この第2の手法において、図9に示す記録時には、装置側において、1/2波長板30の光学軸方向を、入射光の偏光方向(この場合はX軸方向)と一致する状態となるようにしておく。つまり、これにより、記録時にはホログラム記録媒体HM2に対してX直線偏光がそのまま照射される。
そして、ホログラム記録媒体HM2側においては、上記吸収型直線偏光素子57の偏光軸方向が、図示するようにしてX軸方向となるようにされている。すなわち、この場合のホログラム記録媒体HM2は、その内部に形成された吸収型直線偏光素子57の偏光軸方向が、光学系にて定めらているX軸方向と一致するようにして装置側に対して取り付けられているとする。
上記のように1/2波長板30の光学軸方向、吸収型直線偏光素子57の偏光軸の方向の関係が設定されていることで、記録時においては、装置側からはX直線偏光がホログラム記録媒体HM2に対して照射され、このように照射されたX直線偏光が、記録層51を介して、その偏光軸方向が上記のようにX軸方向とされた吸収型直線偏光素子57に対して入射されるようになる。
上述のようにして吸収型直線偏光素子57は、その偏光軸方向と偏光方向の一致する入射光を吸収するようにされているので、上記のように吸収型直線偏光素子57に入射されるX直線偏光による入射光(往路光)は、当該吸収型直線偏光素子57にて吸収される。つまりこれにより、第2の手法によっても、記録時には反射膜53からの反射光(つまり復路光)自体が発生しないようにすることができ、1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにすることができる。
一方、図10における再生時には、図示するようにして装置側の1/2波長板30を、その光学軸方向が記録時から45度傾けられた状態となるように回転駆動する。
このようにして1/2波長板30が回転駆動されることによっては、当該1/2波長板30では、その光学軸方向と入射光の偏光方向とに45度の角度差が生じることになる。周知のように、1/2波長板は、その光学軸方向とのなす角度がα度となる偏光方向を有する直線偏光に対し、その偏光方向を2α度変化させるという性質を有するものである。従って、上記のように回転駆動された1/2波長板30を透過してホログラム記録媒体HM2に照射される光の偏光方向は、図示するようにして90度変化され、Y直線偏光となるようにされる。
このようにホログラム記録媒体HM2に対してY直線偏光が照射されることに伴い、この場合の吸収型直線偏光素子57に対しては、その偏光軸方向と直交する直線偏光が入射されることになるので、当該吸収型直線偏光素子57は入射光を透過するものとなる。従って再生時には、図示するようにしてその下層の反射膜53に対し光が到達するものとなり、結果、ホログラム記録媒体HM2からの反射光(復路光)が得られるようになる。
このようにして第2の手法では、装置側に設けられた1/2波長板30を、記録時と再生時とでその光学軸に45度の角度差が与えられるようにして駆動するものとしている。これにより、記録時と再生時とで、ホログラム記録媒体HM2に対してそれぞれその偏光方向が直交する関係となる直線偏光を照射することができ、この結果、ホログラム記録媒体HM2内に形成された吸収型直線偏光素子57の性質に応じ、記録時には当該吸収型直線偏光素子57により媒体への照射光が吸収されるようにし、再生時には照射光を当該吸収型直線偏光素子57にて透過させて反射膜53からの反射光(復路光)が得られるようにすることができる。すなわち、これにより上記第2の手法によっても、記録時には復路光を発生させずに1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにすることができ、再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。
また、第2の手法では、上層側から順に記録層51→吸収型直線偏光素子57→反射膜53が形成されたホログラム記録媒体HM2を用いるものとしているが、このようなホログラム記録媒体HM2によれば、装置側が、記録時は当該ホログラム記録媒体HM2に対し上記吸収型直線偏光素子57の偏光軸方向と一致する方向の直線偏光(例えばX直線偏光)を照射し、再生時には上記吸収型直線偏光素子57の偏光軸方向と直交する方向の直線偏光(例えばY直線偏光)を照射するように構成されていることで、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにでき、また再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。従って、上記ホログラム記録媒体HM2によれば、このように構成された記録再生装置に対応して、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにし、再生時には再生光が得られるようにすることのできる光記録媒体を提供することができる。
ここで、図9、図10においても、説明の便宜上、ホログラム記録媒体HM2の構造を模式的に簡略化して示したが、この第2の手法で用いるホログラム記録媒体HM2としても、実際には記録再生位置制御のための情報が別途に記録されるべきものとなる。
図11は、その場合のホログラム記録媒体HM2の断面構造を示している。
図示するようにして実際のホログラム記録媒体HM2の構造としては、先の図8に示したホログラム記録媒体HM1における1/4波長板52・偏光板49の組が形成されていた部分に代えて、吸収型直線偏光素子57を形成したものとなる。
なお、この場合としても、記録再生位置の制御が可能となるようにするために、上記吸収型直線偏光素子57としては波長選択性を有するように構成しておく。
また、このようなホログラム記録媒体HM2に対応して第2の手法を実現するための記録再生装置の構成としては、先の図7に示したものとほぼ同様とすればよい。
但し、第2の手法の場合、図7における1/4波長板12が1/2波長板30に変更される。また、上述のようにして第2の手法では記録/再生時で90度ではなく45度の角度差を与えるので、この場合の記録再生装置では、波長板回転制御部22の回転制御に伴って、1/2波長板30が、記録時と再生時とでその光学軸に45度の角度差が与えられるようにして駆動されるように構成されることになる。
なお、この場合も記録/再生時の適正な角度関係が得られるようにするための具体的な手法については、先の第1の手法において説明したものに準ずればよい。すなわち、波長板回転制御部22による回転駆動部21におけるモータの回転角度の認識状態と波長板の回転駆動部21への取り付け角度との関係を調整する手法や、或いは波長板の回転角度を所定角度範囲に限定する物理的なストッパなどを設けて回転角度を制御するといった手法である。
2−3.第3の手法

続いて、第3の手法は、ホログラム記録媒体HMにおいて偏光素子を介した光を反射するための反射膜53を省略し、偏光素子自体が入射光の反射機能を備えるようにされた反射型直線偏光素子58の形成されたホログラム記録媒体HM3を用いる手法である。
図12、図13は、第3の手法について説明するための図として、図12は記録時の状態、図13は再生時の状態を示している。
これら図12、図13においては、上記ホログラム記録媒体HM3(断面図)と、装置側に備えられるビームスプリッタ4、対物レンズ9、及び1/2波長板30と、これらビームスプリッタ4→1/2波長板30→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM3に対して照射される光の様子とを模式的に示している。
また、これら図12、図13では、X軸とこれと直交するY軸とを基準として、装置側に備えられる1/2波長板30への入射光、ホログラム記録媒体HM3内の記録層51への入射光の偏光方向と共に、1/2波長板30の光学軸方向、さらにはホログラム記録媒体HM3内に設けられる反射型直線偏光素子58の偏光軸方向も併せて示している。
これら図12、図13に示されているように、この場合のホログラム記録媒体HM3には、上層から順にカバーガラス50→記録層51が形成され、その下層には反射型直線偏光素子58が形成されている。
この反射型直線偏光素子58は、その偏光軸方向と一致する偏光方向を有する入射光は透過し、上記偏光軸方向と直交する偏光方向を有する入射光は反射する性質を有するように構成された偏光素子を指す。このような反射型直線偏光素子58は、例えばフォトニック結晶で構成することができる。
図12に示す記録時において、この第3の手法においても、装置側における1/2波長板30の光学軸方向は、入射光の偏光方向と一致する状態となるようにされている。すなわち、入射されるX直線偏光に対応させて、1/2波長板30の光学軸方向もX軸方向とされており、これによってこの場合も、記録時にはホログラム記録媒体HM3に対してX直線偏光がそのまま照射されるようになっている。
そして、この場合もホログラム記録媒体HM3は、図示するようにして上記反射型直線偏光素子58の偏光軸方向がX軸方向と一致した方向となるようにして、装置側に対して取り付けられる。
このようにして1/2波長板30の光学軸方向、反射型直線偏光素子58の偏光軸の方向が設定されていることで、記録時には、装置側からホログラム記録媒体HM3に対して照射されたX直線偏光が、記録層51を介し、その偏光軸方向がX軸方向とされた反射型直線偏光素子58に対して入射することになる。
上述もしたように反射型直線偏光素子58では、その偏光軸方向と偏光方向の一致する入射光を透過するようにされているので、上記のように反射型直線偏光素子58に入射されたX直線偏光による入射光(往路光)は、当該反射型直線偏光素子58を透過して出力されることになる。
ここで、この場合のホログラム記録媒体HM3においては、上記反射型直線偏光素子58の下層において反射膜53が形成されないものとなっている。このことから、上記のようにして往路光が反射型直線偏光素子58を透過して出力されることによっては、往路光がホログラム記録媒体HM3全体を透過して出力されることになる。第3の手法では、このような仕組みにより、復路光自体の発生を防止している。
また、図13において、この場合も再生時には、図示するようにして装置側の1/2波長板30を、その光学軸方向が記録時から45度傾けられた状態となるように回転駆動する。
このようにして1/2波長板30が回転駆動されることによって、この場合も当該1/2波長板30を透過してホログラム記録媒体HM3に照射される光の偏光方向は、図示するようにして90度変化され、Y直線偏光となるようにされる。このようにホログラム記録媒体HM3に対してY直線偏光が照射されることに伴い、この場合の反射型直線偏光素子58に対しては、その偏光軸方向と直交する方向の直線偏光が入射されることになるので、当該反射型直線偏光素子58は入射光を反射するものとなる。すなわち、第3の手法の場合、再生時にはこの反射型直線偏光素子58自体から反射光が出力され、復路光が得られるようになっている。
このようにして第3の手法としても、装置側に設けられた1/2波長板30を、記録時と再生時とでその光学軸に45度の角度差が与えられるようにして駆動するものとしている。これにより、記録時と再生時とで、ホログラム記録媒体HM3に対してそれぞれその偏光方向が直交する関係となる直線偏光を照射することができ、この結果、ホログラム記録媒体HM3内に形成された反射型直線偏光素子58の性質に応じ、記録時には当該反射型直線偏光素子58により媒体への照射光がそのまま透過されるようにし、再生時には照射光を当該反射型直線偏光素子58にて反射させて復路光が得られるようにすることができる。すなわち、これにより上記第3の手法によっても、記録時には復路光を発生させずに1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにすることができ、再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。
また、第3の手法では、上層側から順に記録層51→反射型直線偏光素子58が形成されたホログラム記録媒体HM3を用いるものとしているが、このようなホログラム記録媒体HM3によれば、装置側が、記録時は当該ホログラム記録媒体HM3に対し上記反射型直線偏光素子58の偏光軸方向と一致する方向の直線偏光(例えばX直線偏光)を照射し、再生時には上記反射型直線偏光素子58の偏光軸方向と直交する方向の直線偏光(例えばY直線偏光)を照射するように構成されていることで、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにでき、また再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。従って、上記ホログラム記録媒体HM3によれば、このように構成された記録再生装置に対応して、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにし、再生時には再生光が得られるようにすることのできる光記録媒体を提供することができる。
なお、図12、図13においても説明の便宜上、ホログラム記録媒体HM3の構造を模式的に簡略化して示したが、この第3の手法で用いるホログラム記録媒体HM3としても、実際には記録再生位置制御のための情報が別途に記録されるべきものとなる。
図14は、その場合のホログラム記録媒体HM3の断面構造を示している。
図示するようにして実際のホログラム記録媒体HM3の構造は、先の図11に示した第2の手法のホログラム記録媒体HM2における吸収型直線偏光素子57に代えて、反射型直線偏光素子58が形成され、且つ反射膜53が省略された構成となっている。
なお、先の説明によると、再生時には上記反射型直線偏光素子58によって入射光が反射されてしまうので、第2レーザ15を光源とする光をピット面に到達させることができず、記録再生位置の制御を行うことができなくなってしまう。このため上記反射型直線偏光素子58については波長選択性を有するように構成しておく。
そして、このホログラム記録媒体HM3では、基板56上のピット面上に形成される反射膜として、先の反射膜55に代えて、波長選択性を有する反射膜59が形成される。すなわち、第2レーザ15を光源とする例えば波長650nmのレーザ光のみを反射し、第1レーザ1を光源とする例えば波長410nmのレーザ光は透過する性質を有するように構成されたものである。
ここで、先に説明したように第3の手法は、記録時において、媒体への照射光を媒体全体を透過させて復路光が生じないようにするものである。もし仮に、これまでの手法と同様にピット面上において形成される反射膜として波長選択性を有さない反射膜55が形成されてしまった場合、上記反射型直線偏光素子58を透過した光は、当該反射膜55にて反射されてしまい、復路光の発生を防止することができなくなってしまう。このため、第3の手法で用いるピット面上の反射膜としては、上記のように波長選択性を有する反射膜59としておくものである。
また、このようなホログラム記録媒体HM3に対応して第3の手法を実現するための記録再生装置の構成としても、先の第2の手法と同様に、先の図7における1/4波長板12を1/2波長板30に変更したものとし、さらには、波長板回転制御部22の回転制御に伴い、1/2波長板30が記録時と再生時とでその光学軸に45度の角度差が与えられるようにして駆動されるように構成したものとすればよい。
2−4.第2の手法の変形例

ところで、これまでの説明においては、記録再生装置側がホログラム記録媒体HMをスライド駆動することによって、媒体上の記録再生位置の移動を行う構成を前提としたが、これに代えて、例えばCDやDVDなどと同様に、媒体側を回転駆動することで記録再生位置が順次移動されるように構成することも可能である。
但し、このようにホログラム記録媒体HMを回転駆動する場合には、先の各手法で説明したようなホログラム記録媒体HMへの照射光の偏光方向、媒体側の偏光素子の偏光軸方向の関係が固定的ではなくなるため、そのままでは同様の効果を得ることができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態では、このようにホログラム記録媒体HMを回転駆動する場合にも、適正に1種の透過型ホログラムのみの記録が可能となるようにすることのできる記録再生手法について提案する。
先ずは、先の第2の手法の変形例として、第2の手法を基とした場合における、ホログラム記録媒体HMの回転に対応するための手法について説明する。
図15、図16は、このような第2の手法の変形例の手法について説明するための図として、図15は記録時、図16は再生時の状態をそれぞれ示している。
なお、これら図15、図16においても、先の図9、図10と同様に、ホログラム記録媒体HM2(断面図)と、装置側に備えられるビームスプリッタ4、対物レンズ9、及び1/2波長板30と、これらビームスプリッタ4→1/2波長板30→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM2に対して照射される光の様子とを模式的に示している。
さらには、X軸とこれと直交するY軸とを基準として、上記1/2波長板30への入射光、ホログラム記録媒体HM2内の吸収型直線偏光素子57への入射光の各偏光方向を示している。またこれと共に、上記1/2波長板30の光学軸方向、上記吸収型直線偏光素子57の偏光軸方向も併せて示している。
なお、この第2の手法の変形例は、先の第2の手法に基づくものであることから、既に先の第2の手法にて説明した部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
先ず、図15の記録時、図16の再生時は共に、ホログラム記録媒体HM2が回転角度0度の状態(媒体回転角度0度の状態)からφ度回転された状態を示している。この場合、媒体回転角度0度の状態とは、先の図9、図10に示した状態であるとする。すなわち、ホログラム記録媒体HM2に形成された吸収型直線偏光素子57の偏光軸の方向が、装置側の1/2波長板30への入射光の偏光方向(つまり、この場合はX軸方向)と一致している状態であるとする。
ここで、先の図9の説明から理解されるように、第2の手法では、このように媒体回転角度0度の状態にあるホログラム記録媒体HM2に対し、記録時は、1/2波長板30の光学軸方向を入射光の偏光方向(この場合はX軸方向)と一致した状態とすることで、その透過光の偏光方向を、ホログラム記録媒体HM2に形成された吸収型直線偏光素子57の偏光軸方向と一致させることができ、これによって当該吸収型直線偏光素子57にて照射光を吸収させることが可能となり、復路光の発生を防止するものとしていた。
図15に示すようにホログラム記録媒体HM2が回転駆動された場合には、当然のことながら、媒体側に設けられた吸収型直線偏光素子57の偏光軸としても同じ角度だけ回転されることになる。このことから、媒体が回転駆動される場合に復路光が生じないようにするためには、このように回転される吸収型直線偏光素子57の偏光軸に追従するようにして、当該吸収型直線偏光素子57に対する入射光の偏光方向も回転されるようにすればよい。すなわち、装置側の1/2波長板30を回転させることで、吸収型直線偏光素子57への入射光の偏光方向が、ホログラム記録媒体HM2の回転に応じて回転されるようにすればよい。
このため、第2の手法の変形例としては、図15に示す記録時において、ホログラム記録媒体HM2のφ度の回転に対しては、図示するようにして1/2波長板30をφ/2だけ回転駆動する。つまりこの場合、1/2波長板30の回転角度をθ、ホログラム記録媒体HM2の回転角度をφとした場合、「θ=φ/2」の関係が保たれるように1/2波長板30を回転駆動するものである。
ここで、先にも述べたが、1/2波長板30は、入射光の偏光方向と自らの光学軸方向とのなす角度の2倍の角度だけ入射光の偏光方向を変化させる性質を有する。このことから、上記のようにして1/2波長板30をφ/2度回転させることによっては、図示するようにしてホログラム記録媒体HM2側の吸収型直線偏光素子57への入射光の偏光方向をφ度回転させることができる。つまり、このようにしてホログラム記録媒体HM2のφ度の回転に対応して、吸収型直線偏光素子57への入射光の偏光方向もφ度だけ回転させることができるものである。
上記のようにホログラム記録媒体HM2の回転に応じて1/2波長板30を回転駆動することで、ホログラム記録媒体HM2が回転駆動される場合にも、記録時にはホログラム記録媒体HM2からの反射光(復路光)が生じないようにすることができる。
一方、図16に示す再生時には、1/2波長板30の回転角度をθ、ホログラム記録媒体HM2の回転角度をφとしたとき、図示するようにして「θ=45+φ/2」の関係が維持されるように1/2波長板30を回転駆動する。
つまり、先の図10の説明によれば、再生時には1/2波長板30を記録時から45度回転させた状態とすることで、吸収型直線偏光素子57への入射光の偏光方向を記録時と直交した状態とさせて復路光が生じるようにすることができた。従って、この場合はホログラム記録媒体HM2の回転に応じ、再生時はこの45度傾けた状態を基準として、さらに図15にて説明したような「θ=φ/2」の関係が維持されるように1/2波長板30を回転駆動するものである。
上記「θ=45+φ/2」の関係が維持されるように1/2波長板30が回転駆動されることで、再生時における吸収型直線偏光素子57への入射光の偏光方向は、φ度+90度とすることができ、これによってφ度の回転に伴い同様にφ度回転された吸収型直線偏光素子57の偏光軸に対し、常に直交した偏光方向の光を照射することができる。すなわち、これによって再生時には吸収型直線偏光素子57にて入射光を透過させ、反射膜53からの反射光(復路光)が得られるようにすることができる。
このようにして第2の手法の変形例では、装置側に設けられた1/2波長板30を、記録時と再生時とでその光学軸に45度の角度差が与えられる状態が維持されるようにしつつ、記録/再生時の双方でホログラム記録媒体HM2の回転に応じて回転されるようにして駆動するものとしている。これにより、ホログラム記録媒体HM2が回転駆動される場合にも、記録時と再生時とで、ホログラム記録媒体HM2に対してそれぞれその偏光方向が直交する関係となる直線偏光が照射されるようにすることができ、この結果、ホログラム記録媒体HM2内に形成された吸収型直線偏光素子57の性質に応じ、記録時には当該吸収型直線偏光素子57により媒体への照射光が吸収される状態が維持され、再生時には照射光を当該吸収型直線偏光素子57にて透過させて反射膜53からの反射光(復路光)が得られる状態を維持するようにできる。すなわち、これによりホログラム記録媒体HM2が回転駆動される場合にも、記録時には復路光を発生させずに1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにすることができ、再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。
ところで、上記説明からも理解されるようにこの第2の手法の変形例を実現するにあたっては、ホログラム記録媒体HM2の回転に追従するようにして1/2波長板30を回転駆動させる必要があることになる。
その具体的な手法として、ここではホログラム記録媒体HM2に回転角度情報を記録する例を挙げる。すなわち、この場合のホログラム記録媒体HM2に対しては、先の図11に示した基板56上のピット面に対し、上記「回転角度情報」として、例えばディスク状とされる当該ホログラム記録媒体HM2の回転角度ごとに、その回転角度の値を記録するようにしておく。
すなわち、このように媒体側にその回転角度ごとに回転角度の値を記録しておくことで、装置側にてその値を読み出すことで、媒体回転角度を一意に識別することができるようにしておくものである。
なお、ここで注意すべき点は、この場合においてホログラム記録媒体HM2に形成される吸収型直線偏光素子57は、上記回転角度情報の記録によって定められた回転角度0度となる軸方向に対し、その偏光軸のなす角度が0度となる(つまり一致する)ように形成されるということである。すなわち、このようにして吸収型直線偏光素子57がホログラム記録媒体HM2に対して形成されることで、ホログラム記録媒体HM2が回転角度0度にある状態において(つまり、回転角度情報として0度が読み取られる状態において)、当該回転角度0度の軸方向と吸収型直線偏光素子57の偏光軸の方向とが一致した状態であることが保証されるからである。
続いて、このように回転角度情報が記録されたホログラム記録媒体HM2に対応して、上述した第2の手法の変形例としての動作を実現するための記録再生装置の構成について、次の図17を参照して説明する。
なお、この図17において、既にこれまでで説明した部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
この図17に示す記録再生装置では、先の図7に示した記録再生装置において備えられていたスライド機構25、及びアクセス制御・スライド駆動部24が省略され、図示するようにスピンドルモータ(SPM)31、スピンドルサーボ・ドライブ回路32が備えられる。
また、この場合のホログラム記録媒体HM2に記録された回転角度情報を検出するための構成として、回転角度情報検出回部34が追加される。
ここで、図17に示す記録再生装置において、このようにホログラム記録媒体HM2に対して記録された回転角度情報の読み出しを可能とするために、反射光信号生成回路23では、フォトディテクタ18からの電気信号に基づき、RF信号を生成するようにされる。
上記回転角度情報検出部34は、このように反射光信号生成回路23にて生成されたRF信号に基づき回転角度情報の検出を行う。
なお、第2の手法の変形例のようにホログラム記録媒体HM2が回転駆動される場合には、記録再生装置側では、基板56のピット面に形成されたピット列を追従するためのトラッキングサーボなど、各種のサーボ制御を行うようにされる。これに対応してこの場合の反射光信号生成回路23では、各種サーボのための信号(例えばトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号など)も生成する。
図示による説明は省略するが、この反射光信号生成回路23にて生成された各種サーボのための反射光信号は、図示されないサーボ系の回路に供給され、これに応じ対物レンズ9のトラッキング方向、フォーカス方向の位置制御などが行われて各種サーボ制御が実現されるようになっている。
上記スピンドルモータ31は、所定位置に対してセットされたホログラム記録媒体HM2を回転駆動する。そして、上記スピンドルサーボ・ドライブ回路32は、このようなスピンドルモータ31を例えばCLVなどの所定の回転制御方式により回転駆動制御する。
この場合、スピンドルサーボ・ドライブ回路32は、例えば反射光信号生成回路23にて生成されるRF信号(ホログラム記録媒体HM2の基板56上に記録された信号の読み出し信号)を入力し、PLL処理を行うことによって再生クロックを生成し、この再生クロックを現在のスピンドルモータ31の回転速度情報として得る。そして、この回転速度情報に基づき、ホログラム記録媒体HM2が所定の回転駆動方式により回転駆動されるようにスピンドルモータ31の回転動作を制御する。
また、この図17に示す記録再生装置においては、1/2波長板30を回転駆動するための構成として、回転駆動部21、波長板回転制御部33が設けられている。
上記回転駆動部21は、光路中におけるミラー14と対物レンズ9との間に対して1/2波長板30が挿入された状態となるようにして、当該1/2波長板30を保持すると共に、このように保持される1/2波長板30を回転駆動することができるように構成されている。すなわち、この回転駆動部21は、保持する波長板が先の1/4波長板12から1/2波長板30に変更される以外は、図7において説明したものと同様となる。
波長板回転制御部33は、上述した回転角度情報検出部34により検出される回転角度情報を入力し、その値に基づき、上記回転駆動部21におけるモータの回転制御を行うことで、1/2波長板30がホログラム記録媒体HM2の回転に応じて回転されるように制御を行う。
具体的に、1/2波長板30の回転角度をθ、ホログラム記録媒体HM2の回転角度をφとした場合、記録時には、先の図15で説明した「θ=φ/2」の関係が維持されるように上記回転駆動部21における上記モータの回転制御を行う。また、再生時には、図16において説明した「θ=45+φ/2」の関係が維持されるように上記回転駆動部21における上記モータの回転制御を行う。
ここで、先の説明によると、第2の手法の変形例では、1/2波長板30の回転角度0度の状態で、1/2波長板30の光学軸方向が当該1/2波長板30への入射光の偏光方向と一致していることを前提とした手法となっている。
このため、第2の手法の変形例を成り立たせるためには、上記波長板回転制御部33において基準とする1/2波長板30の回転角度0度の状態が、このように1/2波長板30の光学軸方向と当該1/2波長板12への入射光の偏光方向とが一致した状態となるようにされている必要がある。つまり、波長板回転制御部33によって1/2波長板30の回転角度が0度であると認識される状態が、1/2波長板30の光学軸方向が当該波長板30への入射光の偏光方向と一致している状態となるように、波長板回転制御部33による1/2波長板30の回転角度(回転駆動部21におけるモータの回転角度)の認識状態と、1/2波長板30の回転駆動部21への取り付け角度との関係を調整しておく。
このような調整が為されることで、ホログラム記録媒体HM2の0度からφ度の回転に応じて、当該ホログラム記録媒体HM2への入射光の偏光方向を0度からφ度に正しく回転させることができる。
以上のような図17の記録再生装置の構成により、1/2波長板30を、その光学軸方向が記録/再生時で45度の角度差が与えられた状態で維持されるようにしつつ、記録/再生時の双方でホログラム記録媒体HM2の回転に応じて回転駆動することが可能となる。つまりこれにより、第2の手法の変形例に対応して、記録時には1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにし再生時には適正に再生光を得ることのできる記録再生装置を提供することができる。
2−5.第3の手法の変形例

第3の手法の変形例は、先の第3の手法を基としてホログラム記録媒体HMの回転に対応するものである。
図18、図19は、第3の手法の変形例について説明するための図として、図18は記録時、図19は再生時の状態を示している。これら図18、図19においても、先の図12、図13と同様にホログラム記録媒体HM3(断面図)と、装置側に備えられるビームスプリッタ4、対物レンズ9、及び1/2波長板30と、これらビームスプリッタ4→1/2波長板30→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM3に対して照射される光の様子とを模式的に示している。さらには、X軸とこれと直交するY軸とを基準として、上記1/2波長板30への入射光、ホログラム記録媒体HM3内の上記反射型直線偏光素子58への入射光の各偏光方向と、上記1/2波長板30の光学軸方向、上記反射型直線偏光素子58の偏光軸方向も併せて示している。
なお、この第3の手法の変形例としても先の第3の手法に基づくものであることから、既に先の第3の手法にて説明した部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
先ず、この場合も図18の記録時、図19の再生時は共に、ホログラム記録媒体HM3が回転角度0度の状態(媒体回転角度0度の状態)からφ度回転された状態を示している。この場合、媒体回転角度0度の状態は、先の図12、図13に示した状態、すなわち、ホログラム記録媒体HM3に形成された反射型直線偏光素子58の偏光軸の方向が、装置側の1/2波長板30への入射光の偏光方向(つまり、この場合はX軸方向)と一致している状態であるとする。
ここで、先の図12、図13の説明から理解されるように、第3の手法では、このように媒体回転角度0度の状態にあるホログラム記録媒体HM3に対し、記録時は、1/2波長板30の光学軸方向を入射光の偏光方向(この場合はX軸方向)と一致した状態とし、再生時には、1/2波長板30の光学軸を記録時から45度傾けた状態とすることで、記録時の復路光の発生を防止し、且つ再生時に適正に再生光が得られるようにしていた。すなわち、記録/再生時での1/2波長板30の駆動状態は、先の第2の手法の場合と同様である。
従って、同じホログラム記録媒体HMの回転に対応するための手法として、この第3の手法の変形例としても、先の第2の手法の変形例と同様に、図18の記録時には「θ=φ/2」の関係が維持されるように1/2波長板30を回転駆動し、図19の再生時には「θ=45+φ」の関係が維持されるようにして1/2波長板30を回転駆動する。
このようにして第3の手法の変形例としても、装置側に設けられた1/2波長板30を、記録時と再生時とでその光学軸に45度の角度差が与えられる状態が維持されるようにしつつ、記録/再生時の双方でホログラム記録媒体HM3の回転に応じて回転されるようにして駆動するものとしている。これにより、ホログラム記録媒体HM3が回転駆動される場合にも、記録時と再生時とで、ホログラム記録媒体HM3に対してそれぞれその偏光方向が直交する関係となる直線偏光が照射されるようにすることができ、この結果、ホログラム記録媒体HM3内に形成された反射型直線偏光素子58の性質に応じ、記録時には当該反射型直線偏光素子58により媒体への照射光を透過させて当該照射光が媒体全体を介して出力される状態が維持されるようにでき、再生時には照射光を当該反射型直線偏光素子58にて反射させて復路光が得られる状態を維持するようにできる。すなわち、これによりホログラム記録媒体HM3が回転駆動される場合にも、記録時には復路光を発生させずに1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにすることができ、再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。
なお、この第3の手法を実現する場合においても、ホログラム記録媒体HM3の回転に追従させるようにして1/2波長板30を回転駆動するためには、ホログラム記録媒体HM3に対して回転角度情報を記録するものとしておく。
その場合のホログラム記録媒体HM3の構成として、その断面構造自体は、先の図14に示したものと同様とすればよいが、基板56上のピット面において、少なくとも上記回転角度情報が記録されるようにしておく。
また、このようなホログラム記録媒体HM3に対応して、図18、図19で説明したような第3の手法の変形例としての動作を実現するための記録再生装置の構成としては、先の図17において説明したものと同様の構成とすればよい。
2−6.第4の手法

続いて、第4の手法について説明する。
この第4の手法は、先の第2の手法の変形例や第3の手法の変形例と同様に、媒体回転に対応することのできる手法となる。
図20、図21は、第4の手法の光照射方法について説明するための図として、当該第4の手法において用いるホログラム記録媒体HM4(断面図)と、装置側に備えられるビームスプリッタ4→対物レンズ9、及び1/4波長板12と、これらビームスプリッタ4→1/4波長板12→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM4に対して照射される光の様子とを模式的に示している。図20は記録時、図21は再生時の状態をそれぞれ示している。
また、これら図20、図21では、上記1/4波長板12への入射光、ホログラム記録媒体HM4に備えられる偏光素子(図中の吸収型円偏光素子60)への入射光の偏光方向も併せて示している。また、特に図21では、再生時においてホログラム記録媒体HM4から得られる反射光(復路光)の偏光方向も示している。
なお、第4の手法においても、これまでに説明した部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
先ず、図20、図21に示されるように、この第4の手法で用いるホログラム記録媒体HM4としては、上層から順にカバーガラス50→記録層51→吸収型円偏光素子60→反射膜53が形成されたもとなっている。
この場合において用いる吸収型円偏光素子60は、円二色性を有する吸収型の偏光素子を指す。すなわち、所定回転方向の円偏光(この場合は例えば右回りの円偏光)は吸収し、その逆回転方向(この場合は左回り)の円偏光を透過するという性質を有する。このような吸収型円偏光素子60としての、円二色性を有する吸収型の偏光素子としては、例えばコレステリック液晶などの高分子材料を挙げることができる。
第4の手法では、上記のような吸収型円偏光素子60の有する円二色性の性質を利用して、記録時には、ホログラム記録媒体HM4に対し上記所定回転方向(右回り)の円偏光を照射する。また、再生時には、ホログラム記録媒体HM4に対して上記所定回転方向とは逆回転方向(左回り)による円偏光を照射するものとしている。
すなわち、このようにすることで、記録時には、上記吸収型円偏光素子60によって媒体への照射光を吸収させ、これによって反射膜53からの反射光(復路光)が得られないようにし、再生時には、上記吸収型円偏光素子60によって照射光を透過させ、下層の反射膜53からの反射光(復路光)が適正に得られるようにするものである。
このために第4の手法では、装置側に設けられる1/4波長板12の光学軸方向を、図20に示す記録時には、当該1/4波長板8への入射光の偏光方向とのなす角度が45度となるようにしておく。具体的には、この場合の1/4波長板12に対する入射光はX直線偏光とされるので、図示するように1/4波長板12の光学軸方向がX軸方向に対して45度傾く状態となるようにしておく。
そして、図21に示す再生時には、1/4波長板12の光学軸方向が、記録時から90度傾けられた状態となるように当該1/4波長板12を回転駆動する。
このようにすることで、上述のようにして記録時にはホログラム記録媒体HM4に対し所定回転方向(右回り)の円偏光を照射することができ、再生時には、これと逆回転方向(左回り)の円偏光を照射することができる。
ここで、上記吸収型円偏光素子60は、円二色性を有するので、ホログラム記録媒体HM4の回転に関わらず、上述した性質が得られるものとなる。つまりこのことから、上記のようにして記録時において所定回転方向の円偏光を照射することができれば、ホログラム記録媒体HM4が回転駆動される場合にも、上記吸収型円偏光素子60によって照射光を吸収させることができ、結果、復路光が発生しないようにすることができる。また、同様に、再生時において上記のようにホログラム記録媒体HM4に対し逆回転方向の円偏光を照射することができれば、ホログラム記録媒体HM4が回転駆動される場合にも、上記吸収型円偏光素子60において照射光が透過されるようにすることができ、再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。
このようにして上記第4の手法によっても、ホログラム記録媒体HMが回転駆動される場合に対応して、記録時には1種の透過型ホログラムのみが記録され、再生時には再生光が得られるようにすることができる。
そして、このような第4の手法によれば、先の各変形例のように、装置側において波長板を媒体回転に追従させるようにして回転駆動させる必要がないものとできる。つまりこの場合、装置側においては先の第1〜第3の手法のように波長板を記録/再生時で所定の角度差が与えられるようにして駆動するための構成のみが備えられればよく、先の各変形例のような回転角度情報を読み出すための構成、及び回転角度情報に基づき波長板の回転角度を制御するための構成を不要とすることができる。このことから第4の手法によれば、媒体回転に対応するにあたっての構成を、先の各変形例の場合よりも非常に簡易なものとすることができる。
また、上記説明から理解されるように、第4の手法によれば、ホログラム記録媒体HM4への回転角度情報の記録も不要とすることができる。
さらに、この第4の手法によれば、図21に示されているように、再生時に得られる復路光について、装置側の1/4波長板12を介した後の光の偏光方向を、往路光の偏光方向と直交したものとすることができる。つまり、図21の例では往路光=X直線偏光に対し、復路光=Y直線偏光となることが示されている。
このようにして復路光の偏光方向を往路光の偏光方向と直交した状態とすることができることで、装置側のビームスプリッタ4として、偏光ビームスプリッタを用いることができる。すなわち、このように往路光の偏光方向(例えばX軸方向)と復路光の偏光方向(例えばY軸方向)とを直交した状態とすることができれば、ビームスプリッタ4としては、例えばX直線偏光は透過しY直線偏光は反射するという偏光ビームスプリッタで構成することができるものである。
また、第4の手法では、上層側から順に記録層51→吸収型円偏光素子60→反射膜53が形成されたホログラム記録媒体HM4を用いるものとしているが、このようなホログラム記録媒体HM4によれば、装置側が、記録時は当該ホログラム記録媒体HM4に対し所定回転方向の円偏光(例えば右回り円偏光)を照射し、再生時には逆回転方向の円偏光(例えば左回り円偏光)を照射するように構成されていることで、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにでき、また再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。従って、上記ホログラム記録媒体HM4によれば、このように構成された記録再生装置に対応して、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにし、再生時には再生光が得られるようにすることのできる光記録媒体を提供することができる。
なお、上述のようにして第4の手法によっては、ホログラム記録媒体HM4への回転角度情報の記録は省略することができるが、ホログラム記録媒体HM4を回転駆動する場合においては、装置側において、各種サーボ制御が実行される必要がある。従って、この場合においてもホログラム記録媒体HM4に対しては、基板56上にピット面(案内溝も含む)が形成されている必要がある。
先の図20、図21においては、説明の便宜上、ホログラム記録媒体HM4の構造について模式的に簡略化して示したが、実際のホログラム記録媒体HM4の構成としては、先の図11に示したホログラム記録媒体HM2の構成において、吸収型直線偏光素子57を吸収型円偏光素子60に変更した構成とすればよい。
但し、先の図20によると、第4の手法の場合、記録時には照射光が吸収型円偏光素子60にて吸収されてしまうので、第2レーザ15を光源とするレーザ光がピット面上の反射膜55に到達できなくなり、装置側でサーボ制御を行うことができなくなってしまう。このため、吸収型円偏光素子60としては、波長選択性を有するものを用いるものとしておく。
なお、このように記録時に第2レーザ15を光源とするレーザ光を反射膜55に到達させるにあたっては、装置側の1/4波長板12に波長選択性を与えるという手法を採ることもできる。
また、このようなホログラム記録媒体HM4に対応して第4の手法を実現するための記録再生装置の構成は、例えば次の図22に示すものとすればよい。
なお、この図22において、既にこれまでで説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
この図22に示す記録再生装置としては、先の図17に示した記録再生装置から回転角度情報検出部34を省略し、さらに、図17にて説明した波長板回転駆動部33・回転駆動部21・1/2波長板30の回転駆動系に代えて、先の図7にて説明した第1の手法の場合の波長板回転駆動部22・回転駆動部21・1/4波長板12による回転駆動系が設けられる。すなわち、1/4波長板12を、記録/再生時でその光学軸方向に90度の角度差が与えられるようにして駆動するようにして構成された回転駆動系である。
このような図22に示す記録再生装置の構成により、図20、図21にて説明した第4の手法としての装置側の動作を実現することができる。すなわち、これにより第4の手法を実現するための記録再生装置を提供することができる。
2−7.第5の手法

第5の手法は、先の第4の手法と同様、ホログラム記録媒体HMに用いる偏光素子として円二色性を有する偏光素子を用いるものであるが、この偏光素子を吸収型ではなく、先の第3の手法で用いたような反射型としたものである。
図23、図24は、第5の手法について説明するための図として、当該第5の手法において用いるホログラム記録媒体HM5(断面図)と、装置側に備えられるビームスプリッタ4、対物レンズ9、及び1/4波長板12と、これらビームスプリッタ4→1/4波長板12→対物レンズ9を介してホログラム記録媒体HM5に対して照射される光の様子とを模式的に示している。図23は記録時、図24は再生時の状態を示す。
またこれら図23、図24では、1/4波長板12への入射光、ホログラム記録媒体HM5に備えられる偏光素子(反射型円偏光素子61)への入射光の偏光方向も示しており、また、特に図24では、再生時にホログラム記録媒体HM5から得られる反射光の偏光方向も併せて示している。
これらの図に示されるように、第5の手法で用いるホログラム記録媒体HM5としては、先のホログラム記録媒体HM4における吸収型円偏光素子60に代えて、反射型円偏光素子61が形成される。但しこの場合は、先の第3の手法の場合と同様に偏光素子が反射型とされることに伴って、反射膜53は省略されたものとなる。
ここで、上記反射型円偏光素子61は、円二色性を有する反射型の偏光素子であり、所定回転方向の円偏光(例えば右回りの円偏光)は透過し、その逆回転方向(左回り)の円偏光を反射する性質を有するものである。このような反射型円偏光素子61としても、例えばコレステリック液晶などの高分子材料で構成することができる。
第5の手法においても、先の第4の手法と同様に、上記のような円二色性を有する反射型円偏光素子61の性質を利用して、記録時には、図23のように装置側の1/4波長板12の光学軸方向が入射光の偏光方向に対して45度傾けられた状態となるようにして、上記ホログラム記録媒体HM5に対して上記所定回転方向(右回り)の円偏光を照射する。これにより、反射型円偏光素子61により入射光を透過させることができ、先の第3の手法の場合と同様に媒体への入射光が媒体全体を透過して出力させるようにして復路光を発生させないようにすることができる。
また、再生時には、図24に示すように、1/4波長板12の光学軸方向が記録時から90度傾けられた状態となるように1/4波長板12を駆動することで、ホログラム記録媒体HM5に対し上記所定方向とは逆回転方向の円偏光が照射されるようにする。これにより、反射型円偏光素子61によって媒体への照射光が反射されるようにすることができ、再生時には再生光が得られるようにできる。
上記反射型円偏光素子61としても円二色性を有するので、上述のように記録時に所定回転方向、再生時に逆回転方向の円偏光が照射されることで、ホログラム記録媒体HM5の回転状態に関わらず、記録時は復路光の発生を防止し、再生時には復路光が得られるようにすることができる。
このようにして上記第5の手法によっても、ホログラム記録媒体HMが回転駆動される場合にも、記録時には1種の透過型ホログラムのみが記録され、再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。
そして、このような第5の手法によっても、媒体側で円二色性を有する偏光素子を用いることから、装置側において媒体回転に追従させるようにして波長板を回転駆動させる必要はないものとできる。つまり、この場合も媒体回転に対応するにあたっての装置構成は先の各変形例の場合よりも非常に簡易なものとすることができる。
また、この第5の手法によっても、ホログラム記録媒体HM5への回転角度情報の記録が不要とできる。
また、第5の手法によっても、図24に示されているように、再生時に得られる復路光の偏光方向は、往路光の偏光方向と直交したものとすることができる。この点より第5の手法としても、装置側のビームスプリッタ4として偏光ビームスプリッタを用いることができる。
また、第5の手法では、上層側から順に記録層51→反射型円偏光素子61が形成されたホログラム記録媒体HM5を用いるものとしているが、このようなホログラム記録媒体HM5によれば、装置側が、記録時は当該ホログラム記録媒体HM5に対し所定回転方向の円偏光(例えば右回り円偏光)を照射し、再生時には逆回転方向の円偏光(例えば左回り円偏光)を照射するように構成されていることで、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにでき、また再生時には適正に再生光が得られるようにすることができる。従って、上記ホログラム記録媒体HM5によれば、このように構成された記録再生装置に対応して、記録時に1種の透過型ホログラムのみが記録されるようにし、再生時には再生光が得られるようにすることのできる光記録媒体を提供することができる。
なお、この第5の手法を実現するための記録再生装置の構成としても、先の第4の手法で説明した図22の構成と同様の構成とすればよい。
また、この第5の手法においても、実際には例えば各種サーボ制御等を行うためにホログラム記録媒体HMへのピット面の形成を要するが、その具体的な構成としては、先の図14に示した第3の手法におけるホログラム記録媒体HM3の構成において、反射型直線偏光素子58に代えて、上記反射型円偏光素子61を形成したものとすればよい。すなわち、この場合も反射型偏光素子を透過した光がその下層における記録層(ピット面)の反射膜によって反射されるのを防止するために、波長選択性を有する反射膜59が形成されるべきものである。また、この場合も再生時において第2レーザ15を光源とする光が反射型円偏光素子61によって反射されてしまわないように、当該反射型円偏光素子61としては、波長選択性を有するものを用いる。
なお、このように再生時に第2レーザ15を光源とするレーザ光が反射型円偏光素子61により反射されないようにするにあたっては、装置側の1/4波長板12に波長選択性を与えるようにしてもよい。
<変形例>

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した各具体例に限定されるべきものではない。
例えば、第2の手法の変形例、第3の手法の変形例の説明において、1/2波長板30を媒体回転に応じて回転駆動するにあたっては、ホログラム記録媒体HMに記録された回転角度情報を読み出すものとしたが、回転角度情報は、例えばスピンドルモータ31の回転角度を検出した結果に基づき得るようにすることもできる。
但し、このようにスピンドルモータ31の回転角度から回転角度情報を得る手法を採る場合には、ホログラム記録媒体HMの装置への取り付け角度について考慮する必要がある。
ここで、先の第2、第3の手法の各変形例の説明によると、基準状態として、媒体回転角度が0度のとき、ホログラム記録媒体HM側の偏光素子(吸収型直線偏光素子57、反射型直線偏光素子58)の偏光軸方向と装置側の1/2波長板30の光学軸方向とが一致した状態であることが前提となる。
例えば、ホログラム記録媒体HMに対して回転角度情報が記録される場合であれば、当該回転角度情報によって媒体回転角度が一意に示されるものとなるので、先に説明したように、回転角度情報の記録によって規定された回転角度0度の方向を基準として偏光素子の偏光軸方向がこれと一致するように形成しておき、且つ装置側では1/2波長板30の光学軸方向が入射光の偏光方向と一致している状態が当該1/2波長板30の回転角度0度の状態であると認識されるようにしておけば、媒体がどのような角度で取り付けられたとしても、「θ=φ/2」或いは「θ=45+φ/2」に従った回転制御を行うことで第2・第3の手法の変形例としての動作が成り立つようにすることができる。
しかしながら、上記スピンドルモータ25の回転角度を利用する場合のように、媒体からの回転角度情報の読み出しを行わないとする場合は、装置側で媒体回転角度を一意に決定することができず、上述した基準状態が得られるようにホログラム記録媒体HMが取り付けられなければ、適正に動作を成り立たせることができないものとなってしまう。
そこで、上記のようなスピンドルモータ31の回転角度を検出する手法を採用する場合には、例えば装置側に対するホログラム記録媒体HMの取り付け角度が、上記基準状態としての関係が得られる角度となるようにするための取り付け位置決め部材を設けるなどの対策を講じるものとする。これにより、上記スピンドルモータ31の回転角度を検出する手法を採る場合にも、上記「θ=φ/2」或いは「θ=45+φ/2」の回転制御を行うのみで適正に第2・第3の手法の変形例を成り立たせることができる。
また、これまでの説明においては、ホログラムの記録再生に用いる第1レーザ1の波長を410nm、各種サーボ制御などのための情報読み出しに用いる第2レーザ15の波長を650nmとする場合を例示したが、これらの数値はあくまでも一例に過ぎず、実際の構成に応じて適宜変更することができる。
また、これまでに説明した光照射装置の光学系の構成としても一例を示したものに過ぎず、これに限定されるべきものではない。
例えば、光強度変調を行うSLM3としては透過型のSLM3を用いるものとしたが、例えば反射型の液晶パネルやDMD(Digital Micro mirror Device)など、反射型の光強度変調器を用いることも可能である。
また、ホログラム記録媒体HMについても、これまでに説明した構成に限定されるべきものではなく、例えば記録層51に対して偏光素子が接着材料によって接着されて、結果的に記録層51と偏光素子との間に中間層が介在したものとされるなど、これまでで例示したものとは異なる構成とすることもできる。すなわち、本発明の光記録媒体としては、少なくとも信号の記録が行われる記録層よりも下層に対して偏光素子(第1の手法の場合は1/4波長板・偏光板の組)が形成され、且つ当該偏光素子が1/4波長板・偏光板の組や吸収型直線偏光素子、吸収型円偏光素子とされる場合には、さらにそれよりも下層において反射膜が形成されたものとされていればよい。
1 第1レーザ(LD)、2,17 コリメータレンズ、3 SLM(空間光変調器)、4,16 ビームスプリッタ、5,7 リレーレンズ、6 遮光マスク、8 1/4波長板、9 対物レンズ、10 ホログラム記録媒体、11 イメージセンサ、12 1/4波長板、13 ダイクロイックミラー、14 ミラー、15 第2レーザ、18 フォトディテクタ、19 データ変調・振幅制御部、20 データ再生部、21 回転駆動部、22 波長板回転制御部、23 反射光信号生成回路、24 アクセス制御・スライド駆動部、25 スライド機構、30 1/2波長板、31 スピンドルモータ、32 スピンドルサーボ・ドライブ回路、33 波長板回転制御部、34 回転角度情報検出部、HM1〜HM5 ホログラム記録媒体、49 偏光板、50 カバーガラス、51 記録層、52 1/4波長板、53,59 反射膜(波長選択)、54 中間層、55 反射膜、56 基板、57 吸収型直線偏光素子、58 反射型直線偏光素子、60 吸収型円偏光素子、61 反射型円偏光素子

Claims (17)

  1. 光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体として、少なくとも、信号が記録される記録層と、上記記録層よりも下層に形成された吸収型の偏光素子と、さらに下層に形成された反射膜とを備える光記録媒体について記録再生を行うための光照射方法であって、
    上記光記録媒体に対して照射されるべき光を発光する発光手順と、
    上記発光手順により発光した光を上記光記録媒体に対して導くための光学系において挿入された波長板を、その光学軸方向が記録時と再生時とで所定の角度差が与えられた状態となるようにして駆動する波長板駆動手順
    備える光照射方法。
  2. 上記光記録媒体における上記吸収型の偏光素子は、吸収型直線偏光素子とされ、
    上記波長板駆動手順により駆動する上記波長板が、1/2波長板とされ
    求項に記載の光照射方法。
  3. さらに、上記光記録媒体を回転駆動する媒体回転手順を備える共に、
    上記波長板駆動手順では、
    記録時と再生時とで上記1/2波長板の光学軸方向が所定の角度差が与えられた状態を保ちつつ、記録時と再生時の双方において上記1/2波長板が上記光記録媒体の回転に応じて回転されるように上記1/2波長板を回転駆動す
    求項に記載の光照射方法。
  4. 光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体であって、
    少なくとも、信号が記録される記録層と、上記記録層よりも下層に形成された吸収型直線偏光素子と、さらに下層に形成された反射膜
    備える光記録媒体。
  5. 上記光記録媒体における上記吸収型の偏光素子は、吸収型円偏光素子とされ、
    上記波長板駆動手順により駆動する上記波長板が、1/4波長板とされ
    求項に記載の光照射方法。
  6. 光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体であって、
    少なくとも、信号が記録される記録層と、上記記録層よりも下層に形成された吸収型円偏光素子と、さらに下層に形成された反射膜
    備える光記録媒体。
  7. 光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体として、少なくとも、信号が記録される記録層と、上記記録層よりも下層に形成された反射型の偏光素子とを備える光記録媒体について記録再生を行うための光照射方法であって、
    上記光記録媒体に対して照射されるべき光を発光する発光手順と、
    上記発光手順により発光した光を上記光記録媒体に対して導くための光学系において挿入された波長板を、その光学軸方向が記録時と再生時とで所定の角度差が与えられた状態となるようにして駆動する波長板駆動手順
    備える光照射方法。
  8. 上記光記録媒体における上記反射型の偏光素子は、反射型直線偏光素子とされ、
    上記波長板駆動手順により駆動する上記波長板が、1/2波長板とされ
    求項に記載の光照射方法。
  9. さらに、上記光記録媒体を回転駆動する媒体回転手順を備える共に、
    上記波長板駆動手順では、
    記録時と再生時とで上記1/2波長板の光学軸方向が所定の角度差が与えられた状態を保ちつつ、記録時と再生時の双方において上記1/2波長板が上記光記録媒体の回転に応じて回転されるように上記1/2波長板を回転駆動す
    求項に記載の光照射方法。
  10. 光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体であって、
    少なくとも、信号が記録される記録層と、上記記録層よりも下層に形成された反射型の偏光素子
    備える光記録媒体。
  11. 上記光記録媒体における上記反射型の偏光素子は、反射型円偏光素子とされ、
    上記波長板駆動手順により駆動する上記波長板が、1/4波長板とされ
    求項に記載の光照射方法。
  12. 光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体であって、
    少なくとも、信号が記録される記録層と上記記録層よりも下層に形成された反射型円偏光素子
    備える光記録媒体。
  13. 光の照射によって信号の記録再生が行われる光記録媒体について記録再生を行う記録再生装置であって、
    所要の光源から発せられた光を上記光記録媒体に対して導くように構成された光学系と、
    上記光学系における光路中の所定位置に対して挿入された波長板と、
    上記波長板を、その光学軸方向が記録時と再生時とで所定の角度差が与えられた状態となるようにして駆動する波長板駆動手段
    備える記録再生装置。
  14. さらに、上記光記録媒体を回転駆動する媒体回転手段を備える共に、
    上記波長板駆動手段は、
    記録時と再生時とで上記波長板の光学軸方向が所定の角度差が与えられた状態を保ちつつ、記録時と再生時の双方において上記波長板が上記光記録媒体の回転に応じて回転されるように上記波長板を回転駆動す
    求項13に記載の記録再生装置。
  15. さらに、上記光記録媒体の回転角度を検出する角度検出手段を備え、
    上記波長板駆動手段は、
    上記角度検出手段の検出結果に基づき上記波長板を回転駆動す
    求項14に記載の記録再生装置。
  16. 上記角度検出手段は、
    上記光記録媒体に対して予め記録された回転角度情報を読み出すことによって上記回転角度を検出す
    求項15に記載の記録再生装置。
  17. 上記光記録媒体が、参照光と信号光との干渉縞によって上記記録層に対する信号の記録が行われるホログラム記録媒体とされ、
    上記光学系の所定位置において上記光源からの光に対して光強度変調を与えることで上記信号光および/または上記参照光を出力する強度変調手段をさらに備え
    求項13に記載の記録再生装置。
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