JP2009222713A - 2重パルス単一イベントラマン分光法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可搬式、スタンドオフ、単一イベント、2重パルス、移動式のラマン分光法システムを提供すること。
【解決手段】
本発明のラマン分光法システムは、第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとを生成するように構成されたレーザモジュールであって、第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとは、実質的に同時に、軸に沿って、自由空間を介して、ターゲットの物質に配向される、レーザモジュールと、軸に沿って反射されるスペクトルエネルギーのパターンを収集する望遠鏡であって、スペクトルエネルギーのパターンは、第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとの相互作用から生じる、望遠鏡と、収集されたスペクトルエネルギーのパターンを解析し、収集されたスペクトルエネルギーのパターンを既知のスペクトルエネルギーのパターンと照合する解析モジュールとを備える。
【選択図】図1A

Description

本発明の実施形態は、ラマン分光法センサに関し、より詳細には、2重レーザパルス単一イベント性能を有する、移動式(on−the−move)ラマンセンサに関する。
化学的または生物学的なエージェントへの露出の危険性は、深刻なものであり得る。例えば事故等による不意な放出による結果であるか、意図的な搬送の結果であるかに関わらず、(1)放出されたエージェントのタイプと、(2)汚染物の正確なエリアとを、迅速かつ正確に識別することが望ましい。そのような危険な物質の迅速かつ正確な検出は、潜在的な損傷を低減することにおいて、そして伝達機構の中でも特に、例えば風、人間または動物の接触による、エージェントのさらなる拡散を制限することにおいて、重要なファクターである。
近年、未知の物質、汚染物およびエージェントを非常に低い濃度であっても迅速に識別するセンサ技術を開発および配備することの関心が高まっている。これらの技術の一部は、車両および関連する試験設備を用いることにより、汚染物の物理的サンプルを抽出し、機械的なサンプリングホイールシステム(sampling wheel system)に基づいて、非常に複雑かつ時間のかかるプロセスを利用し、エージェントを試験することにより、表面に堆積した汚染物を測定するように設計されている。
そのようなアプローチの複雑性を踏まえて、新しく、安全で、より信頼性のある技術が出現してきた。そのような1つの技術は、一般に、「スタンドオフ表面検出」と称され、実際に関心のある物体またはエージェントに物理的に接触する必要なく、物体の検出を可能にする技術の範疇を意味する。これらの検出システムの目的は、化学的または生物学的な危険の検出、識別、位置決定、品質評価、警告およびレポートの能力を提供することにより、軍人または民間人に、(さらなる)汚染を避けるための十分に迅速な警告を提供することである。
スタンドオフ表面検出システムの実施例は、表面エージェントのレーザインテロゲーション(LISA;Laser Interrogation of Surface Agent)として公知な技術であり、この技術は、ITT Industries,Inc(Wilmington、デラウェア)である。1つの実装において、LISAは、偵察車両(例えば、トラックまたはHUMVEE)に装着されたレーザおよび関連するセンサを用い、これらのレーザおよびセンサは、化学的および生物学的なエージェントを識別するために利用され得る光学的特性である、ラマン拡散(またはラマン効果、またはラマン分光法解析)として公知の技術を用いることにより、地面(または任意の表面)の上の化学的なエージェントを探す。LISAの1つの特定の実装は、1.5メートルのスタンドオフ範囲を有し、例えば毎秒25パルスで、単一のレーザショットまたはパルスの検出を提供し得る。これは、車両に配備された人員に、地面上の化学的なエージェントに対する移動式でリアルタイムの検出を実行する能力を提供する。この移動式の検出は、単一イベント検出を特徴とする。なぜならば、各レーザショットは、センサによって検出の決定を行い得る別個のイベントであり、各レーザショットは、過去または将来のレーザショットとは無関係だからである。LISA技術はまた、例えばGPSからの入力を用いて一検出マップを形成または生成する能力を提供し、検出時の化学的エージェントの等高図が構築される。
スタンドオフの生物学的なエージェントの検出は、化学的な検出よりもはるかに困難である。特に、自然に発生するバックグラウンドの材料からの生物学的エージェントを測定することは、しばしば困難である。さらに、識別されるべき潜在的なエージェントの数、エージェント自身の複雑性、環境内に常に存在する無数の同類の微生物、有害な反応を開始し得る微少な量の微生物の、環境内の生物学的エージェントのリアルタイムの検出および測定は、困難であり得る。潜在的な生物学的エージェントはまた、有益な実体として偽装し得る。
これらまたはその他の困難を踏まえると、より正確な汚染物検出能力の促進において、スタンドオフの移動式検出システムにおける改善の必要性がなおも存在する。
本発明の実施形態は、化学的および生物学的なエージェントのスタンドオフの検出のためのラマン分光法デバイスを特に野外で動作させるシステムおよび方法を提供する。一実施形態において、可搬式、スタンドオフ、単一ショット、2重パルス、移動式のラマン分光法システムが提供され、そのようなラマン分光法システムは、同じレーザから第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとを生成するように構成されたレーザモジュールであって、第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとは、軸に沿って、自由空間を介して、ターゲットの物質に配向される、レーザモジュールを含む。好適な実施形態において、レーザは、単一レーザアパーチャから(または好適な光路に沿って)2重パルスを生成し、第1および第2の波長において、ターゲットの物体の同時または順次の照射を提供する。このレーザが生成する2重パルスは、同時であるか順次であるかに関わらず、本明細書中では以後、2重パルスレーザ、2重パルスまたは2重パルス発振と称される。望遠鏡は、軸に沿って反射されるスペクトルエネルギーのパターンを収集し、スペクトルエネルギーのパターンは、第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとの相互作用から生じる。解析モジュールは、収集されたスペクトルエネルギーのパターンを解析し、収集されたスペクトルエネルギーのパターンを既知のスペクトルエネルギーのパターンと照合し、例えば化学的なエージェントのような未知の物体を識別する。好適な実施形態において、レーザモジュール、望遠鏡および解析モジュールは、車両上に搭載され、車両の移動中に動作可能である、システム。
一実施形態において、第1および第2の波長のエネルギーは制御可能であり、現行の野外条件に基づいて制御可能であり得る。例えば、特定のターゲットの物体が存在し、そのようなターゲットの物体が、特定の波長のレーザ照射に対する高い応答性を有していると考えられる場合、レーザ光の波長は、特定の波長に変更され得る。同様に、野外で、レーザが同時または順次のどちらで2重パルス発振されるかを切り替えることが望ましくあり得る。そのような選択は、検出されているエージェントのタイプに基づくか、または、例えば水や温度等の野外条件にも基づき得る。
一部の実施形態において、第2の波長のエネルギーは、第1の波長のエネルギーとは異なる。
第1および第2の波長のエネルギーが順次にパルス発振されるとき、時間的な分離ΔTは、典型的には、現行の車両速度で両方のレーザパルスが同じターゲットの種をインテロゲートするために、10μ秒未満である。
1つの可能な実装にしたがうと、レーザは、第1および第2の波長(波長の組み合わせの一例として、それぞれ248nmおよび250nm)のエネルギーを提供するように構成された、アレキサンドライトレーザである。
本発明のこれらおよびその他の特徴ならびにそれらに付随する利点は、関連する図面と関連して、以下の詳細な記載を読んだときに、より完全に理解され得る。
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
可搬式、スタンドオフ、単一イベント、2重パルス、移動式のラマン分光法システムであって、
第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとを生成するように構成されたレーザモジュールであって、該第1の波長のエネルギーと該第2の波長のエネルギーとは、実質的に同時に、軸に沿って、自由空間を介して、ターゲットの物質に配向される、レーザモジュールと、
該軸に沿って反射されるスペクトルエネルギーのパターンを収集する望遠鏡であって、該スペクトルエネルギーのパターンは、該第1の波長のエネルギーと該第2の波長のエネルギーとの相互作用から生じる、望遠鏡と、
該収集されたスペクトルエネルギーのパターンを解析し、該収集されたスペクトルエネルギーのパターンを既知のスペクトルエネルギーのパターンと照合する解析モジュールと
を備え、
該レーザモジュール、望遠鏡および解析モジュールは、車両上に搭載され、該車両の移動中に動作可能である、システム。
(項目2)
上記第1の波長のエネルギーと上記第2の波長のエネルギーとは、制御可能である、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記第1の波長のエネルギーと上記第2の波長のエネルギーとは、野外条件に基づいて制御可能である、項目2に記載のシステム。
(項目4)
上記第2の波長のエネルギーは、上記第1の波長のエネルギーとは異なる、項目1に記載のシステム。
(項目5)
上記第1の波長のエネルギーと上記第2の波長のエネルギーとは、同時にパルス発振される、項目1に記載のシステム。
(項目6)
上記第1の波長のエネルギーと上記第2の波長のエネルギーとは、ΔTの時間的な分離を有するように順次にパルス発振される、項目1に記載のシステム。
(項目7)
ΔTは、約10μ秒未満である、項目6に記載のシステム。
(項目8)
上記ラマン分光法システムは、撮像装置を含み、
ΔTは、以下の式
LIB寿命<ΔT<撮像装置のアパーチャ時間
を満たすように設定され、
LIBは、レーザ誘起ブレークダウンである、項目6に記載のシステム。
(項目9)
上記撮像装置は、電荷結合素子(CCD)を含む、項目8に記載のシステム。
(項目10)
上記第1の波長のエネルギーの波長と上記第2の波長のエネルギーの波長とは、それぞれ、248nmと250nmとである、項目6に記載のシステム。
(項目11)
上記レーザモジュールは、上記第1の波長のエネルギーと上記第2の波長のエネルギーとの両方を提供するように構成された、単一のアレキサンドライトレーザを含む、項目1に記載のシステム。
(項目12)
ラマン分光法を実行する方法であって、
ラマン分光法システムを搭載した車両を操作することであって、該ラマン分光法システムは、レーザ、収集光学素子および撮像装置を含む、ことと、
所定のパルス反復周波数(PRF)で該レーザを用いてターゲットをインテロゲートすることであって、1/PRFで定義される各PRFサイクルの間に、該レーザが2重パルス発振される、ことと、
該収集光学素子を用いることにより、各PRFサイクルの間に、ラマンスペクトルを収集することと、
ラマンシグネチャを所与の収集されたラマンスペクトルまたは一連のラマンスペクトルと照合することにより、該ターゲットを識別することと
を包含する、方法。
(項目13)
上記PRFは、約25Hzである、項目12に記載の方法。
(項目14)
上記レーザは、第1の波長および第2の波長で2重パルス発振される、項目12に記載の方法。
(項目15)
上記第1の波長は、上記第2の波長と同一である、項目14に記載の方法。
(項目16)
上記第1の波長と上記第2の波長とは、順次にパルス発振され、時間ΔTだけ分離されている、項目14に記載の方法。
(項目17)
ΔTは、以下の式
LIB寿命<ΔT<撮像装置のアパーチャ時間
を満たすように設定され、
LIBは、レーザ誘起ブレークダウンである、項目16に記載の方法。
(項目18)
上記第1の波長および上記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目19)
動作条件または野外条件に基づいて、上記第1の波長および上記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
ラマン分光法を実行する方法であって、
ラマン分光法システムを搭載した車両を操作することであって、該ラマン分光法システムは、レーザ、収集光学素子および撮像装置を含む、ことと、
所定のパルス反復周波数(PRF)で該レーザを用いてターゲットをインテロゲートすることであって、1/PRFで定義される各PRFサイクルの間に、該第1の波長および該第2の波長において該レーザが順次に2重パルス発振され、該第2の波長は、該第1の波長とは異なる、ことと、
収集光学素子を用いることにより、各RFサイクルの間に、ラマンスペクトルを収集することであって、該第1の波長と該第2の波長との両方による該ターゲットの照射から生じるラマンスペクトルを収集することにより、ラマンスペクトルを収集することと、
ラマンシグネチャを所与の収集されたラマンスペクトルと照合することにより、該ターゲットを識別することと
を包含する、方法。
(項目21)
順次に2重パルス発振された第1の波長と第2の波長との間の時間の差ΔTは、約10μ秒未満である、項目20に記載の方法。
(項目22)
ΔTは、以下の式
LIB寿命<ΔT<撮像装置のアパーチャ時間
を満たすように設定され、
LIBは、レーザ誘起ブレークダウンである、項目21に記載の方法。
(項目23)
上記第1の波長および上記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目24)
動作条件または野外条件に基づいて、上記第1の波長および上記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記レーザは、アレキサンドライトレーザを含む、項目20に記載の方法。
(摘要)
ラマン分光法を実行するシステムおよび方法であって、ラマン分光法システムは、移動式の汚染物解析のために、車両上に搭載される。システムは、所定のパルス反復周波数(PRF)で、1/PRFとして定義される各PRFサイクルの間に、レーザを用いてターゲットをインテロゲートするように構成される。レーザは、第1および第2の波長で2重パルス発振される。ラマンスペクトルが収集され、ラマンシグネチャ(raman signature)と所与の収集されたラマンスペクトルとを照合することにより、ターゲットを識別するために用いられる。
図1Aは、本発明の一実施形態にしたがう、ラマン分光法システムの図である。 図1Bは、本発明の典型的な車両搭載実施形態を示す。 図2は、本発明の実施形態にしたがう、ラマンセンサモジュールのコンポーネントを示す。 図3は、本発明の実施形態にしたがう、レーザの2重パルス発振のタイミングを示す。 図4は、本発明の実施形態にしたがう、レーザの2重パルス発振のタイミングを示す。 図5は、本発明の実施形態にしたがう、レーザの2重パルス発振のタイミングを示す。
図1Aは、車両搭載型のラマン分光法システム100を示しており、このラマン分光法システム100は、高レベルでは、メモリ115、プロセッサ130、共通のシステムアパーチャ235を有する電子光学(E−O;Electronics−Optics)モジュール200を含んでおり、これは、以下でより完全に記載される。
メモリ115は、特に処理命令(本明細書中で以後より完全に記載される)、大域変数、初期化変数およびルーチン、ラマンシグネチャのライブラリ等を格納する、不揮発性のリードオンリメモリ(ROM)を含み得る。メモリ115はまた、特にデータ(例えば、検出/収集されたラマンスペクトルデータ)、センサ状態の読み取り、ユーザ入力/設定等(あるいは、ROMに格納されるとして記載されたデータを含む)を格納する、揮発性のランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得る。またメモリ115は、ディスクドライブ、フラッシュメモリ、または任意のその他の適切なデータ格納技術をさらに含み得る。
プロセッサ130は、特にユーザインターフェース(図示されず)を介する入出力ならびに様々なコンポーネントから受信した制御信号の管理を含む全システム制御を提供するためのソフトウェアルーチンを実行することに適した(少なくとも1つの)従来のデジタルプロセッサである。プロセッサ130はまた、好適には、収集されたスペクトルデータに対して必要なデジタル信号処理を実行し、それをメモリ115に格納されたラマンシグネチャと比較し、未知の物体または汚染物を識別することが可能である。示されているように、プロセッサ130およびメモリ115は、従来の技術を介して(例えば、制御/信号/データバスを用いて)互いに通信する。
E−Oモジュール200(図2に関連して詳細に記載される)は、プロセッサ130と通信し、レーザを用いて、例えば表面の汚染物140のような未知の汚染物140を照射し、結果として生じるラマンスペクトルデータを収集し、詳細な解析のために収集されたデータをプロセッサ130に渡すように構成されている。出力レーザエネルギーと、ターゲットから反射された放射とは、共通のシステムアパーチャ235を用い、この共通のシステムアパーチャ235は、入力および出力される放射を分離すると同時に、それら両方を一直線上に配置(co−align)することを可能にするように構成されている。この一直線上の配置は、レーザエネルギーとターゲットの範囲とは独立な望遠鏡の視野(FOV;field of view)とが重複することを保証する。レーザビームの伝播の断面積は、典型的には、約1cmであり、ターゲットにおける望遠鏡のFOVの収集面積は、典型的には、SNRを最大化するために、僅かにより大きいに過ぎない。以下でより完全に説明されるように、レーザは、未知の物体に配向される2重パルス(時間および/または周波数によって分離される)を生成するように構成される。
システム100(または、その個々のコンポーネント)は、好適には、共通の光学放射アパーチャ235を有する筐体内に梱包される(図1においては、破線によって概略的に示されている)。さらにシステム100は、好適には、野外で動作するように構成される。例えば、図1Bに示されるように、システム100は、ジープ/トラック175に搭載され得、E−Oモジュール200の共通の放射アパーチャ235は、地面に向けて下向きに配向され得る。システムはまた、人間が搬送することが可能な(man−portable)デバイスとして構成され得、システム100は、別個のパーツ(例えば、バックパックパーツおよびハンドヘルドパーツ)に機能的に分離され得る。
図2に示されているように、E−Oモジュール200の中心部には、コヒーレントな光線を生成するレーザ210が存在する。レーザ210は、紫外線(UV)スペクトルの光線を生成し得、実質的に、モノクロであり得る(すなわち、単一の波長であるか、または狭い波長範囲に制限されている)。レーザ210は、好適には、照射された物体から反射される光学エネルギーが、ラマン散乱光学エネルギー(スペクトル)を含むように、十分な光エネルギーを生成し、このラマン散乱光学エネルギー(スペクトル)は、公知の分光技術を用いて解析される。本明細書中で以後より詳細に説明されるように、レーザ210(および/またはそれに関連する光学素子)は、好適には、同じまたは異なる波長において、および/または同じまたは異なる時間において、エネルギーの2重パルスを提供するように構成される。
レーザ210には、様々な光学素子またはE−O機能要素が組み込まれており、例えば単一モード、ラインナローイング(line narrowing)およびタイムゲーティング(time gating)のような所望のレーザ出力放射特性を提供する。またE−Oモジュール200には、分光器222とICCD(intensified charge−coupled device)220とが含まれており、ICCD220は画素分解検出器(pixilated detecor)としての、または一般に、「画像化装置(imaging apparatus)」としての役目を担う。当該技術分野において公知なように、分光器222は、回折格子を含み、散乱された放射(レーザの照射から生じる)をICCD220上に分散させる。ICCD220は、単一のユニットとして、分光器222と統合され得る。本明細書中に記載されているシステムに関連して用いられ得る適切なICCDは、Andor Technology(Belfast、北アイルランド)から入手可能である。
さらに図2を参照すると、E−Oモジュール200は、オートフォーカスサブシステム(autofocus subsystem)230と、レンジファインディングサブシステム(rangefinding subsystem)240とを含み得る。例えば望遠鏡232のような収集光学素子(分光器222/ICCD220に光を渡す)を焦点合わせする能力は、「スタンドオフ(stand−off)」距離からのラマンスペクトルの収集を可能にする。スタンドオフ距離の調整は必要条件ではないが、スタンドオフ範囲に対するセンサの被写界深度は限られているので、この調節能力を提供することにより、測定プロセスが強化される。焦点合わせは、適切なアクチュエータ(モータ、ギア等)を介して、例えば望遠鏡232の光学素子を移動させることにより、遂行され得る。そのようなシステムは、当該技術分野において周知である。焦点合わせはまた、好適には、手動で実行され得るが、自動の焦点合わせが望ましい。
レンジファインディングサブシステム240は、関心のある対象または未知の物体の範囲または距離に関する情報を提供する。この情報は、オートフォーカスプロセスに有用であり得、スペクトル解析のために未知の物体のラマン信号強度を向上させ得る。
一実施形態においては、コントローラ/レジスタモジュール250が提供され得、E−Oモジュール200におけるコンポーネントとの電気通信を提供し得る。コントローラ/レジスタモジュール250は、プロセッサ130から発せられるコマンドを1つ以上のコンポーネントに渡し得、さらに、これらのコンポーネントのうちの任意の1つからプロセッサ130に情報を返し得る。コントローラ/レジスタモジュール250はまた、関連するそれぞれのコンポーネントの出力から受信された情報をバッファし得、それによって、より分散された全体のシステムを実現し得る。コントローラ/レジスタモジュール250は、E−Oモジュール200のいくつかのコンポーネントが、いかなる中間デバイスをも用いることなしに、プロセッサ130に直接的に接続されるように、プロセッサ130に(メモリ115と共に)直接的に組み込まれ得る。この後者の場合では、I/O電子装置は、デジタルプロセッサ130の一部分であり、このI/O電子装置は、別個のコントローラ/レジスタモジュール250のインターフェース機能を実行する。
動作中に、レーザ210は、所定のパルス反復周波数(PRF;pulse repetition frequency)(例えば、25Hz)でパルス発振される。公知の方法を用いることにより、各PRF期間または単一のイベント期間(すなわち、1/PRF)の間に、ラマンスペクトルが収集され、処理される。本発明の実施形態にしたがうと、各PRFサイクルの間に単一の出力を生成するために一度だけレーザをパルス発振する代わりに、レーザは、各PRFサイクルの間に2重パルス性能を提供するように構成される。各PRFサイクルにおけるこの2重レーザ出力は、所望の要求される同時または順次の出力特性およびアプリケーション特有の要件(例えば、ターゲット上のレーザエネルギーまたはレーザパルス幅、ならびに照射されているターゲットの化学的物質のレーザ誘起ブレークダウン(LIB;laser induced breakdown)に応じて、公知の方法を用いることにより、様々な仕方で遂行され得る。
2重パルス発振は、異なるまたは強化されたラマンシグネチャを形成し、この強化されたラマンシグネチャは、検出可能性(DP;detection probability)を向上させるために処理され、このDPは、単一パルス発振のみを用いることによって可能なDPよりも高い。この技術は、同じレーザPRFサイクルの間に同じ小さなターゲット(望遠鏡のFOV寸法と同程度の寸法であるターゲットとして定義される)をインテロゲートすることができるように、2つの同時のレーザパルスまたは時間的に分離した2つのパルスを形成し、このことを、移動している車両またはプラットフォームから実行する。
典型的に、ラマンシグネチャに基づく化学的または生物学的な材料の識別は、既知のシグネチャのライブラリに対する未知のシグネチャの比較を含む。様々なデータ処理技術および比較技術が、識別における補助のために用いられ得る。未知のシグネチャにおけるノイズに対する信号の量、すなわち信号対ノイズ比(SNR)は、化学的または生物学的な材料の存在を識別する能力を制限し得る。様々な物理的パラメータまたは動作パラメータが、ラマンシグネチャのSNRに影響することが公知であり、一般に、時間、エネルギーまたは効率が、SNRのためにトレードされる。多くの用途において、露出時間の延長によるより長いサンプリング時間、または複数の順次のサンプリングは、SNRを増加させる動作変更である。しかしながら、本発明の主な用途である、単一イベントの移動式検出の場合には、露出時間の延長または複数の順次のサンプリングによってSNRを改善することは、検出システムとターゲットとの間の相対運動が理由で、不可能である。レーザ光の2重または多重のパルスから収集された単一イベントのラマンシグネチャ(時間的に分離されているか、エネルギーに関して分離されている)は、SNRを改善させるようにデータ処理され、サンプリング時間を増加させる必要性を排除する。
周波数において分離されている多重のレーザパルスは、レーザ周波数における差によって重複し、オフセットされた多重ラマンシグネチャを形成し得る。収集されたシグネチャの多重のオフセットのコピーに適用されるデータ抽出技術(例えば、成分分析)は、共通の応答(すなわち、ラマンシグネチャ)を抽出し得るが、その一方で、共通ではない応答(すなわち、蛍光性およびノイズ)を残す。追加的な分光法解析技術が、記録されたシグネチャに適用され得る。SNRにおける改善は、ノイズの異なるソースの相対的な大きさと、ハードウェア構成とに依存する。
(レーザ)
全てのレーザが2重パルス発振され得るわけではない。例えば、従来の小型エキシマレーザは、特に異なる周波数においてパルス発振されるときに、2重パルス性能を提供するように構成され得ない。他方、本発明の実施形態にしたがうと、Laser Energetics(Mercerville、ニュージャージー)から入手可能なアレキサンドライトレーザは、2重パルス発振され得る。レーザを2重パルス発振することは、紫外線(「UV」)出力が同時に提供されるか、あるいは空間および時間の両方において分離されているかに応じて、従来のなんらかの方法で遂行され得る。より詳細には、レーザは、従来の技術を用いてエクストラキャビティ周波数変換を有するように構成され得る。その場合、フラッシュランプまたはダイオード励起から生じる、同調されたキャビティからの基本アレキサンドライト周波数が提供され得、例えば複屈折同調器(BRT)またはエタロンおよび非線形光学結晶のような、従来の光学フィルタまたは周波数選択光学素子を用いた周波数3重化が続く。一実施形態において、時間的に分離された2重出力は、基本キャビティビームのエクストラキャビティを分離し、1つのパスに遅延線を追加し、2つの周波数変換チャネルを形成することにより、提供され得る。別の実施形態において、空間的に分離された2重出力は、2つの同調されたキャビティを形成し、従来の技術を用いることにより提供され得、単一のダイオード励起ソースによって励起され得、1つのビームパスは、744nmの放射のために構成され得(この周波数は248nmの3倍である)、その他のビームパスは、750nmの放射のために構成され得る(この周波数は250nmの3倍である)。これらの2つのビームパスは、適切な結晶および光学素子を含み、1つのレーザを使用して2重UV波長出力を提供するが、同じ励起出力を用いた単一チャネルのアーキテクチャと比較して各UV出力において半分のパワーである。この構成を用いると、キャビティ損傷閾値を超えないように励起パワーを増加させ、それによって、単一チャネルのアーキテクチャのエネルギーの1/2を上回るまでに、UV出力を増加させることが可能である。
非同時(すなわち、連続)動作に対して、UV出力は、例えば、固定時間のオフセットを有する2度の緑色の励起によって、提供され得る。
特に、アレキサンドライトレーザは、必ずしも2つのUV出力に限定されず、実際、2つ以上の出力を生成するように構成され得、付随して、レーザのキャビティ/励起の複雑度およびサイズが増加する。以下の議論は、2つのUV出力に関するが、この議論は、実際には、3つまたは4つまたはそれ以上の出力に拡張され得ることが理解されるべきである。
本発明の実施形態にしたがう2重レーザパルス発振は、いくつかの形式を取り得る。本明細書中では、
1)異なる周波数における同時のレーザパルス
2)同じ周波数における順次のレーザパルス
3)異なる周波数における順次のレーザパルス
4)異なる周波数における2重チャネルの順次のレーザパルス
が議論される。
上記のアプローチの各々および関連するサブアプローチが、以下で議論される。
1)異なる周波数における同時のレーザパルス
図3に示されているように、この実施形態においては、各PRFサイクルにおいて、2重UVエネルギーパルスが、レーザから出力される。各パルスは、波長が異なっている(例えば、248nmおよび250nm)。このUV励起は、単一パルスシステムの2倍のラマンピークを含むが、単一パルスシステムと同じバックグラウンドの蛍光性を有する、PRFサイクル毎に1つのラマンシグネチャを生成する。収集する所望のラマンシフトスペクトルおよびハードウェア(例えば、レイリー拒絶のためのエッジフィルタ)の性能に基づいて選択される2つの波長に対して考慮がされることが好ましいことに留意されたい。
パルスEλ1およびEλ2は同時に発生するので、全体のエネルギーは、レーザ誘起ブレークダウン(LIB)を防ぐために、最適化された単一パルスの場合にまで制限されなければならない。これは、理論上、Eλ1およびEλ2のそれぞれのパワーが、同じレーザパルス幅に対して単一パルスEλの半分であることを意味する。結果として、主要なノイズソースがエネルギーと比例しない場合に、個々のラマンピークのSNRは、単一パルスシステムのそれの半分である。様々なノイズソースの複雑性が与えられるとき、任意の単一ラマンピークのSNRは、〜0.3倍から〜0.7倍のスケールであり得ると考えられる。2重パルス発振されたラマンシグネチャをデータ処理した後、抽出および収集されたラマンシグネチャのSNRは、単一パルスのラマンシグネチャのSNR以上に増加すると考えられる。検出可能性(PD)は、抽出技術がなくとも、ライブラリのシグネチャも2重パルス発振される限りは、増加し得る。補償アルゴリズムに応じて、Eλ1およびEλ2からのラマンスペクトル情報の2倍の相関付けもまた、PDにおいて有益であり得る。
線形応答の限界において、バックグラウンドの蛍光性は、単一パルスシステムから観察されるバックグラウンドの蛍光性以下であり得る。
2つの時間的および空間的に一致するビームがサンプル上で相互作用する状況において、十分な蛍光性が存在する場合には、非線形3次現象パラメトリック2次プロセス(non−linear 3rd−order phenomena parametric 2nd−order process)(特に、材料の界面に関連付けられたもの)を招く必要十分な状況が存在し、現象の中でも特に、双線形プロセス(すなわち、励起−プローブ現象)を生じ得る。特に、波長の差(すなわち、Δλ)がラマン振動と共振する場合、刺激された応答は、スペクトルの反射を支配し得る。これは、良い意味と悪い意味とを有する。正の側面においては、刺激された散乱プロセスが、コヒーレントであり、その結果空間内で非常に局所化されるので、収集効率において劇的な改善をもたらす。他方、2つの同時ビームのアプローチに対する可能性のある顕著な欠点は、全ての通常の自然なラマンが損失され得るということである。ラマンゲインは、プランク−アインシュタインの関係hc/Δλ=νvibにしたがって、共振帯によって損失される。ここでνvibは、ターゲットのサンプルとバックグラウンドマトリックスとを含むインテロゲートされたシステムの一部のラマンアクティブ振動モードの周波数である。同時の2重パルス発振を用いて観察され得るさらに別の駆動プロセスは、より長い波長パルスが蛍光物質の放射帯内に存在しない場合の、刺激された放射(蛍光性)であり得る。他方、フィルタリング/シフティングを用いる励起信号処理技術ならびにスペクトル減算は、任意の存在しているバックグラウンドの蛍光性を効果的に低減させ、付随してラマン帯のSNRを増加させ得る。
別の潜在的な複雑性は、スペクトルシグネチャが変則的になる可能性のある、励起−プローブ効果に起因する。不都合にも、そのような挙動は、対象としているサンプルの光物理学および化学的なダイナミクスに非常に依存しており、それらの重要性に対処するためには理論的なモデリングおよび/または実験を必要とし得る。
概略すると、異なる波長におけるレーザ210の同時の2重パルス発振は、ラマンシグネチャを強化する潜在能力を有し、それにより、単一パルスシステムにおけるPDおよび誤警報レート(FAR;false alarm rate)を改善する。
2)同じ周波数における順次のレーザパルス
同時の2重パルスとは異なり、本発明のこの実施形態は、順次または時間的に分離された2重のパルス発振を提供する。この場合、図4に示されているように、各PRFサイクルにおいて、2重UVエネルギーパルスがレーザから出力されるが、間隔Δだけ時間がオフセットされる。この特定の場合において、各パルスは、同じ波長(例えば、248nm)である。
このアプローチ(および以下で議論される第3のアプローチ)の前提およびそれに関連する推定される利点は、「固定の」サンプルの前提および利点である(すなわち、第2パルスは、第1パルスによって照射されたものと同じサンプルのボリュームの全部または大部分をインテロゲートすることが仮定される)。対象とするレーザの流束量のレベルが与えられるとき、放射の圧力、熱力学的(加熱)効果および関連する動力学的(熱伝達)効果が理由で、サンプルは空間的に不安定であり得る。結果として、第1のパルスによる衝突の後に、ターゲットが移動することがあり得る。実際、そのようなサンプルの移動は、40msのパルス時間間隔Δの間に、肥厚なトリエチルホスフェート(Thickened Triethylphosphate)(TTEPO)(シミュラント(simulant)として用いられる化学物質)を用いて観察される。しかしながら、この現象は、Δが約10μ秒以内に保たれる場合には、第2パルスによる信号減衰にはならないと考えられる。Δの限界は、以下の議論においては、圧力限界と称される。
同じ波長における順次のレーザパルスを用いた2つの独立な信号処理アプローチ、すなわち、単一モードおよび2重モードがある。これらの2つのアプローチは、混同を避けるために独立して記載される。
2A)単一モード−同じ波長における順次のレーザパルス
単一モード動作において、両方のレーザパルスから生じるラマンスペクトルは、同じPRFサイクル中にシステムによって処理される。
上述の圧力限界に加えて、Δに課される制限が存在する。
これらの制限は、
LIB寿命<Δ<CDDカメラアパーチャ時間 (式1)
である。
式1により、Δの下限は、第2パルスが発生するときに、その第2パルスがLIBをトリガするために十分な追加的な流束量を与えないことを保証するために、(LIBが存在する場合には)LIB寿命よりも長くなければならない。この条件が満たされるとき、2つのレーザパルスは、パルスエネルギーがLIB閾値以下である独立したイベントとして考えられ得る。
ターゲットのこの2パルス共通波長UV励起は、1つのラマンシグネチャを生成し、両方のパルスが同じUV制限エネルギー(LIBによって制限される)を有している場合には、ラマンシグネチャのピークのSNRは、条件付きで2倍化され、その一方でまたLIBを防ぐ。このシナリオは、バックグラウンドの蛍光性がない場合に、SNRを2倍改善し得、レーザパルスの間に顕著な光退色が発生する場合に、SNR>2に近づき得る。サンプルの局所的な加熱は、一般に、衝突を媒介した(温度に応じた)拡散機構を介する励起状態の不活性化の増大から生じる、蛍光性の低減につながる。
収集される信号の全体に寄与する蛍光性の総量は、Δがどの程度サンプルの吸収体の励起状態の寿命と同じくらいであるかに基づき得る。第2レーザパルスの到着時に基底状態において利用可能な蛍光種の数は、励起状態の寿命と光分解の量子量との両方に完全に依存する。光退色が発生する程度は、収集されるバックグラウンドの蛍光性の総量に影響する。
一般に、単一モードアプローチは、異なる波長における同時レーザパルスのアプローチに比べて、比較的単純な光学系を必要とする。
バックグラウンドの蛍光性を低減させるためのフィルタリングおよび減算を含む、その他の既存の信号処理技術もまた、この単一モードアプローチと共に用いられ得る。SNRの改善がフィルタリング技術および減算技術によってもたらされるか否かに関わらず、2重パルスシグネチャは、利点を追加し、PDおよびFARの改善を促進する。
2B)2重モード−同じ波長における順次のレーザパルス
2重モード動作において、第2レーザパルスから生じるスペクトルのみが、同じPRFサイクルの間に、システムによって受信される。
この場合にΔに課される制限は、
蛍光性の寿命<<Δ<CDDカメラアパーチャ時間 (式2)
である。
加えて、CCDアパーチャ時間に課される以下の新しい要件がある:
蛍光性の寿命<<CCDアパーチャ開放<Δ (式3)
(開放時間の基準は、Δの間隔の始点である)
2重モードにおいて、第1のUVレーザパルスは、第2パルスがラマン拡散に向けてバイアスされた信号を反射するように、光退色が不安定な蛍光性材料に意図されている。ICCDカメラ220は、第1のUVパルスから蛍光性(およびラマン)を排除するようにゲート制御される。第2のUVレーザパルスは、低減された蛍光性のバックグラウンドの寄与を有するシステムによって受信および処理される。第2パルスにおけるエネルギーレベルは、LIBによって制限されるが、ラマン信号が要求されないので、第1レーザパルスは、LIBによっては制限されない。第1のレーザパルスにおけるエネルギーを増加させることは、付随するターゲットの退色を伴わずにバックグラウンドの顕著な光退色が発生する場合に、SNRをさらに改善する有益な影響を有し得る。LIBは、第1のパルスには関係ないが、それにも関わらずエネルギーは、ターゲットの化合物の不可逆的な光損傷を防ぐように制限されなければならず、種に寄与する無関係なバックグラウンド信号に対して制限されなければならない。第2レーザパルスから導出される信号(ここでは、低減された蛍光性の混成を有する)は、通常の方法で処理される。低減された蛍光性は、システムのSNRを改善し、ひいてはPDおよびFARを改善する。
2重モードアプローチは、バックグラウンドの蛍光性の低減およびラマンシグネチャのSNRにおける付随した増加が理由で、異なる波長において同時のレーザパルスを用いることによって可能である改善と比べて、PDおよびFARを改善する。
インテロゲートされるサンプルの性質、特にバックグラウンドの蛍光性の存在は、単一モードまたは2重モードのアプローチのどちらが、より良好なPDおよびFARをもたらし得るかを大いに規定する。一般に、改善されたPDおよびFARは、蛍光性を用いて処理されたシグネチャおよび蛍光性のソフトウェア軽減(software mitigation)を用いて処理されたシグネチャと比べて、蛍光性を用いずに処理されたシグネチャからもたらされると考えられる。
ターゲットと第1のレーザパルスとの相互作用は、(放射圧力が関係する力学的現象に加えて)吸収、非弾性散乱および誘電性加熱のなんらかの組み合わせを生じ得る。その他の記載されている「損失(lossy)」(エネルギー)現象は、サンプル温度の増加(大きな増加であり得る)をもたらし得る。この増加した局所的な非平衡サンプル温度は、有限時間の間に持続するに過ぎない。サンプルの統計力学的な、バルク熱力学的な、そして伝達特性は、(光/化学的反応がない場合の)照射の前に存在する以前の平衡状態まで、加熱されたサンプルを「緩和(relax)」させ得る。平衡の再入手が(放射によってではなく)質量伝達によって促進されるほどまで、サンプルのボリュームの詳細な分子組成は変化し得る。(実際、局所的なサンプルの加熱の結果、直ぐに過渡音場(transient acoustic)が生じ、それに続いて拡散が制限された熱膨張が生じ、結果的に分子密度が変化する)。結果として、2重パルス発振から導出されるいかなる利点も、これらの動的な考慮すべき事項に依存し得、そのような事項は、サンプルに依存し得る。
「ホット(hot)」サンプルの分子的な結論は、アクセス可能な分子の振動・電子状態(vibronic state)の再分散として記述され得る。第2のパルスが時間通りに到着し、これらの「ホット」な種をインテロゲートする場合、新しいスペクトルシグネチャが予想され得る。そのような「ホット」な種のうち恐らく最も重要なものは、化学的情報の観点から非常に重要であり得るアンチストークスラマン帯(anti−Stokes Raman band)であり得る。
この2重モードアプローチに対するレーザ/光学素子の構成は、異なる波長における同時のレーザパルスのアプローチにおけるレーザの構成よりも複雑ではない。
その他の既存の信号処理技術もまた、これらの2重モードスペクトルデータに適用され得る。SNRの改善がフィルタリング技術および減算技術によってもたらされるか否かに関わらず、この2重モードアプローチは、不安定な蛍光性のバックグラウンドを含むサンプルの状況において、追加的な利点を潜在的に提供し得る。
3)異なる波長における順次のレーザパルス
図5に示すように、この第3の実施形態においては、各PRFサイクルにおいて、2重UVエネルギーパルスがレーザから出力されるが、間隔Δだけ時間がオフセットされ得る。各パルスは、異なる波長(例えば、248および250nm)である。
アプローチ2(同じ波長における順次のレーザパルス)において議論されたΔの圧力限界もまた、ここで適用される。
上述のアプローチ2と同様に、異なる波長における順次のレーザパルスを用いた2つの独立した信号処理アプローチが存在する。これらの2つのアプローチは、以下に独立して記載される。
3A)単一モード−異なる波長における順次のレーザパルス
単一モード動作において、両方のレーザパルスから生じるスペクトルは、PRFサイクル中にシステムによって受信される。
これらは、アプローチ2A)におけるものと同様のΔに課された制限であり、これらは、式1において与えられている。
ターゲットの2重パルスUV励起は、PRFサイクル毎に1つのラマンシグネチャを生成するが、両方のパルスがUV制限エネルギー(LIBによって制限される)を有する場合、ラマンシグネチャのピークのSNRは、単一パルスの場合と条件付で同じであるが、ラマンシグネチャ抽出手順に利用可能な2倍のスペクトル情報が存在する。
刺激される現象が存在しない場合に、バックグラウンドの蛍光性は、公知の単一パルスシステムを用いて観察される蛍光性未満であると考えられる。
レイリー拒絶の問題に起因するスペクトル情報の損失に関する上述のコメントもまた、ここで適用される。
概略すると、異なる波長において順次にパルス発振することは、メモリ115およびプロセッサ130と関連して動作するラマンシグネチャ抽出プロセスに適用可能な情報を倍増し得る。加えて、ラマンピークは、レーザが等しいエネルギーパルスを生成するように設計されている場合に、単一パルスシステムと同じSNRで提供される。バックグラウンドの蛍光性は、熱および光分解の効果によって、従来の単一パルスシステムを用いて観察される蛍光性の2倍未満であると考えられる。上述を踏まえると、単一パルスシステムを越えるPDおよびFARの改善の量は、顕著なものであり得る。
この単一モードアプローチに用いられるレーザは、異なる波長における同時のレーザパルスのアプローチにおけるレーザと同じ複雑性を有し得る。
フィルタリングおよび/またはスペクトル減算を用い、その後にラマンシフト補正が続くその他の公知の信号処理技術は、残りのバックグラウンドの蛍光性を効果的に低減し、付随してラマン帯のSNRを増加させ得る。
3B)2重モード−異なる波長における順次のレーザパルス
この2重モードアプローチにおいて、第2レーザパルスのみから生じるスペクトルは、同じPRFサイクルの間に、システムによって受信される。第1レーザパルスは、アプローチ2B)における、同じ波長における2重モード連続レーザアプローチ記載されているように、光退色が不安定な蛍光種に意図されている。
第1パルスはシステム外にゲート制御されるので、モード3Bとモード3Aとの間での切り替えが可能であることを除くと、アプローチ2B)を越えるこのアプローチの利点は実質的にはあり得ない。このアプローチに対するレーザの設計は、アプローチ2B)に必要なものよりも複雑である。
4)2重チャネル−異なる波長における順次のレーザパルス
図5に示されているように、この実施形態においては、各PRFサイクルにおいて、2重UVエネルギーパルスがレーザから出力され、Δだけ時間をおいてオフセットされる。各パルスは、異なる波長(例えば、248nmおよび250nm)であり得る。このアプローチは、アプローチ3A)におけるレーザと同じレーザを必要とする。しかしながら、このアプローチと3A)におけるアプローチとの間の主な差は、各出力パルスEλ1およびEλ2が、別個の分光法/ICCDチャネルを用いることにより、システムによって処理されることである。
したがって、このアプローチは、別の分光器チャネルを追加する代償に、バックブラウンドの直接的な減算を可能にする。SNR、PDおよびFARにおける改善は、その他の全てのアプローチと比べて最も良くバックグラウンドの蛍光性が排除され、各レーザパルスは、LIBエネルギーの限界にあり、ラマンシグネチャ処理に利用可能な情報の2倍の情報があるので、SNRが最大化される。しかしながら、実装の観点からは、改善された性能が第2のチャネル(分光法/CCD)の追加の代償を正当化するか否かを決定する必要がある。考慮される1つのファクターは、解析される汚染物またはエージェントのタイプを含み得る。本実施形態によって提供される程度に高い忠実度が必要であると考えられる場合、コストは正当化され得る。
本発明のさらなる実施形態は、レーザ波長の動的制御を提供する。例えば、248nmおよび250nmの代わりに、1つまたは両方の波長が、レーザ210を同調させることにより、適切な方法で変更または制御され得る。このことは、システムが動作する環境、および/または存在すると考えられる汚染物のタイプに依存して有益であり得る。さらに、レーザ周波数の制御は、天候、温度または所与の地理的領域の特性を含む、野外においてに経験される条件に基づき得る。制御は、自動的、手動またはそれらの組み合わせであり得る。
本明細書中に記載されてきたシステムおよび方法は、本発明の精神または本質的な特性から逸れることなしに、その他の特定の形態において実体化され得る。したがって、上述の実施形態は、あらゆる点で、例示的なものであって、限定を意図されていないことが理解されるべきである。
100 ラマン分光法システム
115 メモリ
130 プロセッサ
140 汚染物
200 電子光学(E−O)モジュール
210 レーザ
220 ICCD
222 分光器222
230 オートフォーカスサブシステム
235 共通のシステムアパーチャ
240 レンジファインディングサブシステム
250 コントローラ/レジスタモジュール

Claims (25)

  1. 可搬式、スタンドオフ、単一イベント、2重パルス、移動式のラマン分光法システムであって、
    第1の波長のエネルギーと第2の波長のエネルギーとを生成するように構成されたレーザモジュールであって、該第1の波長のエネルギーと該第2の波長のエネルギーとは、実質的に同時に、軸に沿って、自由空間を介して、ターゲットの物質に配向される、レーザモジュールと、
    該軸に沿って反射されるスペクトルエネルギーのパターンを収集する望遠鏡であって、該スペクトルエネルギーのパターンは、該第1の波長のエネルギーと該第2の波長のエネルギーとの相互作用から生じる、望遠鏡と、
    該収集されたスペクトルエネルギーのパターンを解析し、該収集されたスペクトルエネルギーのパターンを既知のスペクトルエネルギーのパターンと照合する解析モジュールと
    を備え、
    該レーザモジュール、望遠鏡および解析モジュールは、車両上に搭載され、該車両の移動中に動作可能である、システム。
  2. 前記第1の波長のエネルギーと前記第2の波長のエネルギーとは、制御可能である、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第1の波長のエネルギーと前記第2の波長のエネルギーとは、野外条件に基づいて制御可能である、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記第2の波長のエネルギーは、前記第1の波長のエネルギーとは異なる、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記第1の波長のエネルギーと前記第2の波長のエネルギーとは、同時にパルス発振される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記第1の波長のエネルギーと前記第2の波長のエネルギーとは、ΔTの時間的な分離を有するように順次にパルス発振される、請求項1に記載のシステム。
  7. ΔTは、約10μ秒未満である、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記ラマン分光法システムは、撮像装置を含み、
    ΔTは、以下の式
    LIB寿命<ΔT<撮像装置のアパーチャ時間
    を満たすように設定され、
    LIBは、レーザ誘起ブレークダウンである、請求項6に記載のシステム。
  9. 前記撮像装置は、電荷結合素子(CCD)を含む、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記第1の波長のエネルギーの波長と前記第2の波長のエネルギーの波長とは、それぞれ、248nmと250nmとである、請求項6に記載のシステム。
  11. 前記レーザモジュールは、前記第1の波長のエネルギーと前記第2の波長のエネルギーとの両方を提供するように構成された、単一のアレキサンドライトレーザを含む、請求項1に記載のシステム。
  12. ラマン分光法を実行する方法であって、
    ラマン分光法システムを搭載した車両を操作することであって、該ラマン分光法システムは、レーザ、収集光学素子および撮像装置を含む、ことと、
    所定のパルス反復周波数(PRF)で該レーザを用いてターゲットをインテロゲートすることであって、1/PRFで定義される各PRFサイクルの間に、該レーザが2重パルス発振される、ことと、
    該収集光学素子を用いることにより、各PRFサイクルの間に、ラマンスペクトルを収集することと、
    ラマンシグネチャを所与の収集されたラマンスペクトルまたは一連のラマンスペクトルと照合することにより、該ターゲットを識別することと
    を包含する、方法。
  13. 前記PRFは、約25Hzである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記レーザは、第1の波長および第2の波長で2重パルス発振される、請求項12に記載の方法。
  15. 前記第1の波長は、前記第2の波長と同一である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の波長と前記第2の波長とは、順次にパルス発振され、時間ΔTだけ分離されている、請求項14に記載の方法。
  17. ΔTは、以下の式
    LIB寿命<ΔT<撮像装置のアパーチャ時間
    を満たすように設定され、
    LIBは、レーザ誘起ブレークダウンである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1の波長および前記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  19. 動作条件または野外条件に基づいて、前記第1の波長および前記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. ラマン分光法を実行する方法であって、
    ラマン分光法システムを搭載した車両を操作することであって、該ラマン分光法システムは、レーザ、収集光学素子および撮像装置を含む、ことと、
    所定のパルス反復周波数(PRF)で該レーザを用いてターゲットをインテロゲートすることであって、1/PRFで定義される各PRFサイクルの間に、該第1の波長および該第2の波長において該レーザが順次に2重パルス発振され、該第2の波長は、該第1の波長とは異なる、ことと、
    収集光学素子を用いることにより、各RFサイクルの間に、ラマンスペクトルを収集することであって、該第1の波長と該第2の波長との両方による該ターゲットの照射から生じるラマンスペクトルを収集することにより、ラマンスペクトルを収集することと、
    ラマンシグネチャを所与の収集されたラマンスペクトルと照合することにより、該ターゲットを識別することと
    を包含する、方法。
  21. 順次に2重パルス発振された第1の波長と第2の波長との間の時間の差ΔTは、約10μ秒未満である、請求項20に記載の方法。
  22. ΔTは、以下の式
    LIB寿命<ΔT<撮像装置のアパーチャ時間
    を満たすように設定され、
    LIBは、レーザ誘起ブレークダウンである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第1の波長および前記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  24. 動作条件または野外条件に基づいて、前記第1の波長および前記第2の波長のうちの少なくとも1つを動的に制御することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記レーザは、アレキサンドライトレーザを含む、請求項20に記載の方法。
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