JP2009222204A - 流体制御弁 - Google Patents

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徹也 赤木
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周治郎 堂田
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真一 片山
Kenichi Kurosawa
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Abstract

【課題】管路の外部に開閉駆動力発生装置を有する流体制御弁において、開閉駆動力が比較的小さくてすみ、小型化が可能となる上、弁を開いた状態での脈流が生じることのない流体制御弁を提供する。
【解決手段】流体を流す管路5内に弁座3を設ける。管路5内にその内径より小さな直径を有する球状の弁体12を収容する。管路5,6の外部に、弁体12を管路5の内壁に接触させながら偏心回転させる振動モータ8等の回転駆動装置を設ける。弁体12を偏心回転させる力は、流体の流れに逆らって弁を開く力に比較して小さい力ですむため、弁の小型化が可能になる。また、弁体12を偏心回転させている間は弁孔2が開いているので、弁の下流側に脈流を生じることがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の流れを制御する流体制御弁に係わり、特に小型の流体制御弁に関する。
空気等の流体の流れのオンオフ制御等を行う従来の流体制御弁のうち、特許文献1に示すように、管路内の弁体操作用駆動体を挿入し、外部にコイル等の駆動装置を設けたものがある。このような構成にすれば、気液密性の良い流体制御弁が得られる。この流体制御弁は、管路の外部に設けたコイルにより発生する電磁力により、管路内のプランジャを流体の流れ(圧力)に抗して動かして弁体を弁座から離し、弁を開く構成である。
また、外部から開閉操作可能な従来の別の流体制御弁として、特許文献2に記載されているように振動方式のものがある。この振動方式の流体制御弁は、弁座を圧電素子やソレノイド等により振動させて弁体との間に隙間を形成して流量を調整するものである。特許文献2には、この弁座を管路外から操作して振動させることが記載されている。
特開2000−9246 特開2006−342856
特許文献1に記載のように、コイルにより発生する電磁力によってプランジャを動かす構成の流体制御弁は、開閉動作時に弁体に加わる流体力が大きく変化する。そして、その流体力に打ち勝つために、操作する弁体に比較して大きなサイズや質量のコイルやプランジャを必要とするという問題点がある。
一方、特許文献2に記載の弁座振動方式の流体制御弁のうち、弁座を流体の流れる方向に振動を発生させるものにおいては、前記特許文献1に記載の場合と同様に、流体圧力に打ち勝つために、操作する弁体に比較して大きなサイズや質量のコイルや圧電素子を必要とするという問題点がある。また、弁座を振動させる場合には、流体制御弁の下流で脈流を生じる。このような脈流は、弁の下流で駆動される被駆動体の円滑な動きを妨げるという問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、管路の外部に開閉駆動力発生装置を有する流体制御弁において、開閉駆動力が比較的小さくてすみ、小型化が可能となる上、弁を開いた状態での脈流が生じることのない流体制御弁を提供することを目的とする。
本発明の流体制御弁は、流体を流す管路内に設けられた弁座と、
前記弁座の弁孔を閉塞、開放可能に前記管路内に収容され、前記管路の内径より小さな直径を有する球状の弁体と、
前記管路の外部に設けられ、前記弁体を前記管路内壁に接触させながら偏心回転させて前記弁座の弁孔を開く回転駆動装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の流体制御弁は、前記回転駆動装置が、前記管路を偏心回転させることにより前記弁体を偏心回転させる振動モータからなることを特徴とする。
また、本発明の流体制御弁は、前記管路内に、前記弁体が前記弁座から離れる距離を制限するストッパを設けたことを特徴とする。
本発明の流体制御弁は、球状の弁体を管路の内壁に接触させながら偏心回転させることにより、弁孔から弁体を離して弁を開くものである。このため、弁体を流体の圧力に逆らって移動させるものに比較して弁体を軸心から逸れさせる小さな力で弁を開くことができる。このため、弁の小型化が可能となる。また、本発明の流体制御弁は、弁体を偏心回転させている間は弁孔が開いているため、弁の下流に脈流も生じることがない。このため、脈流によって被駆動体に脈動等を生じることがない。
本発明の流体制御弁において、振動モータを回転駆動装置に用いれば、管路内にプランジャや振動体を設ける必要がなく、流体を流す管路内に弁体と弁座のみを設け、振動モータを管路の外側に取付けるという簡単な構成で実現でき、作製容易となる。
本発明の流体制御弁において、前記管路内に、前記弁体が前記弁座から離れる距離を制限するストッパを設ければ、弁体が弁座に付いて弁が閉塞されるまでの時間が短縮され、迅速な応答が可能となる。
図1は本発明の流体制御弁の一実施の形態を示す一部断面側面図、図2はそのE−E断面図である。1は弁本体であり、この弁本体1の一端側には弁孔2を有する弁座3が形成される。また、弁本体1の弁孔2を設けた部分の下流側には、孔の直径が弁孔2より拡大された管路4が形成される。この弁本体1は例えばアクリル樹脂のような硬質の合成樹脂または金属により作製される。
5は弁の上流側管路、6は弁の下流側管路であり、これらの管路5,6は変形可能な例えばポリウレタン樹脂等からなる可撓性の樹脂により作製される。上流側管路5は弁本体1の一端側に設けた弁座3の外周に嵌合され、溶着または接着によって弁座3の外周に固定される。下流側管路6は弁本体1の管路4に嵌合され、溶着または接着によって管路4の外周に固定される。
弁本体1は中間部に大径に形成した駆動装置取付け部7を有する。この駆動装置取付け部7は、図2に示すように、駆動装置として備えた振動モータ8を嵌合して取付ける凹部7aを有する。この振動モータ8は、出力軸9に偏心錘10を取付けたものである。この振動モータ8は、駆動装置取付け部7の凹部7aに嵌め、振動モータ8と共に駆動装置取付け部7に巻いたバンド11によって駆動装置取付け部7に固定される。すなわち振動モータ8は、その出力軸9が弁本体1や管路5,6に対して平行をなすように取付けられる。この振動モータ8は、駆動装置取付け部7にボルトやナットにより固定するかあるいは接着により固定してもよい。
12は鋼等の金属製あるいは硬質樹脂製の球状をなす弁体である。この弁体12は上流側管路5内に収容される。この弁体12の直径は、上流側管路5の内径より小さく形成される。13は弁座3から弁体12が流体の流れ方向に離れすぎることを防止するために管路5内に設けたストッパである。このストッパ13は筒状をなし、その内径は弁体12の外径よりやや小さく形成される。
なお、実施例においては、管路5,6の内径は2.5mm、管路5,6の外径は4mm、弁孔2の直径は0.5mm、弁体12の直径は2.0mm、ストッパ13から管路4の端部に至る長さは20mmである。また、取付け部7と振動モータ8を含めた部分の幅は10mm、振動モータ8の偏心錘10を含めた部分の長さは20mmとした。これらの振動モータ8、弁本体1、ストッパ13および管路4とその回りの管路5,6の部分を含めた全体のサイズは約1ccである。
この流体制御弁を使用する際には、管路5,6の弁本体1から離れた部分を支持しておき、弁本体1や振動モータ8を浮かせた状態としておく。そして振動モータ8を駆動しない状態では、図1、図2に示すように、弁体12が空気等の流体の圧力により弁座3側に押圧され、弁体12が弁孔2を塞ぐ。この弁閉状態で、インパルス状の振動が加わった場合、弁体12が動いて弁が開くことはあるものの、弁体12は流体の圧力により管路5の中心にただちに移動し、自動的に弁孔2を塞ぐ。このため、外乱があっても弁が開いた状態を持続することはない。
振動モータ8を駆動して偏心錘10を回転させると、振動モータ8がその軸心を中心に偏心回転する。このため、振動モータ8と共に弁本体1が偏心回転する。これにより、弁本体1と共に管路5,6も偏心回転する。これに伴い、図3および図4に示すように、弁体12も弁孔2から離れ、弁体12が管路5の内壁に接触しながら矢印14で示すように偏心回転する。これにより、弁が開状態となる。
この流体制御弁は、弁体12を偏心回転させている間は弁孔2が開いているため、常に一定の開口面積で弁孔2が開いた状態となる。このため、弁座を振動させて弁を開く構成の流体制御弁のような脈流も生じることがない。
また、この流体制御弁は、弁体12を偏心回転させて弁を開くため、弁体12を開く力の方向が流体の流れ方向に対して直交する方向である。このため、弁体を流体の流れに逆らって移動させる従来のものに比較して弁体12を小さな力で弁を開くことができる。このため、弁を開くための駆動力が小さくてすみ、小型化が可能となる。
具体的には、流体である空気の供給圧力が50kPa〜500kPa程度で流量が2L/min〜15L/min程度の弁を従来の電磁弁で構成した場合、重量で15g〜20g、サイズで15cc〜25ccのものが必要になる。一方、前記実施例の場合には、重量が2g、サイズが前述のように1cc程度で済む。このため、重量で1/10〜1/7.5程度、サイズで1/25〜1/15程度と非常に小型、軽量化される。
この流体制御弁は、前述のような小型の流体制御弁として好適に用いることができる。一例として、伸縮可能な複数の管を人の腕や足等の回りに装着した人工筋肉に用いることができる。すなわち人工筋肉を構成する管への加圧空気の導入、排出を行う弁として用いることができる。また、本発明の流体制御弁は、従来の電磁弁の代わりに、シール性が求められる他の小型の流体制御弁に好適に用いることができる。特に本発明の流体制御弁は、電池で開閉できるような小型の流体制御弁として用いる場合に好適である。
また、この実施の形態においては、弁体12が弁座3から離れる距離を制限するストッパ13を設けたため、弁を開いた状態であっても、弁体12は弁座3に近接した位置に留まる。このため、振動モータ8を停止すると、弁体12が流体の圧力により弁座3側に迅速に戻り、弁開閉が迅速に行われる。
図5は本発明の流体制御弁の他の実施の形態を示す断面図である。この実施の形態は、弁座3の弁体12に接する受面3aをテーパー形に形成したものである。他の部分の構成は図1、図2に示した通りである。このように弁座3の弁体12の受面3aをテーパー形に形成すれば、弁体12が受面3aの中央に接した弁閉状態が外乱により弁孔2から離脱しにくくなる。また、弁を開くための駆動力はやや大きくなるが、弁閉状態は安定する。さらに、弁体12が弁孔2が離脱しても、弁体12の偏心回転が止まると弁体12が弁孔2に迅速に戻る。このため、弁体12を閉塞する状態への復帰が迅速になる。
図6は本発明の流体制御弁の他の実施の形態を示す断面図である。この実施の形態は、弁体12を収容しかつストッパ13を設けた管路15を弁本体1内に固定して設けたものである。他の部分の構成は図1、図2に示した通りである。この実施の形態によれば、ストッパ13を弁本体1に固着することができ、長期使用によるストッパ13の位置ずれを防止できる。また、弁本体1が硬質の樹脂等により剛性のある部材で構成されるため、弁体12と弁座3との相対的位置関係を長期にわたり安定的に維持できる。
図7は本発明の流体制御弁の他の実施の形態を示す断面図である。この実施の形態は、弁体12およびストッパ13を設けた弁本体1を流体を流す管路16内に収容したものである。振動モータ8はこの管路16の外部にバンド11によって取付けている。この実施の形態においては、管路16と弁本体1との間に継ぎ目を設ける必要がないため、流体制御弁における流体の漏れを完全に防止することができる。
本発明を実施する場合、弁本体1、弁座3、ストッパ13の構造やこれらの相互の組み合わせ構造あるいはこれらと弁体12との相互の組み合わせ構造については、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態以外に種々に変更可能である。
本発明の流体制御弁の一実施の形態を示す一部断面側面図である。 図1のE−E断面図である。 この流体制御弁の弁開状態を示す断面図である。 図3のF−F断面図である。 本発明の流体制御弁の他の実施の形態を示す一部断面側面図である。 本発明の流体制御弁の他の実施の形態をさらに示す一部断面側面図である。 本発明の流体制御弁の他の実施の形態をさらに示す一部断面側面図である。
符号の説明
1:弁本体、2:弁孔、3:弁座、4:管路、5:上流側管路、6:下流側管路、7:駆動装置取付け部、8:振動モータ、9:出力軸、10:偏心錘、11:バンド、12:弁体、13:ストッパ、15:管路、16:管路

Claims (3)

  1. 流体を流す管路内に設けられた弁座と、
    前記弁座の弁孔を閉塞、開放可能に前記管路内に収容され、前記管路の内径より小さな直径を有する球状の弁体と、
    前記管路の外部に設けられ、前記弁体を前記管路内壁に接触させながら偏心回転させて前記弁座の弁孔を開く回転駆動装置とを備えたことを特徴とする流体制御弁。
  2. 請求項1に記載の流体制御弁において、
    前記回転駆動装置が前記管路を偏心回転させることにより前記弁体を偏心回転させる振動モータからなることを特徴とする流体制御弁。
  3. 請求項1または2に記載の流体制御弁において、
    前記管路内に、前記弁体が前記弁座から離れる距離を制限するストッパを設けたことを特徴とする流体制御弁。
JP2008070482A 2008-03-18 2008-03-18 流体制御弁 Pending JP2009222204A (ja)

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