JP2009220222A - チップ取り付け機構および切削工具 - Google Patents

チップ取り付け機構および切削工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2009220222A
JP2009220222A JP2008067459A JP2008067459A JP2009220222A JP 2009220222 A JP2009220222 A JP 2009220222A JP 2008067459 A JP2008067459 A JP 2008067459A JP 2008067459 A JP2008067459 A JP 2008067459A JP 2009220222 A JP2009220222 A JP 2009220222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
chip
tip
cutting edge
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008067459A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5217534B2 (ja
Inventor
Yuji Shinjo
裕二 新城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tungaloy Corp
Original Assignee
Tungaloy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tungaloy Corp filed Critical Tungaloy Corp
Priority to JP2008067459A priority Critical patent/JP5217534B2/ja
Publication of JP2009220222A publication Critical patent/JP2009220222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5217534B2 publication Critical patent/JP5217534B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)

Abstract

【課題】工具本体に対するチップの切刃の刃先位置精度を高めたチップ取り付け機構およびこれを用いた切削工具を提供することを目的とする。
【解決手段】チップ取り付け機構およびこれを用いた切削工具は、チップ30の切削に関与する少なくとも1つの切刃33aから延びる側面32aに係合可能な係合面部41と、上記側面32aを除く他の側面を上記係合面部側41に向けて押圧する押圧手段と、上記チップ30を上記チップ座11に固定する固定手段50とを備え、上記切削に関与する少なくとも1つの切刃33aから延びる側面32aを上記係合面部41に係合した状態で、上記チップ30を上記チップ座11内に固定するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、工具本体にチップを着脱可能に取り付けるためのチップ取り付け機構、およびこのチップ取り付け機構を用いた切削工具に関する。
工具本体にチップを着脱可能に取り付ける形式の切削工具として、図7に例示するスローアウェイ式正面フライスが従来から知られている。この正面フライスは、工具本体の外周部に、該工具本体の先端面及び該周面に開口する複数の取付溝が、工具周方向に沿って所定のピッチで形成され、これら取付溝内の一方の壁面側にチップ取付座が形成され、これらチップ取付座に、略正方形平板状をなす超硬合金製のチップがシート部材及びこのシート部材上に設けられたサポータを介して着座せしめられ、取付溝内に装着される楔部材及びサポータ固定楔によって押圧されて着脱自在に取り付けられたものである(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−50321号公報(段落番号0002〜0003および図4参照)
しかしながら特許文献1に記載された正面フライスにおいて、各チップは、工具本体の先端面から突出する副切刃(コーナ切刃)の対角線上にある他の副切刃(コーナ切刃)に隣接する一対の辺稜から延びる側面を取付溝の底面及びサポータの側面により支持されて位置決めされている。そのため、実際には、チップの正方形面の寸法誤差により、工具本体に対する各チップの副切刃(コーナ切刃)の軸線方向の位置は一致しない、いわゆる副切刃の振れが生じてしまう。特に、外側面を研削仕上げしない並級チップや正方形面が大型のチップでは、正方形面の寸法誤差が大きくなるため、副切刃の振れが大きくなってしまうため、加工面粗さの悪化、切削中のびびり、切刃寿命の悪化やばらつき等の不具合が生じるおそれがあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、工具本体に対するチップの切刃の刃先位置精度を高めたチップ取り付け機構およびこれを用いた切削工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
請求項1に係る発明は、略多角形板状をなし、一方の多角形面と側面との交差稜線部に切刃を形成し、他方の多角形面に着座面を形成したチップを、切削工具の工具本体に設けたチップ座に着座させて着脱可能に取り付けるためのチップ取り付け機構であって、上記チップの切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面に係合可能な係合面部と、上記側面を除く他の側面を上記係合面部側に向けて押圧する押圧手段と、上記チップを上記チップ座に固定する固定手段とを備え、上記切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面を上記係合面部に係合した状態で、上記チップを上記チップ座内に固定したことを特徴とするチップ取り付け機構である。
請求項1のチップ取り付け機構によれば、チップは、切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面が係合面部に係合した状態で、切削工具の工具本体に取り付けられることから、工具本体に対する上記切刃の刃先位置精度がきわめて高くなり、加工精度が向上する。
さらに、切削に関与しない他の辺稜部から延びる側面が押圧手段によって係合面部側に向けて押圧されることから、切削に関与する少なくとも1つの切刃を形成した辺稜部から延びる側面が上記係合面部に積極的に係合させられる。これにより、チップをチップ座に取り付ける際、チップを係合面部に押し付ける作業が不要となり、チップのコーナチェンジやチップ交換が容易に行えるようになる。
上記チップ取り付け機構おいて、係合面部を、仕上げ面を切削する副切刃を形成した辺稜部から延びる側面に係合可能とした場合には、工具本体に対する副切刃の刃先位置精度がきわめて高くなるので、該副切刃で切削した仕上げ面の加工精度がきわめて高くなる。
請求項3に係る発明は、略多角形板状をなし、一方の多角形面と側面との交差稜線部に切刃を形成し、他方の多角形面に着座面を形成したチップを、工具本体の所定の位置に設けたチップ座に着座させるとともに、上記チップの切削に関与する切刃を上記工具本体から突出させて、着脱可能に取り付けた切削工具であって、上記切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面に係合可能な係合面部と、上記側面を除く他の側面を上記係合面部側に向けて押圧する押圧手段と、上記チップを上記チップ座に固定する固定手段とを備え、上記切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面を上記係合面部に係合した状態で、上記チップを上記チップ座内に固定したことを特徴とする切削工具である。
請求項3に係る切削工具によれば、チップは、切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面が係合面部に係合した状態で、切削工具の工具本体に取り付けられることから、工具本体に対する上記切刃の刃先位置精度がきわめて高くなる。このことから、チップのコーナチェンジやチップ交換の際、上記切刃の刃先位置の変動がきわめて小さく抑えられるため、加工面精度の悪化を防止することができる。工具本体に複数個のチップを取り付ける切削工具では、各チップの切刃相互間の刃先振れがきわめて小さくなり、加工面精度が向上するとともに、切刃相互間の寿命差が小さくなり、該切削工具の工具寿命が長くかつ安定したものとなる。
さらに、切削に関与しない他の辺稜部から延びる側面が押圧手段によって係合面部側に向けて押圧されることから、切削に関与する少なくとも1つの切刃を形成した辺稜部から延びる側面が上記係合面部に積極的に係合させられる。これにより、チップをチップ座に取り付ける際、チップを係合面部側に押し付ける作業が不要となり、チップのコーナチェンジやチップ交換が容易に行えるようになる。
上記切削工具において、係合面部が、仕上げ面を切削する副切刃を形成した辺稜部から延びる側面に係合可能とした場合には、工具本体に対する副切刃の刃先位置精度がきわめて高くなるので、該副切刃で切削した仕上げ面の加工精度がきわめて高くなる。工具本体に複数個のチップを取り付ける切削工具では、各チップの副切刃相互間の刃先振れがきわめて小さくなるため、仕上げ面精度、仕上げ面粗さがきわめて良好になる。
本発明のチップ取り付け機構によれば、工具本体に対する切刃の刃先の位置精度がきわめて高くなる。本発明のチップ取り付け機構を用いた切削工具によれば、チップのコーナチェンジやチップ交換の際、上記切刃の刃先位置の変動がきわめて小さく抑えられるため、加工面精度の悪化を防止することができる。工具本体に複数個のチップを取り付ける切削工具においては、各チップの切刃相互間の刃先振れがきわめて小さくなり、加工面精度が向上するとともに、切刃相互間の寿命差が小さくなり、該切削工具の工具寿命が長くかつ安定したものとなる。
本発明を正面フライスに適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1の(a)、(b)、(c)はそれぞれ、正面フライスの平面図、正面図、斜視図である。図2は、工具本体にチップを取り付けた状態の詳細図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図3は、ロケータの斜視図である。図4は、ロケータ、チップおよび楔部材を組み付けた状態を示す図であり、チップのすくい面に平行な方向からみて、(a)は楔部材を緩めた状態を、(b)は楔部材を締め付けた状態を示す図であり、(c)は楔部材を締め付けた状態をチップのすくい面に対向する方向からみた図である。図5は、工具軸線に直交する方向からみたチップの副切刃近傍の拡大図であり、(a)は本発明を適用した正面フライス、(b)は従来正面フライスを示す。図6は、本発明を適用した正面フライスの変形例であり、図2の(a)に相当する図である。図7は従来の正面フライスの軸方向断面図である。
図1に図示するように正面フライスにおいて、略円板状をなす工具本体1の先端外周部に、該工具本体の外周面2および先端面3に開口するチップ取り付け溝5が工具円周方向に沿って略等間隔に複数箇所に形成され、このチップ取り付け溝5にロケータ10と称する保持部材を介してチップ30が挿入されている。チップ取り付け溝5の工具回転方向前方側には、工具本体の外周面2を凹溝状に切欠いた切屑ポケット6と、この切屑ポケット6の凹壁面内で上記チップ取り付け溝5に連通する楔部材挿入溝7とが形成され、楔部材挿入溝7内には、楔部材50がねじ部材50Aで工具本体1に締め付けられて該楔部材挿入溝7に沈み込み可能とされている。チップの上面は、楔部材50を沈み込ませることによって着座面34側に押圧され、チップの着座面34は、ロケータ10内に設けたチップ座11に付設したシート部材20のチップ着座面21に押圧されて保持される。工具本体1の後端部端面には、図示しない工作機械の主軸端に当接する平坦な取り付け面4が設けられる。
チップ30は、超硬合金、サーメット、セラミックス等の硬質材料からなり、略正方形平板状に成形されている。上面となる正方形面がすくい面31とされ、側面が逃げ面とされ、上記正方形面と側面との交差稜線部に切刃が形成され、下面となる正方形面が着座面34とされる。チップ30は、すくい面31とされた上面の正方形面において、4箇所のコーナに設けた面取り部の稜線に形成された副切刃33aと、この副切刃33aの両端から延びる正方形の4辺に形成された主切刃33bとを備える。互いに隣接する一対の副切刃33aと主切刃33bが切削に関与する切刃として使用され、寿命に至ったら、すくい面31となる正方形面を90°回転してコーナチェンジし、次の副切刃33aと主切刃33bを順次使用することにより、チップ30は4コーナ使用することが可能となっている。副切刃33a、主切刃33bから延びる側面には、逃げ面32a、32bがそれぞれ形成される。これら逃げ面32a、32bは、下面の正方形面に近づくにしたがって内方へ傾斜するポジ逃げ面となっている(図4参照)。
図2に図示するようにロケータ10は、六角穴付きボルト等のねじ部材10Aを利用して、該ロケータ10の工具回転方向後方側および工具軸線方向後端側を向く各側面10b、10cを、チップ取り付け溝5の工具回転方向前方側を向く側壁面5bおよび工具軸線方向先端側を向く底壁面5cにそれぞれ当接して取り付けられている。また、ロケータ10の工具径方向内側を向く端面10dは、この端面10dに対面するチップ取り付け溝の壁面5dに螺合する径調整ねじ70に当接している。上記ねじ部材10Aを緩めることによって、ロケータ10は、チップ取り付け溝5内で上記ねじ部材10Aに対して工具径方向に所定量だけ移動可能とされており、上記径調整ねじ70を操作して工具径方向外側に出すことによって、該ロケータ10は、工具本体1に対して工具径方向外側に所望の量だけせり出される。上述の構成に限らず、上記ロケータ10、径調整ねじ70は省略してもよい。ロケータを省略してチップ30をチップ取り付け溝5に直接挿入する場合、チップ取り付け溝5の形状は、挿入するチップ30に対応した形状に変更される。
図3に図示するように、ロケータ10の工具回転方向を向く側面10aの一側部の先端部(工具本体の先端外周部に位置する領域)には、チップ形状に対応した、略正方形状に切り欠いたチップ座11が形成される。さらに、チップ形状に対応した、略正方形平板状をなすシート部材20が、その一方の正方形面をねじ部材20Aを利用してチップ座の底壁面11aに当接して取り付けられる。シート部材20の他方の正方形面は、チップの着座面34に当接するチップ着座面21とされる。
チップ座11に取り付けられたチップ30は、図1の(a)および図2に図示するように工具本体の先端面3から突出する副切刃33aが工具軸線に対してほぼ直交するとともに、副切刃33aの工具径方向外側の端部から延びる主切刃33bが上記工具軸線に対してコーナ角に相当する約45°の角度で外側に傾斜するように配設されている。
図2および図3に図示するように、ロケータのチップ座11に付設されたシート部材20のチップ着座面21は、チップの切削に関与する副切刃33aから延びる側面(逃げ面32a)とチップの着座面34との交差稜線よりも工具軸線方向先端側に延出する。この延出したチップ着座面21の先端部には、上記副切刃33a側(上方)へ突出する隆起部40が一体に形成される。この隆起部40は、上記副切刃33aと略直交する方向に、上記副切刃33aから延びる側面(逃げ面32a)に係合可能な第1の係合面部41を有している。この第1の係合面部41は、上記側面(逃げ面32a)とほぼ平行な平坦面で形成され、上記側面(逃げ面32a)と面接触して係合する。図5からわかるように、隆起部40の高さは、チップの副切刃33aよりも低く、隆起部40の工具軸線方向の最先端は、被削材表面と干渉しないように、チップの副切刃33aよりも工具軸線方向後端側に後退するように設定される。そうすると、隆起部40の第1の係合面部41に直交する方向の厚みが小さくなるので、該隆起部40は、シート部材20も含めて強度の高い超硬合金で製作するのが望ましい。あるいは、別個に隆起部40のみを超硬合金で別個に製作し、これをシート部材20に強力に溶接、接合等して一体的に形成してもよい。
図3に図示するように、チップ座の底壁面11aから立ち上がる2つの側壁面11b、11cのうち、切削に関与する主切刃33bの対向位置にある第1の側壁面11bは、上記切削に関与する主切刃33bの対向位置にあるチップの側面(逃げ面32b)に係合可能な第2の係合面部12を有している。この第2の係合面部12は、上記切削に関与する主切刃の対向位置にある辺稜部(切削に関与しない主切刃33b)から延びる側面(逃げ面32b)とほぼ平行な平坦面で形成され、上記側面(逃げ面32b)と面接触して係合する。
第1の側壁面11bにぬすみ部を挟んで隣接する第2の側壁面11cは、切削に関与する副切刃33aとほぼ平行に延びる平坦面で形成される。この第2の側壁面11cには、チップの側面(逃げ面32b)を押圧する押圧手段として、ボールプランジャー60が設置される。他の押圧手段としては、各種ばね、各種ゴム等の弾性部材のほか、各種プランジャーなどの弾性力を利用して付勢する部材が望ましい。該正面フライスでは、ボールプランジャー60が上記第2の側壁面11cに設けた雌ねじ穴13にねじ込んで埋設される。ボールプランジャー60は、チップのすくい面31に対向する方向からみたとき、切削に関与する副切刃33aの対角線上にある他の副切刃33aを設けたコーナよりもやや工具径方向外側に位置して軸線方向とほぼ平行に設置され(図4の(c)参照)、チップのすくい面31と平行な方向からみたとき、チップ30のチップ座の底壁面11aおよびシート部材のチップ着座面21に対して、チップのすくい面31側(上方)へ傾斜して埋設される(図4の(b)参照)。ボールプランジャー60の先端のボールは、コーナよりもやや工具径方向外側の位置で切削に関与しない主切刃33bから延びる側面(逃げ面32b)に当接して押圧することによって、工具軸線方向先端側の外力およびチップをチップ着座面21から上方へ浮かすような外力(図4の(c)の矢印P1、P2および図4の(a)の矢印P3)をチップに対して与える。
チップ座11内に挿入されたチップ30は、上記外力P1、P2を受けることにより、第1の係合面部41および第2の係合面部12に対応する各側面(逃げ面32a、32b)がこれら係合面部41、12に押し付けられて係合する。ここで、チップ座の底壁面に対向する方向からみて、第1および第2の係合面部41、12が互いに約45°で交差するように延在しているので、チップ30は、ボールプランジャーのボール、第1および第2の係合面部の3箇所で接触して安定的に保持される。さらに、チップの上面に平行な方向からみて、チップは、チップ着座面21から上方へ浮き上がる外力をボールプランジャー60から受けるため、押圧位置近傍のコーナ側がチップ着座面21から若干浮き上がった状態でチップ30の上面31を楔部材50に接した姿勢で保持される(図4の(a)参照)。この状態から楔部材50を沈み込ませていくと、第1の係合面部41および第2の係合面部12との係合を維持しながら、チップの上面31が楔部材に押し付けられて、チップの着座面34全体がチップ着座面21に当接して強固に固定される。
このようにチップ30が切削に関与する副切刃33aから延びる側面(逃げ面32a)を第1の係合面41に係合した状態でチップ座11に取り付けられるので、上記副切刃33aの工具軸線方向における刃先位置の誤差h1は、図5の(a)に図示するようにチップ厚みの誤差s1にのみ影響を受ける。一方、従来の正面フライスでは、切削に関与する副切刃33a(コーナ切刃)の対角線上にある他の副切刃(コーナ切刃)に隣接する一対の辺稜から延びる側面を取り付け基準とすることから、切削に関与する副切刃33aの工具軸線方向における刃先位置の誤差h2は、チップ厚み誤差s2に加え外郭形状(正方形状)の誤差a2の影響を受ける(図5の(b)参照)。
このことから、この実施形態に係る正面フライスは、チップ外郭形状の誤差の影響を受けることなく、切削に関与する副切刃33aの刃先位置精度をきわめて高くできるため、チップ30のコーナチェンジやチップ30の交換の際、従来の正面フライスよりも上記副切刃33aの刃先位置の変動が小さく抑えられ、加工精度の悪化を防止することができる。また、工具本体1に取り付けられた各チップ30の副切刃33a相互間の刃先振れが抑えられて仕上げ面粗さが向上するとともに、副切刃33a相互間の切削抵抗の変動が抑えられて工具寿命が延長かつ安定する。
この正面フライスでは、第2の係合面部12を、切削に関与しない主切刃33bから延びる側面(逃げ面32b)に係合させたが、これに代えて切削に関与する主切刃33bから延びる側面(逃げ面32b)に係合させるように変更してもよい。これにともなって、ボールプランジャー60からの押圧による外力も上記切削に関与する主切刃33bへ向くようにボールプランジャー60の押圧位置も変更する必要がある。このような構成とした場合、各チップ30の主切刃33b相互間の刃先振れが抑えられて各主切刃33bの切削抵抗の変動が小さくなる。これにより、正面フライスのびびりが抑制されるとともに、工具寿命が延長かつ安定する。
第1の係合面部のように切削に関与する副切刃33aから延びる側面(逃げ面32a)に係合するものについては、被削材表面との干渉を避けるため薄肉となるが、切削抵抗の向きに対して逆方向に係合するため、強度や耐久性の面で問題はない。
楔部材50を緩めたとき、チップ30は、既述したようにボールプランジャー60の押圧位置近傍のコーナ側がチップ着座面21から浮き上がり、該チップ30の上面が楔部材50に接するとともに、側面(逃げ面32a、32b)がボールプランジャー60のボール先端、第1および第2の係合面部41、12に当接することから、4箇所を支持された状態でチップ座11内に保持される。このことから、チップ30のコーナチェンジやチップ30の交換の作業に際して、チップ30を工具本体1から落下させることがなくなり、特に工作機械内での作業性が改善される。
チップ着座面21からの隆起部40の高さがチップ厚みの5%未満になると、チップ側面(逃げ面32a、32b)と係合面部41との係合面積が小さくなる。一方、チップ着座面21からの隆起部40の高さがチップ厚みの95%を超えると、係合面部41の剛性が小さくなる。このことからチップ側面(逃げ面32a、32b)と係合面部41との係合を安定させるため、チップ着座面21からの隆起部40の高さは、チップ厚みの5%〜95%の範囲に設定するのが望ましい。
この実施形態に係る正面フライスでは、チップの側面(逃げ面)は、ポジ逃げ面で構成したが、チップの上面に対して直角なネガ逃げ面で構成してもよい。また、係合面部と係合するチップの側面(逃げ面)は、単一平面で構成したもので説明したが、これに限らず、図6に例示するように隆起部40と嵌り合うように内側に凹んだ段差部35を設け、この段差部の側面に係合面部41を係合するように構成してもよい。このようにした場合は、隆起部40が肉厚になり強度や耐久性がさらに高められる。
本発明は、以上に説明した正面フライスに代表される転削工具に限らず、チップ30を着脱可能に工具本体1に取り付けるスローアウェイ式であれば、バイト等の旋削工具、ドリル等の穴明け工具といった切削工具にも適用可能である。
(a)、(b)、(c)はそれぞれ、本発明を適用した正面フライスの平面図、正面図、斜視図である。 工具本体にチップを取り付けた状態の詳細図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 ロケータの斜視図である。 ロケータ、チップおよび楔部材を組み付けた状態を示す図であり、チップのすくい面に平行な方向からみて、(a)は楔部材を緩めた状態を、(b)は楔部材を締め付けた状態を示す図であり、(c)は楔部材を締め付けた状態をチップのすくい面に対向する方向からみた図である。 工具軸線に直交する方向からみたチップの副切刃近傍の拡大図であり、(a)は本発明を適用した正面フライスのもの、(b)は従来正面フライスのものを示す。 図6は、本発明を適用した正面フライスの変形例を説明する図であり、図2の(a)に相当する図である。 従来の正面フライスの軸方向断面図である。
符号の説明
1 工具本体
5 チップ取り付け溝
6 切屑ポケット
7 楔部材挿入溝
10 ロケータ(保持部材)
11 チップ座
12 第2の係合面部(係合面部)
20 シート部材
21 チップ着座面
30 チップ
31 すくい面
32a、32b 逃げ面(側面)
33a 副切刃
33b 主切刃
34 着座面
40 隆起部
41 第1の係合面部(係合面部)
50 楔部材(固定手段)
60 ボールプランジャー(押圧手段)

Claims (4)

  1. 略多角形板状をなし、一方の多角形面と側面との交差稜線部に切刃を形成し、他方の多角形面に着座面を形成したチップを、切削工具の工具本体に設けたチップ座に着座させて着脱可能に取り付けるためのチップ取り付け機構であって、上記チップの切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面に係合可能な係合面部と、上記側面を除く他の側面を上記係合面部側に向けて押圧する押圧手段と、上記チップを上記チップ座に固定する固定手段とを備え、上記切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面を上記係合面部に係合した状態で、上記チップを上記チップ座内に固定したことを特徴とするチップ取り付け機構。
  2. 上記係合面部を、仕上げ面を切削する副切刃を形成した辺稜部から延びる側面に係合可能としたことを特徴とする請求項1に記載のチップ取り付け機構。
  3. 略多角形板状をなし、一方の多角形面と側面との交差稜線部に切刃を形成し、他方の多角形面に着座面を形成したチップを、工具本体の所定の位置に設けたチップ座に着座させるとともに、上記チップの切削に関与する切刃を上記工具本体から突出させて、着脱可能に取り付けた切削工具であって、上記切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面に係合可能な係合面部と、上記側面を除く他の側面を上記係合面部側に向けて押圧する押圧手段と、上記チップを上記チップ座に固定する固定手段とを備え、上記切削に関与する少なくとも1つの切刃から延びる側面を上記係合面部に係合した状態で、上記チップを上記チップ座内に固定したことを特徴とする切削工具。
  4. 上記係合面部を、仕上げ面を切削する副切刃を形成した辺稜部から延びる側面に係合可能としたことを特徴とする請求項3に記載の切削工具。
JP2008067459A 2008-03-17 2008-03-17 チップ取り付け機構および切削工具 Active JP5217534B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008067459A JP5217534B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 チップ取り付け機構および切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008067459A JP5217534B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 チップ取り付け機構および切削工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009220222A true JP2009220222A (ja) 2009-10-01
JP5217534B2 JP5217534B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=41237574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008067459A Active JP5217534B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 チップ取り付け機構および切削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5217534B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011079129A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Sandvik Intellectual Property Ab 機械加工用フライス工具のシムプレート並びにシムプレートを有するフライス工具
US20120263547A1 (en) * 2011-04-13 2012-10-18 Kennametal Inc. Cutting insert carrier

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5565004A (en) * 1978-11-02 1980-05-16 Ngk Spark Plug Co Ltd Clamped cutting tool
JPH09277102A (ja) * 1996-04-11 1997-10-28 Nissan Motor Co Ltd 丸チップ切削工具

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5565004A (en) * 1978-11-02 1980-05-16 Ngk Spark Plug Co Ltd Clamped cutting tool
JPH09277102A (ja) * 1996-04-11 1997-10-28 Nissan Motor Co Ltd 丸チップ切削工具

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011079129A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Sandvik Intellectual Property Ab 機械加工用フライス工具のシムプレート並びにシムプレートを有するフライス工具
KR101558007B1 (ko) 2009-10-06 2015-10-06 산드빅 인터렉츄얼 프로퍼티 에이비 칩 제거 가공을 위한 밀링 공구용 심 플레이트 및 이러한 심 플레이트를 구비한 밀링 공구
US20120263547A1 (en) * 2011-04-13 2012-10-18 Kennametal Inc. Cutting insert carrier
US8882403B2 (en) * 2011-04-13 2014-11-11 Kennametal Inc. Cutting insert carrier

Also Published As

Publication number Publication date
JP5217534B2 (ja) 2013-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9475132B2 (en) Multiteeth indexable insert with locating means and material removal tool with same
JP5403167B2 (ja) 刃先交換式切削工具
JP2009529430A (ja) カッティングインサートおよびフライス工具
WO2013051703A1 (ja) 刃先交換式切削工具
US20070189862A1 (en) Insert with a mounting hole and toolholder including a cutting insert
JP2008542049A (ja) フライス加工インサートとフライス加工工具、並びにこのような工具用シムプレート
EP3144086B1 (en) A tool body and a turning tool for grooving operations
JP2007210090A (ja) 丸駒インサート着脱式切削工具および丸駒インサート
JP5938868B2 (ja) 切削インサートおよび刃先交換式切削工具
JP4810902B2 (ja) チップおよび転削工具
JP2007260788A (ja) 切削インサート及び切削工具
JP2017064909A (ja) 切削工具
JP5217534B2 (ja) チップ取り付け機構および切削工具
WO2011099495A1 (ja) 切削インサート、シート部材、および刃先交換切削工具
JP5218811B2 (ja) スローアウェイチップ
KR102034490B1 (ko) 절삭 인서트 및 날끝 교환식 회전 절삭 공구
KR20210080515A (ko) 절삭 공구
JP4940863B2 (ja) スローアウェイ式回転工具
JP2007237356A (ja) 正面フライス
US20200230715A1 (en) Milling insert and a side and face milling tool
JP2006136970A (ja) 外径微調整式ボーリングバー
JP2006088332A (ja) スローアウェイチップおよびスローアウェイ式切削工具
US11376674B2 (en) Kit for a milling tool and a milling tool
JP4940864B2 (ja) スローアウェイ式回転工具及びこれに装着されるチップ
JP2007331081A (ja) スローアウェイ式回転工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5217534

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250