JP2009219596A - 刺繍ミシン - Google Patents

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康広 岡田
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Abstract

【課題】繋ぎ刺繍を実行する場合の各刺繍パターンの位置合わせを簡便に行うことのできる構成を備え、刺繍レイアウトの縫製の仕上がりも良好なものとする。
【解決手段】繋ぎ刺繍の基準となる先の縫製回の1乃至複数の刺繍パターンとともに次の縫製回においてセットされた布の傾きを検出するための相互の位置関係を規定した2つ以上の目印点を刺繍枠の刺繍可能領域内に配置した刺繍データを作成し、この刺繍データに基づいて先の縫製回における刺繍を行ない、該刺繍ミシンのミシンモータを駆動し、該縫製回における刺繍を行なうとともに、先の縫製回における刺繍パターンに合わせた刺繍を実行する次の縫製回においては、先の縫製回において布上に縫製された前記目印点のうち2つの目印点の座標を取得し、この取得した2つの目印点の座標と該2つの目印点の相互の位置関係に基づいて該縫製回において刺繍枠にセットされた布の傾きを検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用の刺繍ミシンに係り、特に、選択した2以上の刺繍パターンの組合せからなる刺繍レイアウトが前記刺繍パターン相互の形成位置の調整が必要であるにも拘わらず1つの刺繍枠に収まらない場合の、前記各刺繍パターンの位置合わせ制御を可能とする刺繍ミシンに関する。
従来より、家庭用のミシンとして、作業ベッド上に刺繍枠をX−Y方向に移動させるためのキャリッジが設置され、ベッド内に装着された駆動機構部により、前記キャリッジをX−Y方向に移動させることにより、前記刺繍枠にセットされた布に所望の刺繍パターンを刺繍する構成を備えたミシン(以下、刺繍ミシンという)が普及している(一例として、特許文献1参照)。
特開平2001−104672号公報
このような刺繍ミシンにおいて、前記刺繍枠内となる固有の刺繍可能領域よりも広領域で、選択した2つ以上の刺繍パターンを繋ぐようにして組み合わせた刺繍レイアウトを刺繍する(以下、「繋ぎ刺繍」という)場合、刺繍枠にセットした布上に前記刺繍レイアウトの一部である1乃至複数の刺繍パターンを刺繍した後、刺繍枠から布を一旦外し、布をずらして再度刺繍枠へセットして、前記刺繍レイアウトの他の部分である1乃至複数の刺繍パターンを刺繍するという作業を繰り返し行なうことがなされていた。
この繋ぎ刺繍の場合、布に対し、所望の刺繍レイアウトを刺繍するためには、刺繍枠への布のセットの前後において、先に刺繍された刺繍パターンと次に刺繍される刺繍パターンとの相互の位置がずれないように調整する必要がある。
しかしながら、刺繍枠への布のセットを、刺繍パターンに位置ズレが生じないように目視や手作業で調整しながら行なうことは非常に面倒な作業であり、精度も悪く、熟練を要していた。例えば、同一の刺繍パターンを縦方向あるいは横方向へ複数回繰り返して碁盤の目に配列するような場合、作業者の目視による確認で作業を進めると、布の傾きの認識誤差が累積され、結果的に直線的な配列が得られないことがあった。
そこで、本発明は、繋ぎ刺繍を実行する場合の各刺繍パターンの位置合わせを簡便に行うことのできる構成を備え、刺繍レイアウトの縫製の仕上がりも良好なものとなる刺繍ミシンを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る刺繍ミシンは、針の上下動に同期して、布を保持した刺繍枠をXY方向に移動することで布に縫い目を形成する縫い目形成手段と、複数の刺繍パターンに対応する刺繍データを記憶した記憶手段と、任意に選択された刺繍パターンを表示する表示手段と、選択された刺繍データに基づいて前記縫い目形成手段を制御する制御手段とを備えた刺繍ミシンにおいて、前記記憶手段に記憶された刺繍データは、刺繍パターンに対応する刺繍データと、前記刺繍パターンに対応する2つ以上の所定の位置に目印点を縫いつける目印点データとから構成され、前記制御手段は、この刺繍データに基づいて縫い目形成手段を駆動して刺繍パターン及び目印点を布に形成する第1手段と、前記布に形成された前記目印点のうち、任意の2つの目印点の刺繍枠に対する座標を取得して、刺繍枠内に配置された目印点の位置と傾きを演算する第2手段と、前記第2手段で演算した目印点の位置と傾きに対応して前記表示手段に縫製された刺繍パターンと目印点を表示する第3手段と、前記第2手段で演算した目印点の位置と傾きに対応して、新たな刺繍パターンを繋ぎ表示するために新たな刺繍パターンの目印点の位置と傾きを演算して、この演算された位置に新たな刺繍パターンの目印点されるように新たな刺繍パターンと目印点を前記表示手段に表示する第4手段と、前記表示された新たな刺繍パターンと目印点の位置と傾きに対応して前記縫い目形成手段を作動して縫製する第5手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1によれば、先の刺繍縫いにおいて刺繍された刺繍パターンの刺繍枠に対する位置と傾きを検出して、次の刺繍縫いにおいて前記検出した刺繍枠に対する位置と傾きに対応して次の新たな刺繍パターンと目印点を刺繍することで、刺繍データの相互位置における傾きにズレのない、良好な縫製結果をえることができる。さらに、前記次の新たな刺繍パターンの刺繍枠に対する位置と傾きを検出して、次の次の新たな刺繍パターン縫いと目印点を次の新たな刺繍パターンに合わせて縫製することができる。このようにして刺繍パターンの目印点と次に縫製する刺繍パターンの目印点をつなぎ合わせることで、複数の刺繍パターンを際限なく繋ぎ合わせることができる。
請求項2は、前記第4手段において新たな刺繍パターンの目印点を表示せず、第5手段において新たな刺繍パターンの目印点を縫製しないことを特徴とする。
請求項2によれば、複数の刺繍パターンをつなぎ合わせるとき、最後につなぎ合わせる刺繍パターンには、次に位置合わせする目印点が不要なので、目印点を縫製しないことにより糸の無駄をなくすことができる。
請求項3は、前記記憶手段に記憶された刺繍データの目印点は、刺繍パターンを囲む矩形領域の四隅に付したことを特徴とする。
請求項3によれば、刺繍パターンを囲む矩形領域の四隅に前記目印点を付した縫製データとすることで、繋ぎ合わされる刺繍パターンが生地一杯になるまで縦横に碁盤の目状に際限なく配置することができる。
請求項4は、前記第2手段において、座標を取得する目印点が、刺繍パターンを囲む複数の目印点のうち、何れの位置のものであるかを入力する座標取得キーを備えることを特徴とする。
請求項4によれば、先に縫製した刺繍パターンに対して次に縫製する刺繍パタ−ンの繋ぎ位置を任意に選択する座標取得キーを備えたことで、刺繍パターンの繋ぎ位置を先に縫製した刺繍パターンの例えば上方側、下方側、右方側、又は左方側といった任意の目印点を指定することで、新たな刺繍パターンをこの指定した目印位置側に対応して繋ぎ合わせることが可能になる。
請求項5は、前記第3手段において、取得した目印点に対応した位置に配置する新たな刺繍パターンの向きを変更して、新たな刺繍パターンの目印点の向きは変更しない向き入力キーを備えたことを特徴とする。
請求項5によれば、先に縫製した刺繍パターンに対して次に縫製する刺繍パタ−ンの向きを任意に選択する向き入力キーを備えたことで、先に縫製した刺繍パターンに対応した位置を維持しつつ、任意の方向に向けて刺繍パターンを繋ぎ合わせることが可能になる。
本発明の刺繍ミシンによれば、繋ぎ刺繍を実行する場合の各刺繍パターンの位置合わせを碁盤の目状に無制限なる繋ぎ合わせを簡便に行うことができ、刺繍レイアウトの縫製の仕上がりも良好なものとなる。
以下、本発明の刺繍ミシンの実施形態について説明する。
本実施形態の刺繍ミシンのミシン本体は、針板を備える作業ベッドと、この作業ベッドの一端側に立設され、縫針を上下動可能に支承するミシンヘッドとから構成されている。作業ベッドにおける他端側には、キャリッジを構成するキャリッジ駆動部が配設されている。キャリッジ駆動部内には、X駆動モータと、このX駆動モータの駆動によりキャリッジを作業ベッド上においてX方向へ移動させるX移動部材とが設けられている。前記X移動部材の上部は作業ベッド上に露出しており、露出した前記X移動部材の上部にはキャリッジケースが固定されている。
キャリッジケース内には、X移動部材に搭載されたY駆動モータと、このY駆動モータの駆動により、このY移動部材に固定され、キャリッジケースから前記針板方向へ突出させて配設されたクランプ状の刺繍枠保持部材をY方向(X方向に直交する方向)に移動させるY移動部材とが設けられている。そして、この刺繍枠保持部材には、刺繍枠1が装着可能とされている。
前記刺繍枠1は、刺繍枠保持部材に着脱可能に装着される外枠と、この外枠に嵌め込まれる内枠とからなり、外枠上に被縫製物としての布2をセットし、この状態で内枠を外枠に嵌め込むことによって、布2を刺繍枠1にセットするように構成されている。
そして、刺繍枠1は、該刺繍ミシンの制御部の制御手段により、ミシンヘッドに設けられた表示手段3(例えば、液晶表示パネル)から選択入力された1乃至複数の刺繍パターンからなる刺繍レイアウトに従ったX、Y駆動モータの駆動によって所定のX、Y方向に移動するように制御され、前記制御手段の指令に基づく該刺繍ミシンの主モータの駆動による縫針の上下動と協働して、所望の刺繍レイアウトを刺繍するように構成されており、その駆動制御の1つに、後述する本実施形態の繋ぎ刺繍における刺繍パターンの位置合わせ制御が含まれている。また、該刺繍ミシンにおいて縫製可能な前記刺繍パターンに対応する刺繍データと、後述する刺繍パターンに対応する2つ以上の所定の位置に目印点を縫いつける目印点データとを備える刺繍データは、前記制御部の記憶手段に記憶されている。
前記表示手段3は、タッチパネル式スイッチ(周知のもの)が表示画面3の前面に装着されており、選択した刺繍パターンとともにレイアウトの基準領域枠を示す目印点をレイアウト画面之領域内に表示可能に構成されている。さらに、所望の入力キー等が表示がされた入力画面領域を押圧することにより、前記制御手段が押圧された入力キーの位置を検出して、対応する位置に表示されている表示項目に従った、例えば、セットされた刺繍枠1のX,Y方向への移動や位置データの取得等を行い、所望の刺繍縫いを実行するように構成されている。
ここで、前述の構成を備えた本実施形態の刺繍ミシンの前記制御手段により実行される繋ぎ刺繍の位置合わせ制御について説明する。
本実施形態の刺繍ミシンにおいて繋ぎ刺繍を行なう際には、レイアウトの位置調整の基準となる先の縫製回の刺繍枠1の1枠分に刺繍可能な1乃至複数の刺繍パターンPを囲う矩形領域の右上、右下、左上、左下の四隅に付す枠状の目印点Mも縫製するようにし、前記先の縫製回の刺繍パターンPに付けられた4つの目印点のうち2つの目印点の座標を認識させ、この2つの目印点Mの予め規定された位置関係から刺繍パターンPの傾きを検出し、前記先の縫製回の刺繍パターンPとの関係における所定の位置に、次の縫製回の刺繍レイアウトを構成する他の刺繍パターンPを、検出した傾きを考慮して回転させ、所望の位置に刺繍するものである。
なお、本実施形態においては、前記目印点Mは、刺繍枠1の刺繍可能領域にレイアウトされた刺繍パターンPとの位置関係において、その右側に付された2つの目印点M相互、左側に付された2つの目印点M相互はともにX座標が等しく、また、上側に付された2つの点相互、下側に付された2つの点相互はともにY座標が等しくなるように、前記矩形領域の右上、右下、左上、左下の四隅に配置する。このような4点からなる目印点Mを付すことにより、任意の2点の目印点Mの特定が容易となる。つまり、刺繍パターンPの上下左右、何れの方向に形成された2点の目印点Mをも選ぶことが可能となり、如何様な刺繍レイアウトであっても対応できる。また、作業者が目視確認しながら傾きを微調整するような場合であっても、刺繍パターンPに対して水平または垂直な仮想ラインを容易に想定できるので、傾き具合の把握が簡単になる。
図1は、刺繍枠1への布2のセットを繰り返しながら、刺繍枠1固有の刺繍可能領域を超える領域に、刺繍パターンPを(本実施形態においては縦方向に直線的に)配列させた刺繍レイアウトにおける繋ぎ刺繍を行なう際の流れ(位置合わせ制御を含む)を示すフローチャートである。
作業者は、刺繍枠1へ布2をセットし、その刺繍枠1を刺繍ミシンの刺繍枠保持部材に保持させる(ST1)。この状態で、作業者は刺繍レイアウトを構成するところの前記刺繍枠1の1枠分に収まる刺繍パターンP(図2参照)を1つ、該刺繍ミシンの制御部の記憶手段に記憶された刺繍パターン群から選択し(ST2)、図2に示すように、表示手段3のレイアウト画面4にレイアウトする(ST3)。レイアウト画面4内のレイアウト位置の調整は、表示手段3の画面内に表示されている上下左右と斜め四方向への対象物の移動を可能とする矢印キー(入力キー)5aを操作することで行なうことができる。仮に、前記刺繍枠1の1枠分に複数の刺繍パターンPが収まる場合には、刺繍パターンPの選択(ST2)とレイアウト(ST3)を繰り返し行なう。なお、前記刺繍パターンPの選択方法、レイアウト方法は公知の方法であるのでその説明は省略する。また、前記レイアウト画面4の領域は、刺繍枠1の刺繍可能領域を示す。
前記レイアウトが完了したら、作業者は、表示手段3に表示された目印キー(入力キー)5bを押し下げる(ST4)。
この目印キー5bの押し下げ操作により、制御部の制御手段においては、図3に示すように、レイアウト画面4内にレイアウトされた1乃至複数の刺繍パターンPを包括して囲う矩形領域の右上、右下、左上、左下の四隅にコーナー形状の目印点Mを表示する。なお、本実施形態における目印キー5bは1つを表示し、この押し下げ操作により、レイアウト画面4内にレイアウトされた刺繍パターンPとともに目印点データを読み出して刺繍パターンの周辺部に表示される。
そして、作業者は、レイアウト画面内にレイアウトされた刺繍パターンPと目印点Mを確認した後、表示手段10に表示された確定用のOKキー(入力キー)5cを押し下げ操作する。この押し下げ操作により、前記制御手段は、レイアウト画面4に表示された内容を位置データとして記憶手段に記憶する。そして、この刺繍データに従い、作業者の縫製指令、具体的にはミシン本体に配設された起動スイッチの操作に従い、縫製を行なう(第1手段)(ST5)。
前記刺繍枠1内にレイアウトされた全ての刺繍パターンが、前記先の縫製回の縫製により布2に刺繍パターン模様P1と4つの目印点M1が形成されたら、作業者は、刺繍枠1を刺繍枠保持部材から外し、刺繍枠1から布2を外した後、新たに、図4に示すように、目印点M1の少なくとも2点を含むようにして布2を刺繍枠1にセットし直し、さらに、その刺繍枠1を刺繍枠保持部材に保持させる(ST6)。
そして、本実施形態においては、刺繍枠1内に位置させた前記目印点M1のうち、任意の2つの目印点M1、M1の座標を取得させる(ST7)。
前記目印点M1の座標の取得方法としては、具体的には、表示手段3に前回縫製した刺繍パターンPを自動的に読み出し表示し、又は同一模様を再度選択表示して、表示手段3に表示された矢印キー5aの押し下げ操作により、前記X駆動モータ及びY駆動モータの駆動を制御して前記刺繍枠1をX方向及びY方向へ移動可能に構成する。このとき、刺繍枠1はその中央を刺繍ミシンの針下位置に位置させた状態とし、この刺繍枠1の中央位置を座標取得の基準位置(0,0)として制御手段が認識判断するように構成しておく。そして、前記矢印キー5aを押し分けることによって、座標を取得させる目印点M(コーナー部)を刺繍ミシンの針下位置へ位置させ、その状態で、図5に示すように表示手段3に表示された、右上、右下、左上、左下の4つの座標取得キー(入力キー)5dのうち、該目印点M1に対応する一つの「左下」座標取得キー5dを選んで押し下げ操作する。この押し下げ操作により、制御手段は、取得した座標が、四つの目印点M1の何れの座標を示すものであるかを判断し、選択された目印点M1の座標データを記憶することが可能となる。同じように矢印キー5aと座標取得キー5dの操作により「右下」目印点M1の座標データを記憶する。このようにして、任意の2つの目印点M1の座標データを記憶したら、作業者は、表示手段3のOKキー5cを押し下げ操作し、座標の取得を終了する。
制御手段は、最初に座標取得キーが押し下げ操作された「左下」目印点M1の位置と、次に他の座標取得キーが押し下げ操作された「右下」目印点M1の位置について、前記基準位置からの前記X駆動モータ及びY駆動モータの駆動を管理することにより前記基準位置から移動量、すなわち座標を取得し、取得した2点の目印点M1、M1の座標から2つの目印点を結ぶ線分の傾きを演算しと、この2つの目印点M1、M1を含む前記記憶手段に予め記憶された刺繍パターンデータ中に格納された刺繍パターンPとそれを囲む4つの目印点のそれぞれの位置データに基づいて、刺繍枠1にセットされた刺繍パターンP1と4つの目印点M1の位置と傾きを算出し、算出されたそれぞれの位置と傾き及び座標を取得した2つの目印点の種別データ「左下」「右下」を前記記憶手段に記憶する。即ち前記布に形成された前記目印点のうち、任意の2つの目印点の刺繍枠に対する座標を取得して位置と傾きを演算する(第2手段)(ST8)。
なお、2つの目印点の位置と傾きの演算のみに限らず、刺繍枠内に配置された刺繍パターンと4つの目印点の位置と傾きを演算してもよい。
次に、前記取得し演算した刺繍枠に対する「左下」「右下」の2つの目印点の位置と傾きデータから、表示手段のレイアウト画面4に対する「左下」「右下」目印点の表示位置と傾きを演算し、前記記憶手段に記憶された刺繍パターンPと4つの目印点Mのイメージ画像を読み出して、イメージ画像の「左下」「右下」の2つの目印点の位置と傾きが前記演算した表示画面に表示される2つの目印点の位置と傾きになるようにイメージ画像全体の位置と傾きをを変換して、表示手段3のレイアウト画面4内に刺繍パターンP2と4つの目印点M2を表示する。
即ち前記取得演算した2つの目印点の位置と傾きに対応して前記表示手段に表示する前記2つの目印点が表示されるように縫製された刺繍パターンP2と4つの目印点M2を表示する(第3手段)(ST9)。このとき、座標を取得した2個の目印点を他の目印点と比べて強調して表示する。又は座標を取得した2個の目印点のみを表示する。
例えば、左下と右下の2つの目印点M1の座標が取得された場合には、図6に示すように、この2つの目印点M2の座標に基づいたイメージ画像が表示され、他の目印点は表示エリアから外れるため表示されない。また、右上と右下の2つの目印点M1の座標が取得された場合には、図7に示すように、この2点の目印点M2の座標に基づいたイメージ画像が表示され、他の目印点は表示エリアから外れるため表示されない。
以下、左下と右下の2点の目印点M1の座標が取得され、図6に示す刺繍パターンP2と目印点M2のイメージ画像で確定されたものとして説明する。
続いて、作業者は、図2、図3に示す先の操作と同様に、刺繍レイアウトを構成する前記刺繍枠1の1枠分に収まる次の新たな刺繍パターンP3を該刺繍ミシンの記憶手段に記憶された刺繍パターン群から選択し(ST10)、表示手段3のレイアウト画面4に刺繍パターンP3をレイアウト表示し(ST11)し、表示手段3に表示された目印キー5bを押し下げる(ST12)。
これにより、前記制御手段においては、図8に示すような、先に縫製された刺繍パターンP2と目印点M2のイメージ画像(便宜上、破線で表示(図9も同様))の他、新たにレイアウトされた1乃至複数の刺繍パターンP3と目印点M3を、表示手段10のレイアウト画面4内に表示するとともに、表示手段10に繋ぎ調整用の入力キー5を表示する。なお、今回の刺繍枠1にレイアウトされた新たな刺繍パターンP3の縫製が最後であって刺繍レイアウトが完成する等、以降に実行する縫製との関係において目印点Mを付与する必要がない場合には、この目印キー5bの押し下げ操作を省略してもよい。
作業者は、繋ぎ調節用の入力キー5としての繋ぎ回転キー5eを押し下げる。この繋ぎ回転キー5eの押し下げ操作により、制御手段は、図9に示すように、先に点線で示す縫製された刺繍パターンP2と目印点M2のうち、前記第2手段で取得した「左下」「右下」の2つの目印点の位置と傾きに対応した傾き(回転)と位置に実線で示す新たに選択された刺繍パターンP3と目印点M3を前記表示手段に繋ぎ表示する(第4手段) (ST13)。
即ち、制御手段は、前記記憶手段に記憶された先に縫製された刺繍パターンP2として取得した2つの左下目印点M2A,右下目印点M2Bの位置と傾きを読み出す。
次に新たに選択された刺繍パターンP3と4つの目印点の画像データを記憶手段から読み出して、前記先に縫製された刺繍パターンP2から取得した2つの目印点左下M2A,右下M2Bに対応する新たな2つの目印点左上M3A,右上M3Bを特定する。もし、取得した2つの目印点が右上、右下であれば対応する新たな2つの目印点は左上,左下が特定される。また、取得した2つの目印点が左上、右上であれば対応する新たな2つの目印点は左下,右下が特定される。また、取得した2つの目印点が左上、左下であれば対応する新たな2つの目印点は右上,右下が特定される。
そして、前記取得した2つの目印点左下M1,右下M2の表示位置を基準として、2つの目印点左下M1,右下M2を結ぶ線分の傾きに直交する方向Fに所定距離離間する位置に、上記特定された新たな2つの目印点左上M3A,右上M3Bが平行に配置されるように表示するように、新たに選択された刺繍パターンP3と4つの目印点M3のイメージ画像全体の位置と傾きを変換して、表示手段3のレイアウト画面4内に刺繍パターンP3と4つの目印点M3を表示する。
なお、上記特定された新たな2つの目印点左上M3,右上M4が、前記取得した2つの目印点左下M1,右下M2に重なる位置に表示されるように、新たな刺繍パターンP3と4つの目印点M3のイメージ画像全体の位置と傾きを変換して、表示手段3のレイアウト画面4内に刺繍パターンP3と4つの目印点M3を表示してもよい。
このとき、必要な場合には、作業者はさらに、表示手段10に表示された回転角度調節キー5fを選んで複数回押し下げ操作することで、新たにレイアウトされた1乃至複数の刺繍パターンP3と目印点の傾きを1度または十数度ずつ時計方向、又は反時計方向の任意の回転方向に回転表示して調整することができるようにしてもよい。
そして、作業者は、レイアウト画面4内にレイアウトされた新たな刺繍パターンP3と目印点M3を確認した後、表示手段10に表示されたOKキー5cを押し下げ操作して縫製画面に表示変更する。縫製画面において起動スイッチの操作により、制御手段は、繋ぎ刺繍のためにレイアウト画面4に表示された、新たな刺繍パターンP3及び目印点M3の前記位置と傾きを、刺繍枠に対する位置と傾きに変換して、記憶手段から読み出した刺繍データをこの変換した刺繍枠に対する位置と傾きにより補正して、縫い目形成手段を作動して刺繍縫いを行なう(第5手段)(ST14)。
縫製後、刺繍レイアウトを構成する全刺繍パターンPの縫製が完了した場合には、該繋ぎ刺繍を完了させる。また、さらに繋ぐ刺繍パターンPがある場合には、再び、前述のST6へ戻り、ST6の工程からの作業を繰り返し行なう(ST15)。
その場合、刺繍枠1にセットされる少なくとも2つの目印点Mは、同一の1乃至複数の刺繍パターンPに対して付された目印点Mとする。なお、縫製された目印点Mは、刺繍レイアウトの縫製完了後に解く。
また、入力キー操作等において操作ミスがあった場合のやり直しを可能とするべく、前記表示手段3に1つ前の操作に戻ることを支持可能な入力キー5(例えば、「戻るキー」あるいは「キャンセルキー」)を表示し、操作可能とするとよい。
このように、繋ぎ刺繍を行なう場合に前述のように構成され、制御される刺繍ミシンを用いることで、刺繍枠1に布2をセットする際に布2の傾きを整える必要がなくなり、新たに縫製する刺繍パターンPは縫製済みの刺繍パターンPの傾きに合わせた作成された刺繍データに基づいて縫製されるので、作業者の負担は軽減され、しかも、繋ぎ刺繍に関する仕上がり状態は良好なものとなる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、前記目印点Mは前記矩形領域の4隅の4点に限らず、本実施形態のように、先の刺繍パターンPの下側に配列するような場合には、刺繍パターンPに対し下側に平行配置された2点の目印点M(矩形領域でいうところの右下と左下の2点)のみを形成するようにしてもよい。
さらにこの目印点を刺繍パターンを囲む正三角形の頂点位置に目印点を配置したものと、目印点を刺繍パターンを囲む逆三角形の頂点位置に目印点を配置したものを交互に利用すれば複数の刺繍パターンを三角形状に次々と際限なく繋ぎ合わせることができる。或いは目印点を刺繍パターンに対して台形状に配置すれば複数の刺繍パターンを円弧状に繋ぎ合わせることができる。
さらに、図8に示す繋ぎ回転キー5C、回転角度調節キー5fは目印点の位置と刺繍パターンとを一体にして回転するものであったが、目印点の位置を移動せずに刺繍パターンのみを1操作ごとに任意角度(1度単位、又は45度単位、又は90度単位)に回転させる向き入力キーを備えれば、次に縫製する刺繍パタ−ンを先に縫製した刺繍パターンに対応した配置位置に維持した状態で、次に縫製する刺繍パタ−ンの向きを任意の方向に変更して繋ぎ合わせることが可能になる。
本発明の実施形態における刺繍ミシンにより繋ぎ刺繍を行なう際の流れ(位置合わせ制御を含む)を示すフローチャート 本実施形態の刺繍ミシンの表示手段におけるレイアウト画面に刺繍パターンをレイアウトした状態を示す説明図 図2のレイアウト画面の刺繍パターンに目印点が付された状態を示す説明図 先の縫製回の縫製終了後、次の縫製回の縫製に備え、目印点2点を含むように刺繍枠をセットした状態を示す説明図 目印点2点の座標を取得する際の表示手段の画面を示す説明図 刺繍パターンの左下と右下の目印点2点の座標を取得した後の表示手段の画面を示す説明図 刺繍パターンの右上と右下の目印点2点の座標を取得した後の表示手段の画面を示す説明図 レイアウト画面に次の縫製回における刺繍パターンをレイアウトした状態を示す説明図 次の縫製回における刺繍パターンを布の傾きに合わせて回転させて傾きを調整した状態を示す説明図
符号の説明
1 刺繍枠
2 布
3 表示手段
4 レイアウト画面
5 入力キー
5a 矢印キー
5b 目印キー
5c OKキー
5e 繋ぎ回転キー
5f 回転角度調節キー
M 目印点
P 刺繍パターン

Claims (5)

  1. 針の上下動に同期して、布を保持した刺繍枠をXY方向に移動することで布に縫い目を形成する縫い目形成手段と、
    複数の刺繍パターンに対応する刺繍データを記憶した記憶手段と、
    任意に選択された刺繍パターンを表示する表示手段と、
    選択された刺繍データに基づいて前記縫い目形成手段を制御する制御手段と
    を備えた刺繍ミシンにおいて、
    前記記憶手段に記憶された刺繍データは、刺繍パターンに対応する刺繍データと、前記刺繍パターンに対応する2つ以上の所定の位置に目印点を縫いつける目印点データとから構成され、
    前記制御手段は、
    この刺繍データに基づいて縫い目形成手段を駆動して刺繍パターン及び目印点を布に形成する第1手段と、
    前記布に形成された前記目印点のうち、任意の2つの目印点の刺繍枠に対する座標を取得して、刺繍枠内に配置された目印点の位置と傾きを演算する第2手段と、
    前記第2手段で演算した目印点の位置と傾きに対応して前記表示手段に縫製された刺繍パターンと目印点を表示する第3手段と、
    前記第2手段で演算した目印点の位置と傾きに対応して、新たな刺繍パターンを繋ぎ表示するために新たな刺繍パターンの目印点を特定してその位置と傾きを演算して、この演算された位置に新たな刺繍パターンの目印点が配置されるように新たな刺繍パターンと目印点を前記表示手段に表示する第4手段と、
    前記表示された新たな刺繍パターンと目印点の位置と傾きに対応して前記縫い目形成手段を作動して縫製する第5手段と、
    を備えたことを特徴とする刺繍ミシン。
  2. 前記第4手段において新たな刺繍パターンの目印点を表示せず、第5手段において新たな刺繍パターンの目印点を縫製しないことを特徴とする請求項1に記載の刺繍ミシン。
  3. 前記記憶手段に記憶された複数の刺繍データの目印点は、刺繍パターンを囲む矩形領域の四隅に付したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の刺繍ミシン。
  4. 前記第2手段において、座標を取得する目印点が、刺繍パターンを囲む複数の目印点のうちの何れのものであるかを入力する座標取得キーを備えたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の刺繍ミシン。
  5. 前記第3手段において、取得した目印点に対応した位置に配置する新たな刺繍パターンの向きを変更して、新たな刺繍パターンの目印点の向きは変更しない向き入力キーを備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の刺繍ミシン。
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