JP2009219432A - 樹木の地下支柱 - Google Patents

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良彦 足立
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Abstract

【課題】中高木樹の植栽において植栽場所の地盤の状況を問わず、植付後の植樹の傾斜や倒伏をしないよう固定させる支持具で、しかも樹木の活着成長を促進し、作業工程が単純簡易で、最も廉価な、景観上最良安全な地下に埋設する安定度の高い支柱を提供する。
【解決手段】数年以内に腐蝕する鉄などの硬質材で網状に構成された平面材1と、掘りあげて結束された樹木の底部が全面又は網目に開放された根鉢2を前記平面材1の上に配置し、その根鉢2の周囲を紐状体3により前記平面材1に巻き付け固定されたものを、覆うように覆土された埴土4からなる。更に好ましくは、平面材1の網目のサイズは3cm以上〜15cm以下とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、造園工事において、中・高木植栽樹に好適な樹木の地下支柱に関する。
従来は樹木を植栽した場合、その樹木の活着と成長を促進するため、木の丸太や金属のパイプ等により樹木の幹を立体形の支柱によって支持していた。この様な、立体形の地上支柱は、鳥居形や八つ掛形で、樹木の幹の周囲に組むので外観が悪く、また通行の邪魔になる等の欠点がある。
そこで特開平8−103180号公報では、根鉢を一旦覆って、根鉢の上方の幹周辺に緊締環を設け、グレーチング板と緊締環とを固定ベルトで連結して樹木を支えることが提案されている。
特開平8−103180号公報
しかしながら、根鉢を覆ってしまうことや根鉢の周囲に緊締環を設けることは樹木の成長を阻害することになるし、グレーチング板や緊締環や固定ベルトは、樹木を丈夫に支えようとすればするほど金属とかプラスチックなどの腐触しにくい材料を使うことになるので、いつまでも埴土中に残存し、樹木の自立や安定性を損なうことになった。
本発明は上記の点を考慮してなされたもので、数年以内に腐蝕し易い鉄などの硬質材で網状に構成された平面材と、掘りあげて結束された樹木の底部が全面又は網目に開放された根鉢を前記平面材の上に配置しその樹木の根鉢の周囲を紐状体により前記平面材に巻きつけ固定されたものを、覆うように覆土された埴土からなる。更に好ましくは平面材の網目のサイズは、3cm以上15cm以下とし、平面材を構成する前記硬質材は腐蝕し易い鉄などの金属、木材などとし、さらには樹木の根鉢は前記平面材と接する底部が全面又は網目状に開放する。
これにより、平面材は埴土を被せた基礎(素地土壌とか屋上植栽の場合のコンクリート地盤など)のごく近傍に位置することが出来、樹木は平面材と埴土によって実質的に支えられ、比較的近い年月で埴土に根を張ることができ、しかも平面材や紐状体はいずれ腐蝕して土壌中に同化するので、早期に自立した植樹をすることができる。
平面材は、数年以内に腐蝕する硬質材で、細い腐蝕し易い鉄などの金属、木材などからなり、網目が3cm以上〜15cm以下となるように網状に構成する。植栽のため堀あげた樹木は藁、筵、ロン帯、縄などで予め根巻きされているが、好ましくは、根鉢底部は全面又は網目状に開放して、根が伸びやすくしておくほうが良い。植栽樹の大きさに合った網目状平面材を予め組んで作成し、根鉢をその網状の平面材の上に配置する。そしてその樹木の根鉢を平面材に固定するために紐状体を根鉢の周囲に巻き付け結束する。埴土は少なくとも樹木の根鉢部分と前記平面材を覆うように覆土する。
以下、より詳細に実施例に基づいて説明する。
図1、2を用いて本発明実施例を説明する。中・高木植栽樹を、硬質材11(鉄などの金属、木材等)の網状構造の平面材1に植栽樹の根鉢2を結縛し、根鉢2の深さまで埴土4を盛り、覆土4の重みで、中・高木植栽樹の傾斜、倒伏を防ぎ、樹木の安定をはかる。網状平面材1を構成する硬質材11の材質は鉄などの金属、木材等の硬質材で湾曲し難いもの3〜5年ほど硬度と形態が保持出来て、徐々に腐蝕するものが用いられる。その後は旺盛な根張りで植栽樹が安定し自立できる。メッシュの形状は四角、長方形、梯形、六角、八角、円形、不整形のいずれでも良い。
網目の大きさは、樹木の成長肥大を考え、3cm〜15cmが適当である。これより小さいと根の発育を阻害し、大きいと植栽樹の安定が悪くなる。網状平面材支柱の大きさは植栽樹の大きさ、風当たり状況等によって判断し、決定するのでそれぞれ異なる。目安としては樹高(H)3mの高木で1mとしたい。硬質材の太さは樹高3mの高木で金属の場合6mmを目安とし、根鉢1m以上の巨木でも最高15mmまでとする。なお金属の硬質材を使用する場合、ステンレスなどの腐蝕し難い金属は使用しない。
平面支柱の厚みが小さいため、二重、三重に支柱が重なる部分が出来ても、かえって、強固になり、安定度を強めることになる。平面材支柱に根鉢を結束する紐状帯は、3〜5年位で腐蝕可能な材質で、平面材に巻き通して固定しても切れない程度の太さの材料で、平面材に4箇所結束し、平面材支柱の上を滑らないように結わえる。その上に覆土と根締めの実施で植樹が安定するので更に滑らないように固定される。 根鉢の強固な緊締は、根張りを阻害し、活着を遅延させるので、樹木の生育上好ましく無く、出来れば避けるべきである。
本発明を使用することにより、樹木の根張り活着生育に最良であり、中高木樹植栽の支持安定と固定効果が大きい。平面材のバーの直径と平面材の面積は、植樹の安定が図れる最小の大きさとすることにより、軽量化と加工の便利さを確保する。これにより重量のある材料の設置が困難な場所、土壌が少量で狭隘な場所にも効率よく樹木を植栽することが可能となる。支柱の軽量化と加工の安易さにより設置の作業効率が高く、経費的にも大幅にコストの低減を図ることが出来る。加えて地上部に支柱が露出しないため、通行の障害にもならないし、景観上最良の形態である。
本発明により、樹木が自然の状態に育成する、すなわち自立の早い植樹が行われる。
本発明の斜視図である。 本発明の正面図である。
符号の説明
1.平面材
2.根鉢
3.紐状体
4.埴土(覆土)
11.硬質材

Claims (4)

  1. 数年以内に腐蝕する硬質材で網状に構成された平面材と、掘りあげて結束された樹木の根鉢を前記平面材の上に配置し、その樹木の根鉢の周囲を前記平面材に巻きつけ固定する紐状体と、樹木の根鉢を紐状体と共に覆うように覆土された埴土からなる樹木の地下支柱。
  2. 前記平面材の網目は3cm以上15cm以下であることを特徴とする前記請求項1記載の樹木の地下支柱。
  3. 前記平面材を構成する前記硬質材は腐蝕し易い鉄などの金属、木材などからなることを特徴とする前記請求項1記載の樹木の地下支柱。
  4. 前記樹木の根鉢は前記平面材と接する底部が全面又は網目状に開放されているこ
    とを特徴とする前記請求項1記載の樹木の地下支柱。
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