JP2009219323A - 振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法 - Google Patents

振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009219323A
JP2009219323A JP2008063213A JP2008063213A JP2009219323A JP 2009219323 A JP2009219323 A JP 2009219323A JP 2008063213 A JP2008063213 A JP 2008063213A JP 2008063213 A JP2008063213 A JP 2008063213A JP 2009219323 A JP2009219323 A JP 2009219323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
sacrificial layer
vibration actuator
forming
swinging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008063213A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
Masaaki Tanabe
正章 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2008063213A priority Critical patent/JP2009219323A/ja
Publication of JP2009219323A publication Critical patent/JP2009219323A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】凸部と凹部との嵌り合いにより、ロータが挿抜不能に組付けされる振れ回り部を、一体で成形できる振動アクチュエータの製造方法を提供する。
【解決手段】ロータ140を準備するロータ準備工程と、ロータ140の外周部143における振れ回り部120から覆われる領域を覆う犠牲層202を形成する犠牲層形成工程と、犠牲層202を覆う振れ回り部120を一体で形成する振れ回り部形成工程と、犠牲層202をロータ140と振れ回り部120との間から除去する犠牲層除去工程とを実施する。
【選択図】図7

Description

本発明は、振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法に関する。本発明は、特に、振れ回り部によりロータを回転させる振動アクチュエータの製造方法、及び、軸体が被挿通体に挿通された組付体の製造方法に関する。
駆動部としての複数の電気機械変換素子が周囲に配された筒状体である振れ回り部としてのステータと、当該ステータに挿通された回転軸としてのロータとを備える振動アクチュエータとしての超音波モータが知られている(例えば、特許文献1参照)。この振動アクチュエータでは、電気機械変換素子がステータに発生させる振れ回り運動によりロータが回転される。
他の超音波モータとして、複数の周回突条を有する回転子と、当該回転子の周回突条を収容する複数の周回溝を有する軸受部材と、回転子の軸方向の一端を振動させる固定子を用いる形態がある(例えば、特許文献2を参照)。
特表2007−505599号公報 特開2005−354775号公報
上記振動アクチュエータでは、ロータの外周部にネジ山が形成され、ステータの内周部に上記ネジ山と嵌り合うネジ溝が形成されており、これらの当接部において、ステータからロータへ振動が伝達され、ネジ山がネジ溝に対して摺動する。ここで、上記振動アクチュエータでは、ロータとステータとが螺合していることにより、ロータをステータに対して挿抜できる。従って、一体で形成されたステータに対して、ロータを組み付けることができる。
しかしながら、引用文献2に記載の超音波モータにおいて、回転子の外周部及び軸受部材の内周部に形成され互いに嵌り合う凸部と凹部とにより、回転子がその軸方向へ移動不能にされているので、周方向へ複数に分割した軸受部品を、当該回転子を囲うように配してから互いに結合することにより、軸受部材を形成する。これにより、部品点数の増加、組立工数の増加といった問題が生じる。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態における振動アクチュエータの製造方法は、回転軸周りに回転するロータと、前記ロータと同軸に配されて前記ロータを回転軸周りに覆う筒型の振れ回り部と、前記振れ回り部を振れ回り運動させる駆動部と、を備え、前記ロータの回転軸周りに摺動可能に嵌り合う円環状且つ無端状の凸部及び凹部の何れか一方を、前記ロータの外周部に備え、他方を前記振れ回り部の内周部に有し、振れ回り部材の凸部及び凹部の他方が振れ回ることによりロータの凸部及び凹部の一方に摺動してロータを回転駆動する振動アクチュエータを製造する製造方法であって、前記ロータを準備するロータ準備工程と、前記ロータの外周部における前記振れ回り部から覆われる領域を覆う犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、前記犠牲層を覆う前記振れ回り部を一体で形成する振れ回り部形成工程と、前記犠牲層を前記ロータと前記振れ回り部との間から除去する犠牲層除去工程とを備える。
前記振れ回り部形成工程は、鍍金により前記振れ回り部を形成する工程を含んでもよい。また、前記振れ回り部形成工程は、金型内に前記犠牲層を有する前記ロータを配して前記金型に前記振れ回り部の材料を注入することにより前記振れ回り部を成型する工程を含んでもよい。前記犠牲層形成工程は、鍍金により前記犠牲層を形成する工程を含んでもよい。また、前記犠牲層形成工程は、金型内に前記ロータを配して前記金型に前記犠牲層の材料を注入することにより前記犠牲層を成型する工程を含んでもよい。さらに、前記振れ回り部の振れ回り運動の節位置における前記犠牲層の膜厚を、前記振れ回り運動の腹位置における前記犠牲層の膜厚より大きくしてもよい。
本発明の第2の形態における組付体の製造方法は、軸体と、前記軸体が挿抜不能に挿通された被挿通体とを備える組付体の製造方法であって、前記軸体を準備する軸体準備工程と、前記軸体の外周部における前記被挿通体から覆われる領域を覆う犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、前記犠牲層を覆う前記被挿通体を一体で形成する被挿通体形成工程と、前記犠牲層を前記軸体と前記被挿通体との間から除去する犠牲層除去工程とを備える。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて得られる振動アクチュエータ100について説明する。図1は、本実施形態に係る振動アクチュエータ100の分解斜視図を示す。また、図2は、振動アクチュエータ100の斜視図を示す。さらに、図3は、振動アクチュエータ100を、ロータ140の軸方向と直交する方向(以下、径方向という)から見た断面図を示す。
なお、説明の便宜上、ロータ140の軸方向における駆動出力側を出力側、その反対側を非出力側と記載する。また、ロータ140の径方向から見た断面を縦断面、ロータ140の軸方向から見た断面を平断面と記載する。
図1から図3までに示すように、振動アクチュエータ100は、ロータ140と、振れ回り部120と、駆動部130とを備えている。ロータ140は、回転軸周りに回転して動力を出力する。
振れ回り部120は、平断面形状が円状の内周部121を有する筒型とされている。振れ回り部120内には、ロータ140が回転軸の周りに摺動可能に挿通されている。また、振れ回り部120は、ロータ140と同軸に配されている。振れ回り部120の軸方向両端部は、保持部180により固定保持されている。駆動部130は、振れ回り部120に、軸心がロータ140の回転軸の周りに回転するように湾曲する運動、即ち、振れ回り運動をさせる。
ロータ140の外周部143における軸方向両端側と振れ回り部120の内周部121における軸方向両端側との間には、微小なクリアランスが確保されている。ロータ140の外周部143の軸方向中央部には、回転軸の周りに延びる円環状且つ無端状の複数の凸部152が、軸方向に沿って複数連続して形成されている。一方、振れ回り部120の内周部121の軸方向中央部には、回転軸の周りに延びる円環状且つ無端状の複数の凹部154が、軸方向に沿って複数連続して形成されており、凸部152と凹部154とが嵌り合っている。これにより、ロータ140は、振れ回り部120に対して挿入・抜き出し不能となる。
ここで、凸部152と凹部154との「嵌り合い」には、ロータ140の軸方向及び径方向にあそびがある状態での嵌り合い、いわゆる「遊嵌」が含まれる。なお、凸部152を振れ回り部120の内周部121に設け、凹部154をロータ140の外周部143に設けてもよい。
以下、本実施形態に係る振動アクチュエータ100の構成について詳細に説明する。図1から図3までに示すように、振れ回り部120は、弾性変形可能な種々の金属材料、樹脂材料、セラミックス材料等により、ロータ140の軸方向を長手方向とする円筒形状に形成されている。なお、振れ回り部120の外形は矩形柱状などの他の形状であってもよい。
ロータ140は円柱形状に形成されており、ロータ140の出力側の端部には、平断面形状が矩形状のギア結合部146が形成されている。ギア結合部146は、振れ回り部120から出力側へ突出している。
ロータ140の出力側の端部には、出力ギア170が配されている。出力ギア170の軸心には、ギア結合部146と嵌合可能な矩形状の軸孔172が形成されている。出力ギア170は、ギア結合部146と軸孔172とが嵌合した状態でロータ140と一体的に回転する。
振れ回り部120の外周部123には、駆動部130が配されている。駆動部130は、振れ回り部120の周方向に沿って配された複数枚(本実施形態においては3枚)の電気機械変換素子132、134、136を備えている。電気機械変換素子132、134、136は、振れ回り部120の軸方向を長手方向とする矩形板状体であり、それぞれ、振れ回り部120の外周部123に接着等により取り付けられている。電気機械変換素子132、134、136には、図示しない電極が設けられている。電気機械変換素子132、134、136は、図示しない電源部から上記電極を介して駆動電圧を印加される。
また、電気機械変換素子132、134、136は、駆動電圧を印加された場合に伸張する圧電材料を含んでいる。具体的には、チタン酸チタン酸ジルコン酸鉛、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の圧電材料を含んでいる。
なお、多くの圧電材料は脆いので、りん青銅等の高弾性金属材料で補強することが好ましい。あるいは、振れ回り部120自体を担体にして、振れ回り部120の外周部123に圧電材料層を形成することにより、電気機械変換素子132、134、136を形成してもよい。また、上記電極は、ニッケル、金等の電極材料を、鍍金、スパッタ、蒸着、厚膜印刷等の方法で、圧電材料の表面に直接に形成される。
各凸部152はそれぞれ縦断面がV字状になるように形成されている。これにより、ロータ140の外周部143の軸方向中央部には、ロータ140の軸方向に連続する複数の凸部152により、V字状の凸凹が繰り返される、所謂鋸歯形状が形成されている。
また、各凹部154は、それぞれ縦断面形状が凸部152と相似形の断面V字状に形成されている。これにより、振れ回り部120の内周部121の軸方向中央部には、ロータ140の軸方向に連続する複数の凹部154により、V字状の凸凹が繰り返される、所謂鋸歯形状が形成されている。なお、本実施形態では、凸部152及び凹部154を鋸歯形状としたが、波形状等の他の凸凹形状としてもよい。
上述したように、凸部152と凹部154とは遊嵌状態で嵌り合っている。また、凸部152には、ロータ140の径方向外方へ向けて互いに近接し合う一対の傾斜面151、153が存する。一方、凹部154には、振れ回り部120の径方向外方へ向けて互いに近接し合う一対の傾斜面155、157が存する。傾斜面151、155は、出力側に配されており、傾斜面153、157は、非出力側に配されている。ロータ140が出力側へ付勢された場合には、傾斜面151と傾斜面155とが当接する一方、ロータ140が非出力側へ付勢された場合には、傾斜面153と傾斜面157とが当接する。
ロータ140の非出力側には、軸受プレート160が配されている。この軸受プレート160は、ロータ140の非出力側端部を回転自在に支持している。また、軸受プレート160と振れ回り部120の非出力側端部との間には、付勢部材としての引張コイルバネ162が配されている。
引張コイルバネ162の軸方向一端部は、軸受プレート160の振れ回り部120と対向する面に取り付けられている。引張コイルバネ162の軸方向他端部は、振れ回り部120の非出力側の端面に取り付けられている。また、引張コイルバネ162は、弾性伸張している。これにより、軸受プレート160は、引張コイルバネ162により振れ回り部120側へ付勢されており、以って、凸部152の傾斜面151が凹部154の傾斜面155に圧接されている。
このため、ロータ140が回転するときには、傾斜面151が傾斜面155に対して相対的に摺動する。即ち、傾斜面151と傾斜面155とにより、摺動部159が形成されている。なお、本実施形態では、引張コイルバネ162の弾性伸張力によりロータ140を振れ回り部120側へ付勢したが、圧縮コイルバネの弾性収縮力によりロータ140を振れ回り部120側へ付勢してもよい。また、ロータ140を振れ回り部120側へ付勢する付勢部材を設けることは必須ではなく、例えば、出力ギア170をはすば歯車として、出力ギア170が発生するスラスト力により、ロータ140が振れ回り部120側へ付勢されるようにしてもよい。
図4は、図3の4−4断面図を示す。この図に示すように、振れ回り部120の外周部123の軸方向両端部には、保持部180が嵌められている。保持部180は、一対のブラケット182を備えている。ブラケット182は、半円板状の締付部183と、締付部183の両端を締付部183の外周側へ屈曲した一対のフランジ部185とを備えている。一対のブラケット182は、ロータ140の回転軸に対して対称に配されており、一方のブラケット182のフランジ部185と、他方のブラケット182のフランジ部185とが、対向している。
フランジ部185には、ネジ挿通孔が形成されており、対向した二対のフランジ部185を、振動アクチュエータ100を駆動源とする被駆動部における取付部(図示省略)を挟み込んだ状態で締結される。また、この状態で、一対の締付部183は、振れ回り部120の軸方向両端部を締付ける。これにより、振れ回り部120の軸方向両端部が当該被駆動部における取付部に固定保持される。
次に、振動アクチュエータ100における作用について説明する。図5(A)、(B)には、振動アクチュエータ100の駆動状態における振れ回り部120の振れ回り運動を説明する概念図が示されている。振動アクチュエータ100の駆動状態では、電気機械変換素子132、134、136に対して、順次2π/3遅れた位相の交流電圧が印加される。
ここで、電気機械変換素子132、134、136の一の電気機械変換素子に正の駆動電圧が印加されたときに、残りの二つの電気機械変換素子に負の駆動電圧が印加される。これにより、当該一の電気機械変換素子が伸張して残りの二つの電気機械変換素子が収縮する動作が起こる。そして、正の駆動電圧が印加される電気機械変換素子が、振れ回り部120の周方向に沿った一方向へシフトしていき、また、それに合わせて、負の駆動電圧が印加される二つの電気機械変換素子も、正の駆動電圧の印加のシフト方向と同方向にシフトしていくことにより、上記動作が、振れ回り部120の周方向へシフトしていく。
また、振れ回り部120の軸方向両端部は、前記したように、保持部180により固定保持されている。このため、図5(B)に示すように、振れ回り部120の軸方向中央部が、ロータ140周りに円運動する。即ち、振れ回り部120全体に、軸方向中央部を腹X、軸方向両端部を節Yとする振れ回り運動が生じる。そして、振れ回り部120の振れ回り運動によって、摺動部159において傾斜面155が傾斜面151に対して摺動することによって、当該振れ回り運動がロータ140に伝達されることにより、ロータ140が回転され、出力ギア170を介して動力が出力される。
ここで、本実施形態では、ロータ140の回転軸周りに1周する摺動部159を設けたことにより、ロータ140と振れ回り部120とが周方向の一部で摺動する場合と比較して、ロータ140と振れ回り部120との摺動面積を効率良く増やすことができる。よって、振動アクチュエータ100が小型だとしても、ロータ140と振れ回り部120との摺動面積を同等のサイズの物と比較して大きくすることができる。従って、同等のサイズの振動アクチュエータと比較して高トルクを発生させることができる。また、引張コイルバネ162の与圧により当接しているのが摺動部159であって、同じ摺動部159によって駆動力が伝達されるので、与圧による当接部分と駆動力の伝達のために当接する部分とが別個である場合に比べて、効率的にロータ140を回転駆動することができる。さらに、ロータ140を囲う振れ回り部120を当該振れ回り部120の外周から電気機械変換素子134によって駆動しているので、電気機械変換素子134がロータ140の軸方向の一端に配される場合に比べて、装置全体を小型化することができる。
なお、本実施形態では、凸部152及び凹部154を、振れ回り部120で発生する振動の腹Xの位置、即ち、ロータ140及び振れ回り部120の軸方向中央部に配したが、図6に示すように、振れ回り部120の内周部121の軸方向における全体に配してもよい。この場合には、ロータ140と振れ回り部120との摺動面積をより一層増やすことができ、発生するトルクをより一層高くすることができる。
次に、振動アクチュエータ100の製造方法について説明する。図7から図9には、振動アクチュエータ100の製造方法を説明するための概略図を示している。これらの図に示すように、本製造方法は、図7(A)に示すロータ準備工程と、図7(B)に示す犠牲層形成工程と、図7(C)及び図9(A)、(B)に示す振れ回り部形成工程と、図9(C)に示す犠牲層除去工程を備えている。
図7(A)に示すように、本製造方法では、まず、ロータ準備工程において、ロータ140を準備する。ロータ140は、切削加工、電気鋳造等の種々の成形方法により形成する。なお、ロータ140の材料としては、ステンレス、黄銅等が挙げられる。
図7(B)に示すように、犠牲層形成工程では、ロータ140の外周部143における振れ回り部120により覆われる領域に、犠牲層202を成膜する。犠牲層202は、電界鍍金、スプレー塗布法等の種々の成膜方法により形成する。あるいは、犠牲層202は、ロータ140を金型に嵌め込んで金型に材料を流し込むことにより成型する。その場合の成型方法としては、射出成型等が挙げられる。なお、犠牲層202の材料としては、導電性ポリエチレン等が挙げられる。
図7(C)に示すように、振れ回り部形成工程では、前工程として、中間成形体形成工程を実施する。中間成形体形成工程では、ロータ140の外周部を覆う犠牲層202を覆う中間成形体204を形成する。中間成形体204は、厚肉の鍍金を形成する電気鋳造等の種々の方法により、最終成形体としての振れ回り部120より肉厚に形成する。なお、中間成形体204の材料としては、ニッケル、銅等が挙げられる。
ここで、犠牲層除去工程では、図8(A)に示すように、上述した振れ回り部120の振れ回り運動の節Yに相当する位置における犠牲層202の膜厚D1を、腹Xに相当する位置における犠牲層202の膜厚D2より大きくする。これにより、図8(B)に示すように、節Yに相当する位置におけるロータ140と振れ回り部120との間隔D1が、腹Xに相当する位置におけるロータ140と振れ回り部120との間隔D2、即ち凸部152と凹部154との間隔D2よりも広くなる。なお、間隔D1、D2は、ロータ140の軸心と振れ回り部120の軸心とを一致させた状態での値とする。従って、振れ回り部120が振れ回り運動するときに、振れ回り部120とロータ140とが、節Yよりも腹Xにおいて当接し易くなるので、振れ回り部120からロータ140へ効率よく振動を伝達でき、以って、ロータ140からの出力をより一層効率的に高めることができる。
図9(A)、(B)に示すように、振れ回り部形成工程では、後工程として、最終成形体形成工程を実施する。最終成形体形成工程では、図9(A)に示すように、中間成形体204の外周部に機械加工等を施すことにより、中間成形体204の外周部の形状及び寸法を、最終成形体としての振れ回り部120の外周部123と同じ形状及び同じ寸法に仕上げる。次に、図9(B)に示すように、中間成形体204の軸方向両端部に機械加工を施すことにより、中間成形体204の軸方向両端部の形状及び中間成形体204の軸方向の寸法を、振れ回り部120の軸方向両端部と同じ形状及び振れ回り部120と同じ軸方向の寸法に仕上げる。
これにより、最終成形体としての振れ回り部120が形成される。なお、振れ回り部120の材料としては、ハンダ等の低融点金属、導電性ポリエチレン等の有機導電性化合物等が挙げられる。
ここで、振れ回り部形成工程では、振れ回り部120を型成型により形成してもよい。その場合には、犠牲層202が被覆されたロータ140を、金型に嵌め込んで金型に材料を注入することにより成型する。その場合の成型方法としては、犠牲層形成工程と同様に、射出成型等が挙げられる。
図9(C)に示すように、犠牲層除去工程では、犠牲層202をロータ140と振れ回り部120との間から除去する。犠牲層202が低融点金属により形成されている場合には、加熱することにより犠牲層202を溶融させる。そして、溶融した金属を吸引することにより除去する。また、犠牲層202が有機導電性化合物により形成されている場合には、プラズマアッシング装置を用いる。即ち、酸素プラズマにより有機導電性化合物を燃焼させることにより、犠牲層202を除去する。
また、犠牲層202を溶剤により溶融させて溶融した材料を吸引する方法も採用できる。例えば、犠牲層202が導電性ポリエチレンにより形成されている場合に、トルエン、ベンゼン等を溶剤として使用することができる。
以上、本製造方法によれば、鋸歯形状の凸部152と凹部154との嵌り合いにより、ロータ140が挿抜不能に組付けされる振れ回り部120を、一体で成形できる。即ち、振れ回り部120を複数部品ではなく、1部品で形成できる。従って、部品点数の増加、組立の工数の増加を防止できる。また、振れ回り部120を1部品で形成できることによって、組付誤差、部品の累積誤差の発生を防止できるので、振れ回り部120を高精度に形成できる。さらに、ロータ140と振れ回り部120との微小な隙間を確保できる。
また、犠牲層形成工程において、犠牲層202を鍍金により形成する場合には、金型を不要にできるので、金型の製作、管理に要するコスト、工数を削減できる。また、型抜き工程に要する工数を削減できる。
また、犠牲層形成工程において、犠牲層202を型成型により形成する場合には、エッチング、マスキング等の手法を用いることなく、犠牲層202の膜厚を部分的に変化させることが可能となる。よって、犠牲層202の形成を容易化できる。
また、振れ回り部形成工程において、振れ回り部120を、電気鋳造法等を用いて鍍金により形成する場合には、犠牲層202を鍍金により形成する場合と同様、金型を不要にできるので、金型の製作、管理に要するコスト、工数を削減できる。また、型抜き工程に要する工数を削減できる。
また、振れ回り部形成工程において、振れ回り部120を型成型により形成する場合には、振れ回り部120の内周部121の成型と併せて外周部123の成型を実施できる。これにより、振れ回り部120の外形を仕上げる工程を不要にできる。
次に、他の実施形態に係る撮像装置700について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。図10には、撮像装置700の概略構成が側断面図にて示されている。
撮像装置700は、光学部材420と、レンズ鏡筒430と、フォーカスリング710と、振動アクチュエータ100と、撮像部500と、制御部550と、を備える。レンズ鏡筒430は光学部材420を収容する。フォーカスリング710は、円環状であって手動による回転力で光学部材420を移動させる。
振動アクチュエータ100は、光学部材420を移動させ、フォーカスリング710を回転させる。撮像部500は、光学部材420によって結像された画像を撮像する。制御部550は、振動アクチュエータ100および撮像部500を制御する。
また、撮像装置700は、光学部材420、レンズ鏡筒430及び振動アクチュエータ100を備えるレンズユニット410と、ボディ460を含む。レンズユニット410は、マウント450を介して、ボディ460に対して着脱自在に装着される。
光学部材420は、図中で左側にあたる入射端から順次配列された、フロントレンズ422、コンペンセータレンズ424、フォーカシングレンズ426およびメインレンズ428を含む。フォーカシングレンズ426およびメインレンズ428の間には、アイリスユニット440が配置される。
振動アクチュエータ100は、一対の保持部180において、螺子等の固定部材によって、レンズ鏡筒430の内部に固定される。一対の保持部180は、振れ回り部120の振れ回り振動における節の位置で、振れ回り部120を支持する。これにより、振れ回り部120の振動をレンズ鏡筒430に伝達させることがなく、振れ回り部120の振動の撮像装置700への影響を軽減することができる。
フォーカシングレンズ426は、レンズ鏡筒430の内径より小さい径を有し、光軸方向についてレンズ鏡筒430の中程に配置されている。振動アクチュエータ100は、フォーカシングレンズ426の下方に配置される。これにより、レンズ鏡筒430の径を拡大することなく、振動アクチュエータ100はレンズ鏡筒430内に収容される。振動アクチュエータ100は、例えばギア列を介してフォーカシングレンズ426を光軸方向に前進または後退させる。また、振動アクチュエータ100は、例えばギア列を介してフォーカスリング710を回転させる。
ボディ460は、メインミラー540、ペンタプリズム470、接眼系490を含む光学部材を収容する。メインミラー540は、レンズユニット410を介して入射した入射光の光路上に傾斜して配置される待機位置と、入射光を避けて上昇する撮影位置(図中に点線で示す)との間を移動する。
待機位置にあるメインミラー540は、入射光の大半を、上方に配置されたペンタプリズム470に導く。ペンタプリズム470は、入射光の鏡映を接眼系490に向かって出射するので、フォーカシングスクリーンの映像を接眼系490から正像として見ることができる。入射光の残りは、ペンタプリズム470により測光ユニット480に導かれる。測光ユニット480は、入射光の強度およびその分布等を測定する。
なお、ペンタプリズム470および接眼系490の間には、ファインダ液晶494に形成された表示画像を、フォーカシングスクリーンの映像に重ねるハーフミラー492が配置される。表示画像は、ペンタプリズム470から投影された画像に重ねて表示される。
また、メインミラー540は、入射光の入射面に対する裏面にサブミラー542を有する。サブミラー542は、メインミラー540を透過した入射光の一部を、下方に配置された測距ユニット530に導く。これにより、メインミラー540が待機位置にある場合は、測距ユニット530が被写体までの距離を測定する。なお、メインミラー540が撮影位置に移動した場合は、サブミラー542も入射光の光路から退避する。
更に、入射光に対してメインミラー540の後方には、シャッタ520、光学フィルタ510および撮像部500が順次配置される。シャッタ520が開放される場合、その直前にメインミラー540が撮影位置に移動するので、入射光は直進して撮像部500に入射される。これにより、入射光の形成する画像が電気信号に変換される。これにより、撮像部500は、レンズユニット410によって結像された画像を撮像する。
撮像装置700において、レンズユニット410とボディ460とは電気的にも結合されている。従って、例えば、ボディ460側の測距ユニット530が検出した被写体までの距離の情報に基づいて振動アクチュエータ100の回転を制御することにより、オートフォーカス機構を形成できる。また、測距ユニット530が振動アクチュエータ100の動作量を参照することにより、フォーカスエイド機構を形成することもできる。振動アクチュエータ100および撮像部500は、制御部550により上記の通り制御される。
なお、振動アクチュエータ100によりフォーカシングレンズ426を移動させる場合について例示したが、アイリスユニット440の開閉、ズームレンズのバリエータレンズの移動等を振動アクチュエータ100で駆動できることはいうまでもない。この場合も、電気信号を介して測光ユニット480、ファインダ液晶494等と情報を参照し合うことにより、振動アクチュエータ100は、露出の自動化、シーンモードの実行、ブラケット撮影の実行等に寄与する。
ところで、撮像装置700には、オートフォーカス動作中にフォーカスリング710によるマニュアルフォーカス操作が可能になる、いわゆるM/Aモードが搭載されている。即ち、フォーカシングレンズ426は、振動アクチュエータ100の出力に代えて、フォーカスリング710の手動操作による回転力によっても、フォーカス動作される。
以上のように、振動アクチュエータ100は、撮影機、双眼鏡等の光学系において、合焦機構、ズーム機構、手振れ補正機構等の駆動に好適に使用できる。さらに、精密ステージ、より具体的には電子ビーム描画装置、検査装置用各種ステージ、バイオテクノロジ用セルインジェクタの移動機構、核磁気共鳴装置の移動ベッド等の動力源に使用されうるが、用途がこれらに限られないことはいうまでもない。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、本実施形態では、振動アクチュエータ100の製造方法を例にとって、組付体の製造方法を説明した。しかし、当該組付体を構成する軸体と、当該軸体が挿抜不能に挿通された被挿通体との組み合わせとしては、ロータ140と振れ回り部120との組み合わせ以外に、シャフトと、当該シャフトが挿抜不能に挿通されたコロとの組み合わせ等も採用できる。
本発明の実施形態に係る振動アクチュエータ100を分解斜視図にて示す。 本発明の実施形態に係る振動アクチュエータ100を斜視図にて示す。 本発明の実施形態に係る振動アクチュエータ100を径方向から見た断面図にて示す。 図3の4−4断面図を示す。 (A)は振れ回り部120の径方向から見た断面図を示す。また、(B)は、振れ回り部120の振れ回り運動を説明するための概念図を示す。 本発明の実施形態に係る振動アクチュエータの変形例を斜視図にて示す。 (A)〜(C)は、振動アクチュエータ100の製造方法を説明するための断面図を示す。 (A)、(B)は、犠牲層形成工程を説明するための断面図を示す。 (A)〜(C)は、振動アクチュエータ100の製造方法を説明するための断面図を示す。 本発明の実施形態に係る撮像装置700の概略構成を側断面図にて示す。
符号の説明
100 振動アクチュエータ、120 振れ回り部、121 内周部、123 外周部、130 駆動部、132 電気機械変換素子、134 電気機械変換素子、136 電気機械変換素子、140 ロータ、143 外周部、146 ギア結合部、151 傾斜面、152 凸部、153 傾斜面、154 凹部、155 傾斜面、157 傾斜面、159 摺動部、160 軸受プレート、162 引張コイルバネ、170 出力ギア、172 軸孔、180 保持部、182 ブラケット、183 締付部、185 フランジ部、202 犠牲層、204 中間成形体、410 レンズユニット、420 光学部材、422 フロントレンズ、424 コンペンセータレンズ、426 フォーカシングレンズ、428 メインレンズ、430 レンズ鏡筒、440 アイリスユニット、450 マウント、460 ボディ、470 ペンタプリズム、480 測光ユニット、490 接眼系、492 ハーフミラー、494 ファインダ液晶、500 撮像部、510 光学フィルタ、520 シャッタ、530 測距ユニット、540 メインミラー、542 サブミラー、550 制御部、700 撮像装置、710 フォーカスリング

Claims (7)

  1. 回転軸の周りに回転するロータと、
    前記ロータと同軸に配されて前記ロータを回転軸周りに覆う筒型の振れ回り部と、
    前記振れ回り部を振れ回り運動させる駆動部と、
    を備え、
    前記ロータの回転軸周りに摺動可能に嵌り合う円環状且つ無端状の凸部及び凹部の何れか一方を、前記ロータの外周部に備え、他方を前記振れ回り部の内周部に有し、前記振れ回り部材の凸部及び凹部の前記他方が振れ回ることにより前記ロータの凸部及び凹部の前記一方に摺動して前記ロータを回転駆動する振動アクチュエータの製造方法であって、
    前記ロータを準備するロータ準備工程と、
    前記ロータの外周部における前記振れ回り部から覆われる領域を覆う犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
    前記犠牲層を覆う前記振れ回り部を一体で形成する振れ回り部形成工程と、
    前記犠牲層を前記ロータと前記振れ回り部との間から除去する犠牲層除去工程と
    を備える振動アクチュエータの製造方法。
  2. 前記振れ回り部形成工程は、鍍金により前記振れ回り部を形成する工程を含む請求項1に記載の振動アクチュエータの製造方法。
  3. 前記振れ回り部形成工程は、金型内に前記犠牲層を有する前記ロータを配して前記金型に前記振れ回り部の材料を注入することにより前記振れ回り部を成型する工程を含む請求項1に記載の振動アクチュエータの製造方法。
  4. 前記犠牲層形成工程は、鍍金により前記犠牲層を形成する工程を含む請求項1に記載の振動アクチュエータの製造方法。
  5. 前記犠牲層形成工程は、金型内に前記ロータを配して前記金型に前記犠牲層の材料を注入することにより前記犠牲層を成型する工程を含む請求項1に記載の振動アクチュエータの製造方法。
  6. 前記振れ回り部の振れ回り運動の節位置における前記犠牲層の膜厚を、前記振れ回り運動の腹位置における前記犠牲層の膜厚より大きくした請求項1に記載の振動アクチュエータの製造方法。
  7. 軸体と、前記軸体が挿抜不能に挿通された被挿通体とを備える組付体の製造方法であって、
    前記軸体を準備する軸体準備工程と、
    前記軸体の外周部における前記被挿通体から覆われる領域を覆う犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
    前記犠牲層を覆う前記被挿通体を一体で形成する被挿通体形成工程と、
    前記犠牲層を前記軸体と前記被挿通体との間から除去する犠牲層除去工程と
    を備える組付体の製造方法。
JP2008063213A 2008-03-12 2008-03-12 振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法 Pending JP2009219323A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008063213A JP2009219323A (ja) 2008-03-12 2008-03-12 振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008063213A JP2009219323A (ja) 2008-03-12 2008-03-12 振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009219323A true JP2009219323A (ja) 2009-09-24

Family

ID=41190631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008063213A Pending JP2009219323A (ja) 2008-03-12 2008-03-12 振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009219323A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101730314B1 (ko) 초점거리 조절 줌렌즈장치와 광학 화상장치
EP1897156B1 (en) Mechanism comprised of ultrasonic lead screw motor
CA2643811C (en) Integrated focal length adjusting system for optical apparatus
US20100247087A1 (en) Actuator and imaging device
JP6772102B2 (ja) 光量調整装置及びこれを備える光学機器
JP5434596B2 (ja) 振動アクチュエータ
US20060061223A1 (en) Drive unit and image pickup unit equipped with the drive unit
JP2009219323A (ja) 振動アクチュエータの製造方法、及び組付体の製造方法
JP5407154B2 (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニット、及び撮像装置
JP5407155B2 (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニット、及び撮像装置
JP2009124804A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニット、および撮像装置。
JP2010028955A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニット、撮像装置、及び振動アクチュエータの製造方法
JP2009136079A (ja) 振動アクチュエータおよび撮像装置
JP2009124805A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニットおよび撮像装置
JP5417679B2 (ja) レンズ鏡筒、カメラシステム
JP2010268630A (ja) アクチュエータ、レンズユニット及び撮像装置
JP2009124793A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニット、および撮像装置
JP2017055554A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニットおよび撮像装置
JP2006098587A (ja) カメラモジュール及びこのカメラモジュールを用いた携帯端末
JP2009207254A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニット、及び撮像装置
JPWO2009051083A1 (ja) 振動アクチュエータ、使用方法、レンズユニットおよび撮像装置
JP2010041781A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニット、及び撮像装置
JP4623713B2 (ja) カメラモジュール及びこのカメラモジュールを用いた携帯端末
JP2010268631A (ja) 振動アクチュエータ、レンズユニットおよび撮像装置
JP2006098576A (ja) カメラモジュール及びこのカメラモジュールを用いた携帯端末