JP2009216944A - 顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズの高精度な直線駆動機構や高精度な移動制御を行うことを不要とし、簡易に、かつ、安価に構成する。
【解決手段】試料からの検出光を集光する対物光学系と、該対物光学系により集光された検出光をピンホール14aに集光する集光光学系13と、該集光光学系13と対物光学系との間に配置され、集光光学系13に対して固定され、該集光光学系13に入射する検出光の光束径を拡大または縮小させる光束径変更光学系20と、該光束径変更光学系20を通過する光路と該光束径変更光学系20を通過しない光路とを切り替える光路切替機構21とを備え、該光路切替機構21が、検出光を偶数回反射する複数の反射部材21a〜21dと、該反射部材21a〜21dを一体的に移動させる反射部材移動機構とを備える顕微鏡を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】試料からの検出光を集光する対物光学系と、該対物光学系により集光された検出光をピンホール14aに集光する集光光学系13と、該集光光学系13と対物光学系との間に配置され、集光光学系13に対して固定され、該集光光学系13に入射する検出光の光束径を拡大または縮小させる光束径変更光学系20と、該光束径変更光学系20を通過する光路と該光束径変更光学系20を通過しない光路とを切り替える光路切替機構21とを備え、該光路切替機構21が、検出光を偶数回反射する複数の反射部材21a〜21dと、該反射部材21a〜21dを一体的に移動させる反射部材移動機構とを備える顕微鏡を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、顕微鏡に関するものである。
従来、レンズを光軸方向に移動させることにより試料からの検出光の光束径を可変させる光束径変換光学系を備えた顕微鏡が知られている。この顕微鏡によれば、光束径変換光学系により試料からの検出光の光束径を大きくして高分解能の蛍光画像を得ることができ、光束径を小さくすることで分解能が下がる代わりに被写界深度を深くし、明るい画像を得ることができる。
しかしながら、特許文献1の光束径変換光学系は、レンズを光軸方向に移動させるものであるため、レンズの位置決めを精度よく行う必要がある。また、レンズの光軸に交差する方向への偏心も極力小さくする必要があり、レンズを駆動する直線駆動機構を高精度に構成しかつ高精度に制御しなければならないという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、レンズの高精度な直線駆動機構や高精度な移動制御を行うことを不要とし、簡易に、かつ、安価に構成することができる顕微鏡を提供すること目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、試料からの検出光を集光する対物光学系と、該対物光学系により集光された検出光をピンホールに集光する集光光学系と、該集光光学系と前記対物光学系との間に配置され、前記集光光学系に対して固定され、該集光光学系に入射する検出光の光束径を拡大または縮小させる光束径変更光学系と、該光束径変更光学系を通過する光路と該光束径変更光学系を通過しない光路とを切り替える光路切替機構とを備え、該光路切替機構が、検出光を偶数回反射する複数の反射部材と、該反射部材を一体的に移動させる反射部材移動機構とを備える顕微鏡を提供する。
本発明は、試料からの検出光を集光する対物光学系と、該対物光学系により集光された検出光をピンホールに集光する集光光学系と、該集光光学系と前記対物光学系との間に配置され、前記集光光学系に対して固定され、該集光光学系に入射する検出光の光束径を拡大または縮小させる光束径変更光学系と、該光束径変更光学系を通過する光路と該光束径変更光学系を通過しない光路とを切り替える光路切替機構とを備え、該光路切替機構が、検出光を偶数回反射する複数の反射部材と、該反射部材を一体的に移動させる反射部材移動機構とを備える顕微鏡を提供する。
本発明によれば、対物光学系により集光された試料からの検出光を集光光学系により集光してピンホールを通過させることにより、対物光学系の焦点位置からの検出光を選択的にピンホールに通過させ、高い空間分解能で試料の観察を行うことができる。光路切替機構を作動させて、光路径変更光学系を通過する光路に検出光を入射させることにより、検出光の光束径を拡大または縮小する。
集光光学系に入射させる光束径を拡大することにより、ピンホールに入射する際の検出光のスポット径が小さくなるので、焦点位置が光軸方向にずれた試料からの検出光もピンホールを通過可能となり、空間分解能は低下するが、被写界深度を向上し、明るい観察を行うことができる。一方、集光光学系に入射させる光束径を縮小することにより、ピンホールに入射する際の検出光のスポット径を増大させて、対物光学系の焦点位置から発せられた検出光のみをピンホールに通過させることができ、空間分解能を向上することができる。
この場合において、反射部材移動機構の作動により検出光を偶数回反射する複数の反射部材を一体的に移動させることで、光束径変更光学系を通過する光路と通過しない光路とを切り替えるので、切替の前後において、検出光の角度を変化させないようにすることができる。すなわち、反射部材を一体的に移動させる際の精度が低くても、最初の反射部材に入射する検出光の角度と最後の反射部材から出射される検出光の角度とを精度よく一致させることができる。したがって、光路切替機構によって光路を光路径変更光学系を通過する光路と通過しない光路とを切り替えてもいずれの場合も集光光学系によりピンホールに検出光を入射させることができ、高精度な直線駆動機構や高精度な移動制御を行うことを不要とし、簡易に、かつ、安価に構成することができる。
上記発明においては、前記光路切替機構が、前記光束径変更光学系の光軸上に前記反射部材を挿脱させることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記光束径変更光学系が、前記集光光学系の光軸に対して偏心して配置され、前記反射部材移動機構が、前記集光光学系の光軸回りに回転させられることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記光束径変更光学系が、前記集光光学系の光軸回りに複数配置されていてもよい。
また、上記発明においては、前記光束径変更光学系が、互いに焦点距離の絶対値が異なる少なくとも2群のレンズ群で構成されたアフォーカル光学系であってもよい。このようにすることで、入射してくる平行光束を入射してきたときとは別の光束径の平行光束として射出することができる。
また、上記発明においては、前記光束径変更光学系が、前記集光光学系の光軸に対して偏心して配置され、前記反射部材移動機構が、前記集光光学系の光軸回りに回転させられることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記光束径変更光学系が、前記集光光学系の光軸回りに複数配置されていてもよい。
また、上記発明においては、前記光束径変更光学系が、互いに焦点距離の絶対値が異なる少なくとも2群のレンズ群で構成されたアフォーカル光学系であってもよい。このようにすることで、入射してくる平行光束を入射してきたときとは別の光束径の平行光束として射出することができる。
本発明によれば、レンズの高精度な直線駆動機構や高精度な移動制御を行うことを不要とし、簡易に、かつ、安価に構成することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る顕微鏡1について、図1〜図3を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡1は、レーザ走査型顕微鏡であって、レーザ光を出射するレーザ光源2と、該レーザ光源2からのレーザ光を集光するカップリング光学系3と、該カップリング光学系3により集光されたレーザ光を導光する光ファイバ4と、該光ファイバ4によってレーザ光源2と接続された顕微鏡本体5とを備えている。
本実施形態に係る顕微鏡1は、レーザ走査型顕微鏡であって、レーザ光を出射するレーザ光源2と、該レーザ光源2からのレーザ光を集光するカップリング光学系3と、該カップリング光学系3により集光されたレーザ光を導光する光ファイバ4と、該光ファイバ4によってレーザ光源2と接続された顕微鏡本体5とを備えている。
顕微鏡本体5は、光ファイバ4から出射されたレーザ光を略平行光に変換するコリメート光学系6と、該コリメート光学系6により略平行光にされたレーザ光を偏向するダイクロイックミラー7と、該ダイクロイックミラー7により偏向されたレーザ光を2次元的に走査する近接ガルバノミラー8と、該近接ガルバノミラー8により走査されたレーザ光を集光する瞳投影光学系9、結像光学系10および対物光学系11とを備えている。
また、顕微鏡本体5は、対物光学系11により集光され、結像光学系10、瞳投影光学系9および近接ガルバノミラー8を介して戻り、ダイクロイックミラー7を透過した試料Aからの蛍光または反射光を通過させる光束径調整光学系12と、該光束径調整光学系12を通過した蛍光または反射光を集光するカップリング光学系(集光光学系)13と、該カップリング光学系13により集光された試料Aからの蛍光または反射光を導光する光ファイバ14と、該光ファイバ14により導光された蛍光または反射光を検出する検出光学系15とを備えている。顕微鏡本体5は、相互に直交する3軸(XYZ)方向に移動可能に設けられるとともに、各軸回りに回転可能に設けられており、対物光学系11の先端の位置および角度を任意に調節することができるようになっている。
近接ガルバノミラー8は、観察位置を対物光学系11の光軸に対して略垂直方向で走査するようになっている。また、対物光学系11は、その先端を試料Aに密着させることにより、試料Aの呼吸や拍動による観察像のブレを抑えるようになっている。
検出光学系15は、光ファイバ14により導光されてきた蛍光または反射光を略平行光にするコリメート光学系16と、バリアフィルタ17と、集光レンズ18と、光検出器19とを備えている。
光束径調整光学系12は、カップリング光学系13とダイクロイックミラー7との間に配置され、図2および図3に示されるように、カップリング光学系13に対して固定された光束径変更光学系20と、該光束径変更光学系20を通過する光路と該光束径変更光学系20を通過しない光路とを切り替える光路切替機構21とを備えている。
光束径変更光学系20は、例えば、ダイクロイックミラー7側から光軸に沿って並んで配置された負パワーレンズ(両凹レンズ)20aおよび焦点距離の絶対値が負パワーレンズ20aより大きな正パワーレンズ(両凸レンズ)20bからなるアフォーカル光学系からなり、図3に示されるように、ダイクロイックミラー7から入射される平行光束からなる蛍光または反射光の光束径を拡大した平行光束として射出するようになっている。
光束径変更光学系20は、例えば、ダイクロイックミラー7側から光軸に沿って並んで配置された負パワーレンズ(両凹レンズ)20aおよび焦点距離の絶対値が負パワーレンズ20aより大きな正パワーレンズ(両凸レンズ)20bからなるアフォーカル光学系からなり、図3に示されるように、ダイクロイックミラー7から入射される平行光束からなる蛍光または反射光の光束径を拡大した平行光束として射出するようになっている。
光路切替機構21は、相対的に固定された4つの直角プリズム(反射部材)21a〜21dと図示しない反射部材移動機構とを備えている。
4つの直角プリズム21a〜21dは、1つの光軸に沿って入射された光を4回、90°偏向させることにより、光路をクランク状に迂回させて最初の光軸の延長線に沿って光を射出することができるようになっている。4つの直角プリズム21a〜21dは、反射部材移動機構により光束径変更光学系20の光軸に対して直交する方向に一体的に移動させられて、その内の2つの直角プリズム21a,21dを光束径変更光学系20の前後の光路に挿脱させることにより、光束径変更光学系20を通過する光路と該光束径変更光学系20を迂回して通過しない光路とに切り替えるようになっている。
4つの直角プリズム21a〜21dは、1つの光軸に沿って入射された光を4回、90°偏向させることにより、光路をクランク状に迂回させて最初の光軸の延長線に沿って光を射出することができるようになっている。4つの直角プリズム21a〜21dは、反射部材移動機構により光束径変更光学系20の光軸に対して直交する方向に一体的に移動させられて、その内の2つの直角プリズム21a,21dを光束径変更光学系20の前後の光路に挿脱させることにより、光束径変更光学系20を通過する光路と該光束径変更光学系20を迂回して通過しない光路とに切り替えるようになっている。
さらに具体的には、図2に示されるように、光路切替機構21が、4つの直角プリズム21a〜21dを一体的に移動させて光束径変更光学系20の前後の光路に挿入された場合について説明する。この場合には、ダイクロイックミラー7側から入射されてきた蛍光または反射光が第1の直角プリズム21aによって光軸に略直交する方向に90°偏向された後、第2の直角プリズム21bによって光軸に略平行な方向に90°偏向され、その後、第3の直角プリズム21cによって光軸に略直交する方向に90°偏向され、最後に、第4の直角プリズム21dによって光軸に沿う方向に90°偏向されるようになっている。これにより、蛍光または反射光は光束径変更光学系20を通過せずにその光束径を保ったままカップリング光学系13に入射させられるようになっている。
一方、図3に示されるように、光路切替機構21が、4つの直角プリズム21a〜21dを一体的に移動させて光束径変更光学系20の前後の光路から抜き去った場合には、ダイクロイックミラー7側から入射されてきた蛍光または反射光は、そのまま光束径変更光学系20を通過させられるようになっている。上述したように光束径変更光学系20は、入射された光の光束径を増大させる。これにより、光路切替機構21の作動によって、2種類の光束径の蛍光または反射光の光束をカップリング光学系13に入射させることができるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る顕微鏡1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る顕微鏡1を用いて試料Aの観察を行うには、対物光学系11の先端を試料Aに密着させた状態で、レーザ光源2からレーザ光を出射させ、光ファイバ4を介して顕微鏡本体5に導かれたレーザ光をダイクロイックミラー7により偏向し、近接ガルバノミラー8によって2次元的に走査し、瞳投影光学系9、結像光学系10、および対物光学系11を介して試料Aに照射する。
本実施形態に係る顕微鏡1を用いて試料Aの観察を行うには、対物光学系11の先端を試料Aに密着させた状態で、レーザ光源2からレーザ光を出射させ、光ファイバ4を介して顕微鏡本体5に導かれたレーザ光をダイクロイックミラー7により偏向し、近接ガルバノミラー8によって2次元的に走査し、瞳投影光学系9、結像光学系10、および対物光学系11を介して試料Aに照射する。
レーザ光が照射された試料Aにおいては、蛍光物質が励起されることにより蛍光(以下、反射光については説明を省略する。)が発生し、発生した蛍光は、対物光学系11によって集光され、結像光学系10、瞳投影光学系9および近接ガルバノミラー8を介して戻り、ダイクロイックミラー7を透過する。ダイクロイックミラー7を透過した蛍光は、光束径調整光学系12に入射され、そこで、光束径が調整される。
被写界深度が深く明るい観察を行いたい場合には、光路切替機構21を作動させて、図3に示されるように4つの直角プリズム21a〜21dを光束径変更光学系20の前後の光路から抜き去った状態にする。これにより、ダイクロイックミラー7を透過してきた蛍光は直進して光束径変更光学系20に入射され、その光束径が拡大された平行光となってカップリング光学系13に入射される。カップリング光学系13は入射された蛍光を光ファイバ14の端面14a(ピンホール)に集光させる。
この場合に、拡大された光束径の蛍光が光ファイバ14の端面14aに入射されることで、入射される蛍光の開口数が増加する。これにより、光ファイバ14の端面14aに集光する蛍光のスポット径は小さくなり、対物光学系11の焦点位置のみならず、光軸方向にずれた位置から発せられた蛍光も光ファイバ14の端面14aに入射できるようになる。その結果、空間分解能は低下するが、被写界深度が深く、明るい画像を取得することが可能となる。
一方、空間分解能が高い精密な観察を行いたい場合には、光路切替機構21を作動させて、4つの直角プリズム21a〜21dを一体的に移動させ、図2に示されるように、その内の2つの直角プリズム21a,21dを光束径変更光学系20の前後の光路に挿入した状態にする。これにより、ダイクロイックミラー7を透過してきた蛍光は、4つの直角プリズムに21a〜21dよって光束径変更光学系20をクランク状に迂回し、そのダイクロイックミラー7を透過してきたままの光束径の平行光(すなわち、上記と比較して光束径の小さい平行光)としてカップリング光学系13に入射される。
この場合に、小さい光束径の蛍光がカップリング光学系13によって集光されて光ファイバ14の端面14aに入射されるので、入射する蛍光の開口数は上記と比較して小さくなる。これにより、光ファイバ14の端面14aに集光する蛍光のスポット径は大きくなり、対物光学系11の焦点位置から発せられた蛍光のみが光ファイバ14の端面14aに入射できるようになる。その結果、被写界深度は浅く、暗くなるが、空間分解能の高い精密な観察を行うことができる。
そして、本実施形態に係る顕微鏡1においては、このような切り替えを精度よく行うことができる。すなわち、本実施形態においては、従来のようにレンズを光軸に沿って移動させるのではなく、光軸上に固定したままで、4つの直角プリズム21a〜21dを一体的に光路に挿脱するので、移動機構の精度に基づくレンズの芯ズレや傾斜が発生しない。
また、4つの直角プリズム21a〜21dの相対位置を固定したままで一体的に移動させることにより、高い精度で位置決めしなくても、確実に光束径を切り替えることができるという利点がある。すなわち、相対的に固定された偶数個の反射面を持つ直角プリズム21a〜21dの組への入射光の光軸に対する出射光の光軸の角度は、4つの直角プリズム21a〜21d組全体の位置や傾斜角度によらず常に一定である。したがって、4つの直角プリズム21a〜21d組の移動精度や位置決め精度が低くても、常に、光ファイバ14の端面14aに蛍光を集光させることができる。
なお、本実施形態においては、光束径変更光学系20として、ダイクロイックミラー7側から光軸に沿って並んで配置された負パワーレンズ(両凹レンズ)20aおよび焦点距離の絶対値が負パワーレンズ20aより大きな正パワーレンズ(両凸レンズ)20bからなるアフォーカル光学系を例示したが、これに限定されるものではなく、図4および図5に示されるように負パワーレンズ(両凹レンズ)20aおよび焦点距離の絶対値が負パワーレンズ20aより大きな正パワーレンズ(両凸レンズ)20bの順序を逆に配置したアフォーカル光学系を採用してもよい。この場合には、上記とは逆に、図4に示されるように4つの直角プリズム21a〜21d組を光路に挿入して光束径変更光学系20を迂回させた場合が高被写界深度で明るい観察となり、図5に示されるように光路から抜き去って光束径変更光学系20に蛍光を入射させた場合が高分解能の観察となる。
また、本実施形態においては、単一の光束径変更光学系を有する場合について説明したが、これに代えて、図6〜図8に示されるように、並列に配置された2つ以上の光束径変更光学系20,20′を備え、4つの直角プリズム21a〜21d,21a′〜21d′からなる2組の光路切替機構21,21′を備えることにしてもよい。
図に示す例では、第1の光束径変更光学系20および1組の光路切替機構21は、上述した図4および図5のものと同じである。一方、第2の光束径変更光学系20′は、第1の光束径変更光学系20とは逆に、図2および図3と同様にして光束径を拡大させるようになっている。
図に示す例では、第1の光束径変更光学系20および1組の光路切替機構21は、上述した図4および図5のものと同じである。一方、第2の光束径変更光学系20′は、第1の光束径変更光学系20とは逆に、図2および図3と同様にして光束径を拡大させるようになっている。
第1の光路切替機構21を作動させて、図6に示されるように、第1の直角プリズム21a〜21d組を第1の光束径変更光学系20の前後に挿入したときには、第1の光束径変更光学系20を迂回する光路によりダイクロイックミラー7を透過してきたままの(中程度の)光束径の平行光としてカップリング光学系13に入射され、中程度の分解能での中程度の明るさの観察を行うことができる。また、図7に示されるように、第1の直角プリズム21a〜21d組を第1の光束径変更光学系20の前後から抜き去ったときには、第1の光束径変更光学系20を通過する光路により、光束径が最も縮小された平行光となってカップリング光学系13に入射される。これにより、被写界深度が深く明るい観察を行うことができる。
さらに、第2の光路切替機構21′を作動させて、第2の直角プリズム21a′〜21d′組を第1の光束径変更光学系20の前後に挿入したときには、図8に示されるように、ダイクロイックミラー7を透過してきた蛍光が、4つの直角プリズム21a′〜21d′によって第1の光束径変更光学系20をクランク状に迂回し、第2の光束径変更光学系20′に通過させられる。これにより、光束径が最も拡大された平行光となってカップリング光学系13に入射され、分解能の最も高い高精度の観察を行うことができる。
2組の光束径変更光学系20,20′および光路切替機構21,21′を有することとしたが、これに代えて、周方向に3以上の光束径変更光学系20および光路切替機構21を配置してもよい。これにより、空間分解能と被写界深度をより細かく調節することができる。
また、図9および図10に示されるように、周方向に間隔をあけて複数(図10では3組)の光束径変更光学系20A,20B,20Cを配置し、4つの直角プリズム21a〜21dを備える光路切替機構21が、直角プリズム21a〜21dを中心軸回りに回転させるようになっていてもよい。図9に示す例では、光路切替機構21はモータ21eにより4つの直角プリズム21a〜21dを一体的に回転させるようになっている。
このようにすることで、直角プリズム21a〜21d組を各光束径変更光学系20A,20B,20Cの位相に配置したときには、当該光束径変更光学系20A,20B,20Cに蛍光が通過させられて、光束径変更光学系20A,20B,20C毎に設定されている光束径に変更されるようになっている。また、光束径変更光学系20A,20B,20Cが配置されていない位相Xに光路切替機構21の直角プリズム21a〜21dが配置されたときには、ダイクロイックミラー7を透過してきたままの光束径の蛍光がカップリング光学系13に入射されるようになっている。これにより複数種類(図では4種類)の空間分解能と被写界深度を調節することができる。
なお、本実施形態においては、光路切替機構21,21′として4つの直角プリズム21a〜21d,21a′〜21d′を有するものを例示したが、これに限定されるものではなく、ミラーを用いてもよいし、その数も偶数個であれば、いくつでもよい。
また、光束径変更光学系20,20′,20A,20B,20Cとしては負パワーレンズ20a,20a′を両凹レンズ、正パワーレンズ20b,20b′を両凸レンズの組合せで示したが、これに限定されるものではない。例えば、負パワーレンズまたは正パワーレンズのうち少なくとも一方を単レンズではなく、複数のレンズからなる群構成として、球面収差、色収差等が良好に補正された光学系とすれば、より高精細な画像を得ることができる。
また、光束径変更光学系を用いたアフォーカル光学系は、上記実施の形態で示したように負パワーレンズと正パワーレンズとを組み合わせたガリレオタイプ以外に、互いにパワーが異なる正パワーレンズを2組以上組み合わせたケプラータイプとしてもよい。
また、光束径変更光学系20,20′,20A,20B,20Cとしては負パワーレンズ20a,20a′を両凹レンズ、正パワーレンズ20b,20b′を両凸レンズの組合せで示したが、これに限定されるものではない。例えば、負パワーレンズまたは正パワーレンズのうち少なくとも一方を単レンズではなく、複数のレンズからなる群構成として、球面収差、色収差等が良好に補正された光学系とすれば、より高精細な画像を得ることができる。
また、光束径変更光学系を用いたアフォーカル光学系は、上記実施の形態で示したように負パワーレンズと正パワーレンズとを組み合わせたガリレオタイプ以外に、互いにパワーが異なる正パワーレンズを2組以上組み合わせたケプラータイプとしてもよい。
A 試料
11 対物光学系
13 カップリング光学系(集光光学系)
14a 端面(ピンホール)
20,20′,20A,20B,20C 光束径変更光学系
21,21′ 光路切替機構
21a〜21d,21a′〜21d′ 直角プリズム(反射部材)
11 対物光学系
13 カップリング光学系(集光光学系)
14a 端面(ピンホール)
20,20′,20A,20B,20C 光束径変更光学系
21,21′ 光路切替機構
21a〜21d,21a′〜21d′ 直角プリズム(反射部材)
Claims (5)
- 試料からの検出光を集光する対物光学系と、
該対物光学系により集光された検出光をピンホールに集光する集光光学系と、
該集光光学系と前記対物光学系との間に配置され、前記集光光学系に対して固定され、該集光光学系に入射する検出光の光束径を拡大または縮小させる光束径変更光学系と、
該光束径変更光学系を通過する光路と該光束径変更光学系を通過しない光路とを切り替える光路切替機構とを備え、
該光路切替機構が、検出光を偶数回反射する複数の反射部材と、該反射部材を一体的に移動させる反射部材移動機構とを備える顕微鏡。 - 前記光路切替機構が、前記光束径変更光学系の光軸上に前記反射部材を挿脱させる請求項1に記載の顕微鏡。
- 前記光束径変更光学系が、前記集光光学系の光軸に対して偏心して配置され、
前記反射部材移動機構が、前記集光光学系の光軸回りに回転させられる請求項2に記載の顕微鏡。 - 前記光束径変更光学系が、前記集光光学系の光軸回りに複数配置されている請求項3に記載の顕微鏡。
- 前記光束径変更光学系が、互いに焦点距離の絶対値が異なる少なくとも2群のレンズ群で構成されたアフォーカル光学系である請求項1から請求項4のいずれかに記載の顕微鏡。
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JP2008060170A JP2009216944A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | 顕微鏡 |
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JP2008060170A JP2009216944A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | 顕微鏡 |
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JP (1) | JP2009216944A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017086089A1 (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-26 | Hoya株式会社 | 光源装置 |
-
2008
- 2008-03-10 JP JP2008060170A patent/JP2009216944A/ja not_active Withdrawn
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WO2017086089A1 (ja) * | 2015-11-17 | 2017-05-26 | Hoya株式会社 | 光源装置 |
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