JP2009215934A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パイロット噴射によりシリンダ内壁等に付着した燃料がメイン噴射開始まで残存している場合であっても、メイン噴射燃料の燃焼状態を適正に維持すること。
【解決手段】パイロット噴射により(液体の状態で)シリンダ内壁等に付着した燃料がメイン噴射開始まで残存する場合(「付着・残存あり」)、そうでない場合(「付着・残存なし」)に比して、パイロット噴射量が「A・X2」だけ増大され且つメイン噴射量が「A・X2」だけ減少される。「A・X2」は、前サイクルにおけるパイロット噴射に起因するメイン噴射開始時点での燃料付着量を表す。係るパイロット噴射量の増大により、「付着・残存あり」の場合において、「メイン噴射開始時点での筒内温度の低下」が補償されてメイン噴射燃料の着火遅れ時間を適正に維持できる。加えて、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かによって総燃料噴射量が変化しないから、出力トルクの変動を抑制できる。
【選択図】図5
【解決手段】パイロット噴射により(液体の状態で)シリンダ内壁等に付着した燃料がメイン噴射開始まで残存する場合(「付着・残存あり」)、そうでない場合(「付着・残存なし」)に比して、パイロット噴射量が「A・X2」だけ増大され且つメイン噴射量が「A・X2」だけ減少される。「A・X2」は、前サイクルにおけるパイロット噴射に起因するメイン噴射開始時点での燃料付着量を表す。係るパイロット噴射量の増大により、「付着・残存あり」の場合において、「メイン噴射開始時点での筒内温度の低下」が補償されてメイン噴射燃料の着火遅れ時間を適正に維持できる。加えて、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かによって総燃料噴射量が変化しないから、出力トルクの変動を抑制できる。
【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来より、燃焼室内で燃料を直接噴射する燃料噴射弁を利用して、圧縮行程上死点近傍での燃料噴射(メイン噴射)が行われる前に少なくとも1回の燃料噴射(パイロット噴射、サブ噴射)が行われる内燃機関(特に、ディーゼル機関)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平11−50897号公報
このように、パイロット噴射が行われると、パイロット噴射により噴射された燃料(パイロット噴射燃料)の反応(例えば、低温酸化反応、冷炎反応等)によりメイン噴射開始時点での筒内温度を高めることができる。ここで、パイロット噴射燃料の反応量が大きいほど(従って、メイン噴射開始時点での筒内温度が高いほど)、メイン噴射により噴射された燃料(メイン噴射燃料)の着火遅れ時間(噴射開始から着火までの時間)が短くなる。従って、パイロット噴射における燃料量を調整することで、メイン噴射燃料の着火遅れ時間を適正に調整することができる。この結果、メイン噴射燃料の燃焼状態を適正に調整でき、メイン噴射燃料の燃焼に基づく騒音を抑制し、或いは、メイン噴射燃料の燃焼に基づくエミッション(特に、NOx)の排出を抑制することができる。
加えて、上記文献に記載の装置では、パイロット噴射燃料が(液体の状態で)燃焼室を構成する部材の内壁(特に、シリンダの内壁)にできるだけ付着しないように、パイロット噴射における噴射態様(噴射時期、噴射量、噴射圧力)が調整される。より具体的には、筒内雰囲気温度が低いほど、パイロット噴射において、噴射時期が圧縮上死点側に近づくように、噴射量が小さくなるように、噴射圧力が小さくなるように調整される。
ところで、仮に、上記文献に記載のようにパイロット噴射における噴射態様が調整されても、特に、冷間始動時等において、パイロット噴射燃料の一部が(液体の状態で)シリンダ内壁等に付着する場合が考えられる。この場合において、付着したパイロット噴射燃料の一部がメイン噴射開始時点までに蒸発せずにシリンダ内壁等に(液体の状態で)残存する場合が考えられる。以下、この場合を「付着・残存あり」の場合と称呼し、そうでない場合を「付着・残存なし」の場合と称呼することもある。
「付着・残存なし」の場合、パイロット噴射燃料の全てがメイン噴射開始までに蒸発・反応し得、この結果、パイロット噴射燃料の全てがメイン噴射開始時点での筒内温度上昇に寄与し得る。これに対し、「付着・残存あり」の場合、メイン噴射開始までシリンダ内壁等に残存している燃料は、メイン噴射開始までに反応し得ないからメイン噴射開始時点での筒内温度の上昇に寄与し得ない。即ち、「付着・残存あり」の場合、「付着・残存なし」の場合に比して、メイン噴射開始時点での筒内温度が低下する。この結果、「付着・残存あり」の場合、メイン噴射燃料の着火遅れ時間が適正時間よりも長くなって、メイン噴射燃料の燃焼状態を適正に調整し得ないという問題が発生し得る。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、「付着・残存あり」の場合であっても、メイン噴射燃料の燃焼状態を適正に維持できる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明に係る内燃機関の燃料噴射量制御装置は、内燃機関の燃焼室内で燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、圧縮行程上死点近傍にて行われる燃料噴射であるメイン噴射用の燃料噴射量(メイン噴射量)と前記メイン噴射の前に少なくとも1回行われる燃料噴射であるパイロット噴射用の燃料噴射量(パイロット噴射量)とを前記内燃機関の運転状態に基づいて決定する噴射量決定手段と、前記パイロット噴射量及び前記メイン噴射量の燃料の噴射指示を前記燃料噴射弁に対してそれぞれ行って前記パイロット噴射及び前記メイン噴射を達成する噴射指示手段とを備える。ここにおいて、前記運転状態は、例えば、機関の運転速度、負荷(アクセル開度等)等であり、後述の筒内燃料付着量は前記運転状態には含まれない。
本発明に係る燃料噴射量制御装置の特徴は、前記噴射量決定手段が、前記パイロット噴射の実行により前記燃焼室を構成する部材の内壁(例えば、シリンダ内壁等)に付着する燃料の量である筒内燃料付着量を推定する付着量推定手段を備え、前記筒内燃料付着量がゼロよりも大きい場合、前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対して、前記パイロット噴射量をより大きい値に決定するように構成されたことにある。
前記パイロット噴射量は、前記筒内燃料付着量が大きいほどより大きい値に決定されることが好適である。また、前記筒内燃料付着量としては、前記メイン噴射の開始時点での値が使用されることが好適である。また、前記筒内燃料付着量としては、今回のサイクルに対する推定値が使用されても、前回のサイクルに対する推定値が使用されてもよい。
これによれば、「付着・残存あり」の場合、「付着・残存なし」の場合に比して、パイロット噴射量が増大される。従って、パイロット噴射燃料の反応量(即ち、メイン噴射開始時点での筒内温度上昇に寄与し得る燃料量)が増大する。従って、上述した「付着・残存ありの場合におけるメイン噴射開始時点での筒内温度の低下」が補償され得る。この結果、「付着・残存あり」の場合であっても、メイン噴射開始時点での筒内温度を、「付着・残存なし」の場合の値(即ち、所望の値)に近づけることができる。よって、メイン噴射燃料の燃焼状態を適正に維持できて、メイン噴射燃料の燃焼に基づく騒音を安定して抑制し、或いは、メイン噴射燃料の燃焼に基づくエミッションの排出を安定して抑制することができる。
上記本発明に係る燃料噴射量制御装置においては、前記噴射量決定手段は、前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対して前記パイロット噴射量が大きい分だけ、前記メイン噴射量を、前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対してより小さい値に決定するように構成されることが好適である。
これによれば、「付着・残存あり」の場合であっても、総燃料噴射量(パイロット噴射量+メイン噴射量)が、「付着・残存なし」の場合での総燃料噴射量(即ち、所望の値)と等しい値に調整され得る。ここで、「付着・残存あり」の場合においてメイン噴射開始時点にてシリンダ内壁等に付着・残存している燃料は、メイン噴射燃料(の全て)の燃焼に伴う筒内温度の急上昇に起因して全て蒸発・燃焼し得ると考えられる。換言すれば、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かにかかわらず、総燃料噴射量が一定であれば、内燃機関の出力トルクが略一定(即ち、所望の値)に維持され得る。以上より、上記構成によれば、上述したパイロット噴射量の増大及びメイン噴射量の減少に伴う出力トルクの変動を抑制でき、出力トルク変動に起因するドライバビリティの悪化を抑制できる。
上記本発明に係る燃料噴射量制御装置においては、前記噴射量決定手段は、前記運転状態に基づいて前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対応する前記パイロット噴射量(基本パイロット噴射量)と前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対応する前記メイン噴射量(基本メイン噴射量)とを決定する基本噴射量決定手段を備え、前記パイロット噴射量を、前記基本パイロット噴射量に前記筒内燃料付着量に基づく値を加算した値に決定するように構成されてもよい。
ここにおいて、前記「筒内燃料付着量に基づく値」は、筒内燃料付着量そのものであってもよいし、筒内燃料付着量に正の係数(例えば、1より大、又は1より小)を乗じた値であってもよい。前記基本パイロット噴射量、及び前記基本メイン噴射量は、「付着・残存なし」の場合(即ち、パイロット噴射燃料がシリンダ内壁等へ付着しない場合、或いは、付着してもその全てがメイン噴射開始時点までに蒸発・反応する場合)において前記運転状態に対応する適正値に決定される。
この場合、前記噴射量決定手段は、前記メイン噴射量を、前記基本メイン噴射量から前記筒内燃料付着量に基づく値(即ち、基本パイロット噴射量に加算された値)を減算した値に決定するように構成されることが好適である。これによれば、上述したように、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かにかかわらず、上述したパイロット噴射量の増大及びメイン噴射量の減少に伴う出力トルクの変動を抑制できる。
また、上記本発明に係る燃料噴射量制御装置においては、前記付着量推定手段は、前記燃焼室を構成するシリンダの内壁に付着した燃料の膜厚を測定する膜厚測定手段を備え、前記測定された膜厚に基づいて前記筒内燃料付着量を推定するように構成されることが好適である。前記膜厚測定手段は、例えば、光ファイバーとレーザーを利用する公知の手法の1つに従って構成され得る。
シリンダ内壁に付着した燃料の膜厚が測定できれば、測定された膜厚に燃料の付着面積を乗じること等により燃料付着量を推定できる。上記構成によれば、膜厚を直接測定した結果に基づいて筒内燃料付着量を精度良く推定することができる。
この場合、前記噴射量決定手段は、今回のサイクルに対する燃料噴射量の決定に使用される前記筒内燃料付着量として、前記膜厚測定手段により測定された前回のサイクルにおける前記メイン噴射の開始時点での膜厚に基づいて推定される値を使用するように構成されることが好適である。
前記膜厚測定手段により測定された膜厚のうちで前回のサイクルにおけるメイン噴射開始時点での値は、前回のサイクルにおいて、パイロット噴射燃料のうちでメイン噴射開始時点での筒内温度の上昇に寄与し得なかった分を正確に表す値である。従って、上記構成によれば、今回のサイクルにおいて上述した「付着・残存ありの場合におけるメイン噴射開始時点での筒内温度の低下」を補償するために要求される今回のパイロット噴射量の増大分(及び、今回のメイン噴射量の減少分)を正確に決定することができる。この結果、「付着・残存あり」の場合において、メイン噴射開始時点での筒内温度を、「付着・残存なし」の場合の値(所望の値)により一層近づけることができる。
以下、本発明による内燃機関(ディーゼル機関)の燃料噴射制御装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を、4気筒内燃機関(ディーゼル機関)10に適用したシステム全体の概略構成を示している。このシステムは、燃料供給系統を含むエンジン本体20、エンジン本体20の各気筒の燃焼室(筒内)にガスを導入するための吸気系統30、エンジン本体20からの排ガスを放出するための排気系統40、排気還流を行うためのEGR装置50、及び電気制御装置60を含んでいる。
エンジン本体20の各気筒の上部には燃料噴射弁(噴射弁、インジェクタ)21が配設されている。各燃料噴射弁21は、図示しない燃料タンクと接続された燃料噴射用ポンプ22に燃料配管23を介して接続されている。燃料噴射用ポンプ22は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、電気制御装置60からの駆動信号により各燃料噴射弁21から噴射される燃料の圧力(噴射圧力)を調整できるようになっている。
また、各燃料噴射弁21は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、電気制御装置60からの駆動信号により各燃料噴射弁21から噴射される燃料の量(燃料噴射量)を調整できるようになっている。
吸気系統30は、エンジン本体20の各気筒の燃焼室にそれぞれ接続された吸気マニホールド31、吸気マニホールド31の上流側集合部に接続され同吸気マニホールド31とともに吸気通路を構成する吸気管32、吸気管32内に回動可能に保持されたスロットル弁33、電気制御装置60からの駆動信号に応答してスロットル弁33を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ33a、スロットル弁33の上流において吸気管32に順に介装されたインタクーラー34と過給機35のコンプレッサ35a、及び吸気管32の先端部に配設されたエアクリーナ36とを含んでいる。
排気系統40は、エンジン本体20の各気筒にそれぞれ接続された排気マニホールド41、排気マニホールド41の下流側集合部に接続された排気管42、排気管42に配設された過給機35のタービン35b、及び排気管42に介装されたディーゼルパティキュレートフィルタ(DPNR)43を含んでいる。排気マニホールド41及び排気管42は排気通路を構成している。
EGR装置50は、排気ガスを還流させる通路(EGR通路)を構成する排気還流管51と、排気還流管51に介装されたEGR制御弁52と、EGRクーラー53とを備えている。排気還流管51はタービン35bの上流側排気通路(排気マニホールド41)とスロットル弁33の下流側吸気通路(吸気マニホールド31)を連通している。EGR制御弁52は電気制御装置60からの駆動信号に応答し、再循環される排気ガス量(排気還流量、EGRガス流量)を変更し得るようになっている。
電気制御装置60は、互いにバスで接続されたCPU61、CPU61が実行するプログラム、テーブル(マップ)、及び定数等を予め記憶したROM62、RAM63、バックアップRAM64、並びにADコンバータを含むインターフェース65等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース65は、熱線式エアフローメータ71、吸気温センサ72、吸気管圧力センサ73、クランクポジションセンサ74、アクセル開度センサ75、燃料温度センサ76、及び膜厚センサ77と接続されていて、これらのセンサからの信号をCPU61に供給するようになっている。
また、インターフェース65は、燃料噴射弁21、燃料噴射用ポンプ22、スロットル弁アクチュエータ33a、及びEGR制御弁52と接続されていて、CPU61の指示に応じてこれらに駆動信号を送出するようになっている。
熱線式エアフローメータ71は、吸気通路内を通過する吸入空気の質量流量(単位時間当りの吸入空気(新気)量)を計測するようになっている。吸気温センサ72は、エンジン10の燃焼室(筒内)に吸入されるガスの温度(吸気温度)を検出するようになっている。吸気管圧力センサ73は、エンジン10の燃焼室に吸入されるガスの圧力(吸気管圧力)を検出するようになっている。
クランクポジションセンサ74は、実クランク角度とともにエンジン10の回転速度であるエンジン回転速度を検出するようになっている。アクセル開度センサ75は、アクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)を検出するようになっている。燃料温度センサ76は、燃料配管23を通過する燃料の温度を検出するようになっている。
膜厚センサ77は、図1、及び図2に示すように、特定の(本例では1つの)シリンダ24に備えられ、特定のシリンダ24の内壁(側壁の内側面)に付着している燃料の膜厚(膜厚の推移)を測定するようになっている。以下、この特定のシリンダ24を有する気筒を「膜厚測定気筒」とも称呼する。
即ち、図2に示すように、燃料噴射弁21から噴射された燃料は、通常、直ちに蒸発して筒内ガスを取り込みながら混合気となって燃焼室内にて円錐状に拡散していく。しかしながら、冷間始動時等、運転状態によっては、噴射された燃料の一部が液体の状態で燃焼室を構成(区画)する部材(シリンダ内壁、ピストン頂部)に付着する。このようにして、膜厚測定気筒のシリンダ内壁に付着した燃料の膜厚が、膜厚センサ77によって測定される。膜厚センサ77は、例えば、特開2006−337179号公報等に記載されているように、光ファイバー及びレーザー等を利用することで、公知の手法の1つに従って構成され得る。
(燃料噴射制御)
次に、上記のように構成された燃料噴射制御装置(以下、「本装置」と云う。)による燃料噴射制御について説明する。
次に、上記のように構成された燃料噴射制御装置(以下、「本装置」と云う。)による燃料噴射制御について説明する。
本装置では、圧縮行程上死点近傍での燃料噴射(メイン噴射)に加えて、圧縮行程中においてメイン噴射の前に1回の燃料噴射(パイロット噴射)が行われる。以下、メイン噴射される燃料、及びパイロット噴射される燃料をそれぞれ、「メイン噴射燃料」、「パイロット噴射燃料」と称呼し、メイン噴射燃料の量、及びパイロット噴射燃料の量をそれぞれ、「メイン噴射量」、「パイロット噴射量」と称呼する。
パイロット噴射が行われると、パイロット噴射燃料の反応(例えば、低温酸化反応、冷炎反応等)によりメイン噴射開始時点での筒内温度を高めることができる。即ち、パイロット噴射燃料の反応量が大きいほど、メイン噴射開始時点での筒内温度が高くなる。他方、メイン噴射開始時点での筒内温度が高いほど、メイン噴射燃料の着火遅れ時間(メイン噴射開始から着火までの時間)が短くなる。
以上より、パイロット噴射量を調整してパイロット噴射燃料の反応量を調整することで、メイン噴射燃料の着火遅れ時間を適正に調整することができる。メイン噴射燃料の着火遅れ時間を適正に調整できれば、メイン噴射燃料の燃焼状態を適正に調整でき、この結果、メイン噴射燃料の燃焼に基づく騒音を抑制し、或いは、メイン噴射燃料の燃焼に基づくエミッション(特に、NOx)の排出を抑制することができる。
以下、本装置による燃料噴射制御に係わる具体的な処理について、図3にフローチャートにより示したルーチンを参照しながら説明する。
CPU61は、図3に示したルーチンを、所定のタイミング(例えば、圧縮行程下死点)が到来する毎に、繰り返し実行するようになっている。従って、或る気筒(任意の気筒)について前記所定のタイミングが到来すると、CPU61はステップ300から処理を開始し、ステップ305に進んで、前サイクルの膜厚測定結果より、膜厚測定気筒についての前サイクルにおけるメイン噴射開始時点での膜厚X2(後述する図4を参照)を取得する。ここで、「前サイクル」とは、本例では、膜厚測定気筒についての最新の燃料噴射(既に実行済み)が行われたサイクルを指す。
次に、CPU61はステップ310に進み、現時点での運転状態(例えば、エンジン回転速度、アクセル開度等)と、基本パイロット噴射量及び基本メイン噴射量との関係を規定する図示しないテーブルとに基づいて、現時点での運転状態に対応する基本パイロット噴射量Qfinpb及び基本メイン噴射量Qfinmbを決定する。
ここで、基本パイロット噴射量及び基本メイン噴射量とは、前記「付着・残存なし」の場合(段落0005を参照)(即ち、パイロット噴射燃料がシリンダ内壁へ付着しない場合、或いは、付着してもその全てがメイン噴射開始時点までに蒸発・反応する場合)におて、メイン噴射燃料の着火遅れ時間(従って、メイン噴射燃料の燃焼状態)を適正に調整するために必要な現時点での運転状態に対応するパイロット噴射量及びメイン噴射量である。
次いで、CPU61はステップ315に進んで、ステップ315内に記載の式に従って、噴射指示すべきパイロット噴射量Qfinp及びメイン噴射量Qfinmを決定する。ここで、値Aはシリンダ内壁に付着する燃料の付着面積に相当する値(例えば、定数)である。即ち、値「A・X2」は、膜厚測定気筒についての前サイクルにおけるメイン噴射開始時点でのシリンダ内壁への燃料付着量を表す。
値「A・X2」は、前記「筒内燃料付着量」に対応し、且つ、前記「筒内燃料付着量に基づく値」にも対応する。これにより、X2=0の場合、Qfinp=Qfinpb、Qfinm=Qfinmbとなり、X2>0の場合、Qfinp>Qfinpb、Qfinm<Qfinmbとなる。
次に、CPU61はステップ320に進み、現時点での運転状態(例えば、エンジン回転速度、アクセル開度等)と、パイロット噴射開始時期及びメイン噴射開始時期との関係を規定する図示しないテーブルとに基づいて、現時点での運転状態に対応するパイロット噴射開始時期CAinjp及びメイン噴射開始時期CAinjmを決定する。ここで、CAinjmは圧縮行程上死点近傍に設定され、CAinjpは圧縮行程においてCAinjmよりも前の所定の時期(例えば、圧縮行程の初期又は中期)に設定される。
続いて、CPU61はステップ325に進んで、現時点での運転状態(例えば、エンジン回転速度、アクセル開度等)と、噴射圧力との関係を規定する図示しないテーブルとに基づいて、現時点での運転状態に対応する噴射圧力Pcrを決定する。これにより、燃料噴射用ポンプ22が直ちに調整されて、各燃料噴射弁21から噴射される燃料の圧力(噴射圧力)がPcrに調整される。
そして、CPU61はステップ330に進み、パイロット噴射開始時期CAinjpにてパイロット噴射量Qfinpの燃料が噴射されるように、且つ、メイン噴射開始時期CAinjmにてメイン噴射量Qfinmの燃料が噴射されるように、前記所定のタイミングが到来した気筒の燃料噴射弁21に対して噴射指示を行い、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
これにより、前記所定のタイミングが到来した気筒について、パイロット噴射開始時期CAinjpが到来すると、パイロット噴射量Qfinpの燃料が噴射され、その後においてメイン噴射開始時期CAinjmが到来すると、メイン噴射量Qfinmの燃料が噴射される。これにより、上記パイロット噴射、及びメイン噴射が達成される。
以下、ステップ315内に記載の式に示すように、パイロット噴射量Qfinpが基本パイロット噴射量Qfinpbに値「A・X2」を加算した値に決定され、且つ、メイン噴射量Qfinmが基本メイン噴射量Qfinmbから値「A・X2」を減算した値に決定されることによる作用・効果について、図4、図5を参照しながら説明する。
本例では、原則的に前記「付着・残存なし」の場合が想定されている。このため、上述のように、基本パイロット噴射量Qfinpb及び基本メイン噴射量Qfinmbが、前記「付着・残存なし」の場合が想定されて決定されている。
しかしながら、冷間始動時等、運転状態によっては(特に、過渡運転状態時)、パイロット噴射燃料の一部が(液体の状態で)シリンダ内壁に付着する場合が考えられる。なお、上述のようにパイロット噴射は、圧縮行程の初期又は中期にてピストンの位置が比較的低い(下死点に近い)状態で行われる。従って、パイロット噴射燃料は、ピストン頂部よりもシリンダ内壁に付着し易い。
このように、パイロット噴射燃料の一部がシリンダ内壁に付着する場合において、付着したパイロット噴射燃料の一部がメイン噴射開始時点までに蒸発せずにシリンダ内壁に(液体の状態で)残存する場合(即ち、前記「付着・残存あり」の場合、段落0005を参照)が発生し得る。ここで、前記「付着・残存なし」の場合は、X2=0の場合(前記「筒内燃料付着量がゼロの場合」)に対応し、前記「付着・残存あり」の場合は、X2>0の場合(前記「筒内燃料付着量がゼロよりも大きい場合」)に対応する。
図4は、パイロット噴射によりシリンダ内壁に付着した燃料の膜厚(従って、燃料付着量)、燃焼室内の熱発生率、及び噴射率(燃料噴射流量)の変化の一例を示している。先ず、図4の破線は、前記「付着・残存なし」の場合(特に、パイロット噴射燃料がシリンダ内壁へ全く付着しない場合)において本装置が適用される場合を示している。
このように「付着・残存なし」の場合、上述したように、X2=0であるから、パイロット噴射量Qfinp=Qfinpb、メイン噴射量Qfinm=Qfinmbとなる。この場合、上述したように、Qfinp=Qfinpb、Qfinm=Qfinmbとすることで、メイン噴射燃料の着火遅れ時間(従って、メイン噴射燃料の燃焼状態)が適正に(所望の状態に)調整され得る。
即ち、この場合、パイロット噴射開始時点CAinjpにて噴射開始されたパイロット噴射燃料の全て(Qfinpb)がメイン噴射開始時点CAinjmまでに蒸発・反応し得、この結果、パイロット噴射燃料の全てがメイン噴射開始時点CAinjmでの筒内温度上昇に寄与し得る。このことは、パイロット噴射燃料の反応に起因する熱発生率が、図4に破線で示すように推移することに対応している。これにより、メイン噴射開始時点CAinjmでの筒内温度が適正となり、メイン噴射燃料の着火遅れ時間(従って、メイン噴射燃料の燃焼状態)が適正となる。このことは、メイン噴射燃料の燃焼に起因する熱発生率が、図4に破線で示すように推移することに対応している。
一方、図4に実線は、前記「付着・残存あり」の場合(X2>0)において、本装置とは異なり、「付着・残存なし」の場合と同様にQfinp=Qfinpb、Qfinm=Qfinmbとされる場合を示している。このことは、噴射率に関して、図4に実線で示される山の形状が図4に破線で示される山の形状と一致していることに対応している。
図4の実線に示すように、X1は、パイロット噴射によりシリンダ内壁に付着した燃料の膜厚の推移における最大値であり、X2は、その推移におけるメイン噴射開始時点CAinjmでの値である。このように、膜厚は、最大値X1となった後においてメイン噴射開始前までは比較的緩やかに減少していく。これは、付着燃料の一部が圧縮行程における筒内温度の上昇等に起因して比較的緩やかに蒸発していくことに基づく。
ここで、本明細書では、このように付着燃料のうちでメイン噴射開始前に蒸発した分は全て、メイン噴射開始時点CAinjmでの筒内温度上昇に寄与し得ると仮定する。この仮定により、本明細書では、値「A・X2」(>0)は、パイロット噴射燃料のうちでメイン噴射開始時点CAinjmでの筒内温度の上昇に寄与し得なかった分を表す。このことは、パイロット噴射燃料の反応に関して、熱発生率の推移を表す図4に実線で示される山の面積が図4に破線で示される山の面積よりも小さいことに対応している。
これに起因して、図4に実線で示される場合におけるメイン噴射開始時点CAinjmでの筒内温度は、値「A・X2」に相当する分だけ図4に破線で示される場合に比して低くなる。この結果、図4に実線で示される場合のメイン噴射燃料の着火遅れ時間が図4に破線で示される場合の着火遅れ時間(即ち、所望の時間)に比して長くなるから、図4に実線で示される場合はメイン噴射燃料の燃焼状態が適正に調整され得ない。このことは、メイン噴射燃料の燃焼に関して、熱発生率の推移を表す図4に実線で示される山が図4に破線で示される山よりも右にシフトしていることに対応している。
ここで、本明細書では、付着燃料のうちでメイン噴射開始時点にて残存していた分は全て、メイン噴射燃料の燃焼に伴う筒内温度の急上昇に起因して全て蒸発・燃焼し得ると仮定する。このことは、図4に実線で示される膜厚がメイン噴射開始後において急激に「0」まで減少することに対応している。この仮定により、本明細書では、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かにかかわらず、総燃料噴射量(=Qfinp+Qfinm)が一定であれば、出力トルクが略一定(即ち、所望の値)に維持され得ることを意味する。
以上、図4に実線で示すように、前記「付着・残存あり」の場合(X2>0)において、「付着・残存なし」の場合(X2=0)と同様にQfinp=Qfinpb、Qfinm=Qfinmbとすると、メイン噴射開始時点CAinjmでの筒内温度が低下する(上述した「付着・残存ありの場合におけるメイン噴射開始時点での筒内温度の低下」に対応)。この結果、メイン噴射燃料の着火遅れ時間が所望の時間よりも長くなる(従って、メイン噴射燃料の燃焼状態が適正に調整され得ない)。
これに対し、図5の実線は、図4に実線で示した前記「付着・残存あり」の場合(X2>0)であって、且つ、本装置が適用される場合を示す。即ち、この場合、Qfinp=Qfinpb+A・X2、Qfinm=Qfinmb−A・X2とされる。このことは、パイロット噴射の噴射率に関して、図5に実線で示される山の面積が図5に破線で示される山の面積よりも大きく、且つ、メイン噴射の噴射率に関して、図5に実線で示される山の面積が、図5に破線で示される山の面積よりも小さいことに対応している。なお、図5の破線は、図4の破線と同じ推移を示す。
なお、図5では、説明の都合上、今回のサイクルにおける値X2が今回のサイクルにおける噴射量の調整に使用されているが、上述したように、実際には、「前サイクル」において膜厚センサ77により検出された値X2が今回のサイクルにおける噴射量の調整に使用される。
このように、本装置では、前記「付着・残存あり」の場合、前記「付着・残存なし」の場合に比して、パイロット噴射量Qfinpが、値「A・X2」(即ち、パイロット噴射燃料のうちでメイン噴射開始時点CAinjmでの筒内温度の上昇に寄与し得なかった分)だけ増大される。これにより、メイン噴射開始前におけるパイロット噴射燃料の反応量(即ち、メイン噴射開始時点での筒内温度上昇に寄与し得る燃料量)が増大する。
この結果、前記「付着・残存あり」の場合において、メイン噴射開始前におけるパイロット噴射燃料の反応量を、前記「付着・残存なし」の場合の値に近づけることができる。このことは、パイロット噴射燃料の反応に関して、熱発生率の推移を表す図5に実線で示される山の面積が図5に破線で示される山の面積と略等しいことに対応している。
従って、上述した「付着・残存ありの場合におけるメイン噴射開始時点での筒内温度の低下」が補償され得、「付着・残存あり」の場合において、メイン噴射開始時点での筒内温度を、「付着・残存なし」の場合の値(即ち、所望の値)に近づけることができる。この結果、メイン噴射燃料の着火遅れ時間を、前記「付着・残存なし」の場合の着火遅れ時間(即ち、所望の時間)に近づけることができる。このことは、メイン噴射燃料の燃焼に関して、熱発生率の推移を表す図5に実線で示される山が図5に破線で示される山と略一致していることに対応している。
加えて、本装置では、前記「付着・残存あり」の場合、前記「付着・残存なし」の場合に比して、メイン噴射量Qfinmが、値「A・X2」だけ減少される。これにより、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かによって総燃料噴射量(=Qfinp+Qfinm)が変化しない。従って、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かによって出力トルクが変化しないから、「付着・残存あり」の場合に実行されるパイロット噴射量の増大及びメイン噴射量の減少に伴う出力トルクの変動を抑制できる。
以上、説明したように、本発明による燃料噴射制御装置によれば、前記「付着・残存あり」の場合、前記「付着・残存なし」の場合に比して、パイロット噴射量Qfinpが値「A・X2」だけ増大され且つメイン噴射量Qfinmが値「A・X2」だけ減少される。これにより、上述した「付着・残存ありの場合におけるメイン噴射開始時点での筒内温度の低下」が補償され得、前記「付着・残存あり」の場合においてメイン噴射燃料の燃焼状態を適正に維持できる。この結果、メイン噴射燃料の燃焼に基づく騒音を安定して抑制し、或いは、メイン噴射燃料の燃焼に基づくエミッションの排出を安定して抑制することができる。
加えて、「付着・残存あり」か「付着・残存なし」かによって総燃料噴射量(=Qfinp+Qfinm)が変化しないから、「付着・残存あり」の場合に実行されるパイロット噴射量の増大及びメイン噴射量の減少に伴う出力トルクの変動を抑制できる。この結果、出力トルク変動に起因するドライバビリティの悪化を抑制できる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、複数の気筒のうちの一部の気筒(膜厚測定気筒)にのみ膜厚センサ(膜厚測定手段)が備えられ、前記「前サイクル」(膜厚測定気筒についての最新の燃料噴射が行われたサイクル)に対して膜厚測定手段により測定された膜厚(X2)に基づく筒内燃料付着量(A・X2)を利用して、全ての気筒についての今回のサイクルに対するパイロット噴射量及びメイン噴射量が決定されているが、複数の気筒の全てに膜厚センサ(膜厚測定手段)がそれぞれ備えられ、気筒毎に、前回のサイクルに対して膜厚測定手段により測定された膜厚(X2)に基づく筒内燃料付着量(A・X2)を利用して今回のサイクルに対するパイロット噴射量及びメイン噴射量が決定されてもよい。
また、上記実施形態では、前記「前サイクル」に対して得られた筒内燃料付着量(A・X2)を利用して今回のサイクルに対するパイロット噴射量及びメイン噴射量が決定されているが、筒内燃料付着量に相関するパラメータ(例えば、冷却水温等)の現在値に基づいて今回のサイクルに対する筒内燃料付着量を推定(予測)し、この推定された筒内燃料付着量を利用して今回のサイクルに対するパイロット噴射量及びメイン噴射量が決定されてもよい。
また、上記実施形態では、前記「前サイクル」に対して膜厚測定手段により測定された膜厚の推移のうちでメイン噴射開始時点での膜厚(X2)にのみ基づいて、燃料噴射量の決定に使用される筒内燃料付着量(A・X2)が推定されているが、前記「前サイクル」に対して膜厚測定手段により測定された膜厚の推移のうちでメイン噴射開始時点での膜厚(X2)に加えて最大値(X1)にも基づいて、燃料噴射量の決定に使用される筒内燃料付着量(A・X2)が推定されてもよい。
また、上記実施形態では、基本パイロット噴射量及び基本メイン噴射量の決定に使用される前記「運転状態」として、エンジン回転速度及びアクセル開度が使用されているが、例えば、熱線式エアフローメータ71により計測される吸入空気(新気)量、吸気温センサ72により検出される吸気温度、吸気管圧力センサ73により検出される吸気管圧力、燃料温度センサ76により検出される燃料の温度等を使用してもよい。
また、上記実施形態では、「付着・残存あり」の場合において、パイロット噴射量(Qfinp)が基本パイロット噴射量(Qfinpb)に筒内燃料付着量(A・X2)と等しい値を加算した値に決定され、且つ、メイン噴射量(Qfinm)が基本メイン噴射量(Qfinmb)から筒内燃料付着量(A・X2)と等しい値を減算した値に決定されているが、パイロット噴射量が基本パイロット噴射量に「筒内燃料付着量に正の係数(例えば、1より大、又は1より小)を乗じた値」を加算した値に決定され、且つ、メイン噴射量が基本メイン噴射量から「筒内燃料付着量に正の係数を乗じた値」を減算した値に決定されてもよい。
また、上記実施形態では、「付着・残存あり」の場合において、筒内燃料付着量を含まない運転状態(エンジン回転速度、アクセル開度等)に基づいて決定される基本パイロット・基本メイン噴射量を筒内燃料付着量で補正してパイロット・メイン噴射量がそれぞれ決定されているが、筒内燃料付着量を含まない運転状態と、筒内燃料付着量に相関するパラメータ(例えば、冷却水温等)の現在値に基づいて推定(予測)される今回のサイクルに対する筒内燃料付着量と、に基づいて今回のサイクルに対するパイロット噴射量及びメイン噴射量が直接決定されてもよい。
また、上記実施形態では、メイン噴射の前にパイロット噴射が1回のみ実行されているが、メイン噴射の前に2回以上のパイロット噴射が実行されてもよい。この場合、例えば、「付着・残存あり」の場合において、各パイロット噴射量についての対応する基本パイロット噴射量からの増大量の和が推定された筒内燃料付着量と一致するように各パイロット噴射量の増大量がそれぞれ決定されることが好適である。
加えて、上記実施形態では、本発明が適用される内燃機関としてディーゼル機関が採用されているが、本発明が適用される内燃機関として火花点火式内燃機関が採用されてもよい。
21…燃料噴射弁、60…電気制御装置、61…CPU、74…クランクポジションセンサ、75…アクセル開度センサ、77…膜厚センサ
Claims (7)
- 内燃機関の燃焼室内で燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
圧縮行程上死点近傍にて行われる燃料噴射であるメイン噴射用の燃料噴射量であるメイン噴射量と、前記メイン噴射の前に少なくとも1回行われる燃料噴射であるパイロット噴射用の燃料噴射量であるパイロット噴射量と、を前記内燃機関の運転状態に基づいて決定する噴射量決定手段と、
前記パイロット噴射量及び前記メイン噴射量の燃料の噴射指示を前記燃料噴射弁に対してそれぞれ行って前記パイロット噴射及び前記メイン噴射を達成する噴射指示手段と、
を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記噴射量決定手段は、
前記パイロット噴射の実行により前記燃焼室を構成する部材の内壁に付着する燃料の量である筒内燃料付着量を推定する付着量推定手段を備え、
前記筒内燃料付着量がゼロよりも大きい場合、前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対して、前記パイロット噴射量をより大きい値に決定するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 請求項1に記載の燃料噴射制御装置において、
前記噴射量決定手段は、
前記筒内燃料付着量が大きいほど、前記パイロット噴射量をより大きい値に決定するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置において、
前記噴射量決定手段は、
前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対して前記パイロット噴射量が大きい分だけ、前記メイン噴射量を、前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対してより小さい値に決定するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記噴射量決定手段は、
前記運転状態に基づいて、前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対応する前記パイロット噴射量である基本パイロット噴射量と、前記筒内燃料付着量がゼロの場合に対応する前記メイン噴射量である基本メイン噴射量と、を決定する基本噴射量決定手段を備え、
前記パイロット噴射量を、前記基本パイロット噴射量に前記筒内燃料付着量に基づく値を加算した値に決定するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記噴射量決定手段は、
前記メイン噴射量を、前記基本メイン噴射量から前記筒内燃料付着量に基づく値を減算した値に決定するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記付着量推定手段は、
前記燃焼室を構成するシリンダの内壁に付着した燃料の膜厚を測定する膜厚測定手段を備え、前記測定された膜厚に基づいて前記筒内燃料付着量を推定するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記噴射量決定手段は、
今回のサイクルに対する燃料噴射量の決定に使用される前記筒内燃料付着量として、前記膜厚測定手段により測定された前回のサイクルにおける前記メイン噴射の開始時点での膜厚に基づいて推定される値を使用するように構成された内燃機関の燃料噴射制御装置。
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JP2008059239A JP2009215934A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015001157A (ja) * | 2013-06-13 | 2015-01-05 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の熱発生率波形作成装置および燃焼状態診断装置 |
-
2008
- 2008-03-10 JP JP2008059239A patent/JP2009215934A/ja active Pending
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