JP2009215398A - 表示装置保護板 - Google Patents

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弘樹 石橋
Tadayoshi Sawada
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Abstract

【課題】本発明は、成形時の複屈折を小さくし、かつ耐衝撃性が向上した表示装置保護板を目的とする。
【解決手段】本発明の表示装置保護板は、メタクリル系樹脂(A)70〜95質量%と、1,3−ブタジエン(b1)30〜80質量%と、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)20〜70質量%とを含む単量体混合物((b1)+(b2))=100質量%)を重合して得られるジエン系共重合体(b3)100質量部の存在下に、メタクリル酸メチルを80質量%以上含む単量体または単量体混合物(b4)10〜500質量部を重合して得られるグラフト共重合体(B)5〜30質量%と、を含んでなるメタクリル系樹脂組成物を成形することよりなる。
【選択図】なし

Description

本発明は表示装置保護板に関する。
メタクリル系樹脂は光学的性質に優れているため、携帯電話窓、オーディオ銘板等、様々な透過表示装置の保護板として広く用いられている。このような成形品では、成形時の残留応力が大きいと複屈折が大きくなり、輝度むら、ぎらつき(光の干渉による虹模様)が発生して外観を損ねるため、複屈折を小さくすることが必要である。メタクリル系樹脂は本来、複屈折の小さな樹脂であるが、近年の成形品の薄型化、成形のハイサイクル化により、成形品の残留応力が大きくなりやすくなっており、より一層複屈折を小さくすることが求められる。複屈折を小さくする方法として、ノズル開閉式ホットランナー射出成形用金型を用いるメタクリル系樹脂の低歪み射出成形方法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、これら表示装置保護板は、液晶などの表示装置を保護する部材として用いられるため、外部からの衝撃に対する強度が必要とされている。近年、携帯電話などの携帯型情報端末類は、軽量、スリム化が進み、表示装置保護板としての透明樹脂板は、厚みを薄くすることが要求され、衝撃強度の向上が要求されている。そのため、携帯電話類の表示装置保護板に用いられるメタクリル系樹脂には、ゴム粒子を分散させることが一般的である(例えば、特許文献2)。
特開平9−39055号公報 特開2006−232879号公報
しかしながら、ホットランナー射出成形用金型を用いる射出成形方法は、ホットランナー中で樹脂が滞留しやすく、滞留した樹脂が劣化することにより、成形品に劣化物、炭化物が混入し、外観を損ねる問題があった。特にゴム粒子を分散させた樹脂は劣化しやすく、劣化物、炭化物の混入が顕著であった。
そこで、本発明は、メタクリル系樹脂組成物を成形して得られる表示装置保護板の複屈折を小さくし、かつ耐衝撃性が向上した表示装置保護板を目的とする。
上述のような課題を解決するために検討を重ねた結果、メタクリル系樹脂にブタジエンを含有するゴム成分を添加することにより、成形時の分子配向による複屈折と残留応力を小さくし、かつ耐衝撃性が向上したメタクリル系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明の表示装置保護板は、メタクリル系樹脂(A)70〜95質量%と、
1,3−ブタジエン(b1)30〜80質量%と、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)20〜70質量%とを含む単量体混合物((b1)+(b2))=100質量%)を重合して得られるジエン系共重合体(b3)100質量部の存在下に、メタクリル酸メチルを80質量%以上含む単量体または単量体混合物(b4)10〜500質量部を重合して得られるグラフト共重合体(B)5〜30質量%と、
を含んでなるメタクリル系樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする。
本発明の表示装置保護板によれば、成形して得られる表示装置保護板の複屈折を小さくし、かつ耐衝撃性を向上することができる。
本発明の表示装置保護板は、メタクリル系樹脂(A)70〜95質量%と、グラフト共重合体(B)5〜30質量%とを含んでなるメタクリル系樹脂組成物を成形して得られる。
[メタクリル系樹脂(A)]
本発明におけるメタクリル系樹脂とは、メタクリル酸メチル(MMA)と、MMAと共重合可能な単量体との比である、MMA/共重合可能な単量体(質量比)が、80/20〜100/0の重合体である。
前記共重合可能な単量体は特に限定されないが、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、等のMMAを除くメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸、等の不飽和酸類、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等があり、中でもアクリル酸メチルのようなアクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
メタクリル系樹脂(A)中の前記共重合可能な単量体の配合量は、20質量%以下であれば特に限定されず、メタクリル系樹脂(A)に求める品質に応じて、選択することができる。例えば、アクリル酸アルキルエステルを配合する場合には、好ましくは0.2〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。アクリル酸アルキルエステルの配合量が0.2質量%以上であると、成形時の流動性および耐熱分解性等が向上し、成形加工性が良好となる。一方、20質量%を超えると、耐熱性の低下、透過率の悪化等を招くためである。
本発明で使用するメタクリル系樹脂(A)の製造方法に特に制限はなく、公知の重合方法である溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、キャスト重合等の各重合方法が採用できる。その際の、重合開始剤、分子量調節剤等として、公知のアゾ系化合物、過酸化物、各種メルカプタン化合物、テルペノイド系化合物等を適宜使用できる。
[グラフト共重合体(B)]
本発明におけるグラフト共重合体(B)は、1,3−ブタジエン(b1)30〜80質量%と、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)20〜70質量%とを含む単量体混合物((b1)+(b2)=100質量%)を重合して得られるジエン系共重合体(b3)の存在下に、MMAを80質量%以上含む単量体または単量体混合物(b4)10〜500質量部を重合して得られる共重合体である。
<1,3−ブタジエン(b1)>
ジエン系共重合体(b3)における、1,3−ブタジエン(b1)の配合量は、30〜80質量%であり、好ましくは40〜60質量%である。30質量%未満であると、複屈折が増加し、80質量%を超えると耐候性、耐熱安定性が低下するためである。
<アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)>
アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)は特に限定されないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
ジエン系共重合体(b3)100質量%における、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)の配合量は20〜70質量%であり、好ましくは40〜60質量%である。20質量%未満であると耐候性および耐熱安定性が低下し、70質量%を超えると耐衝撃性の向上効果が充分でないためである。
前記ジエン系共重合体(b3)には、前記1,3−ブタジエン(b1)、前記アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)以外に、共重合可能な単官能性単量体であって、前記アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)を除く単官能性単量体((c)成分)、および/または、共重合可能な多官能性単量体((d)成分)を配合した単量体混合物を用いることができる。(c)成分、および/または、(d)成分を配合することで、ジエン系共重合体(b3)の屈折率をメタクリル系樹脂の屈折率と一致させたり、耐衝撃性の向上を図ることができる。
《(c)成分》
ジエン系共重合体(b3)の(c)成分は、共重合可能な単官能性単量体であってアルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)を除く単官能性単量体である。
(c)成分は、ジエン系共重合体(b3)の屈折率を調整できるものであり、特に限定されないが、例えばスチレン、アクリロニトリル等を挙げることができる。これらを1種単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ジエン系共重合体(b3)100質量%における(c)成分の配合量は、0〜30質量%である。30質量%を超えると屈折率の調整が困難となるためである。
《(d)成分》
ジエン系共重合体(b3)の(d)成分は共重合可能な多官能性単量体である。
(d)成分は、ジエン系共重合体(b3)の架橋度を調整するものであれば、特に限定されないが、例えばジビニルベンゼン等のジビニル化合物、ジメタクリル酸エチレングリコール等のジメタクリル化合物、アクリル酸、メタクリル酸等のアリルエステル等が挙げられる。
ジエン系共重合体(b3)100質量%における(d)成分の配合量は、0〜5質量%である。
<単量体または単量体混合物(b4)>
単量体または単量体混合物(b4)は、MMAを主成分とする。単量体または単量体混合物(b4)におけるMMAの配合量は80〜100質量%であり、好ましくは85〜99質量%、より好ましくは90〜95質量%である。80質量%未満であると、得られる重合体の透明性、耐熱性、耐候性が低下するおそれがあるためである。
単量体または単量体混合物(b4)は、MMA以外にアルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル((e)成分)、および/または、共重合可能な単官能性単量体であって炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステルを除く単官能性単量体((f)成分)を配合することができる。(e)成分を配合することで、耐熱安定性の向上を図ることができ、(f)成分を配合することで、屈折率の調整を図ることができる。
《(e)成分》
単量体または単量体混合物(b4)の(e)成分は、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルであり、前記アクリル酸アルキルエステル(b2)と同じものを使用できる。
単量体または単量体混合物(b4)における(e)成分の配合量は、0〜20質量%であり、下限は安定的に効果を示す0.5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。(e)成分の配合が多すぎると耐熱性が低下するためである。
《(f)成分》
単量体または単量体混合物(b4)の(f)成分は、共重合可能な単官能性単量体であってアルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルを除く単官能性単量体であり、前記(c)成分と同じものを使用できる。
単量体または単量体混合物(b4)100質量%における(f)成分の配合は、0〜10質量%とすることが好ましい。(f)成分の配合量が多すぎると透明性が低下するためである。
本発明におけるグラフト共重合体(B)は、前記ジエン系共重合体(b3)と前記単量体または単量体混合物(b4)とを重合して得られるグラフト共重合体である。前記グラフト共重合体(B)においては、前記ジエン系共重合体(b3)100質量部に対して、前記単量体又は単量体混合物(b4)が10〜500質量部であり、好ましくは20〜300質量部、より好ましくは30〜150質量部である。前記単量体又は単量体混合物(b4)が10質量部未満であると常温での取り扱い性に劣り、500質量部を超えると耐衝撃性が充分でないためである。
本発明で用いるグラフト共重合体(B)の製造は、乳化重合による方法が好ましい。その方法は特に限定されず、公知の乳化剤、重合開始剤が使用可能である。また得られたポリマーラテックスを公知の方法で凝固、脱水、乾燥することにより該共重合体を回収することができる。
[その他任意成分]
本発明のメタクリル系樹脂組成物には、必要に応じて、種々の公知の添加剤を配合することができる。該添加剤としては、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール類のような酸化防止剤;ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、トリアジン類、マロン酸エステル類、シアノアクリレート類のような紫外線吸収剤;パルミチン酸、ステアリルアルコールのような滑剤;染顔料等が挙げられる。なお、これらは必要に応じて2種以上を併用することもできる。
[メタクリル系樹脂組成物]
本発明におけるメタクリル系樹脂組成物は、前記メタクリル系樹脂(A)と、前記グラフト共重合体(B)とを含んでなる組成物である。
メタクリル系樹脂組成物中、前記メタクリル系樹脂(A)の含有量は70〜95質量%であり、好ましくは70〜90質量%、より好ましくは75〜85質量%である。70質量%未満であると透明性に劣り、95質量%を超えると複屈折が大きくなるためである。
メタクリル系樹脂組成物中、前記グラフト共重合体(B)の含有量は5〜30質量%であり、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。5質量%未満であると耐衝撃性が充分でなく、30質量%を超えると耐候性が劣るためである。
本発明のメタクリル系樹脂組成物を調製する方法としては、公知の方法が適用できる。例えば、予め重合して得たビーズ状、ペレット形状あるいは粉砕されたメタクリル系樹脂(A)に、グラフト共重合体(B)、その他必要に応じた添加剤等をヘンシェルミキサー等でブレンドして、一軸または二軸の押出機や各種ニーダー等を用いて溶融混練して、ペレット化する方法が挙げられる。その際に、使用する押出機等は水分・空気等を脱気するためにベントを有している方が好ましい。さらに、ホッパー側から窒素ガスを適当量フローすることで、使用する材料が押出し時の高温で熱劣化することが抑えられ、成形品の着色低減といった効果が得られる。
[表示装置保護板]
本発明の表示装置保護板の形態は特に限定されず、用途に合わせて決定することができ、例えば、厚さは0.3〜10mmの範囲とすることが好ましい。かかる厚さの範囲において、本発明の表示装置保護板が顕著な優位性を示すためである。
本発明における表示装置保護板の製造方法は特に限定されることなく、例えば射出成形、押出成形等、公知の方法で成形することにより得ることができる。
本発明は、メタクリル系樹脂本来の優れた透明性、表面光沢、耐候性を損なわずに、成形時に生じる複屈折と残留応力を低減し、かつ耐衝撃性を向上させるものである。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
まず、本実施例で使用するメタクリル系樹脂や耐衝撃改質剤の製造について説明する。なお、使用するモノマー等の化合物については下記の略号を用いる。
MMA メタクリル酸メチル
KMA メタクリル酸カリウム
SEMS メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム
DW イオン交換水
MA アクリル酸メチル
BA アクリル酸ブチル
BD 1,3−ブタジエン
TBH t−ブチルパーオキサイド
CHP クメンハイドロパーオキサイド
DIPB ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド
AIBN 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
NOM n−オクチルメルカプタン
SFS ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
EDTA エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
TK 混合脂肪酸カリウム(商品名:ノンサールTK−1、日本油脂株式会社製)
LN n−ラウロイルサルコシネートナトリウム(商品名:ザルコシネートLN、日光ケミカルス株式会社製)
DOSN ジオクチルスルホコハク酸ソーダ
STOH ステアリルアルコール
BPH 2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)
(製造例1)分散安定剤(1)の製造
攪拌機を備えた重合装置中で、58質量部のSEMS、31質量部のKMA水溶液(KMA分30質量%)、11質量部のMMAを900質量部のDWに攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲気下で攪拌しながら徐々に昇温し50℃に到達したところで重合開始剤として0.1質量部の過硫酸アンモニウムを添加し、さらに60℃まで昇温した。ここで、さらに11質量部のMMAを75分間かけて連続的に滴下した後、攪拌しつつ60℃で6時間保持して、アニオン系高分子化合物水溶液を得た。得られたアニオン系高分子化合物水溶液を分散安定剤(1)とする。
(製造例2)分散安定剤(2)の製造
攪拌機を備えた重合装置に、200質量部のKMA水溶液(KMA分35質量%)と30質量部のMMAとからなる単量体混合物を加えて攪拌し、窒素雰囲気下で混合物を攪拌しながら徐々に昇温して70℃に到達したところで、重合開始剤として0.1質量部の過硫酸アンモニウムを添加し、さらに80℃まで昇温して、攪拌しつつ80℃で6時間保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。このアニオン系高分子化合物水溶液を、分散安定剤(2)とする。
(製造例3)メタクリル系樹脂(I)の製造
攪拌機を備えた反応容器に、98質量部のMMA、2質量部のMA、重合開始剤として0.1質量部のAIBN、連鎖移動剤として0.22質量部のNOM、離型剤として0.2質量部のSTOHを加え攪拌溶解して単量体混合物を準備した。また、別の容器に200質量部のDWを入れ、0.5質量部の分散安定剤(1)及び0.1質量部の分散安定剤(2)、分散安定助剤として0.5質量部の硫酸ナトリウムを加え攪拌溶解した。次いで、前述の単量体混合物と、分散安定剤(1)、(2)、分散安定助剤を溶解させた脱イオン水混合物を攪拌機が備わった反応容器に投入し、窒素置換しながら350rpmで15分間攪拌した。その後、75℃に加温して重合を開始させ、重合ピーク発現後、95℃、30分間の熱処理を行い、重合を完結させた。次いで、濾過、水洗し、75℃で24時間乾燥した後、ビーズ状のメタクリル系樹脂を得た。このビーズ状のメタクリル系樹脂を、押出機PCM30(池貝株式会社製、30mm、2軸)を用いて、シリンダー温度240℃で押出し、ペレット状のメタクリル系樹脂(I)を得た。
(製造例4)グラフト共重合体(II)の製造
<ラテックス(1)の製造>
下記の全ての物質をオートクレーブに仕込み、50℃で9時間乳化重合した。なお、下記の物質の中でBD(1,3−ブタジエン)を除く物質については、重合開始前に、その中に含まれる酸素を窒素で置換し、実質上重合反応を阻害しない状態とした。その結果、転化率97%で、平均粒子径0.9μmのゴム状重合体のラテックスが得られた。これをラテックス(1)とする。
BA 55質量部
BD 45質量部
DIPB 0.2質量部
TK 1質量部
LN 0.5質量部
ピロリン酸ナトリウム 0.5質量部
硫酸第一鉄 0.005質量部
デキストローズ 0.03質量部
DW 200質量部
<ラテックス(2):酸基含有共重合体の調製>
下記の組成の混合物を5Lのガラス製丸底フラスコに入れ、70℃で1.5時間重合させた(1段目の重合)。
BA 2.5質量部
オレイン酸カリウム 0.2質量部
DOSN 0.1質量部
CHP 0.1質量部
SFS 0.03質量部
DW 20質量部
引き続き70℃で、下記の組成の混合物を1時間かけて滴下し、その後1時間攪拌を続けて重合を行い(2段目の重合)、ラテックス(2)を得た。転化率は98%であった。
BA 6質量部
メタクリル酸 1.5質量部
CHP 0.03質量部
オートクレーブ中にて、前記ラテックス(1)(ポリマー固形分100質量部を含む)を内温30℃で攪拌しながら、前記ラテックス(2)を3質量部加え、その後30分間保持して肥大化されたゴム状重合体のラテックスを得た。その後、内温50℃で攪拌しながら、10%硫酸ナトリウム水溶液3.4質量部を加え、その後15分間保持して、肥大化ゴム状重合体のラテックスを得た。
<ラテックス(3):グラフト共重合体の調製>
前記肥大ゴム状重合体のラテックスへ、下記の物質を順番に一括添加して60分間保持し、その後に内温を80℃に昇温して、1時間保持した。
DW 5質量部
EDTA 1.2×10−4質量部
硫酸第一鉄 4×10−5質量部
SFS 0.15質量部
DW 24質量部
続いて、下記の混合物を一括添加した後、15分間保持した。
LN 0.5質量部
DW 10質量部
次に、下記の組成の単量体含有混合物を60分間かけて添加し、その後さらに60分間重合を継続して行い、グラフト共重合体のラテックスを得た。その際、MMAの転化率は99%であった。
MMA 38質量部
MA 1.6質量部
NOM 0.2質量部
TBH 0.06質量部
次に、50℃の温度条件下、前記グラフト共重合体のラテックスに攪拌しながら下記の混合物を加えた。
BPH 0.3質量部
TK 0.2質量部
DW 4質量部
その後、内温を40℃以下にした状態でオートクレーブからグラフト共重合体のラテックス(固形分35.6%)を取り出した。これをラテックス(3)とした。
<グラフト共重合体粒子の回収>
オーバーフローの攪拌槽(以後、凝析槽と称する)の下流に、オーバーフローの攪拌槽2基(以後、凝析層に近い方から順に、固化1槽、固化2槽と称する)を直列に連結した3槽を用いて以下のようにして凝固した。凝析槽にラテックス(3)供給用の浸漬ノズルを、液面に垂直に浸漬されるように、さらに吐出口の深さが液面から50mmの深さになるように設置した。凝析剤には0.48%硫酸水溶液を使用し、各槽の温度を凝析槽/固化1槽/固化2槽=60℃/70℃/95℃に設定して、凝析槽、固化1槽、2槽の各攪拌回転数をそれぞれ365rpm、365rpm、324rpmに設定した。そして、ラテックス(3)を上記浸漬ノズルから6.6kg/hrで、0.48%硫酸水溶液を7.26kg/hr[ラテックス/硫酸=1/1.1(凝析槽内重合体固形分濃度22.2%)]となるように添加速度を設定し、連続凝固を行い、凝固液スラリーを得た。
得られた凝固液スラリーを遠心脱水機(田辺上部排出型O−20型)で脱水処理(1800rpm:3分間)した後、熱風温度80℃に設定したバッチ式流動乾燥機を用いて乾燥し、共重合体粒子を得た。これをグラフト共重合体(II)とした。
(射出成形サンプルの作製)
前述のメタクリル系樹脂(I)、グラフト共重合体(II)、その他添加剤等の所定量を、ヘンシェルミキサーで混合して、PCM30(池貝株式会社製、30mm、2軸、ベント付き)押出機を用いて、シリンダー温度220℃で押出してペレット化した。その際、ホッパー口から乾燥窒素ガスをペレット化に支障がない範囲でフローした。得られたペレットを80℃で8時間以上乾燥した後、射出成形機(IS80FPA3−2A、東芝機械株式会社製)を用いて、樹脂温度:240℃、金型温度:60℃で射出成形を行い、100mm角×1mm厚、100mm角×4mm厚の成形サンプルを作製した。
(複屈折評価)
市販の1枚の偏光板(NPF、日東電工株式会社製)から2枚の長方形を切り出した。2枚の長方形の長手方向は元の偏光板で同じ方向になるようにしている。2枚の偏光板の長辺を直交させて重ねると、光は透過しない。この時、偏光板の間に複屈折のある物質を挟むと光が透過するようになる。この方法を用いて、前述の100mm角×1mm厚の射出成形サンプルを偏光板の間に挟み、光が透過する面積を目視で求めた。その面積が大きいほど複屈折は大きく、100mm角サンプル全面積の20%以上の場合を×、20%未満の場合を○と判定した。
(残留応力評価)
100℃に調節したオーブン中で、ガラス板の上に前述の100mm角×1mm厚の射出成形サンプルを水平に置き、2時間加熱する。加熱後は、サンプルを室温で30分以上冷却する。冷却後のサンプルをガラス板上に置き、サンプルのガラス板から浮き上がった量を測定する。加熱による変形量が大きいものを残留応力が大きいと判定した。
(耐衝撃性評価)
JIS K7111に準拠してシャルピー衝撃強さを測定した。試験片は、前述の100mm角×4mm厚の射出成形サンプルから機械加工によって、1号E・A試験片を作成した。
(実施例1)
メタクリル系樹脂(A)として製造例3で製造したメタクリル系樹脂(I)85質量部と、グラフト共重合体(B)として製造例4で製造したグラフト共重合体(II)15質量部の合計100質量部に対して、リン系安定剤(商品名:アデカスタブ2112、株式会社ADEKA製)0.15質量部、酸化防止剤(商品名:Irganox1076、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.3質量部、紫外線吸収剤(商品名:チヌビンP、チバスペシャルティケミカルズ社製)0.03質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機でペレット化して、次いで上述の方法で射出成形して評価用サンプル(表示装置保護板成形品)を作製した。評価用サンプルの評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、メタクリル系樹脂(I)、グラフト共重合体(II)をそれぞれ75質量部、25質量部とし、以下、実施例1と同様に評価用サンプルを作製した。評価用サンプルの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、メタクリル系樹脂(I)、グラフト共重合体(II)をそれぞれ97質量部、3質量部とし、以下、実施例1と同様に評価用サンプルを作製した。評価用サンプルの評価結果を表1に示す。
(比較例2)
メタクリル系樹脂(I)85質量部と、アクリル酸ブチル80質量部とスチレン20質量部を重合して得られるアクリル系弾性共重合体100質量部の存在下、メタクリル酸メチル95質量部とアクリル酸メチル5質量部からなる単量体混合物60質量部を重合して得られる共重合体(II’)15質量部を混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様に行った。評価用サンプルの評価結果を表1に示す。
(比較例3)
メタクリル系樹脂(I)100質量部のみを射出成形して評価用サンプルを作製した。評価用サンプルの評価結果を表1に示す。
Figure 2009215398
表1の結果から、本発明のメタクリル系樹脂組成物より成る成形品(実施例1、2)は、比較例1〜3よりも低い複屈折であった。また、実施例1、2は、比較例1〜3に比べて加熱変形量が小さいことから残留応力が高く、かつ、耐衝撃性に優れていることは明らかであった。

Claims (1)

  1. メタクリル系樹脂(A)70〜95質量%と、
    1,3−ブタジエン(b1)30〜80質量%と、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル(b2)20〜70質量%とを含む単量体混合物((b1)+(b2))=100質量%)を重合して得られるジエン系共重合体(b3)100質量部の存在下に、メタクリル酸メチルを80質量%以上含む単量体または単量体混合物(b4)10〜500質量部を重合して得られるグラフト共重合体(B)5〜30質量%と、
    を含んでなるメタクリル系樹脂組成物を成形して得られる表示装置保護板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020095622A1 (ja) 2018-11-05 2020-05-14 テクノUmg株式会社 グラフト共重合体、熱可塑性樹脂組成物およびその成形品

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