JP2009215367A - メタクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

メタクリル系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚染物質(炭化物)を発生させないことや樹脂の着色を防止するメタクリル系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】
以下の工程を有するメタクリル系重合体の製造方法。
(1)完全混合型反応器1基と続く直列に配置されたプラグフロー型反応器を用いて、重合して重合体含有率が66〜85質量%である重合体組成物とする第一の工程、(2)スクリュの軸方向における駆動部側から先端側に向かってリア揮発成分出口、重合体組成物供給口、フォア揮発成分出口、重合体出口の順に配列したスクリュ式脱揮装置に、重合体組成物を供給し、揮発成分を脱揮する工程であって、以下の条件を満たす第二の工程
(A)重合体組成物の供給温度T;180℃〜250℃
(B)重合体組成物供給口のシリンダー設定温度T;180℃〜265℃
(C)スクリュ先端部のシリンダー設定温度T;50℃〜265℃
(D)前記TとTの温度差;80℃以下
【選択図】図1

Description

本発明は、メタクリル系重合体の製造方法に関するものである。
メタクリル系重合体は、透明性、耐候性、外観に優れており、照明、看板、車両など多くの分野で使用されている。中でも、その卓越した透明性により、近年、光学レンズ、ディスク基盤、プラスチック光ファイバ、ディスプレイ部材など、光学材料として脚光を浴びている。この透明性を最大限に引き出すためには、製造過程において汚染物質(炭化物)を発生させないことや樹脂の着色を防止する必要がある。特に、重合工程、重合体組成物からの揮発分除去工程において、汚染物質の発生や樹脂の着色を防止することが望まれている。
光学材料で汚染物質(炭化物等)が存在すると、それにより光が散乱し、あるいは光が吸収されるため、光学的な伝送損失が増大するといった問題が生じる。また、樹脂が着色しても、光学的な伝送損失の増大などの問題が生じる。従ってメタクリル系重合体を製造する際、汚染物質を発生させない、または樹脂の着色を防止する脱揮方法は、各分野から望まれている。
重合体組成物から揮発成分を分離除去する方法としては、スクリュ式脱揮押出装置を用いた方法が提案されている。スクリュ式脱揮押出装置は、一般に、重合体組成物供給口と重合体出口と揮発成分出口(ベント)とを備えたシリンダーと、このシリンダー内に配設されたスクリュとを有するものである。すなわち、重合体組成物供給口から供給された重合体組成物を、スクリュの回転によって重合体出口に送りつつ、重合体組成物中の揮発成分を揮発成分出口から排出するようになっている。
特許文献1には、共重合体含有率が25〜60重量%の重合体組成物を、20kg/cm以上に加圧するとともに、210〜270℃に加熱した重合体組成物を、50Torrの圧力から大気圧までの範囲の圧力条件下のシリンダー内に、重合体組成物供給口に設けられたノズルの細孔または狭い間隙を通してフラッシュし、スクリュに直接吹き付けて導入する方法が開示されている。
このような条件で重合体組成物を供給すると、重合体組成物がシリンダ内で急激に発泡して揮発成分と重合体とに分離され、揮発成分の大部分を分離して回収することができる。
しかしながら、この方法においては、重合体組成物が高速で供給されるため、シリンダ内で重合体組成物が急発泡し、重合体によって揮発ガスの流路が一時的に塞がれることがあり、揮発成分出口においてベントアップをおこしやすかった。ベントアップをおこすと、ベントアップした樹脂が、再びシリンダー内に戻るために樹脂が着色したり、あるいは異物が混入するなどのため、重合体から製造する製品の欠陥の原因になることがある。
したがって、ベントアップを抑制するためには、運転条件の設定の自由度が非常に狭くならざるを得ず、工業的に有利な大量処理可能な条件設定が困難である場合が少なくなかった。
また、このような低い重合率の重合体組成物を加熱昇温させ、脱揮押出機に供給する方法では、加熱時もしくは脱揮押出機にて、多くのモノマーが存在している状態で加熱することとなるため、樹脂が着色してしまう問題点を有していた。
前記方法を改良したものが、特許文献2に記載の技術である。
すなわち、シリンダの長さ方向において、揮発成分出口が重合体組成物供給口のスクリュの駆動部側(上流側)に設けられ、この重合体組成物供給口と揮発成分出口との軸方向距離を3D(D:スクリュ径)以上になるように確保したスクリュ式脱揮押出装置を用意する。この装置において、重合体出口は、シリンダの長さ方向において、前記揮発成分出口の反対側に設けられている。
そして、重合体含有率が20〜70重量%の重合体組成物を予め加熱し、揮発成分の一部を気化させ、気−液混合流あるいは気−液−固混合流の状態で、この重合体組成物をシリンダー内に供給する。ついで、重合体から分離された揮発成分を、前記揮発成分出口から50m/sec以下の流速で排出する。
特許文献2には、この方法によって重合体組成物供給口と揮発成分出口との距離を大きく設定し、特定速度で揮発成分を排出することにより、ベントアップの問題はほぼ解消することができると記載されている。また、このような脱揮押出機を用いると、特許文献1に対し、重合体組成物を予め加熱する温度が低くても、運転することが可能なため、特許分権1に対して、樹脂の着色の点では有利である。
しかしながら、特許文献2に記載の方法においては、重合体組成物供給口と揮発成分出口との軸方向距離が長いため、装置が大型化するという不都合があった。よって、特許文献1に記載の方法と比較すると、一見、運転条件の自由度が広く、工業的に有利な条件設定が可能であるが、装置の大きさに対して重合体組成物の処理量が小さく、十分な効果が得られなかった。
また、特許文献2では、重合体組成物の共重合体含有率が20〜70重量%となっているが、共重合体含有率が65質量%を上回ることは工業的に難しく、その手段、方法については、言及されていない。
一方、特許文献3には、シリンダー内において、スクリュの軸方向の両端が支持され、このスクリュの両端の支持点近傍に、それぞれ重合体排出口が設けられ、シリンダーの長さ方向の中間部に重合体組成物供給口と揮発成分出口とを備えたスクリュ式脱揮押出装置を用いた方法が開示されている。この方法においては、シリンダーの長さ方向において、中間部から両端部に向かって重合体が送られ、排出されるため、シリンダー内に重合体が滞留しにくく、重合体の熱劣化を防ぐことができる。このため、汚染物質が少ない重合体を得ることができる。
しかしながら、特許文献2に記載の方法と比較して、この方法は、重合体組成物供給部において、瞬間的に揮発成分を蒸発させて大量の揮発成分を分離することが構造的に困難である。そこで、重合体組成物中の残存単量体含有率を低くするためには装置の大きさに対して重合体組成物の処理量を少なくする必要があり、工業的に不利であった。
また、汚染物質が少ない重合体を得るための、重合体組成物の重合条件については言及されていない。
特許文献4には、シリンダーの長さ方向において、重合体組成物供給口の上流側に揮発成分出口を設け、スクリュのネジの向きが途中で逆になっていることにより、重合体組成物供給口の揮発成分出口側にはみ出した重合体を、揮発分出口に向かって送ることにより、汚染物質の混入を防ぐ方法が開示されている。しかしながら、この方法においても、処理量を上げていくと、上流側の揮発成分出口から、重合体組成物が出やすくなるため、重合体組成物の処理量を少なくする必要があり、工業的に不利であった。また、特許文献4では、重合体組成物の共重合体含有率が30〜80重量%となっているが、共重合体含有率が65質量%を上回ることは工業的に難しく、その手段、方法については、言及されていない。
特許文献5には、プラグフロー型反応器を用いることで、重合体組成物の共重合体含有率を50〜85重量%に効果的に高められる方法が開示されている。しかし、重合体組成物から揮発成分を除去する有効な手段については言及されておらず、実施例の如くベントエクストルーダーの温度を270℃と高温にすると、樹脂が着色してしまう問題点を有していた。
また、スクリュ式脱揮押出装置は、スクリュとシリンダーとの剪断力が高いために、スクリュに炭化物が付着することは、しばしば見られる。このような汚染物質を発生させないことも重要であるが、特許文献1〜5には、スクリュに炭化物が付着することを防止する方法については、述べられていない。
特許文献6には、スクリュ表面をクロムまたは10〜100μmの窒化チタンで被覆することにより、腐食を防止することで、腐食による不純物の混入を防止する方法が開示されているが、10〜100μmの窒化チタンで被覆することは、通常の蒸着方法では難しく、またその厚さでは被覆の強度や耐久性に劣る問題点があった。また、樹脂の着色を防止する方法については述べられていない。
特開昭50−40688号公報 特開平3−49925号公報 特開昭59−133206号公報 特開2000−211010号公報 特開2000−26507号公報 特開2000−226410号公報
このように、製造過程において汚染物質(炭化物)を発生させないことや樹脂の着色を防止する必要があるが、これらを満足させる方法は未だない。
本発明の目的は、汚染物質(炭化物)を発生させないことや樹脂の着色を防止するメタクリル系重合体の製造方法を提供することにある。
本発明の要旨は、以下の工程を有するメタクリル系重合体の製造方法にある。
(1)完全混合型反応器1基とそれに引き続き直列に配置されたプラグフロー型反応器を用いて、原料モノマーを重合して重合体含有率が66〜85質量%である重合体組成物とする第一の工程
(2)スクリュの軸方向における駆動部側から先端側に向かってリア揮発成分出口、重合体組成物供給口、フォア揮発成分出口、重合体出口の順に配列したスクリュ式脱揮装置に、重合体組成物を供給し、該重合体組成物から揮発成分を脱揮する工程であって、以下の条件を満たす第二の工程
(A)重合体組成物の供給温度T;180℃〜250℃
(B)重合体組成物供給口のシリンダー設定温度T;180℃〜265℃
(C)スクリュ先端部のシリンダー設定温度T;50℃〜265℃
(D)前記TとTの温度差;80℃以下
本発明により、汚染物質(炭化物等)を発生させないことや樹脂の着色を防止するメタクリル系重合体を製造することが可能となる。
本発明は、メタクリル系重合体、すなわちメチルメタクリレート単独重合体またはメチルメタクリレート単位とアルキル(メタ)アクリレート単位(メチルメタクリレート単位を除く)を含む共重合体の製造に適用される。前記共重合体としては、80質量%以上のメチルメタクリレート単位と20質量%以下のアルキル(メタ)アクリレート単位(メチルメタクリレートを除く)とを含む共重合体とすることが好ましい。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「メタクリレート」または「アクリレート」のことをいう。
原料モノマーとしてメチルメタクリレートを重合することによりメチルメタクリレートの単独重合体が得られ、また原料モノマーとしてメチルメタクリレートとアルキル(メタ)アクリレート(メチルメタクリレートを除く)とを含む単量体混合物を共重合することによりメチルメタクリレート単位とアルキル(メタ)アクリレート単位(メチルメタクリレート単位を除く)を含む共重合体が得られる。
共重合を行う場合、メチルメタクリレートとともに使用するアルキルアクリレートは、炭素数1〜18のアルキル基を有するものの中から選ばれ、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ステアリル等のアルキル基を有するアルキルアクリレートが挙げられる。
また、メチルメタクリレートと共に使用するアルキルメタクリレートは、炭素数2〜18のアルキル基を有するものの中から選ばれ、例えばメチル基を除く上述と同様なアルキル基を有するアルキルメタクリレートが挙げられる。
本発明によって得られるメタクリル系重合体としては、メチルメタクリレート単独重合体すなわちポリメチルメタクリレート、並びにメチルメタクリレートとアルキル基がメチル、エチル、及びブチルの中の少なくとも一つであるアルキルアクリレートとの共重合体が好ましい。
メチルメタクリレートは、これと共重合可能な他のアルキル(メタ)アクリレートに対してそれぞれ重合反応性が異なるので、前記組成の共重合体を得ようとする場合、モノマー混合物の仕込み組成はそれらの重合反応性に応じて適宜選定する。例えば、メチルメタクリレートをメチルアクリレート又はエチルアクリレートと共重合する場合のモノマー混合物の仕込み組成は、メチルメタクリレート70質量%以上、メチルアクリレート又はエチルアクリレート30質量%以下とすることが好ましい。
本発明における重合方法は特に限定されないが、連続塊状重合または連続溶液重合とすることが好ましい。
本発明のメタクリル系重合体を製造する方法において、以下の工程を有するものである。
(1)完全混合型反応器1基とそれに引き続き直列に配置されたプラグフロー型反応器を用いて、原料モノマーを重合して重合体含有率が66〜85質量%である重合体組成物とする第一の工程
(2)スクリュの軸方向における駆動部側から先端側に向かってリア揮発成分出口、重合体組成物供給口、フォア揮発成分出口、重合体出口の順に配列したスクリュ式脱揮装置に、重合体組成物を供給し、該重合体組成物から揮発成分を脱揮する工程であって、以下の条件を満たす第二の工程
(A)重合体組成物の供給温度T;180℃〜250℃
(B)重合体組成物供給口のシリンダー設定温度T;180℃〜265℃
(C)スクリュ先端部のシリンダー設定温度T;50℃〜265℃
(D)前記TとTの温度差;80℃以下
以下に前記各工程について説明する。
(第一の工程)
原料モノマーには予め窒素等の不活性ガスを導入するか、もしくは減圧下に一定時間保持することにより、原料モノマー中の溶存酸素を2ppm以下とすることが好ましい。不活性溶媒を使用する溶液重合の場合にも、原料モノマーと不活性溶媒の混合液に対して同様の操作を行い溶存酸素を2ppm以下とすることが好ましい。溶存酸素が多すぎると重合反応が安定しないばかりでなく、重合工程で長時間、高温に保持されることにより着色成分等の汚染物質が生成し易くなるためである。溶存酸素を1ppm以下とすることがより好ましい。
上記のようにして溶存酸素を除去したモノマーあるいはモノマー含有混合物には、連鎖移動剤としてメルカプタン化合物およびラジカル重合開始剤を混合し、メチルメタクリレートを主成分とするモノマー含有混合物として一基の完全混合型反応器に連続的に供給することができる。
本発明で使用されるメルカプタン化合物としては、n−ブチル、イソブチル、n−オクチル、n−ドデシル、sec−ブチル、sec−ドデシル、tert−ブチルメルカプタン等のアルキル基又は置換アルキル基を有する第1級、第2級、第3級メルカプタン;フェニルメルカプタン、チオクレゾール、4−tert−ブチル−o−チオクレゾール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸とそのエステル;エチレンチオグリコール等の炭素数2〜18のメルカプタンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらのメルカプタンの中でも、tert−ブチル、n−ブチル、n−オクチル、n−ドデシルメルカプタンが好ましい。
メルカプタンの連鎖移動反応により末端停止した重合体は耐熱分解性に優れており、全重合体末端数に占めるメルカプタン停止末端数の割合が多いほど、耐熱分解性に優れた重合体が得られる。しかしながら、多すぎると重合体の重合度が低くなり製品強度が低下するので、製品強度を保ちつつ成形加工が可能な重合度とすることが好ましい。本発明では、揮発分を除去した後の重合体の重量平均分子量が7万〜15万の範囲にあることが好ましい。前記平均分子量の範囲とすることにより、重合体の成形物の機械的強度を損なうことなく、また良好な成形加工性を発現できる耐熱分解性に優れた重合体を製造するには、前記メルカプタンの使用量は、原料モノマー100質量部に対して0.01〜1.0質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部がより好ましい。
本発明を溶液重合で行う場合、不活性溶媒としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルベンゼン、メチルエチルケトン、酢酸ブチルなど公知の溶剤が使用可能である。中でもメタノール、トルエン、エチルベンゼン、酢酸ブチルが好ましい。
本願発明では前記不活性溶媒を使用しない塊状重合を行うことが好ましい。溶液重合を行う場合の不活性溶媒の使用量は、5質量%未満であることが好ましい。溶媒5質量%未満であれば従来の溶液重合の欠点である耐熱分解性を損なうことなく、塊状重合と同様にゲル効果を利用することにより、少量の重合開始剤の使用により効果的に重合率を高めることが可能であり、耐熱分解性に優れた重合体を生産性よく製造することができる。不活性溶媒が多すぎると、従来技術にあるようにゲル効果が発現されない。
完全混合型反応器で使用するラジカル重合開始剤は、その反応器における重合温度での半減期が10秒〜1時間であることが好ましい。この半減期が短すぎるとラジカル重合開始剤が反応器内に均一に分散する前に大部分が分解してしまうためラジカル開始剤の利用効率が低下し好ましくない。攪拌強度を大きくしてラジカル重合開始剤が分解する前に分散させることも可能であるが、そのためには非常に大きい攪拌動力が必要であり経済的に不利である。
一方、上記半減期が長すぎると、反応器内に重合体塊が生成しやすく安定に運転することが困難となる。また、停電等により運転を急に停止した場合、反応液の重合が進み高粘度となるため、再スタートが非常に難しくなる。この半減期が30分以下のラジカル重合開始剤を使用することがより好ましい。
本発明では、ラジカル重合開始剤の「重合温度での半減期」の値は、日本油脂(株)または和光純薬(株)等の公知の製品カタログに記載の値を採用した。
本発明において使用できる重合開始剤は、特に制限されず、例えばtert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物、または2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2、2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ化合物等から重合温度を考慮して選択することができる。
完全混合型反応器において、重合により生成する反応液の重合温度が110〜160℃の範囲において、実質的に均一に攪拌混合することが好ましい。重合温度が低すぎるとゲル効果による重合速度の加速現象が大きくなるため重合率が低い条件でしか安定に運転することが困難となり、生産性が低下して経済的に不利である。重合温度が120℃以上であることがより好ましい。
一方、この重合温度が高すぎると、重合反応は安定になり重合率を高くすることができるが、二量体の生成が非常に多くなるため揮発分除去後の重合体の透明性ならびに機械的強度が低下する。また、重合体の立体規則性においてシンジオタクチックの比率が低下するため重合体の熱変形温度が低下する。
共重合成分として重合体に含まれるアルキルアクリレートは、その含有量が多いほど熱変形温度は低下するが、一方で耐熱分解性は向上することが知られている。メチルメタクリレートとアルキルアクリレートの比率が同じ重合体を製造する場合、重合温度が低い方がシンジオタクチックの比率が高くなり熱変形温度が高くなる。そのため、重合温度が低ければ、重合温度が高い場合と比較して、アルキルアクリレートの含有量を多くして耐熱分解性を向上させたにもかかわらず、重合温度が高い方と同等の熱変形温度を有する重合体、すなわち熱変形温度と耐熱分解性を兼ね備えた重合体を得ることができる。したがってこの重合温度は140℃以下にすることがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合温度、平均滞在時間、目標とする重合率によって決まるが、重合体の末端二重結合量の少ない耐熱分解性に優れた重合体を得るためには、その使用量の上限はモノマー1モルに対して5.0×10−5モル、また工業的生産性を考慮して下限は5.0×10−6モルの範囲で供給することが好ましい。
完全混合型反応器における平均滞在時間は、1〜6時間の範囲で実施することが好ましい。この範囲内にすることにより、重合制御を安定にすることができるとともに、成形加工性に優れた重合体を製造することができる。滞在時間が短すぎると、ラジカル重合開始剤の使用量を増やす必要があり、ラジカル重合開始剤の増加により重合反応の制御が難しくなるとともに、重合体の末端二重結合量が多くなるため耐熱分解性に優れた重合体は得られない。一方、上記平均滞留時間が長すぎると生産性が低下するとともに、二量体の生成が多くなる。平均滞在時間を5時間以下とすることが好ましい。
完全混合型反応器内には重合反応と攪拌混合による発熱があるので除熱して、場合によっては加熱して所定の重合温度に制御する。温度制御は既知の方法によって行うことができる。例えば、ジャケット、完全混合型反応器内に設置したドラフトチューブあるいはコイル等への熱媒循環による伝熱除熱あるいは加熱、モノマー混合物の冷却供給、環流冷却等の方法を採用することができる。
完全混合型反応器において反応液中の重合体含有率、すなわち重合率を、35〜65質量%の範囲とすることが好ましい。前記重合率が大きすぎると、混合および伝熱が十分に達成されなくなり、安定な操作が難しくなる。前記重合率が小さすぎると、引き続いてプラグフロー型反応器においてゲル効果が十分に発現できないために最終重合率が低くなり、未反応モノマーを主成分とする揮発物の分離のためにコストが増大して工業的に不利である。
本発明に用いることのできる完全混合型反応器としては、供給口、取り出し口および攪拌装置を備えた槽型反応装置を用いることができ、攪拌装置は反応域全体にわたる混合性能を持つことが好ましい。
本発明では、引き続いてプラグフロー型反応器を用いて更に重合を行うことが好ましい。完全混合型反応器から反応液を抜き出してプラグフロー型反応器へ送液する操作はポンプにより行うことが好ましい。ポンプは市販のギアポンプを使用することができる。ポンプを用いて反応液を連続的に抜き出すことにより、安定して次の工程に反応液を送液することができるとともに、続いて直列に設置されたプラグフロー型反応器内部を反応液の蒸気圧以上に加圧することができる。
プラグフロー型反応器内部の圧力は反応液の蒸気圧以上であることが好ましい。前記蒸気圧は、0.5〜4MPa(ゲージ圧)かつ反応液の蒸気圧以上とすることが好ましい。反応器内部を反応液の蒸気圧以上に維持することにより、反応液の発泡が抑えられ、発泡による閉塞が防止できる。
プラグフロー型反応器で更に重合を進めることにより、最終重合体含有率(重合率)を高くして、引き続いて行う揮発物除去工程の負担を軽減することが可能となり、経済的に有利な製造方法として工業的メリットが大きくなる。さらに、このプラグフロー型反応器においてさらに重合を進めることで、完全混合型反応器において重合率を低くしても経済的採算が十分に取れるため、完全混合型反応器の重合温度を低くして重合体の熱変形温度と耐熱分解性を飛躍的に向上させることが可能となる。
プラグフロー型反応器を用いてさらに重合を進めるにあたり、完全混合型反応器の重合温度以上250℃以下の温度にこのプラグフロー型反応器の内壁温度を設定することが好ましい。プラグフロー型反応器の内壁温度が低すぎると、反応器壁面において粘度が高くなるため反応器の閉塞がおこり長期的な運転が不可能である。また、前記内壁温度が高すぎると、伝熱により反応液が温度上昇するため、ラジカル開始剤の分解が速くなり、重合率を十分に高くすることができない。前記内壁温度は200℃以下とすることがより好ましい。
また本発明では、重合発熱によって反応液温度が上昇するのに応じて、このプラグフロー型反応器内壁温度を二つ以上の温度領域に分割して設定し、反応液入口から順次高くしていくことが好ましい。これにより二量体の生成を抑制しながら、かつラジカル重合開始剤の急激な分解を抑え、効果的に重合率を高めることが可能となる。
プラグフロー型反応器でさらに重合を進める場合は、反応器内壁温度における半減期が1000秒以下であるラジカル重合開始剤を1種以上添加することが好ましい。この半減期が長すぎると反応器壁面の流動性の低い部分で重合率が高くなり、この現象が長時間にわたり進行することにより反応器の閉塞が起こる。反応器内壁温度における半減期は500秒以下であることがより好ましい。一方、この半減期が短かすぎると反応器の運転上は支障はないが、ラジカル重合開始剤の分解が速くなり十分に重合率を上げることができず、反応器を通過する間に二量体ばかりが生成し、物性の劣る重合体が生成する。該半減期は0.1秒以上であることが好ましい。
本発明を更に効果的に行うためには、プラグフロー型反応器はスタティックミキサーを内装した管型反応器であることが好ましい。スタティックミキサーを用いることにより、装置本体が簡単になるばかりか、攪拌に要する動力が必要でないため付属設備も必要なく設備費が低減でき、またランニングコストも低減できる。スタティックミキサーは市販のものを使用することが可能であり、たとえばノリタケカンパニー(株)製のスタティックミキサー、あるいは住友重機械(株)製のスルーザミキサが好適である。
本発明は、このプラグフロー型反応器における反応液の平均滞留時間を1分〜1時間の範囲で行うことが好ましい。この平均通過時間が短すぎると重合率を十分に高めることができない。一方、この平均通過時間が長すぎると二量体の生成が多くなり、生産性が低下するため好ましくない。
このプラグフロー型反応器において使用するラジカル重合開始剤の添加方法は、このプラグフロー型反応器入口において、別に直列配置されたスタティックミキサーでラジカル重合開始剤を予備混合し、このプラグフロー型反応器に供給する方法が好適である。
このラジカル重合開始剤は、一種もしくは二種以上の混合物として使用することができる。二種以上を使用する場合は、十時間半減期温度が5℃以上離れているものを使用することが好ましい。これにより効率的に重合を進めることができる。
さらに、反応液の温度上昇に併せて、このプラグフロー型反応器の反応液入口直前部と、反応器内部の1箇所以上にラジカル重合開始剤を添加することが好ましい。これにより、更に効果的に重合を進めることが可能となる。この場合、反応器内壁温度における半減期が1000秒以下で且つ十時間半減期が入口側から順次長くなるような組み合わせでラジカル開始剤の種類を選択し添加することが好ましい。
このときのラジカル重合開始剤の添加量は、反応液をモノマー量に換算した1モルに対して5.0×10−6〜5.0×10−5モルの範囲で供給することが好ましい。
(第二の工程)
プラグフロー型反応器を通過して一定重合体含有率となった反応液は、重合体と未反応の原料モノマー等の揮発成分の混合物である。以下、プラグフロー型反応器を通過して得られた反応液を重合体組成物という。
本発明では、重合体組成物を、スクリュ式脱揮装置に供給し、スクリュ式脱揮装置で脱揮して、メチルメタクリレート重合体を得ることができる。
スクリュ式脱揮装置に供給する重合体組成物は、重合体含有率が66〜85質量%である必要がある。重合体含有率が66質量%より低いと、スクリュ式脱揮装置において、重合体組成物から多くの揮発成分を脱揮することとなり、スクリュ式脱揮装置で脱揮するために多くのエネルギー、すなわち長時間の加熱を必要とするため、その過剰な熱でメチルメタクリレート重合体が着色する問題を生じる。また、重合体含有率が66質量%未満では、完全混合型反応器1基のみで製造した方が経済的に有利となり、本発明の効果が発現できない。重合体含有率が85質量%を超えると流動性が著しく低下するため、スクリュ式脱揮装置に安定に供給することが不可能となる。重合体含有率は68〜80質量%とすることが好ましい。
また、スクリュ式脱揮装置に供給する重合体組成物の温度Tは180℃〜250℃である必要がある。メタクリル系重合体の着色は加熱により発生する場合が多く、メルカプタン化合物も着色の要因となることが知られている。メタクリル系重合体の着色は、スクリュ式脱揮装置に供給する重合体組成物の着色と、スクリュ式脱揮装置で脱揮するときに生じる着色の双方に起因する。従って、供給する重合体組成物の着色を抑制するため、重合体組成物の温度を下げた場合は、重合体組成物から揮発成分を脱揮する時のスクリュ式脱揮装置からの加熱量が多くなる。この場合のスクリュ式脱揮装置からの加熱による着色量の増加は、スクリュ式脱揮装置へ供給する時の重合体組成物の着色量の減少より大きくなる。また供給される重合体組成物は、スクリュによるせん断発熱も加わり局所的に高温となるため、結局、重合体組成物の着色は大きくなる。以上の理由から、スクリュ式脱揮装置に供給する重合体組成物の温度Tを低くしすぎることは、着色の観点から好ましくない。スクリュ式脱揮装置に供給する重合体組成物の温度は185℃以上であることが好ましい。スクリュ式脱揮装置に供給する重合体組成物の温度が高い場合は、スクリュ式脱揮装置での加熱量が小さくて済むが、供給する重合体組成物の温度が高すぎる場合は、供給する重合体組成物の着色が増加するため、好ましくない。従って、供給する重合体組成物の温度Tは、245℃以下であることが好ましい。
本発明では、このようにして得られた重合体組成物を加熱して、スクリュ式脱揮装置に供給し、スクリュ式脱揮装置で揮発成分を脱揮して、メタクリル系重合体を得ることができる。
重合体組成物を、短時間で安定に加熱するためには、熱交換器を用いて加熱することが好ましい。熱交換器としては、特に制限されず、多管型熱交換器、二重管式熱交換器、プレート熱交換器など、種々の熱交換器を用いることができるが、滞留部が少ないこと、短時間で加熱できること等から、多管型熱交換器を用いることが好ましい。
熱交換器と重合体組成物との温度差が大きい場合は、熱交換器との接触面で炭化物の生成や樹脂着色の問題が生じるために好ましくない。従って、熱交換器の加熱媒体と重合体組成物の温度差は、20℃以下であることが好ましい。
また、スクリュ式脱揮装置では、減圧することで脱揮効率が上がる。
スクリュ式脱揮装置では、混練による発熱と、シリンダーからの加熱により重合体組成物は加熱されながら揮発成分を蒸発させる。揮発成分で、着色の原因となるのは、主にモノマーおよびメルカプタン化合物の分解反応による着色原因物質の生成によるものであると考えられる。従って、スクリュ式脱揮押出機から、モノマーおよびメルカプタン化合物を速やかに除去することが好ましい。そのためには、スクリュ式脱揮装置がスクリュの軸方向における、駆動部側から先端側に向かって、リア揮発成分出口、重合体組成物供給口、フォア揮発成分出口、重合体出口の順に配列することが好ましい。重合体組成物供給口から供給された重合体組成物は、潜熱として蓄えていた熱量を重合体組成物供給口で放出することで、揮発成分がフラッシュ蒸発する。この揮発成分の蒸気が速やかに該押出機から除去されるためには、重合体組成物供給口に対して、樹脂の流れる方向と反対側にリア揮発成分出口を設けることが好ましい。また、樹脂の流れる方向と、揮発成分の流れる方向が逆となることで、揮発分出口から樹脂が同伴してしまうベントアップの発生を抑制することが可能となる。重合体組成物は、スクリュ式脱揮装置でさらに揮発分を蒸発させ、重合体組成物供給口に対して、樹脂の流れる方向に設置したフォア脱揮成分出口から揮発分を除去していき、揮発された重合体を重合体出口から得る。
重合体組成物供給口でのスクリュ式脱揮装置のシリンダー設定温度Tは、180℃〜265℃であることが必要である。ここで、モノマーおよびメルカプタン化合物の濃度が最も高い箇所は、重合体組成物供給口である。従って、この部位で、重合体組成物を265℃を超える高温にすると重合体が着色し易くなる。また、重合体組成物供給口でのスクリュ式脱揮装置のシリンダー設定温度が、180℃未満であると、重合体組成物が温度低下することにより、樹脂から揮発成分を脱揮し難くなるだけでなく、重合体組成物の粘度が上がり、例えば、リア揮発成分出口から粘度の高い樹脂が出てくるベントアップが発生する。重合体組成物供給口でのスクリュ式脱揮装置のシリンダー設定温度は、185℃〜265℃であることが好ましい。重合体組成物供給口でのスクリュ式脱揮装置のシリンダー設定温度は前記の通り、得られる重合体の着色の点で重要である。モノマーおよびメルカプタン化合物の濃度や重合体組成物の温度は徐々に変化していくため、スクリュ径をDとした時、重合体組成物供給口から先端側に向かって、重合体組成物供給口からの距離が2Dまでは、前記温度範囲に設定することが好ましい。
重合体組成物供給口で、ある程度揮発成分を脱揮された重合体組成物は、高温とすることでフォア揮発成分出口から効率的に脱揮することができる。しかし、温度が高すぎると、副生成物の生成、樹脂の着色、炭化物生成の原因となるため、重合体組成物温度が200℃〜320℃となるようにスクリュ式脱揮装置のシリンダー設定温度を調節することが好ましい。
ここでスクリュ式脱揮装置に供給する重合体組成物の供給温度Tが低すぎると、スクリュ式脱揮装置において重合体組成物から揮発成分を脱揮する時の加熱量が多くなるため、前記供給温度Tと、重合体組成物供給口でのシリンダー設定温度Tの温度差は80℃以下とすることが好ましい。
メタクリル系重合体の脱揮において、もう一つ重要なことは、高温によるメタクリル系重合体の熱分解により生成するモノマーをメタクリル系重合体に滞在させないことである。スクリュ式脱揮装置では、メタクリル系重合体の熱分解によりモノマーが発生しても、フォア揮発成分出口から脱揮することは可能である。しかし、スクリュ式脱揮装置先端では、スクリュ式脱揮押出機がメタクリル系重合体で満たされて以降は、熱分解によるモノマーは脱揮することはできない。従って、スクリュ式脱揮押出機の先端でのメタクリル系重合体温度は、熱分解を抑制するため310℃以下とすることが好ましく、その温度に制御するためには、スクリュ式脱揮装置の先端部のシリンダー設定温度は、50℃〜265℃である。スクリュ式脱揮押出機先端部のシリンダー設定温度が50℃以下未満であると、冷却に多くのエネルギーを要する。また、スクリュ式脱揮装置先端部のシリンダー設定温度が265℃を超えると、重合体組成物の所望の温度が得られないばかりでなく、スクリュ式脱揮押出機のシリンダー内壁近傍の重合体組成物の温度が局所的に高くなりやすく、炭化物の生成や樹脂着色の問題が生じる。
前記のスクリュ式脱揮装置先端部のシリンダー設定温度の領域は、スクリュ径をDとした時、押出機先端からの距離が2D以上であることが好ましい。前記距離が小さすぎると、メタクリル系重合体を所望の温度に制御することが困難となる。
また、スクリュ式脱揮装置での重合体組成物の滞留時間が1分〜5分であることが好ましい。ここで滞留時間は、重合体組成物の供給量および得られた重合体の量の平均値で、スクリュ式脱揮装置内での樹脂の滞在量を除することから求めることができる。滞在時間が1分以上であると、スクリュ式脱揮装置での脱揮が十分となり、滞在時間が5分以下であると、スクリュ式脱揮装置内での樹脂の着色は抑えられる。
前記第二の工程により、重合体中の揮発分の中に含まれるダイマーが1000ppm以下および残存モノマーが3000ppm以下とすることができる。残存モノマーおよびダイマーがそれぞれの濃度範囲を超えると、熱変形温度が低下するとともに、シルバー等の成形不良が発生しやすくなり成形加工性が低下する。また、重合体中の揮発分の中に含まれる残存メルカプタン量は50ppm以下にすることができる。これにより、成形加工時の加熱による着色を抑制することができる。
本発明では、スクリュ式脱揮装置の種類は特に制限されず、一軸押出機や二軸押出機などが使用可能である。
スクリュ式脱揮装置は高温であるために、装置内で滞留した炭化物が汚染物質として樹脂に混合する問題や、樹脂の着色などの問題が生じやすい。これらの発生メカニズムは明らかになっていないが、装置の材質として用いられている鉄と、重合体組成物中の揮発成分が反応することで発生すると考えられる。従って、装置の材質が高温の重合体組成物から腐食されないことが望まれる。腐食を防止する方法としては、通常の炭素鋼を窒化処理して表面硬度を高めた窒化鋼があるが、腐食防止効果は小さく、充分な効果は得られない。腐食防止の観点からは、ステンレス鋼の使用が好ましい。しかし、ステンレス鋼を用いても、炭化物や樹脂の着色の防止効果としては、充分ではない。さらに好ましくは、装置の表面を、クロムやチタンなど、鉄以外の金属でコーティングすることにより、鉄との接触を防止することである。これにより、炭化物や樹脂の着色を抑制することが可能となる。コーティングは、スクリュ式脱揮装置のシリンダー内壁部およびスクリュ表面が全て行なわれることが最も好ましいが、費用対効果の面から、適宜選択可能である。例えば、シリンダー内壁部は、スクリュのフライト部により、常に表面が更新されているため、樹脂の滞留の可能性が低く、炭化物や樹脂の着色の問題は小さい。スクリュ本体は、表面に樹脂の滞留の可能性があるため、その表面をコーティングすることが好ましい。コーティング方法としては特に制限はなく、クロムメッキなどが一般的であるが、コーティング被膜の密着性を増すためには、CVD(化学蒸着法)やPVD(物理蒸着法)が好ましい。CVDとしては、TiC(炭化チタン)、TiCN(シアン化チタン)、CrC(炭化クロム)などのコーティングを、PVDとしては、TiN(窒化チタン)、TiCN(シアン化チタン)、TiAlN(窒化アルミニウムチタン)、CrN(窒化クロム)などのコーティングを好適に用いることができる。コーティング方法としては、低い温度でコーティングでき、素材の変寸、変形が少ないPVDがより好ましく、コーティングとしては炭化物や樹脂の着色の観点から、TiNもしくはCrNがより好ましい。コーティングの膜厚は、1μm〜10μmであることが好ましい。膜厚が薄すぎると、磨耗等による耐久性が低下するために好ましくなく、厚すぎると、膜の割れや剥離の問題が生じる。
本発明では、スクリュ式脱揮装置に金網、焼結金属などのフィルターを組み合わせることで、さらに炭化物を減少させることができる。しかし、0.03mmより小さな異物は、フィルターによる除去が困難であるため、本発明の方法により炭化物の発生を抑制することが好ましい。また、炭化物の発生を抑制すると、フィルターで捕集する異物量が減少するため、フィルターの交換頻度が小さくなる利点も生じる。異物の大きさは、得られたメタクリル系重合体を成形した成形品の写真から、異物の面積を求めるなどの方法で測定できる。光学材料として用いるためには、成形品1kgに含有する0.03mm以下の炭化物数を50個以下とすることが好ましい。メタクリル系重合体の製造に際し、前記第一の工程および第二の工程を経ることにより、前記成形品に含有する炭化物数を少なくすることができる。
本発明により、従来技術では成しえなかった重合体含有率66質量%以上での連続塊状重合、及び不活性溶媒5質量%未満の連続溶液重合を安定に行うことが可能になった。さらに、本発明の製造方法により、耐熱分解性に優れた成形加工性の良好なメタクリル系重合体を工業的に有利に提供することが可能となった。
以上のようにして製造したメタクリル系重合体を成形材料として用いる際には、高級アルコール類、高級脂肪酸エステル類等の滑剤を添加してもよい。また、必要に応じて紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、染顔料等を添加してもよい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
なお、実施例の重合体の物性評価は以下の方法で行った。
(色調の評価)
(1)評価用試験片の作成
以下の方法により、評価用試験片を得た。
成形機;東芝機械(株)製(IS220FB−10Y;型締力220トン)、シリンダー温度:210℃
評価用試験片の寸法;200mm×30mm×10mm)。
(2)YI値
以下の方法により、黄色度(YI値)を求めた(JIS K7105に準拠)。
光源として、ウシオ電機(株)製の500Wのキセノンランプ(USIO Optical Modulex SX−UID501X)を使用した。分光放射照度計(ウシオ電機(株)製SPECTRO RADIO METER USR40)を用い、上記試験片の光路長200mmにて波長ごとの透過率を測定し、等色関数に適用して三刺激値を求め、以下の式よりYI値を算出した。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(3)色調の評価基準
YI値 1.9未満 ◎、1.9以上2.1未満 △、2.1以上 ×
(異物の測定)
得られたメタクリル系重合体を、射出成形機(東芝機械(株)製IS80FPA3−2A)を用いて、シリンダー温度240℃、金型温度70℃、射出圧力70MPa、射出速度30mm/秒の成形条件で、縦110mm、横110mm、深さ4mmの異物測定用の試験片10枚を作製した。ここで、試験片1枚は、約55gであった。
成形板1枚を倍率2倍の拡大鏡で全体を観察し、異物確認場所に印をつける。次に、倍率20倍のマイクロスコ−プを用いて、見本と比較して、当該異物の色、形状、大きさと表面積を詳細に確認し、面積が0.03mm以下の炭化異物をカウントした。成形板の4枚を同様に観察し、異物数をメタクリル系重合体1kg当たりの数に換算した。
[実施例1]
精製されたメチルメタクリレート95質量部とメチルアクリレート5質量部とからなるモノマー混合物に窒素を導入して溶存酸素を0.5ppmとした後、このモノマー混合物100質量部に対してn−オクチルメルカプタン0.15質量部と、ラジカル重合開始剤として、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート0.006質量部とを混合した原料モノマーを、重合温度135℃に制御された完全混合型反応器に攪拌混合しながら連続的に供給し重合を行った。完全混合型反応器での平均滞在時間を3.0時間として重合を実施した。
続いて、反応液を連続的に反応器から抜き出し、住友重機械工業(株)製SMXスルーザミキサを内装した配管部で、さらにジ−tert−ブチルパーオキサイド0.002質量部を添加し、ノリタケカンパニ−(株)製スタティックミキサーを内装した管型反応器(プラグフロー型反応器)に供給した。管型反応器の熱媒温度を150℃とした。
熱媒温度210℃の多管式熱交換器を用いて、管型反応器から排出された重合体組成物を200℃に加熱し、ベントエクストルーダー型脱揮押出機に供給して、供給口での押出機のシリンダー設定温度を260℃とし、スクリュ先端部のシリンダー設定温度、ここでは供給口からの距離が4D(120mm)より下流のシリンダー設定温度を200℃として未反応モノマーを主成分とする揮発物を分離除去し、重合体を得た。重合体の重量から算出される重合率は、70質量%であった。
押出機出口での重合体の樹脂温度は290℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は1.4となり、色調に非常に優れた重合体であった。
ベントエクストルーダー型脱揮押出機としては、スクリュを、膜厚3〜4μmのTiNで被覆した、二軸式脱揮押出機(φ30mm、L/D=45:日本製鋼所製)を用いた。
[実施例2]
熱媒温度195℃の多管式熱交換器を用いて、重合体組成物を185℃に加熱したこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は290℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は1.7となり、色調に非常に優れた重合体であった。
[実施例3]
熱媒温度240℃の多管式熱交換器を用いて、重合体組成物を230℃に加熱したこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は291℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は1.1となり、色調に非常に優れた重合体であった
[比較例1]
熱媒温度185℃の多管式熱交換器を用いて、重合体組成物を175℃に加熱したこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は289℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は2.5となり、色調に劣った重合体であった。
[比較例2]
熱媒温度280℃の多管式熱交換器を用いて、重合体組成物を270℃に加熱したこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は292℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は40個であった。
この重合体のYI値は3.0となり、色調に劣った重合体であった。
[実施例4]
供給口でのシリンダー設定温度を240℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は288℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は1.2となり、色調に非常に優れた重合体であった。
[実施例5]
供給口でのシリンダー設定温度を200℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は286℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は1.2となり、色調に非常に優れた重合体であった。
[比較例3]
供給口でのシリンダー設定温度を280℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は292℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は40個であった。
この重合体のYI値は3.2となり、色調に劣った重合体であった。
[比較例4]
供給口でのシリンダー設定温度を160℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。押出機運転中に、リアベントから粘度の高い樹脂がベントアップしたため、運転を中止した。
[実施例6]
住友重機械工業(株)製SMXスルーザミキサを内装した配管部に供給するジ−tert−ブチルパーオキサイドの量を0.0025質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で重合体を得た。重合体の重量から算出される重合率は、75質量%であった。
押出機出口での重合体の樹脂温度は290℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は1.2となり、色調に非常に優れた重合体であった。
[実施例7]
住友重機械工業(株)製SMXスルーザミキサを内装した配管部に供給するジ−tert−ブチルパーオキサイドの量を0.0018質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で重合体を得た。重合体の重量から算出される重合率は、68質量%であった。
押出機出口での重合体の樹脂温度は290℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は1.5となり、色調に非常に優れた重合体であった。
[比較例5]
住友重機械工業(株)製SMXスルーザミキサを内装した配管部に重合開始剤を供給しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で重合体を得た。重合体の重量から算出される重合率は、50質量%であった。
押出機出口での重合体の樹脂温度は290℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は2.8となり、色調に劣った重合体であった。
[比較例6]
住友重機械工業(株)製SMXスルーザミキサを内装した配管部に供給するジ−tert−ブチルパーオキサイドの量を0.0012質量部としたこと以外は実施例1と同様の方法で重合体を得た。重合体の重量から算出される重合率は、63質量%であった。
押出機出口での重合体の樹脂温度は290℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は30個であった。
この重合体のYI値は2.2となり、色調に劣った重合体であった。
[比較例7]
供給口からの距離が4Dより下流の押出機温度を275℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で重合体を得た。
押出機出口での重合体の樹脂温度は320℃となり、重合体1kgあたりの炭化物は200個であり、炭化物が多い樹脂となった。
この重合体のYI値は4.2となり、色調に劣った重合体であった。
[実施例8]
実施例1の方法で、30日間運転した後に、ベントエクストルーダー型脱揮押出機のスクリュを抜き出して観察したところ、スクリュに炭化物は見られなかった。
30日間運転時の重合体1kgあたりの炭化物は30個であり、実施例1と同じ値であった。
この重合体のYI値は1.4となり、実施例1と同等であった。
[実施例9]
ベントエクストルーダー型脱揮押出機のスクリュが窒化鋼(被覆なし)であること以外は、実施例8と同様の方法で、運転した。スクリュには若干の炭化物の付着が見られた。
30日間運転時の重合体1kgあたりの炭化物は70個であった。
この重合体のYI値は2.0であった。
[実施例10]
ベントエクストルーダー型脱揮押出機のスクリュがSUS304(被覆なし)であること以外は、実施例8と同様の方法で、運転した。スクリュには若干の炭化物の付着が見られた。
30日間運転時の重合体1kgあたりの炭化物は60個であり、実施例8に対し、若干増加した。
この重合体のYI値は1.9であった。
これらの結果を表1〜3にまとめた。
Figure 2009215367
Figure 2009215367
Figure 2009215367
本発明の製造方法によって得られたメタクリル系重合体は、成形材料として各種用途に好適である。
スクリュ式脱揮装置の一例を示す断面概略図である。
符号の説明
1 スクリュ駆動側
2 リア揮発成分出口
3 重合体組成物供給口
4 フォア揮発成分出口
5 重合体出口

Claims (6)

  1. 以下の工程を有するメタクリル系重合体の製造方法。
    (1)完全混合型反応器1基とそれに引き続き直列に配置されたプラグフロー型反応器を用いて、原料モノマーを重合して重合体含有率が66〜85質量%である重合体組成物とする第一の工程
    (2)スクリュの軸方向における駆動部側から先端側に向かってリア揮発成分出口、重合体組成物供給口、フォア揮発成分出口、重合体出口の順に配列したスクリュ式脱揮装置に、重合体組成物を供給し、該重合体組成物から揮発成分を脱揮する工程であって、以下の条件を満たす第二の工程
    (A)重合体組成物の供給温度T;180℃〜250℃
    (B)重合体組成物供給口のシリンダー設定温度T;180℃〜265℃
    (C)スクリュ先端部のシリンダー設定温度T;50℃〜265℃
    (D)前記TとTの温度差;80℃以下
  2. スクリュ式脱揮装置のスクリュ本体の表面が、膜厚1〜10μmである窒化チタンまたは窒化クロムで被覆されている請求項1記載のメタクリル系重合体の製造方法。
  3. 前記重合体が、80質量%以上のメチルメタクリレート単位と20質量%以下のアルキル(メタ)アクリレート単位(メチルメタクリレート単位を除く)を含む重合体である請求項1または2記載のメタクリル系重合体の製造方法。
  4. スクリュ式脱揮装置での重合体組成物の滞留時間が1分〜5分であって、重合体出口での重合体温度が310℃以下である請求項1〜3のいずれかに記載のメタクリル系重合体の製造方法。
  5. 以下の工程を有する請求項1〜4のいずれかに記載のメタクリル系重合体の製造方法。
    a)予め原料モノマー中の溶存酸素を2ppm以下にする工程
    b)完全混合型反応器において、原料モノマー100質量部に対して連鎖移動剤としてメルカプタン化合物0.01〜1.0質量部と、重合温度での半減期が10秒〜1時間のラジカル重合開始剤を用い、重合温度110〜160℃において、実質的に均一に攪拌混合し、完全混合型反応器における重合体含有率が35〜65質量%になるように連続塊状重合または不活性溶媒5質量%未満の連続溶液重合を行う工程
    c)重合により生成した反応液を、連続的に抜き出し、プラグフロー型反応器内の全域において液圧を反応液の蒸気圧以上になるように加圧しながらプラグフロー型反応器内へ送液する工程
    d)プラグフロー型反応器において、該反応器内壁の温度を、完全混合型反応器の前記重合温度以上250℃以下に設定し、該反応器内壁温度での半減期が1000秒以下のラジカル重合開始剤の1種以上を添加混合して重合させながら反応液を通過させ、重合を行う工程
    e)得られた重合体組成物を熱交換器を用いて、重合体組成物の温度と加熱媒体との温度差が20℃以下の条件で180〜250℃とする工程
    f)引き続き重合体組成物をスクリュ式脱揮装置に供給し、連続的に揮発成分を分離除去する工程
  6. 得られた重合体を成型した成型品1kgに含有する0.03mm以下の炭化物数が50個以下である請求項1〜5のいずれかに記載のメタクリル系重合体の製造方法。
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