JP2009215212A - リン含有化合物およびその製造方法 - Google Patents
リン含有化合物およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009215212A JP2009215212A JP2008059958A JP2008059958A JP2009215212A JP 2009215212 A JP2009215212 A JP 2009215212A JP 2008059958 A JP2008059958 A JP 2008059958A JP 2008059958 A JP2008059958 A JP 2008059958A JP 2009215212 A JP2009215212 A JP 2009215212A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- general formula
- compound represented
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】1分子で複数の金属へ配位できるような1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する新規配位子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】例えば(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸に類する化合物と塩基性化合物とを反応させた後、ハロゲン化ホスフィンを反応させて得られる下記一般式IIIで表される化合物またはその塩の製造方法。
(III中、R1は、−SO3H、−SO2NH(R2)、−CO2H、−PO3H、−AsO3H、−SiO2H、−C(CF3)2OHから選択される基を表す。R2は置換基を表す。X1、X2、X3、及びX4は、炭素数1〜20の置換または無置換の炭化水素基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を表す。nは0〜3の整数を表す。)
【選択図】なし
【解決手段】例えば(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸に類する化合物と塩基性化合物とを反応させた後、ハロゲン化ホスフィンを反応させて得られる下記一般式IIIで表される化合物またはその塩の製造方法。
(III中、R1は、−SO3H、−SO2NH(R2)、−CO2H、−PO3H、−AsO3H、−SiO2H、−C(CF3)2OHから選択される基を表す。R2は置換基を表す。X1、X2、X3、及びX4は、炭素数1〜20の置換または無置換の炭化水素基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を表す。nは0〜3の整数を表す。)
【選択図】なし
Description
本発明は、オレフィン重合反応、Heck反応等の触媒前駆体として極めて重要な、リン原子を複数有する配位性化合物、およびその製造方法に関するものである。
リン原子を有する配位性化合物は金属あるいはそのカチオンと金属錯体を形成し、この形成された金属錯体はオレフィン重合反応、Heck反応等の様々な反応に有効であることが知られている。例えば、モノホスフィンスルホン酸類を含む錯体はオレフィン重合反応に有効であり、モノホスフィンスルホン酸類を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながらこれらの手法で合成されるホスフィンスルホン酸配位子を含む金属錯体は極性オレフィンモノマーの配位重合反応において触媒活性、極性オレフィンモノマー導入率ともに十分とは言えず、従来とは異なるコンセプトの新規配位子、例えば1分子で複数の金属へ配位できるような、1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する新規配位子やその製造方法が必要とされている。これまでこのような1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する新規配位子やその製造方法は知られていなかった。従来のモノホスフィンスルホン酸類を製造する方法では、ベンゼンスルホン酸類とアルキルリチウム等とを反応させた後、アルコキシホスフィン類あるいはハロゲン化ホスフィン類とを反応させてスルホン酸部位の隣接位にホスフィン部を導入していたが、1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する化合物を合成する場合、位置を制御するのが困難である、すなわちホスフィン部の導入は、スルホン酸等の1つの配位性基、あるいはもう一方のホスフィン部の隣接位の2通りの導入部位が考えられ、構造を制御するのが難しいと考えられた。
特開2007−63280号公報
米国特許第5760286号明細書
本発明の目的は1分子で複数の金属へ配位できるような1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する新規配位子及びその製造方法を提供することである。
前記の課題は下記のような構成によって、選択的にかつ高収率にて1分子で複数の金属へ配位できるような1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する化合物が合成できることを見出し達成された。
(1)下記一般式Iで表される化合物またはその塩と塩基性化合物とを反応させた後、下記一般式IIで表される化合物を反応させて得られる下記一般式IIIで表される化合物またはその塩の製造方法。
(一般式I、II及びIII中、R1は、−SO3H、−SO2NH(R2)、−CO2H、−PO3H、−AsO3H、−SiO2H、−C(CF3)2OHから選択される基を表す。R2は置換基を表す。X1、X2、X3、及びX4は、炭素数1〜20の置換または無置換の炭化水素基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を表す。Yはハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、またはアミノ基を表す。nは0〜3の整数を表す。)
(2)前記一般式I及びIIIにおけるR1が−SO3H基である(1)に記載の製造方法。
(3)下記一般式IIIで表される化合物またはその塩。
(2)前記一般式I及びIIIにおけるR1が−SO3H基である(1)に記載の製造方法。
(3)下記一般式IIIで表される化合物またはその塩。
(一般式III中、R1は、−SO3H、−SO2NH(R2)、−CO2H、−PO3H、−AsO3H、−SiO2H、−C(CF3)2OHから選択される基を表す。R2は置換基を表す。X1、X2、X3、及びX4は、炭素数1〜20の置換または無置換の炭化水素基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を表す。nは0〜3の整数を表す。)
本発明によれば、1分子で複数の金属へ配位できるような1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する新規配位子及びその製造方法を提供することができる。1つの配位性基の両隣接位にホスフィン部位を有する新規配位子を用いた錯体は重合触媒などに使用できると期待される。
本発明で用いられる一般式Iで表される化合物について詳しく述べる。
一般式I中、R1は、−SO3H、−SO2NH(R2)、−CO2H、−PO3H、−AsO3H、−SiO2H、−C(CF3)2OHから選択される基を表す。このうち−SO3H、−SO2NH(R2)、−CO2H、−PO3Hが好ましく、−SO3Hが最も好ましい。
一般式I中、R2は置換基を表す。置換基の例としては、アルキル基(直鎖もしくは分岐鎖の置換又は無置換のアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、t−ペンチル、シクロプロピル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数2〜18の置換又は無置換のアルケニル基で、例えばビニル)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数2〜18の置換又は無置換のアルキニル基で、例えばエチニル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜50、より好ましくは炭素数3〜18の置換又は無置換のシクロアルキル基で、例えばシクロヘキシル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは炭素数6〜25の置換または無置換アリール基で、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル)、
ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアシルアミノ基で、例えば、アセチルアミノ、ブタノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、ピコリノイルアミノ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜50のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、テトラデカノイル、シクロヘキシルカルボニル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜25のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メシルカルバモイル)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のカルボンアミド基で、例えば、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、ベンツアミド)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは炭素数6〜25のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数0〜25のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチルーN−(4―メトキシフェニル)スルファモイル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数2〜18のアルコキシカルボニル基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル)、N−アシルスルファモイル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のN−アシルスルファモイル基で、例えば、N−テトラデカノイルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メタンスルホニル、イソプロピルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、オクチルスルホニル、2−メトキシエチルスルホニル、2−ヘキシルデシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは炭素数6〜25のアリールスルホニル基で、例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、4−フェニルスルホニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数2〜18のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、エトキシカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは炭素数7〜25のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェニルカルボニルアミノ、ナフトキシカルボニルアミノ)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数0〜18のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルホ基、メルカプト基、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアルキルスルフィニル基で、例えば、メタンスルフィニル、オクタンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは炭素数6〜25のアリールスルフィニル基で、例えば、ベンゼンスルフィニル、4―クロロフェニルスルフィニル、p−トルエンスルフィニル)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは炭素数6〜25のアリールチオ基で、例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のウレイド基で、例えば3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジフェニルウレイド)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは炭素数2〜25のヘテロ環基で、ヘテロ原子としては例えば、窒素、酸素及びイオウ等を少なくとも1個以上含み、3ないし12員環の単環、縮合環で、例えば、2−フリル、2−ピラニル、2−ピリジル、2−チエニル、2−イミダゾリル、モルホリノ、2−キノリル、2−ベンツイミダゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−キナゾリノン−3−イル、1,1−ジオキソ−1,2,4−ベンゾチアジアジン−3−イルなど)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは炭素数0〜18のスルファモイルアミノ基で、例えば、N−ブチルスルファモイルアミノ、N−フェニルスルファモイルアミノ)、シリル基(好ましくは炭素数3〜50のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t−ブチルシリル、トリフェニルシリル)、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のホスホニル基で、例えばフェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のアゾ基で、例えばフェニルアゾ)、イミド基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜18のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)等が挙げられる。これらの置換基および環はさらに置換基により置換されていてもよく、その置換基の例としては前記の置換基として挙げた基が挙げられる。
一般式I中、nは0〜3の整数を表す。
一般式I中、X1、X2は、炭素数1〜20の置換または無置換の炭化水素基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を表す。上記炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等の直鎖、分枝鎖または環状の脂肪族炭化水素基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、フルオレニル基、アズレニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。またこれらの基の置換基としては、前述の置換基が挙げられる。
X1、X2の好ましい例としてはそれぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基が挙げられ、フェニル基がより好ましく、さらにオルト位に置換基を有するフェニル基が好ましく、オルト位にアルコキシ基等の極性の置換基を有するフェニル基が最も好ましい。
次に本発明で用いられる一般式IIで表される化合物について詳しく述べる。
一般式II中、X3、X4は、炭素数1〜20の置換または無置換の炭化水素基、アルコキシ基、またはアリールオキシ基を表す。X3、X4の例および好ましい範囲についてはX1、X2と同様である。
Yはハロゲン原子、炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシ基、アリールオキシ基、またはアミノ基を表す。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、沃素が挙げられ、塩素、臭素が好ましく、塩素が最も好ましい。
アルコキシ基として好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシが挙げられ、アリールオキシ基として好ましくは炭素数6〜20のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシが挙げられ、アミノ基として好ましくは炭素数2〜20のアミノ基で、例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノが挙げられる。置換基の例としては、前述の置換基が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、沃素が挙げられ、塩素、臭素が好ましく、塩素が最も好ましい。
アルコキシ基として好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシが挙げられ、アリールオキシ基として好ましくは炭素数6〜20のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシが挙げられ、アミノ基として好ましくは炭素数2〜20のアミノ基で、例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノが挙げられる。置換基の例としては、前述の置換基が挙げられる。
次に本発明の一般式IIIで表される化合物について詳しく述べる。
一般式III中、R1、R2、X1、X2、X3、X4およびnは、一般式Iおよび一般式IIにおいて述べたものと同じものを表す。その例および好ましい範囲についても同様である。
本発明においては一般式Iで表される化合物またはその塩と塩基性化合物とを反応させた後、一般式IIで表される化合物を反応させることにより一般式IIIで表される化合物あるいはその塩が製造される。
一般式Iで表される化合物または一般式IIIで表される化合物の塩としては、R1において水素で示される部分がカチオン成分に置き換わった化合物であり、そのカチオン成分としては、アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム、カルシウム)、4級アンモニウムカチオン(例えばテトラブチルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム)などの成分が挙げられる。
一般式Iで表される化合物を塩基性化合物と反応させる工程において、用いる塩基性化合物としてはアルキルあるいはアリールリチウム化合物(例えばn−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム等)、アルキルあるいはアリールグリニャール試薬(例えばメチルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイドなど)等の有機金属化合物、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属の水素化物(例えば水素化ナトリウム等)、アルカリ土類金属の水素化物(例えば水素化カルシウム)等の無機の化合物が挙げられる。好ましくは有機金属化合物、アルカリ金属の水素化物であり、より好ましくはアルキルリチウム化合物である。
この工程において使用する塩基性化合物の量は一般式Iで表される化合物に対して0.5〜100当量、好ましくは1〜10当量の割合で使用される。
得られた中間体は塩として単離しても良いし、単離せずそのまま次の工程に用いても良い。
この工程において使用する塩基性化合物の量は一般式Iで表される化合物に対して0.5〜100当量、好ましくは1〜10当量の割合で使用される。
得られた中間体は塩として単離しても良いし、単離せずそのまま次の工程に用いても良い。
一般式Iで表される化合物と塩基性化合物とを反応させてできた中間体と一般式IIで表される化合物とを反応させる工程において使用する化合物の割合は、一般式Iで表される化合物の塩基性化合物と反応させる前のモル数に対して一般式IIで表される化合物を0.1〜10当量、好ましくは0.5〜5当量の割合で使用する。
一般式Iで表される化合物を塩基性化合物と反応させる工程、及びその後の中間体と一般式IIで表される化合物との反応により一般式IIIで表される化合物を製造する工程において、用いることができる溶媒の具体例としてはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水などが挙げられ、これらの溶媒は単一で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。それぞれの工程において、溶媒は同一でも異なっていてもよい。溶媒は一般式Iで表される化合物1質量部あたり、または一般式IIで表される化合物1質量部あたり0.5〜1000質量部、好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。
一般式Iで表される化合物を塩基性化合物と反応させる工程、及びその中間体と一般式IIで表される化合物との反応により一般式IIIで表される化合物を製造する工程において、反応温度は−200〜100℃が好ましく、−100〜50℃が好ましく、さらに好ましくは−80〜20℃である。反応時間は反応温度により異なり、通常数時間で反応が終結するが、より低い温度で反応を行った場合は長時間を要することもある。
一般式Iで表される化合物を塩基性化合物と反応させる工程、及びその中間体と一般式IIで表される化合物との反応により一般式IIIで表される化合物を製造する工程において、反応は大気中で行ってもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下で行うほうが好ましい。
本発明の方法により合成できる一般式IIIで表される化合物またはその塩は再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の方法を単独又は組み合わせて精製してもよい。
一般式Iで表される化合物は特開昭63−227631号公報に記載の方法あるいはその他公知の方法にて合成できる。一般式IIで表される化合物はChemical Communications 2002 964に記載の方法あるいはその他公知の方法にて合成できる。塩基性化合物は市販のものをそのまま用いることができる。
次に一般式Iで表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらだけに限定されない。
次に一般式IIで表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらだけに限定されない。
次に一般式IIIで表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらだけに限定されない。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記実施例において、テトラヒドロフラン(THF)は市販の脱水グレードのものを用いた。n−ブチルリチウム(1.6M、ヘキサン溶液)は市販のものを用いた。原料は特開昭63−227631号公報に記載の方法あるいはその他公知の方法にて合成した。その他、溶媒および試薬は市販のものをそのまま用いた。
下記実施例において、テトラヒドロフラン(THF)は市販の脱水グレードのものを用いた。n−ブチルリチウム(1.6M、ヘキサン溶液)は市販のものを用いた。原料は特開昭63−227631号公報に記載の方法あるいはその他公知の方法にて合成した。その他、溶媒および試薬は市販のものをそのまま用いた。
〔実施例1:2,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸(前記例示化合物(III−1))の合成〕
アルゴン置換したシュレンクフラスコに(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸(1.41g、4.13mmol)と10mLのTHFを加えた。次いでシュレンクフラスコをドライアイス/メタノール浴中に置き、約−78℃まで冷却した。ここにn−ブチルリチウム(1.6M、ヘキサン溶液)5.4mL(8.67mmol)を10分かけて滴下した。次いで室温まで加温し4時間撹拌した。次にシュレンクフラスコを約−78℃まで冷却後、ジフェニルクロロホスフィン(0.74mL、4.13mmol)を添加した。室温まで加温後1時間攪拌した。
蒸留水1mLを滴下した後、ジエチルエーテル15mL、蒸留水20mLを加え攪拌し、次いで静置することで2つの層を形成させた。上部の有機相を除去した上で、水相に分散した白色固体を濾別し、蒸留水で洗浄後、乾燥することで前記例示化合物(III−1)を得た(収量:1.34g、 収率62%)。
アルゴン置換したシュレンクフラスコに(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸(1.41g、4.13mmol)と10mLのTHFを加えた。次いでシュレンクフラスコをドライアイス/メタノール浴中に置き、約−78℃まで冷却した。ここにn−ブチルリチウム(1.6M、ヘキサン溶液)5.4mL(8.67mmol)を10分かけて滴下した。次いで室温まで加温し4時間撹拌した。次にシュレンクフラスコを約−78℃まで冷却後、ジフェニルクロロホスフィン(0.74mL、4.13mmol)を添加した。室温まで加温後1時間攪拌した。
蒸留水1mLを滴下した後、ジエチルエーテル15mL、蒸留水20mLを加え攪拌し、次いで静置することで2つの層を形成させた。上部の有機相を除去した上で、水相に分散した白色固体を濾別し、蒸留水で洗浄後、乾燥することで前記例示化合物(III−1)を得た(収量:1.34g、 収率62%)。
Claims (3)
- 下記一般式Iで表される化合物またはその塩と塩基性化合物とを反応させた後、下記一般式IIで表される化合物を反応させて得られる下記一般式IIIで表される化合物またはその塩の製造方法。
- 前記一般式I及びIIIにおけるR1が−SO3H基である請求項1に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008059958A JP2009215212A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | リン含有化合物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008059958A JP2009215212A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | リン含有化合物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009215212A true JP2009215212A (ja) | 2009-09-24 |
Family
ID=41187454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008059958A Pending JP2009215212A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | リン含有化合物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009215212A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012236824A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-12-06 | Japan Polyethylene Corp | 新規なトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物及びそれらによるオレフィン系重合触媒並びにオレフィン系共重合体の製法 |
-
2008
- 2008-03-10 JP JP2008059958A patent/JP2009215212A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012236824A (ja) * | 2011-04-27 | 2012-12-06 | Japan Polyethylene Corp | 新規なトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン化合物及びそれらによるオレフィン系重合触媒並びにオレフィン系共重合体の製法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Chen et al. | Acetonitrile-dependent oxyphosphorylation: A mild one-pot synthesis of β-ketophosphonates from alkenyl acids or alkenes | |
WO2005070875A1 (ja) | アミン類の製造方法 | |
EP2703386B1 (en) | Method for producing diamine compound | |
CN108026054B (zh) | 取代的苯并三唑酚 | |
CN110117237A (zh) | 一种芳香腈或烯基腈类化合物的制备方法 | |
CN111925356B (zh) | 手性喹啉-咪唑啉配体的合成方法及其应用 | |
JP2011098957A (ja) | ピリジルホスフィン化合物を有する金属錯体、及びアルキルメタクリレートの製造方法 | |
CN111187298B (zh) | 一种c2-膦酰基亚甲基吲哚化合物及其制备方法和用途 | |
JP2009215212A (ja) | リン含有化合物およびその製造方法 | |
WO2013028132A9 (en) | Chiral phosphines for palladium-catalyzed asymmetric alpha-arylation of ester enolates to produce tertiary stereocenters in high enantioselectivity | |
CN113105476B (zh) | 一种制备四环螺环吲哚啉类化合物的方法 | |
CN106977455A (zh) | 一种医药中间体异喹啉酮化合物的制备方法 | |
EP1958936A1 (en) | Process for obtaining montelukast | |
JP2006282534A (ja) | アミド類の製造方法 | |
CN113548968A (zh) | 一种镍催化铁介导的炔烃氟代烷基化合成(z)-烯烃的方法及产物 | |
CN116462579B (zh) | 一种螺芴蒽酮化合物的制备方法 | |
WO2003097568A1 (fr) | Procede de fabrication de derive d'ester 4-phenyl-4-oxo-2-butenoique | |
JP2010235453A (ja) | 白金錯体の製造方法 | |
Liu et al. | A substituted tricyclohexylphosphane with “conformational lock” | |
CN106518761A (zh) | 一种菲啶类化合物的制备方法 | |
CN114805017B (zh) | 一种2-氟-1,5-己二烯类化合物的制备方法 | |
CN115232163B (zh) | 一种硅中心手性分子化合物及其制备方法与应用 | |
JP4475901B2 (ja) | 3−アセチルチオフェン類の製造方法 | |
CN112920220B (zh) | 一种水相合成含三氟甲基c-2膦酰基吲哚的方法 | |
JP5280858B2 (ja) | 5,5’位で連結された1,1’−ビフェニル類軸性キラリティー配位子及びその製造方法 |