JP2009212296A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Koji Toyoda
晃士 豊田
Tadayoshi Kawaguchi
忠義 川口
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Abstract

【課題】プラズマ着火性の悪化を伴わずにエッチングレートの均一性と汚染や異物の低減が得られるようにしたプラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】処理室内のアンテナプレート122の周囲にチョークアンテナ124とチョークスペーサ125からなる定在波制御部を備えた電子サイクロトロン共鳴方式のプラズマ処理装置において、駆動部201とロッド部材202を設け、ロッド部材202の下端をチョークアンテナ124に連結し、制御装置203により駆動部201を制御することによりチョークアンテナ124を矢印A方向に移動させ、プラズマ着火時とプラズマ処理時でチョークアンテナ124の位置が変更できるようしたもの。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を用いたプラズマ処理装置に係り、特に、定在波制御部を備えたプラズマ処理装置に関する。
LSI(Large Scale Integrated Circuit)として知られている大規模半導体集積回路装置の製造には、従来からプラズマ処理装置が用いられているが、ここで、近年、半導体ウエハの大口径化(直径300mm以上)に伴い、プラズマ処理装置による半導体ウエハ内での均一な処理性能について、より一層の高性能化が要求されるようになっている。
そこで、近年、高周波を用いたプラズマ処理装置の処理室内におけるマイクロ波の定在波を制御することにより、プラズマ分布を均一化する技術が提案されているが、その一例として、ある従来技術によれば、処理室の誘電体窓に近接し、その入口以外が導体で囲まれ、内部が真空或いは空気などの誘電体で満たされた定在波制御部において、その形状寸法と、大口径ウエハでのエッチングレートの均一性の関係が開示されている(例えば特許文献参照)。
特開2002−280361号公報
上記従来技術は、プラズマ処理に伴う試料の汚染や異物の生成について配慮がされておらず、LSIの更なる高集積化に問題があった。
上記したように、近年はLSIの高集積化が著しく、この結果、プラズマ処理に際しては、たとえ僅かな汚染でも、微小な異物でも大きな問題になり、LSIの高集積化に障害となってしまうからである。
このとき従来技術では、エッチングレートの均一性については評価されているが、汚染や異物についての検討がなされていない。従って、従来技術では、LSIの更なる高集積化に問題が生じてしまうのである。
ここで、プラズマ処理装置の場合、真空容器内でのプラズマ分布の偏りを是正し、真空容器の内壁の近傍でのプラズマの偏りを抑えてやれば、プラズマによる容器内壁への侵食が低減し、容器器内壁を構成している物質や容器内壁を保護するための溶射膜などを構成している物質に起因する汚染や異物の発生が低減できる筈であり、このため定在波制御部ではエッチングレートの均一性が得られれば、それで良しとするのではなく、汚染や異物の発生も低減できるようにする必要がある。
このとき本願発明者によれば、定在波制御部の形状寸法を変化させた場合、エッチングレートの均一化と共に汚染の低減化が得られることが見い出せたが、しかし、この場合はプラズマの着火性が悪化してしまうことが判明した。
本発明の目的は、プラズマ着火性の悪化を伴わずにエッチングレートの均一性と汚染や異物の低減が得られるようにしたプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的は、処理室内にマイクロ波を放射するためのアンテナの周囲に定在波制御部を備えた電子サイクロトロン共鳴方式のプラズマ処理装置において、前記定在波制御部を前記アンテナに対して上下に移動させる駆動手段を設け、前記アンテナに対する前記定在波制御部の位置をプラズマ着火時とプラズマ処理時で変更できるようにして達成される。
このとき前記定在波制御部が、前記アンテナの外周側に向かって延長するフランジ部と、このフランジ部の上方で前記アンテナの外周側を囲むリング状の誘電体部材とで構成されていることによっても上記目的が達成され、更にこのとき、前記駆動手段が直線移動アクチュエータとロッド部材及びベロース部材で構成され、前記ベロース部材は導電性の材料で作られ、前記ロッド部材に被せられていることによっても上記目的が達成される。
ここで、前記定在波制御部は、プラズマ着火時、上方に位置し、プラズマ処理開始後、下方に位置するものであってもよく、前記フランジ部が接地されていてもよい。
本願において開示される発明の概要を簡単に説明すれば、以下の通りである。本発明のプラズマ処理装置は、減圧可能な容器(chamber)、該容器内に位置された被加工物を載置するための処理台、該被加工物と対面する位置に設けられた電磁波放射素子及び誘電体窓、該容器内に導入する所定のガスをプラズマ化するための電磁波を発生する周波数fの高周波電源、及び該誘電体窓の周辺部に近接して設けられた定在波電界分布を適正化するための定在波制御部とから成る。
定在波制御部の基本構成は、その入口以外が導体で囲まれ、最終端が導体により封じられた行き止まりの空洞の形態を成したリング構造であり、その空洞部内は、真空または空気または誘電率εの誘電体のいずれか一つで満たされている。そして、容器の径方向の長さ(入口から導体の内端部までの距離)dを電磁波の特性長と等価もしくはその近傍となるよう構成することで、定在波電界分布を容器内壁近傍で極小、すなわち、定在波の節とすることができる。
このときdの値は中心寸法と同等という広い範囲を持つ。従って、dが或る範囲内にあればプラズマ分布はさほど偏らないため、エッチングレートの均一性を向上させるだけは充分に可能である。故に、この場合、必ずしも容器内壁近傍の定在波を極小とする必要はない。しかし、汚染や異物を低減するためには、これを極小に近づける必要がある。そして、このとき、プラズマの着火性が極めて悪化してしまう。
この問題を解決するために、定在波制御部の形状寸法を可変とする。即ち、プラズマを生成する段階においては容器内壁近傍の定在波が節でなく、プラズマ生成後は速やかに容器内壁近傍の定在波が節となるように、形状寸法を調節できる可変構造を備えた定在波制御部を具備する。これにより、エッチングレートの均一性と、汚染ならびに異物の低減を実現しながら、プラズマの着火性も高めたプラズマ処理装置を提供することができる。
本発明によれば、誘電体窓の周辺部に近接した位置に、その形状寸法を可変とする機構を備えた定在波制御部を具備し、電磁波を誘電体窓より真空容器内に導入する際に、同一処理プロセス中で、誘電体窓部在の内部にできる定在波電界分布を少なくとも2種類に制御することができ、この結果、プラズマの着火時とウエハの処理時とで定在波電界を異なった分布にそれぞれ適正化することができる。
従って、本発明によれば、良好なプラズマ着火性のもとで均一なエッチングレートを保ちながら汚染と異物の低減に充分に対処することができる。
以下、本発明に係るプラズマ処理装置について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
まず、図1は、本発明の一実施形態で、このプラズマ処理装置は、大別すると、減圧可能な容器(真空容器)を要部とする上部のチャンバ部と、このチャンバ部で必要なユーティリティを収納した下部のベッド部とで構成されている。
そして、まず、チャンバ部は、真空容器101と、この真空容器101内に高周波を導入する高周波電源102、真空容器101内に磁界を発生するソレノイドコイル103、真空容器101内からガス及び反応生成物を排気し減圧するターボ分子ポンプ104とを備えている。
ここで真空容器101は、半導体ウエハ100が被加工物として載置される処理台となる下部電極105と、該被加工物に対面する円板状の誘電体窓106と、この誘電体窓106の下部に位置し中央部に複数個のガス導入孔を備えたシャワー板107と、誘電体窓106とシャワー板107の間に形成されているバッファ室108と、真空シール部材109とで構成されている。
このとき真空シール部材109は、誘電体窓103とシャワー板107及びバッファ室108を気密にし、真空容器101内の減圧雰囲気が維持する働きをする。
また、真空容器101の外部には、バッファ室108内にガスを導入するガス配管110とガス流量を制御するMFC(マスフローコントローラ)111、それにガス供給源112があり、これによりバッファ室108内に供給されたガスは、シャワー板107に設けてあるガス導入孔を通って下部電極105の上側にある処理室の中に均一に導入されるようになる。
次に、下部のベッド部は収納部113を備えている。そして、この収納部113の中には、下部電極105にRF(高周波)電圧を印加してRFバイアスを発生するためのRFバイアス電源114とマッチングボックス115及びDC(直流)電圧を印加して静電吸着力を発生させるためのDC電源とマッチングボックスが収容されている。
一方、チャンバ部には、更に真空搬送容器116が設けてあり、この真空搬送容器116は半導体ウエハなどの被加工物の搬送時に開放されるゲート117を介して真空容器101の内部に連結している。そして、このゲート117は、ゲートバルブ118によって開閉される。
このとき真空搬送容器116は、半導体ウエハを搬送するための空間である搬送室119と、図1には示していないが、半導体ウエハを搬送するマニピュレータとなる真空ロボット及び搬送室を減圧する真空ポンプを備えている。
そして、これにより、処理の直前に、真空状態を保ったままチャンバの真空容器101内にウエハを搬入し、プラズマ処理後、同様にして搬出することができる。
このときは、まず、真空容器101及び真空搬送容器116を減圧する。そして処理すべき半導体ウエハを真空搬送容器116から真空容器101内に搬入し、下部電極105上に載置した上で静電力を利用して吸着させ、ガス供給源111からシャワー板107を通して真空容器101内の処理室にガスを導入する。処理室内のガス圧力が安定した後、ソレノイドコイル104に通電し、真空容器101内で処理室の上部にあるプラズマ生成室内に磁界を形成させ、高周波電源102から高周波(周波数f)をプラズマ生成室内に供給する。
このとき、後で詳述するが、電子サイクロトロン共鳴が起こり、電子が加速され、加速された電子によりプラズマ生成室内に導入されたガスが電離し、プラズマ120が生成され、このプラズマ120により半導体ウエハ100が処理される。
そして、処理終了後、静電吸着による残留吸着力を除くために除電を行ない、その後、半導体ウエハ100を真空容器101内から搬出するのである。
ここで、更に図2により、図1の真空容器101の主要部について説明する。
まず、誘電体窓106の上にプラズマ形成用のアンテナが配置されている。このアンテナは、マグネトロンなどの高周波電源102に連結された導波管121と、この導波管121に接続されたアンテナプレート122と、このアンテナプレート122の上にあって導波管121が通され、アンテナプレート122を保持しているアンテナスペーサ123とで構成されている。なお、図2には示していないが、高周波電源102と導波管121とは、同軸ケーブルによって接続されている。
そこで、高周波電源102により発生されたUHF帯(マイクロ波)の高周波電力は導波管121を伝播し、アンテナプレート122から電磁波として放射され、誘電体窓106を通って処理室内に導入される。
このとき、図示のように、L字形断面の導体リング部材からなるチョークアンテナ124と、このチョークアンテナ124と導体壁により囲まれた誘電体リング部材からなるチョークスペーサ125が設けられ、これらチョークアンテナ124とチョークスペーサ125により定在波制御部が形成され、この結果、アンテナプレート122の外周部に定在波制御部が存在するようになっている。
ここで、まず、チョークアンテナ124の材質には、コストや加工性の観点からアルミ(アルミニューム)が選ばれるが、そのほかの金属でも良い。
ここで、このチョークアンテナ124を構成している導体リング部材は、図示されていないが、接地してある。
また、チョークスペーサ125には、同じくコストや誘電率の面からアルミナや石英が選ばれるが、更に誘電率が高い物質を選べば、定在波制御部のサイズをよりコンパクトにできる。
この定在波制御部が存在した場合、アンテナを伝播してきた高周波は、一部は誘電体窓106に伝播するが、一部はチョークアンテナ124の下部を回り込んでチョークスペーサ125に伝播していくようになる。
このとき、誘電体窓106を伝播した高周波は、この誘電体窓106の端面で反射され、チョークスペーサ125を伝播した高周波はチョークアンテナ124の内周部で反射されるので、入射波と干渉して定在波が作られる。
そこで、この定在波が真空容器101の内壁近傍で節(node)となるように、チョークアンテナ124の形状寸法及びチョークスペーサ125の誘電率εを選定する。
すなわち、チョークアンテナ124の径方向の長さをdとしたとき、このdが次の(1)式の範囲内であるとき、定在波は節か、節の近傍となる。
d=L/4+L/2×(n−L)±L/8……(1)
n:正の整数
L=c/f/√ε
c:光速
このとき、電界が弱まった容器内壁近傍においては、ECRによる電子の加速が小さくなり、これにより容器内壁近傍ではプラズマの生成が抑制される。
そこで、チョークアンテナ124の径方向の長さdを(1)式の範囲内に選定することにより、定在波の節が真空容器101の内壁近傍に形成されるようにしてやれば、プラズマ120が真空容器101の内壁近傍に偏在しないようにすることができ、この結果、エッチングレートの均一化が容易となる。
ここで、上記の(1)式において、n=1とすると、d=L/4±L/8となり、dは中心寸法と同等という広い範囲を持つ。
従って、エッチングレートの均一性を向上させるだけならば、dがこの範囲内にあればプラズマ分布はさほど偏らないため、これで充分である。
また、この結果、真空容器101の内壁近傍ではプラズマ120の密度を下げることができるので、真空容器101の内壁に対するプラズマ120による侵食を抑えることができ、これにより、真空容器101の内壁を構成している物質や真空容器101の内壁を保護するために設けられている溶射膜などを構成している物質に起因する汚染が低減でき、異物の発生を抑えることができる。
ここで高周波を用いたプラズマ処理装置であって定在波制御部を備えていない装置の場合、大口径ウエハと大パワーにおいては<プラズマが真空容器の内壁近傍に偏在してしまうという問題が発生するが、この実施形態の場合、このような問題は発生しない。
一方、プラズマの着火に関しては、容器内壁近傍で電界が強いときに着火しやすいことが判っている。従って、エッチングレートの均一化と汚染の低減を目的として容器内壁近傍の電界を弱めたとするとプラズマの着火性が悪化してしまう。
このとき、従来技術のように、エッチングレートの均一化のみを目的とした場合は、容器内壁近傍の電界をあまり弱めないようにすることで実用に足るプラズマ着火性を保持することが可能である。
しかし、汚染を低減するためには容器内壁近傍のプラズマを充分に弱め、ひいては同位置の電界をできるだけ弱めることが必要となり、従って、汚染の低減が可能なプラズマ処理装置を提供するためには、プラズマの着火性を何らかの手段によって回復しなければならない。
そこで、本発明においては、上記課題の解決をもたらすであろう構成として、アンテナに対する定在波制御部の位置を調節する手段の存在に想到したもので、これによりプラズマの着火時には容器内壁近傍に強い電界が形成でき、ウエハの処理時には同位置の電界が弱められるようにした点が特徴であり、以下、この点について、更に詳しく説明する。
まず、この実施形態には、図1には表わされていないが、定在波制御部を構成しているチョークアンテナ124とチョークスペーサ125の位置を調節するため、図2に示すように、駆動部201とロッド部材202、それに制御装置203が設けられ、更にロッド部材202には、図3に詳細が示されているように、筒状の蛇腹からなるベローズ部材204を被せておき、これらにより定在波制御部位置調節手段としての機能が得られるようにしてある。
そして、まず、駆動部201は、例えば電動式の直線駆動型アクチュエータからなり、制御装置203の制御のもとでロッド部材202を矢印A方向に動かし、任意の位置で停止させる働きをする。
このときロッド部材202は、その下端がチョークアンテナ124に連結されている。従って、駆動部201を動作させることにより、定在波制御部を上下に移動させることができ、この結果、制御装置203により駆動部201を制御することにより、定在波制御部を上下に動かし、任意の位置に停止させることができる。
このときロッド部材202とベローズ部材204は、チョークアンテナ124のフランジ部(L字形の立上り部)の一部を形成しているので、アンテナ122から放射される高周波電界を透過させてはならない。従って、このベローズ部材204は、上記したように金属、つまり導体で作られているのである。
また、このとき定在波制御部を構成するチョークアンテナ124は、リング状にアンテナプレート122を取り巻いて存在する。従って、上記駆動部系は最低でも2系統が必要で、それらがリングの中心に対して相互に反対側になるように設ける必要がある。
しかも、このときベローズの撓み性を考慮すると、できるだけ多くの位置で支えるのが望ましい。但し、スペースやコストなどの都合から、実用上は6〜8系統程度に選ばれるが、これ以外の数を選んでも良い。
この実施形態の場合、ベローズ部材204は、内側と外側で1対の金属波板によって構成される蛇腹構造で、上下方向に伸縮性を持つ。そして、このベローズ部材204の上端は定在波制御部の天井部材に固定され、下端はフランジ部の内周側に固定される。
そして、このベローズ部材204の下端はチョークアンテナ124のフランジ部の内周側に固定される。
駆動部201は、上記した電動式の直線駆動型アクチュエータの場合、制御装置203は電源を備え、例えばモータの回転による雄ねじ部材と雌ねじ部材による上下動をロッド部材202に与える。また、液圧式の直線駆動型アクチュエータの場合は、油圧源を備え、シリンダとピストンによる上下動をロッド部材202に与えることになる。
そして、ロッド部材202が上下に動くと、このロッド部材202が連結されたチョークアンテナ124も連動して動き、これにより高周波の伝播経路(伝播距離)が徐々に変化する。
このとき、ベローズ部材204の上端は天井部材に固定されたままであり、従って、このベローズ部材204が蛇腹構造により長さを変えた場合でも高周波を通す隙間が生じる虞はない。
一方、チョークアンテナ124が下降したとき、チョークスペーサ125のフランジ部の上部に隙間が生じ、定在波制御部としての誘電率に多少の差異が現れるが、このときフランジ部の位置の変化による伝播距離変化の影響の方が大きいため、この隙間は無視することができる。
このように定在波制御部の位置を可変とすることで、高周波の伝播経路を調整し、定在波の状態を調節し、必要に応じてプラズマ着火に好適な定在波状態にし、プラズマ処理に際しては、それに適した定在波状態が得られるようにすることができる。
そこで、以下、この実施形態によるプラズマ着火とプラズマ処理の手順について説明する。
まず、ターボ分子ポンプ104を動かし、真空容器101の処理室内を減圧する。このとき、チョークアンテナ124は上端に位置させておく。
次に、ウエハ100を搬送し、下部電極105、つまり処理台の上に吸着させ、ガスを導入し、磁界と電界(高周波)を発生させ、プラズマ120が生成されるようにする。
ここで、制御装置203がプラズマの生成、もしくはそれ以前の高周波の供給等を感知したとき駆動部201が動作され、チョークアンテナ124のフランジ部を降下させ、処理条件に対応して最適な位置にする。
ここで処理中も、必要ならばフランジ部の上下位置を微調整し、プラズマ分布を常に最適な形に保つように制御する。
そして、処理終了後、次のウエハの処理が始まる前に、制御装置203がプラズマの消失や高周波の供給停止、ウエハの搬出等を感知して駆動部201に命令を下し、フランジ部は再び上端の位置(初期位置)まで上昇して着火に備えるのである。
ここで、図4は、この実施形態における着火時のベローズ縮み量と容器内壁近傍電界強度との関係を表した特性図である。
このときチョークスペーサ125の材質はアルミナ(ε≒9.8)で、チョークアンテナ124のフランジ部の外周端からベローズ部材204の外周端までの長さ(チョークアンテナの径方向長さ)は34.0mmであり、ここでチョークスペーサ125の上下方向の長さをベローズ部全体の上下方向長さより約10.0mm短くし、10.0mmまで上方へ移動できるようにし、この状態でプラズマ処理時、汚染が最も低減した形状寸法を初期状態(ベローズ縮み量0mm)とし、ここからフランジ部を上方向に1.0mmずつ動かした場合の容器内壁近傍電界強度を、シミュレーションソフトによって求めたものである。
そして、この図4では、容器内壁近傍電界強度は、ベローズ縮み量が6.0mmのとき極大値を示し、ベローズ縮み量が6.0mm以下の場合では、容器内壁近傍電界強度は単調に増加し、反対に6.0mm以上の場合では単調に減少している。
このとき容器内壁近傍での電界が強いとき着火性が良いことは、発明者らの検討により既に判明しており、従って、この実施形態の場合、着火性向上のためのベローズ縮み量の最適値は6.0mmであることが判る。
また、この結果、この実施形態の場合には、ベローズ部材204が伸縮できる最大長さは6.0mmで良いといえる。
プラズマ着火後は、フランジ部の上下位置をベローズ縮み量0mmないしその近傍へ速やかに移動するが、逆へ移動する必要はない。
次に、図5は、この実施形態における容器内壁近傍電界強度と汚染量の関係、及びベローズ縮み量と容器内壁近傍電界強度の関係を表した図である。
そして、まず、図5(a)によれば、容器内壁近傍電界が弱くなると汚染量が低減し、このとき電界強度約50(V/m)以上では汚染量は一次関数的に変化するが、以下では汚染量はかなり少なく、ほぼ一定であるとみなすことができ、従って、汚染量を低減するためには、容器内壁近傍電界強度を50(V/m)以下にすれば良いことが判る。
そして、図5(b)によれば、容器内壁近傍電界強度が50(V/m)以下になるのは、ベローズ縮み量が3.0mm以下のときであり、従って、この実施形態の場合、プラズマ処理中はベローズ縮み量を3.0mm以下にしておけば汚染が低減できることになる。
従って、この実施形態の場合、プラズマ着火時にはベローズ縮み量を6.0mmとし、その後、プラズマ処理時には3.0mm以下にすることにより、良好なプラズマ着火性のもとで均一なエッチングレートを保ちながら汚染と異物の低減に充分に対処することができる。
本発明によるプラズマ処理装置の一実施形態を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態における真空容器の主要部を拡大して示した縦断面図である。 本発明の一実施形態における真空容器の主要部を更に拡大して示した縦断面図である。 本実施例における、着火時のベローズ縮み量と容器内壁近傍電界強度との関係を表した図である。 本実施例における、処理時のベローズ縮み量と、容器内壁近傍電界強度と、汚染量との関係を表した図である。
符号の説明
101:真空容器
102:高周波電源
103:ソレノイドコイル
104:ターボ分子ポンプ
105:下部電極(処理台)
106:誘電体窓
107:シャワー板
108:バッファ室
109:真空シール部材
100:ウエハ
110:ガス配管
111:MFC
112:ガス供給源
113:収納部
114:RFバイアス電源
115:マッチングボックス
116:真空搬送容器
117:ゲート
118:ゲートバルブ
119:搬送室
120:プラズマ
121:導波管
122:アンテナプレート
123:アンテナスペーサ
124:チョークアンテナ
125:チョークスペーサ
201:駆動部
202:ロッド部材
203:電源及び制御装置
204:ベローズ部材

Claims (5)

  1. 処理室内にマイクロ波を放射するためのアンテナの周囲に定在波制御部を備えた電子サイクロトロン共鳴方式のプラズマ処理装置において、
    前記定在波制御部を前記アンテナに対して上下に移動させる駆動手段を設け、
    前記アンテナに対する前記定在波制御部の位置をプラズマ着火時とプラズマ処理時で変更できるように構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記定在波制御部が、前記アンテナの外周側に向かって延長するフランジ部と、このフランジ部の上方で前記アンテナの外周側を囲むリング状の誘電体部材とで構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記駆動手段は、直線移動アクチュエータとロッド部材及びベロース部材で構成され、前記ベロース部材は導電性の材料で作られ、前記ロッド部材に被せられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記定在波制御部は、プラズマ着火時、上方に位置し、プラズマ処理開始後、下方に位置することを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記フランジ部が接地されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
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