JP2009211059A - プラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力の削減と安定した維持放電とを実現する。
【解決手段】維持パルス発生回路は、電力回収回路及び補助回路を備える。電力回収回路は、第1のインダクタ、第2のインダクタ、第1のコンデンサ、及び第2のコンデンサを有する。補助回路は、第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチを有する。維持パルス発生回路は、維持パルスの立ち上がりの直前には、第1の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに正方向の電流を流して正方向のエネルギーを蓄積する。さらに、維持パルスの立ち下がりの直前には、第2の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに負方向の電流を流して負方向のエネルギーを蓄積し、維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、電力回収回路と容量性負荷との間に流れる電流を、LC共振によって発生する電流に、第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいたエネルギーにより発生する電流を付加する。
【選択図】図6

Description

本発明は、容量性負荷を駆動する装置に関し、さらに詳しくは壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP、以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層及び保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては、サブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般に用いられている。
各サブフィールドは、初期化期間、書き込み期間及び維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書き込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成するとともに、書き込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させる。書き込み期間では、表示を行うべき放電セルに選択的に書き込みパルス電圧を印加して書き込み放電を発生させ壁電荷を形成する(以下、この動作を「書き込み」とも記す)。そして維持期間では、走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に維持パルス電圧を印加し、書き込み放電を起こした放電セルで維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
このような構成のパネルを用いたプラズマディスプレイ装置に対して、その消費電力を削減するために、様々な消費電力削減技術が提案されている。例えば、維持期間における消費電力を削減する技術の1つとして、表示電極対のそれぞれが表示電極対の電極間容量を持つ負荷であることに着目する案がある。この案では、インダクタを構成要素に含む共振回路を用いてそのインダクタと電極間容量とをLC共振させ、電極間容量に蓄えられた電荷を電力回収用のコンデンサに回収し、回収した電荷を表示電極対の駆動に再利用する。この案は、電力回収回路と呼ばれ、例えば特許文献1に開示されている。
また、補助共振部を用いて電力回収に伴うスイッチング損失を低減し、回収効率を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、パネル全体にわたって安定した放電を実現するとともに、電力回収回路からクランプ回路への切り換え時、及びクランプ回路から電力回収回路への切り換え時に発生するスイッチング損失を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭63−101897号公報 特開2006−10750号公報 特開2005−49814号公報
近年においては、パネルの高精細化によって1つのサブフィールド期間内に書き込みをしなければならない電極数が増加しており、それに伴い1回の書き込み期間に要する時間が増大している。そのため、例えば維持パルスの周期を短くして維持期間を短縮する等の対応が必要となっている。
しかしながら、安定した維持放電を発生させるためには、維持パルスを電源電圧に維持する期間(クランプ期間)を十分に確保しなければならない。クランプ期間を確保しつつ維持パルスの周期を短くするためには、例えば維持パルスの立ち上がりや立ち下がりを急峻にし、それらにかける時間を短縮するといった対応が必要となる。
このとき、維持パルスの立ち上がりや立ち下がりのエッジ特性を急峻にするために、例えば電力回収回路におけるLC共振の周期を短くすると、電極の駆動の際に流れる電流の最大値(以下、「ピーク電流」とも呼称する)が増加してしまう。この電流の増加は無効電力と呼ばれる発光に寄与しないまま無効に消費される電力を増大させるだけでなく、EMI(Electro Magnetic Interference)と呼ばれる電磁妨害を増大させてしまう。
LC共振の周期を長くすれば、維持パルスの立ち上がりを緩やかにし、ピーク電流の抑制による無効電力の削減、及びEMIの低減を図ることができるが、維持パルスの立ち上がりが緩やかになる分、維持パルスの周期が長くなってしまい、維持期間が増大してしまう。
一方、大画面化、高輝度化されたパネルでは消費電力はさらに増加し、また、高精細化されたパネルでは駆動しなければならない電極数が増えるため消費電力はさらに増加してしまう。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、パネルを高精細化しても、消費電力の削減と安定した維持放電とを実現することが可能なプラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイ装置は、表示電極対を構成する複数の走査電極及び維持電極を有するプラズマディスプレイパネルの表示電極対に、初期化期間、書き込み期間及び維持期間を有するサブフィールドの維持期間に維持パルスを交互に印加する維持パルス発生回路を備えたプラズマディスプレイ装置であって、維持パルス発生回路は、第1のインダクタと第2のインダクタとからなるLC共振用の回収インダクタと電力回収用の回収コンデンサとを有し表示電極対の容量性負荷に蓄積された電力をLC共振によって回収コンデンサに回収しその回収した電力を表示電極対の駆動に再利用する電力回収回路と、表示電極対を電源電位及び接地電位にクランプするクランプ回路と、第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチを有する補助回路とを備え、補助回路は、第1の補助スイッチを導通させたときには第1のインダクタに正方向の電流が流れ、第2の補助スイッチを導通させたときには第1のインダクタに負方向の電流が流れるように構成するとともに、維持パルスの立ち上がりの直前には第1の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに正方向の電流を流して第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積し、維持パルスの立ち下がりの直前には第2の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに負方向の電流を流して第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積し、電力回収回路は、維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、電力回収回路と容量性負荷との間に流れる電流を、LC共振によって発生する電流に、第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいたエネルギーにより発生する電流を付加した電流とすることを特徴とする。
これにより、維持パルスを立ち上げるとき及び立ち下げるときに電力回収回路と表示電極対の容量性負荷との間に流れる電流に、第1のインダクタンスに蓄積されたエネルギーによる電流を付加できるので、回収コンデンサと容量性負荷とのLC共振の周期(以下、単に「共振周期」と記す)を長くしてピーク電流を低減させることができ、消費電力の削減及びEMIの低減が可能となる。また、第1のインダクタにエネルギーを蓄積させる際に、必要最低限の回路だけに電流を流すので、消費電力を低減させるとともに不要な熱の発生を防止することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、補助回路は、第1の補助スイッチを第1のインダクタと基準電位とを電気的に接続するためのスイッチとして設けるとともに第2の補助スイッチを第1のインダクタと電源電位とを電気的に接続するためのスイッチとして設け、第1の補助スイッチを導通させたときには回収コンデンサから第1のインダクタを通って基準電位に流れる電流が発生し、第2の補助スイッチを導通させたときには電源電位から第1のインダクタを通って回収コンデンサに流れる電流が発生するように構成してもよい。これにより、第1の補助スイッチを導通させたときには、回収コンデンサから第1のインダクタを通って基準電位に流れる電流を発生させ、第1のインダクタに正方向の電流を流して第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積させることができ、第2の補助スイッチを導通させたときには、電源電位から第1のインダクタを通って回収コンデンサに流れる電流を発生させ、第1のインダクタに負方向の電流を流して第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積させることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、電力回収回路は、回収コンデンサを、基準電位に接続した第1のコンデンサと電源電位に接続した第2のコンデンサとを直列に接続して構成してもよい。これにより、第1の補助スイッチを導通させたときに、第1のインダクタに流す正方向の電流を安定して発生させ、第2の補助スイッチを導通させたときに、第1のインダクタに流す負方向の電流を安定して発生させることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、電力回収回路は、第1のインダクタのインダクタンスを、第2のインダクタのインダクタンスに等しいか又はそれよりも大きい値に設定することが望ましい。これにより、維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいたエネルギーによって、電力回収回路と容量性負荷との間に流す電流に付加する電流を、十分な大きさにすることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、電力回収回路は、第1のインダクタを、正方向の電流を流して正方向のエネルギーをあらかじめ蓄積しておくためのインダクタと、負方向の電流を流して負方向のエネルギーをあらかじめ蓄積しておくためのインダクタとに分けた構成としてもよい。これにより、正方向に蓄積するエネルギーと負方向に蓄積するエネルギーとを互いに独立して調整することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、補助回路は、第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチのそれぞれに、スイッチング動作により生じる電圧変化を緩和するためのコンデンサを電気的に並列に接続してもよい。これにより、第1の補助スイッチを導通状態から遮断状態へと切り替えたときに第1の補助スイッチの両端に発生する電圧変化及び第2の補助スイッチを導通状態から遮断状態へと切り替えたときに第2の補助スイッチの両端に発生する電圧変化を緩和することができるので、第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチにおいて導通状態から遮断状態へと切り替えたときに無効に消費される電力を削減することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、電力回収回路は、1次側コイル及び2次側コイルからなる一対のコイルを用い、1次側コイル及び2次側コイルの一方を第1のインダクタとし、他方を第2のインダクタとした構成としてもよい。これにより、第1のインダクタンスに蓄積されたエネルギーを、第1のインダクタンスと第2のインダクタンスとの相互インダクタンスによっても、第2のインダクタンスへ流れる電流に変換できる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、維持パルス発生回路は、第1の補助スイッチ及びクランプ回路が有する接地電位側のスイッチを導通させたときに第1のインダクタに正方向の電流が流れ、第2の補助スイッチ及びクランプ回路が有する電源電位側のスイッチを導通させたときに第1のインダクタに負方向の電流が流れるように構成してもよい。これにより、第1のインダクタに正方向のエネルギー及び負方向のエネルギーを蓄積するときに流す電流をより急峻に増加させることができ、蓄積に要する時間を短縮することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、補助回路は、補助回路に用いる電源電位及び基準電位を表示画像に応じて可変する構成としてもよい。これにより、所定の期間に第1のインダクタンスに蓄積するエネルギーを表示画像に応じて変更することができる。例えば、表示画像が明るいときには、表示画像が暗いときよりも、第1のインダクタンスに蓄積するエネルギーを高くすることで、表示画像が明るいときの維持パルスの立ち上がりを表示画像が暗いときの維持パルスの立ち上がりよりも急峻にすることができ、安定した駆動を行うことが可能となる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置において、補助回路は、第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチの導通時間を表示画像に応じて可変する構成としてもよい。この構成によっても、第1のインダクタンスに蓄積するエネルギーを表示画像に応じて変更することができ、安定した駆動を行うことが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法は、表示電極対を構成する複数の走査電極及び維持電極を有するパネルを、第1のインダクタと第2のインダクタとからなるLC共振用の回収インダクタと電力回収用の回収コンデンサとを有し表示電極対の容量性負荷に蓄積された電力をLC共振によって回収コンデンサに回収しその回収した電力を表示電極対の駆動に再利用する電力回収回路、及び表示電極対を電源電位及び接地電位にクランプするクランプ回路、及び第1の補助スイッチと第2の補助スイッチとを有する補助回路を用い、初期化期間と書き込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドの維持期間において維持パルスを発生させて表示電極対に交互に印加して駆動するパネルの駆動方法であって、補助回路を、第1の補助スイッチを導通させたときには第1のインダクタに正方向の電流が流れ、第2の補助スイッチを導通させたときには第1のインダクタに負方向の電流が流れるように構成し、維持パルスの立ち上がりの直前には第1の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに正方向の電流を流して第1のインダクタに正方向のエネルギーをあらかじめ蓄積し、維持パルスの立ち下がりの直前には第2の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに負方向の電流を流して第1のインダクタに負方向のエネルギーをあらかじめ蓄積しておいて、維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、電力回収回路と容量性負荷との間に流れる電流を、LC共振によって発生する電流に、第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいたエネルギーにより発生する電流を付加した電流とすることを特徴とする。
これにより、維持パルスを立ち上げるとき及び立ち下げるときに電力回収回路と表示電極対の容量性負荷との間に流れる電流に、第1のインダクタンスに蓄積されたエネルギーによる電流を付加できるので、回収コンデンサと容量性負荷との共振周期を長くしてピーク電流を低減させることができ、消費電力の削減及びEMIの低減が可能となる。また、第1のインダクタにエネルギーを蓄積させる際に、必要最低限の回路だけに電流を流すので、消費電力を低減させるとともに不要な熱の発生を防止することができる。
また、本発明のパネルの駆動方法においては、第1の補助スイッチを導通させたときには回収コンデンサから第1のインダクタを通って基準電位に流れる電流を発生させ、第2の補助スイッチを導通させたときには電源電位から第1のインダクタを通って回収コンデンサに流れる電流を発生させてもよい。これにより、第1の補助スイッチを導通させたときには、回収コンデンサから第1のインダクタを通って基準電位に流れる電流を発生させ、第1のインダクタに正方向の電流を流して第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積させることができ、第2の補助スイッチを導通させたときには、電源電位から第1のインダクタを通って回収コンデンサに流れる電流を発生させ、第1のインダクタに負方向の電流を流して第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積させることができる。
また、本発明のパネルの駆動方法においては、補助回路に用いる電源電位及び基準電位を表示画像に応じて制御してもよい。これにより、所定の期間に第1のインダクタンスに蓄積するエネルギーを表示画像に応じて制御することができるので、例えば、表示画像が明るいときと暗いときとで第1のインダクタンスに蓄積するエネルギーを変えて維持パルスの立ち上がりの急峻さを変えることができ、安定した駆動を行うことが可能となる。
また、本発明のパネルの駆動方法においては、第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積するために第1の補助スイッチを導通させる時間、及び第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積するために第2の補助スイッチを導通させる時間を表示画像に応じて制御してもよい。これによっても、第1のインダクタンスに蓄積するエネルギーを表示画像に応じて変更することができ、安定した駆動を行うことが可能となる。
さらに、本発明のプラズマディスプレイ装置は、表示電極対を構成する複数の走査電極及び維持電極を有するプラズマディスプレイパネルの表示電極対に、初期化期間、書き込み期間及び維持期間を有するサブフィールドの維持期間に維持パルスを交互に印加する維持パルス発生回路を備えたプラズマディスプレイ装置であって、維持パルス発生回路は、第1のインダクタと第2のインダクタとからなるLC共振用の回収インダクタと電力回収用の回収コンデンサと電力回収経路と電力供給経路を有し、表示電極対の容量性負荷に蓄積された電力をLC共振によって電力回収経路を介して回収コンデンサに回収し、その回収した電力を電力供給経路を介して表示電極対の駆動に再利用する電力回収回路と、第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチを有する補助回路とを備え、補助回路は、前記電力供給経路を介して容量性負荷を駆動する直前に第1の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに正方向の電流を流し、電力回収経路を介して前記回収コンデンサに電力を回収する直前に第2の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに負方向の電流を流すように構成することにより、維持パルスの立ち上がりの直前には第1の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに正方向の電流を流して第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積し、維持パルスの立ち下がりの直前には第2の補助スイッチを導通させて第1のインダクタに負方向の電流を流して第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積し、電力回収回路は、維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、電力回収回路と容量性負荷との間に流れる電流を、LC共振によって発生する電流に、第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいたエネルギーにより発生する電流を付加した電流とすることを特徴とする。
さらに、本発明のプラズマディスプレイ装置は、主電力および補助電力を用いて、容量性負荷を駆動するプラズマディスプレイ装置であって、前記主電力を充放電可能な主容量部と、前記補助電力を充放電可能な補助誘導部と、前記容量性負荷とLC共振する主誘導部と、前記LC共振に基づいて、前記容量性負荷から前記主誘導部を経由して前記主容量部へ、前記主電力を回収する経路を表す回収経路と、前記LC共振に基づいて、前記主容量部から前記主誘導部を経由して前記容量性負荷へ、回収された前記主電力を供給する経路を表す供給経路と、前記補助誘導部を含む経路であって、前記主電力の回収動作を強める方向に、前記補助誘導部に前記補助電力を充電する経路を表す回収充電経路と、前記補助誘導部において充電された前記補助電力を、前記主誘導部から前記補助誘導部へ放電し、前記主電力の回収動作を急峻にする経路を表す回収放電経路と、前記補助誘導部を含む経路であって、前記主電力の供給動作を強める方向に、前記補助誘導部に前記補助電力を充電する経路を表す供給充電経路と、前記補助誘導部において充電された前記補助電力を、前記補助誘導部から前記主誘導部へ放電し、前記主電力の供給動作を急峻にする経路を表す供給放電経路と、を有し、前記回収経路は、前記回収放電経路の少なくとも一部を共有し、前記供給経路は、前記供給放電経路の少なくとも一部を共有する。
さらに、本発明のプラズマディスプレイ装置は、第1電源及び第2電源を用いて、容量性負荷を駆動するプラズマディスプレイ装置であって、前記第1電源から主電力を容量性負荷へ供給し、前記容量性負荷の所定電極を主電位及び基準電位に保持する保持回路と、前記保持回路において保持される保持電位が主電位から基準電位へ変化する間に、前記容量性負荷から主電力を回収し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する間に、回収された主電力を前記容量性負荷へ供給する電力循環回路と、前記電力循環回路から主電力の一部を補助電力として受ける一方、前記第2電源から補助電力を受ける補助回路と、を有し、前記補助回路は、補助電力を一時的に蓄積する補助誘導部を含み、前記電力循環回路は、前記補助誘導部が蓄積し補助電力に基づいて、主電力の回収動作及び供給動作を急峻にする。
さらに、本発明のプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、第1電源及び第2電源を用いて、容量性負荷を駆動するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記第1電源から主電力を容量性負荷へ供給し、前記容量性負荷の所定電極を主電位及び基準電位に保持するステップと、保持される保持電位が主電位から基準電位へ変化する間に、前記容量性負荷から主電力を回収し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する間に、回収された主電力を前記容量性負荷へ供給するステップと、主電力の一部を補助電力として受ける一方、前記第2電源から補助電力を受けるステップ、とを有し、前記回収及び供給するステップは、補助電力を一時的に蓄積する補助誘導部において蓄積された補助電力に基づいて、主電力の回収動作及び供給動作を急峻にする。
本発明のプラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法によれば、維持パルスのエッジ特性を急峻にする構成により、パネルを高精細化して維持パルスの周期を短縮しても、クランプ期間の確保により安定して維持放電を発生させるとともに、ピーク電流の低減により消費電力及びEMIを低減することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態に関するいくつかの例について、図面を参照しながら説明する。図面において、実質的に同一の構成、動作、及び効果を表す要素については、同一の符号を付す。また、以下において記述される数字は、すべて本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。さらに、オン/オフにより表されるスイッチング状態は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、例示されたスイッチング状態が異なる組み合わせで、同等な結果を得ることも可能である。また、構成要素間の接続関係は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、パネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面板21上には、1対の走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24を互いに平行に複数形成している。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25を形成し、その誘電体層25上に保護層26を形成している。
また、保護層26は、MgO(酸化マグネシウム)を主成分とする材料で形成している。MgOは、放電セルにおける放電開始電圧を下げるために、パネルの材料として使用実績があり、ネオン(Ne)及びキセノン(Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数が大きく耐久性に優れている。
背面板31上にはデータ電極32を互いに平行に複数形成し、データ電極32を覆うように誘電体層33を形成し、さらにその上に井桁状の隔壁34を形成している。そして、隔壁34の側面及び誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色に発光する蛍光体層35を設けている。
これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが立体交差するように対向配置し、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着している。そして、内部の放電空間には、ネオンとキセノンの混合ガスを放電ガスとして封入している。実施の形態1では、発光効率を向上させるためにキセノン分圧を大略10%とした放電ガスを用いている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そして各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でR、G及びBの各色の蛍光体を励起発光させることにより画像のカラー表示を行っている。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。また、放電ガスの混合比率も上述した数値に限られるわけではなく、その他の混合比率であってもよい。
図2は、パネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1、SC2、・・・、SCn(図1の走査電極22と同一であり、以降では走査電極SC1〜SCnと記す)及びn本の維持電極SU1、SU2、・・・、SUn(図1の維持電極23と同一であり、以降では維持電極SU1〜SUnと記す)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1、D2、・・・、Dm(図1のデータ電極32と同一であり、以降ではデータ電極D1〜Dmと記す)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)及び維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した放電空間内に、放電セルがm×n個形成されている。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作の概要について説明する。実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置は、サブフィールド法、すなわち1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。それぞれのサブフィールドは、初期化期間、書き込み期間、及び維持期間を有する。
各サブフィールドにおいて、初期化期間では初期化放電を発生し、続く書き込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。加えて、放電遅れを小さくし書き込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きを持つ。このときの初期化動作には、すべての放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作と、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルだけで選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。
書き込み期間では、後に続く維持期間において発光させるべき放電セルで選択的に書き込み放電を発生し、壁電荷を形成する。そして維持期間では、輝度重みに比例した数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書き込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。このとき、維持パルスの数と輝度重みとの比を表す比例定数を、「輝度倍率」と呼ぶ。
実施の形態1では、1フィールドを10個のサブフィールドSF1、SF2、・・・、SF10)で構成し、サブフィールドはそれぞれ、例えば1、2、3、6、11、18、30、44、60、80の輝度重みを持つものとする。そして、サブフィールドSF1の初期化期間では全セル初期化動作を行い、各サブフィールドSF2〜SF10の初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。これにより、画像の表示に関係のない発光は、サブフィールドSF1における全セル初期化動作の放電に伴う発光のみとなる。黒表示領域の輝度を表す黒輝度は、維持放電を発生させず、全セル初期化動作における微弱発光だけとなるので、コントラストの高い画像表示が可能となる。また、各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを、表示電極対24のそれぞれに印加する。
しかし、実施の形態1は、サブフィールド数や各サブフィールドの輝度重みが上述した値に限定されるものではなく、また、画像信号等に基づいてサブフィールド構成を切り換える構成であってもよい。
図3は、パネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。図3には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち全セル初期化動作を行うサブフィールド(以下、「全セル初期化サブフィールド」と呼称する)と、選択初期化動作を行うサブフィールド(以下、「選択初期化サブフィールド」と呼称する)とを示しているが、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形もほぼ同様である。また、以下における走査電極SCi、維持電極SUi、データ電極Djは、各電極の中から画像データに基づき選択された電極を表す。
まず、全セル初期化サブフィールドであるサブフィールドSF1について説明する。
サブフィールドSF1の初期化期間前半部では、データ電極D1〜Dm、維持電極SU1〜SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下の正の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える正の電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧(以下、「上りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。
この上りランプ波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、及びデータ電極D1〜Dmとの間で、それぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜Dm上部及び維持電極SU1〜SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。この電極上部の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜SUnには正の電圧Ve1を印加し、データ電極D1〜Dmには0(V)を印加し、走査電極SC1〜SCnには、維持電極SU1〜SUnに対して放電開始電圧以下となる正の電圧Vi3から、放電開始電圧を超える大きさの負の電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧(以下、「下りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。この間に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUn、及びデータ電極D1〜Dmとの間で、それぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜SCn上部の負の壁電圧及び維持電極SU1〜SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上部の正の壁電圧は書き込み動作に適した値に調整される。以上により、すべての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。
なお、図3のサブフィールドSF2の初期化期間に示したように、初期化期間の前半部を省略した駆動電圧波形を各電極に印加してもよい。すなわち、維持電極SU1〜SUnに正の電圧Ve1を、データ電極D1〜Dmに0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜SCnに放電開始電圧以下となる大きさの電圧(例えば、接地電位)から、負の電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下りランプ波形電圧を印加する。これにより前のサブフィールドの維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部及び維持電極SUi上部の壁電圧が弱められる。また直前の維持放電によってデータ電極Dj(j=1〜m)上部に十分な正の壁電圧が蓄積されている放電セルでは、この壁電圧の過剰な部分が放電され書き込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷がそのまま保たれる。このように前半部を省略した初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して初期化放電を行う選択初期化動作となる。
続く書き込み期間では、まず維持電極SU1〜SUnに電圧Ve2を、正の走査電極SC1〜SCnに正の電圧Vcを印加する。
そして、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dj(j=1〜m)に、正の書き込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dj上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)に、データ電極Dj上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差を加算したものとなり、放電開始電圧を超える。これにより、データ電極Djと走査電極SC1との間に放電が発生する。また、維持電極SU1〜SUnに正の電圧Ve2を印加しているため、維持電極SU1上と走査電極SC1上との電圧差は、外部印加電圧の差である(Ve2−Va)に、維持電極SU1上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差を加算したものとなる。このとき、電圧Ve2を、放電開始電圧をやや下回る程度の電圧値に設定することで、維持電極SU1と走査電極SC1との間の空間を、放電には至らないが放電が発生しやすい状態とすることができる。これにより、データ電極Djと走査電極SC1との間に発生する放電を引き金にして、データ電極Djと交差する領域にある維持電極SU1と走査電極SC1との間に放電を発生させることができる。こうして、発光させるべき放電セルに書き込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dj上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書き込み放電を起こし、各電極上に壁電圧を蓄積する書き込み動作が行われる。一方、書き込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書き込み放電は発生しない。以上の書き込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書き込み期間が終了する。
続く維持期間では、まず走査電極SC1〜SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜SUnに接地電位、すなわち0(V)を印加する。すると書き込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が、維持パルス電圧Vsに、走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差を加算したものとなり、放電開始電圧を超える。
そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dj上にも正の壁電圧が蓄積される。書き込み期間において書き込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜SCnには基準電位となる0(V)を、維持電極SU1〜SUnには正の維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超える。そのため、再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与える。これにより、書き込み期間において書き込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間の最後には、走査電極SC1〜SCnに、基準電位となる0(V)から、正の電圧Versに向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧(以下、「消去ランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。これにより、微弱な放電を持続して発生させ、データ電極Dj上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCi及び維持電極SUi上の壁電圧の一部又は全部を消去している。
具体的には、維持電極SU1〜SUnを0(V)に戻した後、基準電位となる0(V)から、放電開始電圧を超える正の電圧Versに向かって上昇する消去ランプ波形電圧を発生させ、走査電極SC1〜SCnに印加する。すると、維持放電を起こした放電セルの維持電極SUiと走査電極SCiとの間で微弱な放電が発生する。そして、この微弱な放電は、走査電極SC1〜SCnへの印加電圧が上昇する期間、持続して発生する。
このとき、この微弱な放電で発生した荷電粒子は、維持電極SUiと走査電極SCiとの間の電圧差を緩和するように、維持電極SUi上及び走査電極SCi上に壁電荷となって蓄積されていく。これにより、データ電極Dj上の正の壁電荷を残したまま、走査電極SC1〜SCn上と維持電極SU1〜SUn上との間の壁電圧は、走査電極SCiに印加した電圧と放電開始電圧との差、すなわち(電圧Vers−放電開始電圧)の程度まで弱められる。以下、この消去ランプ波形電圧によって発生させる維持期間の最後の放電を「消去放電」と呼称する。
続くサブフィールドの動作は、維持期間の維持パルスの数を除いて上述の動作とほぼ同様であるため説明を省略する。以上が、実施の形態1におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。
実施の形態1においては、後述する補助回路の働きにより、維持パルスを発生させる際のピーク電流を削減し、無効電力の削減及びEMI(Electro Magnetic Interference:電磁妨害)の低減と安定した維持放電とを両立させている。これについての詳細は後述する。
次に、実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置の構成について説明する。図4は、プラズマディスプレイ装置のブロック図である。プラズマディスプレイ装置1は、パネル10、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45及び各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路41は、入力された画像信号SIGをサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データS41に変換する。データ電極駆動回路42はサブフィールド毎の画像データS41を各データ電極D1〜Dmに対応するデータ電極駆動信号S42に変換し、各データ電極D1〜Dmを駆動する。
タイミング発生回路45は、画像信号SIGの水平同期信号H及び垂直同期信号Vを表す画像同期信号SINCに基づいて、各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。
走査電極駆動回路43は、初期化波形発生回路(図示せず)、維持パルス発生回路50、及び走査パルス発生回路(図示せず)を有する。初期化波形発生回路は、初期化期間において走査電極SC1〜SCnに印加する初期化波形電圧を発生する。維持パルス発生回路50は、維持期間において走査電極SC1〜SCnに印加する維持パルスを発生する。走査パルス発生回路は、書き込み期間において走査電極SC1〜SCnに印加する走査パルス電圧を発生する。走査電極駆動回路43は、タイミング発生回路45から出力されるタイミング信号に基づいて走査電極駆動信号S43を生成し、各走査電極SC1〜SCnをそれぞれ駆動する。維持電極駆動回路44は、維持パルス発生回路60と、電圧Ve1及び電圧Ve2を発生するための回路とを備え、同じくタイミング信号に基づいて維持電極駆動信号S44を生成し、各維持電極SU1〜SUnを駆動する。
次に、維持パルス発生回路50、維持パルス発生回路60の詳細とその動作について説明する。図5は、維持パルス発生回路50及び維持パルス発生回路60のブロック図である。図5においてパネル10は電極間容量Cpとして示し、走査パルス発生回路及び初期化波形発生回路は省略している。
維持パルス発生回路50は、電力回収回路51、クランプ回路52、及び補助回路53を備えている。電力回収回路51は、表示電極対24の容量性負荷である電極間容量Cpに蓄積された電力を、LC共振によって回収コンデンサに回収し、その回収した電力を走査電極SC1〜SCnの駆動に再利用する。クランプ回路52は、走査電極SC1〜SCnを電圧Vs及び接地電位にクランプする。補助回路53は、走査電極SC1〜SCnを駆動する際に電力回収回路51が備える回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnに流れる電流と、電極間容量Cpから回収コンデンサに流れる電流とを補助的に制御する。補助回路53、電力回収回路51、及びクランプ回路52は、初期化波形発生回路及び走査パルス発生回路を介して、パネル10の電極間容量Cpの一端である走査電極SC1〜SCnに接続されている。維持期間の間、走査電極SC1〜SCnに対して、維持パルス発生回路50は電気的に短絡状態となり、初期化波形発生回路及び走査パルス発生回路は電気的に開放状態となる。このため、初期化波形発生回路及び走査パルス発生回路は図面では省略されている。
維持パルス発生回路60も、維持パルス発生回路50と同様に、電力回収回路61、クランプ回路62、及び補助回路63を備えている。補助回路63、電力回収回路61、及びクランプ回路62は、パネル10の電極間容量Cpの一端である維持電極SU1〜SUnに接続されている。
また、維持電極駆動回路44は、さらに電源VE1、スイッチング素子Q26、スイッチング素子Q27、電源DVE、ダイオードD30、コンデンサC30、スイッチング素子Q28、及びスイッチング素子Q29を備える。電源VE1は、電圧Ve1を発生する。スイッチング素子Q26及びスイッチング素子Q27は、電圧Ve1の維持電極SU1〜SUnへの印加をオン/オフする。電源DVEは、電圧DVeを発生する。ダイオードD30は、電源VE1へ逆流する電流を防止する。コンデンサC30は、電圧Ve1に電圧DVeを積み上げるチャージポンプの動作を行う。スイッチング素子Q28及びスイッチング素子Q29は、電圧Ve1に電圧DVeを積み上げて電圧Ve2とする。
例えば、図3に示した電圧Ve1を印加するタイミングでは、スイッチング素子Q26及びスイッチング素子Q27を導通させ、維持電極SU1〜SUnに、ダイオードD30、スイッチング素子Q26、及びスイッチング素子Q27を介して、正の電圧Ve1を印加する。このときスイッチング素子Q28を導通させ、コンデンサC30の電圧が電圧Ve1になるように充電しておく。また、図3に示した電圧Ve2を印加するタイミングでは、スイッチング素子Q26及びスイッチング素子Q27を導通させたまま、スイッチング素子Q28を遮断させるとともにスイッチング素子Q29を導通させる。そして、コンデンサC30の電圧に電圧DVeを重畳し、維持電極SU1〜SUnに電圧Ve1+DVe、すなわち電圧Ve2を印加する。このとき、逆流防止用のダイオードD30の働きにより、コンデンサC30から電源VE1への電流は遮断される。
なお、電圧Ve1及び電圧Ve2を印加する回路については、図5に示した回路に限定されるものではなく、例えば、電圧Ve1を発生させる電源と電圧Ve2を発生させる電源と、それぞれの電圧を維持電極SU1〜SUnに印加するための複数のスイッチング素子とを用いて、それぞれの電圧を必要なタイミングで維持電極SU1〜SUnに印加する構成とすることもできる。
続いて、補助回路53、電力回収回路51、及びクランプ回路52の詳細とその動作について説明する。図6は、維持パルス発生回路50の回路図である。
電位は、回路上の任意の測定点において、接地端子との間の正、0、及び負の電圧を表す。各電源VS1、VS2は、電位Vs(主電位とも呼ぶ)及び基準電位(実施の形態1では接地電位)を、維持パルス発生回路50及び維持パルス発生回路60へ供給する。維持パルス発生回路50は、維持期間において、電位Vs及び基準電位で特定される維持パルスを、走査電極駆動信号S43を介して走査電極SC1〜SCnへ供給する。維持パルス発生回路60は、維持期間において、電位Vs及び基準電位で特定される維持パルスを、維持電極駆動信号S44を介して維持電極SU1〜SUnへ供給する。維持期間において走査電極駆動信号S43は、維持電極駆動信号S44が電位Vsの場合、基準電位となり、維持電極駆動信号S44が基準電位の場合、電位Vsとなる。したがって維持期間において、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとの間にそれぞれ構成されるn個の電極間容量Cpの両端には、正の電圧Vsと負の電圧Vsが交互に供給される。ここで電位Vs及び基準電位は、接地電位(0V)との間の正、0、及び負の電圧を表す意味で、それぞれ電圧Vs及び基準電圧(実施の形態1では0V)とも呼ばれる。
ここで図6を参照して、維持パルス発生回路50の構成の概要を説明する。維持パルス発生回路50は、電源VS1及び電源VS2を用いて、電極間容量Cpを駆動する。電源VS1は主電源とも呼ばれ、電源VS2は補助電源とも呼ばれる。クランプ回路52は、電源VS1から主電力を電極間容量Cpへ供給し、電極間容量Cpの走査電極SC1〜SCnを電位Vs及び基準電位に保持(すなわちクランプ)する。電力回収回路51は、クランプ回路52において保持される保持電位が電位Vsから基準電位へ変化する間に、電極間容量Cpから主電力を回収し、保持電位が基準電位から電位Vsへ変化する間に、回収された主電力を電極間容量Cpへ供給する。電源VS1及び電源VS2の投入時点から所定時間経過後の定常状態においては、電力回収回路51がほとんどの主電力の回収及び供給を行う。クランプ回路52は、定常状態において、走査電極SC1〜SCnを電位Vsおよび基準電位に保持することにより、主電力のわずかな不足分を走査電極SC1〜SCnに供給する。補助回路53は、電力回収回路51から主電力の一部を補助電力として受ける一方、電源VS2から補助電力を受ける。さらに補助回路53は、補助電力を一時的に蓄積する(すなわち、補助電力を充放電可能な)インダクタL11を含む。電力回収回路51は、インダクタL11が蓄積した補助電力に基づいて、主電力の回収動作及び供給動作を急峻にする。
インダクタL11は、保持電位が電位Vsから基準電位へ変化する直前に、蓄積された電力に基づいて、電力回収回路51が主電力を回収する回収方向へ流れる補助電流を生成し、保持電位が基準電位から電位Vsへ変化する直前に、蓄積された電力に基づいて、電力回収回路51が主電力を供給する供給方向へ流れる補助電流を生成する。電力回収回路51は、保持電位が電位Vsから基準電位へ変化する間に、回収される主電力に基づいて回収方向へ流れる主電流に、補助電流を追加し、保持電位が基準電位から電位Vsへ変化する間に、供給される主電力に基づいて供給方向へ流れる主電流に、補助電流を追加する。
電力回収回路51は、コンデンサC10、コンデンサC11、インダクタL10、及びインダクタL11を含む。コンデンサC10及びコンデンサC11で構成される回収コンデンサは、回収された主電力を一時的に蓄積する(すなわち、回収コンデンサは主電力を充放電可能である)。インダクタL10及びインダクタL11で構成される回収インダクタは、電極間容量CpとLC共振することより主電力の回収動作及び供給動作を行う。回収コンデンサは、電極間容量Cpとの間で、回収インダクタを介して主電力を回収及び供給する。
電極間容量Cpは、容量性負荷とも呼ばれる。電力回収回路51は電力循環回路とも呼ばれ、クランプ回路52は保持回路とも呼ばれる。電源VS1の電位Vsは主電位とも呼ばれ、電源VS2の電位Vsは補助電位とも呼ばれる。実施の形態1では、補助電位は主電位に等しい。回収コンデンサは、主容量部又は主蓄積部とも呼ばれる。回収コンデンサに含まれるコンデンサC10及びコンデンサC11は、それぞれ副主容量部とも呼ばれる。回収インダクタは、主誘導部とも呼ばれる。インダクタL10は副主誘導部とも呼ばれ、インダクタL11は補助誘導部又は補助インダクタとも呼ばれる。インダクタL11は、主誘導部であると同時に補助誘導部でもあるため、共通誘導部とも呼ばれる。インダクタL11は、補助回路53に含まれ、補助誘導部として動作する。さらにインダクタL11は、電力回収回路51にも含まれ、主誘導部として動作する。なお、主容量部は、複数のコンデンサで構成されてもよいし、主誘導部、副主誘導部、及び補助誘導部は、それぞれ複数のインダクタにより構成されてもよい。
以下、実施の形態1について、さらに詳細に説明する。
電力回収回路51は、コンデンサC10、コンデンサC11、スイッチング素子Q11、スイッチング素子Q12、ダイオードD11、ダイオードD12、インダクタL11、及びインダクタL10を有している。スイッチング素子Q11は、回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnへの電力供給時に導通させる。スイッチング素子Q12は、走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサへの電力回収時に導通させる。ダイオードD11は、回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnへ順方向の電力供給時に逆流する電流を防止する。ダイオードD12は、走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサへ順方向の電力回収時に逆流する電流を防止する。
そして、コンデンサC10の一方の端子を端子GND1に接続して基準電位である接地電位にし、コンデンサC11の一方の端子を電源VS1に接続して電源電位である電位Vsにする。それとともに、コンデンサC10とコンデンサC11とを、互いに直列に接続し、コンデンサC10の他方の端子とコンデンサC11の他方の端子との電気的な接続点(すなわちB点)にインダクタL11の一方の端子を接続する。また、互いに直列に接続したスイッチング素子Q11及びダイオードD11と、互いに直列に接続したスイッチング素子Q12及びダイオードD12とを、電流を流す向きが互いに逆方向になるように並列に接続する。それとともに、この並列に接続された回路を間に挟んで、インダクタL11の他方の端子とインダクタL10の一方の端子とを直列に接続し、インダクタL10の他方の端子を走査電極SC1〜SCnに接続する。
そして、互いに直列に接続したインダクタL10及びインダクタL11、すなわち回収インダクタと電極間容量CpとをLC共振させて、維持パルスの立ち上がり及び立ち下がりのエッジ動作を行う。このように、電力回収回路51は、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって走査電極SC1〜SCnの駆動を行う。電力回収用のコンデンサC10及びコンデンサC11は電極間容量Cpに比べて十分に大きい容量を持ち、また、電力回収回路51の電源として働くように、コンデンサC10の電圧は電圧値Vsの半分の大略Vs/2に充電されている。すなわち、コンデンサC10の一方の端子(すなわちB点)は電位VB(=Vs/2)となり、他方の端子は接地端子GND1に接続され接地電位となる。
クランプ回路52は、走査電極SC1〜SCnを電位Vsにクランプするためのスイッチング素子Q13、及び走査電極SC1〜SCnを接地電位(0(V))にクランプするためのスイッチング素子Q14を有している。そして、スイッチング素子Q13を介して走査電極SC1〜SCnを電源VS1に接続して電位Vsにクランプし、スイッチング素子Q14を介して走査電極SC1〜SCnを接地端子GND1(基準端子とも呼ぶ)に接続して電位0(V)にクランプする。したがって、クランプ回路52による電圧印加時のインピーダンスは小さく、強い維持放電による大きな放電電流を安定して流すことができる。
補助回路53は、スイッチング素子Q15、スイッチング素子Q16、及びインダクタL11を有する。スイッチング素子Q15は、インダクタL11に正方向の電流を流すときに導通させる正方向補助スイッチである。スイッチング素子Q16は、インダクタL11に負方向の電流を流すときに導通させる負方向補助スイッチである。実施の形態1においては、維持パルス発生回路50から電極間容量Cpへ電流が流れる方向、すなわちインダクタL11からインダクタL10へ電流が流れる方向を正方向とし、それとは逆の電極間容量Cpから維持パルス発生回路50へ電流が流れる方向、すなわちインダクタL10からインダクタL11へ電流が流れる方向を負方向とする。正方向は供給方向とも呼ばれ、負方向は回収方向とも呼ばれる。さらに、正方向に流れる電流を生成するエネルギー(又は電力)を正方向のエネルギー(又は電力)とし、負方向に流れる電流を生成するエネルギー(又は電力)を負方向のエネルギー(又は電力)とする。
そして、スイッチング素子Q15の一方の端子を、インダクタL11、スイッチング素子Q11、及びスイッチング素子Q12の電気的な接続点に接続し、スイッチング素子Q15の他方の端子を接地端子GND2(基準端子とも呼ぶ)に接続して基準電位である接地電位にする。また、スイッチング素子Q16の一方の端子をインダクタL11及びスイッチング素子Q15の電気的な接続点に接続し、スイッチング素子Q16の他方の端子を電源VS2に接続して電源電位である電位Vsにする。
そして、維持パルス発生回路50は、タイミング発生回路45から出力されるタイミング信号により、スイッチング素子Q11、スイッチング素子Q12、スイッチング素子Q13、スイッチング素子Q14、スイッチング素子Q15、及びスイッチング素子Q16の導通と遮断とを切り換える。これにより、維持パルス発生回路50は、電力回収回路51、クランプ回路52、及び補助回路53を動作させ、維持パルス波形を発生させる。
例えば、維持パルス波形を立ち上げる際には、スイッチング素子Q11を導通させて電極間容量Cpと回収インダクタとを共振させ、回収コンデンサから、インダクタL11、スイッチング素子Q11、ダイオードD11、及びインダクタL10を通して、走査電極SC1〜SCnに電力を供給する。そして、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位が電位Vsに近づいた時点で、スイッチング素子Q13を導通させて、走査電極SC1〜SCnを駆動する回路を電力回収回路51からクランプ回路52に切り換え、走査電極SC1〜SCnを電位Vsにクランプする。
逆に、維持パルス波形を立ち下げる際には、スイッチング素子Q12を導通させて電極間容量Cpと回収インダクタとを共振させ、電極間容量Cpから、インダクタL10、ダイオードD12、スイッチング素子Q12、及びインダクタL11を通して、回収コンデンサに電力を回収する。そして、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位が0(V)に近づいた時点で、スイッチング素子Q14を導通させる。これにより、走査電極SC1〜SCnを駆動する回路を電力回収回路51からクランプ回路52に切り換え、走査電極SC1〜SCnを基準電位である0(V)にクランプする。
このようにして、維持パルス発生回路50は、維持パルスを発生させる。これらのスイッチング素子Q11、Q12、Q13、Q14、Q15、Q16は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等のスイッチング用素子を用いて構成することができる。
ここで、スイッチング素子Q15及びスイッチング素子Q16は、スイッチ部を構成する。スイッチ部は、インダクタL11を電源VS2に接続して電位Vsに設定する。各スイッチング素子Q11、Q12、Q13、Q14、Q15、Q16は、単にスイッチとも呼ばれる。インダクタL11は、スイッチング素子Q15の導通時に、供給方向へ流れる補助電流を生成し、スイッチング素子Q16の導通時に、回収方向へ流れる補助電流を生成する。補助回路53及び電力回収回路51は、スイッチング素子Q15の導通時に、回収コンデンサからインダクタL11を介してスイッチング素子Q15へ流れる補助電流を生成し、スイッチング素子Q16の導通時に、スイッチング素子Q16からインダクタL11を介して回収コンデンサへ流れる補助電流を生成する。
実施の形態1では、維持パルスの立ち上がりの直前には、インダクタL11に正方向のエネルギーを蓄積し、維持パルスの立ち下がりの直前には、インダクタL11に負方向のエネルギーを蓄積している。
具体的には、回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnに電力を供給して維持パルス波形を立ち上げる直前、すなわちスイッチング素子Q11を導通させる直前には、正方向補助スイッチであるスイッチング素子Q15を導通させる。そして、インダクタL11を基準電位である接地電位にし、回収コンデンサからインダクタL11を通って接地端子GND2に流れる電流を発生させる。これにより、インダクタL11に正方向の電流を流してインダクタL11に正方向のエネルギーを蓄積している。
また、走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサに電力を回収して維持パルス波形を立ち下げる直前、すなわちスイッチング素子Q12を導通させる直前には、負方向補助スイッチであるスイッチング素子Q16を導通させる。そして、インダクタL11と電位Vsを発生させる電源VS2とを電気的に接続し、電源VS2からインダクタL11を通って回収コンデンサに流れる電流を発生させる。これにより、インダクタL11に負方向の電流を流してインダクタL11に負方向のエネルギーを蓄積している。
これにより、実施の形態1では、維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、維持パルス発生回路50と電極間容量Cpとの間に流れる電流を、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる電流に、インダクタL11にあらかじめ蓄積しておいた正方向のエネルギー又は負方向のエネルギーにより発生する電流を付加した電流とし、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によってのみ発生する電流よりも電流量を増加させ、維持パルスを発生させる際のピーク電流を抑制して、無効電力の削減及びEMIの低減を実現している。この詳細については後述する。
本発明においては、インダクタL11にあらかじめ蓄積したエネルギーによってインダクタL10に電流を流す構成としているため、インダクタL11のインダクタンスは、インダクタL10のインダクタンスに等しいか又はそれよりも大きい値に設定することが望ましい。そして、実施の形態1では、インダクタL11のインダクタンスは2.4μHに、インダクタL10のインダクタンスは0.1μHに設定しているが、これらの数値は実施の形態における一例に過ぎず、パネルの特性や維持パルス発生回路の仕様等に応じて最適に設定することが望ましい。
維持パルス発生回路60は、維持パルス発生回路50と同様の構成になっている。維持パルス発生回路60は、電力回収回路61、クランプ回路62、及び補助回路63を含む。電力回収回路61は電力回収回路51と同様に構成され、クランプ回路62はクランプ回路52と同様に構成され、補助回路63は補助回路53と同様に構成される。維持パルス発生回路60は、パネル10の電極間容量Cpの一端である維持電極SU1〜SUnに接続されている。維持パルス発生回路60の動作は、維持パルス発生回路50と同様であるので説明を省略する。
電力回収回路51の回収インダクタとパネル10の電極間容量CpとのLC共振の周期(以下、「共振周期」と記す)は、インダクタL10及びインダクタL11の合成インダクタンスをLとすれば、計算式「2π√(LCp)」によって求めることができる。そして、実施の形態1では、電力回収回路51における共振周期が大略3μsecになるようにインダクタL10及びインダクタL11を設定し、電力回収回路61における共振周期も同様に設定している。また、維持パルスの周波数を100kHzとし、維持パルスの立ち上がり及び立ち下がりにかける期間をそれぞれ1μsec、維持パルスを電位Vsにクランプする期間を3μsecに設定している。しかし、これらの数値は実施の形態における一例に過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて最適な値に設定すればよい。
次に、上述したように、維持パルスの立ち上がり時及び立ち下がり時に、維持パルス発生回路50と電極間容量Cpとの間に(すなわちインダクタL10に)流れる電流JL10を、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によってのみ発生する電流よりも増加させる動作の詳細について説明する。
図7は、維持パルス発生回路50の動作を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、維持パルスを発生させるための一連の動作をT1〜T6で示した6つの期間に分割し、それぞれの期間について説明する。また、ここでは維持パルス発生回路50での動作を説明するが、維持パルス発生回路60における動作も同様である。
図7では、上から順に、走査電極SC1〜SCnに印加される走査電極駆動信号S43の電圧の変化、スイッチング素子Q15に流れる電流JQ15の変化(ここでは、インダクタL11からスイッチング素子Q15に向かって流れる場合を正とする)、スイッチング素子Q16に流れる電流JQ16の変化(ここでは、スイッチング素子Q16からインダクタL11に向かって流れる場合を負とする)、インダクタL11に流れる電流JL11の変化、インダクタL10に流れる電流JL10の変化、(ここでは、インダクタL11からインダクタL10に向かって流れる場合を正とし、インダクタL10からインダクタL11に向かって流れる場合を負とする)、スイッチング素子Q11の制御の状態、スイッチング素子Q12の制御の状態、スイッチング素子Q13の制御の状態、スイッチング素子Q14の制御の状態、スイッチング素子Q15の制御の状態、スイッチング素子Q16の制御の状態を示す。
以下の説明においてスイッチング素子を導通させる動作をオン、遮断させる動作をオフと表記し、図面にはスイッチング素子をオンさせる信号を「ON」、オフさせる信号を「OFF」と表記する。また、図7では、正の維持パルス電圧Vsを表す正極の波形を用いて説明をするが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、負の維持パルス電圧Vsを表す負極の波形に関する実施の形態については、以下の説明において正極の波形の「立ち上がり」を負極の波形の「立ち下がり」に読みかえることで、負極の波形であっても同様の効果を得ることができる。
(期間T1)
時点t1でスイッチング素子Q15をオンにする。すると、回収コンデンサから、インダクタL11及びスイッチング素子Q15を通して、基準電位にある接地端子GND2へと電流JL11が流れる。期間T1では、電流JQ15は電流JL11と大略等しい。この電流JL11は補助電流とも呼ばれ、補助電流が流れる上述した経路は供給充電経路とも呼ばれる。このときに流れる補助電流JL11は、コンデンサC10、コンデンサC11、及びインダクタL11の接続点(すなわちB点)の電位VBがVs/2なので、インダクタL11のインダクタンスをLとすると、(Vs/2)/Lの傾きで増加していく。これによりインダクタL11に正方向の補助電流JL11を流し、インダクタL11に正方向のエネルギーを蓄積する。
続く期間T2では電力回収回路51を動作させて回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnへの電力供給を行うが、インダクタL11に蓄積した正方向のエネルギーによる補助電流が期間T1から期間T2への切り替え時に速やかにインダクタL10に流れるように、時点t2の前の時点t11であらかじめスイッチング素子Q11をオンにしておく。
この間、スイッチング素子Q14はオンに維持し、走査電極SC1〜SCnは0(V)にクランプしておく。
(期間T2)
次に、時点t2でスイッチング素子Q14及びスイッチング素子Q15をオフにする。
回収インダクタと電極間容量Cpとは共振回路を構成しているので、このスイッチング動作により、回収コンデンサから、インダクタL11、スイッチング素子Q11、ダイオードD11、及びインダクタL10を通して、走査電極SC1〜SCnへ電流が流れる。この電流は主電流とも呼ばれ、主電流が流れる上述した経路は供給経路とも呼ばれる。これにより、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位が上がり始める。例えば、回収インダクタと電極間容量Cpとの共振周期を大略3μsecに設定した場合、時点t2から大略1μsec後には走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位は電位Vs付近まで上昇する。
このとき、実施の形態1においては、期間T1で、回収コンデンサから、インダクタL11、スイッチング素子Q15を介して、接地端子GND2へ流れていた補助電流が、時点t2でのスイッチング素子Q15のオフによって遮断される。時点t2以降、補助電流は、インダクタL11に蓄積された正方向のエネルギーの働きにより、回収コンデンサから、インダクタL11、スイッチング素子Q11、ダイオードD11、及びインダクタL10を通して、走査電極SC1〜SCnへと流れ始める。補助電流が流れる上述した経路は、供給放電経路とも呼ばれる。この補助電流が、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に付加され、電流JL10は正方向に急峻に増加する。期間T2では、供給放電経路は供給経路と一致し、電流JL10は電流JL11と大略等しい。
これにより、図7のインダクタL10に流れる電流JL10の変化を示す波形のように、走査電極SC1〜SCnへ流れる電流JL10の立ち上がりは、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によってのみ流れる主電流(図示せず)よりも、非常に急峻になる。
このように、実施の形態1においては、期間T1でインダクタL11に蓄積した正方向のエネルギーにより、維持パルスの立ち上がり時に電力回収回路51から走査電極SC1〜SCnへ流れる電流を、急峻に増加させることができる。
実施の形態1に示す電力回収回路及び補助回路を用いない場合、共振周期の半分の時間が経過したときに、走査電極SC1〜SCnに印加する走査電極駆動信号S43の電圧が最も高くなるが、電力の損失等により電位Vsには到達しない。しかし、実施の形態1では、インダクタL11に蓄積された正方向のエネルギーの働きによる補助電流が回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に付加される。このため、共振周期の半分の時間を要することなく(ここでは、共振周期大略3μsecに対し、大略1μsecの時間で)、走査電極SC1〜SCnに印加する走査電極駆動信号S43の電位を電位Vsに到達するまで上昇させることができる。
実施の形態1では、インダクタL11にエネルギーを蓄積するためにインダクタL11に流す正方向の電流を、不要な回路を通さず最小限の回路(ここでは、スイッチング素子Q15)のみを介して接地端子GND2へと流す構成としている。これにより、スイッチング素子Q11及びダイオードD11での不要な発熱や無効電力を低減することができる。
また、実施の形態1では、インダクタL11のインダクタンスをインダクタL10よりも大きい値(ここでは、インダクタL11のインダクタンスを2.4μH、インダクタL10のインダクタンスを0.1μHとする)にしている。これにより、スイッチング素子Q15を介して接地端子GND2に流れていた補助電流をインダクタL10の方に流すように切り替えるときに消費されるエネルギーを抑制でき、インダクタL11に蓄積したエネルギーの損失を低減できる。したがって、インダクタL11に流れる補助電流JL11が、時点t2において電流JL11Aから電流JL11Bへ変化する変化量が抑えられ、インダクタL10に流れる電流の立ち上がりを急峻にする効果を高めることができる。
このように、時点t2において、主電流が大略0(A)から立ち上がるにもかかわらず、補助電流JL11Bが主電流に追加されるため、主電流と補助電流とが加算された電流JL10の立ち上がりは急峻になる。
ここで、実施の形態1における維持パルスの立ち上がり時(立ち下がり時)において、電力回収回路51から走査電極SC1〜SCnへ流れる電流JL10を、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に、インダクタL11に蓄積したエネルギーによる補助電流を付加した電流として駆動を行う理由を説明する。
近年では、パネルのさらなる高精細化が進み、1つのサブフィールド期間内に書き込みをしなければならない電極数がますます増加している。そのため1回の書き込み期間に要する時間が増大する傾向にあるが、1つのサブフィールドに割り当てることができる時間は限られているため、例えば維持パルスの周期を短くする等して維持期間を短縮するといった対応が必要となる。
一方、安定した維持放電を発生させるためには、一般に放電遅れと呼ばれる放電発生の遅れ時間及び放電セル間での放電遅れのばらつき等の阻害要因を考慮する必要がある。放電発生の遅れ時間は、放電セルへの印加電圧が放電開始電圧を超えてから実際に放電が発生するまでの時間を表す。これらの要因を考慮し、維持パルスを電源VS1の電位及び接地電位にクランプするクランプ期間を十分に確保しなければならない。そして、クランプ期間を確保しつつ維持パルスの周期を短くするためには、例えば維持パルスの立ち上がりや立ち下がりを急峻にし、それらにかける時間を短縮するといった対応が必要となる。
また、維持動作においては、電圧の変化が急峻な状態で放電を生じさせると、強い放電が発生して放電セル内に十分な壁電荷を形成することができる。さらに、電圧の変化が急峻な状態で放電を生じさせることで放電開始電圧のばらつきを吸収し、維持放電の放電セル毎のばらつきを抑えることができるので、放電を安定に発生させる効果を高めることができる。
そのため、維持パルス発生回路50から走査電極SC1〜SCnに供給する走査電極駆動信号S43の電流をできるだけ急峻に増加させ、維持パルスの立ち上がりを急峻にすることが望ましい。
維持パルスの立ち上がりや立ち下がりを急峻にするためには、回収インダクタのインダクタンスを小さくする等して、回収インダクタと電極間容量Cpとの共振周期を短くすればよい。しかしながら、回収インダクタと電極間容量Cpとの共振周期を短くすると、回収コンデンサと電極間容量Cpとの間を移動する電流の最大値(ピーク電流)が増加し、EMIを増加させてしまう。また、ピーク電流が増加すると、発光に寄与することなく無効に消費される電力、すなわち無効電力も増加してしまう。そして、高精細化されたパネルでは駆動負荷も増大するため、無効電力がさらに増加する恐れがある。
また、電力回収回路51の出力インピーダンスは、クランプ回路52の出力インピーダンスと比較して大きいため、ピーク電流の増加は、駆動負荷等の影響によるリンギングと呼ばれる波形歪を発生させる。このような波形歪は、放電を不安定にするだけでなく、無効電力をさらに増加させてしまう。
また、ピーク電流が大きいとその分だけ電圧降下も大きくなるため、電力回収回路51による駆動時に走査電極SC1〜SCnへの走査電極駆動信号S43の印加電圧が電圧Vsまで上昇しない。そうすると、直後のクランプ回路52への切り換え時に電源VS1から走査電極SC1〜SCnへ供給される電力が増え、消費電力が増加してしまう。
一方、回収インダクタのインダクタンスを大きくする等して電力回収回路51の共振周期を長くすれば、電力回収回路51から走査電極SC1〜SCnに供給する電流JL10の立ち上がりは緩やかになる。そうすると、回収コンデンサと電極間容量Cpとの間を移動する電流の最大値(ピーク電流)が低減されるので、EMIを低減することができ、無効電力を低減することができる。また、電圧降下も抑えられるので、電力回収回路51による駆動時に走査電極SC1〜SCnへの走査電極駆動信号S43の印加電圧を、より電圧Vsに近い電位まで上昇させることができる。これにより、直後のクランプ回路52への切り換え時に電源VS1から走査電極SC1〜SCnへ供給される電力を低減でき、消費電力を低減することができる。
しかしながら、電力回収回路51の共振周期を長くして維持パルスの立ち上がり及び立ち下がりの傾きを表すエッジ特性を緩やかにすると、維持期間がその分、増大するといった問題が発生する。
これらのことから、高精細化されたパネルを安定に駆動しつつEMI及び無効電力を低減するためには、維持パルスを発生させる際のエッジ特性をできるだけ急峻にし、一方で維持パルス発生回路50と電極間容量Cpとの間を流れる走査電極駆動信号S43の電流の最大値、すなわちピーク電流を低減させるといった、互いに矛盾する動作を両立させることが必要となることがわかる。
そして、実施の形態1における維持パルス発生回路は、この動作を実現することを目的としたものであり、維持パルス発生回路と電極間容量Cpとの間を流れるピーク電流を低減しつつ、維持パルスを発生させる際のエッジ特性を急峻にすることを可能にするための回路である。
すなわち、維持パルス波形を立ち上げる直前には、正方向補助スイッチであるスイッチング素子Q15を導通させて、インダクタL11に正方向の補助電流を流して正方向のエネルギーを蓄積する。そして、維持パルスの立ち下がりの直前には、負方向補助スイッチであるスイッチング素子Q16を導通させて、インダクタL11に負方向の補助電流を流して負方向のエネルギーを蓄積する。
これにより、電力回収回路51の動作開始直後に電力回収回路51と走査電極SC1〜SCnとの間に流れる電流を、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に、インダクタL11に蓄積したエネルギーによる補助電流を付加した電流とすることができる。すなわち、インダクタL10と電極間容量Cpとの共振周期を短くすることなく、維持パルスの急峻な立ち上がり、立ち下がりを実現することが可能となる。
また、インダクタL11に蓄積したエネルギーによって走査電極SC1〜SCnへと流れる補助電流は、スイッチング素子Q15のオフ以降は、走査電極SC1〜SCnの電位上昇に伴って急速に減少していく。したがって、維持パルスの立ち上がり時における電流増加は、一時的なものに過ぎない。そのため、維持パルス発生回路と電極間容量Cpとの間を流れる電流の最大値は、回収インダクタと電極間容量Cpとの共振周期により決定される。それゆえに、回収インダクタと電極間容量Cpとの共振周期が長くなるように回収インダクタのインダクタンスを設定することで、維持パルス発生回路と電極間容量Cpとの間のピーク電流を抑制することができる。
したがって、ピーク電流の低減による無効電力の低減及びEMIの低減を実現でき、さらに、ピーク電流の低減によるリンギングの低減によって維持放電を安定に発生させることが可能となる。また、無効電力を低減することで、走査電極SC1〜SCnに印加する走査電極駆動信号S43の電圧を、より電圧Vsに近い電位(ここでは、実質的に電位Vsに達する)まで上昇させることが可能となる。これにより、電力回収回路51における電力の利用効率を上げるとともに、直後のクランプ回路52への切り換え時に電源VS1から走査電極SC1〜SCnへ供給される電力を抑えて、消費電力をさらに低減させることができる。
また、実施の形態1では、インダクタL11にエネルギーを蓄積するためにインダクタL11に流す正方向の電流を、不要な回路を通さず最小限の回路(ここでは、スイッチング素子Q15)のみを介して接地端子GND2へと流す構成としている。これにより、スイッチング素子Q11及びダイオードD11での不要な発熱や無効電力を低減することができる。
(期間T3)
そして、時点t3でスイッチング素子Q13をオンにする。すると走査電極SC1〜SCnは、スイッチング素子Q13を通して直接に電源VS1へ接続される。
実施の形態1では、走査電極SC1〜SCnの電位は、電力回収回路51による駆動によって実質的に電位Vsに達しているため、走査電極SC1〜SCnが電位Vsにクランプされても走査電極SC1〜SCnの電位に実質的な変化は生じない。これにより、クランプ回路52から走査電極SC1〜SCnへ供給される電力を削減することができる。また、スイッチング素子Q13は続く期間T4の間もオンに維持し、これにより期間T3及び期間T4では、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位は電位Vsに保たれる。
(期間T4)
次に、時点t4でスイッチング素子Q16をオンにする。すると、電源VS2から、スイッチング素子Q16及びインダクタL11を通して、回収コンデンサへと補助電流JL11が流れる。期間T4では、電流JQ16は電流JL11と大略等しい。補助電流が流れる上述した経路は、回収充電経路とも呼ばれる。このときに流れる補助電流JL11は、コンデンサC10、コンデンサC11、及びインダクタL11の接続点(すなわちB点)の電位VBがVs/2なので、インダクタL11のインダクタンスをLとすると、(Vs/2)/Lの傾きで減少(負方向に増加)していく。これによりインダクタL11に負方向の補助電流JL11を流し、インダクタL11に負方向のエネルギーを蓄積する。
続く期間T5では電力回収回路51を動作させて走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサへの電力回収を行うが、期間T4から期間T5への切り替え時にインダクタL11に蓄積した負方向のエネルギーによる補助電流が速やかにインダクタL10に流れるように、時点t5の前の時点t41であらかじめスイッチング素子Q12をオンにしておく。
(期間T5)
次に、時点t5でスイッチング素子Q13及びスイッチング素子Q16をオフにする。
回収インダクタと電極間容量Cpとは共振回路を構成しているので、このスイッチング動作により、走査電極SC1〜SCnから、インダクタL10、ダイオードD12、スイッチング素子Q12、及びインダクタL11を通して、回収コンデンサへ主電流が流れる。主電流が流れる上述した経路は回収経路とも呼ばれる。これにより、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位が下がり始める。例えば、回収インダクタと電極間容量Cpとの共振周期を大略3μsecに設定した場合、時点t5から大略1μsec後には走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位は接地電位付近まで下降する。
このとき、実施の形態1においては、期間T4で、電源VS2からスイッチング素子Q16を介してインダクタL11へ流れていた補助電流が、時点t5でのスイッチング素子Q16のオフによって遮断される。時点t5以降は、補助電流は、インダクタL11に蓄積された負方向のエネルギーの働きにより、走査電極SC1〜SCnから、インダクタL10、ダイオードD12、スイッチング素子Q12、及びインダクタL11を通して、インダクタL11に引き込まれるようにして、回収コンデンサへと流れ始める。補助電流が流れる上述した経路は、回収放電経路とも呼ばれる。この補助電流が、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に付加され、電流JL10は急峻に減少(負方向に急峻に増加)する。期間T5では、回収放電経路は回収経路と一致し、電流JL10は電流JL11と大略等しい。
これにより、図7のインダクタL10に流れる電流JL10の変化を示す波形のように、走査電極SC1〜SCnから流れてくる電流JL10の立ち下がりは、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によってのみ流れる主電流(図示せず)よりも、非常に急峻になる。
このように、実施の形態1においては、期間T4でインダクタL11に蓄積した負方向のエネルギーにより、維持パルスの立ち下がり時に走査電極SC1〜SCnから電力回収回路51へ流れる電流を、急峻に減少(負方向に急峻に増加)させることができる。
これにより、実施の形態1における構成では、期間T5の維持パルスの立ち下がりにおける走査電極SC1〜SCnから電力回収回路51へ流れる電流の立ち下がりを急峻にし、かつインダクタL10に流れるピーク電流を抑えることが可能となる。
実施の形態1に示す電力回収回路及び補助回路を用いない場合、共振周期の半分の時間が経過したときに、走査電極SC1〜SCnに印加する走査電極駆動信号S43の電圧が最も低くなるが、電力の損失等により接地電位には到達しない。しかし、実施の形態1では、インダクタL11に蓄積された負方向のエネルギーの働きによる補助電流が、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に付加される。このため、共振周期の半分の時間を要することなく(ここでは、共振周期大略3μsecに対し、大略1μsecの時間で)、走査電極SC1〜SCnに印加する走査電極駆動信号S43の電圧を接地電位に到達するまで下降させることができる。
したがって、ピーク電流の低減による無効電力の低減及びEMIの低減を実現でき、さらに、ピーク電流の低減によるリンギングの低減によって維持放電を安定に発生させることが可能となる。また、無効電力を低減することで、走査電極SC1〜SCnに印加する走査電極駆動信号S43の電圧を、より接地電位に近い電位(ここでは、実質的に接地電位に達する)まで下降させることが可能となる。これにより、電力回収回路51における電力の回収効率を上げるとともに、直後のクランプ回路52への切り換え時に走査電極SC1〜SCnから接地端子GND1へ放出される電力を抑えて、消費電力をさらに低減させることができる。
また、ピーク電流を抑えることで無効電力を低減することができ、これにより、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位をほぼ接地電位まで下降させることができる。したがって、直後のクランプ回路52への切り換え時に消費される電力を抑え、無効電力をさらに低減させることができる。
また、実施の形態1では、インダクタL11にエネルギーを蓄積するためにインダクタL11に流す負方向の電流を、不要な回路を通さず最小限の回路(ここでは、スイッチング素子Q16)のみを介して回収コンデンサへと流す構成としている。これにより、スイッチング素子Q12及びダイオードD12での不要な発熱や無効電力を低減することができる。
(期間T6)
そして、時点t6でスイッチング素子Q14をオンにする。すると走査電極SC1〜SCnは、スイッチング素子Q14を通して直接に接地される。
実施の形態1では、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位は、電力回収回路51による駆動によって実質的に接地電位である0(V)に達しているため、走査電極SC1〜SCnが接地電位にクランプされても走査電極SC1〜SCnの電位に実質的な変化は生じない。これにより、クランプ回路52における消費電力を削減することができる。
スイッチング素子Q11は時点t3以降、時点t4までにオフすればよく、スイッチング素子Q12は時点t6以降、次の時点t1までにオフすればよい。また、維持パルス発生回路50の出力インピーダンスを下げるために、スイッチング素子Q13は時点t5直前にオフにすることが望ましく、スイッチング素子Q14は時点t2直前にオフにすることが望ましい。
ここでは維持パルス発生回路50での動作を説明したが、維持パルス発生回路60における動作も同様であるため、維持パルス発生回路60に関する説明は省略する。
維持期間においては、以上の期間T1〜期間T6の動作を、必要なパルス数に応じて繰り返す。このようにして、基準電位である0(V)から電位Vsに変位する維持パルス電圧を、表示電極対24のそれぞれに交互に印加して放電セルを維持放電させる。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、維持パルスの立ち上がり時及び立ち下がり時のパルスエッジにおいて、補助回路53を用いることにより、インダクタL11にあらかじめ蓄積しておいたエネルギーにより発生する補助電流を、LC共振によって流れる主電流に付加する構成とする。その結果、維持パルス発生回路と電極間容量Cpとの間に流れる電流JL10の大きさを急峻に増加させることができる。これにより、パネルを高精細化して維持パルスの周期を短縮しても、維持パルスのクランプ期間を確保するとともに、回収コンデンサと電極間容量Cpとの共振周期を長くすることで、回収インダクタと電極間容量Cpとの間に流れるピーク電流を低減することができる。したがって、高精細化パネルに対しても、クランプ期間の確保により安定して維持放電を発生させるとともに、ピーク電流の低減により消費電力及びEMIを低減することが可能となる。
実施の形態1に示した電力回収回路及び補助回路を用いない従来の維持パルス発生回路では、安定した維持放電を発生させるために、例えば回収インダクタと電極間容量Cpとの共振周期を大略2μsecに設定しなければならない場合でも、実施の形態1では、共振周期を大略3μsecに延長しても安定した維持放電を発生させることができる。そして、共振周期を2μsecから3μsecに延長することで、ピーク電流を大略38%低減することができる。
また、インダクタL11にエネルギーを蓄積するためにインダクタL11に流す補助電流を、不要な回路を通さず最小限の回路(ここでは、正方向の補助電流を流す場合は正方向補助スイッチ、負方向の補助電流を流す場合は負方向補助スイッチ)のみを通す構成とすることで、不要な発熱や無効電力を低減することが可能となる。
なお、実施の形態1では、正方向補助スイッチ、負方向補助スイッチをインダクタL11に直接接続しているが、インダクタL11に電流を流すことが可能な接続点であればその接続点に対応して不要な発熱や無効電力を低減することが可能である。
なお、インダクタL10は実装時に構成されるインダクタ(たとえばプリント基板の配線にて構成されるインダクタ)にて構成されてもよい。
なお、実施の形態1では、インダクタL11及びインダクタL10を、1次側コイル及び2次側コイルからなる一対のコイル、例えば絶縁トランス等を用いて構成することもできる。
図8は、実施の形態1の変形例1における維持パルス発生回路501の回路図である。維持パルス発生回路501は、電力回収回路511、クランプ回路52、及び補助回路531を有する。クランプ回路52は、図6に示したクランプ回路52と同様の構成であり同様の動作であるので、ここでの説明は省略する。
電力回収回路511及び補助回路531が電力回収回路51及び補助回路53と異なる点は、インダクタL11及びインダクタL10を絶縁トランスを用いて構成していることである。図8に示すように、絶縁トランスの1次側コイル及び2次側コイルのうち、一方をインダクタL11とし、他方をインダクタL10としている。インダクタL11及びインダクタL10は、互いに相互誘導動作をする。絶縁トランスの巻線の向きは、相互インダクタンスにより、電流J11の正方向の流れが電流J10の流れを正方向に強めるように、また電流J11の負方向の流れが電流J10の流れを負方向に強めるように、設定される。
このように、1次側コイル及び2次側コイルからなる一対のコイルを用いてインダクタL11及びインダクタL10を構成することにより、インダクタL11に蓄積されたエネルギーを、相互インダクタンスによってインダクタL10に伝えることができるので、さらに無効電力を削減し、効率を向上させることができる。
図9は、実施の形態1の変形例2における維持パルス発生回路502の回路図である。維持パルス発生回路502は、電力回収回路512、クランプ回路52、及び補助回路532を有する。
電力回収回路512及び補助回路532では、電力回収回路511及び補助回路531と同様に、インダクタL11及びインダクタL10を、絶縁トランスを用いて構成している。電力回収回路512及び補助回路532が電力回収回路511及び補助回路531と異なる点は、インダクタL11とインダクタL10とを、間に他の構成要素を挟まずに直列に接続していることである。インダクタL10の一方の端子を、スイッチング素子Q15、スイッチング素子Q16、及びインダクタL11の接続点に接続し、インダクタL10の他方の端子を、スイッチング素子Q11及びスイッチング素子Q12の接続点に接続する。このような構成であっても、図8に示した構成と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、及び効果は、実施の形態1と同等であるので、説明を省略する。
図10は、維持パルス発生回路503の回路図である。維持パルス発生回路503は、電力回収回路51、クランプ回路52、及び補助回路533を有する。電力回収回路51及びクランプ回路52は、実施の形態1において図6に示した電力回収回路51、クランプ回路52と同様の構成であり同様の動作であるので、ここでの説明は省略する。
補助回路533は、スイッチング素子Q15、スイッチング素子Q16、コンデンサC12、コンデンサC13、及びインダクタL11を有する。スイッチング素子Q15は正方向補助スイッチであり、スイッチング素子Q16は負方向補助スイッチである。コンデンサC12及びコンデンサC13は、スイッチング動作によりスイッチング素子に生じる電圧変化を緩和するためのコンデンサである。
具体的には、コンデンサC13をスイッチング素子Q15に電気的に並列に接続し、コンデンサC12をスイッチング素子Q16に電気的に並列に接続した構成とする。
実施の形態2では、上述したように、インダクタL11にエネルギーを蓄積するために流す電流を、不要な回路を通さず最小限の回路(ここでは、正方向の電流を流す場合は正方向補助スイッチであるスイッチング素子Q15、負方向の電流を流す場合は負方向補助スイッチであるスイッチング素子Q16)のみを通す構成とすることで、不要な発熱や無効電力を低減している。
このとき、正方向補助スイッチ及び負方向補助スイッチをオンからオフに切り替えるときにスイッチング素子に発生する電圧変化を緩和することで、無効電力をさらに低減することができる。この詳細を正方向補助スイッチであるスイッチング素子Q15を例にして説明する。
図11は、スイッチング素子Q15に流れる電流JQ15及びスイッチング素子Q15にかかる電圧VQ15A、VQ15Bの変化を模式的に示す波形図である。図11では、上から順に、スイッチング素子Q15に流れる電流JQ15の変化、スイッチング素子Q15にかかる電圧VQ15Aの変化(コンデンサC13がない場合)、スイッチング素子Q15にかかる電圧VQ15Bの変化(コンデンサC13がある場合)を示す。
図7にも示したように、スイッチング素子Q15をオンにすると、(Vs/2)/Lの傾きで増加していく電流JL11が、インダクタL11からスイッチング素子Q15を介して接地端子GND2に流れる。そして、スイッチング素子Q15をオフにすると、スイッチング素子Q15は遮断され、電流JQ15を通さなくなる。このとき、スイッチング素子Q15は、瞬間的に電流JQ15の流れを遮断するのではなく、図11に示すように、比較的短い期間T11の間に電流量を減少させていき、最終的に電流の流れが0となって、電流JQ15を遮断する。
一方、コンデンサC13を用いない構成の場合、スイッチング素子Q15にかかる電圧VQ15Aは、スイッチング素子Q15が導通している期間は実質的に0(V)であるが、スイッチング素子Q15をオフにすると、図11に示すように急峻に上昇していく。
すなわち、期間T11では、スイッチング素子Q15は、上昇する電圧VQ15Aがかかりつつ、減少する電流JQ15が流れる状態となっており、これにより斜線で示す領域の電力PQ15Aが無効に消費されていることになる。
しかし、実施の形態2における補助回路533は、スイッチング素子Q15に電気的に並列に接続したコンデンサC13を備えているので、図11に示すようにスイッチング素子Q15にかかる電圧VQ15Bの変化を緩やかにすることができる。したがって、斜線で示すように、スイッチング素子Q15においてスイッチング動作によって無効に消費される電力PQ15Bを削減することができる。
以上、説明したように、実施の形態2では、正方向補助スイッチ及び負方向補助スイッチのそれぞれに、スイッチング素子に生じる電圧変化を緩和するためのコンデンサを電気的に並列に接続する構成とする。その結果、スイッチング動作により正方向補助スイッチ及び負方向補助スイッチに発生する無効電力を削減し、消費電力をさらに低減することが可能となる。
図12は、実施の形態2の変形例における維持パルス発生回路503Aの回路図である。図12の維持パルス発生回路503Aは、図10の維持パルス発生回路503と比較してコンデンサC12及びコンデンサC13の接続点のみが異なるので、その違いのみを説明する。図13は、図11と同様に、維持パルス発生回路503Aのスイッチング素子Q15に流れる電流JQ15及びスイッチング素子Q15にかかる電圧VQ15A、VQ15Bの変化を模式的に示す波形図である。コンデンサC12の一方の端子を、スイッチング素子Q11とダイオードD11の接続点に、コンデンサC12の他方の端子を電源VS2に、それぞれ接続する。また、コンデンサC13の一方の端子を、スイッチング素子Q12とダイオードD12の接続点に、コンデンサC13の他方の端子を接地端子GND2に、それぞれ接続する。
図11において上述したように、コンデンサC13を備えた場合、スイッチング素子Q15のオフ時にかかる電圧VQ15Bの変化を緩やかにすることができる。しかしスイッチング素子Q15のオフ期間において、インダクタL11とコンデンサC13との共振電圧が発生し、スイッチング素子Q15のオン動作のタイミングによっては、コンデンサC13を備えない場合より高い電圧状態にてオンすることになる。そのためスイッチング素子Q15のオン時の電流も増加し、スイッチング素子Q15のオン時の損失PQ15B1は、図11において斜線で示すように、コンデンサC13を備えない場合の損失PQ15A1に比べて逆に増加する場合がある。
コンデンサC13が図12に示したように接続される場合、スイッチング素子Q15がオフとなるときは、オン状態のスイッチング素子Q11(図7の時点t2以降に示される)、ダイオードD11、及びダイオードD12を通して、コンデンサC13はスイッチング素子Q15と接続される。このため、図11の場合と同様に、スイッチング素子Q15にかかる電圧VQ15Bの変化を緩やかにすることができる。
その後スイッチング素子Q11はオフとなりスイッチング素子Q12もオフとなることで、コンデンサC13は、スイッチング素子Q15がオフ期間であってもインダクタL11と接続されないため、インダクタL11とコンデンサC13との共振電圧は発生しない。
そのためスイッチング素子Q15のオンのとき、図11に示すようなスイッチング素子Q15のオン動作のタイミングによって、コンデンサC13を備えない場合より高い電圧状態にてオンすることはない。したがって図13において斜線で示すように、スイッチング素子Q15のオン時の損失PQ15B2は、コンデンサC13を備えない場合の損失PQ15A2と同等となる。なおスイッチング素子Q15のオフ時に、コンデンサC13に充電された電荷は、維持パルスの立ち下がり時の回収動作により回収される。
なお、実施の形態2では、図10及び図12に、コンデンサC12及びコンデンサC13をスイッチング素子Q16及びスイッチング素子Q15に、それぞれ電気的に並列に接続する構成例を示したが、これは実施の形態における単なる一例に過ぎない。スイッチング動作時における電圧変化を緩和することができれば、コンデンサC12及びコンデンサC13の配置位置は特に限定されるものではない。実施の形態2においては、スイッチング素子Q16及びスイッチング素子Q15に対して、コンデンサC12、コンデンサC13を電気的に並列に接続することで上述と同様の効果を得ることが可能である。そして、パネルの性能や回路基板における各駆動回路の配置位置等に応じて、目的とする効果を得るのに最適な場所に配置すればよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、及び効果は、実施の形態1と同等であるので、説明を省略する。
図14は、維持パルス発生回路504の回路図である。維持パルス発生回路504は、電力回収回路514、クランプ回路52、及び補助回路534を有する。クランプ回路52は、実施の形態1において図6に示したクランプ回路52と同様の構成であり同様の動作であるので、ここでの説明は省略する。
電力回収回路514は、コンデンサC10、コンデンサC11、スイッチング素子Q11、スイッチング素子Q12、ダイオードD11、ダイオードD12、インダクタL11a、インダクタL11b、インダクタL10a、及びインダクタL10bを有している。コンデンサC10及びコンデンサC11は、回収コンデンサである。スイッチング素子Q11は、回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnへの電力供給時に導通させるスイッチング素子である。スイッチング素子Q12は、走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサへの電力回収時に導通させるスイッチング素子である。ダイオードD11は、回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnへ順方向の電力供給時に逆流する電流を防止する。ダイオードD12は、走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサへ順方向の電力回収時に逆流する電流を防止する。インダクタL11a、インダクタL11b、インダクタL10a、及びインダクタL10bは、電極間容量CpとのLC共振用のインダクタである。
インダクタL11a及びインダクタL10aは、回収コンデンサから電極間容量Cpへ電力を供給するときに用いる回収インダクタであり、インダクタL11b及びインダクタL10bは、電極間容量Cpから回収コンデンサへ電力を回収するときに用いる回収インダクタである。このように、実施の形態3では、回収コンデンサから電極間容量Cpへ電力を供給するときと、電極間容量Cpから回収コンデンサへ電力を回収するときとで、異なる回収インダクタを用いる構成としている。
そして、互いに直列に接続したスイッチング素子Q11及びダイオードD11を間に挟んで、インダクタL11aとインダクタL10aとを直列に接続する。さらに、互いに直列に接続したスイッチング素子Q12及びダイオードD12を間に挟んで、インダクタL11bとインダクタL10bとを直列に接続する。さらに、スイッチング素子Q15をインダクタL11aとスイッチング素子Q11との電気的な接続点に接続し、スイッチング素子Q16をインダクタL11bとスイッチング素子Q12との電気的な接続点に接続する。
ここで、インダクタL11a、インダクタL11b、インダクタL10a、及びインダクタL10bは、主誘導部を構成する。インダクタL11a及びインダクタL11bは補助誘導部を構成し、インダクタL10a及びインダクタL10bは、副主誘導部を構成する。インダクタL11aは、供給方向に流れる補助電流を生成し、インダクタL11bは、回収方向に流れる補助電流を生成する。インダクタL11a及びインダクタL11bは、それぞれ副補助誘導部とも呼ばれる。
各スイッチング素子のスイッチング動作は、実施の形態1において図7に示した動作と同様であるためここでの説明は省略する。
このように実施の形態3では、実施の形態1と同様に、維持パルスの立ち上がり時及び立ち下がり時のパルスエッジにおいて、補助回路534を用いることにより、あらかじめインダクタL11a及びインダクタL11bに蓄積したエネルギーにより発生する補助電流を、LC共振による主電流に付加して流している。その結果、維持パルス発生回路と電極間容量Cpとの間に流れる電流を急峻に増加させることができる。これにより、パネルを高精細化して維持パルスの周期を短縮しても、維持パルスのクランプ期間を確保するとともに、回収コンデンサと電極間容量Cpとの共振周期を長くすることで、回収インダクタと電極間容量Cpとの間に流れるピーク電流を低減することができる。したがって、高精細化パネルに対しても、クランプ期間の確保により安定して維持放電を発生させるとともに、ピーク電流の低減により消費電力及びEMIを低減することが可能となる。
さらに、実施の形態3では、回収インダクタを分けた構成としているので、維持パルスの立ち上がりにおける電流制御と立ち下がりにおける電流制御とを互いに独立して設定することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、及び効果は、実施の形態1と同等であるので、説明を省略する。
図15は、維持パルス発生回路505の回路図である。維持パルス発生回路505は、電力回収回路515、クランプ回路52、及び補助回路535を有する。クランプ回路52は、実施の形態1において図6に示したクランプ回路52と同様の構成であり同様の動作であるので、ここでの説明は省略する。
電力回収回路515は、コンデンサC10、スイッチング素子Q11、スイッチング素子Q12、ダイオードD11、ダイオードD12、インダクタL11、及びインダクタL10を有している。コンデンサC10は、回収コンデンサである。スイッチング素子Q11は、回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnへの電力供給時に導通させる。スイッチング素子Q12は、走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサへの電力回収時に導通させる。ダイオードD11は、回収コンデンサから走査電極SC1〜SCnへ順方向の電力供給時に逆流する電流を防止する。ダイオードD12は、走査電極SC1〜SCnから回収コンデンサへ順方向の電力回収時に逆流する電流を防止する。インダクタL11及びインダクタL10は、電極間容量CpとのLC共振用のインダクタである。
そして、コンデンサC10を接地端子GND1に接続して基準電位である接地電位にし、インダクタL10とコンデンサC10とを互いに直列に接続する。また、互いに直列に接続したスイッチング素子Q11及びダイオードD11と、互いに直列に接続したスイッチング素子Q12及びダイオードD12とを、電流の流れる方向が互いに逆方向になるように並列に接続するとともに、この回路を間に挟んで、インダクタL11とインダクタL10とを直列に接続する。
このように、実施の形態4における維持パルス発生回路505は、実施の形態1で図6に示した維持パルス発生回路50と比較して、コンデンサC11を構成要素に含まず、さらにインダクタL11とインダクタL10とが逆に配置された構成となっている。
実施の形態4では、インダクタL11とインダクタL10とを実施の形態1とは逆の配置にしているので、インダクタL11からインダクタL10への方向を負方向とし、インダクタL10からインダクタL11への方向を正方向とする。
補助回路535は、スイッチング素子Q15、スイッチング素子Q16、及びインダクタL11を有する。スイッチング素子Q15は、インダクタL11に正方向の電流を流すときに導通させる正方向補助スイッチである。スイッチング素子Q16は、インダクタL11に負方向の電流を流すときに導通させる負方向補助スイッチである。そして、スイッチング素子Q15の一方の端子を、インダクタL11、ダイオードD11、及びダイオードD12の電気的な接続点に接続し、スイッチング素子Q15の他方の端子を電源VS2に接続して電位Vsにする。また、スイッチング素子Q16の一方の端子をインダクタL11とスイッチング素子Q15との電気的な接続点に接続し、スイッチング素子Q16の他方の端子を接地端子GND2に接続して基準電位である接地電位にする。
このように、実施の形態4における補助回路535は、実施の形態1で図6に示した補助回路53と比較して、正方向補助スイッチであるスイッチング素子Q15と負方向補助スイッチであるスイッチング素子Q16とが、逆に配置された構成となっている。
図16は、維持パルス発生回路505の動作を説明するためのタイミングチャートである。
(期間T1)
時点t1でスイッチング素子Q15をオンにする。この間、スイッチング素子Q14はオンに維持し、走査電極SC1〜SCnは0(V)にクランプしておく。すると、電源VS2から、スイッチング素子Q15、インダクタL11、及びスイッチング素子Q14を通して、基準電位にある接地端子GND1へと補助電流JL11が流れる。期間T1では、電流JQ15は電流JL11と大略等しい。補助電流が流れる上述した経路は、供給充電経路とも呼ばれる。このときに流れる補助電流JL11は、電位Vsと接地電位との間を、インダクタL11を介して流れる電流となるので、インダクタL11のインダクタンスをLとすると、Vs/Lの傾きで増加していく。これによりインダクタL11に正方向の補助電流JL11を流し、インダクタL11に正方向のエネルギーを蓄積する。
インダクタL11に蓄積した正方向のエネルギーによる補助電流が、期間T1から期間T2への切り替え時に、速やかにコンデンサC10からインダクタL10を介して流れてくるように、時点t2の前の時点t11であらかじめスイッチング素子Q11をオンにしておく。
(期間T2)
次に、時点t2でスイッチング素子Q14及びスイッチング素子Q15をオフにする。
回収インダクタと電極間容量Cpとは共振回路を構成しているので、このスイッチング動作により、回収コンデンサから、インダクタL10、スイッチング素子Q11、ダイオードD11、及びインダクタL11を通して、走査電極SC1〜SCnへ主電流が流れる。主電流が流れる上述した経路は、供給経路とも呼ばれる。これにより、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位が上がり始める。
このとき、実施の形態4においては、時点t2でスイッチング素子Q14及びスイッチング素子Q15をオフにすることで、供給充電経路を流れていた補助電流が遮断される。時点t2以降、補助電流は、インダクタL11に蓄積された正方向のエネルギーの働きにより、回収インダクタから、インダクタL10、スイッチング素子Q11、ダイオードD11、及びインダクタL11を通して、走査電極SC1〜SCnへと流れ始める。補助電流が流れる上述した経路は、供給放電経路とも呼ばれる。この補助電流が、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に付加され、電流JL11は正方向に急峻に増加する。期間T2では、供給放電経路は供給経路と一致し、電流JL11は電流JL10と大略等しい。
これにより、図16のインダクタL10に流れる電流JL10の変化を示す波形のように、走査電極SC1〜SCnへ流れる電流JL10の立ち上がりは、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によってのみ流れる主電流(図示せず)よりも、非常に急峻になる。
(期間T3)
期間T3における動作は、図7において説明した動作と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(期間T4)
次に、時点t4でスイッチング素子Q16をオンにする。すると、電源VS1から、スイッチング素子Q13、インダクタL11、及びスイッチング素子Q16を通して、基準電位にある接地端子GND2へと補助電流JL11が流れる。期間T4では、電流JQ16は電流JL11と大略等しい。補助電流が流れる上述した経路は、回収充電経路とも呼ばれる。このときに流れる補助電流JL11は、電位Vsと接地電位との間を、インダクタL11を介して流れる電流となるので、インダクタL11のインダクタンスをLとすると、Vs/Lの傾きで減少(負方向に増加)していく。これによりインダクタL11に負方向の補助電流JL11を流し、インダクタL11に負方向のエネルギーを蓄積する。
インダクタL11に蓄積した負方向のエネルギーによる補助電流が、期間T4から期間T5への切り替え時に、速やかにインダクタL10を通ってコンデンサC10へ流れるように、時点t5の前の時点t41であらかじめスイッチング素子Q12をオンにしておく。
(期間T5)
次に、時点t5でスイッチング素子Q13及びスイッチング素子Q16をオフにする。
回収インダクタと電極間容量Cpとは共振回路を構成しているので、このスイッチング動作により、走査電極SC1〜SCnから、インダクタL11、ダイオードD12、スイッチング素子Q12、及びインダクタL10を通して、コンデンサC10へ主電流が流れる。主電流が流れる上述した経路は回収経路とも呼ばれる。これにより、走査電極SC1〜SCnにおける走査電極駆動信号S43の電位が下がり始める。
このとき、実施の形態4においては、時点t5でスイッチング素子Q13及びスイッチング素子Q16をオフにすることで、回収充電経路を流れていた補助電流が遮断される。時点t5以降、補助電流は、インダクタL11に蓄積された負方向のエネルギーの働きにより、走査電極SC1〜SCnから、インダクタL11、ダイオードD12、スイッチング素子Q12、及びインダクタL10を通して、回収インダクタへと流れ始める。補助電流が流れる上述した経路は、回収放電経路とも呼ばれる。この補助電流が、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によって流れる主電流に付加され、電流JL11は急峻に減少(負方向に急峻に増加)する。期間T5では、回収放電経路は回収経路と一致し、電流JL11は電流JL10と大略等しい。
これにより、図16のインダクタL10に流れる電流JL10の変化を示す波形のように、走査電極SC1〜SCnから流れてくる電流JL10の立ち下がりは、回収インダクタと電極間容量CpとのLC共振によってのみ流れる主電流(図示せず)よりも、非常に急峻になる。
(期間T6)
期間T6における動作は、図7において説明した動作と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以上、説明したように、実施の形態4における構成では、実施の形態1と同様に、維持パルスの立ち上がり時及び立ち下がり時のパルスエッジにおいて、補助回路535を用いることにより、あらかじめインダクタL11に蓄積したエネルギーにより発生する補助電流を、LC共振による主電流に付加して流している。その結果、維持パルス発生回路と電極間容量Cpとの間に流れる電流JL11を急峻に増加させることができる。これにより、パネルを高精細化して維持パルスの周期を短縮しても、維持パルスのクランプ期間を確保するとともに、回収コンデンサと電極間容量Cpとの共振周期を長くすることで、回収インダクタと電極間容量Cpとの間に流れるピーク電流を低減することができる。したがって、高精細化パネルに対しても、クランプ期間の確保により安定して維持放電を発生させるとともに、ピーク電流の低減により消費電力及びEMIを低減することが可能となる。
また、実施の形態1と同様に、インダクタL11にエネルギーを蓄積するためにインダクタL11に流す補助電流を、不要な回路を通さず最小限の回路(ここでは、正方向の補助電流を流す場合は正方向補助スイッチ及びクランプ回路の接地電位側のスイッチ、負方向の補助電流を流す場合は負方向補助スイッチ及びクランプ回路の電源側のスイッチ)のみを通すので、不要な発熱や無効電力を低減することができる。
さらに、実施の形態4では、期間T1及び期間T4においてインダクタL11に補助電流を流すときに、その増加の傾きを実施の形態1と比較して大略2倍の傾きに急峻にできるので、期間T1及び期間T4を短縮することが可能である。また、実施の形態4では、インダクタL11に、期間T1で正方向の補助電流を流すとき及び期間T4で負方向の補助電流を流すときのいずれにおいても、電位VsからインダクタL11を介して接地電位へと補助電流を流しているので、実施の形態1と比較してコンデンサC11を用いない構成とすることができる。
なお、上述した実施の形態では、補助回路の電源電位として、高圧側に電源VS2の電位Vsを、低圧側に基準端子GND2の基準電位として接地電位を用いる構成を説明したが、電位Vs及び基準電位を可変とする構成としてもよい。図17は、別の実施の形態における補助回路の基準電位を可変した場合の波形図である。例えば、インダクタに正方向のエネルギーを蓄積する動作においては、基準電位を低くすることで、図17に実線で示すように、回収コンデンサから、インダクタ(例えば、インダクタL11)及び正方向補助スイッチ(例えば、スイッチング素子Q15)を通して、基準電位へ流れる電流の単位時間あたりの増加量(電流の増加を表す傾き)を大きくすることができ、逆に基準電位を高くすることで、破線や一点鎖線に示すように電流の増加を小さくすることができる。また、図示はしないが、電源VS2の電位Vsに関しても同様であり、可変にすることで同様の効果を得られる。
したがって、例えば表示画像に応じて補助回路の基準電位(又は電源VS2の電位Vs)を制御する構成を設けてもよい。具体的な一例としては、表示画像が明るいとき、あるいは全放電セルに対する点灯すべき放電セルの割合を表す点灯率が高いときには、基準電位を低くする(電源VS2の電位Vsを高くする)。逆に、表示画像が暗いとき、あるいは点灯率が低いときには基準電位を高くする(電源電位を低くする)。このように構成することで、画像表示品質をさらに高めることも可能である。
なお、上述した実施の形態においては、例えば、補助回路における正方向補助スイッチ(スイッチング素子Q15)及び負方向補助スイッチ(スイッチング素子Q16)の導通時間(図7における期間T1及び期間T4)を可変とする構成としてもよい。図18は、別の実施の形態における正方向補助スイッチの導通時間を可変した場合の波形図である。
例えば、インダクタに正方向のエネルギーを蓄積する動作においては、正方向補助スイッチの導通時間(図18における期間T1)を長くすることで、実線に示すようにインダクタに流す正方向の電流の電流量を増やすことができ、逆に正方向補助スイッチの導通時間(図18における期間T11及び期間T12)を短くすることで、破線や一点鎖線に示すようにインダクタに流す正方向の電流の電流量を少なくすることができる。また、図示はしないが、負方向の電流に関しても同様であり、負方向補助スイッチの導通時間を可変にすることで同様の効果を得られる。
したがって、例えば表示画像に応じて補助回路の正方向補助スイッチ及び負方向補助スイッチの導通時間を制御する構成を設けてもよい。具体的な一例としては、正方向補助スイッチ負方向補助スイッチの導通時間を、表示画像が明るいとき、あるいは点灯率が高いときには長くし、逆に、表示画像が暗いとき、あるいは点灯率が低いときには短くする構成とすることで、画像表示品質をさらに高めることも可能である。
なお、上述した実施の形態では、電力回収回路51において、電力回収時と電力供給時とで同一のインダクタL10を用いる構成を説明したが、インダクタL10に代えて2つのインダクタ、すなわち、回収用コンデンサから走査電極SC1〜SCnに電力を供給するときに用いるインダクタL10aと、走査電極SC1〜SCnから回収用コンデンサに電力を回収するときに用いるインダクタL10bとに分けて設ける構成としてもかまわない。これにより、表示電極対24から電力を回収するときと、表示電極対24へ電力を供給するときとで共振周期を変えることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、維持パルスの立ち上がり時及び立ち下がり時のパルスエッジにおいて、補助回路を用いることにより、補助誘導部にあらかじめ蓄積しておいたエネルギーにより発生する補助電流を、LC共振によって流れる主電流に付加する構成とする。その結果、維持パルス発生回路と電極間容量Cpとの間に流れる電流の大きさを急峻に増加させることができる。これにより、パネルを高精細化して維持パルスの周期を短縮しても、維持パルスのクランプ期間を確保するとともに、回収コンデンサと電極間容量Cpとの共振周期を長くすることで回収インダクタと電極間容量C
pとの間に流れるピーク電流を低減することができる。したがって、高精細化パネルに対しても、クランプ期間の確保により安定して維持放電を発生させるとともに、ピーク電流の低減により消費電力及びEMIを低減することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態において示した具体的な各数値は、実験に用いた表示電極対数1080対の50インチのパネルに基づき設定したものであって、単に実施の形態の一例を示したものに過ぎない。本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではなく、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に応じて最適な値に設定することが望ましい。また、これらの各数値は、上述した効果を得られる範囲でのばらつきを許容するものとする。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、高精細化されたパネルであっても、消費電力の削減と安定した維持放電とを実現することが可能なプラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法に対して有用である。
以上、実施の形態におけるこれまでの説明は、すべて本発明を具体化した一例であって、本発明はこれらの例に限定されず、本発明の技術を用いて当業者が容易に構成可能な種々の例に展開可能である。
本発明は、プラズマディスプレイ装置及びプラズマディスプレイパネルの駆動方法に利用できる。
本発明の実施の形態1におけるパネルの構造を示す分解斜視図 本発明の実施の形態1におけるパネルの電極配列図 本発明の実施の形態1におけるパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置のブロック図 本発明の実施の形態1における維持パルス発生回路のブロック図 本発明の実施の形態1における維持パルス発生回路の回路図 本発明の実施の形態1における維持パルス発生回路の動作を説明するためのタイミングチャート 本発明の実施の形態1の変形例1における維持パルス発生回路の回路図 本発明の実施の形態1の変形例2における維持パルス発生回路の回路図 本発明の実施の形態2における維持パルス発生回路の回路図 本発明の実施の形態2における正方向補助スイッチに流れる電流及び正方向補助スイッチにかかる電圧の変化を模式的に示す波形図 本発明の実施の形態2の変形例における維持パルス発生回路の回路図 本発明の実施の形態2の変形例における維持パルス発生回路の正方向補助スイッチに流れる電流及び正方向補助スイッチにかかる電圧の変化を模式的に示す波形図 本発明の実施の形態3における維持パルス発生回路の回路図 本発明の実施の形態4における維持パルス発生回路の回路図 本発明の実施の形態4における維持パルス発生回路の動作を説明するためのタイミングチャート 本発明の別の実施の形態における補助回路の基準電位を可変した場合の波形図 本発明の別の実施の形態における正方向補助スイッチの導通時間を可変した場合の波形図
1 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25,33 誘電体層
26 保護層
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
50,60,501,502,503,503A,504,505 維持パルス発生回路
51,51A,61,511,512,514,515 電力回収回路
52,62 クランプ回路
53,63,533,533A,535 補助回路

Claims (38)

  1. 表示電極対を構成する複数の走査電極及び維持電極を有するプラズマディスプレイパネルの前記表示電極対に、初期化期間、書き込み期間及び維持期間を有するサブフィールドの前記維持期間に維持パルスを交互に印加する維持パルス発生回路を備えたプラズマディスプレイ装置であって、
    前記維持パルス発生回路は、
    第1のインダクタと第2のインダクタとからなるLC共振用の回収インダクタと電力回収用の回収コンデンサとを有し前記表示電極対の容量性負荷に蓄積された電力をLC共振によって前記回収コンデンサに回収しその回収した電力を前記表示電極対の駆動に再利用する電力回収回路と、
    前記表示電極対を電源電位及び接地電位にクランプするクランプ回路と、
    第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチを有する補助回路とを備え、
    前記補助回路は、前記第1の補助スイッチを導通させたときには前記第1のインダクタに正方向の電流が流れ、前記第2の補助スイッチを導通させたときには前記第1のインダクタに負方向の電流が流れるように構成するとともに、前記維持パルスの立ち上がりの直前には前記第1の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに正方向の電流を流して前記第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積し、前記維持パルスの立ち下がりの直前には前記第2の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに負方向の電流を流して前記第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積し、
    前記電力回収回路は、前記維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、前記電力回収回路と前記容量性負荷との間に流れる電流を、前記LC共振によって発生する電流に、前記第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいた前記エネルギーにより発生する電流を付加した電流とすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 前記補助回路は、
    前記第1の補助スイッチを前記第1のインダクタと基準電位とを電気的に接続するためのスイッチとして設けるとともに前記第2の補助スイッチを前記第1のインダクタと電源電位とを電気的に接続するためのスイッチとして設け、
    前記第1の補助スイッチを導通させたときには前記回収コンデンサから前記第1のインダクタを通って基準電位に流れる電流が発生し、前記第2の補助スイッチを導通させたときには電源電位から前記第1のインダクタを通って前記回収コンデンサに流れる電流が発生するように構成することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記電力回収回路は、前記回収コンデンサを、前記基準電位に接続した第1のコンデンサと前記電源電位に接続した第2のコンデンサとを直列に接続して構成することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 前記電力回収回路は、前記第1のインダクタのインダクタンスを、前記第2のインダクタのインダクタンスに等しいか又はそれよりも大きい値に設定することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  5. 前記電力回収回路は、前記第1のインダクタを、正方向の電流を流して正方向のエネルギーをあらかじめ蓄積しておくためのインダクタと、負方向の電流を流して負方向のエネルギーをあらかじめ蓄積しておくためのインダクタとに分けた構成とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  6. 前記補助回路は、前記第1の補助スイッチ及び前記第2の補助スイッチのそれぞれに、スイッチング動作により生じる電圧変化を緩和するためのコンデンサを電気的に並列に接続した構成とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  7. 前記電力回収回路は、1次側コイル及び2次側コイルからなる一対のコイルを用い、前記1次側コイル及び前記2次側コイルの一方を前記第1のインダクタとし、他方を前記第2のインダクタとした構成とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  8. 前記維持パルス発生回路は、前記第1の補助スイッチ及び前記クランプ回路が有する接地電位側のスイッチを導通させたときに前記第1のインダクタに正方向の電流が流れ、前記第2の補助スイッチ及び前記クランプ回路が有する電源電位側のスイッチを導通させたときに前記第1のインダクタに負方向の電流が流れるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  9. 前記補助回路は、前記補助回路に用いる電源電位及び基準電位を表示画像に応じて可変することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  10. 前記補助回路は、前記第1の補助スイッチ及び前記第2の補助スイッチの導通時間を表示画像に応じて可変することを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  11. 表示電極対を構成する複数の走査電極及び維持電極を有するプラズマディスプレイパネルを、
    第1のインダクタと第2のインダクタとからなるLC共振用の回収インダクタと電力回収用の回収コンデンサとを有し前記表示電極対の容量性負荷に蓄積された電力をLC共振によって前記回収コンデンサに回収しその回収した電力を前記表示電極対の駆動に再利用する電力回収回路、及び前記表示電極対を電源電位及び接地電位にクランプするクランプ回路、及び第1の補助スイッチと第2の補助スイッチとを有する補助回路を用い、
    初期化期間と書き込み期間と維持期間とを有する複数のサブフィールドの前記維持期間において維持パルスを発生させて前記表示電極対に交互に印加して駆動するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記補助回路を、前記第1の補助スイッチを導通させたときには前記第1のインダクタに正方向の電流が流れ、前記第2の補助スイッチを導通させたときには前記第1のインダクタに負方向の電流が流れるように構成し、
    前記維持パルスの立ち上がりの直前には前記第1の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに正方向の電流を流して前記第1のインダクタに正方向のエネルギーをあらかじめ蓄積し、前記維持パルスの立ち下がりの直前には前記第2の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに負方向の電流を流して前記第1のインダクタに負方向のエネルギーをあらかじめ蓄積しておいて、
    前記維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、前記電力回収回路と前記容量性負荷との間に流れる電流を、前記LC共振によって発生する電流に、前記第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいた前記エネルギーにより発生する電流を付加した電流とすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  12. 前記第1の補助スイッチを導通させたときには前記回収コンデンサから前記第1のインダクタを通って基準電位に流れる電流を発生させ、前記第2の補助スイッチを導通させたときには電源電位から前記第1のインダクタを通って前記回収コンデンサに流れる電流を発生させることを特徴とする請求項11に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  13. 前記補助回路に用いる電源電位及び基準電位を表示画像に応じて制御することを特徴とする請求項11に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  14. 前記第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積するために前記第1の補助スイッチを導通させる時間、及び前記第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積するために前記第2の補助スイッチを導通させる時間を表示画像に応じて制御することを特徴とする請求項11に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  15. 表示電極対を構成する複数の走査電極及び維持電極を有するプラズマディスプレイパネルの前記表示電極対に、初期化期間、書き込み期間及び維持期間を有するサブフィールドの前記維持期間に維持パルスを交互に印加する維持パルス発生回路を備えたプラズマディスプレイ装置であって、
    前記維持パルス発生回路は、
    第1のインダクタと第2のインダクタとからなるLC共振用の回収インダクタと電力回収用の回収コンデンサと電力回収経路と電力供給経路とを有し、前記表示電極対の容量性負荷に蓄積された電力をLC共振によって電力回収経路を介して前記回収コンデンサに回収し、その回収した電力を電力供給経路を介して前記表示電極対の駆動に再利用する電力回収回路と、
    第1の補助スイッチ及び第2の補助スイッチを有する補助回路とを備え、
    前記補助回路は、前記電力供給経路を介して容量性負荷を駆動する直前に前記第1の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに正方向の電流を流し、電力回収経路を介して前記回収コンデンサに電力を回収する直前に前記第2の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに負方向の電流を流すように構成することにより、前記維持パルスの立ち上がりの直前には前記第1の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに正方向の電流を流して前記第1のインダクタに正方向のエネルギーを蓄積し、前記維持パルスの立ち下がりの直前には前記第2の補助スイッチを導通させて前記第1のインダクタに負方向の電流を流して前記第1のインダクタに負方向のエネルギーを蓄積し、
    前記電力回収回路は、前記維持パルスの立ち上げ時及び立ち下げ時に、前記電力回収回路と前記容量性負荷との間に流れる電流を、前記LC共振によって発生する電流に、前記第1のインダクタにあらかじめ蓄積しておいた前記エネルギーにより発生する電流を付加した電流とすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  16. 主電力および補助電力を用いて、容量性負荷を駆動するプラズマディスプレイ装置であって、
    前記主電力を充放電可能な主容量部と、
    前記補助電力を充放電可能な補助誘導部と、
    前記容量性負荷とLC共振する主誘導部と、
    前記LC共振に基づいて、前記容量性負荷から前記主誘導部を経由して前記主容量部へ、前記主電力を回収する経路を表す回収経路と、
    前記LC共振に基づいて、前記主容量部から前記主誘導部を経由して前記容量性負荷へ、回収された前記主電力を供給する経路を表す供給経路と、
    前記補助誘導部を含む経路であって、前記主電力の回収動作を強める方向に、前記補助誘導部に前記補助電力を充電する経路を表す回収充電経路と、
    前記補助誘導部において充電された前記補助電力を、前記主誘導部から前記補助誘導部へ放電し、前記主電力の回収動作を急峻にする経路を表す回収放電経路と、
    前記補助誘導部を含む経路であって、前記主電力の供給動作を強める方向に、前記補助誘導部に前記補助電力を充電する経路を表す供給充電経路と、
    前記補助誘導部において充電された前記補助電力を、前記補助誘導部から前記主誘導部へ放電し、前記主電力の供給動作を急峻にする経路を表す供給放電経路と、を有し、
    前記回収経路は、前記回収放電経路の少なくとも一部を共有し、
    前記供給経路は、前記供給放電経路の少なくとも一部を共有する、プラズマディスプレイ装置。
  17. 第1電源及び第2電源を用いて、容量性負荷を駆動するプラズマディスプレイ装置であって、
    前記第1電源から主電力を容量性負荷へ供給し、前記容量性負荷の所定電極を主電位及び基準電位に保持する保持回路と、
    前記保持回路において保持される保持電位が主電位から基準電位へ変化する間に、前記容量性負荷から主電力を回収し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する間に、回収された主電力を前記容量性負荷へ供給する電力循環回路と、
    前記電力循環回路から主電力の一部を補助電力として受ける一方、前記第2電源から補助電力を受ける補助回路と、を有し、
    前記補助回路は、補助電力を一時的に蓄積する補助誘導部を含み、
    前記電力循環回路は、前記補助誘導部が蓄積した補助電力に基づいて、主電力の回収動作及び供給動作を急峻にする、プラズマディスプレイ装置。
  18. 前記補助誘導部は、保持電位が主電位から基準電位へ変化する直前に、蓄積された電力に基づいて、前記電力循環回路が主電力を回収する回収方向へ流れる補助電流を生成し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する直前に、蓄積された電力に基づいて、前記電力循環回路が主電力を供給する供給方向へ流れる補助電流を生成し、
    前記電力循環回路は、保持電位が主電位から基準電位へ変化する間に、回収される主電力に基づいて回収方向へ流れる主電流に、補助電流を追加し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する間に、供給される主電力に基づいて供給方向へ流れる主電流に、補助電流を追加する、請求項17に記載のプラズマディスプレイ装置。
  19. 前記電力循環回路は、
    回収された主電力を一時的に蓄積する主容量部と、
    前記容量性負荷と共振することより主電力の回収動作及び供給動作を行う主誘導部と、を含み、
    前記主誘導部は、前記補助誘導部及び副主誘導部を含み、
    前記主容量部は、前記容量性負荷との間で、前記主誘導部を介して主電力を回収及び供給する、請求項18に記載のプラズマディスプレイ装置。
  20. 前記補助回路は、前記補助誘導部に接続される、第1スイッチ及び第2スイッチを含み、
    前記補助誘導部は、前記第1スイッチの導通時に、供給方向へ流れる補助電流を生成し、前記第2スイッチの導通時に、回収方向へ流れる補助電流を生成する、請求項19に記載のプラズマディスプレイ装置。
  21. 前記補助回路及び前記電力循環回路は、前記第1スイッチの導通時に、前記主容量部から前記補助誘導部を介して前記第1スイッチへ流れる補助電流を生成し、前記第2スイッチの導通時に、前記第2スイッチから前記補助誘導部を介して前記主容量部へ流れる補助電流を生成する、請求項20に記載のプラズマディスプレイ装置。
  22. 前記補助回路は、
    前記第1スイッチに並列に接続される第1コンデンサと、
    前記第2スイッチに並列に接続される第2コンデンサと、を含む、請求項20に記載のプラズマディスプレイ装置。
  23. 前記保持回路は、前記補助誘導部に接続される、第3スイッチ及び第4スイッチを含み、
    前記補助誘導部は、前記第1スイッチ及び前記第4スイッチの導通時に、供給方向へ流れる補助電流を生成し、前記第2スイッチ及び前記第3スイッチの導通時に、回収方向へ流れる補助電流を生成する、請求項20に記載のプラズマディスプレイ装置。
  24. 前記補助回路は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが導通する期間を、表示画像に応じて変化させる、請求項20に記載のプラズマディスプレイ装置。
  25. 前記主容量部は、
    接地端子に接続される第1副主容量部と、
    前記第1電源に接続される第2副主容量部と、を含み、
    前記第1副主容量部及び第2副主容量部は、互いに直列に接続される、請求項19に記載のプラズマディスプレイ装置。
  26. 前記電力循環回路は、前記補助誘導部のインダクタンスを、前記主誘導部のインダクタンスの半分以上に設定する、請求項19に記載のプラズマディスプレイ装置。
  27. 前記補助誘導部及び前記副主誘導部は、互いに相互誘導動作をする、請求項19に記載のプラズマディスプレイ装置。
  28. 前記補助回路は、前記補助誘導部に接続されるスイッチ部を含み、
    前記スイッチ部は、前記補助誘導部を前記第2電源に接続して補助電位に設定する、請求項19に記載のプラズマディスプレイ装置。
  29. 前記補助回路は、補助電位又は基準電位を、表示画像に応じて変化させる、請求項27に記載のプラズマディスプレイ装置。
  30. 前記補助誘導部は、第1副補助誘導部及び第2副補助誘導部を含み、
    前記第1副補助誘導部は、供給方向へ流れる補助電流を生成し、
    前記第2副補助誘導部は、回収方向へ流れる補助電流を生成する、請求項18に記載のプラズマディスプレイ装置。
  31. 第1電源及び第2電源を用いて、容量性負荷を駆動するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記第1電源から主電力を容量性負荷へ供給し、前記容量性負荷の所定電極を主電位及び基準電位に保持するステップと、
    保持される保持電位が主電位から基準電位へ変化する間に、前記容量性負荷から主電力を回収し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する間に、回収された主電力を前記容量性負荷へ供給するステップと、
    主電力の一部を補助電力として受ける一方、前記第2電源から補助電力を受けるステップ、とを有し、
    前記回収及び供給するステップは、補助電力を一時的に蓄積する補助誘導部において蓄積された補助電力に基づいて、主電力の回収動作及び供給動作を急峻にする、プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  32. 前記電磁誘導により蓄積するステップは、保持電位が主電位から基準電位へ変化する直前に、蓄積された電力に基づいて、前記回収及び供給するステップにおいて主電力が回収される回収方向へ流れる補助電流を生成し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する直前に、蓄積された電力に基づいて、前記回収及び供給するステップにおいて回収された主電力が供給される供給方向へ流れる補助電流を生成し、
    前記回収及び供給するステップは、保持電位が主電位から基準電位へ変化する間に、回収される主電力に基づいて回収方向へ流れる主電流に、補助電流を追加し、保持電位が基準電位から主電位へ変化する間に、供給される主電力に基づいて供給方向へ流れる主電流に、補助電流を追加する、請求項31に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  33. 前記回収及び供給するステップは、回収された主電力を一時的に蓄積する主容量部と、前記容量性負荷と共振することより主電力の回収動作及び供給動作を行う主誘導部とにおいて、前記主容量部と前記容量性負荷との間で、前記主誘導部を介して主電流を回収及び供給する、請求項32に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  34. 前記電力を受けるステップは、主電力の一部及び補助電力のうちいずれか一方に切り換える第1スイッチ及び第2スイッチにおいて、前記第1スイッチの導通時に、供給方向へ流れる補助電流を生成し、前記第2スイッチの導通時に、回収方向へ流れる補助電流を生成する、請求項33に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  35. 前記電力を受けるステップは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチが導通する期間を、表示画像に応じて変化させる、請求項34に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  36. 前記電力を受けるステップ並びに前記回収及び供給するステップは、前記第1スイッチの導通時に、前記主容量部から前記補助誘導部を介して前記第1スイッチへ流れる補助電流を生成し、前記第2スイッチの導通時に、前記第2スイッチから前記補助誘導部を介して前記主容量部へ流れる補助電流を生成する、請求項34に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  37. 前記電力を受けるステップは、補助電力に基づいて補助電位に設定する、請求項33に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  38. 前記電力を受けるステップは、補助電位又は基準電位を、表示画像に応じて変化させる、請求項37に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104157253A (zh) * 2014-06-25 2014-11-19 友达光电股份有限公司 时钟脉冲信号产生电路及其预充/预放方法

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