JP2009208539A - ハイブリッド制御装置及びハイブリッド制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機に異常が発生した場合に、発電機に発生する電力を低減して、ハイブリッド車両の走行を継続させることのできるハイブリッド制御装置及びハイブリッド制御方法を提供する。
【解決手段】動力分割機構61を構成するプラネタリキャリア617に連結されたエンジン2と、サンギヤ611に連結された発電機MG1と、リングギヤ612に連結された車両1の駆動軸62に減速機構63を介して連結された電動機MG2を、車両の要求パワーに基づいて制御する動力制御部を備えているハイブリッド制御装置84であって、電動機MG1に異常が発生し、且つ、発電機MG1及び電動機MG2が接続されたバッテリ3が充電できない場合に、発電機MG1に制動トルクを付与する制動機構9を制御してエンジン直行トルクで走行可能に制御する走行制御部を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】動力分割機構61を構成するプラネタリキャリア617に連結されたエンジン2と、サンギヤ611に連結された発電機MG1と、リングギヤ612に連結された車両1の駆動軸62に減速機構63を介して連結された電動機MG2を、車両の要求パワーに基づいて制御する動力制御部を備えているハイブリッド制御装置84であって、電動機MG1に異常が発生し、且つ、発電機MG1及び電動機MG2が接続されたバッテリ3が充電できない場合に、発電機MG1に制動トルクを付与する制動機構9を制御してエンジン直行トルクで走行可能に制御する走行制御部を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、動力分割機構を介して接続されたエンジン、発電機、及び電動機を車両の要求パワーに基づいて制御するハイブリッド制御装置及びハイブリッド制御方法に関する。
動力分割機構を構成する遊星歯車機構のプラネタリキャリアに出力軸が連結されたエンジンと、サンギヤに入力軸が連結された発電機と、リングギヤに連結された車両の駆動軸に減速機構を介して連結された電動機とを備え、エンジン、発電機、及び電動機を併用して動力を得ることで、エンジンの燃費の向上等を図るハイブリッド車両が提案されている。
ハイブリッド車両には、エンジン、発電機、及び電動機を車両の要求パワーに基づいて制御するハイブリッド制御装置が備えられている。
ハイブリッド制御装置は、ハイブリッド車両の通常走行時には、エンジン直行トルクと電動機の出力トルクの和を走行トルクとしている。ここで、エンジン直行トルクは、エンジンの駆動に伴うプラネタリキャリアの回転によってサンギヤが回転したときに、サンギヤの回転を発電機によって止める方向に働かせることで、エンジンの駆動力がリングギヤに伝わって生じるトルクのことである。尚、このときのサンギヤの回転によって、発電機は回転して発電する。
そして、ハイブリッド制御装置は、ハイブリッド車両の通常走行時にエンジン直行トルクを出力する際、電動機を駆動させることで発電機での発電電力を消費している。
ところで、従来のハイブリッド制御装置は、電動機の制御回路等に異常があった場合、電動機の駆動を停止して、エンジンと発電機によるエンジン直行トルクのみでハイブリッド車両を走行させていた。よって、この場合は、発電機での発電電力を通常走行時のように電動機で消費することができないので、発電機での発電電力は全てバッテリの充電に使用されることになっていた。
しかし、この状態での走行を継続すると、バッテリが満充電となり、ハイブリッド制御装置は、バッテリの充電が実行されないような制御を実行する。つまり、発電機での発電を禁止させるべく発電機のトルクが零となるように制御する。その結果、発電機の回転は停止して発電されなくなるが、発電機のトルクが零であるので、プラネタリキャリアは空回りとなり、エンジンの駆動力がリングギヤを介して駆動軸へ伝達されなくなり、駆動輪が回転せず、ハイブリッド車両の走行ができなくなってしまう。
このような問題を解決するために、特許文献1には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関の出力軸と駆動軸とに接続され、内燃機関からの動力の一部を発電機により電力に変換すると共に残余の動力を駆動軸に出力可能な電力変換動力出力手段と、駆動軸に動力を出力可能な電動機と、電動機の異常等により電動機から駆動軸への動力の出力が不可能であるとき、内燃機関から電力変換動力出力手段を介して駆動軸に出力される動力だけで駆動軸に動力が出力されるよう内燃機関と電力変換動力出力手段とを駆動制御すると共に、発電機で変換された電力がエアコンディショナのコンプレッサを含む補機で消費されるよう制御する直達時制御手段とを備えることで、バッテリの過充電を防止することのできる動力出力装置が開示されている。
尚、特許文献2には、ハイブリッド車が走行モードであり且つそのエンジンが停止している状態でバッテリの異常を検出した場合に、エンジンの始動を指令して、エンジンの始動完了後に、バッテリの充放電を禁止すると共に走行モード中におけるエンジンの停止を禁止することで、エンジン停止中にバッテリ異常が発生した場合であってもエンジンの始動が不可能になることを防止することのできるハイブリッド車の駆動装置が開示されている。
特開2006−14386号公報
特開2001-25103号公報
しかし、特許文献1の動力出力装置では、電動機の故障時に補機で強制的に電力を消費させることによる弊害が生じる虞がある。
例えば、特許文献1の動力出力装置を、電動機の故障時に、発電機で変換された電力をエアコンディショナのコンプレッサで消費させる構成とした場合、エアコンディショナが必要以上に作動することにより、車内温度が下がりすぎて車両の乗員に不快を感じさせる虞がある。
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、電動機に異常が発生した場合に、発電機に発生する電力を低減して、ハイブリッド車両の走行を継続させることのできるハイブリッド制御装置及びハイブリッド制御方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるハイブリッド制御装置の特徴構成は、動力分割機構を構成する遊星歯車機構のプラネタリキャリアに出力軸が連結されたエンジンと、サンギヤに入力軸が連結された発電機と、リングギヤに連結された車両の駆動軸に減速機構を介して連結された電動機を、車両の要求パワーに基づいて制御する動力制御部を備えているハイブリッド制御装置であって、前記電動機に異常が発生し、且つ、前記発電機及び前記電動機が接続されたバッテリが充電できない場合に、前記発電機に制動トルクを付与する制動機構を制御してエンジン直行トルクで走行可能に制御する走行制御部を備えている点にある。
上述の構成によれば、制動機構によって発電機に付与された制動トルクが、サンギヤの回転を止めるように作用するので、サンギヤの回転が止まっても当該制動トルクによって発電機のトルクは零とはならず、エンジン直行トルクはリングギヤに伝わる。
また、上述の構成によれば、制動機構によって発電機に付与された制動トルクは、発電機の回転を停止させるように作用するので、発電機の回転は停止して発電されなくなる。
以上説明した通り、本発明によれば、電動機に異常が発生した場合に、発電機に発生する電力を低減して、ハイブリッド車両の走行を継続させることのできるハイブリッド制御装置及びハイブリッド制御方法を提供することができるようになった。
以下、本発明によるハイブリッド制御装置及びハイブリッド制御方法について説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両1は、エンジン2、バッテリ3、インバータ4、駆動輪5、無段変速機構6、及び本発明によるハイブリッド制御装置84を含む複数の電子制御装置8等を備えて構成されている。
エンジン2は、図2に示すように、内燃部20と、内燃部20へ吸入される空気及び燃料の通路となる吸気管21と、外気の汚れを除去するエアフィルタ22と、吸気量を検出するエアフロメータ23と、吸入される空気量を制御するスロットルバルブ24と、内燃部20の吸気ポート20Aに対して燃料タンクに貯蔵された燃料を噴射するための燃料噴射弁としてのフュエルインジェクション25と、内燃部20で燃焼されたガスを排気する排気通路26と、排気されたガスを浄化する触媒27と、触媒27の上流側に設置された酸素濃度センサとなる空燃比検出手段としてのA/Fセンサ28等を備えて構成されている。尚、スロットルバルブ24には、例えば、リニア式スロットル・ポジション・センサからなるスロットル開度を検出するためのスロットル開度検出手段24Aが設置されている。
エンジン2は、複数の電子制御装置8のうちの後述するエンジン制御装置82によって、ハイブリッド制御装置84から要求されるエンジン要求パワーを満たし、かつ最適燃費となるエンジン回転数となるようにスロットル開度を制御する。また、エンジン制御装置82は、A/Fセンサ28により検出された酸素濃度に基づいて算出された空燃比が目標空燃比となるようにフュエルインジェクション25から燃料噴射される燃料量が調整されてストイキ制御が行なわれることで、内燃部20が適切に駆動されるように構成されている。
バッテリ3は、後述する発電機MG1及び電動機MG2とインバータ4を介して接続されており、複数の電池セルが一体化されたモジュールを複数直列に接続したリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の組電池で構成されている。
インバータ4は、図1に示すように、複数の電子制御装置8のうちの後述するMG制御装置83によって、バッテリ3から入力された直流電力を交流電力に変換して発電機MG1及び電動機MG2に出力するとともに、発電機MG1及び電動機MG2から入力された交流電力を直流電力に変換してバッテリ3に出力する。
無段変速機構6は、エンジン2のクランクシャフトから入力されたトルクを、遊星歯車機構でなる動力分割機構61を介してプロペラ軸62及び発電機MG1に伝達する。また、無段変速機構6には、プロペラ軸62を駆動する走行アシスト用の電動機MG2がリダクションギヤ等のギヤ機構63を介して備えられ、プロペラ軸62がデファレンシャルギヤ機構64を介して駆動輪5に連結されている。
発電機MG1及び電動機MG2は、発電機及び電動機の両方として機能し得るが、発電機MG1は名称のとおり主として発電機として動作し、電動機MG2も名称のとおり主として電動機として動作する。
発電機MG1は、動力分割機構61を介して伝達されたエンジン2からのトルクによって回転駆動して発電する。発電機MG1による発電電力は、インバータ4を介してバッテリ3及び/または電動機MG2に供給され、バッテリ3の充電電力及び/または電動機MG2の駆動電力として用いられる。
電動機MG2は、インバータ4から入力された交流電力によって回転駆動される。電動機MG2の回転駆動で生成された駆動力は、ギヤ機構63、プロペラ軸62、及びデファレンシャルギヤ機構64を介して駆動輪5へ伝達される。また、ハイブリッド車両1の減速時には、電動機MG2の回転駆動による発電電力がインバータ4を介してバッテリ3に供給され、バッテリ3が充電される。
動力分割機構61は、図3に示すような遊星歯車機構で構成されており、サンギヤ611と、リングギヤ612と、複数のピニオンギヤ613とを備えている。尚、図3は、図1に示した動力分割機構61の断面図である。
図1に示すように、サンギヤ611は、サンギヤ軸614を介して発電機MG1の回転軸と接続されており、リングギヤ612は、リングギヤ軸615及びギヤ機構63を介して電動機MG2の回転軸と接続されている。
複数のピニオンギヤ613は、サンギヤ611およびリングギヤ612との間に配置され、各ピニオンギヤ613が、サンギヤ611の外周を自転しながら公転する。各ピニオンギヤ613の公転力は、プラネタリキャリア軸616により図3に示すプラネタリキャリア617の回転力として与えられる。プラネタリキャリア軸616はエンジン2と接続されている。
プラネタリキャリア617の回転に伴ってサンギヤ611及びリングギヤ612が回転することにより、エンジン2からプラネタリキャリア軸616を介して供給されたトルクが、ピニオンギヤ613を介してリングギヤ612及びサンギヤ611へ伝達される。つまり、エンジン2によるトルクが、プロペラ軸62のトルクと発電機MG1のトルクとに分割される。
以上の説明より、エンジン2の出力軸であるプラネタリキャリア軸616が動力分割機構61を構成する遊星歯車機構のプラネタリキャリア617に連結されており、発電機MG1の入力軸であるサンギヤ軸614がサンギヤ611に連結されており、電動機MG2がリングギヤ612に連結された車両1の駆動軸であるプロペラ軸62に、減速機構としてのギヤ機構63を介して連結されている。
以下、無段変速機構6の動作について詳述する前提として、プラネタリキャリア617(エンジン2)、サンギヤ611(発電機MG1)、リングギヤ612(プロペラ軸62)の回転数及びトルクの算出について詳述する。
遊星歯車機構では、サンギヤ611、リングギヤ612、及びプラネタリキャリア617のうちの何れか二つについて回転数及びトルクが決定されると、残り一つの回転数およびトルクが決定される。
ここで、プラネタリキャリア617(エンジン2)、サンギヤ611(発電機MG1)、またはリングギヤ612(プロペラ軸62)の回転数は、残り二つの回転数、及び、サンギヤ611とリングギヤ612の歯の数の比に基づいて、以下の数1から数3で決定される。尚、数1から数3において、Neはエンジン2の回転数、Ngは発電機MG1の回転数、Npはプロペラ軸62の回転数、ρはサンギヤ611とリングギヤ612の歯の数の比(サンギヤ611の歯の数をリングギヤ612の歯の数で除算した値)である。
また、エンジン2、発電機MG1、及びプロペラ軸62のトルクは、以下の数4から数6の関係を有している。尚、数4から数6において、Teはエンジン2のトルク、Tgは発電機MG1のトルク、Tpはプロペラ軸62のトルク、Tepはエンジン直行トルク、Tmpはプロペラ軸換算トルクであり、エンジン直行トルクTep及びプロペラ軸換算トルクTmpについては以下で説明する。
エンジン直行トルクTepは、エンジン2のトルクTe及び発電機MG1のトルクTgの二箇所のトルクによって決定されるプロペラ軸62に加わるトルクのことである。また、プロペラ軸換算トルクTmpは、電動機MG2のトルクにギヤ機構63のギヤ比を乗算することで算出されるトルクである。
つまり、数6より、プロペラ軸62のトルクTpは、エンジン2のトルクによってプロペラ軸62に加えられるトルクであるエンジン直行トルクTepと、電動機MG2のトルクによってプロペラ軸62に加えられるトルクであるプロペラ軸換算トルクTmpとの合算によって決定される。
以下、図4から図6に示す共線図を用いて、無段変速機構6の動作について詳述する。
ハイブリッド車両1が停止している場合、エンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2は何れも停止しており、エンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2の回転数及びトルクは零であるため、共線図におけるエンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2の動作点は図4(a)で示すような直線で表わされる。
ハイブリッド車両1が、エンジン2を停止させて電動機MG2の駆動力のみで前進している場合、エンジン2の回転数Neはエンジン2停止のため零であり、プロペラ軸62は電動機MG2の駆動力により正回転(回転数Npは正の値)であり、発電機MG1はプロペラ軸62の正回転により負回転(回転数Ngは負の値)である。
また、エンジン2のトルクTgはエンジン2停止のため零であるので、発電機MG1のトルクTgも零となり、プロペラ軸62のトルクTp(正トルク)がそのままハイブリッド車両1の駆動力となる。
よって、共線図におけるエンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2の動作点は図4(b)で示すような直線で表わされる。
ハイブリッド車両1が、エンジン2による前進加速走行を行なっている場合、エンジン2は正回転(回転数Neは正の値)である。プロペラ軸62は正回転(回転数Npは正の値)であり、ハイブリッド車両1が高速である程その回転数Npは大きくなる。発電機MG1は、低速走行では正回転(回転数Ngは正の値)だが、高速走行ではプロペラ軸62の回転数Npの増大により負回転(回転数Ngは負の値)となる。
また、エンジン2のトルクTeは、ハイブリッド車両1が加速走行のため、正トルクであり、発電機MG1のトルクTgは、エンジン2のトルクTeが正トルクであるため、負トルクとなる。エンジン直行トルクTepは、ハイブリッド車両1が加速走行のため、車速にかかわらず正トルクとなるが、プロペラ軸換算トルクTmpは、ハイブリッド車両1が低速の場合には正トルクとなるが、ハイブリッド車両1が高速の場合には発電機MG1の消費電力を賄うための発電により負トルクとなる。但し、エンジン直行トルクTepの絶対値がプロペラ軸換算トルクTmpの絶対値よりも大きいため、エンジン直行トルクTepとプロペラ軸換算トルクTmpの合計であるプロペラ軸62のトルクTpは正トルクとなる。
よって、共線図におけるエンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2の動作点は、低速の場合は図5(a)、高速の場合は図5(b)で示すような直線で表わされる。
ハイブリッド車両1が、図5(a)の状態で、エンジン2による前進減速走行を行なっている場合、ハイブリッド車両1が前進走行のため、エンジン2、プロペラ軸62、及び発電機MG1共に正回転(回転数Ne、Np、Ngは正の値)である。
また、エンジン2のトルクTeは、ハイブリッド車両1が減速走行のため、負トルクであり、発電機MG1のトルクTgは、エンジン2のトルクTeが負トルクであるため、正トルクとなる。エンジン直行トルクTepは、ハイブリッド車両1が減速走行であるため制動力を確保するために、負トルクとなり、プロペラ軸換算トルクTmpは、発電機MG1の消費電力を賄うために、負トルクとなる。つまり、エンジン直行トルクTepとプロペラ軸換算トルクTmpの加算値であるプロペラ軸62のトルクTpは負トルクとなる。
よって、共線図におけるエンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2の動作点は図6で示すような直線で表わされる。
上記の動作原理に基づき、ハイブリッド車両1は、エンジン2または電動機MG2のトルクによって、または、エンジン2及び電動機MG2のトルクの併用によって走行する。ハイブリッド車両1は、エンジン2及び電動機MG2の双方を駆動源として走行することにより、プロペラ軸62から出力すべきトルクに応じて、エンジン2を運転効率の高い動作点で駆動できる。よって、ハイブリッド車両1は、エンジン2のみを駆動源とする従来の車両に比べて低燃費とすることができる。
尚、発電機MG1及び電動機MG2により発電された電力の全てまたは一部は、バッテリ3に蓄積される。また、バッテリ3に蓄積された電力によって、発電機MG1または電動機MG2を駆動することもできる。
電子制御装置8は、バッテリ3の充電状態の監視を行なうバッテリ制御装置81と、エンジン2の吸気量及び燃料噴射量の制御等を実行するエンジン制御装置82と、モータジェネレータMGを制御するMG制御装置83と、動力分割機構61を介して接続されたエンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2とをハイブリッド車両1の要求パワーとバッテリ3の充電許可電力及び放電許可電力に基づいて制御するハイブリッド制御装置84等を備えて構成されている。
各電子制御装置8には、CPUを備えたマイクロコンピュータ、CPUで実行される制御プログラムが格納されたROM及び/またはEEPROM、ワーキングエリアとして使用されるRAM、及び入出力回路等が設けられており、以下で説明する各電子制御装置8の各機能(例えば、動力制御部及び走行制御部の機能)は、CPUが制御プログラムを実行することで実現されている。尚、各電子制御装置8は相互に通信可能に接続されている。
バッテリ制御装置81は、バッテリ3の出力電圧を測定する電圧測定部31と、出力電流を測定する電流測定部32と、温度を測定する温度測定部33からの測定値が入力されており、バッテリ制御装置81は、これらの測定値に基づいてバッテリ残存容量(以下、「充電状態SOC(State of Charge)」と記す。)を演算する。
エンジン制御装置82は、エンジン2に備えられたクランク角センサ、エアフローセンサ、及びA/Fセンサ28等の各センサの入力信号、並びに他の電子制御装置8からの通信データ(例えば、ハイブリッド制御装置84からの要求パワーを示すデータ)等に基づいてエンジン2の状態を把握し、エンジン2への燃料供給量及び供給タイミング並びにスロットル開度等を制御することにより適切な回転数となるようにエンジン2を駆動制御する。
MG制御装置83は、ハイブリッド制御装置84から入力された発電機MG1及び電動機MG2の要求トルクを満たすように発電機MG1及び電動機MG2を駆動制御し、また、ハイブリッド制御装置84から発電機MG1または電動機MG2に対してバッテリ3への出力要求がある場合、当該出力要求を満たす発電量を確保するために発電機MG1及び電動機MG2を駆動制御する。
ハイブリッド制御装置84は、エンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2を車両の要求パワーに基づいて制御する動力制御部を備えている。
動力制御部は、アクセルポジションセンサから得られたアクセル開度、シフトポジションセンサから得られたシフト位置、及び車速センサから得られた車速情報等のハイブリッド車両1の運転状態に基づいてエンジン出力及びモータトルクを算出する。また、動力制御部は、バッテリ制御装置81において充電状態SOC等に基づいて算出されたバッテリ3が必要とする電力値をバッテリ制御装置81から受け取る。
そして、動力制御部は、算出したエンジン出力及びモータトルクを実現するために必要な電力値、及び、バッテリ制御装置81から受け取ったバッテリ3が必要とする電力値の合計値のパワーを、エンジン制御装置82及びMG制御装置83に要求する。つまり、動力制御部は、ユーザ要求(アクセル、シフト等)やバッテリ3が必要とする電力値に基づいて、エンジン2、発電機MG1、及び電動機MG2に駆動力を分配する。
動力制御部は、ハイブリッド車両1の力行時にバッテリ3からの放電電力を発電機MG1または電動機MG2に供給し、ハイブリッド車両1の回生制動時に発電機MG1または電動機MG2による発電電力でバッテリ3を充電するように、MG制御装置83に発電機MG1及び電動機MG2を制御させる。
詳述すると、動力制御部は、バッテリ制御装置81から入力されたバッテリ3の充電状態SOCとハイブリッド制御装置7のROMに格納されたハイブリッド車両1の運転状態に対するエンジン出力及びモータトルクの配分を示すマップ情報等に基づいて演算処理を実行し、充電許可電力Win及び放電許可電力Woutの範囲内でバッテリ3の充放電が実行されるようにMG制御装置83に発電機MG1及び電動機MG2を制御させる。
ここで、充電許可電力Win及び放電許可電力Woutは、バッテリ制御装置7で推定された充電状態SOCに応じて規定されるバッテリ3の入出力許可電力範囲のことであり、図7(a)に示すような充電状態SOCに対する入出力許可電力範囲を示したマップデータとして、ハイブリッド制御装置84のROMまたはEEPROMに記憶されている。
ハイブリッド制御装置84は、電動機MG2に異常が発生し、且つ、バッテリ3が充電できない場合、例えばバッテリ3の充電状態SOCが所定の充電状態より高い場合に、発電機MG1に制動トルクを付与する制動機構9を制御してエンジン直行トルクで走行可能に制御する走行制御部を備えている。
電動機MG2の異常としては、例えば、電動機MG2の制御回路上の素子の故障等に起因する制御回路異常がある。
電動機MG2の異常の有無を判断する方法として、例えば、走行制御部が、電動機MG2を構成する回転体の磁極位置の検出のためのレゾルバ等の位置センサの出力信号を読み取り、当該出力信号が、現在の電動機MG2の回転数や回転速度に相当する信号ではない、または、当該出力信号が入力されてこない等、回転体の磁極位置の異常を示すものであった場合に、走行制御部は、電動機MG2は異常であると判断する。
そして、電動機MG2の異常を判断した走行制御部は、MG制御装置83を制御して電動機MG2を停止させる。その結果、駆動輪5の駆動は、エンジン2と発電機MG1によるエンジン直行トルクのみで行なわれる。
バッテリ3の充電状態SOCが所定の充電状態より高いときとは、充電状態SOCが以下のような設定値よりも大きくなるときである。つまり、前記設定値は、走行制御部による制動機構9の制御前に、充電状態SOCの増加に伴って充電許可電力Winが下落してしまい、その結果、動力制御部によりバッテリ3の充電が禁止されてしまう値よりも小さく設定された値である。
前記設定値の具体例としては、図7(a)に示すように、充電状態SOCの上昇に伴ってバッテリ3の充電許可電力Winが下落開始するときの残存容量SOC1、または、残存容量SOC1よりも所定量だけ小さい残存容量SOC2である。
制動機構9の実施形態としては、例えば、制動機構9が油圧式ブレーキ機構で構成された実施形態、制動機構9が力行駆動部で構成された実施形態、及び制動機構9が油圧式ブレーキ機構と力行駆動部で構成された実施形態の3種類があり、以下で各々について詳述する。
第一の実施形態では、制動機構9は、発電機MG1を摩擦制動する油圧式ブレーキ機構91で構成され、走行制御部は油圧式ブレーキ機構91に駆動信号を出力して発電機MG1に所定の制動トルクを付与するように構成されている。
以下に詳述する。油圧式ブレーキ機構91は、例えば、図8(a)に示すように、サンギヤ軸614と一体回転する円盤型のディスク911と、摩擦剤を張りつけたブレーキパッド912等を備えて構成されている。
ハイブリッド制御装置84のROMまたはEEPROMには、図7(b)に実線及び破線で例示するような充電状態SOCに対する油圧ブレーキ割合を示した油圧マップデータが記憶されており、走行制御部は、現在の充電状態SOCが所定の充電状態より高くなっている場合に、当該油圧マップデータを現在の充電状態SOCで検索して、現在の充電状態SOCに対応する油圧ブレーキ割合TRを導出する。
ここで、油圧ブレーキ割合TRとは、発電機MG1による制動トルクと油圧ブレーキ機構91による制動トルクの割合のことで、例えば、発電機MG1によってのみ制動トルクが作用する場合には、その値は「1」となり、油圧ブレーキ機構91によってのみ制動トルクが作用する場合には、その値は「0」となり、両者によって均等に制動トルクが作用する場合には、その値は「0.5」となる。
走行制御部は、導出した油圧ブレーキ割合TRを以下の数7及び数8に代入することで、サンギヤ611を介してプロペラ軸62に加わる制動トルク、つまり発電機MG1によってサンギヤ611に加わる制動トルクである発電機最終出力トルクT1及び油圧ブレーキ機構91によってサンギヤ611に加わる油圧ブレーキトルクT2を算出する。尚、数7及び数8において、T3は、電動機MG2に異常がなく、油圧ブレーキ機構91を使用しないときに、発電機MG1によってサンギヤ611に加わる制動トルクである。
走行制御部は、算出した油圧ブレーキトルクT2をサンギヤ611に加えるために必要な油圧を油圧式ブレーキ機構91にかけるための駆動信号を、油圧式ブレーキ機構91に出力する。
駆動信号を受け取った油圧式ブレーキ機構91は、ディスク911の両側を、ブレーキパッド912によって前記油圧にて締め付ける制御を実行する。それによって、サンギヤ611に油圧ブレーキトルクT2が加わる。
以下、制動機構9が油圧式ブレーキ機構91で構成された場合の、走行制御部の処理について、図9(a)に示すフローチャートに基づいて説明する。
走行制御部は、電動機MG2の異常を検出すると、MG制御装置83を制御して電動機MG2を停止させる。その結果、駆動輪5の駆動は、エンジン2と発電機MG1によるエンジン直行トルクのみで行なわれる。つまり、ハイブリッド車両1は退避走行を行なう(SA1)。
走行制御部は、現在の充電状態SOCをバッテリ制御装置81より読み込み(SA2)、現在の充電状態SOCが所定の充電状態(例えば、図7(a)に示す残存容量SOC1またはSOC2)より高くなっている場合に、図7(b)に示す油圧マップデータを現在の充電状態SOCで検索して、現在の充電状態SOCに対応する油圧ブレーキ割合TRを導出する(SA3)。
走行制御部は、ステップSA3で導出した油圧ブレーキ割合TRに基づいて、発電機最終出力トルクT1及び油圧ブレーキトルクT2を算出する(SA4、SA5)。そして、走行制御部は、算出した油圧ブレーキトルクT2をサンギヤ611に加えるために必要な油圧を油圧式ブレーキ機構91にかけるための駆動信号を、油圧式ブレーキ機構91に出力する。
第一の実施形態によれば、走行制御部は、バッテリ3の充電状態SOCに基づいて、異なる油圧ブレーキ割合を導出するので、バッテリ3の充電状態に応じて、制動機構9によって発電機MG1に付与する制動トルクを変動することができる。
第二の実施形態では、制動機構9は、発電機MG1を力行駆動する力行駆動部で構成され、走行制御部は力行駆動部に駆動信号を出力して発電機MG1に所定の制動トルクを付与するように構成されている。
以下に詳述する。力行駆動部は、例えば、発電機MG1を所定の回転数及びトルクで駆動するために、インバータに所定のPWM信号を出力するMG制御装置83で構成されている。
ハイブリッド制御装置84のROMまたはEEPROMには、充電状態SOCに対する三相交流電流の周波数及び位相等が力行マップデータとして記憶されており、走行制御部は、現在の充電状態SOCが所定の充電状態より高くなっている場合に、当該力行マップデータを現在の充電状態SOCで検索して、現在の充電状態SOCに対応する三相交流電流の周波数や位相等を導出する。
尚、三相交流電流は、MG制御装置83からインバータ4に出力されるPWM信号がインバータ4で変換されて出力された電流のことであり、三相交流電流の位相は、インバータ4から出力された電流の位相のことである。
走行制御部は、導出した三相交流電流の周波数や位相等で発電機MG1を駆動させるための駆動信号をMG制御装置83に出力し、当該駆動信号を受け取ったMG制御装置83は、当該駆動信号に対応した三相交流電流の周波数や位相等が発電機MG1に出力されるようなPWM信号をインバータ4に出力する。
三相交流電流の周波数や位相を受け取った発電機MG1は、三相交流電流の周波数や位相を以下の数9及び数10に代入することで算出される力行トルクで回転する。つまり、それまで発電機MG1に作用していた制動トルクと逆方向の力行トルクが、発電機MG1に作用することにより、発電機MG1の回数数が減少して、発電機MG1での発電電力が減少するのである。
数9及び数10において、Iu、Iv、Iwは三相交流の電流値、Id,IqはIu、Iv、Iwに対するd,q成分値、θnはd軸の進み角(rad)、Pnは極対数、Phiは鎖交磁束(V/rad/s)、Ldはd軸インダクタンス(H)、そしてLqはq軸インダクタンス(H)である。
以下、制動機構9が力行駆動部で構成された場合の、走行制御部の処理について、図9(b)に示すフローチャートに基づいて説明する。
ステップSB1、SB2は、第一の実施形態における図9(a)のステップSA1、SA2と同様である。
走行制御部は、現在の充電状態SOCが所定の充電状態より高くなっている場合に、力行マップデータを現在の充電状態SOCで検索して、現在の充電状態SOCに対応する対応する三相交流電流の周波数や位相等を導出し(SB3)、導出した三相交流電流の周波数や位相等で発電機MG1を駆動させるための駆動信号を力行駆動部に出力する(SB4)。
第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様、走行制御部は、バッテリ3の充電状態SOCに基づいて、異なる三相交流電流の周波数や位相等を導出するので、バッテリ3の充電状態に応じて、制動機構9によって発電機MG1に付与する制動トルクを変動することができる。
第三の実施形態では、制動機構9が発電機MG1を摩擦制動する油圧式ブレーキ機構91及び発電機MG1を力行駆動する力行駆動部で構成され、走行制御部はバッテリ3の充電状態SOCに基づいて油圧式ブレーキ機構91による制動トルクと力行駆動部による制動トルクの配分比を調整するように構成されている。
以下に詳述する。ハイブリッド制御装置84のROMまたはEEPROMには、充電状態SOCに対する油圧マップデータと力行マップデータの配分比が配分マップデータとして記憶されている。
走行制御部は、現在の充電状態SOCが所定の充電状態より高くなっている場合に、以下の四ステップで、油圧ブレーキトルクT2及び三相交流電流の周波数や位相等を導出する。
第一ステップでは、第一の実施形態で説明したように油圧ブレーキトルクT2を算出し、第二ステップでは、第二の実施形態で説明したように力行トルクを算出する。そして、第三ステップでは、配分マップデータを現在の充電状態SOCで検索して配分比を導出し、第一ステップで算出した油圧ブレーキトルクT2と第二ステップで算出した力行トルクに、当該配分比に基づく重み演算を行なうことによって、最終的な油圧ブレーキトルクT2と力行トルクを算出する。更に、第四ステップでは、算出した力行トルクとなるような三相交流電流の周波数や位相を算出する。
上述の構成によれば、第一及び第二の実施形態と同様、走行制御部は、バッテリ3の充電状態SOCに基づいて、異なる油圧ブレーキ割合並びに三相交流電流の周波数及び位相等を導出するので、バッテリ3の充電状態に応じて、制動機構9によって発電機MG1に付与する制動トルクを変動することができる。
以上説明したとおり、本発明によるハイブリッド制御方法は、動力分割機構61を構成する遊星歯車機構のプラネタリキャリア617に出力軸が連結されたエンジン2と、サンギヤ611に入力軸が連結された発電機MG1と、リングギヤ612に連結された車両の駆動軸に減速機構63を介して連結された電動機MG2を、車両1の要求パワーに基づいて動力制御するハイブリッド制御方法であって、電動機MG1に異常が発生し、且つ、発電機MG1及び電動機MG2が接続されたバッテリ3が充電できない場合に、発電機MG1に制動トルクを付与する制動機構9を制御してエンジン直行トルクで走行可能に制御する図9にフローチャートに示したような方法である。
以下、別実施形態について説明する。上述の実施形態では、制動機構9は、油圧式ブレーキ機構91または力行駆動部で構成され、走行制御部は油圧式ブレーキ機構91または力行駆動部に駆動信号を出力して発電機MG1に所定の制動トルクを付与する構成について説明したが、制動機構9は、油圧式ブレーキ機構91や力行駆動部の代わりに、または、これらに加えて発電機MG1を強制的に停止させるロック機構93で構成され、走行制御部はロック機構93に駆動信号を出力して発電機MG1に所定の制動トルクを付与するように構成されていてもよい。
以下に詳述する。ロック機構93は、例えば、図8(b)に示すように、サンギヤ軸614に穿たれた穴931と、穴931に挿入されることでサンギヤ軸614の回転を強制的に停止するロックピン932と、ロックピン932を上下駆動させてロックピン932の穴931へ挿入及び排出させるソレノイド933等を備えて構成されていてもよい。尚、穴931は孔であってもよい。
走行制御部は、現在の充電状態SOCが所定の充電状態より高くなっている場合に、ソレノイド933を制御してロックピン932を穴931へ挿入させることで、発電機MG1に所定の制動トルクを付与するように構成されていてもよい。
尚、ロック機構93は、ロックピン932を穴931へ挿入させるという構造上、サンギヤ軸614、つまり発電機MG1が非回転または所定数以下の回転数のときに使用される。その際、穴931がロックピン932の真下に位置していない場合には、走行制御部は、ロックピン932を穴931へ挿入させるようにソレノイド933を制御しつつ、発電機MG1を一瞬駆動させるようにMG制御装置83を制御してサンギヤ軸614を少し回転させることで、ロックピン932を穴931へ挿入する。
また、制動機構9にロック機構93を用いている構成の場合、エンジン2にセルモーターを設ける必要がある。エンジン2にセルモーターを設けるのは、ハイブリッド車両1では発電機MG1がセルモーターの役割も果たしているが、ロック機構93によって停止された発電機MG1の代わりに、エンジン2を始動させる機構が必要となるためである。
上述の構成によれば、ロック機構93によってサンギヤ611が固定されるので、プラネタリキャリア617が空回りすることはなく、エンジン直行トルクをリングギヤ612に伝えることができる。
ロック機構93は、電動機MG2に異常が発生したときだけでなく、発電機MG1に異常が発生したときにも、異常な発電機MG1での発電を実行させないことを目的として使用することができる。
以下に詳述する。ロック機構93を発電機MG1に異常が発生したときに用いる構成の場合、ハイブリッド車両1には、エンジン2にセルモーターを設けると共に、ギヤ機構63とデファレンシャルギヤ機構64の間のプロペラ軸62にクラッチを設ける必要がある。
クラッチを設けるのは、ロック機構93によってサンギヤ611が固定されていると、エンジン2の駆動力はエンジン直行トルクとして必ず駆動輪5に伝わってしまい、アイドリングが不可能となることから、エンジン2から駆動輪5への動力の伝達の有無を切り替えてアイドリングを可能とするためである。つまり、クラッチが切られているときにアイドリング状態が実現される。
以下、制動機構9がロック機構93で構成されているときに、発電機MG1または電動機MG2に異常が発生した場合の、走行制御部の処理について、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
発電機MG1に異常が生じた場合(SC1)、ハイブリッド車両1は退避走行を行ない(SC2)、走行制御部はアクセル開度を読み込み(SC3)、アクセル開度が全閉の場合は、ギヤ機構63とデファレンシャルギヤ機構64の間のクラッチを切り(SC4、SC5)、全閉でない場合は、クラッチの接続を維持する(SC4、SC6)。
尚、クラッチの接続を維持する場合は、ステップSC7以降の処理ができない、つまりステップSC9でのロック機構93による発電機MG1の停止ができないため、以降の走行の安全等の観点から早期に発電機MG1の停止を実行するために、運転者に対してアクセルを全閉にするように報知する等の対策をとることが好ましい。
クラッチが切られると(SC5)、走行制御部は、発電機MG1の回転数を小さくするために、電動機MG2に負トルクを出力させるように制御する(SC7)。
ステップSC7の制御は発電機MG1の回転数が一定値以下となるまで行なわれ(SC8)、一定値以下となると、走行制御部は、ロック機構93を駆動制御して発電機MG1を停止させる(SC9)。
一方、電動機MG2に異常が生じた場合(SC10)、ハイブリッド車両1は退避走行を行ない(SC11)、走行制御部は、現在の充電状態SOCをバッテリ制御装置81より読み込み(SC12)、現在の充電状態SOCが所定の充電状態より高くなっている場合に(SC13)、アクセル開度を読み込む(SC14)。そして、アクセル開度が全閉の場合はクラッチを切り(SC15、SC16)、全閉でない場合はクラッチの接続を維持する(SC15、SC6)。
クラッチが切られると(SC16)、走行制御部は、発電機MG1の回転数を小さくするために、油圧ブレーキ機構91や力行駆動部等を制御する(SC17)。
ステップSC17の制御は発電機MG1の回転数が一定値以下となるまで行なわれ(SC18)、一定値以下となると、走行制御部は、ロック機構93を駆動制御して発電機MG1を停止させる(SC19)。
上述の実施形態では、油圧式ブレーキ機構91がディスク911を備えたディスクブレーキである構成について説明したがディスクブレーキに限らず、例えば、ドラムブレーキであってもよい。
尚、上述した実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:車両(ハイブリッド車両)
2:エンジン
3:バッテリ
61:動力分割機構
611:サンギヤ
612:リングギヤ
617:プラネタリキャリア
62:駆動軸(プロペラ軸)
63:減速機構(ギヤ機構)
84:ハイブリッド制御装置
9:制動機構
91:油圧式ブレーキ機構
MG1:発電機
MG2:電動機
2:エンジン
3:バッテリ
61:動力分割機構
611:サンギヤ
612:リングギヤ
617:プラネタリキャリア
62:駆動軸(プロペラ軸)
63:減速機構(ギヤ機構)
84:ハイブリッド制御装置
9:制動機構
91:油圧式ブレーキ機構
MG1:発電機
MG2:電動機
Claims (5)
- 動力分割機構を構成する遊星歯車機構のプラネタリキャリアに出力軸が連結されたエンジンと、サンギヤに入力軸が連結された発電機と、リングギヤに連結された車両の駆動軸に減速機構を介して連結された電動機を、車両の要求パワーに基づいて制御する動力制御部を備えているハイブリッド制御装置であって、
前記電動機に異常が発生し、且つ、前記発電機及び前記電動機が接続されたバッテリが充電できない場合に、前記発電機に制動トルクを付与する制動機構を制御してエンジン直行トルクで走行可能に制御する走行制御部を備えているハイブリッド制御装置。 - 前記制動機構が前記発電機を摩擦制動する油圧式ブレーキ機構で構成され、前記走行制御部は前記油圧式ブレーキ機構に駆動信号を出力して前記発電機に所定の制動トルクを付与する請求項1記載のハイブリッド制御装置。
- 前記制動機構が前記発電機を力行駆動する力行駆動部で構成され、前記走行制御部は前記力行駆動部に駆動信号を出力して前記発電機に所定の制動トルクを付与する請求項1記載のハイブリッド制御装置。
- 前記制動機構が前記発電機を摩擦制動する油圧式ブレーキ機構及び前記発電機を力行駆動する力行駆動部で構成され、前記走行制御部は前記バッテリの充電状態SOCに基づいて前記油圧式ブレーキ機構による制動トルクと前記力行駆動部による制動トルクの配分比を調整するように構成されている請求項1記載のハイブリッド制御装置。
- 動力分割機構を構成する遊星歯車機構のプラネタリキャリアに出力軸が連結されたエンジンと、サンギヤに入力軸が連結された発電機と、リングギヤに連結された車両の駆動軸に減速機構を介して連結された電動機を、車両の要求パワーに基づいて動力制御するハイブリッド制御方法であって、
前記電動機に異常が発生し、且つ、前記発電機及び前記電動機が接続されたバッテリが充電できない場合に、前記発電機に制動トルクを付与する制動機構を制御してエンジン直行トルクで走行可能に制御するハイブリッド制御方法。
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JP2008051696A JP2009208539A (ja) | 2008-03-03 | 2008-03-03 | ハイブリッド制御装置及びハイブリッド制御方法 |
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CN107458208A (zh) * | 2017-06-28 | 2017-12-12 | 中通客车控股股份有限公司 | 一种插电式混合动力客车的专用发动机 |
-
2008
- 2008-03-03 JP JP2008051696A patent/JP2009208539A/ja not_active Withdrawn
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