JP2009208116A - 摩擦攪拌接合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】突合部を好適に押さえ、高品質な金属部材同士の摩擦攪拌接合を行うとともに、回転ツールの交換作業を容易に行う。
【解決手段】回転ツール20を着脱可能に支持するとともに金属要素に対して昇降可能に構成された主軸ユニット10と、主軸ユニット10に吊設されたアーム31、および下端部に設けられたローラ部材32を含み、回転ツール20の移動方向前方において突合部TWの上面をローラ部材32で押圧可能な押圧手段30と、を備え、押圧手段30は、突合部TWの上面を押圧し得る押圧姿勢S1と、主軸ユニット10に対する回転ツール20の着脱を可能にする退避姿勢S2と、の間で姿勢変更可能に構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦攪拌接合装置に関する。
金属要素である金属部材同士を接合する装置として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)装置が知られている。摩擦攪拌接合は、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。なお、回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部の下端面に攪拌ピン(プローブ)を突設してなるものが一般的である。
ところで、摩擦攪拌接合は、前記のように回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合部に沿って移動させる接合方法であるため、接合時には、回転ツールの移動による金属部材のずれ等で接合欠陥が生じないように、金属部材同士を突き合わせた状態で強固に固定する必要がある。
そこで、従来、クランプ等の治具を利用して、金属部材同士を突き合わせた状態にして支持台に締着することが行われている。
また、回転ツールの前進方向前方において、金属部材同士の突合部を上面から押さえつけるように構成された加圧ローラを備えたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された摩擦攪拌接合装置によれば、加圧ローラにて金属部材同士の突合面を上方から直接押さえることができ、突合部における浮き上がりを防止することができる。
特許第3327327号公報
前記した加圧ローラを用いた摩擦攪拌接合装置において、突合部における浮き上がりを好適に防止するためには、回転ツールの近傍位置で突合部の上面を加圧ローラで押さえるようにすることが好ましい。
ところで、一般的に、摩擦攪拌接合装置を用いて製品を生産する場合、使用される回転ツールとしては、接合用の回転ツールとバリ取り用の回転ツールと、の少なくとも2本の回転ツールが使用される。このため、製品の生産時には、これらの回転ツールを付け替える交換作業が必要になってくる。回転ツールは、通常、装置側の主軸ユニットに対して着脱可能に設けられており、回転ツールの交換時には、主軸ユニットに対してこれを着脱することが行われている。
しかしながら、このような回転ツールの交換作業には次のような問題があった。すなわち、前記のように回転ツールに加圧ローラを近づけて配置した状態では、回転ツールの交換時に、回転ツールが加圧ローラに干渉する等、加圧ローラが交換の邪魔になってしまう。このため、回転ツールに加圧ローラを近づけて配置することには制約があった。また、回転ツールの交換を考慮して、回転ツールに加圧ローラをできるだけ近づけて配置するようにした場合には、交換作業時に、回転ツールと加圧ローラとの干渉を避けつつ回転ローラの着脱作業を慎重に進める必要があるため、回転ツールの交換作業が煩雑になるという問題があった。
このような観点から、本発明は、突合部を好適に押さえることができ、高品質な金属部材同士の摩擦攪拌接合を行うことが可能であるとともに、回転ツールの交換作業を容易に行うことができる摩擦攪拌接合装置を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明に係る摩擦攪拌接合装置は、金属要素同士の突合部に沿って回転ツールを移動させることで、前記金属要素同士を接合する摩擦攪拌接合装置であって、前記回転ツールを着脱可能に支持するとともに前記金属要素に対して昇降可能に構成された主軸ユニットと、前記主軸ユニットに吊設されたアーム、およびこのアームの下端部に設けられたローラ部材を含み、前記回転ツールの移動方向前方において前記突合部の上面を前記ローラ部材で押圧可能な押圧手段と、を備え、前記押圧手段は、前記突合部の上面を押圧し得る押圧姿勢と、少なくとも前記ローラ部材が前記回転ツールから離間する退避姿勢と、の間で姿勢変更可能に構成されていることを特徴としている。
この摩擦攪拌接合装置によれば、押圧手段を押圧姿勢にすることによって、突合部の上面をローラ部材で押圧しつつ摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、回転ツールの交換時には、押圧手段を退避姿勢にして、ローラ部材が回転ツールから離間するようにすることで、回転ツールの周りに交換のための空間を形成することができ、これによって、回転ツールの着脱をローラ部材等に干渉することなく好適に行うことができる。したがって、回転ツールの交換が行い易くなる。
また、押圧手段を退避姿勢にすることによって、回転ツールの周りに交換のための空間を形成することができるので、この空間に、回転ツールを自動で交換することが可能な装置、例えば、回転ツールの自動交換装置に設けられた支持部材をローラ部材に干渉させることなく進入させることができるようになり、回転ツールを自動で交換することができる。これにより、手動で回転ツールを交換するときに比べて交換時間の短縮を図ることができ、製品の生産効率が向上されて製造コストを低減することができる。
前記押圧手段は、前記主軸ユニットが所定の上昇位置にあるときに前記退避姿勢となるとともに、前記主軸ユニットが所定の下降位置にあるときに前記押圧姿勢となる構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、主軸ユニットを所定の上昇位置に上昇させることによって押圧手段が退避姿勢となり、回転ツールの周りに交換のための空間を形成することができる。これにより、回転ツールの交換を容易に行うことができる。また、主軸ユニットを所定の下降位置に下降させることによって押圧手段が押圧姿勢となり、ローラ部材による突合部の上面の押圧が可能となる。これによって、高品質な金属部材同士の摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、前記押圧手段は、前記主軸ユニットが前記上昇位置から前記下降位置に下降する過程で、前記ローラ部材が前記金属要素に当接しつつ前記回転ツールに向けて移動することで前記退避姿勢から前記押圧姿勢に姿勢変更し、前記主軸ユニットが前記下降位置から前記上昇位置に上昇する過程で、前記ローラ部材が前記金属要素に当接しつつ前記回転ツールから離間するように移動することで前記押圧姿勢から前記退避姿勢に姿勢変更する構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、主軸ユニットの昇降動作に連動させて押圧手段の姿勢変更を行うことができ、主軸ユニットの昇降動作によって姿勢が自動的に変更される摩擦攪拌接合装置が得られる。
また、前記押圧手段は、前記押圧姿勢を保持しつつ前記回転ツールの移動に伴って前記突合部に沿って移動するように構成することで、回転ツールの移動に連動したローラ部材の移動が可能となり、高品質な金属部材同士の摩擦攪拌接合を行うことが可能となる。
また、前記アームは、前記主軸ユニットに取り付けられる上アームと、この上アームの下部に回動可能に支持された下アームとを含んで構成され、前記上アームに対して前記下アームが回動することで、前記押圧姿勢または前記退避姿勢となり、前記退避姿勢において、前記下アームは、前記回転ツールに前記ローラ部材が近づく方向に鉛直軸から傾斜していることを特徴とする構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、アームを回動可能に設けるという簡単な構成によって押圧手段の姿勢変更を容易に実現することができる。
また、退避姿勢において、下アームは、回転ツールにローラ部材が近づく方向に鉛直軸から傾斜しているので、退避姿勢から押圧姿勢への姿勢変更をスムーズに行うことができる。
つまり、前記したように、主軸ユニットが下降する過程において金属要素にローラ部材が当接すると、下アームは、傾斜した状態からさらに傾斜して回転ツールに近づく方向に回動することとなり、主軸ユニットの下降に伴う押圧手段の姿勢変更をスムーズかつ容易に行うことができる。
前記アームは、自重により前記押圧姿勢から前記退避姿勢へ回動されて姿勢変更する構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、姿勢変更のための特別な機構等を別途設けることなく、アームの自重を利用したシンプルな構成で、押圧姿勢から退避姿勢への姿勢変更が可能となる。
また、前記したように、主軸ユニットが下降する過程において、自重により、金属要素にローラ部材を良好に当接させつつ回転ツールに向けてローラ部材を移動させることができるようになり、退避姿勢から押圧姿勢への姿勢変更をスムーズに行うことができるようになる。
また、主軸ユニットが上昇する過程において、自重により、金属要素にローラ部材を良好に当接させつつ摩擦攪拌部側から移動方向前方側へローラ部材を移動させることができるようになり、押圧姿勢から退避姿勢への姿勢変更をスムーズに行うことができる。
前記上アームと前記下アームとの間には、前記下アームが前記退避姿勢から前記押圧姿勢を越えて必要以上に回動することを規制する第1のストッパが設けられている構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、押圧姿勢が好適に保持されるようになり、例えば、回転ツールの近傍位置で突合部の上面をローラ部材で押圧しつつ摩擦攪拌接合を行うことができる。したがって、高品質な金属部材同士の摩擦攪拌接合を行うことができる。
前記上アームと前記下アームとの間には、前記下アームが前記押圧姿勢から前記退避姿勢を越えて必要以上に回動することを規制する第2のストッパが設けられている構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、退避姿勢が好適に保持されるようになり、回転ツールの周りに交換のための空間が好適に形成される。これにより、回転ツールの着脱をローラ部材等に干渉することなく好適に行うことができる。
また、第2のストッパが設けられることによって、下アームは、回転ツールにローラ部材が近づく方向に鉛直軸から傾斜して保持されるようになり、退避姿勢から押圧姿勢への姿勢変更をより一層確実に、しかもスムーズに行うことができるようになる。
前記ローラ部材の近傍部位には、エアーノズルが設けられており、前記エアーノズルは、前記ローラ部材の進行方向前方における前記突合部に向けて空気を吐出する構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、ローラ部材の進行方向前方における突合部に、仮に、塵埃や切粉が存在していてもこれらをエアーノズルから吐出される空気によって吹き飛ばすことができ、ローラ部材が切粉等を踏むのを好適に防止することができる。したがって、高品質な金属要素同士の摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、前記ローラ部材は、そのローラ幅が前記摩擦攪拌部のショルダ部の径よりも小さくされている構成とするのがよい。
この摩擦攪拌接合装置によれば、摩擦攪拌接合時に突合部の上面に形成され易いバリの間隔よりも、ローラ幅を狭くすることができ、摩擦攪拌接合後のバリ取り時にローラ部材がバリを踏むのを好適に防止することができる。したがって、高品質な金属部材同士の摩擦攪拌接合を行うことができる。
本発明によれば、突合部の上面を好適に押さえることができ、高品質な金属部材同士の摩擦攪拌接合を行うことが可能であるとともに、回転ツールの交換作業を容易に行うことができる摩擦攪拌接合装置が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、以下の実施形態においては、接合される金属要素として平板状の金属部材を例示するが、本発明に係る摩擦攪拌接合装置により摩擦攪拌接合される金属部材がこれに限定される趣旨ではない。以下の説明において、「前後」は、図1において図示した方向を基準としている。
参照する図面において、図1は本発明の一実施形態に係る摩擦攪拌接合装置の要部を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態の摩擦攪拌接合装置は、金属部材W同士の突合部TWに沿って回転ツール20を移動させる(図1(b)参照)ことで、金属部材W同士を摩擦攪拌接合するものであり、回転ツール20を着脱可能に支持するとともに金属部材Wに対して昇降可能に設けられた主軸ユニット10を含んで構成される。ここで、図1(b)に示した回転ツール20は、摩擦攪拌接合時に使用される接合用の回転ツールである。
主軸ユニット10は、図示しない工場の床等に設置される摩擦攪拌接合装置の支持設備に設けられ、図示しない支持台の上に固定支持される金属部材Wの突合部TWに沿ってスライド移動可能、および金属部材Wに対して昇降移動可能に設けられている。また、主軸ユニット10は、その下部に、回転ツール20を保持するためのホルダ部11が設けられており、その内部に回転ツール20を回転させるための図示しない回転駆動部が設けられている。
ホルダ部11は、図示しない回転駆動部の駆動軸に固定されて回転可能に設けられており、その内部には、円錐台形状の内周面12を有して、回転ツール20が着脱可能に嵌まり込んで保持されるチャック機構(詳細不図示)が設けられている。なお、回転ツール20は、チャック機構に保持された状態で、その軸線O2が予め設定された所定の軸線に一致するように配置される。
回転ツール20は、ホルダ部11の内周面12に対応する形状とされた円錐台形状の嵌合部21と、この嵌合部21の下部に設けられた把持部22と、この把持部22の下部に形成された大径部23と、この大径部23の下端部に形成されたツールとしての摩擦攪拌部24と、を備えてなる。
嵌合部21は、前記したように円錐台形状とされており、ホルダ部11の内周面12に当接して図示しないチャック機構により着脱可能に保持されるようになっている。
把持部22は、嵌合部21と大径部23との間において径方向外側へ膨出形成されており、その軸線方向中央部には周方向全周に延びる凹状の周溝22aが形成されている。この周溝22aには、後記する自動交換装置50の支持部材51(図7(a)(b)参照)が係合可能となっている。
大径部23は、嵌合部21の基端側(把持部22に近い側)と略同様の大きさの外径を備えて構成されており、前記したようにその下端部に小径の摩擦攪拌部24が形成されている。本実施形態では、図1(b)に示すように、大径部23の下端部に小径の摩擦攪拌部24が形成されていることから、大径部23の下方領域には、摩擦攪拌部24に近づけて後記するローラ部材32が進入した状態に配置可能となっている。
このような回転ツール20は、把持部22が最大外径となっており、ホルダ部11に対する回転ツール20の着脱時には、ホルダ部11の下方に回転ツール20を無理なく引き抜くことができるように、後記する押圧手段30が退避姿勢S2(図2、図3(b)、図4(a)参照)とされた状態において、ホルダ部11の下方には、少なくともこの把持部22の外径に対応する大きさの空間部Kが形成されるように構成されている。
摩擦攪拌部24は、工具鋼など金属部材Wよりも硬質の金属製部材からなり、円柱状を呈するショルダ部24aと、このショルダ部24aの下端面に突設された攪拌ピン(プローブ)24bとを備えて構成されている。ショルダ部24aの下端面は、塑性流動化した金属を押えて周囲への飛散を防止する役割を担う部位であり、本実施形態では、凹面状等に成形されている。攪拌ピン24bは、ショルダ部24aの下端面の中央から垂下しており、本実施形態では、例えば、先細りの円錐台状に成形されている。また、攪拌ピン24bの周面には、螺旋状に刻設された攪拌翼が形成されている。
なお、回転ツール20の移動速度(送り速度)は、攪拌ピン24bの寸法・形状、摩擦攪拌される金属部材W等の材質や肉厚等に応じて設定される。回転ツール20を移動させると、その攪拌ピン24bの周囲にある金属が順次塑性流動化するとともに、攪拌ピン24bから離れた位置では、塑性流動化していた金属が再び硬化する。
次に、本実施形態の摩擦攪拌接合装置の特徴的構成である押圧手段30について説明する。押圧手段30は、図1(a)に示すように、主軸ユニット10の正面10aに設けられている。
この押圧手段30は、主軸ユニット10に吊設されたアーム31、およびこのアーム31の下端部に回転可能に軸支されたローラ部材32を含んで構成され、回転ツール20の移動方向前方において突合部TWの上面をローラ部材32で押圧可能に構成されている。
そして、押圧手段30は、前記した摩擦攪拌部24の近傍位置における、回転ツール20の着脱時に干渉する空間部K(領域)にローラ部材32が進入して、突合部TWの上面を押圧する押圧姿勢(図1(b)に示す姿勢、以下同じ)と、摩擦攪拌部24(回転ツール20)から離間する位置(空間部Kから外れる外側位置)にローラ部材32が退避して、主軸ユニット10に対する回転ツール20の着脱を可能にする退避姿勢S2(図2に二点鎖線で示す姿勢、以下同じ)と、の間で姿勢変更可能に構成されている。
そのための構成として、アーム31は、図2に示すように、上アーム31Aと下アーム31Bとからなり、上アーム31Aに対して下アーム31Bが回動可能(回転ツール20に近づく位置と回転ツール20から離間する位置との間で、突合部TWに沿って回動可能)に設けられている。つまり、下アーム31Bを、その回動範囲の上限R1に位置させた状態(図2に実線で図示した状態)が押圧姿勢S1であり、また、下アーム31Bを、その回動範囲の下限R2に位置させた状態(図2に二点鎖線で図示した状態)が退避姿勢S2である。
上アーム31Aは、図1(a)に示すように、主軸ユニット10の正面10aに、4本のボルト33aで固定された取付ベース33に囲われて左右方向に位置決めされる状態に配置されている、また上アーム31Aは、上下方向に形成された2つの長孔31aにそれぞれ挿通されたボルト33bで、上下方向に位置決めされる状態に配置される。
本実施形態では、このように上アーム31Aが主軸ユニット10の正面10aに固定された状態で、ローラ部材32の幅方向の中心を通る軸線O1と、回転ツール20の回転軸O2とが正面視(図1(a)参照)で一致するように位置合わせされている。
なお、上アーム31Aの上方には、取付ベース33に取り付けられるかたちで、上アーム31Aの高さ位置を調節する位置決め用ボルト33cが設けられている。
下アーム31Bは、図2に示すように、水平軸である支軸36Eを介して上アーム31Aに回動可能に設けられており、その下端部にローラ部材32が設けられている。そして、上アーム31Aと下アーム31Bとの連結部36には、前記した押圧姿勢S1または退避姿勢S2をアーム31が保持するための第1のストッパ36a,第2のストッパ36cが設けられている。
ここで、第1のストッパ36aは、押圧姿勢S1を保持するために設けられたものであり、また、第2のストッパ36cは、退避姿勢S2を保持するために設けられたものである。
第1のストッパ36aは、図3(a)に示すように、上アーム31Aの下部から後部側に向けて膨出する膨出部36Aの下面をもって設けられており、この例では、連結部36の支軸36Eを通る水平面と平行になっている。また、下アーム31Bには、この第1のストッパ36aに当接する当接部36bが設けられており、この当接部36bは、下アーム31Bの上部から後部側に向けて下り傾斜状に突出する突出部36Bの傾斜面をもって設けられている。そして、第1のストッパ36aに当接部36bが当接すると、下アーム31Bが押圧姿勢S1に保持され、下アーム31Bが退避姿勢S2から押圧姿勢S1(図2、図3(a)、図4(c))となる位置を越えて必要以上に回動することが規制される(図3(a)参照)。
ここで、ローラ部材32は、押圧姿勢S1とされたときに、空間部Kに位置するように設定されることが好ましく、さらに、図1(b)に示すように、大径部32の下方領域における摩擦攪拌部24の周りに位置するように設定されることがより好ましい。
具体的に、ローラ部材32の押圧位置(押圧姿勢S1とされたときの摩擦攪拌部24の中心軸(回転ツール20の軸線O2)からの距離)は、ローラ部材32の半径、摩擦攪拌部24の半径、および金属部材Wの傾き等を考慮して設定される所定の隙間、を合算した値で設定することができる。例えば、ローラ部材32の押圧位置は、摩擦攪拌部24の中心軸から30mm〜40mmの範囲となる距離に設定されることが好ましい。
第2のストッパ36cは、図3(b)に示すように、上アーム31Aの下部に上り傾斜状に切り欠いて形成された切欠部36Cの下面をもって設けられている。そして、下アーム31Bには、この第2のストッパ36cに当接する当接部36dが、下アーム31Bの上部に形成された段部36Dの上面(段差面)に設けられている。このような第2のストッパ36cに当接部36dが当接すると、下アーム31Bが退避姿勢S2(図2、図3(b)、図4(a)参照)に保持され、下アーム31Bが押圧姿勢S1から退避姿勢S2を越えて必要以上に回動することが規制される。
本実施形態では、このような第2のストッパ36cに当接部36dが当接することによって、下アーム31Bが、退避姿勢S2において、回転ツール20にローラ部材32が近づく方向に鉛直軸から傾斜して保持されるように構成されている(図4(a)参照)。
ここで、上アーム31A,下アーム31Bは、硬質の金属部材からなり、少なくとも下アーム31Bは、金属部材による相当の自重を有して形成され、その自重によって、連結部36を中心として押圧姿勢S1から退避姿勢S2に姿勢変更可能に回動されるようになっている。つまり、主軸ユニット10が上昇されて、金属部材Wからローラ部材32が離れた状態では、アーム31が、下アーム31Bの自重によって下限R2に位置され(図4(a)参照)、第2のストッパ36aに当接された状態(退避姿勢S2)が保持されるようになっている。
また、これとは反対に、主軸ユニット10が上昇位置から下降位置に下降される過程で、金属部材Wにローラ部材32が当接すると、下アーム31Bは、金属部材Wに当接しつつ上限R1へ向けて回動(旋回)し、これに連動して、ローラ部材32が回転ツール20に向けて移動するようになっている。つまり、アーム31が退避姿勢S2から押圧姿勢S1に姿勢変更することとなる。
このように、本実施形態では、主軸ユニット10の昇降動に伴って、押圧姿勢S1と退避姿勢S2との間でアーム31の姿勢変更が自動的に行われるようになっている。
なお、主軸ユニット10が下降位置から上昇位置に上昇する過程においては、ローラ部材32が金属部材Wに当接しつつ下アーム31Bが下限R1へ向けて回動(旋回)し、これに連動して、ローラ部材32が回転ツール20から離間するようになっている。つまり、アーム31が押圧姿勢S1から退避姿勢S2に姿勢変更することとなる。
ここで、ローラ部材32は、図3(c)に示すように、突合部TWの上面を所定の押圧力をもって押圧するように構成されている。つまり、主軸ユニット10が所定の下降位置に下降されて、アーム31が押圧姿勢S1に保持された状態で、ローラ部材32がが、突合部TWの上面を所定の押圧力をもって押圧し、突合部TWを裏座金Zに向けて位置ずれ不能に押し付けるようになっている。なお、ローラ部材32の押圧力は、取付ベース33の位置決め用ボルト33c(図1(a)(b)参照)により調整することができる。また、ローラ部材32は、そのローラ幅Lが回転ツール20のショルダ部の径よりも小さくされたものを用いてもよい。
また、アーム31には、下アーム31Bのローラ部材32の近傍部位に、エアーノズル37が設けられており、このエアーノズル37は、ローラ部材32の進行方向前方における突合部TWに向けて空気を吐出するように構成されている。なお、エアーノズル37には、エアーチューブ37aを通じて図示しない供給源からエアーが供給されるようになっており、エアーチューブ37aは、アーム31の側方に沿わせて配索されている。なお、エアーチューブ37aは、アーム31の内側に沿わせて配索してもよい。
次に、本実施形態に係る摩擦攪拌接合装置に係る摩擦攪拌接合時の作用について説明する。
図4(a)に示すように、主軸ユニット10が上昇位置にある状態では、ローラ部材32が金属部材Wの上方に位置して金属部材Wに非当接状態となっているので、アーム31の下アーム31Bは、自重により他方の下限R2(図2参照)に位置して、押圧手段30が、退避姿勢S2となる。
このような上昇位置から、摩擦攪拌接合を行うために、主軸ユニット10を下降位置へ向けて下降させると、図4(b)に示すように、ローラ部材32が金属部材Wの上面、すなわち、突合部TWの上面に当接し、下アーム31Bは、金属部材Wに当接しつつ上限R1へ向けて回動(旋回)する。そして、これに連動して、ローラ部材32が回転ツール20に向けて移動する。
この状態からさらに主軸ユニット10が下降位置(摩擦攪拌接合を行う位置)に向けて下降すると、下アーム31Bが、金属部材Wに当接しつつ上限R1へ向けてさらに回動(旋回)し、回転ツール20の摩擦攪拌部24にローラ部材32が近づけられる。
そして、図4(c)に示すように、主軸ユニット10が下降位置に下降して停止された状態で、回転ツール20の摩擦攪拌部24の攪拌ピン24bが突合部TWの接合開始位置に挿入(圧入)され、摩擦攪拌接合が開始される。このとき、主軸ユニット10が下降位置に下降して停止された状態において、押圧手段30は押圧姿勢S1に保持された状態となり、ローラ部材32が、摩擦攪拌部24に一番近づいた状態(近傍位置)に配置されることとなる。これによって、ローラ部材32が摩擦攪拌部24の近傍位置において突合部TWの上面を好適に押圧した状態で摩擦攪拌部24による摩擦攪拌接合が行われる。
なお、金属部材Wは、回転ツール20の進行方向(前方向)に向けて下り傾斜状に配置された例を示したが、これに限られることはなく、略水平状態にして配置してもよい。
次に、回転ツール20を手動により交換する際の手順について説明する。
はじめに、図5(a)に示すように、主軸ユニット10を上昇位置に上昇させて、押圧手段30を退避姿勢S2に保持する。押圧手段30が退避姿勢S2に保持された状態では、摩擦攪拌部24の近傍位置(前記した空間部K)から離間する位置にローラ部材32が退避して、回転ツール20の下方領域の外側へ下アーム31Bやローラ部材32が移動される状態となるので、主軸ユニット10の下方には空いたスペースが形成されるようになり、図5(b)に示すように、回転ツール20を交換する際には、回転ツール20を主軸ユニット10から取り外して、そのまま下方へ引き抜くことができる。
その後、主軸ユニット10の下方の空いたスペースを利用して、図5(c)に示すように、例えば、バリ取り用の回転ツール20’を下方から主軸ユニット10に挿入して装着する。これによって、図5(d)に示すように、接合用の回転ツール20からバリ取り用の回転ツール20’に交換することができる。
以上のような一連の手順による交換は、押圧手段30を退避姿勢S2に保持した状態で行うことができるので、アーム31の下アーム31Bやローラ部材32が回転ツール20等の着脱時に干渉して障害物となることがない。したがって、交換作業をスムーズかつ円滑に行うことができるようになる。
このように、押圧手段30を退避姿勢S2に保持した状態で回転ツール20を交換することができるので、次に図6を用いて説明するような回転ツール20の自動交換装置(ツールチェンジャー)50を用いて、回転ツール20を自動で交換するように構成することも可能である。
ここで、自動交換装置50は、図6各図に示すように、回転ツール20,20’等の各種ツールを、主軸ユニット10に対して着脱して交換するための装置であり、各種ツールを支持する複数の支持部材51が回転移動可能に設けられている。
また、主軸ユニット10は、このような自動交換装置50側へ移動可能に、かつ、昇降可能に構成されている。
はじめに、自動交換装置50に対応する所定位置に主軸ユニット10を上昇させ、その後、図6(a)に示すように、主軸ユニット10を自動交換装置50側へ水平移動させる。ここで、所定位置に主軸ユニット10が上昇した状態で、押圧手段30が退避姿勢S2となるように設定されており、また、自動交換装置50の支持部材51に対応する高さに、主軸ユニット10に保持された回転ツール20の把持部22が位置するように予め位置合わせが行われている。
したがって、主軸ユニット10が自動交換装置50側へ水平移動されると、回転ツール20の把持部22に自動交換装置50の支持部材51が係合し、支持部材51に回転ツール20が支持される状態となる。
次に、主軸ユニット10の図示しないチャック機構が解除され、図6(b)に示すように、主軸ユニット10が上昇移動される。そうすると、主軸ユニット10から回転ツール20が取り外され、これが支持部材51に受け渡されて支持される。その後、主軸ユニット10が自動交換装置50から離れる側に水平移動され、自動交換装置50の回転動作に干渉しない位置に主軸ユニット10が退避する。
そして、図6(c)に示すように、自動交換装置50が所定量回転され、取り外された回転ツール20が回転方向下流側に移動されるとともに、回転方向上流側から次に装着する回転ツール20’が交換時の所定位置(主軸ユニット10が待機する側)に移動される。
その後、図6(d)に示すように、主軸ユニット10が上昇した状態を維持しつつ、自動交換装置50側へ水平移動され、その後、回転ツール20’を保持する位置まで下降移動される。この状態で図示しないチャック機構が作動され、主軸ユニット10に回転ツール20’が装着される。
回転ツール20’の装着後、主軸ユニット10は、自動交換装置50から離れる側へ再び水平移動され、これによって、自動交換装置50の支持部材51と回転ツール20’との係合が解除されて、主軸ユニット10に交換後の回転ツール20’が保持されることとなる。
その後、主軸ユニット10がバリ取り加工時の所定位置に移動されて、回転ツール20’による所望のバリ取り加工が行われる。
以上のように、自動交換装置50を用いることによって、回転ツール20から回転ツール20’へツールを自動で交換することが可能となる。
なお、図7(a)(b)に示すように、主軸ユニット10には、油配管Hが取り付けられており、この油配管Hは、回転ツール20を着脱する側において当該回転ツール20の着脱に非干渉となる部位にて主軸ユニット10に連結されている。この例では、自動交換装置50の支持部材51に対しても油配管Hが非干渉となるように、支持部材51側へ油配管Hが突出しないように配設されている。
また、自動交換装置50の支持部材51は、装置の固定側へ2本の固定ボルト52で固定されるようになっているが、この例では、固定ボルト52が締め付けられた状態で、固定ボルト52の頭部が支持部材51に形成された孔内に埋設されるようになっている。
これによって、固定ボルト52が主軸ユニット10に干渉することを好適に回避することができる。
以上説明した本実施形態の摩擦攪拌接合装置によれば、押圧手段30は、摩擦攪拌部24の近傍位置における、回転ツール20の着脱時に干渉する領域(空間部K)にローラ部材32が進入して、突合部TWの上面を押圧し得る押圧姿勢S1と、回転ツール20から離間して干渉する領域の外側にローラ部材32が退避し、主軸ユニット10に対する回転ツール20の着脱を可能にする退避姿勢S2と、の間で姿勢変更可能に構成されているので、例えば、接合用の回転ツール20を用いて摩擦攪拌接合を行う場合には、押圧手段30を押圧姿勢S1にして、摩擦攪拌部24の近傍位置にローラ部材32を配置させることができ、これにより、摩擦攪拌部24の近傍位置において、突合部TWの上面をローラ部材32で押圧することができる。したがって、高品質な金属部材W同士の摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、回転ツール20の交換時には、押圧手段30を退避姿勢S2にして、干渉する領域の外側にローラ部材32を退避させることにより、回転ツール20の下方には、空間部Kを含む交換のための広い空間が形成されるようになり、これによって、回転ツール20の着脱をローラ部材32等に干渉することなく好適に行うことができる。したがって、回転ツール20の交換が行い易い。
また、押圧手段30を退避姿勢S2にすることによって、回転ツール20の下方には交換のための広い空間が形成されるようになるので、この空間に、回転ツール20を自動で交換することが可能な自動交換装置50の支持部材51をローラ部材32に干渉させることなく進入させることができるようになり、回転ツール20を自動で交換することができる。これにより、手動で回転ツール20を交換するときに比べて交換時間の短縮を図ることができ、製品の生産効率が向上されて製造コストを低減することができる。
また、主軸ユニット10を所定の上昇位置に上昇させることによって押圧手段30が退避姿勢S2となり、主軸ユニット10を所定の下降位置に下降させることによって押圧手段30が押圧姿勢S1となるので、主軸ユニット10を昇降させるという動作に連動させて、押圧手段30の姿勢変更を容易にしかも自動的に行うことができる。したがって、姿勢変更のための機構が簡略化され、構成が簡単になる。このことは、重量の低減やコストの低減に寄与する。
また、アーム31を回動可能に設けるという簡単な構成によって押圧手段30の姿勢変更を容易に実現することができ、しかも、上限R1,下限R2に下アーム31Bを回動させることで、押圧手段30を押圧姿勢S1または退避姿勢S2とすることができるので、姿勢変更が容易であるという利点が得られる。
また、下アーム31Bは、自重により回動して、アーム31が押圧姿勢S1から退避姿勢S2へ姿勢変更するので、姿勢変更のための特別な機構等を別途設けることなく、下アーム31Bの自重を利用したシンプルな構成で、押圧姿勢S1から退避姿勢S2への姿勢変更が可能となる。
また、主軸ユニット10が下降する過程において、自重により、金属部材Wにローラ部材32が当接しつつ移動方向前方側(下限R2)から上限R1へ下アーム31Bを移動させることができ、退避姿勢S2から押圧姿勢S1への姿勢変更をスムーズに行うことができる。
また、主軸ユニット10が上昇する過程において、自重により、金属部材Wにローラ部材32が当接しつつ上限R1から下限R2へ下アーム31Bを移動させることができるようになり、押圧姿勢S1から退避姿勢S2への姿勢変更をスムーズに行うことができる。
また、退避姿勢S2において、下アーム31Bは、回転ツール20にローラ部材32が近づく方向に鉛直軸から傾斜しているので、退避姿勢S2から押圧姿勢S1への姿勢変更をスムーズに行うことができる。
つまり、主軸ユニット10が下降する過程において金属要素Wにローラ部材32が当接すると、下アーム31Bは、傾斜した状態からさらに傾斜して回転ツール20に近づく方向に回動することとなり、主軸ユニット10の下降に伴う押圧手段30の姿勢変更をスムーズかつ容易に行うことができる。
第1,第2のストッパ36a,36cによって、押圧姿勢S1または退避姿勢S2に好適に保持することができるので、高品質な金属部材W同士の摩擦攪拌接合を行うことができるとともに、回転ツール20の交換を容易に、しかも確実に行うことができる。
また、主軸ユニット10に取り付けられる油配管Hが、主軸ユニット10における回転ツール20を着脱する側において回転ツール20の着脱に非干渉となる部位にて連結されているので、回転ツール20の着脱に際してこれが邪魔にならず、回転ツール20の交換作業に支障を来たすことがない。また、油配管Hは、回転ツール20を着脱する側に連結されているので、自動交換装置50が設置される側に、油配管Hが突出配置されるの等の不具合を回避することができ、自動交換装置50に対応して自動で回転ツール20を交換可能にした摩擦攪拌接合装置が得られる。
また、ローラ部材32の近傍部位にエアーノズル37が設けられているので、ローラ部材32の進行方向前方における突合部TWに、仮に、塵埃や切粉が存在していてもこれらをエアーノズル37から吐出される空気によって吹き飛ばすことができ、ローラ部材32が切粉等を踏むのを好適に防止することができる。したがって、高品質な金属部材W同士の摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、ローラ部材32は、そのローラ幅Lが摩擦攪拌部24のショルダ部24aの径よりも小さくされている場合には、摩擦攪拌接合時に突合部TWの上面に形成され易いバリの間隔よりも、ローラ幅Lが狭くなるので、バリ取り時にローラ部材32がバリを踏むのを好適に防止することができる。したがって、高品質な金属部材W同士の摩擦攪拌接合を行うことができる。
なお、図8(a)に示すように、断面中空形状とされた押出形材からなる金属部材W1同士の接合においても、突合部TWの上面における摩擦攪拌部24(不図示)の近傍位置をローラ部材32で好適に押圧することができる。したがって、このような金属部材W1同士の接合においても、高品質の摩擦攪拌接合を実現することができる。
また、図8(b)に示すような押出形材からなる金属部材W2同士の接合においても、突合部TWの上面における摩擦攪拌部24(不図示)の近傍位置をローラ部材32で好適に押圧することができる。したがって、このような金属部材W2同士の接合においても、高品質の摩擦攪拌接合を実現することができる。なお、この例では、突合部TWの下部に裏座金Zを介して冷却ユニット60が配置されている。冷却ユニット60は、ケーシング61とこのケーシング61内に収容された熱伝導部62と、この熱伝導部62の内部に配索された冷却配管63とを備えて構成され、冷却配管63内を通過する冷媒の作用によって熱伝導部62が冷却されることで、裏座金Zが冷却されるように構成されている。
また、前記実施形態では、下アーム31Bを回動可能に設けることによって、押圧手段30が押圧姿勢S1と退避姿勢S2との間で姿勢変更するように構成したが、これに限られるものではなく、図9(a)(b)に示すように、上アーム31A’の鉛直軸O3を中心としてこの鉛直軸O3周りに下アーム31B’が水平方向に回動するように構成してもよい。この場合には、図9(b)に示すように、下アーム31B’が折曲部分を含んだ折れ曲がり形状とされており、回転ツール20の側方に下アーム31B’が回動してきて、ローラ部材32が突合部TWを押圧する位置に配置される状態が押圧姿勢S1’であり、図9(a)(b)に二点鎖線で示すように、下アーム31B’が回転ツール20から離間する水平方向に回動して、回転ツール20が着脱可能となる位置に配置される状態が退避姿勢S2’である。
なお、下アーム31B’の水平方向への回動は、手動による直接の操作によって行ってもよいし、図示しない回転駆動機構等を用いて自動的に行ってもよい。また、押圧姿勢S1’および退避姿勢S2’に保持するための手段としては、主軸ユニット10の取付ベース33に、下アーム31B’の軸部31b’に係合して下アーム31B’の水平方向の回動を規制する図示しない係合保持手段を設けること等が挙げられる。
本実施形態に係る摩擦攪拌接合装置の要部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本実施形態に係る摩擦攪拌接合装置に使用される押圧手段の説明図である。 (a)は押圧手段が押圧姿勢にあるときのアームの連結部分の様子を示す拡大側面図、(b)は押圧手段が退避姿勢にあるときのアームの連結部分の様子を示す拡大側面図、(c)は押圧手段のローラ部材を示す正面図である。 (a)〜(c)は押圧手段の作用説明図である。 (a)〜(d)は回転ツールを交換する際の手順を示す説明図である。 (a)〜(d)はツール自動交換装置を用いた回転ツールの交換を示す説明図である。 ツール自動交換装置を用いた回転ツールの交換時における、ホルダとハンドとの関係を示す図であり、(a)は模式側面図、(b)は模式底面図である。 (a)はホーロー型の形材を摩擦攪拌接合する際の様子を示した模式正面図(一部断面)、(b)は冷却装置による冷却を行いながら摩擦攪拌接合する際の様子を示した模式正面図(一部断面)である。 変形例に係る摩擦攪拌接合装置の要部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
符号の説明
10 主軸ユニット
20 回転ツール
20’ 回転ツール
24 摩擦攪拌部
24a ショルダ部
24b 攪拌ピン
30 押圧手段
31 アーム
31A 上アーム
31B 下アーム
32 ローラ部材
36a 第1のストッパ
36b 当接部
36c 第2のストッパ
36d 当接部
37 エアーノズル
50 自動交換装置
51 支持部材
K 空間部
R1,R2 上限,下限
S1 押圧姿勢
S2 退避姿勢
TW 突合部
W 金属部材
Z 裏座金

Claims (10)

  1. 金属要素同士の突合部に沿って回転ツールを移動させることで、前記金属要素同士を接合する摩擦攪拌接合装置であって、
    前記回転ツールを着脱可能に支持するとともに前記金属要素に対して昇降可能に構成された主軸ユニットと、
    前記主軸ユニットに吊設されたアーム、およびこのアームの下端部に設けられたローラ部材を含み、前記回転ツールの移動方向前方において前記突合部の上面を前記ローラ部材で押圧可能な押圧手段と、を備え、
    前記押圧手段は、
    前記突合部の上面を押圧し得る押圧姿勢と、
    少なくとも前記ローラ部材が前記回転ツールから離間する退避姿勢と、の間で姿勢変更可能に構成されていることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
  2. 前記押圧手段は、前記主軸ユニットが所定の上昇位置にあるときに前記退避姿勢となるとともに、前記主軸ユニットが所定の下降位置にあるときに前記押圧姿勢となることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合装置。
  3. 前記押圧手段は、前記主軸ユニットが前記上昇位置から前記下降位置に下降する過程で、前記ローラ部材が前記金属要素に当接しつつ前記回転ツールに向けて移動することで前記退避姿勢から前記押圧姿勢に姿勢変更し、前記主軸ユニットが前記下降位置から前記上昇位置に上昇する過程で、前記ローラ部材が前記金属要素に当接しつつ前記回転ツールから離間するように移動することで前記押圧姿勢から前記退避姿勢に姿勢変更することを特徴とする請求項2に記載の摩擦攪拌接合装置。
  4. 前記押圧手段は、前記押圧姿勢を保持しつつ前記回転ツールの移動に伴って前記突合部に沿って移動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  5. 前記アームは、前記主軸ユニットに取り付けられる上アームと、この上アームの下部に回動可能に支持された下アームとを含んで構成され、前記上アームに対して前記下アームが回動することで、前記押圧姿勢または前記退避姿勢となり、
    前記退避姿勢において、前記下アームは、前記回転ツールに前記ローラ部材が近づく方向に鉛直軸から傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の摩擦攪拌接合装置。
  6. 前記アームは、その自重により前記押圧姿勢から前記退避姿勢へ回動されて姿勢変更することを特徴とする請求項5に記載の摩擦攪拌接合装置。
  7. 前記上アームと前記下アームとの間には、前記下アームが前記退避姿勢から前記押圧姿勢を越えて必要以上に回動することを規制する第1のストッパが設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の摩擦攪拌接合装置。
  8. 前記上アームと前記下アームとの間には、前記下アームが前記押圧姿勢から前記退避姿勢を越えて必要以上に回動することを規制する第2のストッパが設けられていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  9. 前記ローラ部材の近傍部位には、エアーノズルが設けられており、前記エアーノズルは、前記ローラ部材の進行方向前方における前記突合部に向けて空気を吐出することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
  10. 前記ローラ部材は、そのローラ幅が前記摩擦攪拌部のショルダ部の径よりも小さくされていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置。
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