JP2009208103A - 板材接合体の製造方法及び板材接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合強度の改良された板材接合体の製造方法および板材接合体。
【解決手段】微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士または異なる板材を重ね、両者を台を背当てにしてポンチにより局部的に押し込みメカニカルクリンチにより接合することを特徴とする板材接合体の製造方法および得られた板材接合体。
【選択図】図5
【解決手段】微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士または異なる板材を重ね、両者を台を背当てにしてポンチにより局部的に押し込みメカニカルクリンチにより接合することを特徴とする板材接合体の製造方法および得られた板材接合体。
【選択図】図5
Description
本発明は、板材接合体の製造方法及び板材接合体に関する。ここで、該板材接合体には、アルミニウム系板材同士の接合体の場合と、異なる板材からなる接合体の場合とが挙げられる。
板材を接合する際には、アーク溶接に代表されるように母材を融解しながら接合する方法の他に、メカニカルクリンチによる機械的な接合方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このように、板材の接合により製造される接合体または接合材は、自動車、鉄道、船舶等の輸送機、あるいは過程電化製品などの分野において広く用いられている。
メカニカルクリンチによる機械的な接合方法は、二枚の板材を機械的に接合することによって、板材に熱影響を与えないことや、スポット溶接のようにエネルギー消費が大きくないことから、注目を浴びている。また、材料の組成や表面状態によらず接合できることから、例えば鉄とアルミニウムの接合のように異種材料の接合ができることからこの接合方法は注目されている。
特開平11−33646号公報
メカニカルクリンチによる機械的な接合方法は一定の成果を挙げているものの、厚板と薄板の組合せや、上板が下板に食い込む量が小さい場合、異種材の場合など、まだまだ改良の余地がある。
そこで本発明の目的は、接合強度の改良された板材接合体の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、板材接合体を提供することにある。
本発明は、微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士または異なる板材を重ね、両者を台を背当てにしてポンチにより局部的に押し込みメカニカルクリンチにより接合することを特徴とする板材接合体の製造方法、に関する。
また本発明は、微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士または異なる板材を重ね、メカニカルクリンチにより接合されてなる板材接合体であって、板材の接合部縦壁面に配置された前記微粒子状固形物が前記板材に食い込んでなることを特徴とする板材接合体、に関する。
本発明によれば、板材接合体の接合強度を向上させることができる。
以下、添付した図面を参照して本発明を適用した最良の実施形態を説明する。
本発明の板材接合体の製造方法は、微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士をまたは異なる板材を重ね、両者を台を背当てにしてポンチにより局部的に押し込みメカニカルクリンチにより接合することを特徴とする。
図1は本発明の板材接合体の製造方法の第1の実施の形態について説明する図面である。
図1Aは上板と下板との間に微粒子状固形物を塗布する工程である。微粒子状固形物1入り接着剤3が上板5と下板7との間に挟まれている。該接着剤3を、上板5または下板7のいずれか一方に、または双方に塗布した後、該接着剤3を内側にして上板5と下板7とを重ねている。
図1Bは台上に微粒子状固形物が塗布された二枚の板材をセットし、上からポンチで局部的に押し込む工程である。接着剤3を介して重ねられた上板5と下板7とが台9上にセットされ、上からポンチ11で押さえ込まれている。
図1Cは上からポンチで押さえ込む工程である。上からポンチ11で上板5を局部的に押さえ込むことにより、微粒子状固形物1が外側(矢印の方向)に移動している。
図1Dは抜重後、上板と下板とが接合される工程である。抜重後、上板5と下板7とがメカニカルクリンチにより接合され、微粒子状固形物1が接合部の縦壁面13に集まっている。
ここで、微粒子状固形物入り接着剤とは、所定の平均粒子径を有する固形物の入った接着剤をいう。微粒子状固形物自体および接着剤に含まれる割合については、後述するが、メカニカルクリンチ後上下の板にくい込む性質を持つもち、かつ、そのような割合であれば、特に制限はされない。通常、平均粒径が0.1μm〜0.5μmの範囲の固形物であることが好ましい。かかる平均粒径を有する微粒子状固形物の材質は、元素の周期律表の第13族、および第14族に含まれるいずれかの元素を含む無機化合物、例えば単体、酸化物、窒化物、又はそれらを全体の半分を超えて含むものが好ましい。その中でも、アルミナビーズ、炭素ビーズ、窒化炭素ビーズ、窒化アルミビーズ、窒化ケイ素ビーズ、ケイ素ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズであることが望ましい。接着剤としては、メカニカルクリンチの際に微粒子状固形物が移動することができ、その後、微粒子状固形物を固定できる特性を有するものが好ましい。エポキシ系接着剤、ウレタン接着剤、アクリル樹脂、フェノール樹脂などを挙げることができるが、特に、エポキシ系接着剤が望ましい。
上下の板としては、アルミニウム系板材同士または異なる板材の組合せが挙げられる。ここで、アルミニウム系板材には、アルミニウム板材またはアルミニウム合金製板材が含まれる。アルミニウム合金には、通常、アルミニウム合金と称されるものであれば全て含まれ、例えば、Al−Cu系合金、Al−Cu−Si系合金、Al−Si系合金、Al−Cu−Mg−Ni系合金、Al−Mg系合金、Al−Cu−Mg系合金、Al−Zn−Mg系合金、Al−Cu−Ni系合金、Al−Mn系合金、Al−Mg2Si系合金が挙げられる。アルミニウム系板材以外の板材には、鉄やニッケルなどが挙げられる。アルミニウム系板材同士には、アルミニウム板材とアルミニウム板材との組み合わせ、アルミニウム板材とアルミニウム合金製板材との組み合わせ、アルミニウム板材と鉄製またはニッケル製板材との組み合わせ、鉄製板材とニッケル製板材との組合せなどが挙げられる。
前記縦壁面とは、メカニカルクリンチの際に、台の形状に沿って板材が凹型に変形し、底面に相当する横壁面と側面に相当する縦壁面が形成され、その縦壁面が該当する。縦壁面は、常に底面に対し垂直であるとは限らない。
このようにして得られた本発明の板材接合体は、微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士をまたは異なる板材を重ね、メカニカルクリンチにより接合されてなる板材接合体である。かかる板材接合体では、板材の接合部縦壁面に配置された前記微粒子状固形物が前記板材に食い込んでいる。それによって、板材同士の接合面積が増え、得られた板材接合体の接合強度が向上する。
図2は微粒子状固形物が前記板材に食い込むことを示す一例を説明する図面である。板材の接合部縦壁面13において、微粒子状固形物1が上板5及び下板7に食い込んでいる。このような状態になることにより、上板5と下板7との接触面積が間接的に増加することにより接合強度が増える。それと同時に、アンカー効果も期待でき、その結果として、接合強度も増加する。
図3は本発明の板材接合体の製造方法の第2の実施の形態について説明する図面である。前記第1の実施の形態との相違点は、台と接する下板材の形状が凸型であることにある。該凸の大きさは、台に設けられた穴の大きさと同じかそれよりも小さいことが好ましい。穴の大きさよりも大きい場合には、微粒子状固形物が目的とする縦断面よりも外側に移動してしまう虞があるからである。また、凸型は、周辺よりも突起していれば特に限定はされないが、多角錐形(正4角錐、正6角錐、正8角錐、正16角錐、正64角錐など)または円錐形が例示できる。
図3Aは上板と下板との間に微粒子状固形物を塗布する工程である。ここで、台と接する下板材15の形状は凸型である。微粒子状固形物1入り接着剤3が上板5と下板15との間に挟まれている。該接着剤3を、上板5または下板15のいずれか一方に、または双方に塗布した後、該接着剤3を内側にして上板5と下板15とを重ねている。
図3Bは台上に微粒子状固形物が塗布された二枚の板材をセットし、上からポンチで局部的に押し込む工程である。接着剤3を介して重ねられた上板5と下板15とが台9上にセットされ、上からポンチ11で押さえ込まれている。
図3Cは上からポンチで押さえ込む工程である。上からポンチ11で上板5を局部的に押さえ込むことにより、微粒子状固形物1が外側(矢印の方向)に移動している。下板材15の形状が凸型であることから、第1の実施の形態に比べて、微粒子状固形物1が外側に移動し易くなり、確実に微粒子状固形物1が接合部の縦壁面に配置される。
図3Dは抜重後、上板と下板とが接合される工程である。抜重後、上板5と下板15とがメカニカルクリンチにより接合され、微粒子状固形物1が接合部の縦壁面13に集まっている。
このようにして得られた本発明の板材接合体では、板材の接合部縦壁面に配置された前記微粒子状固形物が前記板材に食い込んでいる。このような状態になることにより、上板と下板との接触面積が間接的に増加することにより接合強度が増える。それと同時に、アンカー効果も期待でき、その結果として、接合強度も増加する。
図4は本発明の板材接合体の製造方法の第3の実施の形態について説明する図面である。前記第1の実施の形態との相違点は、前記ポンチの周りに上板材と下板材を加圧するための押さえを設定することにある。
図4Aはポンチに回りに上板材と下板材を加圧するための押さえ17を設定する工程である。ここで、押さえ17は可動式である。押さえ17の形状としては、板状であっても、円筒状、または筒状(円筒を除く)であってもよい。円筒状の場合には、円筒の内部をポンチが移動可能にしてある。押さえ17を設定する位置は、微粒子状固形物の外側への移動を防止することにあるから、台の穴の大きさと同じまたはそれよりも外側であり、かつ、加圧する必要があることから、安定性を確保する面から台の大きさの範囲を超えてしまわないことが好ましい。
別に、上板5と下板7との間に微粒子状固形物1入り接着剤3を塗布する。微粒子状固形物1入り接着剤3が上板5と下板7との間に挟まれている。該接着剤3を、上板5または下板7のいずれか一方に、または双方に塗布した後、該接着剤3を内側にして上板5と下板7とを重ねている。
図4Bは台上に微粒子状固形物1入り接着剤3が塗布された二枚の板材をセットし、可動式押さえ17で所定の加圧力でポンチ11の周りを押さえ込む工程である。
図4Cは上からポンチで上板を局部的に押さえ込む工程である。ポンチ11で押し込むことにより、底辺の微粒子状固形物1が外側に移動し、押え17の影響で接着剤3だけは外側に移動できるが、微粒子状固形物1は押さえ17の位置より外側に移動できない。よって、多くの微粒子状固形物1が縦壁面13に集まることになる。
図4Dは抜重後、上板と下板とが接合される工程である。抜重後、上板5と下板7とがメカニカルクリンチにより接合され、微粒子状固形物1が接合部の縦壁面13に集まっている。
勿論、第2の実施の形態と組み合わせることもできる。
このようにして得られた本発明の板材接合体では、板材の接合部縦壁面に配置された前記微粒子状固形物が前記板材に食い込んでいる。このような状態になることにより、上板と下板との接触面積が間接的に増加することにより接合強度が増える。それと同時に、アンカー効果も期待でき、その結果として、接合強度も増加する。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
第1の実施の形態に基づいて、下記の条件によって実施した。
(1)材料の組み合わせ
(2)接合面条件
a)接合材塗布なし
b)接着剤(エポキシ系)塗布
c)ガラスビーズ(平均粒径0.5μm、5質量%含有)入り接着剤
(3)クリンチ条件
台(ダイ):SKBダイ(可動台)、内径:8mm
ポンチ:5mm直径
コントロールX(押し込み量):板組のそれぞれの最適条件で行った。
a)接合材塗布なし
b)接着剤(エポキシ系)塗布
c)ガラスビーズ(平均粒径0.5μm、5質量%含有)入り接着剤
(3)クリンチ条件
台(ダイ):SKBダイ(可動台)、内径:8mm
ポンチ:5mm直径
コントロールX(押し込み量):板組のそれぞれの最適条件で行った。
(4)静的引張試験実験結果
静的引張試験結果(せん断方向)を図5に、静的引張試験結果(上下剥離方向)を図6に示す。図5において、本発明品が優れていることが認められる。
静的引張試験結果(せん断方向)を図5に、静的引張試験結果(上下剥離方向)を図6に示す。図5において、本発明品が優れていることが認められる。
(5)下板凸型形状トライアル実験結果
下板が凸型形状のもの(円錐形)を用いトライアル実験を行い、断面写真を図7に示す。
下板が凸型形状のもの(円錐形)を用いトライアル実験を行い、断面写真を図7に示す。
図7により、下板凸型形状トライアル前はガラスビーズの変形の少ない上部に留まり、底辺には均一に留まる。縦壁面にはガラスビーズのくい込みがほとんど見られない。一方、下板凸型形状トライアル後は、ガラスビーズが縦壁面に食い込み、底辺にあったガラスビーズが両サイドのR附近に集中する。よって、ガラスビーズの食い込みにより、接合強度が向上する。
図7において、本発明の下板凸型形状トライアルにより、縦壁面にガラスビーズが集まり、上板と下板の食い込み量が増加し、上板と下板との接合強度が向上した。
1 微粒子状固形物、
3 接着剤、
5 上板、
7 下板、
9 台、
11 ポンチ、
13 縦壁面、
15 凸部を有する下板、
17 可動式押さえ。
3 接着剤、
5 上板、
7 下板、
9 台、
11 ポンチ、
13 縦壁面、
15 凸部を有する下板、
17 可動式押さえ。
Claims (4)
- 微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士または異なる板材を重ね、両者を台を背当てにしてポンチにより局部的に押し込みメカニカルクリンチにより接合することを特徴とする板材接合体の製造方法。
- 前記台と接する下板材の形状は凸型であることを特徴とする請求項1記載の板材接合体の製造方法。
- 前記ポンチの周りに上板材と下板材とを加圧するための押さえを設定することを特徴とする請求項1または2に記載の板材接合体の製造方法。
- 微粒子状固形物入り接着剤を介してアルミニウム系板材同士または異なる板材を重ね、メカニカルクリンチにより接合されてなる板材接合体であって、板材の接合部縦壁面に配置された前記微粒子状固形物が前記板材に食い込んでなることを特徴とする板材接合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008052478A JP2009208103A (ja) | 2008-03-03 | 2008-03-03 | 板材接合体の製造方法及び板材接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009208103A true JP2009208103A (ja) | 2009-09-17 |
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