JP2009206432A - 配線基板、その製造方法、配線基板を用いた画像表示装置用のパネル、および、該パネルが搭載された画像表示装置 - Google Patents

配線基板、その製造方法、配線基板を用いた画像表示装置用のパネル、および、該パネルが搭載された画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】材料にガラスを用いた基体上にTaN(6方晶)、αTa、銅がこの順形成された溝配線構造の場合、配線と基体との間で十分な密着強度が得られない場合があった。
【解決手段】本発明は、ガラスからなる基体上に銅配線が形成された、配線基板であって、銅配線が、Ta2N膜、αTa膜、および、銅あるいは銅を主成分とする合金からなる膜がこの順に形成された積層構造であることを特徴とする配線基板である。
【選択図】図2

Description

本発明は、配線基板、その製造方法、配線基板を用いた画像表示装置用のパネル、および、該パネルが搭載された画像表示装置に関する。
近年、現在の画像表示装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display:以下、FDPと略す)が主流であり、さらに、表示面積の大型化が行われている。以下、画像表示装置をディスプレイと称す場合がある。
画像表示面積の大型化に伴い、配線長も長くなる。トランジスタ等のアクティブ素子を用いる画像表示装置の場合、配線の抵抗により、素子に印加される電圧が、接続されている配線の位置で異なってしまうことが危惧されている。
液晶ディスプレイの場合、薄膜トランジスタが形成された基板とカラーフィルタが形成された基板との間に液晶が狭持され、薄膜トランジスタが形成された面と対向する側からバックライトが照射される。このため、従来は、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)の様な透明な材料を用いて、配線および薄膜トランジスタの電極が形成されていた。
薄膜トランジスタのゲート電極あるいは配線に、光を透過しない材料を用いた場合、画素の開孔率が小さくなると言う欠点があるにもかかわらず、特許文献1に液晶ディスプレイ(液晶表示装置)の配線を配線抵抗の低い銅配線を用いる例が開示されている。
特許文献1では、ガラス基板上に形成するゲート電極の密着性を高めるため、ガラス基板上にTa(タンタル)の下地層を設け、該下地層上に、銅を形成することが開示されている。さらに、銅の拡散を防止するため、TaN膜を設けることも開示されている。
特許文献2には、半導体の溝配線構造ではあるが、半導体構造を形成する金属や誘電体に対して、優れた接着性を有し、良好な金属拡散バリアとして作用する、金属相互接続用ライナとして、六方晶のTaNを用いる構成が開示されている。また、銅とTaNとの接着力は乏しいため、銅とTaNとの間にTaの薄膜を形成する構成が開示されている。
特開2005−244185号公報 特開平9−17790号公報
特許文献1では、TaN膜をガラス基板、Ta膜および銅膜のどの位置に形成するかについての開示されていない。
これに対し、特許文献2では、シリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜の様な絶縁膜上に、TaN(6方晶)、αTa、銅がこの順形成された溝配線構造が開示されている。
しかしながら、この構造は、材料にガラスを用いた基体の場合、十分な密着強度が得られない場合があった。
例えば、ガラス基板に溝を形成し、この溝に特許文献2に開示された構造の銅配線を形成した場合、CMP(化学機械研磨)法を用いた平坦化の研磨時に、銅配線の剥がれが生じる場合があった。
CMP法の場合、荷重、回転数等の条件を変えることで銅線の剥がれを防止することが可能な場合もあるが、研磨工程の時間が長くなる等の不具合が生じるので、通常の銅の研磨の条件で研磨可能であることが好ましい。
本発明は、ガラスからなる基体上に銅配線が形成された、配線基板であって、
銅配線が、Ta2N膜、αTa膜、および、銅あるいは銅を主成分とする合金からなる膜がこの順に形成された積層構造であることを特徴とする配線基板である。
さらに、ガラスからなる基体上に銅配線を形成する、配線基板の製造方法であって、
基体上にTa2N膜、αTa膜、および、銅あるいは銅を主成分とする合金からなる膜をこの順に形成する工程と、
その後、銅あるいは銅を主成分とする合金の粒径を大きくするための、400℃以上、ガラス基板の歪点以下の温度の熱処理工程と、を有することを特徴とする配線基板の製造方法であり、上述の配線基板上に形成された、銅配線と接続された電子放出素子を有する第1の基板と、ガラス基板上に蛍光体が配された、第2の基板と、を有し、第1の基板と第2の基板とが、電子放出素子と蛍光体とが対向するように配置されている画像表示装置用のパネル、および、該パネルが搭載された画像表示装置である。
本発明は、ガラスを用いた基体上に形成された銅配線の基体と剥離を抑制することができる。
発明者らは、ガラス基板上に窒化タンタル層−タンタル層−銅層をこの順に形成した後、熱処理を行うことでCMP工程での剥離が発生しない(密着性が向上する)ことを知見した。
熱処理の前と後とで結晶構造をX線回折法により測定した結果、熱処理後の測定では、窒化タンタルとタンタルとは、熱処理前に検出されていない、Ta2NとαTaとが検出された。また、窒化タンタル層のTEMによる電子線回折像でも、窒化タンタルとしては熱処理前に検出されていない、Ta2Nのパターンが確認された。
さらに、上述の配線の密着強度を測定したところ、熱処理時間により、銅の粒径が大きくなり、粒径が大きいほど密着強度が増大することがわかった。
本発明は、ガラスからなる基体上に銅配線が形成された、配線基板であって、銅配線が、Ta2N膜、αTa膜、および、銅あるいは銅を主成分とする合金からなる膜がこの順に形成された積層構造であることを特徴とする配線基板である。
ここで、銅膜の、αTa膜と接する領域の銅膜を構成する銅の結晶の平均粒径が0.7μm以上であることが好ましい。
又、銅配線が、ガラス基板に形成された溝の中に形成され、Ta2N膜、および、αTa膜は、溝の側面および底面のみを覆うように形成されていることが好ましい。
更に、ガラスからなる基体上に銅配線を形成する、配線基板の製造方法であって、
基体上にTa2N膜、αTa膜、および、銅あるいは銅を主成分とする合金からなる膜をこの順に形成する工程と、
その後、銅あるいは銅を主成分とする合金の粒径を大きくするための、400℃以上、ガラスの歪点以下の温度の熱処理工程と、を有することを特徴とする配線基板の製造方法である。
又、上述の配線基板上に形成された、銅配線と接続された電子放出素子を有する第1の基板と、ガラス基板上に蛍光体が配された、第2の基板と、を有し、
第1の基板と第2の基板とが、電子放出素子と蛍光体とが対向するように配置されていることを特徴とする画像表示装置用のパネルである。
この際、電子放出素子が表面伝導型電子放出素子であることが好ましい。
更に、上述の画像表示装置用のパネルが搭載されたことを特徴とする画像表示装置であることが好ましい。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
<実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について説明する。
一般に、金属配線の周囲には絶縁体を配して、電気的ショートが起きない構成とする。金属配線と絶縁体とは、製造工程中にそれらに働く応力や、完成後の使用に耐えうる密着力を有する必要がある。
金属配線と絶縁体といった異種材料間の密着力は、互いの結晶構造の違いに由来する界面での整合性、界面での熱的・化学的安定性、および物性の違いに支配される。
本実施形態において、基板の材質としてガラスを用い、配線は基板から順に、窒化タンタル、タンタル、銅が積層された積層構造である。
銅は、Cu−Mg(2%)合金等の合金であっても良く、ガラス基板としては、無アルカリガラス基板、ホウケイ酸ガラス基板、ソーダライムガラス基板等を用いることができる。
窒化タンタル、タンタルは、スパッタ、イオンプレーティング、CVDなどを用いることができ、銅は、銅のスパッタ、銅めっき、あるいは、銅粉末入りのガラスペーストの焼成等により形成することが可能である。
タンタルおよび窒化タンタルは比較的酸化し易く、各層の成膜の間に表面酸化を極力抑える必要があるため、タンタル、窒化タンタルおよび銅の成膜は、連続成膜することが好ましい。タンタル系の膜と銅とを連続成膜する場合、スパッタ法を用いることが好ましい。
銅の配線の抵抗を小さくするためには、銅の膜厚を厚くすることで実現できるが、この場合、スパッタ法で銅膜を形成後、銅めっきを行えばよい。銅めっきとしては、無電解めっき法と電解めっき法とあるが、無電解めっき法、電解めっき法、あるいは、無電解めっき法と電解めっき法との組み合わせのいずれを用いても良い。
銅配線は、フォトレジストにより配線パターンを形成後、フォトレジスト上に銅膜を形成した後、フォトレジストを剥離する、リフトオフ法、あるいは、銅膜上に、フォトレジストを形成後、通常のフォトリソグラフィー法を用いフォトレジストに配線パターンを形成し、該フォトレジストをマスクとして、エッチング法により銅を除去することで形成することもできる。
また、溝が形成されたガラス基板に、ブランケット状に銅を形成し、研磨による平坦化を行い、溝配線を得ることもできる。
ここで問題となるのは、ガラス基板と銅の密着力である。異種材料の接合界面は、両者の整合性により密着力が左右される。ガラスと銅の整合性は低い。また、スパッタ、めっきのいずれにしても、内部応力により自ら基板から剥離する性質がある。更に、熱工程を行う場合には、異種材料間で熱応力が生じて剥離し易い。
本実施形態においては、銅とガラスとの間に、Ta2N層とTa(タンタル)層を設けた。より具体的には、ガラス−Ta2N層−タンタル層−銅、の順に配線を形成した。
かかる構成とすることにより、ガラス基板と配線との密着力を向上させることができる。これは、金属タンタルよりもセラミックス質の窒化タンタルの方が、ガラスに対する整合性が高いことに起因すると考えられる。
この構成は、ガラス基板上に、窒化タンタル膜―タンタル膜―銅膜を形成後、ガラスの歪点以下の温度の熱処理を行うことで達成される。熱処理の温度の下限は、銅の結晶粒径が大きくなる200℃以上であれば良いが、熱処理時間を短縮することができるので、400℃以上であることがより好ましい。熱処理は、銅の酸化を防止するために、窒素雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、図1および図2に示す溝配線構造で、ガラス基板A2に形成された溝の中に、銅を主成分とする溝配線A1が形成されている。ガラス基板A2は、SiO2を50〜60%、BaO、Al23、SrO、K2O、CaOを5〜10%含有するソーダライムガラス基板である。尚、ソーダライムガラス以外にも、無アルカリガラス基板、あるいは、ホウケイ酸ガラス基板等のガラス基板、あるいは、基板上にソーダライムガラス、無アルカリガラス、あるいは、ホウケイ酸ガラス等を材料とした、ガラスペーストを用いて形成した絶縁膜であっても良い。
溝配線A1近傍の拡大図を図2に示す。溝の側面を覆う窒化タンタルA1−1、タンタルA1−2中に、銅からなる配線A1−3が形成されている。
この溝配線A1は、以下の工程を経て形成することができる。
(工程1)
先ず初めにガラス基板にブラスト処理を行い、溝を形成した後、TMAH0.3%40℃の液で洗浄を行い、十分な純水で置換、乾燥する。
(工程2)
銅ターゲットおよびタンタルターゲットを搭載したDCタイプのカソードを有するスパッタ装置を用い、
窒素およびアルゴンの混合ガス中で窒化タンタル膜を形成し、続いて、雰囲気をアルゴンにした後、タンタル膜および銅膜を形成する。タンタルおよび窒化タンタルは比較的酸化し易く、各層の成膜の間に表面酸化を極力抑えるために、スパッタ装置中で連続成膜することが好ましい。
(工程3)
次に、無電解銅めっき−電解銅めっきを行い溝への銅の埋め込みが完了する。この段階では、基板全面に銅が成膜された状態である。
(工程4)
化学機械研磨法を用いた平坦化加工を行う前に、400℃の窒素雰囲気で1時間の熱処理を行うことで、平坦化加工での摩擦力による剥離が無くなる。
銅の結晶粒径は、熱処理により大きくなるが、特に、熱処理温度が200℃を超えると顕著に結晶粒径が大きくなるので、200℃以上の温度により熱処理が好ましい。上限はガラス基板の歪点以下であることが好ましい。
窒素雰囲気による熱処理により、Ta2N膜、αTa膜、および、銅の積層構造が形成される。これは、熱処理後の窒化タンタル層およびタンタル層の結晶構造をX線回折法による測定、および、窒化タンタル層のTEMによる電子線回折像により確認された。
Ta2N膜、αTa膜、および、銅の積層構造が形成される理由は、ガラスと窒化タンタル間および、窒化タンタルとタンタル間で相互拡散が生じる。ガラスに含まれる酸素は窒化タンタルに拡散し、タンタル、窒素、酸素の化合物に変化する。窒化タンタルとタンタル間では窒素が拡散することが原因と考えられる。
また、熱処理により銅の結晶粒径が大きくなると密着強度が向上することがわかった。
本実施形態では、ソーダライムライトからなるガラス基板上に形成した、深さ30μm、幅300μmで溝と溝との間隙300μmの溝に、膜厚10nmの窒化タンタル膜、膜厚10nmのタンタル膜、および、膜厚50nmの銅膜をこの順に形成し、
その後、無電解銅めっき処理により、膜厚1μmの銅膜と硫酸銅系の電解銅めっきにより膜厚30μmの銅膜を形成した後、化学機械研磨法を用いて平坦化した基板を用いた。
図5は、密着力と銅結晶の平均粒径との関係を示す図で、熱処理前の、密着力10gf/mmに比べて、熱処理を行うことで、密着力が向上していることがわかる。
密着力が40gf/mm以上あれば、通常のCMP研磨条件で剥がれが生じることはないが、密着力が50gf/mm以上であることがより好ましい。
上述の密着力を得る銅の平均粒径は、0.7μm以上であることが好ましい。銅の粒径は、熱処理温度を高くする、あるいは、熱処理時間を長くしても、無限に粒径が大きくなることはなく、粒径は材料の膜厚程度までしか成長しない。
銅の粒径が大きくなると、粒界面積は減少することとなる。粒界は微視的なひずみが存在することを意味している。加熱によって、銅の粒径が大きくなり、粒界面積が減少することで銅の結晶の内部ひずみが減少し、配線の剥離がより起き難くなり、粒径が大きくなることも離強度の上昇に寄与すると思われる。
銅の結晶は加熱温度および加熱保持時間により変化するので、必要な結晶粒径は、加熱温度あるいは加熱処理時間を変化させて得ることが可能である。
密着力の測定は、ピール試験により測定を行った。
測定は、配線が形成された基板を配線と垂直な方向に割断すると、配線は金属延性があるために破断面より少し飛び出した状態で分断される。該金属配線端部をアイコーエンジニアリング製 モデル1605Nを用いクリップ状の固定具で固定した。その後、基板表面より垂直方向に一定速度で移動させ、配線とガラスとが界面から剥がれを生じた際に固定具にかかっている荷重を測定し、剥がれる際の力を配線の単位幅に規格化した。
結晶粒径はタンタル層と銅層との界面から2μmの範囲にある銅の断面の粒経を測定した。測定は、電子線後方散乱回折(electron backscatter diffraction:EBSD)法を用いて行なった。これは多結晶構造の金属面に電子線を照射すると、各結晶粒における電子の反射強度が異なるので、それによって結晶粒界を検知し可視化するもので、結晶粒ごとに画像処理等を施し、平均粒径を算出することができる。平均粒径の算出法としては、複数の結晶粒断面積を画像処理により算出し、それらの面積が円に換算した場合の直径を計算して平均化する、あるいは、測定領域に一定長さの直線を引き、その直線を横切る結晶粒界の数で平均化する等の方法がある。本実施例では画像処理により複数の結晶粒断面積を算出し、それらの面積が円に換算した場合の直径を計算して平均化した値を用いた。測定は、幅50μmの領域を画像化し、タンタル層と銅層との界面から2μmの範囲にある銅の結晶粒界の断面を円換算し、その平均を求めた。
最後に、化学機械研磨法を用い平坦化することで溝配線構造が形成される。
(第2の実施形態)
次に、図3および図4を用いて、本発明の第2の実施形態を詳細に説明する。
ソーダライムライトガラスからなるガラス基板B2上に配線B1が形成されている(図3参照)。図4は、配線B1の詳細図で、ガラス基板B2上に形成されている配線が、第1の実施形態と同様に、Ta2NB1−1、Ta(タンタル)B1−2、および銅B1−3の積層構造からなることを示している。
図3および図4に示す構造の配線は、ガラス基板B2上に、アクリル系の樹脂を主成分としたフォトレジストによる配線パターンを形成後、第1の実施形態の工程2と同様の方法を用い、窒化タンタル、タンタルおよび銅からなる膜を形成し、その後、フォトレジストを剥離することで形成される。剥離液は、銅の溶出を防止するために、ジメチルスルフォキシド100%の溶液を用いることが好ましい。
その後、窒素雰囲気中で、400℃1時間の熱処理を行うことで配線が形成される。
(実施例)
以下、本発明を、電子放出素子を利用したディスプレイに用いる配線基板に適用した例を用いて詳しく説明する。
(実施例1)
電子放出素子を用いた画像表示装置(以下、FEDと略す)用のパネルは、走査線、信号線および走査線と信号線とに接続された電子放出素子が形成された、第1の基板(配線基板)と、電子放出素子から放出された電子を受けて、赤色、緑色、あるいは、青色の蛍光を発する蛍光体が形成された第2の基板とを組み合わせて形成されている。
本発明は第1の基板となる、配線基板である。ソーダライムライトガラスからなるガラス基板A2に形成された溝内に、走査線となる溝配線A1が形成されている(図1参照)。
図2は、溝配線A1の拡大図で、溝の側面を覆う窒化タンタルA1−1、タンタルA1−2中に、銅からなる配線A1−3が形成されている。
この溝配線A1は、以下の工程を経て形成することができる。
(工程1)
先ず初めにガラス基板にブラスト処理を行い、溝を形成した。溝は、深さ30μm、幅300μmで溝と溝との間隙300μmとした。その後、TMAH0.3%40℃の液で洗浄を行い、十分な純水で置換、乾燥した。
(工程2)
DCタイプのカソードを有するスパッタ装置に、純度4Nの銅ターゲットおよび純度3Nのタンタルターゲットを搭載し、プロセスガスはアルゴンおよび窒素を用いた。一層目は窒素およびアルゴンの混合ガスで、窒素の比率は10%とし、膜厚10nmの窒化タンタル膜を形成した。続いて、雰囲気をアルゴンとして膜厚10nmのタンタル膜を形成し、その後、アルゴン雰囲気で膜厚50nmの銅膜を形成した。
(工程3)
次に、無電解銅めっき処理を行う。液組成はロッシェル塩浴で、膜厚1μmの無電解めっきによる銅膜を形成した。続いて、硫酸銅系の電解銅めっき処理を行い、膜厚30μmの電解めっきによる銅膜を形成し、溝への銅の埋め込みが完了した。この段階では、基板全面に銅が成膜された状態である。
(工程4)
400℃の窒素雰囲気で1時間熱処理を行った後、化学機械研磨法を用いて平坦化加工を行った。これにより走査線レイヤーが形成された。
(工程5)
その後、層間絶縁膜を形成した。本実施例では、ガラス粉末を主体とする感光性ガラスペーストを用いて層間絶縁膜を形成した。層間絶縁膜は、該ガラスペーストを印刷、露光、現像を行い、後工程で電子放出素子と走査線との電気的接続を図るコンタクトホールパターンを形成し、500℃で1時間焼成する。焼成後の膜厚は20μmとした。銅の表面の酸化物は塩酸を3%含む液で洗浄除去した。
層間絶縁膜としては、アルキル基を配したシラノールなどの物質を溶剤に溶かし込み、スピン等の方法によりこの液体を基板に塗布し、続いて溶媒を乾燥させ、更に高温で焼成することにより、アルキル基を酸化してSiO2を形成するSOG(スピン・オン・グラス)法を用いることもできる。例えば、ポリシラザンをヘキサン溶媒に溶かし、これをスピンコート法で5μm程度の厚みに塗布し、続いて300℃の温度で溶媒を乾燥し、更に400℃で焼成することにより、厚み2μmのシリコン酸化膜層を形成することができる。
その後、層間絶縁膜上にフォトレジストを形成し、通常のフォトリソグラフィー法を用いて信号線パターンを形成した後、工程2と同じ方法で窒化タンタル膜、タンタル膜および銅膜をこの順に形成した。窒化タンタル膜およびタンタル膜の膜厚は工程2と同じ膜厚であるが、銅膜の膜厚は500nmとした。
その後、ジメチルスルフォキシド100%溶液を用いてフォトレジスト膜を剥離した。レジスト膜上に形成された窒化タンタル膜、タンタル膜、および、銅膜はフォトレジスト膜の剥離により除去され、信号線が形成された。この方法はリフトオフ法と呼ばれる方法である。ジメチルスルフォキシド100%溶液を用いてフォトレジスト膜を剥離することで、銅の溶出を防ぐことができる。
(工程7)
その後、画素に対応する電子放出素子を形成し、走査線および信号線と接続することで電子放出素子を用いたディスプレイ(以下、FEDと略す)用のパネルの第1の基板となる配線基板が完成した。電子放出素子としてはスピント型の電子放出素子あるいは表面伝導型電子放出素子を用いることができるが、本実施例では表面伝導型電子放出素子を用いた。
その後、電子放出素子から放出された電子を受けて、赤色、緑色、および、青色の蛍光を発する蛍光体が形成された第2の基板と第1の基板とを、スペーサと基板の周辺部のガラス枠を挟んで、溶解したインジウムをガラス枠および各基板間に充填して封着した。この結果、電子放出素子を用いたディスプレイ(以下、FEDと略す)用のパネルが形成された。
尚、これらの組み立ては高真空中、150℃以上の高温のチャンバー中で実施される。
画像表示装置の表示部として上述のパネルを搭載することで、画像表示装置が完成する。
(実施例2)
実施例1と同様に、図3は電子放出素子を利用したディスプレイ用のパネルの第1の基板となる配線基板である。ソーダライムライトガラスからなるガラス基板B2上に走査線となる配線B1が形成されている(図3参照)。
図4は、配線B1の拡大図で、ガラス基板上に窒化タンタルB1−1、タンタルB1−2、および銅B1−3がこの順に積層された構造の配線B1が形成されている。
リフトオフ法を用いて図4に示された構造の配線が、形成された。
即ち、ガラス基板上にフォトレジストを形成し、通常のフォトリソグラフィー法を用いて信号線パターンを形成した後、実施例1の工程2と同じ方法で窒化タンタル膜、タンタル膜および銅膜をこの順に形成した。窒化タンタル膜およびタンタル膜の膜厚は工程2と同じ膜厚であるが、銅膜の膜厚は500nmとした。その後、ジメチルスルフォキシド100%溶液を用いてフォトレジスト膜を剥離した。レジスト膜上に形成された窒化タンタル膜、タンタル膜、および、銅膜はフォトレジスト膜の剥離により除去され、走査線が形成された。
以降の工程は実施例1と同様である。
(比較例1)
本比較例の工程は実施例1の工程とほとんど同じであるが、実施例1の工程4において、平坦化加工の前に熱処理を施さなかった点が実施例1と異なる。
密着度は、10gf/mmで、CMP研磨工程で、剥がれが発生した。
(比較例2)
本比較例の工程は実施例1の工程とほとんど同じであるが、実施例1のソーダライムガラスの代わりにSiO2を用いた点が実施例1と異なる。
本発明の第1の実施形態および実施例1の配線の概略図である。 本発明の第1の実施形態および実施例1の配線の断面拡大図である。 本発明の第2の実施形態および実施例2の配線の概略図である。 本発明の第2の実施形態および実施例2の配線の断面拡大図である。 配線の密着力と配線内の結晶粒径との関係を示すグラフである。
符号の説明
A1 配線、溝配線
A2 ガラス基板
A1−1 窒化タンタル
A1−2 窒化タンタル
A1−3 銅
B1 配線
B2 ガラス基板
B1−1 窒化タンタル
B1−2 窒化タンタル
B1−3 銅

Claims (7)

  1. ガラスからなる基体上に銅配線が形成された、配線基板であって、
    前記銅配線が、Ta2N膜、αTa膜、および、銅あるいは銅を主成分とする合金からなる膜がこの順に形成された積層構造であることを特徴とする配線基板。
  2. 前記銅膜の、前記αTa膜と接する領域の前記銅膜を構成する銅の結晶の平均粒径が0.7μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記銅配線が、前記ガラス基板に形成された溝の中に形成され、前記Ta2N膜、および、αTa膜は、前記溝の側面および底面のみを覆うように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。
  4. ガラスからなる基体上に銅配線を形成する、配線基板の製造方法であって、
    前記基体上にTa2N膜、αTa膜、および、銅あるいは銅を主成分とする合金からなる膜をこの順に形成する工程と、
    その後、前記銅あるいは銅を主成分とする合金の粒径を大きくするための、400℃以上、前記ガラスの歪点以下の温度の熱処理工程と、を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
  5. 請求項1に記載の配線基板上に形成された、銅配線と接続された電子放出素子を有する第1の基板と、ガラス基板上に蛍光体が配された、第2の基板と、を有し、
    前記第1の基板と前記第2の基板とが、前記電子放出素子と前記蛍光体とが対向するように配置されていることを特徴とする画像表示装置用のパネル。
  6. 前記電子放出素子が表面伝導型電子放出素子であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置用のパネル。
  7. 請求項5に記載の画像表示装置用のパネルが搭載されたことを特徴とする画像表示装置。
JP2008049864A 2008-02-29 2008-02-29 配線基板、その製造方法、配線基板を用いた画像表示装置用のパネル、および、該パネルが搭載された画像表示装置 Pending JP2009206432A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011114989A1 (ja) * 2010-03-17 2011-09-22 東京エレクトロン株式会社 薄膜の形成方法
JP2013110014A (ja) * 2011-11-22 2013-06-06 Panasonic Corp 有機el素子の製造方法および有機el表示パネル
JP2019044212A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 大日本印刷株式会社 ガラス基材へのめっき方法及びガラスインターポーザの製造方法

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