JP2009205679A - 活動ベースの広告のための不確定特定方法 - Google Patents

Abstract

【課題】顧客の不確定状態を特定する活動ベースの広告システムを提供する。
【解決手段】コンピュータにより実行され、顧客の不確定状態を特定する活動ベースの広告システムを促進する方法であって、顧客の複数の動線を受信するステップと、前記動線のパターンに基づいて不確定点を特定するステップと、前記不確定点に基づき広告を提示する１又は複数の受け入れ機会を決定するステップと、前記受け入れ機会に該当する期間中に前記顧客に対し１又は複数の広告を提示するステップと、を含む。
【選択図】図１

Description

本発明は、広告システム、特に、顧客の不確定状態の特定を容易にする活動ベースの広告システムに関する。

広く展開された無線機器に接続されるユビキタスインターネットは、広告産業に大幅な変化をもたらしている。２００５年には全世界で３，８５０億ドルが広告に費やされ、その内オンラインおよび無線による広告は１９０億ドルを占めている。インターネット広告は、累積年間成長率が１８．１パーセントもある最も成長した広告形態であった。しかしながら、インターネット広告にも限界があり、急成長を維持するには新たなメディア広告に新しい可能性が発見される余地が残されている。

しかしながら、既存のインターネット広告は、ユーザがオンラインでコンピュータ画面を見ている時のみ有効である。これに対し、従来の広告は多様な形式で出現する。例えば、小売店内では看板によって製品を広告することができる。ラジオ番組では視聴者が多種多様な活動に携わっている間に製品を広告することができる。印刷広告は、紙が使用されていれば、新聞から、チラシ、レシート、チケットの半券に至るまで、どこにでも見られる。インターネット広告は、顧客の興味に的を合わせることができるという点で従来の広告に勝るが、それでも人間の個々の活動に密接に合わせて調整することはできない。

本発明に係る活動ベースの広告のための不確定特定方法は、本発明の１つの実施形態では、顧客の不確定状態を特定する活動ベースの広告システムを提供する。動作中、システムは顧客の複数の動線（ｔｒａｊｅｃｔｏｒｉｅｓ）を受信し、動線のパターンに基づき不確定点を特定する。次にシステムは、不確定点に基づき広告を提示する１又は複数の受け入れ機会を決定する。さらにシステムは、受け入れ機会に該当する期間中に顧客に対し１又は複数の広告を提示する。

この実施形態の１つの変形例では、各動線は顧客の位置のトレース情報を含む。さらに、トレース情報は、顧客が複数の異なる位置にいた時刻と、それら複数の異なる位置に関連付けられた活動スポット（ｖｅｎｕｅ）とを示す。

この実施形態の他の変形例では、不確定点を特定するステップは、複数の動線の間の分岐点を決定するステップと、この分岐点における動線の間の分岐が十分に不確実であって所定の閾値を超えるかどうかを判断するステップとを含む。

さらに他の変形例では、システムは複数の分岐する動線と分岐を予想可能とする他の状況、イベント、活動との間の相関関係を特定し、不確定点として認識しないように、そのような相関関係を持つ動線を除外する。

さらに他の変形例では、不確定点は複数の異なる活動階層に対応することができる。

さらに他の変形例では、システムは顧客に関する状況情報を受信する。また、不確定点を特定するステップはこの状況情報にさらに基づく。

さらに他の変更例では、状況情報には、時刻、曜日、天候状態、顧客の予定表の内容、メッセージ、Ｅメール、加速度計および／またはジャイロスコープによるトレース情報、および交通状況のうちの１つまたは複数を含む。

活動に応じた広告を顧客の携帯機器に配信することは、従来の広告方法を補完する新しい技術である。活動に応じた広告は顧客のニーズによりよく的を合わせることができ、顧客の活動に合わせて動的に調整できる。そのようなシステムでは、広告によって顧客が最も影響される機会を特定できることはシステムにとって重要であって、それによってシステムはより効果的に広告を配信することができる。

本発明の一実施形態に係る、顧客の不確定状態の特定を実現する受け入れ機会に基づく広告システムの構造例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る受け入れ機会に基づく広告システムの動作方式の例を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係る顧客の動線パターンの例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る顧客の動線パターンの例を示した図である。 本発明の一実施形態に係る顧客の不確定点を特定する工程と、受け入れ機会を特定する工程と、広告を提示する工程とを例として示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る、客の不確定状態を特定することによって広告システムを実現するコンピュータシステムの例を示した図である。

本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面中、同じ参照番号は同一または実質的に同様な要素または工程を示す。参照番号の最上位桁にあたる１又は複数の桁はその要素が最初に言及される図面番号を示す。例えば要素１０２は、図１に最初に記載され、関連して説明される。

以下に、当業者が本発明を実施し利用できるように説明を示し、具体的な適用例およびその要件に即して説明する。当業者には開示された実施形態に対する様々な変更が容易に明らかであろうし、本発明の精神と範囲とを逸脱せずに、ここで規定する全般的な原理を他の実施形態や用途に適用することができる。したがって、本発明は示される実施形態に制限されるものではなく、ここで開示する原理および特徴に一貫する最も広い範囲で理解されるべきである。

本発明の実施形態では、顧客の活動に応じ、受け入れられる機会に基づき広告を提示する広告システムを提供する。

特に、本システムでは、購買に関する選択における顧客の不確定状態を特定し、その情報を使用してより焦点を絞った広告を提示する機会をさらに特定する。１つの実施形態では、本システムは、（例えば、携帯電話、携帯端末（ＰＤＡ）、または場合によっては付近の電子掲示板などを介して）移動する顧客への広告を対象とし、顧客の未来の購買活動に影響を与えることができるような活動を対象とする広告を配信する。例えば、本システムは、顧客の活動軌跡、すなわち動線を取得できる。動線には、トレース情報に沿ったいくつかの活動スポットが示された位置と時刻のトレース情報と、顧客の現在の状況とを含むことができる。次にシステムは、顧客が仕事からの帰り道に電車を降りてから数軒のレストランのうちの１件を通常訪れることを予測する。そしてシステムは、レストラン関連の広告を提示するのに有効な機会は顧客が電車待ちをしている間であることを特定し、顧客に関連のある役立つ広告を提示する。

一般的に人間の活動は、確立されたパターンに従うものもあれば、非常に予測が不可能なものもある。上記の例では、顧客の不確定状態を知ること、つまり顧客はどのレストランを訪れるか決めていないことを知ることは広告主にとって重要である。そのような不確定状態は、顧客の購買活動に影響を与える機会を生むからである。例えば、通勤者が平日の毎朝どこへ行くのかを予測することは可能である。しかし、同じ通勤者が仕事を終えた後、または土曜日の朝に何をするかについてはまったく予想がつかない。本開示では、後者の状況を不確定状態と呼ぶ。不確定状態とは、活動において顧客が広告によって影響を受けやすい可能性がある分岐点または拡散点を表わす。例えば、電車の目的の駅に到着した時などの不確定点において、活動に関する顧客の選択に影響を与えた方が広告主にとってはるかに効果的かつ有益であるであろう。広告の提示は不確定点より前または後でもよい。例えば、顧客が電車を待っていたり、電車に乗っているときでもよい。

本開示では以下の用語を使用する。

「広告主」。本用語は、主としてサービスや製品の広告を希望する企業を意味する。本開示では「広告主」と「広告」という用語は、広い意味において「コンテンツプロバイダ」と「コンテンツ」とをそれぞれ意味する。ここで、例えばコンテンツプロバイダは、目的とするコンテンツの顧客への配信に対し支払いをするが、そのコンテンツは特定のサービスや製品を広告するものでなくてもよい。一般的な広告主であれば利益を最大とすることを目指し、その点で広告は経費の１つである。このため、広告主にとって、対象を絞った広告はより有効である。

「顧客」。本用語は、広告の受け取り側、つまり広告主の潜在的な顧客を意味する。一般的に顧客は歓迎する広告もあるが、それ以外の種類の広告については受け取ることを望まない。このため、対象を絞った広告は顧客にとってより受け入れやすい。本開示では、「顧客」という用語は広い意味でコンテンツを受け取る人を意味するが、広告主の顧客としてその人を含むように意図されていない場合もある。

「プロバイダ」。本用語は、顧客に広告を配信するサービスの提供業者を意味する。プロバイダは対象を絞った広告を配信することを請け負う。本発明の実施形態は、プロバイダが顧客の活動と状況に基づき広告を配信するために利用できる技術を提供する。実施形態によっては、顧客に広告を提示するルートを提供するパブリッシャが別に存在することも可能である。プロバイダは、広告とパブリッシャが提供するルートとを選択し、支払いの仕組みに応じて、広告主に請求し、パブリッシャに支払いをする。

「提示」。本用語は、顧客に広告を示すことを意味する。なお、本発明の実施形態は、提示の仕方に依存しない。提示には、携帯端末（ＰＤＡ）または携帯電話にバナーやポップアップを付加すること、電話、音楽プレーヤ、カーステレオに音声メッセージを流すこと、ＧＰＳナビゲーション装置に表示される地図を編集すること、または顧客の付近にある掲示板を変更することなどが含まれる。

「報酬」。本用語は、広告の提示が「成功」した場合に広告主がプロバイダに支払う額を意味する。広告の提示の成功とは、多様に定義することができる。したがって、報酬も様々に構成することができる。提示ごと、クリックごと、または行為ごとの支払い（広告主が決める委託形式による）が可能である。１つの実施形態では、活動に応じた広告に、新しい構成である予測の的中ごとの支払いが利用されている。

「活動」。本用語は、顧客の活動を意味する。例えば、顧客の活動は「駅に向かって歩く」でもよい。活動は、意味的な複数の異なるレベルで表現することができる。例えば、「駅に向かって歩く」は、「仕事を終えて家へ戻る」と表現してもよい。いくつかの実施形態に基づく広告システムでは、活動は「運動すること」のような目的、「自転車で」のような道具、「上級」などの技能レベル、または活動に関する他の限定語や修飾語をともなって部分的に表現してもよい。活動を対象とする広告または活動に応じた広告は、意味的な複数の異なるレベルでの完全なまたは部分的な表現に依存することによって、多数の関連する活動の取得を実現することができる。

「状況」。本用語は顧客の活動を取り巻く付加的な情報を意味する。例えば、活動が行なわれる「雨の日」などの情報である。実施形態によっては、活動に応じた広告を提示するために、活動内容と状況内容との両方が利用される。なお「状況」という用語は、多くの場合、活動に関連する用語と連係して使用される。「活動」、「活動対象」、「活動に応じた広告」という用語は、広告の対象を絞るために、活動の特徴に加えて利用可能な付加的な状況を含むように主に使用される。

「機会」。「広告機会」、「提示機会」、「受け入れ機会」とも呼ぶ。本用語は、広告システムによって特定された時間枠を意味し、この時間枠の間に選ばれた広告を顧客に提示できる。

「不確定状態」。本用語は、顧客の活動パターンにおける分岐点または拡散点を意味し、この点において顧客は次の活動について決めていない。不確定点は、複数の異なるレベルまたは階層の活動と関連付けることが可能である。例えば、顧客が次に何をするのか決めていない場合、選択肢は、食事、買い物、映画などである。また、顧客は何をするか決めた後、どこに行くのか決めていない場合もあり、この場合も不確定点が生じる。例えば、顧客は食事をしようと決めてもどのレストランにするかは決めていない。この場合も不確定点が生じる。

本発明の複数の実施形態では、不確定点を特定するメカニズムを提供し、このメカニズムは効果的な広告を実現できる。なお、広告を提示する最良のタイミング、つまり「提示機会」または「受け入れ機会」は、不確定点その時ではなく、むしろ不確定点より十分前の時点であることも可能である。

実施形態によっては、プロバイダのシステムは、顧客の活動に関する履歴データを使用して分岐点を特定する。このような履歴データには、ＧＰＳ（グローバル・ポジショニング・システム）が備えられた顧客の携帯機器によって生成される位置と時刻のトレース情報が含まれる。１つの実施形態では、顧客の携帯機器からＧＰＳのトレース情報をプロバイダのシステムにアップロードする。そして、プロバイダのサーバは、そのトレース情報を活動スポットマップにマッピングし、店、公園、レストラン、オフィスビルなど、顧客がどの活動スポットにいたか、また各活動スポットにいた時刻および活動スポット間の移動時間を学習する。このような情報に基づき、プロバイダのシステムは、顧客の活動軌跡（動線）を再構築してもよい。顧客の動線を取得した後で、システムは次にこれらの動線がどこで分岐しているかを判断する。これらの分岐点は次に不確定点としてラベル付けされ、システムはこれらの不確定点を使用して広告の提示機会を特定する。場合によっては、いずれ分岐するとしても、１つの分岐点の後に続く複数の動線が少しの間共通のパターンを共有することもあり得る。つまり、動線は、ツリー型構造を形成し、複数の分岐点を示すことができる。このような場合、実施形態によっては、システムは動線ツリー内の最初の分岐点に該当する１つの共通の不確定点にこれらの分岐するすべての動線を関連付けることができる。

図１に本発明の１つの実施形態による、顧客の不確定状態の特定を実現する受け入れ機会に基づく広告システムの構造を例として示す。この実施形態において、広告システム１００は、広告機会特定モジュール１０２と競売およびプレースメントモジュール１１０とを含む。広告機会特定モジュール１０２は、不確定状態特定モジュール１０３を含む。広告機会特定モジュール１０２は、利用可能提示メカニズム１０４と通信し、顧客の携帯電話から顧客の現在の状況を示す状況データ１０６と顧客位置・時刻トレース情報１０５とを受信する。それに加えてまたはそれに代わって、広告機会特定モジュール１０２は、活動モデル化／予測モジュール１０８と通信する。活動モデル化／予測モジュール１０８は、顧客状況データ１０６に基づき顧客の活動を予測または求める。

１つの実施形態では、不確定状態特定モジュール１０３は、顧客の位置・時刻トレース情報１０５から求められた動線内の１又は複数の分岐点を特定する。これらの分岐点に基づき、不確定状態特定モジュール１０３は不確定点を特定する。続いて広告機会特定モジュール１０２は、不確定点、利用可能提示メカニズム１０４、および任意の状況データ１０６に基づき１又は複数の提示機会を特定する。なお、広告を提示する最適なタイミングは通常、顧客が次に何をするか決定する前であるので、多くの場合、提示機会のタイミングは不確定点に該当する時刻よりも前となる。

次に競売およびプレースメントモジュール１１０は、特定の広告提示機会に対し広告主から入札（ＢＩＤ）１１４を受信する。入札１１４とともに、広告主は競売およびプレースメントモジュール１１０に対し、広告１１２とプレースメント仕様書１１６も送ることができる。プレースメント仕様書１１６は、広告主の提示に関する意向を指定し、対象とする活動、不確定状態、および／または提示機会のうちの１つまたは複数に関する仕様を含んでもよい。広告主の入札が選択されると、次に広告システム１００は、受け入れ機会中に対応する広告表示１１８を顧客の携帯機器に提示する。

図１に示す構造は、広告システムの可能な１つの実施形態に過ぎない。実施形態によっては、利用可能提示メカニズム１０４は、広告を提示できる多様な装置を含むことができる。そのような装置には、携帯電話、ＰＤＡ、コンピュータ、公共の場にあるディスプレイ、ラジオ、テレビ、車両内のナビゲーション装置などが含まれる。

さらに、状況データ１０６は、顧客の過去、現在、未来における活動を判断するために使用できる様々なタイプの情報を含むことが可能である。このような情報は、時刻、曜日、天候状態、顧客の位置、移動速度などの物理的な情報を含むことができる。また、状況データ１０６は、顧客のカレンダ、インスタントメッセージ、およびＥメールの内容、顧客の過去の活動履歴、および顧客の広告に対する前回の反応など、顧客に関する論理的な内容を含むこともできる。実施形態によっては、状況データ１０６は顧客が持ち運ぶ携帯電話などの携帯機器によって収集してもよい。

１つの実施形態では、活動モデル化／予測モジュール１０８は、状況データ１０６を使用して、過去、現在、および／または未来の顧客に関連付けられた活動を求める。例えば、顧客の携帯電話は、ＧＰＳ受信装置を備えることができる。活動モデル化／予測モジュール１０８は、予め保存された活動スポット情報と複数の異なる時刻における顧客の位置トレース情報とに基づき、顧客が一日のある時刻に通常ある特定の活動に携わることを判断することができる。なお、活動モデル化／予測モジュール１０８は、顧客の携帯機器内、または広告システム１００内に備えることができる。

図２は、本発明の実施形態による受け入れ機会に基づく広告システムの動作方法を例として示すブロック図である。この例では、顧客２００は、携帯機器２０６を使用するが、この携帯機器２０６は、スマートフォンであってもよい。携帯機器２０６は、ＧＰＳ機能を備えており、ＧＰＳ衛星２１４と通信する。携帯機器２０６は、無線塔２０８と、無線サービスプロバイダのネットワーク２０４と、インターネット２０２とを介してプロバイダサーバ２１２とも通信する。動作中、プロバイダサーバ２１２は、携帯機器２０６からＧＰＳ位置・時刻トレース情報を受信し、データベース２１０に保存された活動スポット情報に基づき顧客２００の動線を再構築する。携帯機器２０６は、顧客２００のカレンダの内容、現在時刻などの１組の状況データも収集し、この状況データをサーバ２１２に伝達する。

動線および顧客２００の状況データに基づき、サーバ２１２は、１又は複数の不確定点を特定する。例えばサーバ２１２は、顧客２００が平日の午後６時ごろは毎日、仕事から戻る電車を降りた後、通常レストランに夕食を食べに行くと判断する。目的の電車の駅の位置と、それに対応する顧客２００が電車を降りる時刻とが顧客２００にとってレストランを選ぶ不確定点となる。

活動、不確定点、および状況情報に基づき、プロバイダサーバ２１２は、顧客２００が駅で電車待ちをしている間および電車に乗っている間に有効な受け入れ機会が訪れると判断する。これに伴いプロバイダサーバ２１２は、データベース２１０から、プレースメント仕様書が示す活動、不確定状態、および／または受け入れ機会が適している入札を抽出し、落札する広告を選択する。なお、この選択工程はプロバイダの必要に合うように構成することができる。例えば、プロバイダは、機会内容に関連付けられたトピックに対する最も高額である入札の広告提示を選択することもできるし、または、顧客のニーズに最も即した広告提示を選択することもできる。１つの実施形態では、サーバ２１２は、広告提示に対する機会の品質予測に基づき広告主に対する割引を算出することもできる。

次にサーバ２１２は、広告と、広告をどのように提示するかを示す指示とを携帯機器２０６に伝達する。広告は実施形態によっては、ストリームビデオ、オーディオ、グラフィック、文字、またはこれらの組み合わせであってもよい。広告を受信すると、携帯機器２０６は、指示に従って広告を提示する。なお、他の提示メカニズムも利用できる。例えば提示メカニズムは、電車内に設置された近くの液晶ディスプレイであってもよい。液晶ディスプレイには、ブルートゥースのように携帯機器２０６と通信できる通信メカニズムを備えることができる。広告提示の間、携帯機器２０６は液晶ディスプレイに広告を流し、顧客２００がより大型のスクリーン上で広告を容易に観ることができるようにする。

図３Ａは、本発明の実施形態による顧客の動線パターンを例として示す図である。この例では、通常顧客は夕方オフィス３０２を出て、駅３０４まで歩く。駅３０４でしばらく電車待ちをした後、電車に乗り、駅３０６で電車を降りる。続いて、顧客は、レストラン３０８，３１０および３１２のうちの１つのレストランへ向かう。顧客がレストランを選ぶパターンは特にない。したがって、この例では顧客が駅３０６に到着する時刻が不確定点である。

ＧＰＳトレース情報の精度は限られているので、顧客は通常のルートから逸れることもある。ノイズを含む位置データを分岐点と間違えることがないように、システムはある種の近似幾何学マッチング（ａｐｐｒｏｘｉｍａｔｅ ｇｅｏｍｅｔｒｉｃ ｍａｔｃｈｉｎｇ）を使用することもできる。実施形態によっては、システムはいくつかのトレース情報から平均的な動線を算出し、分岐点を特定してもよい。

なお、トレース情報の生成には多様な装置を利用できる。例えば、車両内に設置された顧客のＧＰＳナビゲータによって、ＧＰＳトレース情報を生成することができる。ＧＰＳナビゲータは、無線ネットワークを介してＧＰＳデータを直接プロバイダのシステムに送信できる。もしくは、ＧＰＳナビゲータは、例えばブルートゥースを介して、ＧＰＳデータを顧客の携帯機器に送信し、その後携帯機器からＧＰＳデータをプロバイダのシステムに送信できる。他の通信メカニズムおよび構成も利用可能である。

プロバイダのシステムによって分岐点における不確実性の度合いを測定してもよい。なお、不確実性の測定は、複数の異なる動線における位置の差異に基づくだけではなく、各動線に関連付けられた時間（時刻、曜日、月、季節などを含む）に基づくことも可能である。実施形態によっては、システムは、動線のエントロピを算出して不確実性を測定する。また、不確定点を特定するために、プロバイダは、さらに不確実性の測定値に閾値を適応し、次に不確実性が十分な場合にその分岐点を不確定状態とラベル付けする。実施形態によっては、広告主は測定された不確定状態の希望のレベルに対し直接入札してもよい。

なお、活動のパターンによっては、システムがそのパターンを認識しないために、誤って不確定であると特定される可能性もある。例えば、顧客は火曜日と木曜日に規則的に同じレストランで昼食を取り、他の曜日には社内の食堂で食べるとすると、これは正しい不確定点ではないが、システムは昼食時の活動の分岐であると認識する。この問題を解決するため、システムは顧客の分岐する行動を表わすのに適用できる仮説ライブラリを含んでもよい。例えば、システムは曜日によって活動を予測できるという仮説を条件として昼食時の活動のエントロピを測定することができる。システムは、誤判定を根拠として仮説リストを増やすことができる。他の実施形態では、動線間の時間的な相関関係を判断することによって、不確定点の誤りを減少させることができる。例えば、複数の動線から顧客が同じレストランにいる時刻が同じ曜日を示す場合、システムは、顧客が特定の曜日に通常そのレストランに行くこと、さらに動線内の対応する分岐点は不確定点と見なすべきではないことを結論付けることが可能である。

さらに他の実施形態では、システムは、部分的な不確定状態を特定できる。部分的な不確定状態は、例えば、顧客がレストランに行くのはほぼ確実であるが、どのレストランに行くのかまだ確定していない場合に生じる。システムは、そのような部分的な不確定点を活動仕様言語内の階層に基づいて特定できる。したがって、広告主は「顧客は運動する予定である」などのより一般化された概念に対し入札できる一方、「バスケットボールをする」などの具体的な活動における不確定状態に対し入札することも可能である。

図３Ｂは、部分的な不確定点を特定する例を示す。この例では、駅３０６で電車を降りた後、顧客は火曜日と木曜日は通常ジム３１４に通い、これは「運動」という活動に対応する。顧客はまた、平日の他の日にはレストランの１つに行き夕食を取り、これは「食事」という活動に対応する。これらの２つの活動は駅３０６に該当する分岐点において分岐するが、この分岐点は「食事」および「運動」という活動に関しては不確定点ではない。しかしながら、より低い活動階層、つまり「食事」という活動の下にある複数の異なるレストランの選択に関連付けられた階層では、この分岐点は不確定点となる。したがって、システムは顧客が駅３０４で電車待ちをしている時、または駅３０６へ向かう電車に乗っている時にはまだレストラン関連の広告を顧客に配信する有効な機会を特定することができる。

なお、不確定状態の予測はデータ集約型タスクである。数個だけの顧客の活動サンプルでは不確定状態を予測するためには十分ではない。実施形態によっては、システムは新規の顧客について不確定点を特定するために多様な事前情報に頼ることもできる。

前述の不確定点を特定する全体的なメカニズムは、広告以外の用途にも利用できる。汎用的には、このメカニズムはユーザの現在の状況に合った以前の行動で予め決定された事項を特定する。次の主要な不確定点がいつ起こるかを知ることは数々の用途に役立つ。例えば、（１）不確定点の前に適してスケジュールされた視聴用メディア番組を選択する、（２）ユーザは次に中断されても応じられるかどうかを予測する、（３）次の不確定点まで機器をシャットダウンすることによって消費電力を削減する、などである。

このメカニズムの他の拡張では、位置に加えて状況についてのセンサを使用して顧客の不確定点への進み具合を判断する。Ｅメール、ＳＭＳメッセージ、インスタントメッセージ、加速度メータおよびジャイロスコープのトレース情報、天気、時刻、交通、およびその他の多くの情報源は、顧客が不確定点に到達したかどうか、または、不確定点に向かう途中の段階であるかどうかを判断するのに役立つ。

このメカニズムのさらに他の拡張では、不確定点に加えて合流点を検索するシステムに適用できる。このような合流点は、顧客の予測された未来の動線内における他の動線と合流する点であって、それに続く１つの共通する動線を形成する場合が多い。合流点は、顧客の現在の動線がまれであったり認識されない場合に最終的な目的地を予測するのを助ける。例えば、顧客が友人の家を初めて訪ね、その後高速道路に向かったとすると、高速道路の入口車線である合流点を越えて高速道路を使用する場合に最もよくある用途は家に帰ることであるので、システムは顧客が家に向かっていると推測する。顧客が高速道路のその入口車線へ向かう道路を一度も通ったことがない場合でも、システムはこの推測を行なうことができる。

図４は、本発明の実施形態による顧客の不確定点を特定する工程、受け入れ機会を特定する工程、および広告を提示する工程を例として示している。動作中、システムは、まず顧客の１組の動線を取得する（ステップ４０２）。次にシステムは、動線内の位置ノイズをフィルタリングする（ステップ４０４）。システムはさらに複数の動線の間の分岐点を特定する（ステップ４０６）。

次に、システムは、動線が分岐点において十分に不確実であるかどうかを判断する（ステップ４０８）。十分に不確実であれば、システムはその分岐点を不確定点として特定する（ステップ４１０）。システムはさらに１又は複数の提示機会を不確定点に基づき決定する（ステップ４１２）。システムは次に広告主に対して提示機会を競売にかける（ステップ４１６）。

動線が十分に不確実でない場合、システムは、その分岐点が不確定点ではないと判断し、続いて顧客の状況情報に基づいて１又は複数の提示機会を決定する（ステップ４１４）。

システムは、次に広告主に対して提示機会を競売にかける（ステップ４１６）。それに対し、システムはいくつかの入札を受信する（ステップ４１８）。落札する入札を選択した後（ステップ４２０）、システムは、提示機会中に該当する広告を提示する（ステップ４２２）。

図５は、本発明の実施形態による、顧客の不確定状態を特定する広告システムを実現するコンピュータシステムの例を示した図である。この例では、コンピュータシステム５０２はプロバイダの機能を果たす。コンピュータシステム５０２は、インターネット５０３を介してクライアント５２６と通信する。クライアント５２６は、実施形態によってはＧＰＳ機能付きＰＤＡ（携帯情報端末）または携帯電話であってもよい。

コンピュータシステム５０２は、プロセッサ５０４と、メモリ５０６と、記憶装置５０８とを含んでもよい。実施形態によっては、コンピュータシステム５０２は、ディスプレイ５１３に接続される。記憶装置５０８には、広告入札アプリケーション５１６、不確定状態特定アプリケーション５２０、および提示機会特定アプリケーション５２２が保存される。動作中、広告入札アプリケーション５１６、不確定状態特定アプリケーション５２０、および提示機会特定アプリケーション５２２は、記憶装置５０８からメモリ５０６に読み込まれ、プロセッサ５０４によって実行される。それにより、プロセッサ５０４は、上記機能を実行し、顧客の活動における不確定点を特定する受け入れ機会に基づく広告システムを実現する。

本実施の形態において記述した方法および工程は、コードおよび／またはデータとして具体化することが可能であって、前述したようにコンピュータ可読記憶媒体に保存可能である。コンピュータシステムがコンピュータ可読記憶媒体に保存されたコードおよび／またはデータを読み取って実行するとき、コンピュータシステムは、データ構造およびコードとして具体化され、コンピュータ可読記憶媒体に保存された方法と工程とを実行するものである。

さらに、請求項における方法および工程はハードウェア媒体に含むことも可能である。例えば、ハードウェアモジュールにはＡＳＩＣ（特定用途向け集積回路）チップ、ＦＰＧＡ（フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ）、および現在知られているまたは今後開発される他のプログラマブル・ロジック・デバイスが含まれるが、これらに限定されるものではない。ハードウェアモジュールは作動されると、ハードウェアモジュール内に含まれる方法および工程を実行する。

ここで説明した実施形態の上記記述は、例示および説明の目的のために提示されているに過ぎない。すべてを網羅したり、開示した形式に実施形態を限定するように意図したものではない。したがって、当業者には多くの変更点や変型例が明らかであろう。また、上記の開示は本発明を制限するように意図されていない。本発明の範囲は請求項によって定義されるものである。

１００ 広告システム、１０２ 広告機会特定モジュール、１０３ 不確定状態特定モジュール、１０４ 利用可能提示メカニズム、１０５ 顧客位置・時刻トレース情報、１０６ 状況データ、１０８ 活動モデル化／予測モジュール、１１０ 競売およびプレースメントモジュール、１１２ 広告、１１４ 入札、１１６ プレースメント仕様書、２０２ インターネット、２０４ 無線サービスプロバイダのネットワーク、２０６ 携帯機器、２０８ 無線塔、２１０ データベース、２１２ サーバ、２１４ ＧＰＳ衛星、５０２ コンピュータシステム、５０３ インターネット、５０４ プロセッサ、５０６ メモリ、５０８ 記憶装置、５１３ ディスプレイ、５１６ 広告入札アプリケーション、５２０ 未確定状態特定アプリケーション、５２２ 提示チャンス特定アプリケーション、５２６ クライアント。

Claims (4)

1. コンピュータにより実行され、顧客の不確定状態を特定する活動ベースの広告システムを促進する方法であって、
   顧客の複数の動線を受信するステップと、
   前記動線のパターンに基づいて不確定点を特定するステップと、
   前記不確定点に基づき広告を提示する１又は複数の受け入れ機会を決定するステップと、
   前記受け入れ機会に該当する期間中に前記顧客に対し１又は複数の広告を提示するステップと、
   を含むことを特徴とする方法。
2. 請求項１に記載の方法であって、
   前記動線は、顧客の位置のトレース情報を含み、
   前記トレース情報は、前記顧客が複数の異なる位置にいた時刻と、前記複数の異なる位置に関連付けられた活動スポットとを示す、
   ことを特徴とする方法。
3. 請求項１に記載の方法であって、
   前記不確定点を特定するステップは、
   前記複数の動線の間の分岐点を決定するステップと、
   前記分岐点における前記複数の動線の間の分岐が不確実であって所定の閾値を越えるかどうかを判断するステップと、
   を含むことを特徴とする方法。
4. 請求項３に記載の方法であって、
   複数の分岐する動線と他の活動または状況との相関関係を特定するステップと、
   前記不確定点として認識されうる前記相関関係を持つ動線を除外するステップと、
   を含むことを特徴とする方法。

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