JP2009205224A - 画像処理方法及びその方法を用いた画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法及びその方法を用いた画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】グレー階調画像のエッジ(輪郭線)を抽出する方法および装置において、ラプラシアンのゼロ交差を検出する手法によって生じる問題点を回避し、的確にエッジを抽出することが可能な画像処理方法および装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像処理方法は、X−Y平面における位置(x,y)でのグレー階調値zがz=f(x,y)によって与えられる画像データから輪郭線を検出する画像処理方法において、z=f(x,y)のグラジエント方向の二次微分の値がゼロ交差する点の集合を抽出し、当該集合を画像の輪郭線として検出することを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、デジタル画像データとして取得されたグレー階調画像に基づいて、輪郭線を抽出する画像処理方法に関するものであり、特に、SEM画像の画像処理に用いるのに好適な画像処理方法及びその方法を用いた画像処理装置に関する。
従来、取得されたグレー階調画像における輪郭線(エッジ)を抽出するための画像処理が行われており、このような輪郭線抽出のための画像処理の方法としては、ガウシアン・ラプラシアンのゼロ交差による方法が知られている。
例えば、特許文献1(特公平5−44062号公報)には、画像処理におけるガウシアン・ラプラシアンのゼロ交差による方法の出典と問題点が記載されている。特許文献1には、 “マサチユセツツ・インステイテユート・オブ・テクノロジー、アーテイフイシヤル・インテリジエンスラボラトリー・メモランダム、518”(“M.I.T.A.I.Lab.Memo518,1979”)に記載のデヴイツド・マー(D.Marr)らによる文献“セオリー・オブ・エツジデテクシヨン”(“Theory of Edge Detection”)には、二次元のガウス関数にラプラシアンを施した関数をマスク関数として、それと入力画像とでコンボリユーシヨンを施して、このコンボリユーシヨンの出力のゼロ点を検出することによりエツジ検出を行なう方法が述べられており、この方法ではマスク関数の中を充分に広げればノイズの影響を小さくすることができるが、そうするとコーナーr部分の変形が激しくなったり、分解能が落ちたりする等の問題があった旨記載されている。
また、特許文献2(特開2007−116402号公報)には、2次元エリア内にある注目点におけるエッジを検出するために 注目点を囲む複数の離散点に係る画像データを保持するデータ保持回路と、複数の前記離散点に係る画像データを所定の経路に従って配列して出力するデータ並べ替え回路と、前記データ並び替え回路からの出力の内、前記所定の経路上で隣接する離散点間における前記画像データを比較し、その比較結果に基づいて前記注目点におけるエッジの有無に係る信号を出力するエッジ判定回路とによりエッジを検出する技術が記載されている。
また、特許文献3(特開平5−167927号公報)には、グラジエントに沿った断面プロファイル上で微分値のピークを検出する方法が記載されている。
特公平5−44062号公報 特開2007−116402号公報 特開平5−167927号公報
上記特許文献1、特許文献2に記載されている、広く用いられているエッジ検出手法、すなわち、画像にラプラシアン作用素を施した値がゼロ交差する点の集まりを抽出する方法は、厳密には理論的に正しいものではなく、実際にも、エッジの先鋭度が低く、かつ、エッジが曲がっているときに、画素値の変化の最も急峻な位置が正しく検出されず、曲がりの外寄りにずれるという問題点があった。
ここで言う「正しいエッジ位置」とは、輪郭線の走る方向に垂直な断面プロファイルにおいて、二次微分の値がゼロ交差する点の位置とする。画像にラプラシアン作用素を施して得られる 2 変数関数の値がゼロ交差する点の集まりは、上記の「正しい」エッジ位置とは必ずしも一致しない。これは、画像が離散的であることによる丸め誤差やノイズによる影響の問題ではなく、厳密な理論上の、本質的な問題である。これは、次の例で示すことができる。
連続化された画像z=f(x,y)の例として、次のようなものを取り上げる。r0,w0を、0<w0/2<r0 を満たす定数とし、f(x,y)を
で定義する。この画像は、図1上段で示されるように、原点を中心として半径r0の円周上で明るさのピークをなし、その円周を中心線として幅w0の帯状領域で両サイドに向かって明るさが 0へ落ちていくような画像である。
図1は式(1)によって定義される画像(上段)、そのX軸断面プロファイル(中段)、その2次導関数のグラフ(下段)を示す図である。また、図2は、前記2次導関数のグラフ(下段点線)、上記画像にラプラシアンを施した画像のX軸断面(下段一点鎖線)、上記2つのグラフのゼロ交差する位置を原画像に重ね表示したグラフ(上段)を示す図である。
この関数は、原点のまわりに回転対称である。したがって、原点を通る任意の直線上での断面プロファイルの形状はすべて一致する。以降、断面プロファイルは、X軸上のものをもって代表させる。図1中段は断面プロファイルを示す。式(1)は、zの値が断面に沿って正弦曲線の1周期分を描くように作ってある。したがって、変曲点の位置は明らかに
である。これは、数式的にも、次のようにして示すことができる。式 (1) の X 軸上のプロファイルは、f(x, y) の y に 0 を代入して、
として得られる。ただし、画素値 z が正の値をもつ帯状領域内のみを対象とする。これを x について 2 回微分すると、
が得られる。ここから、式(2)で示す x の値で式(4)が値 0 をとることが明らかである。図 1 下は、式 (4)のグラフを示している。
一方、式 (1) にラプラシアン作用素を施すと
が得られる。これの X 軸による断面プロファイルは、式 (4)の y に0 を代入して、
として得られる。式(4)と式(6)を比較すると、両者は一致しておらず、式(6)の第2項を除去したものが式(4)になっていることが分かる。図2下段は、図1下段に、さらに式(6)のグラフを重ね表示したものである。また、図2上段は、断面プロファイルのゼロ交差点および、ラプラシアンのゼロ交差点をプロットしたものである。
ここから、ラプラシアンのゼロ交差する点は、本来のエッジ位置よりも、曲がりの外寄りに検出されることが読み取れる。
上記の問題点に加え、ラプラシアン作用素によるゼロ交差を検出する手法の問題点は、次のような例からも明らかである。すなわち、z=f(x,y)が調和関数であるとき、ラプラシアン作用素を施すと、至るところゼロになってしまう、という問題がある。
調和関数の例は次のようにして作ることができる。w=φ(z)を任意の正則な複素関数とするとき、
によって作り出された関数 f(x,y)は調和関数である。ただし、Re(a)は複素数aの実部を表す。例えば、
のとき、
である。これにラプラシアン作用素を施すと、実際にすべての(x,y)について、ゼロになることが確認できる。
また、特許文献3には、グラジエントに沿った断面プロファイル上で微分値のピークを検出する方法が記載されているが、この方法においては、画像上の1点からグラジエント方向に引いた直線上の各点では、その点におけるグラジエントの向きと、直線の向きとが一致するとは限らないので、厳密な意味でグラジエント方向のゼロ交差を求めたことになっていないという問題点があった。また、実際に画像の斜め方向のプロファイルを作成する計算が必要であり、あまり効率的ではない、という問題点もあった。
本発明は以上のような課題を解決するためのもので、請求項1に係る発明は、X−Y平面における位置(x,y)でのグレー階調値zがz=f(x,y)によって与えられる画像データから輪郭線を検出する画像処理方法において、z=f(x,y)のグラジエント方向の二次微分の値がゼロ交差する点の集合を抽出し、当該集合を画像の輪郭線として検出することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像処理方法において、z=f(x,y)のグラジエント方向の二次微分は、
によって定義される演算子ΔKによって求めることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像処理方法において、前記演算子ΔK におけるzx, zy, zxx, zxy, zyy のそれぞれの値は、離散的にz=f(x,y)が定義される画像データに対して、定数を要素とする行列で表されるフィルタとの畳み込み計算を行うことによって得ることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項2に記載の画像処理方法において、前記演算子ΔK におけるzx, zy, zxx, zxy, zyy のそれぞれの値は、画像上の位置 (x, y) の周辺の一定範囲内において画像を多項式で最小二乗近似し、得られた多項式をx 方向に 1 回偏微分、y 方向に 1 回偏微分、x 方向に 2 回偏微分、x および y 方向に 1 回ずつ偏微分、y 方向に 2 回偏微分、して得られる多項式にそれぞれ (x, y) の値を代入することによって得ることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項2に記載の画像処理方法において、離散的にz=f(x,y)が定義される画像データを構成する各画素について、その画素位置(x,y)におけるzx, zy,の値を算出し、これに基づいてzx 2+zy 2の値を算出し、これが一定値以下であるときには、その画素は領域Aに属すると判定し、そうでないときには、さらにzxx, zxy, zyyの値を算出し、zxxx 2+2zxyxy+zyyy 2の値を算出し、この符号が正であるときには、その画素は領域Bに属すると判定し、そうでないときには領域Cに属すると判定し、領域Bに属する画素と領域Cに属する画素との境界線を画像の輪郭線として検出することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された画像処理方法を用いたことを特徴とする画像処理装置である。
請求項1に係る発明によれば、画像のグラジエント方向の二次微分の値がゼロ交差する点の集まりを抽出する方法を用いることにより、画像にラプラシアン作用素を施した値がゼロ交差する点の集まりを抽出する方法の理論的な問題点を解決することができ、エッジの先鋭度が低く、かつ、エッジが曲がっているときにも、検出されたエッジが曲がりの外寄りにずれることがなく、エッジの正しい位置が検出されるという効果がある。
また、調和関数による画像においても、ラプラシアンが至るところでゼロになるという問題を回避でき、エッジが検出されるという効果がある。
また、請求項2に係る発明によれば、式(11)で定義される作用素ΔKを用い、これを画像に施した値がゼロ交差する点の集まりを抽出することにより、実際に画像の断面プロファイルを求める処理を必要とせず、比較的簡単な計算により、画像のグラジエント方向の二次微分の値を算出することができる。
また、請求項3,4に係る発明によれば、離散的な画像が与えられているとき、式(11)の近似値を求める計算は、従来用いられている画像の微分値や二次微分値を求める手法が好適に使用できる。
また、請求項5に係る発明によれば、式(11)の計算でゼロ除算を避けることができ、かつ、弱いエッジを除外することができるという効果がある。
また、請求項6に係る発明によれば、上記のような効果を有する画像処理装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図3はX−Y平面における連続関数z=f(x,y)の一例を示す図である。
最初に、グレー階調画像の定義をしておく。X−Y平面上に格子状に配列された m×n個の離散的な点について、各点に一定範囲内の離散的な値(たとえば0以上255以下の範囲の整数値)をとる画素値が割り当てられているデジタルデータをここでは「グレー階調画像」と呼ぶことにする。画素値の意味は、輝度情報、黒の濃度情報、RGB、CMYK、Lab、Luvなどの複数のプレーンからなるカラー画像のうちの1プレーン分の情報、等、いかなる意味づけをも包含するものとする。X−Y平面上の位置(i,j)(i =0,1,2,...,m−1;j=0,1,2,...,n−1) における画素値をz(i,j)と表記する。
また、連続化された画像の定義をしておく。画像は位置座標値も画素値も離散値をとるが、これは、もともとは連続だったものをサンプリングした結果だとみなすことにする。この連続関数をz=f(x,y)と表記する。すなわち、X−Y平面の(x,y)のグレー階調値zがz=f(x,y)によって与えられるものとする。なお、f(x,y)は十分に滑らかで、何回でも微分可能と仮定しておく。
本発明では、以上のように定義されるX−Y平面における位置(x,y)でのグレー階調値zがz=f(x,y)によって与えられる画像データから輪郭線を検出するために、z=f(x,y)のグラジエント方向の二次微分の値がゼロ交差する点の集合を抽出し、当該集合を画像の輪郭線として検出する。
すなわち、従来のように画像データz=f(x,y)にラプラシアン作用素を施した値がゼロ交差する点の集まりをエッジとして検出する手法に代えて、本発明では、画像のグラジエント方向の二次微分の値がゼロ交差する点の集まりを抽出する方法を用いることにより、正しいエッジ位置を検出する。
このような本発明によれば、画像のグラジエント方向の二次微分の値がゼロ交差する点の集まりを抽出する方法を用いることにより、画像にラプラシアン作用素を施した値がゼロ交差する点の集まりを抽出する方法の理論的な問題点を解決することができ、エッジの先鋭度が低く、かつ、エッジが曲がっているときにも、検出されたエッジが曲がりの外寄りにずれることがなく、エッジの正しい位置が検出されるという効果がある。
以上のことを数式的に説明する。本発明においては、
で定義されるラプラシアン作用素 Δ に代えて、式(11)
で定義される作用素 ΔK を用い、これを画像に施した値がゼロ交差する点の集まりを抽出することにより、正しいエッジ位置を検出する。
なお、式(11)が、グラジエント方向の二次微分値を表していることは、下記のようにして確認することができる。
連続化された画像をz=f(x,y)と表す。X−Y平面上で、任意の点(x0,y0)を通り、方向ベクトルが(cos(θ0),sin(θ0))であるような直線lを考える。図4はX−Y平面状で点(x0,y0)を通りθ0方向に延びる直線lを示す図である。
直線lは、実数値をとる媒介変数tを用いて、
と表すことができる。いま、与えられた画像z=f(x,y)に対して、直線lに沿った断面プロファイルを考える。これは、tの関数とみることができる。それを、
と表記する。g(t)は、具体的には、z=f(x,y)のxおよびyに式(12)を代入して、
である。
ここから、g(t)をtで 2 回微分すると、
が得られる。
これにt=0を代入することにより、点(x0,y0)における、直線lに沿った断面プロファイルの二次微分値g′′(0)は、
と求まる。
ここまでは、直線lの方向を任意の角度θ0方向としてきたが、ここで、その方向を、点(x0,y0)におけるグラジエント方向と定める。すなわち、
とする。
ところで、この方向ベクトルは、分母が0のとき、定義されない。分母が0になるのは、グラジエントベクトルがゼロベクトルになるときであるが、このとき、その点では傾きがゼロなので、エッジではありえない。したがって、このときは点(x0,y0)をエッジ候補から除外する。
以降の議論は、分母がゼロでない場合に限定して進める。式(17)を式(16)に代入することにより、点(x0,y0)におけるグラジエント方向の二次微分値g′′(0) は、
である。
ここで、(x0,y0)を任意の (x, y) で置き換え、表記を
のように置き換えると式(11)を得る。
以上のようにして、式(11)が、グラジエント方向の断面プロファイル上での二次微分値を表すことが確認された。ここで、式(11)で表されるオペレータ(作用素)ΔKを「ケバヤシアン」と称することとする。
本発明では、式(11)で定義される作用素ケバヤシアンΔKを用い、これを画像に施した値がゼロ交差する点の集まりを抽出することにより、実際に画像の断面プロファイルを求める処理を必要とせず、比較的簡単な計算により、画像のグラジエント方向の二次微分の値を算出することができる。
次に、本発明の画像処理方法を計算機で実行させる画像処理装置に好適な実施形態について説明する。図4は本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。図4において、9はSEM装置、10は画像処理装置、11は画像読み込み部、12は画像処理部、13は画像表示部をそれぞれ示している。
本実施形態では、SEM(Scanning Electron Microscope)装置9によって取得された画像を画像処理装置10が解析して、輪郭線(エッジ)の検出を行うものついて示しているが、本発明の装置はそのようなものに限定されるものではない。画像処理装置10は、SEM装置9によって取得された画像を読み込む画像読み込み部11と、画像読み込み部11で読み込まれた画像を解析して輪郭線(エッジ)の検出を行う画像処理部12と、画像処理部12によって検出された輪郭線(エッジ)の表示を行う画像表示部13とからなる。このような画像処理装置10は汎用の情報処理装置によって構成することができる。
以上のように構成される画像処理装置10における画像処理の流れについて説明する。図6は本発明の実施の形態に係る画像処理装置の処理フローチャートを示す図である。
図6において、ステップS100で画像処理装置10における画像処理が開始されると、次にステップS101に進み、画像読み込み部11でSEM装置9によって取得された画像の読み込みが実行される。
ステップS102では、取り込まれた画像データにおける各画素についてのループが開始される。このループは画像データの全ての画素について実行される。
ステップS103では、ΔKZの分母aが計算される。すなわち、a←zx 2+zy 2の計算が実行される。zxやzyの算出方法については後述する。
ステップS104では、求められたaがa≦aoを満たすかどうかが判定される。aoは0にきわめて近い値であり、ステップS104における判定は、ΔKZの分子が0によって除されることを防ぐため、および、ノイズなどの要因によって生じた不要な弱いエッジが検出されることを防ぐために設けられたステップである。
ステップS104における判定の結果がYESであるときには、ステップS105に進み、ステップS104における判定の結果がNOであるときには、ステップS106に進む。
ステップS105では、当該画素に[領域A]とラベル付けを行う。
また、ステップS106では、ΔKZの分子bが計算される。すなわち、b←zxxx 2+2zxyxy+zyyy 2の計算が実行される。zxx、zx、zxy、zy、zyyの算出方法については後述する。
ステップS107では、b>0であるか否かが判定される。すまわち、ケバヤシアンΔKZが正負の値のいずれをとるかが判定される。
ステップS107の判定結果がYESであるときにはステップS108に進み、その画素に[領域B]とラベル付けを行う。
また、ステップS107の判定結果がNOであるときにはステップS109に進み、その画素に[領域C]とラベル付けを行う。
ステップS110では、全画素についてループが終了したか否かを判定し、終了していないときにはステップS102に戻り、終了しているときにはステップS111に進む。
ステップS111では、[領域B]と[領域C]との境界を輪郭線(エッジ)として抽出する。
ステップS112では、画像表示部13で、抽出された輪郭線(エッジ)の結果表示を行う。
ステップS113で画像処理装置10における画像処理を終了する。
以上に示す画像処理装置10における画像処理によれば、式(11)の計算において、ゼロ除算を避けることができ、かつ、弱いエッジを除外することができるという効果がある。
図6に示すフローチャートにおいては、aおよびbの値を算出するために、各着目画素における、画像の1次および2次の偏微分の値zx, zy, zxx, zxy, zyyを算出する必要がある。
これを求めるための第1の方法は、画像に線形フィルタ(重み係数行列)を施すものである。離散的にz=f(x,y)が定義される画像データに対し、特定の行列との畳み込み計算を行うことにより、各方向の偏微分に相当する値(実際には微分の代わりに差分をとっている)を求めることができる。すなわち、fが元の画像データ、gが畳み込み変換後の画像データ、hは重み係数行列(畳み込みカーネル)とすると、
によって、着目画素における1次および2次の偏微分の値zx, zy, zxx, zxy, zyyを算出することができる。図7は着目画素における畳み込み演算の概要を示す図である。また、図8および図9は、線形フィルタ(重み係数行列、畳み込みカーネル)の例を示す図である。
なお、画像に線形フィルタ(重み係数行列)を施すようにして得られた偏微分値は画像のノイズの影響を受けやすいため、あらかじめ画像に、例えばガウシアンフィルタのような、平滑化フィルタを施しておくのが一般的である。また、ガウシアンフィルタとラプラシアンフィルタとを一体化して計算量を減らすよう工夫した、DOG法も一般的である。
着目画素における1次および2次の偏微分の値zx, zy, zxx, zxy, zyyを算出する第2の方法は、画像を局所的に多項式近似することにより、連続化しておき、その多項式に関する偏微分値を求めるものである。
各着目画素のまわりに一定範囲の近傍領域を設け、その近傍範囲内で、画像をx,yの2変数の多項式で最小二乗近似する。例えば、4次の多項式は
と表される。
多項式近似する際に、座標原点を着目画素の位置に取り直した局所座標系を用いれば、その着目画素における、各方向の1次および2次微分の値は、f(x,y)を偏微分して(0,0)を代入した値として得られる。つまり、
である。
多項式近似することにより、連続化という効果に加え、ノイズ除去の効果もある。
以上のように、離散的な画像が与えられているとき、着目画素における1次および2次の偏微分の値を求めるために、従来周知の上記第1の方法、上記第2の方法を好適に用いることができ、1次および2次の偏微分値を簡便に求めることができる。
図10は本発明の実施の形態に係る画像処理方法と従来の画像処理方法を比較する図である。
図10(a)はSEM装置によって撮影された原画像データを示す図である。図10(b)、(c)は原画像に式(11)のケバヤシアンΔKを用いてゼロ交差を抽出したものであり、図10(d)、(e)は原画像に式(10)のラプラシアンを施してゼロ交差を抽出したものである。
図10(b)は本発明の実施の形態に係る画像処理装置の処理フローによって領域A乃至Cのラベル付けをした図であり、図10(c)は本発明の実施の形態に係る画像処理装置の処理フローによって領域Bと領域Cとの境界を輪郭線(エッジ)としての抽出した図である。また、図10(d)は従来の画像処理装置によって領域A乃至Cのラベル付けをした図であり、図10(e)は従来の画像処理装置によって領域Bと領域Cとの境界を輪郭線(エッジ)としての抽出した図である。なお、図10(b)、(c)、(d)、(e)を求める計算において、1次および2次の偏微分の値zx, zy, zxx, zxy, zyyを算出するために多項式近似法を用いた。
図10に示されるように、エッジのコーナー部分で、従来のラプラシアンのゼロ交差を抽出する方法では、抽出された輪郭線が外寄りに飛び出すのが、本発明のケバヤシアンΔKによる作用素のゼロ交差を抽出する方法では解消され、全体的にスムーズであることが見てとれる。
以上、本発明の実施の形態に係る画像処理方法及びその方法を用いた画像処理装置によれば、画像のエッジを検出する方法として厳密に正しい方法に基づいているため、エッジ(輪郭線)が曲がっているときにおいても、画素値の変化の最も急峻なエッジ位置を検出することが可能となる。
式(1)に示されるz=f(x,y)とそれに関連するグラフである。 式(1)に示されるz=f(x,y)とそれに関連するグラフである。 X−Y平面における連続関数z=f(x,y)の一例を示す図である。 X−Y平面状で点(x0,y0)を通りθ0方向に延びる直線lを示す図である。 本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る画像処理装置の処理フローチャートを示す図である。 着目画素における畳み込み演算の概要を示す図である。 各方向の1次および2次偏微分の値を得るための線形フィルタ(重み係数行列、畳み込みカーネル)の例を示す図である。 各方向の1次および2次偏微分の値を得るための線形フィルタ(重み係数行列、畳み込みカーネル)の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る画像処理方法と従来の画像処理方法を比較する図である。
符号の説明
9・・・SEM装置、10・・・画像処理装置、11・・・画像読み込み部、12・・・画像処理部、13・・・画像表示部

Claims (6)

  1. X−Y平面における位置(x,y)でのグレー階調値zがz=f(x,y)によって与えられる画像データから輪郭線を検出する画像処理方法において、
    z=f(x,y)のグラジエント方向の二次微分の値がゼロ交差する点の集合を抽出し、当該集合を画像の輪郭線として検出することを特徴とする画像処理方法。
  2. z=f(x,y)のグラジエント方向の二次微分は、
    によって定義される演算子ΔKによって求めることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記演算子ΔK におけるzx, zy, zxx, zxy, zyy のそれぞれの値は、離散的にz=f(x,y)が定義される画像データに対して、定数を要素とする行列で表されるフィルタとの畳み込み計算を行うことによって得ることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 前記演算子ΔK におけるzx, zy, zxx, zxy, zyy のそれぞれの値は、
    画像上の位置 (x, y) の周辺の一定範囲内において画像を多項式で最小二乗近似し、得られた多項式を
    x 方向に 1 回偏微分、
    y 方向に 1 回偏微分、
    x 方向に 2 回偏微分、
    x および y 方向に 1 回ずつ偏微分、
    y 方向に 2 回偏微分、
    して得られる多項式にそれぞれ (x, y) の値を代入することによって得ることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  5. 離散的にz=f(x,y)が定義される画像データを構成する各画素について、その画素位置(x,y)におけるzx, zy,の値を算出し、これに基づいてzx 2+zy 2の値を算出し、これが一定値以下であるときには、その画素は領域Aに属すると判定し、そうでないときには、さらにzxx, zxy, zyyの値を算出し、zxxx 2+2zxyxy+zyyy 2の値を算出し、この符号が正であるときには、その画素は領域Bに属すると判定し、そうでないときには領域Cに属すると判定し、領域Bに属する画素と領域Cに属する画素との境界線を画像の輪郭線として検出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された画像処理方法を用いたことを特徴とする画像処理装置。
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