JP2009204743A - 鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009204743A
JP2009204743A JP2008045074A JP2008045074A JP2009204743A JP 2009204743 A JP2009204743 A JP 2009204743A JP 2008045074 A JP2008045074 A JP 2008045074A JP 2008045074 A JP2008045074 A JP 2008045074A JP 2009204743 A JP2009204743 A JP 2009204743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hammer
key
displacement
speed
virtual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008045074A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5179224B2 (ja
Inventor
Takashi Nishimura
天志 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roland Corp
Original Assignee
Roland Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roland Corp filed Critical Roland Corp
Priority to JP2008045074A priority Critical patent/JP5179224B2/ja
Publication of JP2009204743A publication Critical patent/JP2009204743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5179224B2 publication Critical patent/JP5179224B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】鍵により駆動されるハンマの状態を簡単な構成により正確に求めることができる鍵盤装置を提供する。
【解決手段】鍵変位xがD以上ではない場合は(S31:No)、仮想ハンマが鍵11に接触しているか否かを判断する(S32)。この判断は、ハンマ暫定変位と静止ハンマ位置とを比較することにより行われる。即ち、ハンマ暫定位置が鍵変位xに対応する静止ハンマ位置より大きい場合は、仮想ハンマが鍵11との接触を離脱し、ハンマ暫定変位が鍵変位xに対応する静止ハンマ位置と等しいか小さい場合は、仮想ハンマが鍵11と接触していると判断される。
【選択図】図6

Description

本発明は、鍵盤装置に関し、特に鍵により駆動されるハンマの動作を鍵の動作から正確に求めることができる鍵盤装置に関する。
従来、アコースティックピアノのように鍵により駆動されるハンマが打弦することを模擬した電子楽器が提案されている。アコースティックピアノと同様に鍵により駆動され、所定の重量を有するハンマを設け、そのハンマがスイッチを作動するとともに、ハンマの速度を検出して、発生される楽音の強度を設定するものなどが提案されているが、装置が複雑になり、高価になる。また、既存のアコースティックピアノにおいて、電子回路により構成される音源を制御する場合には、ハンマの動きを検出するセンサを設ける方法も考えられるが、ハンマの動作を検出するのは、困難であるという欠点がある。
これに対し、既存のアコースティックピアノの多くは、鍵の下部に鍵の動作を検出する装置を容易に装着することができ、鍵の動作を検出して、ハンマの動作を推定するという提案がなされている。
特開平1−239594号公報(特許文献1)には、鍵の複数の位置における速度を検出し、その検出された複数の位置の速度からハンマの速度を推測し、その推測されたハンマの速度に基づいて打弦速度を求めるものが提案されている。
また、特開平5−307388号公報(特許文献2)には、鍵の加速度を計測し、その計測された鍵の加速度に基づいて擬似ハンマの加速度を求め、次に求められた擬似ハンマの加速度を積分することによりハンマの速度を求めるものが提案されている。
一方、アコースティックピアノにおけるハンマを駆動するアクション機構は、製造会社や機種により多少異なるものの、基本的にはほぼ同一の機構である。このアクション機構の概略について図10を参照して説明する。図10は、グランドピアノのアクション機構の概略を示す側面図であり、演奏者により押下されていない離鍵状態を示している。鍵盤には、複数の白鍵と黒鍵が組み入れられているが、図10は、白鍵について示している。
白鍵11は、棒状の外観を有し、その長手方向の中央部に支点12が設けられ、支点12より前方の前部が演奏者により操作され、支点12より後方の後部にアクション機構が配置される。白鍵11の前部が押下されると、後部が持ち上げられ、アクション機構が動作してハンマが駆動され、そのハンマにより打弦が行われる。
アクション機構は、鍵11の長手方向の中央に設けられた支点12を中心に回動自在で、鍵11の後部に載置されたウィッペン54と、ウィッペン54に回動自在に取り付けられたレペティションレバー55およびジャック56と、レペティションレバー55およびジャック56とを復帰方向(同図の反時計方向)に付勢するレペティションスプリング57とを備えている。また、アクション機構は、レペティションレバー55およびジャック56の移動をそれぞれ規制するレペティションスクリューおよびレギュレーティングボタン59などを有している。さらに、鍵11の前部には、図示しない鍵盤重りが取り付けられており、この鍵盤重りとアクションの重さとのバランスによって、鍵11のタッチ重さが調整される。
レペティションレバー55の前部には、上下方向に貫通するジャック案内孔が形成されており、このジャック案内孔の付近に、ハンマローラ58を介してハンマ53が載置されている。一方、ジャック56は、L字状に形成されており、上下方向に延びるハンマ突上げ部の先端部が、レペティションレバー55のジャック案内孔に、これに沿って移動自在に係合している。
この離鍵状態から、鍵11が押鍵されると、ウィッペン54が突き上げられることにより回動し、レペティションレバー55およびジャック56がウィッペン54と一緒に上方に移動する。これらの移動に伴い、まず、レペティションレバー55が、ハンマローラ58を摺動させながらこれを介してハンマ53を押し上げ、上方に回動させる。次いで、レペティションレバー55がレペティションスクリューに係合することにより、ジャック56がハンマローラ58を介してハンマ53を突き上げる。その後、ハンマ53が、上方に張られた弦Sを打弦する直前まで回動した時点で、ジャック56が、レギュレーティングボタン59に係合することによって回動し、ハンマローラ58から抜ける。これにより、ハンマ53は、アクション機構と鍵11との連結を解かれ、自由回動状態で弦Sを打弦する。
その後、鍵11が離鍵され、ある程度まで戻されたタイミングで、レペティションレバー55が作動し始め、レペティションスプリング57のばね力で反時計方向に復帰回動することによって、ハンマローラ58を摺動させながら押し上げる。これにより、ジャック56が、レペティションスプリング57のばね力で反時計方向に復帰回動し、もとの位置に戻ることによって、鍵11が完全に戻らなくても、次の打弦を行うことが可能になり、同じ弦をハンマ53で連打することができるので、トリルを行う場合のような同じ鍵11を連続して速く叩く連打を行うことができる。
特開平1−239594号公報 特開平5−307388号公報
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示された発明では、上述したような複雑なアクション機構の動作を忠実に模擬していないため、鍵の動作から実際のハンマの動作を正確に求めることができないという問題点があった。
例えば、鍵11を浅く押下した場合には、アコースティックピアノでは、ハンマにより打弦されて発音されるが、電子楽器では発音されなかったり、鍵11を途中からさらに押下した場合、アコースティックピアノでは、弱い音が発生されるのに、電子楽器では、比較的強い音が発生されるなどの違いがあった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、鍵により駆動されるハンマの状態を簡単な構成により正確に求めることができる鍵盤装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1記載の鍵盤装置は、鍵の連続する変位である鍵変位を取得する鍵変位取得手段と、前記鍵の速度である鍵速度を取得する鍵速度取得手段と、前記鍵により駆動され前記鍵との接触から離脱して運動する仮想的なハンマである仮想ハンマが前記鍵に接触しているかを判定する接触判定手段と、その接触判定手段により前記鍵が前記仮想ハンマに接触していると判定された場合は、前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位と前記鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて前記仮想ハンマの変位であるハンマ変位と仮想ハンマの速度であるハンマ速度とを取得するハンマ状態取得手段と、そのハンマ状態取得手段により取得されたハンマ変位とハンマ速度とに基づいて楽音の発生を指示する指示手段とを備えている。
請求項2記載の鍵盤装置は、請求項1記載の鍵盤装置において、前記ハンマ速度を仮想ハンマに作用する復元力に基づいて更新するハンマ速度更新手段を備え、前記接触判定手段は、仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものであり、前記ハンマ状態取得手段は、前記接触判定手段により仮想ハンマが鍵に接触していないと判定された場合は、前記ハンマ速度更新手段によりハンマ速度を取得するものである。
請求項3記載の鍵盤装置は、請求項1または2記載の鍵盤装置において、前記鍵変位取得手段および鍵速度取得手段は、所定時間毎に鍵変位と鍵速度とを取得し、前記ハンマ状態取得手段は、前記所定時間毎にハンマ変位とハンマ速度とを取得するものであり、前記ハンマ状態取得手段により取得された前回のハンマ変位とハンマ速度とに基づいて、今回の仮想ハンマの暫定位置であるハンマ暫定変位を取得するハンマ暫定状態取得手段を備え、前記接触判定手段は、そのハンマ暫定状態取得手段により取得されたハンマ暫定変位と前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位とに基づいて仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものである。
請求項4記載の鍵盤装置は、請求項1または2記載の鍵盤装置において、前記鍵変位取得手段および鍵速度取得手段は、所定時間毎に鍵変位と鍵速度とを取得し、前記ハンマ状態取得手段は、前記所定時間毎にハンマ変位とハンマ速度とを取得し、前記接触判定手段は、前記所定時間毎に仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものであり、前記ハンマ状態取得手段により取得された前回のハンマ変位とハンマ速度と前記接触判定手段により判定された結果とに基づいて仮想ハンマの暫定位置であるハンマ暫定変位を取得するハンマ暫定状態取得手段を備え、前記接触判定手段は、そのハンマ暫定状態取得手段により取得されたハンマ暫定変位と前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位とに基づいて今回、仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものである。
請求項5記載の鍵盤装置は、請求項1から4のいずれかに記載の鍵盤装置において、前記仮想ハンマが鍵に接触している状態における鍵変位に対する仮想ハンマの位置である静止ハンマ位置を示す関数を記憶する関数記憶手段を備え、前記ハンマ状態取得手段は、前記ハンマ変位とハンマ速度とを前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位と前記鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて、前記関数記憶手段に記憶された関数を用いることにより取得する。
請求項6記載の鍵盤装置は、鍵の連続する変位である鍵変位を取得する鍵変位取得手段と、前記鍵の速度である鍵速度を取得する鍵速度取得手段と、前記鍵により駆動され前記鍵との接触から離脱して運動する仮想的なハンマである仮想ハンマが鍵に接触している状態における鍵の変位に対する仮想ハンマの位置である静止ハンマ位置を示す関数を記憶する関数記憶手段と、前記仮想ハンマの変位であるハンマ変位と仮想ハンマの速度であるハンマ速度とを前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位と前記鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて、前記関数記憶手段に記憶された関数を用いることにより取得するハンマ状態取得手段と、そのハンマ状態取得手段により取得されたハンマ変位とハンマ速度とに基づいて楽音の発生の開始を指示する指示手段とを備えている。
請求項7記載の鍵盤装置は、請求項5または6記載の鍵盤装置において、前記関数記憶手段に記憶される関数は、鍵が停止している位置から所定の位置までは一次関数であり、その所定の位置以上の鍵の位置においては、その鍵の所定の位置において前記一次関数により形成される直線に接するとともに、上に凸の放物線を描く二次関数である。
請求項8記載の鍵盤装置は、請求項1から7のいずれかに記載の鍵盤装置において、前記ハンマ状態取得手段により取得されたハンマ変位が前記鍵に接触しない所定位置に至ったときの前記ハンマ状態取得手段により取得されたハンマ速度である初速度が所定値以上であるかを判定する初速度判定手段を備え、前記指示手段は、前記仮想ハンマの初速度が所定値以上であると判定された場合に、楽音の発生の開始を指示するものである。
請求項1記載の鍵盤装置によれば、鍵の連続する変位である鍵変位が鍵変位取得手段により取得され、鍵の速度である鍵速度が鍵速度取得手段により取得される。その鍵により駆動される仮想ハンマを想定し、その仮想ハンマは、実際のハンマのように、鍵により駆動されることにより、鍵との接触から離脱して運動を行う。その仮想ハンマが鍵に接触して、鍵により駆動されている状態であるかが接触判定手段により判定される。
そして、その接触判定手段により鍵が仮想ハンマに接触していると判定された場合は、仮想ハンマの変位であるハンマ変位と仮想ハンマの速度であるハンマ速度とを鍵変位取得手段により取得された鍵変位と鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいてハンマ状態取得手段により取得される。よって、アコースティックピアノにおけるハンマの動作を忠実に模擬することができる。
そして、その取得されたハンマ変位とハンマ速度とに基づいて指示手段により楽音の発生指示が行われるので、アコースティックピアノのようなハンマを備えた鍵盤おける操作に対応した楽音の発生を行うことができるという効果がある。
請求項2記載の鍵盤装置によれば、請求項1記載の鍵盤装置の奏する効果に加え、次のような効果を奏する。請求項2記載の鍵盤装置によれば、ハンマ速度を仮想ハンマに作用する復元力に基づいて更新するハンマ速度更新手段を備えている。この復元力は、グランドピアノの場合は、重力であり、アップライトピアノであれば、バネなどであって、仮想ハンマに作用して仮想ハンマが弦に向かって運動する速度を減少させる力である。
ハンマ状態取得手段は、接触判定手段により仮想ハンマが鍵に接触していないと判定された場合は、ハンマ速度更新手段によりハンマ速度を取得するものであるので、アコースティックピアノなどにおけるハンマが鍵による駆動から離脱して運動を行っている状態を忠実に模擬することができるという効果がある。
請求項3記載の鍵盤装置によれば、請求項1または2記載の鍵盤装置の奏する効果に加え、次のような効果を奏する。即ち、鍵変位取得手段および鍵速度取得手段は、所定時間毎に鍵変位と鍵速度とをそれぞれ取得し、ハンマ状態取得手段は、所定時間毎にハンマ変位とハンマ速度とを取得する。ハンマ状態取得手段により取得された前回のハンマ変位とハンマ速度とに基づいて、今回の仮想ハンマの暫定位置であるハンマ暫定変位がハンマ暫定状態取得手段により取得され、接触判定手段は、そのハンマ暫定状態取得手段により取得されたハンマ暫定変位と鍵変位取得手段により取得された鍵変位とに基づいて仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定する。アコースティックピアノにおいて鍵が押下される場合、ハンマは鍵により加速され、そのハンマの速度が速い場合は、鍵との接触を離脱して打弦する。請求項3によれば、仮想ハンマが鍵の駆動から離脱する様子を、鍵の変位および速度を所定時間間隔で離散的に検出することにより、コンピュータなどを用いて容易に模擬することができるという効果がある。
請求項4記載の鍵盤装置によれば、請求項1または2記載の鍵盤装置の奏する効果に加え、次のような効果を奏する。即ち、鍵変位と鍵速度とは、鍵変位取得手段および鍵速度取得手段により所定時間毎にそれぞれ取得され、接触判定手段により、所定時間毎に仮想ハンマが鍵に接触しているか否かが判定される。ハンマ状態取得手段により取得された前回のハンマ変位とハンマ速度と接触判定手段により判定された結果とに基づいて仮想ハンマの暫定位置であるハンマ暫定変位がハンマ暫定状態取得手段により取得され、接触判定手段により、仮想ハンマが鍵に接触しているか否かが、そのハンマ暫定状態取得手段により取得されたハンマ暫定変位と鍵変位取得手段により取得された鍵変位とに基づいて判定される。アコースティックピアノにおいて鍵が押下される場合、ハンマは鍵により加速され、そのハンマの速度が速い場合は、鍵との接触を離脱して打弦する。請求項4によれば、仮想ハンマが鍵の駆動から離脱する様子を、鍵の変位および速度を所定時間間隔で離散的に検出することにより、コンピュータなどを用いて容易に模擬することができるという効果がある。
請求項5記載の鍵盤装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の鍵盤装置の奏する効果に加え、仮想ハンマが鍵に接触している状態における鍵変位に対する仮想ハンマの位置である静止ハンマ位置を示す関数を記憶する関数記憶手段を備え、ハンマ状態取得手段は、ハンマ変位とハンマ速度とを鍵変位取得手段により取得された鍵変位と鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて、関数記憶手段に記憶された関数を用いることにより取得するので、関数記憶手段に記憶された関数に基づいて、仮想ハンマが鍵により駆動されているか、鍵による駆動から離脱して運動しているかを判定することができるとともに、仮想ハンマが鍵に接触している場合には、鍵の変位を鍵の速度を容易に求めることができるという効果がある。
請求項6記載の鍵盤装置によれば、鍵の連続する変位である鍵変位が鍵変位取得手段により取得され、鍵の速度である鍵速度が鍵速度取得手段により取得される。その鍵により駆動される仮想ハンマを想定し、その仮想ハンマは、鍵に駆動されることにより加速され、鍵との接触から離脱して運動を行う。その仮想ハンマが鍵に接触している状態における鍵の変位に対する仮想ハンマの位置である静止ハンマ位置を示す関数が関数記憶手段に記憶され、仮想ハンマの変位であるハンマ変位と仮想ハンマの速度であるハンマ速度とが鍵変位取得手段により取得された鍵変位と鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて、関数記憶手段に記憶された関数を用いることによりハンマ状態取得手段により取得される。よって仮想ハンマが鍵により駆動されているか、鍵の駆動から離脱して運動を行っているかを判定することができるとともに、仮想ハンマが鍵に接触している場合には、ハンマの変位と速度とを容易に求めることができるという効果がある。また、この関数をアコースティックピアノのアクションの特性に近似させることにより、アコースティックピアノのハンマの動作に近似した仮想ハンマの動作を取得することができ、その結果、アコースティックピアノにより発生される楽音を模擬することができる。
請求項7記載の鍵盤装置によれば、請求項5または6記載の鍵盤装置の奏する効果に加え、関数記憶手段に記憶される関数は、鍵が停止している位置から所定の位置までは一次関数であり、その所定の位置以上の鍵の位置においては、その鍵の所定の位置において、その一次関数により形成される直線に接するとともに、上に凸の放物線を描く二次関数であるので、簡単な数式により静止ハンマ位置を示す関数を記憶することができる。また、鍵速度からハンマ速度を求める場合に、静止ハンマ位置を示す関数を微分した関数が必要であるが、二次関数を微分した一次関数も簡単な数式であるので、鍵速度からハンマ速度を演算により容易に求めることができるという効果がある。
請求項8記載の鍵盤装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載の鍵盤装置の奏する効果に加え、ハンマ状態取得手段により取得されたハンマ変位が鍵に接触しない所定位置に至ったときのハンマ状態取得手段により取得されたハンマ速度である初速度が所定値以上であるかを判定する初速度判定手段を備え、指示手段は、仮想ハンマの初速度が所定値以上であると判定された場合に、楽音の発生の開始を指示するので、仮想ハンマの変位が弦の位置に到達する前に、楽音の発生の開始を指示することができるので、音源から楽音が発生されるタイミングを遅延させることがないという効果がある。
以下、本発明の好ましい第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である鍵盤装置1および鍵盤装置1に接続される機器の電気的構成を示すブロック図である。
鍵盤装置1は、CPU2(中央処理装置)と、そのCPU2により実行される制御プログラム3a等を記憶したROM3(リード・オンリ・メモリ)と、CPU2が制御プログラム3aを実行する際の作業用のメモリエリア等を有するRAM4(ランダム・アクセス・メモリ)と、表示器や操作子が設けられた操作パネル5と、A/D変換器6と、各鍵に対応して設けられたセンサ7と、MIDI規格に適合した演奏情報を出力するMIDIインターフェース(I/F)8とを主に備えている。
ROM3には、図4〜図7に示すフローチャートの処理に対応する制御プログラム3aやベロシティカーブ3bや各種定数などが記憶される。制御プログラム3aは、鍵盤の鍵の状態からハンマの状態を推測し、そのハンマの状態から楽音の発生の開始を指示するノートオン情報を生成し出力する処理が記載されたものである。このハンマは、実際に設けられない場合もあり、以下、仮想ハンマと称す。
ベロシティカーブ3bは、仮想ハンマの速度をベロシティ値に変換する際に参照されるものであって、仮想ハンマが打弦を行うと判定された際に、仮想ハンマの速度が推定され、その推定されたハンマ速度をベロシティ値に変換するための曲線である。
音源20に対して出力される楽音の発生の開始を指示する情報は、ノートオン情報であり、このノートオン情報には、押鍵速度を示すベロシティ値が含まれる。
RAM4には、押鍵中フラグメモリ4aと、自由運動フラグメモリ4bと、ワークエリア4cとが設けられる。押鍵中フラグメモリ4aは、押鍵中フラグを記憶するメモリであり、押鍵中フラグは、各鍵毎に押鍵中か否かを示すフラグである。仮想ハンマがある所定値を超えた場合に1にセットされ、離鍵されることによって、ダンパが弦に接触される位置に戻された場合に0にリセットされる。
自由運動フラグメモリ4bは、自由運動フラグを記憶するメモリであり、自由運動フラグは、各鍵毎に鍵により駆動される仮想ハンマを想定し、その仮想ハンマが鍵の駆動から離脱して自由運動を行っているか否かを示すフラグである。仮想ハンマが鍵に接触している場合に0にリセットされ、鍵との接触から離脱して自由運動を行っている場合に、1にセットされる。
ワークエリア4cは、鍵の変位や速度、仮想ハンマの暫定変位および暫定速度、仮想ハンマの現在の変位および速度などを一時記憶する。仮想ハンマの暫定変位および暫定速度、仮想ハンマの現在の変位および速度については、後述する。
操作パネル5は、演奏者により操作される操作子や設定された数値などを表示する表示器などを備えている。操作子としては、例えば、音源20に送信するMIDI信号のチャネルを設定を行うものや、ROM3に記憶される複数のベロシティカーブ3bのいずれかを選択するものが設けられる。
A/D変換器6は、各鍵毎に設けられるセンサ7を構成する受光素子7b(図2参照)が出力する電圧値を順次デジタル値に変換するものである。アコースティックピアノの多くは、白鍵と黒鍵を合わせて88個の鍵を有するものが多く、この実施形態においても、鍵の数が88あるとし、それぞれの鍵に対応してセンサ7が設けられ、各センサ7には、鍵の変位に応じたアナログ電圧値を出力する受光素子7bが設けられる。
各受光素子7bの出力は、図示しないアナログスイッチを切り替えることにより、A/D変換器6に順次供給され、変換されたデジタル値は、順次CPU2により読み取られる。
各鍵に対応して設けられる受光素子7bは、鍵変位に応じたアナログ信号である電圧値を出力し、その電圧値は、所定時間間隔でサンプリングされ、A/D変換器6に供給される。受光素子7bについては、図2を参照して後述する。
MIDIインターフェース8は、MIDI規格に適合した演奏情報を鍵盤の操作に応じて出力するインターフェースである。このMIDIインターフェース8には、外部装置である音源20が接続され、音源20は、入力された演奏情報に応じた楽音信号を出力する。その出力された楽音信号は、アンプ21により増幅されスピーカ22により放音される。
鍵盤装置1からMIDIインターフェース8を介して音源20に出力される情報は、MIDI規格に準拠したフォーマットの情報であり、楽音の発生を指示する情報をノートオン情報、楽音の発生の停止を指示する情報をノートオフ情報と称する。ノートオン情報は、その情報がノートオン情報であることを示すステータスと、発音させる楽音の音高を指示するノートナンバと、押鍵速度を示すベロシティ値(7ビットにより表され、1〜127の値をとる)とを含むものである。また、ノートオフ情報は、その情報がノートオフ情報であることを示すステータスと、発音を停止させる楽音の音高を指示するノートナンバと、離鍵速度を示すベロシティ値とを含むものである。
次に、図2を参照して鍵の変位(以下、「鍵変位」と称す)xとセンサ7について説明する。図2は、鍵11(図2では、白鍵を例示する)とセンサ7とを示す側面図である。鍵11は、図10に示すものと同一であり、支点12を中心として揺動し、その前部分が演奏者により操作され、後部分には、ハンマ53およびそのハンマ53を鍵11により駆動する機構が設けられる。図2は、その前部分を示したもので鍵11が操作されない状態を実線で示すと共に、この状態における鍵11の上面の位置により鍵変位xを0として示す。また、鍵11が最下位置まで押下された場合を一点鎖線で示すとともに、その場合の鍵11の上面の位置により鍵変位xをEとして示す。
鍵変位xが0からEまで変化する間には、次のような状態がある。鍵11が押下されると、まず、ダンパが弦との接触を解除する。この時の鍵変位xをBとする。更に、鍵11が押下されるとジャック56(図10参照)が回動を開始する。この時の鍵変位xをCとする。更に鍵11が押下されると、ジャック56が更に回動し、完全にハンマから離脱する。この時の鍵変位xをDとする。鍵変位xは、鍵11の先端の移動距離としてもよいし、支点を中心に回転する角度で表してもよい。鍵変位xを鍵11の先端の移動距離とし、グランドピアノの鍵の一例を上げると、Bは、4.0mm、Cは、6.9mm、Dは、8.7mm、Eは、10.0mmである。
通常のアコースティックピアノには、鍵11の下方にスペースが存在し、このスペースに、センサ7を配置することができる。各鍵11に対応して設けられるセンサ7は、反射型フォトセンサと呼ばれるもので、発光素子7aと受光素子7bとが上方向を向いた構造である。発光素子7aは、例えば、赤外線を発光するLEDであり、受光素子7bは、例えば、受光する赤外線の強度に応じた電流が得られるフォトトランジスタである。
発光素子7aは、鍵11の下面に向かって光を照射するように、光を発生する部分を上方に向けて配置され、発光部分の周囲は、照射された光が分散しないようにすり鉢状に形成される。
また、受光素子7bは、発光素子7aから照射された光が鍵11の下面によって反射された反射光を受光するように受光面を上方に向けて配置され、同様に受光素子7bの周囲は、すり鉢状に形成される。
次に、仮想ハンマの変位であるハンマ変位と仮想ハンマの速度であるハンマ速度とを求める方法について説明する。
(1)鍵11が操作されない初期状態では、仮想ハンマは、鍵11により駆動される状態である。仮想ハンマが鍵11に接触し、鍵11によって駆動されている場合は、仮想ハンマの変位は、鍵11の変位により一意に決まる。この仮想ハンマが鍵11に接触している場合の、鍵変位xに対するハンマ変位を静止ハンマ位置と称し、その静止ハンマ位置を表す曲線を静止ハンマ曲線と称す。この静止ハンマ曲線については、図3を参照して後述する。
(2)仮想ハンマが鍵11に接触している場合の仮想ハンマの速度は、鍵11の変位における変位の変化率、すなわち静止ハンマ曲線の傾き、に鍵速度を乗じたものである。静止ハンマ曲線を数式で表すことができ、その数式を微分することができれば、静止ハンマ曲線の傾きも数式を用いて求めることができる。
この実施形態では、この静止ハンマ曲線を一次関数と二次関数とによって表し、演算によって、仮想ハンマの変位と速度とを求めるものとする。
(3)所定時間毎に鍵変位xと鍵速度とを取得し、その鍵変位と鍵速度とに基づいて、仮想ハンマが鍵11と接触している場合の仮想ハンマの変位と仮想ハンマの速度とを求めることができる。
次に、このようにして求められたハンマ位置にハンマ速度を加算することによりハンマ暫定変位を求める。このハンマ暫定位置と今回求められた鍵変位xに対応する静止ハンマ位置とを比較することにより、仮想ハンマが鍵11に接触しているか否かを判定する。すなわち、前回の鍵変位xと鍵速度とから求められた現在の仮想ハンマの位置であるハンマ変位が、今回の鍵変位xにおける静止ハンマ位置より大きければ、仮想ハンマは、鍵11から離脱し自由運動を行っていると判定する。前回の鍵変位xと鍵速度とから求められた現在の仮想ハンマの位置であるハンマ変位が、今回の鍵変位xにおける静止ハンマ位置と等しいか小さければ、仮想ハンマは鍵11に接触していると判定する。
(4)仮想ハンマが鍵11に接触していると判定された場合は、上記と同様に、鍵変位xと鍵速度とに基づいて仮想ハンマのハンマ変位とハンマ速度とを求めることができる。仮想ハンマが鍵11に接触していないと判定された場合は、仮想ハンマが重力加速度により加速されているとして、ハンマ速度を求め、その求められたハンマ速度に基づいてハンマ変位を求めることができる。
(5)このようにして仮想ハンマの変位と速度とを求め、仮想ハンマの変位が静止ハンマ位置の最大値h_maxを超えた場合の仮想ハンマの速度が所定値v以上である場合に、音源20に対して楽音を発生するように指示を行う。この所定値vは、初速度が重力加速度により減速されても仮想ハンマが弦に到達して打弦する最小の初速度である。
その最小の初速度vより初速度が大きい場合は、そのハンマ速度に応じたベロシティ値をベロシティカーブ3bを参照して求め、ノートオン情報を出力する。
この最小の初速度vは、実際のアコースティックピアノのハンマにおいて、弦に到達する最小の速度を測定により求めることができる。また、仮想ハンマの変位の最大値h_maxから弦までの距離であるjを測定し、その距離jに基づいて次のようにしても求めることができる。
最小の初速度vは、重力加速度により徐々に減速され、弦に到達したとき0になる速度である。単位時間当たりの重力加速度をgとし、n個の単位時間で仮想ハンマが弦に到達するとすれば、nは、次式(以下、「数式1」と称す)のようになる。
n=v/g (数式1)
一方、仮想ハンマは、最小の初速度をvとし、n回で仮想ハンマが距離jを上昇するので、距離jは、次式により算出することができる。
Figure 2009204743
この式に、数式1のnを代入すると、
Figure 2009204743
となり、これを解き、v>0を満たすvは、
Figure 2009204743
となる。
なお、上記のように離散的な演算ではなく連続して変化するとして運動エネルギー保存の法則を適用すれば、
Figure 2009204743
となる。この式を用いても誤差は無視できる程度であるが、本実施形態では、数式2を用いるものとする。
次に、図3を参照して、静止ハンマ位置について説明する。鍵11を速く押下した場合は、ハンマ53は、鍵11の駆動から離脱して自由運動を開始する。静止ハンマ位置とは、鍵11を徐々に押下し、仮想ハンマが鍵11と接触している状態、すなわち仮想ハンマが自由運動をしていない状態における仮想ハンマの位置である。
図3は、鍵変位xに対応する静止ハンマ位置を示すグラフである。以下、この鍵変位xに対する静止ハンマ位置を表す曲線を静止ハンマ曲線と称す。図3は、横軸を変位xとし、縦軸を仮想ハンマの変位hとして静止ハンマ曲線を実線で表すものである。図3に示すように、静止ハンマ曲線は、鍵変位xが0からCまでは、正比例を示す直線である。変位xがCからDまでは放物線の一部であり、CからDの範囲外の放物線を一点鎖線で示す。変位xがDからEまでは、水平な直線である。
図10を参照して説明したように、鍵変位xが0からCまでは、ジャック56が回転せずにハンマ53を押し上げるので、ハンマ変位hは、鍵変位xに正比例する。なお、ハンマ軸の長さにより実際のハンマが打弦する位置の移動距離は異なるが、ここでは、説明を簡単にするために、正比例する部分の直線の傾きを1とする。
鍵変位xがCからDまでの間は、ジャック56が回転をするために、実際には、複雑な曲線を描くが、本願の発明者は、この曲線を放物線(二次曲線)を用いることにより精度良く近似できることを発見した。この放物線は、次式(以下、「数式3」と称す)により表される。
Figure 2009204743
なお、Aは、定数であり、例えば、模擬しようとするアコースティックピアノの各鍵のアクションの構造により決定される。静止ハンマ位置が最大値h_maxとなる鍵変位xをPとすると、P=(C+1/A)である。このh_maxは、数式3においてx=C+1/Aを代入することにより表され、
h_max=1/(2A)+C
となる。
鍵変位xがDからEまでの間は、静止ハンマ位置は、鍵変位xに係わらず一定値であるh_endであり、このh_endは、数式3の鍵変位xにDを代入した次式により表わされる。
Figure 2009204743
上述の通り、静止ハンマ位置は、仮想ハンマが、鍵11に接触している場合の鍵変位xに対応する仮想ハンマの変位を示す。よって、仮想ハンマが鍵11に接触している場合は、静止ハンマ位置が仮想ハンマ位置に対応する。
一方、仮想ハンマの速度は、鍵11に接触している場合は、鍵11の速度に、静止ハンマ曲線の傾きを乗じた値となる。従って、鍵変位xが0からCまでは、静止ハンマ曲線は傾きが1の直線であるので、仮想ハンマの速度は、鍵11の速度に一致する。そして、鍵変位xがCからDまでの間の静止ハンマ曲線の傾きは、数式3を微分した次式(以下、「数式4」と称す)により求めることができる。
h’=1−A(x−C) (数式4)
従って、仮想ハンマが鍵11に接触している場合の仮想ハンマの変位であるハンマ変位とハンマ速度を求めることができる。
次に、ある鍵変位xにおいて、仮想ハンマの変位が、静止ハンマ位置より大きくなった場合は、仮想ハンマが鍵11の駆動から離脱し、自由運動を行っていると判断することができる。
次に、図4〜7を参照して制御プログラム3aにより実行される処理について説明する。図4〜7は、制御プログラム3aにより実行される処理を示すフローチャートである。まず、図4を参照して、メイン処理について説明する。このメイン処理は、鍵盤装置1の電源が投入されたとき起動され、電源が遮断されるまで繰り返し行われる処理である。メイン処理では、まず初期設定を行う(S1)。この初期設定では、RAM4に設けられた押鍵中フラグメモリ4aに記憶される各鍵11に対応する押鍵中フラグを全て0に設定し、同様に各鍵11に対応する自由運動フラグを全て0に設定する。なお、以下に述べる処理は、鍵盤に設けられている全ての鍵11について、それぞれ行われる処理であるが、説明を簡単にするために、一つの鍵11について説明する。また、この処理は、正確な所定時間間隔で行われるが、計時処理については、公知であるのでその説明を省略する。
次に、A/D変換器6により変換されたデジタル値を読み込み鍵変位xを取得する(S2)。A/D変換された値が鍵変位xに対して線形などの単純な対応関係でない場合は、変換テーブルなどを参照して正確な鍵変位xに変換する。
次に、ワークエリア4cに記憶された鍵変位xを読み出し、今回取得した鍵変位xから引くことにより、鍵速度を取得する(S3)。そして、ワークエリア4cに記憶された鍵変位xに代えて今回取得した鍵変位xを記憶する(S4)。
次に、ハンマ暫定状態取得処理を行う(S5)。このハンマ暫定状態取得処理は、取得された鍵変位xと鍵速度とに基づいて、暫定的なハンマ変位であるハンマ暫定変位とハンマ暫定速度とを取得する処理である。詳細については、図5を参照して後述する。
次に、ハンマ暫定状態取得処理(S5)により求められたハンマ暫定変位が打弦位置に到達したか否かを判断する(S6)。仮想ハンマが弦に到達した場合は(S6:Yes)、仮想ハンマが弦により跳ね返されて下降を開始するので、ハンマ暫定速度を次式により算出する(S7)。
ハンマ暫定速度=−[ハンマ暫定速度×(1−損失)]
次に、ハンマ暫定変位を、次式により算出する(S8)。
ハンマ暫定変位=打弦位置−(ハンマ暫定変位−打弦位置)×(1−損失)
ここで、この損失とは、仮想ハンマが弦を打撃した際に発生するエネルギー損失であり、実測などによれば約0.8である。即ち、仮想ハンマが弦に衝突する前の速度の絶対値に、0.2を乗じた値が、仮想ハンマが弦に衝突した後の速度の絶対値となる。
S8の処理を終了した場合、またはS6の判断処理において、仮想ハンマが弦に到達しない場合は(S6:No)、ハンマ状態取得処理を行う(S9)。このハンマ状態取得処理においては、ハンマ暫定変位に基づいて、仮想ハンマが鍵11に接触しているか否かが判定され、接触しないと判定された場合は、自由運動をしていると判断されて、重力加速度による変更等が行われ、現在のハンマ変位とハンマ速度が取得される。このハンマ変位とハンマ速度とは、RAM4のワークエリア4cに記憶され、所定時間毎に更新される。このハンマ状態取得処理については、図6に示すフローチャートを参照して後述する。
S9のハンマ状態取得処理を終了した場合は、次に押鍵離鍵判定処理を行い(S10)、押鍵離鍵判定処理を終了した場合は、S2の処理に戻る。この押鍵離鍵判定処理では、S9の処理で取得されたハンマ変位とハンマ速度に基づいて、仮想ハンマが打弦するか否かを判定し、打弦すると判定された場合は、ノート情報を出力する等の処理を行う。詳細については、図7を参照して後述する。
次に、図5を参照してハンマ暫定状態取得処理について説明する。図5は、ハンマ暫定状態取得処理を示すフローチャートである。このハンマ暫定状態取得処理では、まず、RAM4の自由運動フラグメモリ4aに記憶された自由運動フラグが1に設定されているか否かを判断する(S21)。自由運動フラグが1に設定されていない場合は(S21:No)、仮想ハンマが鍵11に接触している状態であり、次に、鍵変位xは、D(ジャックが回動を終了する鍵変位)以上か否かを判断する(S22)。鍵変位xがD以上でない場合は(S22:No)、更に鍵変位xがC(ジャックが回動を開始する鍵変位)以上か否かを判断する(S23)。鍵変位xがC以上でない場合は(S23:No)鍵変位xが0からCの間であり、ハンマ暫定速度をS3の処理で求めた鍵速度とする(S24)。鍵変位xがC以上である場合は(S23:Yes)、鍵変位xがCからDの範囲内にあり、ハンマ暫定速度をS3の処理で求めた鍵速度に数式4、[1−A(x−C)]を乗じた値とする(S25)。
S21の判断処理において自由運動フラグが1に設定されている場合(S21:Yes)、または、S22の判断処理において鍵変位xがD以上である場合(S22:Yes)は、ハンマの暫定速度をハンマ速度から重力加速度を引いた値とする(S26)。このハンマ速度は、RAM4のワークエリア4cに記憶されたハンマ速度であり、前回の処理において取得された値である。
S24またはS25またはS26の処理においてハンマ暫定速度が取得された場合はRAM4のワークエリア4cに記憶されたハンマ変位に、そのハンマ暫定速度が加算され、ハンマ暫定変位を取得する(S27)。
次に、図6を参照してハンマ状態取得処理について説明する。図6は、ハンマ状態取得処理を示すフローチャートである。このハンマ状態取得処理では、まず、鍵変位xはD以上か否かを判断する(S31)。
鍵変位xがD以上ではない場合は(S31:No)、仮想ハンマが鍵11に接触しているか否かを判断する(S32)。この判断は、ハンマ暫定変位と静止ハンマ位置とを比較することにより行われる。即ち、ハンマ暫定位置が鍵変位xに対応する静止ハンマ位置より大きい場合は、仮想ハンマが、鍵11との接触を離脱し、ハンマ暫定変位が鍵変位xに対応する静止ハンマ位置と等しいか小さい場合は、仮想ハンマが鍵11と接触していると判断される。
仮想ハンマが鍵11に接触している場合は(S32:Yes)、鍵変位xがC以上か否かを判断し(S33)、鍵変位xがC以上でなければ(S33:No)、自由運動フラグメモリ4bに記憶される自由運動フラグを0に設定し、ハンマ速度を鍵速度に、ハンマ変位を鍵変位xにそれぞれ設定し、RAM4のワークエリア4cに記憶する(S34)。
鍵変位xがC以上であれば(S33:Yes)、自由運動フラグを0に設定し、鍵変位xは、CからDの範囲であるので、ハンマ速度を鍵速度に数式4により得られる傾きを乗じた値とし、ハンマ変位を鍵変位xを数式3に代入した値とし、RAM4のワークエリア4cに記憶する(S35)。
仮想ハンマが鍵11に接触していない場合は(S32:No)、自由運動フラグメモリ4bに記憶される自由運動フラグを1に設定し、ハンマ速度をハンマ暫定速度に、ハンマ変位をハンマ暫定変位にそれぞれ設定し、RAM4のワークエリア4cに記憶する(S36)。
一方、S31の判断処理において、鍵変位xがD以上の場合は(S31:Yes)、ハンマ暫定変位がh_endより大きいか否かを判断する(S37)。ハンマ暫定変位がh_endより大きくない場合は(S37:No)、自由運動フラグメモリ4bに記憶される自由運動フラグを0に設定し、ハンマ速度を0に、ハンマ変位をh_endにそれぞれ設定し、RAM4のワークエリア4cに記憶する(S38)。ハンマ暫定変位がh_endより大きい場合は(S37:Yes)、上述のS36の処理を行う。S34またはS35またはS36またはS38の処理を終了した場合は、メイン処理に戻る。
次に、図7を参照して押鍵離鍵判定処理について説明する。図7は、押鍵離鍵判定処理を示すフローチャートである。押鍵離鍵判定処理では、まず、押鍵中フラグメモリ4aに記憶される押鍵中フラグが1に設定されているか否かを判断する(S51)。押鍵中フラグが1に設定されていない場合は(S51:No)、RAM4のワークエリア4cに記憶された現在のハンマ変位hがh_maxより大きいか否かを判断し(S52)、現在のハンマ変位hがh_maxより大きい場合は(S52:Yes)、RAM4のワークエリア4cに記憶された現在のハンマ速度がv以上であるか否かを判断する(S53)。
ハンマ速度がv以上である場合は(S53:Yes)、仮想ハンマが打弦を行うことになり、このハンマ速度からROM3に記憶されたベロシティカーブ3bを参照してベロシティ値に変換し(S54)、操作された鍵11に対応するノートナンバとその変換されたベロシティ値とを含むノートオン情報をMIDIインターフェース8を介して発行する(S55)。音源20は、このノートオン情報を受信すると、ノートナンバに対応する音高であって、ベロシティ値に対応する強さの楽音を発生する。
ハンマ速度がv以上でない場合は(S53:No)、ダミーノートオン情報を発行する(S56)。このダミーノートオン情報は、鍵11が押下されたが、楽音は発音しないということを示す情報であって、音源20がこの情報を受信した場合は、何も処理を行わないが、自動ピアノでは、鍵11が押下された様子を模擬するために利用される。
S55の処理またはS56の処理を終了した場合は、押鍵中フラグを1に設定する(S57)。
一方、押鍵中フラグが1に設定されている場合は(S51:Yes)、鍵変位xがB(ダンパが弦に接触する鍵変位)以下であるか否かを判断し(S61)、鍵変位xがB以下であれば(S61:Yes)、ダンパが弦に接触するので、ノートオフ情報を発行し(S62)、押鍵中フラグを0に設定する(S63)。
S52の判断処理において現在のハンマ変位hがh_maxより大きくない場合は(S52:No)、またはS61の判断処理において鍵変位xがB以下でない場合(S61:No)、または、S57またはS63の処理を終了した場合は、メイン処理に戻る。
以上、フローチャートを参照して説明したように、仮想ハンマの動作は、実際のハンマの動作を忠実に模擬したものである。特に、仮想ハンマが鍵11に接触しているか否かを判定し、その判定された状態に応じて仮想ハンマの変位と速度とを求める点や、鍵11を静かに押下した場合のハンマの変位である静止ハンマ位置を記憶し、その静止ハンマ位置により、仮想ハンマの変位や速度を求める点に特徴がある。
以上の処理を鍵盤装置1において、鍵11を様々な態様で押下した場合の仮想ハンマの変位の変化を図8に示す。
図8は、鍵変位xに対応し変化するハンマ変位hを示すグラフである。図8(a)、(c)、(e)は、鍵変位xの変化を示し、横軸を時間tとして、縦軸を鍵変位xとして示す。これらの図において、ジャック56が回動を開始する時の鍵変位xであるCと、ジャック56が更に回動し、完全にハンマから離脱する時の鍵変位xであるDと、鍵11の最下位置Eとを破線で示す。
図8(b)、(d)、(f)は、上記(a)、(c)、(e)にそれぞれ対応して変化した仮想ハンマの変位hの変化を示し、横軸を時間tとし、縦軸をハンマ変位hとして示したものである。これらの図において、静止ハンマ位置の最大値であるh_maxと、鍵変位xがD以上である場合の静止ハンマ位置であるh_endと、弦の位置を示すSとを破線で示す。
図8(a)、(b)は、通常に押鍵され、所定時間後に離鍵された場合の鍵変位xとハンマ変位hとを示す。押鍵により仮想ハンマが加速され、弦に到達した後、仮想ハンマは、h_endで保持される。離鍵された場合仮想ハンマは、h_endからh_maxまで持ち上げられ、再び下降して静止位置に戻る。
図8(c)、(d)は、鍵11が浅く押下された場合であって、図8(c)に示すように鍵変位xが、Cよりも浅い位置で離鍵されたものである。しかし、鍵11の変位が浅くても押鍵速度が速いので、仮想ハンマは十分に加速され、弦の位置Sに到達する。よって、鍵変位xがCからDの範囲で鍵11の速度を検出する従来の方法では、楽音が発生されなことになるが、本発明によれば、このような場合にも、楽音を発生するようにすることができる。
図8(e)、(f)は、押鍵の途中から更に深く押鍵した場合を示す。図8(e)に示すように、押鍵途中で一度鍵11の変位の変化が小さくなり、更にGで示すように、押下された場合である。この場合、仮想ハンマは加速され、弦に到達するが、初速度が小さいため強度は小さいものとなる。この初速度は、上述した通り、ハンマ変位hがh_maxを超えた時のハンマ速度であり、図8(f)においてHで示すように、仮想ハンマの変位の傾きが小さいものとなり、実際のハンマに近似した特性を得ることができる。
このように、本発明によれば、鍵11の動作に基づく仮想ハンマの動作を実際のアコースティックピアノのハンマの動作に模擬したので、アコースティックピアノにおいて演奏された楽音に近似した楽音を発生することができる。
なお、第1実施形態では、図6に示すハンマ状態取得処理の前回の処理において仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定して、自由運動フラグを設定し、今回の処理において、その設定された自由運動フラグに応じた処理を図5に示すハンマ暫定状態取得処理により行って、仮想ハンマの暫定速度および暫定位置を取得するものとしたが、仮想ハンマの速度は、常に重力の影響を受けるので、単に仮想ハンマの暫定速度から重力加速度を減じたものを今回の速度とすることもできる。その方法による第2実施形態における処理を図9に示すフローチャートを参照して説明する。図9は、第1実施形態における図5に示す処理を置き換えたものであって、他の構成および処理については、第1実施形態た同一であり、その説明を省略する。なお、この第2実施形態では、自由運動フラグは、不要であるので、図6に示す処理から自由運動フラグに関する処理を省くことが望ましい。
図9に示す処理では、まず、ハンマの暫定速度を前回のハンマ速度から重力加速度を引いた値とする(S71)。この前回のハンマ速度は、RAM4のワークエリア4cに記憶されたハンマ速度であり、前回の処理において取得された値である。次に、RAM4のワークエリア4cに記憶されたハンマ変位に、そのハンマ暫定速度を加算しハンマ暫定変位を取得し(S72)、メイン処理に戻る。
第2実施形態では、仮想ハンマが鍵に接触しているか否かに拘わらず、仮想ハンマの暫定速度は、重力の影響を受けるとして前回の仮想ハンマの速度から重力加速度を減じたものとし、仮想ハンマの変位を前回の変位にその暫定速度を加算したものとするので、第1実施形態より処理が少なくなり、速く処理することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、静止ハンマ曲線は、数式3によって表され、この数式3は、制御プログラム3a中に記載されているものとしたが、例えば、ROM3にテーブルとして記憶し、制御プログラム3aによって参照されるものとしてもよい。
また、同様に、ハンマ速度を取得する場合は、静止ハンマ曲線を表す数式3を微分した数式4を用いるものとしたが、静止ハンマ曲線を微分したテーブルを記憶し、そのテーブルを参照することによりハンマ速度を取得するようにしてもよい。この場合、アコースティックピアノにおいて、鍵変位xに対するハンマ変位hを測定し、静止ハンマ曲線を形成することができる。
また、上記実施形態では、仮想ハンマが鍵の駆動から離脱して運動を行っている場合は、その速度が重力による作用を受けるものとしたが、これは、グランドピアノのハンマのように復元力として重力が作用される場合を模擬するものであり、アップライトピアノのように、バネ等による作用を受けるものとしてもよい。
また、上記実施形態では、鍵11の変位xは、受光素子7bと発光素子7aとにより検出されるものとしたが、鍵11の下部に設けられた磁石と、その磁石に対向して鍵盤のシャーシに設けられたホール素子とにより形成されるセンサにより連続して変化する電圧値に変換されるものや、受光素子7bと発光素子7aと鍵11の変位に応じて受光素子が受光する光量が変化する遮光板を備え、鍵11の変位に応じて受光素子が出力する電気信号が変化するものや、鍵11の変位に応じて静電容量が変化するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、鍵11の連続する変位を検出し、その変位の変化から鍵11の速度を取得するものとしたが、鍵11の速度を検出するセンサを設けて鍵11の変位とは独立して鍵11の速度を取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ベロシティ値をROM3に記憶されたベロシティカーブ3bを参照し、仮想ハンマの初速度に対応する値とするものとしたが、初速度から演算により求めるようにしてもよい。例えば、ベロシティ値が初速度の一次関数であるとし、ベロシティ値の最大値(127)が、初速度の最大値に対応し、ベロシティの最小値(例えば2)を、初速度の最小値vに対応させるようにしてもよい。
本発明による実施形態における鍵盤装置の電気的構成を示すブロック図である。 鍵とセンサとを示す側面図である。 静止ハンマ曲線を示すグラフである。 メイン処理を示すフローチャートである。 ハンマ暫定状態取得処理を示すフローチャートである。 ハンマ状態取得処理を示すフローチャートである。 押鍵離鍵判定処理を示すフローチャートである。 鍵変位の変化に対応するハンマ変位の変化を示すグラフであり(a)、(b)は、通常の押鍵が行われた場合、(c)、(d)は、浅い押鍵が行われた場合、(e)、(f)は、途中位置から押下された場合をそれぞれ示す。 第2実施形態におけるハンマ暫定状態取得処理を示すフローチャートである。 従来技術におけるハンマ駆動機構を示す図である。
符号の説明
1 鍵盤装置
2 CPU
3 ROM
4 RAM
7 センサ
20 音源
S2 鍵変位取得手段
S3 鍵速度取得手段
S5 ハンマ暫定状態取得手段
S9 ハンマ状態取得手段
S32 接触判定手段
S55 指示手段

Claims (8)

  1. 鍵の連続する変位である鍵変位を取得する鍵変位取得手段と、
    前記鍵の速度である鍵速度を取得する鍵速度取得手段と、
    前記鍵により駆動され前記鍵との接触から離脱して運動する仮想的なハンマである仮想ハンマが前記鍵に接触しているかを判定する接触判定手段と、
    その接触判定手段により前記鍵が前記仮想ハンマに接触していると判定された場合は、前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位と前記鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて前記仮想ハンマの変位であるハンマ変位と仮想ハンマの速度であるハンマ速度とを取得するハンマ状態取得手段と、
    そのハンマ状態取得手段により取得されたハンマ変位とハンマ速度とに基づいて楽音の発生を指示する指示手段とを備えていることを特徴とする鍵盤装置。
  2. 前記ハンマ速度を仮想ハンマに作用する復元力に基づいて更新するハンマ速度更新手段を備え、
    前記接触判定手段は、仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものであり、
    前記ハンマ状態取得手段は、前記接触判定手段により仮想ハンマが鍵に接触していないと判定された場合は、前記ハンマ速度更新手段によりハンマ速度を取得するものであることを特徴とする請求項1記載の鍵盤装置。
  3. 前記鍵変位取得手段および鍵速度取得手段は、所定時間毎に鍵変位と鍵速度とを取得し、前記ハンマ状態取得手段は、前記所定時間毎にハンマ変位とハンマ速度とを取得するものであり、
    前記ハンマ状態取得手段により取得された前回のハンマ変位とハンマ速度とに基づいて、今回の仮想ハンマの暫定位置であるハンマ暫定変位を取得するハンマ暫定状態取得手段を備え、
    前記接触判定手段は、そのハンマ暫定状態取得手段により取得されたハンマ暫定変位と前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位とに基づいて仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものであることを特徴とする請求項1または2記載の鍵盤装置。
  4. 前記鍵変位取得手段および鍵速度取得手段は、所定時間毎に鍵変位と鍵速度とを取得し、前記ハンマ状態取得手段は、前記所定時間毎にハンマ変位とハンマ速度とを取得し、
    前記接触判定手段は、前記所定時間毎に仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものであり、
    前記ハンマ状態取得手段により取得された前回のハンマ変位とハンマ速度と前記接触判定手段により判定された結果とに基づいて仮想ハンマの暫定位置であるハンマ暫定変位を取得するハンマ暫定状態取得手段を備え、
    前記接触判定手段は、そのハンマ暫定状態取得手段により取得されたハンマ暫定変位と前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位とに基づいて今回、仮想ハンマが鍵に接触しているか否かを判定するものであることを特徴とする請求項1または2記載の鍵盤装置。
  5. 前記仮想ハンマが鍵に接触している状態における鍵変位に対する仮想ハンマの位置である静止ハンマ位置を示す関数を記憶する関数記憶手段を備え、
    前記ハンマ状態取得手段は、前記ハンマ変位とハンマ速度とを前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位と前記鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて、前記関数記憶手段に記憶された関数を用いることにより取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鍵盤装置。
  6. 鍵の連続する変位である鍵変位を取得する鍵変位取得手段と、
    前記鍵の速度である鍵速度を取得する鍵速度取得手段と、
    前記鍵により駆動され前記鍵との接触から離脱して運動する仮想的なハンマである仮想ハンマが鍵に接触している状態における鍵の変位に対する仮想ハンマの位置である静止ハンマ位置を示す関数を記憶する関数記憶手段と、
    前記仮想ハンマの変位であるハンマ変位と仮想ハンマの速度であるハンマ速度とを前記鍵変位取得手段により取得された鍵変位と前記鍵速度取得手段により取得された鍵速度とに基づいて、前記関数記憶手段に記憶された関数を用いることにより取得するハンマ状態取得手段と、
    そのハンマ状態取得手段により取得されたハンマ変位とハンマ速度とに基づいて楽音の発生の開始を指示する指示手段とを備えていることを特徴とする鍵盤装置。
  7. 前記関数記憶手段に記憶される関数は、鍵が停止している位置から所定の位置までは一次関数であり、その所定の位置以上の鍵の位置においては、その鍵の所定の位置において前記一次関数により形成される直線に接するとともに、上に凸の放物線を描く二次関数であることを特徴とする請求項5または6記載の鍵盤装置。
  8. 前記ハンマ状態取得手段により取得されたハンマ変位が前記鍵に接触しない所定位置に至ったときの前記ハンマ状態取得手段により取得されたハンマ速度である初速度が所定値以上であるかを判定する初速度判定手段を備え、
    前記指示手段は、前記仮想ハンマの初速度が所定値以上であると判定された場合に、楽音の発生の開始を指示するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の鍵盤装置。
JP2008045074A 2008-02-26 2008-02-26 鍵盤装置 Active JP5179224B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008045074A JP5179224B2 (ja) 2008-02-26 2008-02-26 鍵盤装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008045074A JP5179224B2 (ja) 2008-02-26 2008-02-26 鍵盤装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009204743A true JP2009204743A (ja) 2009-09-10
JP5179224B2 JP5179224B2 (ja) 2013-04-10

Family

ID=41147103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008045074A Active JP5179224B2 (ja) 2008-02-26 2008-02-26 鍵盤装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5179224B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011197176A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Casio Computer Co Ltd 電子鍵盤楽器
JP2013142767A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Korg Inc 鍵盤装置および鍵盤センサユニット

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01239594A (ja) * 1988-03-22 1989-09-25 Yamaha Corp 打弦速度推定装置および自動演奏ピアノ
JPH03253895A (ja) * 1990-03-03 1991-11-12 Yamaha Corp 自動ピアノのハンマー速度検出装置
JPH05307388A (ja) * 1992-04-30 1993-11-19 Yamaha Corp 電子楽器
JPH0944148A (ja) * 1996-05-24 1997-02-14 Yamaha Corp 押鍵情報出力装置
JPH09160555A (ja) * 1995-12-08 1997-06-20 Yamaha Corp 電子楽器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01239594A (ja) * 1988-03-22 1989-09-25 Yamaha Corp 打弦速度推定装置および自動演奏ピアノ
JPH03253895A (ja) * 1990-03-03 1991-11-12 Yamaha Corp 自動ピアノのハンマー速度検出装置
JPH05307388A (ja) * 1992-04-30 1993-11-19 Yamaha Corp 電子楽器
JPH09160555A (ja) * 1995-12-08 1997-06-20 Yamaha Corp 電子楽器
JPH0944148A (ja) * 1996-05-24 1997-02-14 Yamaha Corp 押鍵情報出力装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011197176A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Casio Computer Co Ltd 電子鍵盤楽器
JP2013142767A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Korg Inc 鍵盤装置および鍵盤センサユニット

Also Published As

Publication number Publication date
JP5179224B2 (ja) 2013-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10902830B2 (en) Signal supply device, keyboard device and non-transitory computer-readable storage medium
JP3887968B2 (ja) 鍵盤楽器および鍵速度判定装置
US10937403B2 (en) Signal supply device, keyboard device and non-transitory computer-readable storage medium
JP6070735B2 (ja) 鍵盤楽器
JP5162938B2 (ja) 楽音発生装置及び鍵盤楽器
US6407326B1 (en) Electronic musical instrument using trailing tone different from leading tone
JP5053684B2 (ja) 鍵盤装置
CN105741826B (zh) 交互式钢琴及交互方法
JP6485082B2 (ja) 鍵盤楽器
US11138961B2 (en) Sound output device and non-transitory computer-readable storage medium
JP2005321576A (ja) 自動演奏ピアノ
JP2014010175A (ja) 電子鍵盤楽器、方法及びプログラム
JP5179224B2 (ja) 鍵盤装置
JP2006126748A (ja) 力覚制御用基礎情報出力装置
KR102211225B1 (ko) 건반악기 방음 시스템 및 이를 위한 캘리브레이션 방법
US8859878B2 (en) Method and device for identifying half point of pedal on keyboard musical instrument
JP6736930B2 (ja) 電子楽器および音信号生成方法
JP6299621B2 (ja) 鍵盤楽器
JP6414235B2 (ja) 鍵盤楽器
JP5320545B2 (ja) 鍵盤ストローク検出装置
US8049090B1 (en) Apparatus and method for actuating keyboard mechanisms and evaluating their mechanical properties and stroke characteristics
JP6766511B2 (ja) 鍵盤楽器
JP5572941B2 (ja) 電子鍵盤楽器の力覚制御装置
JP4186993B2 (ja) 演奏データ補正装置
JP5843287B2 (ja) 鍵盤装置および鍵盤センサユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130109

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5179224

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150