JP2009204587A - 原子炉格納設備および原子力プラント運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドライウェル内の不凝縮性ガス濃度を低減して原子炉格納容器からの除熱性能の劣化を抑制する。
【解決手段】ドライウェル2および、圧力抑制プール30を収容するウェットウェル3を備えた原子炉格納容器15と、ドライウェル2と圧力抑制プール30とを連絡するベント管4と、ドライウェル2内に配設された冷却器ケーシング8と、冷却器ケーシング8内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器5と、原子炉格納容器15の外側から冷却器5内へ冷却水を冷却水ポンプ11によって送る冷却水強制循環系統14と、原子炉格納容器15外かつ冷却器5より上方に配置された外部プール17と、外部プール17に溜まった冷却水を冷却器5内に供給する重力利用冷却系統と、冷却器ケーシング8と圧力抑制プール30とを連絡するガス排出配管18と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】ドライウェル2および、圧力抑制プール30を収容するウェットウェル3を備えた原子炉格納容器15と、ドライウェル2と圧力抑制プール30とを連絡するベント管4と、ドライウェル2内に配設された冷却器ケーシング8と、冷却器ケーシング8内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器5と、原子炉格納容器15の外側から冷却器5内へ冷却水を冷却水ポンプ11によって送る冷却水強制循環系統14と、原子炉格納容器15外かつ冷却器5より上方に配置された外部プール17と、外部プール17に溜まった冷却水を冷却器5内に供給する重力利用冷却系統と、冷却器ケーシング8と圧力抑制プール30とを連絡するガス排出配管18と、を有する。
【選択図】図1
Description
この発明は、原子炉格納設備およびその原子炉格納設備を備えた原子力プラントの運転方法に関する。
従来の典型的な沸騰水型原子力プラントにおける原子炉格納容器は、ドライウェルおよびウェットウェルを有する(特許文献1参照)。ドライウェルとウェットウェルをベント管が連絡する構成となっており、ドライウェルには原子炉圧力容器が収納され、ウェットウェルには圧力抑制プール水が収納されている。原子炉圧力容器には、炉心や炉内構造物や炉水が収容されている。原子炉格納容器冷却設備は、ドライウェルに設置された冷却器コイルユニットおよび送風機と、冷却器コイルユニットに冷却水を供給する冷却水強制循環系統とを有する。冷却器コイルユニットおよび送風機は冷却器ケーシングの内部に収納されている。
冷却水強制循環系統は、原子炉格納容器の外に配置された冷却水ポンプおよび熱交換器を有し、熱交換器で冷却された冷却水が、冷却水ポンプによって、冷却器コイルユニット内の冷却器コイルに送られて循環するようになっている。さらに、熱交換器で冷却水強制循環系統の冷却水を冷却するために、たとえば海水を循環させるための海水ポンプが配置されている。冷却水強制循環系統が原子炉格納容器の壁を貫通する部分の外側と内側にはそれぞれ隔離弁が配置され、万一原子炉冷却材喪失事象等の事故が発生し、原子炉圧力容器内の水位低下あるいはドライウェル内の圧力上昇が起こる場合には、原子炉格納容器を隔離するために隔離弁が閉鎖されるようになっている。
送風機は、冷却器コイルユニット内の冷却器コイルの周囲の気体を流動させて、ドライウェル内の気体を冷却器ケーシング開口部より冷却コイルユニットに導き、冷却器コイルによる冷却を促進する。これによって、原子炉通常運転中に原子炉圧力容器およびそれに接続する配管等からドライウェル内へ放出される熱の除去を行なっている。
このように構成された原子炉格納容器冷却設備において、事故が発生した場合や冷却水ポンプ、送風機の通常の駆動電源が喪失した場合にも原子炉格納容器内の冷却を可能とするために、特許文献1に記載されているように、静的に原子炉格納容器を冷却する方法として、冷却器コイルより上方の原子炉格納容器外に配置されて冷却水を貯蔵する外部プールと、この冷却水を重力を駆動力として冷却器内に供給させる方法が提案されている。
事故が発生した場合や電源が喪失した場合には、隔離弁が閉鎖されて、送風機も停止するが、このとき、重力を駆動力とし、外部プールから第1の配管を通じて冷却器コイルへ冷却水が流入する。この冷却水は、冷却器コイルを流れる間にドライウェル内の気体との熱交換によって熱せられ、一部は沸騰して、第2の配管を通って外部プールへ戻る。このような外部プールと冷却器コイルの間の冷却水の自然循環が起こる過程でドライウェル内の蒸気は冷却器コイルの外面で凝縮され、ドライウェルが冷却される。一方、この方法では、原子炉格納容器からの除熱性能は、外部プールとコイルとの水頭差とドライウェル内部の気体との熱交換で決定される自然循環流量、冷却コイルユニットへのドライウェル内気体の流入のし易さおよび冷却コイルユニット内部での不凝縮性ガスの蓄積の度合い等に依存する。これらを改善し、原子炉格納容器の冷却を有効に行なう方法が提案されている(特許文献2)。
特開2004−198118号公報
特開2007−51929号公報
特許文献2に示される原子炉格納容器冷却設備においては、格納容器からの必要な冷却性能を得るために、冷却コイルと上部の外部プールとの間で安定な自然循環流量を得られるような方策や冷却コイル周りに蒸気凝縮能力を阻害する不凝縮性ガスが蓄積しないような方策が提案されている。
このうち、不凝縮性ガスの蓄積防止策については、冷却器ケーシング内での蓄積は防止されているものの、ドライウェルには依然として残存する体系となっており、事故後長期を想定すると、ドライウェル内の不凝縮性ガス濃度が高くなり、冷却コイルへ流入する不凝縮性ガス濃度も高くなることが想定され、原子炉格納容器からの除熱不全に陥る可能性があった。
さらに、特許文献1および2においては、冷却器コイル内に供給して原子炉格納容器の冷却に用いる水源として沸騰水型原子力発電所における機器プール貯蔵水を適用することが例として挙げられている。プール貯蔵水は原子炉格納容器の冷却に伴って温度が上昇して沸騰することによってその保有水量が減少することになる。
これに対して、たとえば、改良型沸騰水型原子力発電所(以下、「ABWR」と言う)の機器プールに貯蔵可能な水量は1700m3程度であり、この全量が原子炉格納容器の冷却に寄与したと仮定しても、冷却可能期間は事故発生後2日間程度である。一方、近年、米国で建設が計画されている静的に原子炉格納容器からの冷却を可能な設計を採用している原子力発電所では、事故発生後最低3日間分の水量が確保されていることが必須の要件となっていることを考慮すれば、原子炉格納容器からの冷却可能期間としては3日間を目標とすべきである。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、ドライウェル内の不凝縮性ガス濃度を低減して原子炉格納容器からの除熱性能の劣化を抑制するとともに、万一の事故発生後でも長期間に亘って原子炉格納容器の冷却を可能ならしめることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る原子炉格納設備の一つの態様は、原子炉圧力容器を収容するドライウェルおよび、圧力抑制プールを収容するウェットウェルを備えた原子炉格納容器と、前記ドライウェルの前記圧力抑制プールよりも上方の部分と前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、前記ドライウェル内かつ前記原子炉圧力容器外で前記圧力抑制プールよりも上方に配設された冷却器ケーシングと、前記冷却器ケーシング内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器と、前記冷却器ケーシング内かつ前記冷却器外に配設されて冷却器ケーシング内外の気体を流動させる送風機と、前記原子炉格納容器の外側から前記冷却器内へ冷却水を冷却水ポンプによって送る冷却水強制循環系統と、前記原子炉格納容器外かつ前記冷却器より上方に配置されて冷却水を溜める外部プールと、前記外部プールに溜まった冷却水を、前記冷却水ポンプを介さずに重力を駆動力として前記冷却器内に供給するように構成された重力利用冷却系統と、前記冷却器ケーシングと前記圧力抑制プールとを連絡するガス排出配管と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る原子炉格納設備の他の一つの態様は、原子炉圧力容器を収容するドライウェルおよび、圧力抑制プールを収容するウェットウェルを備えた原子炉格納容器と、前記ドライウェルの前記圧力抑制プールよりも上方の部分と前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、前記ドライウェル内かつ前記原子炉圧力容器外で前記圧力抑制プールよりも上方に配設された冷却器ケーシングと、前記冷却器ケーシング内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器と、前記冷却器ケーシング内かつ前記冷却器外に配設されて冷却器ケーシング内外の気体を流動させる送風機と、前記原子炉格納容器の外側から前記冷却器内へ冷却水を冷却水ポンプによって送る冷却水強制循環系統と、前記原子炉格納容器外かつ前記冷却器より上方に配置されて冷却水を溜める外部プールと、前記外部プールに溜まった冷却水を、前記冷却水ポンプを介さずに重力を駆動力として前記冷却器内に供給するように構成された重力利用冷却系統と、前記原子炉圧力容器の上端部の上方かつ前記ドライウェルの外に配置され、燃料交換時に水を溜め、かつ、前記外部プールと連絡する連通孔が設けられている原子炉ウェルと、を有すること、を特徴とする。
また、本発明に係る原子力プラント運転方法は、原子炉圧力容器を収容するドライウェルおよび、圧力抑制プールを収容するウェットウェルを備えた原子炉格納容器と、前記ドライウェルの前記圧力抑制プールよりも上方の部分と前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、前記ドライウェル内かつ前記原子炉圧力容器外で前記圧力抑制プールよりも上方に配設された冷却器ケーシングと、前記冷却器ケーシング内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器と、前記冷却器ケーシング内かつ前記冷却器外に配設されて冷却器ケーシング内外の気体を流動させる送風機と、前記原子炉格納容器の外側から前記冷却器内へ冷却水を冷却水ポンプによって送る冷却水強制循環系統と、前記原子炉格納容器外かつ前記冷却器より上方に配置されて冷却水を溜める外部プールと、前記外部プールに溜まった冷却水を、前記冷却水ポンプを介さずに重力を駆動力として前記冷却器内に供給するように構成された重力利用冷却系統と、前記原子炉圧力容器の上端部の上方かつ前記ドライウェルの外に配置され、かつ、前記外部プールと連絡する連通孔が設けられている原子炉ウェルと、を有する原子炉格納設備を備えた原子力プラントの運転方法であって、原子炉の通常運転時に前記原子炉ウェル内に冷却水を蓄えておくこと、を特徴とする。
本発明によれば、ドライウェル内の不凝縮性ガス濃度を低減して原子炉格納容器からの除熱性能の劣化を抑制できるとともに、万一の事故発生後でも長期間に亘って原子炉格納容器の冷却が可能である。
以下、本発明に係る原子炉格納設備および原子力プラント運転方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明に係る原子炉格納設備の第1の実施形態の模式的立断面図である。原子炉格納容器15はドライウェル2とウェットウェル3から構成され、ドライウェル2内に、原子炉圧力容器1が収容されている。原子炉圧力容器1には、炉心や炉内構造物や炉水(図示せず)が収容されている。ウェットウェル3内には圧力抑制プール30が収容されていて、ドライウェル2と圧力抑制プール30とを連絡するベント管4が配置されている。ベント管4は上下方向に延び、その上端はドライウェル2で開口し、その下端付近には、圧力抑制プール30内での開口部31を有する。
図1は本発明に係る原子炉格納設備の第1の実施形態の模式的立断面図である。原子炉格納容器15はドライウェル2とウェットウェル3から構成され、ドライウェル2内に、原子炉圧力容器1が収容されている。原子炉圧力容器1には、炉心や炉内構造物や炉水(図示せず)が収容されている。ウェットウェル3内には圧力抑制プール30が収容されていて、ドライウェル2と圧力抑制プール30とを連絡するベント管4が配置されている。ベント管4は上下方向に延び、その上端はドライウェル2で開口し、その下端付近には、圧力抑制プール30内での開口部31を有する。
原子炉格納容器冷却設備は、ドライウェル2内に設置された冷却器コイルユニット6および送風機7と、冷却器コイルユニット6に冷却水を供給する冷却水強制循環系統14とを有する。冷却器コイルユニット6および送風機7は冷却器ケーシング8の内部に収納され、冷却器ケーシング8はドライウェル2内かつ圧力抑制プール30の上方に配置されている。
冷却水強制循環系統14は、原子炉格納容器15の外に配置された冷却水ポンプ11、熱交換器12を有し、熱交換器12で冷却された冷却水が、冷却水ポンプ11によって、冷却器コイルユニット6内の冷却器コイル(冷却器)5に送られて循環するようになっている。さらに、熱交換器12で冷却水強制循環系統14の冷却水を冷却するために、たとえば海水を循環させるための冷却水ポンプ(海水ポンプ)13が配置されている。冷却水強制循環系統14が原子炉格納容器15の壁を貫通する部分の外側と内側にはそれぞれ隔離弁10が配置されている。
送風機7は、冷却器コイルユニット6内の冷却器コイル5の周囲の気体を流動させて、ドライウェル2内の気体を冷却器ケーシング開口部9より冷却器コイルユニット6に導き、冷却器コイル5による冷却を促進する。これによって、原子炉通常運転中に原子炉圧力容器1およびそれに接続する配管等(図示せず)からドライウェル2内へ放出される熱の除去を行なう。
隔離弁10は原子炉通常運転中には開放されているが、万一、原子炉冷却材喪失事象等の事故が発生し、原子炉圧力容器1内の水位低下あるいはドライウェル2内の圧力上昇が起こる場合には、原子炉格納容器15を隔離するために閉鎖される。
この実施形態では、事故が発生した場合や電源が喪失した場合に、隔離弁10が閉鎖されて、送風機7も停止した場合を想定し、重力を駆動力とする重力利用冷却系統を備えている。すなわち、冷却器ケーシング8上方かつ原子炉格納容器15外に外部プール17が配置され、外部プール17と冷却水強制循環系統14とを連絡する重力利用冷却系統第1配管16aおよび重力利用冷却系統第2配管16bが配置されている。
重力利用冷却系統第1配管16aおよび重力利用冷却系統第2配管16bと冷却水強制循環系統14との接続位置はドライウェル2内である。重力利用冷却系統第1配管16aは外部プール17の底部付近と冷却器コイル5の下部付近とを連絡し、重力利用冷却系統第2配管16bは外部プール17の上部と冷却器コイル5の上部付近とを連絡している。
事故が発生した場合や電源が喪失した場合に、隔離弁10が閉鎖されて、送風機7も停止する。その場合に、外部プール17内の冷却水がその下部から重力利用冷却系統第1配管16aを通り、冷却器コイル5の下部から流入する。この冷却水は、冷却器コイル5を流れる間にドライウェル2内の気体との熱交換によって熱せられ、一部は沸騰して、重力利用冷却系統第2配管16bを通って外部プール17の上部へ戻る。
このような外部プール17と冷却器コイル5の間の冷却水の自然循環が起こる過程でドライウェル2内の蒸気は冷却器コイル5の外面で凝縮され、ドライウェル2が冷却される。原子炉格納容器15からの除熱性能は、外部プール17とコイル5との水頭差とドライウェル2内部の気体との熱交換で決定される自然循環流量、冷却器コイルユニット6へのドライウェル2内気体の流入のし易さおよび冷却器コイルユニット6内部での不凝縮性ガスの蓄積の度合い等に依存する。
本実施形態では、冷却器ケーシング8とウェットウェル3の水中を接続するガス排出配管18を配設することによって、原子炉格納容器15の冷却が行なわれる。すなわち、事故発生後炉心の崩壊熱によって発生した蒸気によってドライウェル2の圧力が上昇する場合や、冷却器コイル5による原子炉格納容器15の冷却性能低下によってドライウェル2の圧力が上昇する場合に、ドライウェル2とウェットウェル3の圧力差がガス排出配管18の水深相当以上になると、ドライウェル2内の蒸気と不凝縮性ガスは冷却器ケーシング開口部9から流入し、蒸気は冷却器コイル5によって凝縮されるとともに、不凝縮性ガスはガス排出配管18を介してウェットウェル3の気相部へ排出される。これによって、冷却器コイル5周りでの不凝縮性ガスの蓄積を抑制でき、本原子炉格納容器冷却設備による除熱性能の劣化を抑制できる。
ガス排出配管18の上端を冷却器ケーシング8の底部よりも上方に配設することにより、冷却器コイル5での凝縮水がウェットウェル3へ流出するのを抑制できる。これによって、ウェットウェル3内の圧力抑制プール水の温度上昇を抑制できる。
また、ガス排出配管18の下端18aは、ベント管4の圧力抑制プール30への開口部31の上端よりも上方に配設することにより、ドライウェル2内の蒸気と不凝縮性ガスをベント管4よりも優先的にガス排出配管18へ流入させることができ、これによって、ウェットウェル3内の圧力抑制プール水の温度上昇を抑制することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る原子炉格納設備の第2の実施形態を、図2を用いて説明する。図2は本発明に係る原子炉格納設備の第2の実施形態の模式的立断面図である。なお、第1の実施形態と同一または類似の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、本発明に係る原子炉格納設備の第2の実施形態を、図2を用いて説明する。図2は本発明に係る原子炉格納設備の第2の実施形態の模式的立断面図である。なお、第1の実施形態と同一または類似の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、第1の実施形態(図1)におけるガス排出配管18はなく、原子炉圧力容器1の上方かつ原子炉格納容器15の外側に、原子炉停止時の燃料交換の際に水を貯めるための領域である原子炉ウェル19を配置している。そしてこの原子炉ウェル19内に、原子炉通常運転中より冷却水を貯蔵しておき、さらに、外部プール17と原子炉ウェル19の底部付近との間を連通する連通孔20が設けられている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
本実施形態においては、冷却器コイル5とドライウェル2の熱交換に伴って蒸発し、減少した外部プール17の貯蔵水を原子炉ウェル19から補給することが可能となる。これによって、事故発生後長期に亘り、原子炉格納容器15の冷却に必要な水源を供給することが可能となる。
たとえば、ABWRにおいて、外部プール17として機器プールを適用し、さらに原子炉ウェル19との連通孔20を設けた場合、冷却器コイル5へ冷却水を供給して原子炉格納容器15の冷却に寄与できる水量は2300m3程度となる。この水量は、事故後3日間に亘って炉心からの崩壊熱によって発生する蒸気を凝縮できる量に相当するため、少なくとも事故後3日間までの原子炉格納容器15の冷却が可能となる。
なお、原子炉ウェル19に通常運転中より冷却水を貯蔵しておくことの副次的効果として、万一の炉心損傷を伴う事故発生時において、原子炉格納容器15の上蓋へ損傷した炉心から発生する高温ガスにより熱負荷が与えられた場合でも、その健全性を維持することに寄与することが挙げられる。
[第3の実施形態]
次に、本発明に係る原子炉格納設備の第3の実施形態を、図3を用いて説明する。図3は本発明に係る原子炉格納設備の第3の実施形態の模式的立断面図である。なお、第1または第2の実施形態と同一または類似の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、本発明に係る原子炉格納設備の第3の実施形態を、図3を用いて説明する。図3は本発明に係る原子炉格納設備の第3の実施形態の模式的立断面図である。なお、第1または第2の実施形態と同一または類似の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、第1の実施形態(図1)の特徴と第2の実施形態(図2)の特徴を組み合わせたものである。すなわち、第1の実施形態と同様のガス排出配管18が配置されているとともに、第2の実施形態と同様の原子炉ウェル19が配置され、その原子炉ウェル19と外部プール17とを連絡する連通孔20が設けられている。
この実施形態によれば、第1の実施形態の作用・効果と第2の実施形態の作用・効果の両方を享受することができる。
1 : 原子炉圧力容器
2 : ドライウェル
3 : ウェットウェル
4 : ベント管
5 : 冷却器コイル(冷却器)
6 : 冷却器コイルユニット
7 : 送風機
8 : 冷却器ケーシング
9 : 冷却器ケーシング開口部
10 : 隔離弁
11 : 冷却水ポンプ
12 : 熱交換器
13 : 冷却水ポンプ(海水ポンプ)
14 : 冷却水強制循環系統
15 : 原子炉格納容器
16a : 重力利用冷却系統第1配管
16b : 重力利用冷却系統第2配管
17 : 外部プール
18 : ガス排出配管
19 : 原子炉ウェル
20 : 連通孔
30 : 圧力抑制プール
2 : ドライウェル
3 : ウェットウェル
4 : ベント管
5 : 冷却器コイル(冷却器)
6 : 冷却器コイルユニット
7 : 送風機
8 : 冷却器ケーシング
9 : 冷却器ケーシング開口部
10 : 隔離弁
11 : 冷却水ポンプ
12 : 熱交換器
13 : 冷却水ポンプ(海水ポンプ)
14 : 冷却水強制循環系統
15 : 原子炉格納容器
16a : 重力利用冷却系統第1配管
16b : 重力利用冷却系統第2配管
17 : 外部プール
18 : ガス排出配管
19 : 原子炉ウェル
20 : 連通孔
30 : 圧力抑制プール
Claims (7)
- 原子炉圧力容器を収容するドライウェルおよび、圧力抑制プールを収容するウェットウェルを備えた原子炉格納容器と、
前記ドライウェルの前記圧力抑制プールよりも上方の部分と前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、
前記ドライウェル内かつ前記原子炉圧力容器外で前記圧力抑制プールよりも上方に配設された冷却器ケーシングと、
前記冷却器ケーシング内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器と、
前記冷却器ケーシング内かつ前記冷却器外に配設されて冷却器ケーシング内外の気体を流動させる送風機と、
前記原子炉格納容器の外側から前記冷却器内へ冷却水を冷却水ポンプによって送る冷却水強制循環系統と、
前記原子炉格納容器外かつ前記冷却器より上方に配置されて冷却水を溜める外部プールと、
前記外部プールに溜まった冷却水を、前記冷却水ポンプを介さずに重力を駆動力として前記冷却器内に供給するように構成された重力利用冷却系統と、
前記冷却器ケーシングと前記圧力抑制プールとを連絡するガス排出配管と、
を有することを特徴とする原子炉格納設備。 - 前記ベント管の前記圧力抑制プールへの開口部の上端が前記ガス排出配管の前記圧力抑制プールへの開口部よりも低い位置にあること、を特徴とする請求項1に記載の原子炉格納設備。
- 前記ガス排出配管の上端部が前記冷却器ケーシングの底部から上方に突出していること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子炉格納設備。
- 前記原子炉圧力容器の上端部の上方かつ前記ドライウェルの外に配置され、燃料交換時に水を溜め、かつ、前記外部プールと連絡する連通孔が設けられている原子炉ウェルをさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の原子炉格納設備。
- 原子炉圧力容器を収容するドライウェルおよび、圧力抑制プールを収容するウェットウェルを備えた原子炉格納容器と、
前記ドライウェルの前記圧力抑制プールよりも上方の部分と前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、
前記ドライウェル内かつ前記原子炉圧力容器外で前記圧力抑制プールよりも上方に配設された冷却器ケーシングと、
前記冷却器ケーシング内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器と、
前記冷却器ケーシング内かつ前記冷却器外に配設されて冷却器ケーシング内外の気体を流動させる送風機と、
前記原子炉格納容器の外側から前記冷却器内へ冷却水を冷却水ポンプによって送る冷却水強制循環系統と、
前記原子炉格納容器外かつ前記冷却器より上方に配置されて冷却水を溜める外部プールと、
前記外部プールに溜まった冷却水を、前記冷却水ポンプを介さずに重力を駆動力として前記冷却器内に供給するように構成された重力利用冷却系統と、
前記原子炉圧力容器の上端部の上方かつ前記ドライウェルの外に配置され、燃料交換時に水を溜め、かつ、前記外部プールと連絡する連通孔が設けられている原子炉ウェルと、
を有すること、を特徴とする原子炉格納設備。 - 前記重力利用冷却系統は、前記外部プールの下部と前記冷却器の下部とを連絡する重力利用冷却系統第1配管と、前記外部プールの上部と前記冷却器の上部とを連絡する重力利用冷却系統第2配管と、を有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の原子炉格納設備。
- 原子炉圧力容器を収容するドライウェルおよび、圧力抑制プールを収容するウェットウェルを備えた原子炉格納容器と、
前記ドライウェルの前記圧力抑制プールよりも上方の部分と前記圧力抑制プールとを連絡するベント管と、
前記ドライウェル内かつ前記原子炉圧力容器外で前記圧力抑制プールよりも上方に配設された冷却器ケーシングと、
前記冷却器ケーシング内に配設されて内部を冷却水が通る冷却器と、
前記冷却器ケーシング内かつ前記冷却器外に配設されて冷却器ケーシング内外の気体を流動させる送風機と、
前記原子炉格納容器の外側から前記冷却器内へ冷却水を冷却水ポンプによって送る冷却水強制循環系統と、
前記原子炉格納容器外かつ前記冷却器より上方に配置されて冷却水を溜める外部プールと、
前記外部プールに溜まった冷却水を、前記冷却水ポンプを介さずに重力を駆動力として前記冷却器内に供給するように構成された重力利用冷却系統と、
前記原子炉圧力容器の上端部の上方かつ前記ドライウェルの外に配置され、かつ、前記外部プールと連絡する連通孔が設けられている原子炉ウェルと、
を有する原子炉格納設備を備えた原子力プラントの運転方法であって、
原子炉の通常運転時に前記原子炉ウェル内に冷却水を蓄えておくこと、を特徴とする原子力プラント運転方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011252837A (ja) * | 2010-06-03 | 2011-12-15 | Toshiba Corp | 原子炉格納容器除熱装置及び除熱方法 |
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2008
- 2008-02-29 JP JP2008050054A patent/JP2009204587A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011252837A (ja) * | 2010-06-03 | 2011-12-15 | Toshiba Corp | 原子炉格納容器除熱装置及び除熱方法 |
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