JP2009201062A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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【課題】撮影状況に依存した適切な光量落ち補正が実現できるようにする。
【解決手段】光学ユニットによって撮像素子上に結像された映像から映像信号を生成する手段と、前記光学ユニットに起因して生じる光量落ち現象を、前記撮像素子上の任意の画素毎に補正する手段と、前記光量落ち補正を行うための補正ゲインを、前記撮像素子上の画素座標位置に関連付けた特性に基いて調整する手段と、前記映像信号を生成する手段が前記映像信号を生成する状況に応じて、前記ゲインを調整する手段の調整動作を制御する手段とを設け、光量が低下した領域の光量補正を、画質を劣化させることなく行うことができるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は撮像装置及び撮像方法に関し、特に、光学的な要因による画質の劣化を、光学情報を基にして補正するために用いて好適な技術に関する。
近年のデジタルビデオカメラ、デジタルカメラでは、超多画素のセンサを採用することにより、より高画質な映像を得られるようになってきている。反面、センサ画素の微細化や、小型レンズ設計の困難さなどの要因で、光学系が原理的に引き起こしてしまう像円周辺部の光量低下による画質劣化が顕在化するようになってきている。このような問題に対し、光学系のパラメータ情報から光量低下を補正する技術としては、特許文献1に記載の「光量補正装置」がある。
また、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラでは、ジャイロなどを用いて取得される手ブレ量を基にして、シフトレンズなどを用いて光路を変化させることで手ブレ成分を除去する光学的手ブレ補正が採用されている。あるいは、撮像素子からの画像を一度フレームメモリに保持し、フレームメモリへの書き込み、読み出しで画角調整することで手ブレ成分を除去する電子的手ブレ補正が採用されている。
このような手ブレ補正を行うことで、光学系起因の光量低下は、現象中心のズレなど、様子が逐次変わることになる。このような問題に対し、光学系のパラメータ情報から光量低下を補正する技術としては、特開2005-269130に記載の「ドキュメント編集システム」がある。
特開平06―165023号公報 特開2005―269130号公報
特に、ビデオカメラのように、焦点距離、絞り、フォーカス位置が撮影中に常に変動するような撮影を想定した場合、光学的な要因による光量低下は、光学パラメータの変化によって逐次変動している。
このような撮影状況に対処するためには、補正特性の生成手段は、撮影状況に応じて適切に動的制御を行う必要がある。前述した特許文献1に記載の「光量補正装置」では、フォーカス、ズーム、アイリス情報から、動的に撮像装置の映像信号の光量低下を補正している。
しかしながら、特許文献1に記載の「光量補正装置」では、補正処理によって生じる画質劣化、特に、S/N感の劣化について言及されていない。このため、もともとノイズ感の高い撮影状況であった場合に、光量低下を補正した領域がかえって画質を劣化させてしまっていた。
また、特許文献2に記載の「ドキュメント編集システム」では、手ブレ補正機構を有する撮像装置で、手ブレ補正の移動量に応じてシェーディング補正を決定している。しかしながら、この「ドキュメント編集システム」では、やはり補正処理によって生じる画質劣化について言及されていない。特に、S/N感の劣化について言及されておらず、もともとノイズ感の高い撮影状況であった場合に、光量低下を補正した領域が画質をかえって劣化させてしまっていた。
本発明は前述の問題点に鑑み、撮影状況に依存した適切な光量落ち補正が実現できるようにすることを目的としている。
本発明の撮像装置は、光学ユニットによって撮像素子上に結像された映像から映像信号を生成する映像信号生成手段と、予め記憶されたデータを用いて、前記撮像素子上の画素の座標位置に応じた補正ゲインを求める補正生成手段と、前記補正生成手段にて生成された前記補正ゲインを抑圧する調整手段と、前記調整手段にて調整された前記補正ゲインを用いて、前記光学ユニットに起因して生じる光量落ち現象を補正する光量落ち補正手段とを有することを特徴とする。
本発明の撮像方法は、光学ユニットによって撮像素子上に結像された映像から映像信号を生成する映像信号生成工程と、予め記憶されたデータを用いて、前記撮像素子上の画素の座標位置に応じた補正ゲインを求める補正生成工程と、前記補正生成工程において生成された前記補正ゲインを抑圧する調整工程と、前記調整工程において調整された前記補正ゲインを用いて、前記光学ユニットに起因して生じる光量落ち現象を補正する光量落ち補正工程とを有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、光学ユニットによって撮像素子上に結像された映像から映像信号を生成する映像信号生成工程と、予め記憶されたデータを用いて、前記撮像素子上の画素の座標位置に応じた補正ゲインを求める補正生成工程と、前記補正生成工程において生成された前記補正ゲインを抑圧する調整工程と、前記調整工程において調整された前記補正ゲインを用いて、前記光学ユニットに起因して生じる光量落ち現象を補正する光量落ち補正工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、画質低下の抑制と光量落ち補正をバランス良く両立させることが可能となる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明に好適な光量落ち補正処理を行う撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の撮像装置は、ズームレンズ、フォーカスレンズなどで構成されるレンズユニット1、及び絞り2からなる光学ユニットを通して結像された映像は、色フィルタが規則的に配色された撮像素子3で映像信号となる。そして、アナログフロントエンド(以降AFE)4で、デジタル映像信号に変換される。すなわち、レンズユニット1、絞り2、撮像素子3及びアナログフロントエンド4により映像信号生成部が構成されている。
AFE4から出力されるデジタル映像信号は、光量落ち補正回路5に入力される。そして、光量落ち補正回路5において補正値Gt'が、撮像素子上の任意の画素毎に順次乗ぜられることで、レンズユニット1及び絞り2によって生じる像円周辺部の光量落ち現象が補正されて出力される。
次に、補正値Gt'の生成について詳細に述べる。
ビデオカメラの光学系は、ズーミング操作や被写体の移動、撮影対象の変更、周囲の明るさの環境変化や撮影者の意図する撮影効果などの様々な要因により、光学パラメータは変更可能である。ここで、光学パラメータは焦点距離、フォーカス位置、絞り値に代表され、常に制御され変動している。なお、以降の説明において、光学パラメータとある場合は、焦点距離、フォーカス位置、絞り値を示す。
マイコン6は、所定の焦点距離を実現するための駆動パルス位置CLを出力し、レンズユニット1のズームレンズ用アクチュエータ7を駆動する。また、マイコン6は、所定の焦点距離を実現するための駆動パルス位置CFを出力し、レンズユニット1のフォーカスレンズ用アクチュエータ8を駆動する。
さらに、マイコン6は、所定の絞り値を実現するための駆動パルス位置CFを出力し、絞り2のアクチュエータ9を駆動する。タイミングジェネレータ(以降、TG)10は、撮影装置が使用する撮像素子3の駆動仕様に合わせて、図17に示すような水平同期信号HD、垂直同期信号VDを発生してAFE4に出力する。AFE4は駆動波形を生成して撮像素子3に入力する。
この水平同期信号HD、垂直同期信号VDは、マイコン6から指示する光軸中心位置情報Cx、Cyとともに、画素座標生成回路11にも入力される。画素座標生成回路11は、例えば図19のように構成されている。
画素座標生成回路11には、水平同期信号HD、垂直同期信号VDが入力されている。そして、水平同期信号HDの立ち下りでリセットされるHカウンタ191と、垂直同期信号VDの立ち下がりでリセットされるVカウンタ192が、それぞれ水平カウンタ値X、垂直カウンタ値Yを出力する。
ここで、水平カウンタ値X及び垂直カウンタ値Yは、図18に示すように、撮像素子3の出力画素を走査方向に沿って水平軸を、走査方向に直交して垂直軸を規定する、二次元の直交座標系となっている。
画素座標生成回路11に入力される光軸中心位置情報Cx、Cyは、レンズユニット1、絞り2で構成される光学系の光軸中心位置cが、前述した直交座標系でどの位置にあるかを示している。ここで、着目画素tの水平カウンタ値X及び垂直カウンタ値YをXt、Ytとすると、光軸中心位置cを原点とする極座標系において、着目画素tの極座標は下記の「数1」と表すことができる。極座標変換回路193は、「数1」の演算を行い、極座標値Rtを出力する。「数1」のような平方根演算は、二分法、開平法などの既知の手法を有限語長精度で表現することにより、ハードウェア数値演算として実現することが可能である。
Figure 2009201062
さて、光学系に起因して生じる光量落ち現象であるが、像高が光学中心から乖離するにつれて、光量落ちが増大することが知られており、光軸中心からの距離で示される像高Rに対して、例えば図7(a)、(b)のような特性を有する。図7(a)には、着目画素tの光量Vtと像高Rとの関係において複数の特性が描かれているが、これは、光学パラメータが変更されたときの特性変化の代表的な例を示したものである。
これを見ると、像高中心に近いところから緩やかに光量落ちが発生する場合や、像光が高くなったところで急激に光量が低下する場合など、光学パラメータによって多様な特性を有することが分かる。このような光量落ち現象を解消するためには、図7(b)のように、現象特性の逆数をもって補正ゲインとすればよい。
マイコン6は、光学ユニット1及び絞り2に駆動パルス位置CL、CF、Cfを出力する際に、光量落ち補正データベース13を参照し、光量落ち補正生成回路12に与える補正関数係数セットCmを出力する。
光量落ち補正データベース13は、光学パラメータに対する光量落ち現象の補正特性を保持しているフラッシュメモリなどの記憶装置である。例えば、着目画素tにおける光量落ち補正ゲインGtを、3次関数で表現する場合は、以下の(式)のようになる。
Gt=at3+bt2+ct+d
前述した(式)において、3次関数の各項の係数a、b、c、dを補正関数係数セットCmとして、光学パラメータ毎に参照可能なLUT(look up table)としてあらかじめ算出して保持しておく。このLUTは、撮像装置の許容するメモリ容量や、光学系の特性変化量の傾向に応じて情報量を決定すればよく、情報を間引いた光学パラメータ領域では、前後の値から補間するなどの手法で補うことができる。
なお、光量落ち補正データベース13をLUTとしたのは一例に過ぎない。光学パラメータに対して補正関数係数セットCmが複雑な特性変化をするような場合には、補正関数係数セットCmの変化自体をさらに高次の関数で表現するなど、撮像装置の特性に応じた手法を採用することができる。
光量落ち補正生成回路12は、光量落ち補正特性関数を実現する数値演算回路であり、例えば前述したような、3次関数演算を行い、光量落ち補正ゲインGtを出力する。光量落ち補正ゲインGtは、ゲイン調整回路14に入力されるとともに、マイコン6からはゲイン調整用の制御係数が入力され、ゲイン調整回路14の調整動作を制御する。
ゲイン調整回路14で実行される光量落ち補正ゲイン値の制御は、例えば図8のような、閾値Gthと抑圧係数Gs(Gs<0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Gm=1 (Gt<Gth)
Gm=Gs(Gt−Gth)+1 (Gth≦Gt≦Gth−1/Gs)
Gm=0 (Gth−1/Gs<Gt)
このような補正ゲインGtの値が大きいほど、その値を大きく抑圧する特性を実現するため、制御係数は閾値Gthと抑圧係数Gsで構成されている。なお、光量落ち補正データベース13が保持するデータを、Gmが0となるGtの値が存在しない値に設定しておくことが望ましい。
ゲイン調整回路14は、例えば図20のような回路である。ゲイン生成回路201は、光量落ち補正ゲインGtと閾値Gth、抑圧係数Gsから、前述した各式の演算によってマスターゲインGmを出力する。マスターゲインGmは、乗算回路202で光量落ち補正ゲインGtに乗じられ、指定の制御特性でゲインを調整した光量落ち補正ゲインGt'を出力する。
このようにして、光学パラメータから求められる光量落ち補正ゲインに対して、適性値に調整を行うことが可能となる。例えば、光量落ち現象が図9(a)のように非常に大きな光量低下を起こしている場合、これを補正して中央部と同じ明るさにするには、非常に大きなゲインを画像周辺部にかけることになる。
このような補正を行うと、図9(b)のように、明るさは画像全体で均一になるが、光量落ち補正を強く行った領域はS/Nが低下し、ノイズによる画質劣化が顕著となって現れてしまう。
このような画質低下を低減するために、本実施形態のゲイン調整回路14は、閾値Gthを超えるような光量落ち補正に対して、補正ゲインを弱くするように作用する。このような構成、制御を行うことにより、光量落ち補正を過度に行うことが抑制され、画質劣化を低減することが可能となる。
閾値Gth、抑圧係数Gsは固定である必要はなく、撮影状況や光量落ち特性曲線の状態、撮影者の意図などで動的に変更することができる。なお、この実施形態では、ゲイン調整回路14を設けてゲイン調整を行ったが、これは一例に過ぎない。
例えば、マイコン6で補正関数係数セットCmを生成する際に、ゲイン調整回路14に与えたような抑圧特性を重畳する、LUTをシフトして使うなど、ソフトウェアでも同様の制御を実現することが可能である。
前述のように構成された本実施形態の撮像装置で行われる光量落ち補正処理の概略を図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301において映像信号が生成されると、ステップS302に進んで光量落ち補正を行うための補正ゲインを生成する。ステップS301で行われる映像信号の生成は、前述したように、レンズユニット1、絞り2、撮像素子3及びアナログフロントエンド4により映像信号生成部により行われる。また、光量落ち補正を行うための補正ゲインは、光量落ち補正生成回路12により、撮像素子3上の画素座標位置に関連付けた特性から生成される。
次に、ステップS303において、ステップS302で作成した光量落ち補正ゲインの調整をゲイン調整回路14により行う。前述したように、ゲイン調整回路14は、光量落ち補正生成回路12から供給される、着目画素tにおける光量落ち補正ゲインGtを、指定の制御特性で調整して光量落ち補正ゲインGt'を出力する。
次に、ステップS304において、光量落ち補正が行われる。この補正は、光量落ち補正回路5において補正値Gt'を画素毎に順次乗算されて行われる。この補正が行われることにより、レンズユニット1及び絞り2によって生じる像円周辺部の光量落ち現象が補正されて出力される。
次に、ステップS305において、全ての画素を補正したか否かが判断される。この判断の結果、全ての画素を補正していない場合にはステップS302に戻って前述した処理を繰り返し行う。撮影が行われている間はステップS305の判断は、常に「NO」となる。
本実施形態の撮像装置は、前述したような光量落ち補正を行うことにより、S/N感の劣化などの画質劣化が生じることがない補正処理を実現することができる。これにより、撮影状況に依存した適切な光量落ち補正が実現でき、例えば、ノイズ感の高い撮影状況であった場合においても、画質を劣化させることなく光量低下を補正することができる。
また、光量落ち補正ゲインが閾値を超えるような光量落ち補正領域に対して、補正ゲインを徐々に抑圧するように制御するようにした。これにより、光量落ち補正を過度に行うことを抑制することができ、光量落ち補正とノイズ感の緩和の両立を実現する。なお、本実施形態の撮像装置は画素単位で光量落ち補正を行ったが、複数の画素で構成されたエリア単位で光量落ち補正を行っても構わない。撮像素子を複数の領域に分け、この領域毎に光量落ち補正を行う構成であればよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態についての説明をする。図2は、本発明に好適な光量落ち補正処理を行う撮像装置の一例を説明するブロック図の例である。なお、第1の実施形態の撮像装置を説明した図1の構成と同じくする部分については、詳細な説明は省略する。
ズームレンズ、フォーカスレンズで構成されるレンズユニット1及び絞り2からなる光学ユニットを通して結像された映像は、色フィルタが規則的に配色された撮像素子3で映像信号となり、アナログフロントエンド4で、デジタル映像信号に変換される。デジタル映像信号は、光量落ち補正回路5に入力され、光量落ち補正回路5において補正値Gt'を画素毎に順次乗算されることで、レンズユニット1及び絞り2によって生じる像円周辺部の光量落ち現象が補正されて出力される。
第2の実施形態では、マイコン6はAFE4のゲイン調整機構を制御するために、制御信号Gaを出力する。撮像装置は、環境の変化により暗くなってくると、撮像素子3には十分な光が集光されなくなり、出力レベルが下がってくる。これを補うために、マイコン6はAFE4に対して、暗さに応じたゲイン量を算出した上で、適正露光値になるようにゲイン値Gaを出力する。AFE4は、指示されたゲイン値Gaに基づいて、撮像素子3の出力レベルを増大するようにゲインを乗じて出力する。
次に、ゲイン調整回路14による、光量落ち補正ゲインGtに対する補正制御、及び補正値Gt'の生成について詳細に述べる。
第2の実施形態では、ゲイン調整回路14には、光量落ち補正生成回路12が出力した光量落ち補正ゲインGt及び、マイコン6がAFE4に対して出力したゲイン値Gaが入力される。
ゲイン調整回路14で実行される光量落ち補正ゲイン値の制御は、ここでは例えば図10の特性図に示すような閾値Gthと抑圧係数Gs(Gs<0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Gm=1 (Ga<Gth)
Gm=Gs(Ga−Gth)+1 (Gth≦Ga≦Gth−1/Gs)
Gm=0 (Gth−1/Gs<Ga)
なお、正常な処理では、マイコン6はAFE4のゲイン値GaをGmが0となる値に設定することはない。
ゲイン調整回路14は、例えば図21のような回路であり、ゲイン生成回路211は、ゲイン値Gaと閾値Gth、抑圧係数Gsから、前述した式の演算によってマスターゲインGmを出力する。マスターゲインGmは、乗算回路212で光量落ち補正ゲインGtに乗じられ、指定の制御特性でゲインを調整した光量落ち補正ゲインGt'を出力する。このようにして、光学パラメータから求められる光量落ち補正ゲインに対して、適性値に調整を行うことが可能となる。
例えば、撮影時の映像レベルが充分に明るい場合、光量落ち現象が図22(a)のように起きていたとしても、これを補正するにはそれほど大きなゲインは必要ない。このような補正を行うと、図22(b)のように、明るさは画像全体で均一、かつ光量落ち補正によるS/N低下も軽微な画像を得ることができる。しかし、撮影時に周囲が暗くなると、マイコン6の露出調整によりAFE4の出力にゲインがかけられることになり、図22(c)のような、全体にノイズがのるような映像出力となる。
このような状態で光量落ち補正を行うと、図22(d)のように、明るさは画像全体で均一になるが、光量落ち補正を強く行った領域のS/N低下が中央部のS/N感と一致しなくなり、ノイズによる画質劣化が顕著となって現れてしまう。
このような画質低下を低減するために、ゲイン調整回路14は、閾値Gthを超えるようなAFE4のゲインに対して、補正ゲインを所定値から徐々に弱くするように作用する。このような構成、制御を行うことにより、光量落ち補正を過度に行うことが抑制され、画質劣化を低減することが可能となる。
閾値Gth、抑圧係数Gsは固定である必要はなく、撮影状況や光量落ち特性曲線の状態、撮影者の意図などで動的に変更することができる。なお、この実施形態では、ゲイン調整回路14を設けてゲイン調整を行ったが、これは一例に過ぎない。例えば、マイコン6で補正関数係数セットCmを生成する際に、ゲイン調整回路14に与えたような抑圧特性を重畳する、LUTをシフトして使うなど、ソフトウェアでも同様の制御を実現することが可能である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態についての説明をする。図3は、本発明に好適な光量落ち補正処理を行う撮像装置のブロック図の例である。なお、前述した第1の実施形態、第2の実施形態を構成する撮像装置と同じくする部分については、詳細な説明は省略する。
ズームレンズ、フォーカスレンズで構成されるレンズユニット1及び絞り2からなる光学ユニットを通して結像された映像は、色フィルタが規則的に配色された撮像素子3で映像信号となり、アナログフロントエンド4で、デジタル映像信号に変換される。デジタル映像信号は、光量落ち補正回路5に入力され、光量落ち補正回路5において補正値Gt'を画素毎に順次乗算されることで、レンズユニット1及び絞り2によって生じる像円周辺部の光量落ち現象が補正されて出力される。
第3の実施形態では、マイコン6はレンズユニット1内部にある手ブレ補正用のシフトレンズ15を制御するために、制御信号Cdi、Cvaを出力する。撮像装置は、撮影者の手ブレによって、撮像素子3に結像する映像にランダムな画角変動が生じてしまい、映像として見辛いものとなってしまう。
これを補うために、マイコン6はシフトレンズ15に対して、手ブレ方向、手ブレ量を検出した上で、手ブレのない映像が撮像素子3に結像するように、位相変化方向Cdi、位相変化量Cvaを位相シフト制御信号として出力する。シフトレンズ15は、指示された制御信号Cdi、Cvaに基づいて、シフトレンズを所定の方向、所定の量だけ位相シフトさせ、手ブレ成分を除去する。
図11は、光学ユニット1の像円に対して、シフトレンズの移動により撮像素子3に結像する領域の変化の一例を示す図である。図11において、光軸中心にある画角(黒枠)は、撮影者の手ブレ方向、量とちょうど点対象になるように位相変化方向Cdi、位相変化量Cvaが与えられ、撮像画角が移動する(白枠)。
次に、ゲイン調整回路14による、光量落ち補正ゲインGtに対する補正制御及び補正値Gt'の生成について詳細に述べる。
第3の実施形態では、ゲイン調整回路14には、光量落ち補正生成回路12が出力した光量落ち補正ゲインGt及び、マイコン6がシフトレンズ15に対して出力した位相シフト制御信号Cdi、Cvaが入力される。
ゲイン調整回路14で実行される光量落ち補正ゲイン値の制御は、ここでは例えば図12のような閾値Gthと抑圧係数Gs(Gs<0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Gm=1 (Cva<Cth)
Gm=Gs(Cva−Cth)+1 (Cth≦Cva≦Cth−1/Gs)
Gm=0 (Cth−1/Gs<Cva)
なお、正常な手ブレ補正処理では、マイコン6は位相変化量CvaをGmが0となる値に設定することはない。
通常、撮像装置の出力画角アスペクト比は4:3、16:9など正方形ではないため、シフトレンズ15の移動方向により、画角の中で偏った光量落ち現象となる。そして、対角方向にシフトレンズを移動した場合が、光量落ち現象に最も偏りを生じ、対角線上で光量落ちが激しく起こることになる。これを考慮した場合は、前述した特性式の抑圧係数Gsは、位相変化方向Cdiの関数として制御されることが望ましい。
撮像装置の出力画角アスペクト比のa―tanをaとすると、抑圧係数Gs'はaと位相変化方向Cdiの関数をマイコン6からの抑圧係数Gsに乗じた以下の「数2」で表すことができ、例えば図13のような特性を持たせるようにする。
Figure 2009201062
これは、位相変化方向Cdiがaに近くなるほど抑圧係数Gsを低下させるように制御を行うための特性である。このような制御を加えると、光量落ち現象が強く出てしまう対角線上位相を考慮した抑圧係数Gs'を与えることができる。
ゲイン調整回路14は、例えば図24のような回路である。
関数回路241は、図12のような入出力特性を実現する回路である。マイコン6からの標準の抑圧係数Gsと、位相変化方向Cdiが入力され、図13のような所定の関数を基に、位相変化方向に適した抑圧係数を求め、調整された抑圧係数Gs'を出力する。
ゲイン生成回路242は、位相変化量Cvaと閾値Gth、抑圧係数Gs'から、前述した式の演算によってマスターゲインGmを出力する。マスターゲインGmは、乗算回路243で光量落ち補正ゲインGtに乗じられ、指定の制御特性でゲインを調整した光量落ち補正ゲインGt'を出力する。このようにして、光学パラメータから求められる光量落ち補正ゲインに対して、適性値に調整を行うことが可能となる。
例えば、手ブレ補正によるシフトレンズ15の位相が光学ユニット1の光軸中心近傍の場合、光量落ち現象は、図14(a)のように画角の四隅で均一な特性であり、これを補正する場合には光量落ち現象の偏りを考慮する必要はない。
このような状況で補正を行うと、図14(b)のように、明るさは画像全体で均一、かつ光量落ち補正によるS/N低下も均一な画像を得ることができる。しかし、手ブレによりシフトレンズ15の位相が光学ユニット1の光軸中心近傍から乖離すると、光量落ち現象は、図14(c)のように画角の四隅で不均一な特性となる。
このような状態で光量落ち補正を行うと、図14(d)のように、明るさは画像全体で均一になるが、光量落ち補正を強く行った領域のS/N低下が中央部あるいは他の隅のS/N感と一致しなくなり、ノイズによる画質劣化が顕著となって現れてしまう。このような画質低下を低減するために、ゲイン調整回路14は、閾値Gthを超えるようなシフトレンズ15の位相変化量Cvaに対して、補正ゲインを徐々に弱くするように作用する。このような構成、制御を行うことにより、光量落ち補正が画角内でアンバランスに、また過度に行うことが抑制され、画質劣化を低減することが可能となる。
閾値Gth、抑圧係数Gsは固定である必要はなく、撮影状況や光量落ち特性曲線の状態、撮影者の意図などで動的に変更することができる。なお、この実施形態では、ゲイン調整回路14を設けてゲイン調整を行ったが、これは一例に過ぎない。例えば、マイコン6で補正関数係数セットCmを生成する際に、ゲイン調整回路14に与えたような抑圧特性を重畳する、LUTをシフトして使うなど、ソフトウェアでも同様の制御を実現することが可能である。
本実施形態においては、低照度撮影時に映像信号のレベル不足を補うための信号ゲイン調整手段の動作状況、手ブレ補正の光学中心からの乖離度をもとに、理想的な光量落ち補正ゲインに対して補正を緩和するように制御するようにした。これにより、光量落ち補正とノイズ感の緩和の両立を実現する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態についての説明をする。図4は、本発明に好適な光量落ち補正処理を行う撮像装置のブロック図の例である。なお、前述した第1〜第3の実施形態を構成する撮像装置と同じくする部分については、詳細な説明は省略する。
ズームレンズ、フォーカスレンズで構成されるレンズユニット1及び絞り2からなる光学ユニットを通して結像された映像は、色フィルタが規則的に配色された撮像素子3で映像信号となり、アナログフロントエンド4でデジタル映像信号に変換される。
デジタル映像信号は、光量落ち補正回路5に入力され、光量落ち補正回路5において補正値Gt'を画素毎に順次乗算されることで、レンズユニット1及び絞り2によって生じる像円周辺部の光量落ち現象が補正されて出力される。
第4の実施形態では、マイコン6は信号処理内部にある手ブレ補正用のフレームメモリ16を制御するために、制御信号Cdi、Cvaをメモリ制御回路17に出力する。第3の実施形態との違いは、手ブレ補正をシフトレンズで行ういわゆる光学的な防振か、画像メモリ上で行う電子的な防振かである。
図23は、フレームメモリ16にいったん保持された撮像素子3の画像に対して、フレームメモリからの読み出しアドレスの移動による出力領域の変化を示している。
図23において、光軸中心にある画角(黒枠)は、撮影者の手ブレ方向、量とちょうど点対象になるように位相変化方向Cdi、位相変化量Cvaが与えられ、画角が移動する(白枠)。ゲイン調整回路14の詳細以降については、第3の実施形態とまったく同じとなるので、これは省略する。このような構成、制御を行うことにより、光量落ち補正が画角内でアンバランスに、また過度に行うことが抑制され、画質劣化を低減することが可能となる。
閾値Gth、抑圧係数Gsは固定である必要はなく、撮影状況や光量落ち特性曲線の状態、撮影者の意図などで動的に変更することができる。なお、この実施形態では、ゲイン調整回路14を設けてゲイン調整を行ったが、これは一例に過ぎない。例えば、マイコン6で補正関数係数セットCmを生成する際に、ゲイン調整回路14に与えたような抑圧特性を重畳する、LUTをシフトして使うなど、ソフトウェアでも同様の制御を実現することが可能である。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態についての説明をする。図5は、本発明に好適な光量落ち補正処理を行う撮像装置のブロック図の例である。なお、第2の実施形態を構成する撮像装置と同じくする部分については、詳細な説明は省略する。
ズームレンズ、フォーカスレンズで構成されるレンズユニット1及び絞り2からなる光学ユニットを通して結像された映像は、色フィルタが規則的に配色された撮像素子3で映像信号となり、アナログフロントエンド4で、デジタル映像信号に変換される。
デジタル映像信号は、光量落ち補正回路5に入力され、光量落ち補正回路5において補正値Gt'を画素毎に順次乗算されることで、レンズユニット1及び絞り2によって生じる像円周辺部の光量落ち現象が補正されて出力される。出力された映像信号は、信号レベル調整を行うホワイトバランス回路22において白いものが白くなるように、各色信号レベルが調整される。
色分離回路18は、撮像素子3の色フィルタで離散的にサンプリングされた各色信号、ベイヤー配列であればRGB信号及び輝度信号Ywを分離して、各色プレーンを補間生成し出力する。RGB−Y換算式は、例えばSMPTE 125Mに準拠すれば、以下の(式)である。
Y=0.299R+0.587G+0.114B
輪郭補償回路19は、例えば図26のような回路であり、輝度信号Ywは高周波ろ過フィルタであるBPF261で高周波成分を抽出し、乗算回路262で輪郭補償ゲインGeを乗じた輪郭信号Yhを出力する。
YCマトリクス回路20は、色分離回路18の出力信号RGBと輝度信号Yw、輪郭信号Yhが入力され、所定の換算式に基づいてRGB信号をYCbCr信号にマトリクス変換する。RGB−CbCr換算式は、例えばSMPTE 125Mに準拠すれば、以下の(式)である。
Cb=0.500R−0.419G−0.081B
Cr=0.500B−0.331G−0.169R
輝度Yは、以下の(式)に示すように、輝度信号Ywと、輪郭信号Yhに輪郭補償ゲインGeを乗じたものを加算して出力する。
Y=Yw+Ge*Yh
出力されたY、Cb、Cr信号は、ノイズ抑圧回路21でノイズ成分が抑圧され、Y'、Cb'、Cr'信号を出力する。
ノイズ抑圧回路21は、例えば図27のような回路であり、ノイズを抑圧して画像処理を行う。この例では小幅振幅雑音を除去するための非線型フィルタであるεフィルタで構成されている。Y、Cb、Crの各チャンネルにこのような回路が挿入されているが、ここでは輝度信号Yチャンネルに挿入された回路で説明を行う。
マイコン6から与えられるε値Gepは、ゲイン調整回路14から出力される抑圧ゲインGnを乗算器271で乗じてε値Gep'を出力する。入力信号である輝度信号Yinは差分回路272に入力され、着目画素と近傍画素との差分値Ydf1、Ydf2を逐次求める。この例では簡単のため、差分値は着目画素近傍2画素から求めているが、この限りではない。
差分回路272の出力差分値Ydf1、Ydf2は、関数回路273に入力され、図28のような入出力特性を有する関数で非線形処理を施され、Ye1、Ye2を出力する。Ye1、Ye2、Yinは合成回路274に入力され、以下の「数3」と演算することで、着目画素との差分が小さいものにだけLPFがかかり、結果小幅振幅雑音を除去することができる。
Figure 2009201062
第5の実施形態では、第2の実施形態に対し、後段のカメラ信号処理とカメラ信号処理に対する適応制御を加えた例であり、ここでは輪郭補償回路19及びノイズ抑圧回路21に加えられる。ゲイン調整回路14には、光量落ち補正生成回路12が出力した光量落ち補正ゲインGt及び、マイコン6がAFE4に対して出力したゲイン値Gaが入力される。
ゲイン調整回路14で実行される光量落ち補正ゲイン値の制御は、ここでは例えば図10のような閾値Gthと抑圧係数Gs(Gs<0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Gm=1 (Ga<Gth)
Gm=Gs(Ga−Gth)+1 (Gth≦Ga≦Gth−1/Gs)
Gm=0 (Gth−1/Gs<Ga)
ゲイン調整回路14は、例えば図25のような回路であり、ゲイン生成回路251は、ゲイン値Gaと閾値Gth、抑圧係数Gsから、前述した式の演算によってマスターゲインGmを出力する。マスターゲインGmは、乗算回路252で光量落ち補正ゲインGtに乗じられ、指定の制御特性でゲインを調整した光量落ち補正ゲインGt'を出力する。さらに、マスターゲインGmは、ゲイン生成回路253及び254に入力される。
ゲイン調整回路14で実行される輪郭補償制御は、ここでは例えば図15のような閾値Gmtheと抑圧係数Gmse(Gmse<0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Ge=1 (Gm<Gmthe)
Ge=Gmse(Gm−Gmthe)+1 (Gmthe≦Gm≦Gmthe−1/Gmse)
Ge=0 (Gmthe−1/Gmse<Gm)
ゲイン生成回路253は、ゲイン値Gmと閾値Gmthe、抑圧係数Gmseから、前述した式の演算によって輪郭補償ゲインGeを出力する。ゲイン調整回路14で実行されるノイズ抑圧制御は、ここでは例えば図16のような閾値Gmthn1、Gmthn2(Gmthn1<Gmthn2)と抑圧係数Gmsn(Gmsn>0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Gn=1 (Gm<Gmthn1)
Gn=Gmsn(Gm−Gmthn1)+1 (Gmthn1≦Gm≦Gmthn2)
Gn=Gmsn(Gmthn2−Gmthn1)+1 (Gm>Gmthn2)
ゲイン生成回路254は、ゲイン値Gmと閾値Gmthn1、Gmthn2と抑圧係数Gmsnから、前述した式の演算によってノイズ抑圧ゲインGnを出力する。ノイズ抑圧ゲインGnは、マイコン6からノイズ抑圧回路21に与えられるε値Gepに対するゲインとして乗じられる。
このようにして、光学パラメータから求められる光量落ち補正ゲインに対して、適性値に調整を行うことが可能となると同時に、光量落ち補正量に応じて画質調整を行うことができる。
閾値Gmthe、抑圧係数Gmse、閾値Gmthn1、Gmthn2と抑圧係数Gmsnは固定である必要はなく、撮影状況や光量落ち特性曲線の状態、撮影者の意図などで動的に変更することができる。なお、この実施形態では、ゲイン調整回路14を設けて光量落ちゲイン調整、輪郭補償ゲイン調整、ノイズ抑圧ゲイン調整を行ったが、これは一例に過ぎない。
例えば、マイコン6で補正関数係数セットCmを生成する際に、ゲイン調整回路14に与えたような抑圧特性を重畳する、LUTをシフトして使う。そして、得られた光量落ちゲインから輪郭補償ゲイン調整、ノイズ抑圧ゲイン調整を求めるなど、ソフトウェアでも同様の制御を実現することが可能である。これにより、光量落ち補正ゲインに応じた画像処理を実現することができる。具体的には、輪郭補償処理やノイズ抑圧処理を制御するようにしたので、より好適な画像を得ることができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態についての説明をする。図6は、本発明に好適な光量落ち補正処理を行う撮像装置のブロック図の例である。なお、第3の実施形態、第5の実施形態を構成する撮像装置と同じくする部分については、詳細な説明は省略する。
ズームレンズ、フォーカスレンズで構成されるレンズユニット1及び絞り2からなる光学ユニットを通して結像された映像は、色フィルタが規則的に配色された撮像素子3で映像信号となり、アナログフロントエンド4で、デジタル映像信号に変換される。
デジタル映像信号は、光量落ち補正回路5に入力され、光量落ち補正回路5において補正値Gt'を画素毎に順次乗算されることで、レンズユニット1及び絞り2によって生じる像円周辺部の光量落ち現象が補正されて出力される。出力された映像信号は、ホワイトバランス回路22で白いものが白くなるように、各色信号レベルが調整される。
色分離回路18は、撮像素子3の色フィルタで離散的にサンプリングされた各色信号、ベイヤー配列であればRGB信号及び輝度信号Ywを分離して、各色プレーンを補間生成し出力する。
輪郭補償回路19は画像処理を行うために設けられた回路であり、例えば図26のような回路である。図26に示すように、輝度信号Ywは高周波ろ過フィルタであるBPF261で高周波成分を抽出し、乗算回路262で輪郭補償ゲインGeを乗じて輪郭信号Yhを生成して出力する。
YCマトリクス回路20は、色分離回路18の出力信号RGBと輝度信号Yw、輪郭信号Yhが入力され、所定の換算式に基づいてRGB信号をYCbCr信号にマトリクス変換する。出力されたYCbCr信号は、ノイズ抑圧回路21でノイズ成分が抑圧され、Y'Cb'Cr'信号を出力する。
第6の実施形態では、第3の実施形態に対し、後段のカメラ信号処理とカメラ信号処理に対する適応制御を加えた例であり、ここでは輪郭補償回路19及びノイズ抑圧回路21に加えられる。
ゲイン調整回路14には、光量落ち補正生成回路12が出力した光量落ち補正ゲインGt及び、マイコン6がシフトレンズ15に対して出力した位相シフト制御信号Cdi、Cvaが入力される。
ゲイン調整回路14で実行される光量落ち補正ゲイン値の制御は、ここでは例えば図11のような閾値Gthと抑圧係数Gs(Gs<0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Gm=1 (Cva<Cth)
Gm=Gs(Cva−Cth)+1 (Cth≦Cva≦Cth−1/Gs)
Gm=0 (Cth−1/Gs<Cva)
ゲイン調整回路14は、例えば図29のような回路である。
関数回路291は、図12のような入出力特性を実現する回路であり、マイコン6からの標準の抑圧係数Gsと、位相変化方向Cdiが入力され、図13のような所定の関数を基に、位相変化方向に適した抑圧係数を求め、調整された抑圧係数Gs'を出力する。
ゲイン生成回路292は、位相変化量Cvaと閾値Gth、抑圧係数Gs'から、前述した式の演算によってマスターゲインGmを出力する。マスターゲインGmは、乗算回路293で光量落ち補正ゲインGtに乗じられ、指定の制御特性でゲインを調整した光量落ち補正ゲインGt'を出力する。さらに、マスターゲインGmは、ゲイン生成回路294及び295に入力される。
ゲイン調整回路14で実行される輪郭補償制御は、ここでは例えば図15のような閾値Gmtheと抑圧係数Gmse(Gmse<0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Ge=1 (Gm<Gmthe)
Ge=Gmse(Gm−Gmthe)+1 (Gmthe≦Gm≦Gmthe−1/Gmse)
Ge=0 (Gmthe−1/Gmse<Gm)
ゲイン生成回路294は、ゲイン値Gmと閾値Gmthe、抑圧係数Gmseから、前述した(式)の演算によって輪郭補償ゲインGeを出力する。ゲイン調整回路14で実行されるノイズ抑圧制御は、ここでは例えば図16のような閾値Gmthn1、Gmthn2(Gmthn1<Gmthn2)と抑圧係数Gmsn(Gmsn>0)による非線形特性とし、以下のような(式)で表すことができるものとする。
Gn=1 (Gm<Gmthn1)
Gn=Gmsn(Gm−Gmthn1)+1 (Gmthn1≦Gm≦Gmthn2)
Gn=Gmsn(Gmthn2−Gmthn1)+1 (Gm>Gmthn2)
ゲイン生成回路295は、ゲイン値Gmと閾値Gmthn1、Gmthn2と抑圧係数Gmsnから、前述した式の演算によってノイズ抑圧ゲインGnを出力する。ノイズ抑圧ゲインGnは、マイコン6からノイズ抑圧回路21に与えられるε値Gepに対するゲインとして乗じられる。
このようにして、光学パラメータから求められる光量落ち補正ゲインに対して、手ブレ補正による光量落ち補正が画角内でアンバランスになることが防止できる。また、過度に行うことが抑制されて適性値に調整を行うことが可能となると同時に、光量落ち補正量に応じて画質調整を行うことができる。
閾値Gmthe、抑圧係数Gmse、閾値Gmthn1、Gmthn2と抑圧係数Gmsnは固定である必要はなく、撮影状況や光量落ち特性曲線の状態、撮影者の意図などで動的に変更することができる。なお、この実施形態では、ゲイン調整回路14を設けて光量落ちゲイン調整、輪郭補償ゲイン調整、ノイズ抑圧ゲイン調整を行ったが、これは一例に過ぎない。
例えば、マイコン6で補正関数係数セットCmを生成する際に、ゲイン調整回路14に与えたような抑圧特性を重畳する、LUTをシフトして使う。そして、得られた光量落ちゲインから輪郭補償ゲイン調整、ノイズ抑圧ゲイン調整を求めるなど、ソフトウェアでも同様の制御を実現することが可能である。
(本発明に係る他の実施の形態)
前述した本発明の実施の形態における撮像装置を構成する各手段は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施の形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
なお、本発明は、前述した撮像方法における各工程を実行するソフトウェアのプログラム(実施の形態では図30に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては種々の記録媒体を使用することができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
本発明の第1の実施形態を示し、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態を示し、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態を示し、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態を示し、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態を示し、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態を示し、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 (a)は光量落ち現象の一例を説明する特性図であり、(b)は補正の特性例を説明する特性図である。 光量落ち補正ゲイン値の制御特性の一例を説明する特性図である。 光量落ち現象画像、補正画像の一例を説明する特性図である。 本発明の第2の実施形態を示し、光量落ち補正ゲイン値の制御特性の一例を説明する特性図である。 本発明の第3の実施形態を示し、像円とシフトレンズの移動による撮像素子に結像する領域の変化の一例を模式的に示した図である。 本発明の第3の実施形態を示し、光量落ち補正ゲイン値の制御特性の一例を説明する特性図である。 本発明の第3の実施形態を示し、抑圧係数の関数の一例を説明する特性図である。 本発明の第3の実施形態を示し、手ブレ補正と光量落ち現象画像、補正画像の一例を説明する特性図である。 本発明の第5の実施形態を示し、輪郭補償制御特性の一例を説明する特性図である。 本発明の第5の実施形態を示し、ノイズ抑圧制御特性の一例を説明する特性図である。 本発明の第1の実施形態を示し、水平同期信号HD、垂直同期信号VDの一例を説明する図である。 本発明の第1の実施形態を示し、直交座標系、極座標系を模式的に説明した図である。 本発明の第1の実施形態を示し、画素座標生成回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態を示し、ゲイン調整回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態を示し、ゲイン調整回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態を示し、AFEゲインと光量落ち現象画像、補正画像の一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態を示し、メモリアドレスの移動による読み出し領域の変化を模式的に示した図である。 本発明の第3の実施形態を示し、ゲイン調整回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態を示し、ゲイン調整回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第5及び6の実施形態を示し、輪郭補償回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態を示し、ノイズ抑圧回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態を示し、入出力関数の一例を示す図である。 本発明の第6の実施形態を示し、ゲイン調整回路の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態を示し、撮像装置で行われる光量落ち補正処理の概略を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 レンズユニット
2 絞り
3 撮像素子
4 アナログフロントエンド(AFE)
5 光量落ち補正回路
6 マイコン
7 ズームレンズ用アクチュエータ
8 フォーカスレンズ用アクチュエータ
9 絞りのアクチュエータ
10 タイミングジェネレータ(TG)
11 画素座標生成回路
12 光量落ち補正生成回路
13 光量落ち補正データベース
14 ゲイン調整回路
15 シフトレンズ
16 フレームメモリ
17 メモリ制御回路
18 色分離回路
19 輪郭補償回路
20 YCマトリクス回路
21 ノイズ抑圧回路
22 ホワイトバランス回路

Claims (10)

  1. 光学ユニットによって撮像素子上に結像された映像から映像信号を生成する映像信号生成手段と、
    予め記憶されたデータを用いて、前記撮像素子上の画素の座標位置に応じた補正ゲインを求める補正生成手段と、
    前記補正生成手段にて生成された前記補正ゲインを抑圧する調整手段と、
    前記調整手段にて調整された前記補正ゲインを用いて、前記光学ユニットに起因して生じる光量落ち現象を補正する光量落ち補正手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記調整手段は、前記補正生成手段にて生成された前記補正ゲインの値が閾値より高い場合に、前記補正ゲインを抑圧することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像素子から出力された映像信号の信号レベルを調整する信号レベル調整手段を有し、
    前記調整手段は、前記信号レベル調整手段で調整する信号レベルが閾値より大きい場合に、前記補正ゲインを抑圧することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記映像信号生成手段により前記映像信号を生成する際の手ブレ量を検出し、光学的あるいは電子的に撮像画角を変更する手ブレ補正手段を有し、
    前記調整手段は、前記手ブレ補正手段による映像の切り出し画角と光学中心の乖離度が閾値より大きい場合に、前記補正ゲインを抑圧することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記補正生成手段は、光学的に手ブレ補正を行う場合には、光学パラメータとしてシフトレンズの位相も含めた光量落ち現象特性から、前記撮像素子上の画素座標位置に応じた補正ゲインを求めることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記光量落ち補正手段によって光量落ち補正された映像信号の画像処理を行う画像処理手段を有し、
    前記画像処理手段は、前記調整手段にて調整された前記補正ゲインに応じて処理の強さを変更することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記画像処理手段は、輪郭補償の処理を行う場合には、前記調整手段にて調整された前記補正ゲインが高くなるにつれて輪郭補償の処理を弱くするように制御することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記画像処理手段は、ノイズ抑圧の処理を行う場合には、前記調整手段にて調整された前記補正ゲインが高くなるにつれて、ノイズ抑圧の処理を強くするように制御することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 光学ユニットによって撮像素子上に結像された映像から映像信号を生成する映像信号生成工程と、
    予め記憶されたデータを用いて、前記撮像素子上の画素の座標位置に応じた補正ゲインを求める補正生成工程と、
    前記補正生成工程において生成された前記補正ゲインを抑圧する調整工程と、
    前記調整工程において調整された前記補正ゲインを用いて、前記光学ユニットに起因して生じる光量落ち現象を補正する光量落ち補正工程とを有することを特徴とする撮像方法。
  10. 光学ユニットによって撮像素子上に結像された映像から映像信号を生成する映像信号生成工程と、
    予め記憶されたデータを用いて、前記撮像素子上の画素の座標位置に応じた補正ゲインを求める補正生成工程と、
    前記補正生成工程において生成された前記補正ゲインを抑圧する調整工程と、
    前記調整工程において調整された前記補正ゲインを用いて、前記光学ユニットに起因して生じる光量落ち現象を補正する光量落ち補正工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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