JP2009198890A - 光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光走査装置において、ポリゴンモータの温度上昇に伴う光学箱の歪みを簡単な構成で低減する。
【解決手段】光束を出射する光源1と、回転して光束を偏向する偏向素子2及びこの偏向素子2を駆動するモータMを備えた偏向器2Aと、光源1から出射した光束を偏向素子2に結像させる入射側光学系11・12と、偏向素子2によって偏向走査された光束を被走査面51aに結像させる出射側光学系3・4・5と、前記光源、前記偏向器、前記入射側光学系、前記出射側光学系を収納する光学箱6と、を有する光走査装置Eにおいて、光学箱6の底面で、モータMの軸受部2eを保持するために光学箱底板6dに配置された軸受け保持部6eの近くに孔部6gを設けたこと。
【選択図】図5

Description

本発明は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を被走査面に偏向走査する偏向素子及び前記偏向素子を駆動するモータを備えた偏向器と、前記光源と前記偏向器を収納する光学箱と、を有する光走査装置(走査光学装置)に関する。
この光走査装置は、例えば、電子写真方式のデジタル画像形成装置に、被走査面である電子写真感光体面を光走査して画像情報を記録する画像露光手段として搭載される。
本発明は、複数の電子写真感光体を走査してカラー画像を形成する画像形成装置においても光束の照射位置ずれを抑えて、色ずれのない高画質のカラー画像情報を記録することのできる光走査装置に関するものである。例えば、電子写真プロセスを有するカラーレーザービームプリンタ(LBP)、カラーデジタル複写機、カラーレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いて好適な光走査装置である。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる光走査装置においては、画像信号に応じて光源手段からの放射光束を光変調している。そして、この光変調された光束を回転する偏向素子としてのポリゴンミラーにより周期的に偏向させ、Fθ特性を有する結像光学系によって、感光性を有する像担持体である電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)の面上にスポット状に集束させる。結像面上のスポットはポリゴンミラーによる主走査と感光ドラムの回転による副走査に伴って静電潜像を形成し、画像記録を行っている。
ポリゴンミラーは、ポリゴンモータと呼ばれるDCモータによって支持され回転するが、一般的にこのポリゴンモータの回転速度は20,000〜40,000rpmと高速である。そのため、ポリゴンモータの軸受部はモータの始動してから短時間で急激に温度が上昇し、その熱はモータを保持している光学箱(筐体)に伝わる。
この熱による線膨張により、光学箱はポリゴンモータの軸受け保持部を中心として全体的にすり鉢上に撓む。この光学箱の撓みにより、光学箱内の各所に配設されているミラーやレンズ等の光学素子の姿勢が変化して走査線の照射位置にずれを生じさせる。この走査線の位置ずれ量はわずか数十μmであるが、カラー画像形成装置においては色ずれとして出力画像の品質低下を招く。
この光学箱の変形を抑えるため、従来技術として次のような提案がなされている。
特許文献1では、光学箱の固定部に水平方向に移動可能な押圧部材を設け、光学箱の変形を矯正するとしている。
また、特許文献2では、光学箱と本体フレームの固定部を斜面突き当てとして、熱変形時に斜面から受ける力を利用して変形を元に戻すとしている。
特開平6−123849号公報 特開2001−228426号公報
しかしながら、特許文献1では、線膨張による変形を強制的に矯正しようとするのである。そのために光学箱に付勢する力は非常に強いものとなり、押さえる場所がわずかでもずれるとかえって望まない光学箱の変形を引き起こす恐れがある。
特許文献2では、斜面の突き当ての状態によって補正量が変わるため、光学箱の局所的な変形や表面の状態により補正結果が大きく変わってしまう。
本発明は光走査装置のこのような問題点に鑑みてなされたものである。その目的とするところは、光走査装置において、ポリゴンモータの温度上昇に伴う光学箱の歪みを簡単な構成で低減することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る光走査装置の代表的な構成は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を被走査面に偏向走査する偏向素子及び前記偏向素子を駆動するモータを備えた偏向器と、前記光源と前記偏向器を収納する光学箱と、を有する光走査装置において、前記モータの軸受部と嵌合して前記モータの軸受部を保持する保持部を有し、前記保持部には、前記モータの軸受部と嵌合する嵌合部を囲うように孔部が設けられていることを特徴とする。
上記のような構成により、モータの温度上昇に伴う光学箱の歪みを簡単な構成で低減することができる。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う光走査装置(走査光学装置、レーザ走査装置)を搭載した画像形成装置の一例の概略構成模型図である。図2は図1の部分的な拡大図である。
この画像形成装置は、電子写真方式、レーザビーム走査露光方式、中間転写ベルト方式、タンデム型のカラー画像形成装置であり、複写機、プリンタ、ファクシミリとして使用される複合機能機である。
この画像形成装置はプリンタ部Aとその上部に搭載のリーダ部Bを有する。リーダ部Bは原稿画像を三原色に色分解して光電読取りする機能を有する。
複写機モードの場合は、リーダ部Bから原稿画像の光電読取り画像信号(画像情報)が制御回路部Cの画像信号処理部に入力する。画像信号処理部は入力した画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成する。この画像信号に基づいてプリンタ部Aが複写機として動作する。
プリンタモードの場合は、外部装置Dであるパソコン等から制御回路部Cの画像信号処理部に入力する画像信号が画像処理されてプリンタ部Aがプリンタとして動作する。
ファクシミリ受信モードの場合は、外部装置Dである相手方ファクシミリ装置から制御回路部Cの画像信号処理部に入力する画像信号が画像処理されてプリンタ部Aがファクシミリ受信装置として動作する。
ファクシミリ送信モードの場合は、リーダ部Bで光電読取りした原稿の画像信号が制御回路部Cに入力して外部装置Dである相手方ファクシミリ装置に送信されて画像形成装置がファクシミリ送信装置として動作する。
制御回路部Cは画像形成装置を所定のプログラムにしたがって統括的に制御する制御手段(コントローラ)である。
プリンタ部Aは、図面上、左側から右側に水平に所定の間隔で並列に配設した複数の画像形成部(画像形成ステーション)を備えている。本実施例の場合は、それぞれ、イエロー色(Y色)のトナー画像、マゼンタ色(M色)のトナー画像、シアン色(C色)のトナー画像、ブラック色(K色)のトナー画像を形成する第1〜第4の4つの画像形成部UY・UM・UC・UKである。
各画像形成部はそれぞれ同様の構成の電子写真作像機構であり、像担持体(被走査体、記録媒体)としてドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)51が設置されている。感光ドラム51は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。各感光ドラム51の周囲には、感光ドラム51に作用する画像形成プロセス手段が設置されている。本実施例では、一次帯電器52、現像装置53、一次転写ローラ54、ドラムクリーニング装置55である。第1〜第4の各画像形成部の現像装置53には現像剤として、それぞれ、Y色トナー、M色トナー、C色トナー、K色トナーが収納されている。
第1〜第4の画像形成部UY・UM・UC・UKの下方には、画像露光手段としての光走査装置Eが設置されている。この光走査装置Eは、光を出射する光源と、光源から出射された光を被走査面に偏向走査する偏向素子及び偏向素子を駆動するモータを備えた偏向器と、光源と偏向器を収納する光学箱と、を有する。この光走査装置Eについては次の(2)項で詳述する。
第1の画像形成部UYにおいては、回転駆動され、一次帯電器52により帯電された感光ドラム51の面に対して、光走査装置Eからフルカラー画像のY色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光束LYが走査光として照射される。こうしてレーザ光束LYにより静電潜像が形成される。その潜像が現像装置53によりY色トナー画像として現像される。
第2の画像形成部UMにおいては、回転駆動され、一次帯電器52により帯電された感光ドラム51の面に対して、光走査装置Eからフルカラー画像のM色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光束LMが走査光として照射される。こうしてレーザ光束LMにより静電潜像が形成される。その潜像が現像装置53によりM色トナー画像として現像される。
第3の画像形成部UCにおいては、回転駆動され、一次帯電器52により帯電された感光ドラム51の面に対して、光走査装置Eからフルカラー画像のC色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光束LCが走査光として照射される。こうしてレーザ光束LCにより静電潜像が形成される。その潜像が現像装置53によりC色トナー画像として現像される。
第4の画像形成部UKにおいては、回転駆動され、一次帯電器52により帯電された感光ドラム51の面に対して、光走査装置Eからフルカラー画像のK色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光束LKが走査光として照射される。こうしてレーザ光束LKにより静電潜像が形成される。その潜像が現像装置53によりK色トナー画像として現像される。
第1〜第4の画像形成部UY・UM・UC・UKの上方には、エンドレスの中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)56が配設されている。ベルト56はベルト搬送ローラ57・58間に張架されており、矢印の反時計方向に感光ドラム51の回転速度に対応した速度で回転駆動される。
このベルト56の下行側ベルト部分の下面に対して各画像形成部の感光ドラム51の上面部が対面している。各一次転写ローラ54はベルト56の内側に配置されていて、下行側ベルト部分を挟んで、それぞれ対応する各感光ドラム51の上面部に当接している。各感光ドラム51とベルト56との接触部がそれぞれ一次転写ニップ部T1である。
ベルト搬送ローラ57にはベルト56を挟んで、二次転写ローラ59が当接している。ベルト56と二次転写ローラ59との接触部が二次転写ニップ部T2である。
制御回路部Cは、画像形成スタート信号と、入力されたカラー画像の色分解画像信号に基いて、各画像形成部UY・UM・UC・UKを画像形成動作させる。これにより、各画像形成部においてそれぞれ回転する各感光ドラム51上に所定の制御タイミングにて、Y色、M色、C色、K色の各色トナー画像が形成される。感光ドラム51にトナー画像が形成される電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
各画像形成部の感光ドラム51の面にそれぞれ形成される上記の色トナー画像は各画像形成部の一次転写ニップ部T1において、回転するベルト56の外面に対して順次に重畳転写される。この一次転写時には各一次転写ローラ54に対して所定の転写バイアスが印加される。これにより、ベルト56の面に、Y色+M色+C色+K色の4つの色トナー画像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
各画像形成部のドラムクリーニング装置55は、ベルト56に対するトナー画像の一次転写後に感光ドラム51上に残留した一次転写残トナーを感光ドラム面から除去する。
一方、制御回路部Bは所定の給紙タイミングにて給紙ローラ62を駆動する。これにより、シート状の記録材(転写用紙)Pを積載収容させた給紙カセット61から記録材Pが1枚分離給紙され、縦搬送パス63を通ってレジストローラ対64に搬送される。
レジストローラ対64はその時点では回転を停止しており、ニップ部に記録材の先端を受け止めて記録材Pの斜行矯正をする。そして、レジストローラ対64は、回転するベルト56上に合成形成された上記のフルカラートナー画像の先端が二次転写ニップ部T2に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が該ニップ部T2に到達するように、記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写ニップ部T2において、ベルト56上のフルカラーのトナー画像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。この二次転写時には二次転写ローラ59に対して所定の転写バイアスが印加される。
二次転写ニップ部T2を出た記録材Pは、ベルト56の面から分離され、定着装置65に導入される。この定着装置65により、上記の複数色のトナー画像が熱と圧力により溶融混色されて記録材の表面に固着像として定着される。定着装置65を出た記録材Pはフルカラー画像形成物として搬送ローラ対66、排紙ローラ対67を通って排紙トレイ68上に排紙される。
ベルト56上に残った二次転写残トナーは、ベルト56の外側でベルト搬送ローラ58の部分に配設したベルトクリーニング装置69により除去される。
Sは色ズレ量検知手段であるレジスト検知センサ(以下、レジセンサという)である。このレジセンサSは、オートレジストレーション実行時に、ベルト56上に形成される各色のレジスト補正用パターンを検出して色ズレ量を検知し、制御回路部Cにフィードバックする。制御回路部Cは、レジセンサSにより色ズレ量を検知することで、トップマージンとサイドマージンによる色ずれを、画像データの書き出しタイミングを電気的に補正することで補正する。また、倍率要因による色ずれについても、画像クロック周波数を微小に変化させることで、倍率を一致させている。
(2)光走査装置E
以下の説明において、主走査方向とは、慣例的に、光走査装置Eの走査光学系が被走査面である感光ドラム面を光走査する方向であるドラム長手方向(感光ドラム軸線方向、感光ドラム母線方向)、若しくはこの方向に対応する方向である。副走査方向とは、感光ドラム51の回転方向、若しくはこの方向に対応する方向である。図1と図2は副走査方向の断面である。
この光走査装置Eはレーザスキャナ(レーザ走査装置)であり、光学箱(箱形状の筐体)6の内部に、スキャナを構成するための各種の光学素子(光学部材)が収納されている。各種の光学素子は、後述するように、レーザユニット、入射側光学系、偏向走査手段としての偏向器、出射側光学系、光束の書き出しタイミングを決定するための同期検知素子などである。これらの各種の光学素子は光学箱内の所定の位置にそれぞれビス締結、バネ付勢、接着等の固定手段により光学箱に素定の配置で保持されている。光学箱6の上面は開放面(開口部)にされており、この開放面から光学箱内に上記の各種の光学素子が組み込まれる。そして、その開放面に対して蓋部材(上蓋)6aが被せられて封止(密閉)される。蓋部材6aには、前述した第1〜第4の4つの各画像形成部の感光ドラム51に対するレーザ光束LY・LM・LC・LKがそれぞれ出光するスリット窓部6bが形成されている。そして、各スリット窓部6bには防塵ガラス6cが設けられている。
光学箱6と蓋部材6aは、例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)とポリスチレン(PS)の合成樹脂にガラス繊維を混ぜて補強した材質を用い、金型成形された成形品(ガラス強化樹脂材料の射出成形品)である。
図3は蓋部材6aを取り外して光学箱6の内部を見た斜視図(俯瞰図)、図4は蓋部材6aを取り外して光学箱6の内部を見た平面図である。
光学箱6内の底面のほぼ中央部には偏向器2Aが配設されている。図5は、偏向器2Aと、この偏向器2Aが取り付けられる光学箱底板部分との分解斜視図である。偏向器2Aは、座板(台座)2cと、この座板2cに保持させたモータ(ポリゴンモータ)Mを有する。また、そのモータMの上向きの回転軸2aに固定して取り付けた、光源から出射された光を被走査面に偏向走査する偏向素子としてのポリゴンミラー(回転多面鏡)2と、座板2cに設けたIC等を有するモータ制御回路部2bを有する。モータMがポリゴンミラー2を駆動する駆動手段であり、例えばブラシレスDCモータである。図6において、2dと2eはモータMの上側と下側の軸受部であり、この上下の軸受部2dと2eによりモータMの回転軸(ロータの軸)2aが軸受け保持されている。ポリゴンミラー2は上側の軸受部2dから外方に突出させた回転軸2aに同心一体に固定して取り付けられている。モータMの下側の軸受部2eはモータMを保持させた座板2cの裏面側に突出している。
偏向器2Aは、座板2cの裏面側に突出している軸受部2eを保持する保持部としての光学箱底板6dに嵌合されている。偏向器2Aは、光学箱底板6dに設けられている軸受け保持部(嵌合部)としての座ぐり部6eに図6のように嵌係合させる。そして、座板2cを光学箱底面の所定の位置に位置決めして光学箱底板6dに対してビス15により締結して配設されている。6fは偏向器2Aの座板2cを固定するために光学箱底板6dに設けられた3個以上複数の固定部としての座面である。本実施例では4つの座面6fが設けられている。
ポリゴンミラー2はモータMにより、本実施例においては、図4において矢印の反時計方向に高速回転(一般的には、約20,000〜40,000rpm)される。
本実施例の光走査装置Eは、1つのポリゴンミラー2で複数の被走査面(本実施例では第1〜第4の4つの画像形成部の感光ドラム面)を走査露光する。そのために、偏向器2Aのポリゴンミラー回転軸2aを挟んだ双方向(図2・図4上において左右側)に、それぞれ、ポリゴンミラー2により偏向走査された光束を被走査面に結像させる第1と第2の光学系F・Gを有する(対向走査型の光走査装置)。
第1の光学系Fと第2の光学系Fは左右対称の光学系であり、それぞれ、入射側光学系(変換光学系)と出射側光学系を有する。
入射側光学系は、光源である半導体レーザより出射したレーザ光(光束)をポリゴンミラー2に結像させる結像光学系である。この入射側光学系は、コリメータレンズ(コリメートレンズ)と、ポリゴンミラー上でレーザ光束を主走査方向に長い線状に集光するシリンドリカルレンズの機能を持つ複合レンズから構成されている。
出射側光学系は、ポリゴンミラー2によって偏向走査されたレーザ光を被走査面である感光ドラム面に結像させる走査光学系であり、Fθ補正を行うレンズと折り返しミラーから構成されている。
101aは第1の光学系F側のレーザユニット(第1のレーザユニット)であり、光(レーザ光)を出射する光源である第1と第2の2つの半導体レーザ1aと1bを有する。この第1と第2の2つの半導体レーザ1aと1bは上下方向に適当距離離れて設置されている。
101bは第2の光学系G側のレーザユニット(第2のレーザユニット)であり、光を出射する光源である第3と第4の2つ半導体レーザ1cと1dを有する。第3と第4の2つ半導体レーザ1cと1dも上下方向に適当距離離れて設置されている。
第1と第2のレーザユニット101aと101bは、それぞれ、光学箱6の光源固定部6hと6iに所定の角度で固定されている。即ち、第1と第2のレーザユニット101aと101bは、それぞれZ方向に斜入射角を持っていて、それぞれのレーザ光束はポリゴンミラー2の偏向面で交差する設定になるように配設されている。
第1の半導体レーザ1aは第1の画像形成部UYに対応する光源であり、フルカラー画像のY色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光を出射する。第2の半導体レーザ1bは第2の画像形成部UMに対応する光源であり、フルカラー画像のM色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光を出射する。第3の半導体レーザ1cは第3の画像形成部UCに対応する光源であり、フルカラー画像のC色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光を出射する。第4の半導体レーザ1dは第4の画像形成部UKに対応する光源であり、フルカラー画像のK色成分像の画像信号に対応して変調されたレーザ光を出射する。
図7は、第1のレーザユニット101a(又は第2のレーザユニット101b)の副走査断面図である。11a(11c)・11b(11d)はコリメータレンズであり、半導体レーザ1a(1c)・1b(1d)から出射した発散光束を略平行光束に変換している。12a(12c)・12b(12d)はアパーチャ(開口絞り)であり、半導体レーザ1a(1c)・1b(1d)から射出されたレーザ光束を所望の最適なビーム形状に成形している。
本実施例においては、半導体レーザ1a(1c)・1b(1d)から光変調され出射したそれぞれの光束は、コリメータレンズ11により略平行光束とされ、アパーチャ12によって光束を所望のビーム形状に整えられる。その後に、シリンドリカルレンズに入射する。シリンドリカルレンズに入射した略平行光束のうち主走査断面内においてはそのまま略平行光束のまま出射する。また副走査断面内においては収束してポリゴンミラー2の偏向面にほぼ線像として結像する。
上記のコリメータレンズとシリンドリカルレンズの複合レンズが入射側光学系(変換光学系)であり、半導体レーザから出射したレーザ光(光束)をポリゴンミラー2に結像させる。複合レンズは、レーザ光束がそれぞれについて、照射位置とピント位置が保証されるような位置に調整固定されている。第1と第2のレーザユニット101a・101bにおいてそれぞれ斜めに放射された2本のレーザ光束は上記の複合レンズによって、副走査方向に集光され、偏向器2Aのポリゴンミラー2上の単一の反射点に線像を形成する。
ポリゴンミラー2の偏向面で偏向反射した光束は、それぞれの光束に対応する出射側光学系を介して感光ドラム面に集光され、ポリゴンミラー2の回転により感光ドラム面を主走査方向に等速走査する。即ち、ポリゴンミラー面上の反射面で反射され偏向走査される2本のレーザ光束は反射面で上下逆の関係で斜めに反射されて出射側光学系のFθレンズであるの結像レンズ3a・3bに向う。
図8は1つの光源1から1つの被走査面51aに至る入射側光学系及び出射側光学系の展開図である。折り返しミラーは省略してある。光源1から出射した光はコリメータレンズ11を通過して平行光束へと変換される。その後、副走査方向にのみパワーを持つシリンドリカルレンズ13を通過して、ポリゴンミラー2の面で一度結像する。そして、ポリゴンミラー2によって偏向された光束は、第1の結像レンズ(Fθレンズ)3及び第2の結像レンズ(Fθレンズ)4によって被走査体である感光ドラム51の面51aに結像して、面51aを主走査露光する。第1と第2の結像レンズ3と4で走査光のFθ補正を行う。副走査方向の結像は主に第2の結像レンズ4によって行う。14は光束の書き出しタイミングを決定するための同期検知素子である。
具体的に、第1の画像形成部UYの感光ドラム面に対するレーザ走査露光は、第1の光学系Fにおいて次の経路でなされる。即ち、第1の半導体レーザ1a→コリメータレンズ11→シリンドリカルレンズ13→ポリゴンミラー2→第1の結像レンズ3a→第2の結像レンズ4a→折り返しミラー5a→スリット窓部6b→防塵ガラス6cの経路である。
第2の画像形成部UMの感光ドラム面に対するレーザ走査露光は、第1の光学系Fにおいて次の経路でなされる。即ち、第2の半導体レーザ1b→コリメータレンズ11→シリンドリカルレンズ13→ポリゴンミラー2→折り返しミラー5b→折り返しミラー5c→第2の結像レンズ4b→折り返しミラー5d→スリット窓部6b→防塵ガラス6cの経路である。
第3の画像形成部UCの感光ドラム面に対するレーザ走査露光は、第2の光学系Gにおいて次の経路でなされる。即ち、第3の半導体レーザ1c→コリメータレンズ11→シリンドリカルレンズ13→ポリゴンミラー2→折り返しミラー5e→折り返しミラー5f→第2の結像レンズ4c→折り返しミラー5g→スリット窓部6b→防塵ガラス6cの経路である。
第4の画像形成部UKの感光ドラム面に対するレーザ走査露光は、第2の光学系Gにおいて次の経路でなされる。即ち、第4の半導体レーザ1d→コリメータレンズ11→シリンドリカルレンズ13→ポリゴンミラー2→第1の結像レンズ3b→第2の結像レンズ4d→折り返しミラー5h→スリット窓部6b→防塵ガラス6cの経路である。
上記において、第1と第2の結像レンズ3a・3b,4a・4bはFθレンズ系である。第2の結像レンズ4a・4bは第1の結像レンズ3a・3bよりも光学的に被走査面側にある。
ところで、一般的な画像形成装置において、ポリゴンモータMは、前記のように、約20,000〜40,000rpmという高速で回転しており、このモータMの軸受部71の温度は、モータMが転を始めてから数分で20〜30℃も上昇する。
このような温度上昇が発生したとき、偏向器2Aが取り付けられている光学箱底板6dにおいては、モータMの軸受部2eを保持している軸受け保持部(嵌合部)6eの周囲が温まって線膨張を起こす。それより、外側は温度が上昇していないため膨張の逃げ場をなくし、図9のように光学箱底板6dが軸受け保持部6eを中心とするすり鉢状に歪む。なお、図9では変形をわかりやすくするため、実際の変形量よりも誇張して示している。
このように光学箱6の底板6dがすり鉢上に歪んでしまうと、それに伴って光学箱6の周壁もお辞儀するように内側に倒れる。これら光学箱6の全体的な歪みによって、光学箱6内の各所に配されているレンズやミラー等の光学素子の姿勢が変化し、結果的に走査線の位置が数十μmずれてしまう。
図1・図2のように4色でカラー画像を形成する装置においては、各色ばらばらにこの走査位置ずれが発生すると、4色を重ね合わせて画像を形成するときに色ずれとなって顕在化し、色むらなどの大きな画像不良の要因となる。
このモータMの発熱に伴う光学箱6の変形という問題に対し、本実施例においては、図5、図6、図10のように、光学箱6の底面で、モータMの軸受部2eを保持するために光学箱底板6dに配置された保持部6eの近くに孔部6gを設けた。即ち、モータMの軸受部2eと嵌合してモータの軸受部を保持する保持部6dを有し、保持部には、モータの軸受部と嵌合する嵌合部6eを囲うように孔部6gが設けられている。孔部6gは、本実施例においては、保持部6eの周囲に設けられたスリットである。このスリットは、保持部6eをほぼ取り囲むように、一部肉を残しながら円周形状に開けてある。
このようなスリット6gがあることにより、モータMの駆動により軸受部2eの温度が上昇して光学箱底板6dの軸受け保持部6eの周囲に線膨張が起きたとしても、スリット6gが高温側の膨張を吸収する。これにより、光学箱底板6dのすり鉢状の変形(図9)が大きく低減される。
即ち、モータMの発熱による光学箱底板6dの歪みを低減し、光学箱内のミラーやレンズ等の光学素子の姿勢を安定させて色ずれの少ない良好な画像を得ることができる。
表1に、本実施例のように光学箱底板6dの軸受け保持部6eの周囲にスリット6gを設けている場合(スリットあり)と、設けていない場合(スリットなし)において、それぞれ光学箱6の底面の歪みがどれくらい発生しているかを実測したデータを示す。
測定箇所は図10に黒丸Zで示している場所であり、この点における光学箱底面の傾き量を測定したものである。この傾き量は、図10の黒丸Zの位置に9mm角で厚さ1mmのミラーを接着し、そのミラーにオートコリメータを正対させることによって測定している。すなわち、モータMが回転を停止している状態を傾き0″として、その状態からモータMが回転を始めて軸受部2eの昇温量Δtが10℃および20℃に達したときにオート
コリメータが表示した値を底面の傾き量としている。この傾き量は、モータ回転前後での底面の傾き変化量とも言える。
これによれば、スリット6gがある場合は、スリット6gがない場合に比べて、モータMの軸受部2eの昇温量Δt=20℃の条件で、傾き量が約40%が減少していることが
わかる。モータMを含む偏向器2Aが取り付けられている光学箱底板6dの温度上昇に伴う線膨張を吸収することが目的であるから、当然、温度が大きく上昇する部分に設けることにより最良の効果を得ることができる。この温度上昇はモータMの軸受部2eの発熱によるものであるが、特に偏向器2Aの下側は光学箱6の底面との隙間が少なく熱がこもりやすいため、ことさら光学箱6の温度が高くなりやすい。
よって、スリット2gは、偏向器2Aの外形を光学箱底板6dに投影した領域の内側に設けることが望ましい。図10において、破線Xで示した領域が、本実施例において偏向器2Aの外形を光学箱底板6dに投影した領域を示している。
また、スリット6gを設けることの弊害として、光学箱6の静的強度の減少やポリゴンモータMの回転に対する振動特性の悪化が懸念される。この点について考慮する場合には、スリット2gは、偏向器2Aを固定するために光学箱底板6dに設けられた3個以上複数の固定部6fを結んだ領域の内側に設けることが望ましい。図10において、細かい破線Yで示した領域が、本実施例において4つの固定部6fを結んだ領域を示している。
このように、モータ軸受部周囲の限られた領域にスリットを入れることにより、スリットによる光学箱の静的強度不足やモータの回転に対する振動特性の悪化を発生させることなく、良好な画像を得ることができる。
[実施例2]
実施例1では、光学箱底板6dの軸受け保持部6eの近くに設ける孔部6gとして、軸受け保持部6eの周囲にほぼ円周形状のスリットを設けた。これは、モータMの軸受部2eが全周に向かってほぼ均等に熱を伝えることから最も望ましい孔形状である。しかし、孔部6gは、必ずしも円周形状のスリットでなければ効果がないというわけではない。
図11の(a)や(b)に示すように、孔部6gは、直線状のスリットや鍵型スリットなどの形態でもよく、光学箱6の底面の変形を抑えることができる。
[実施例3]
光学箱底板6dに設けた軸受け保持部6eはモータMの位置決めを兼ねているため、実施例1や2で示したように、モータMを保持するために光学箱底板6dの肉を一部残してスリット6gを設けている。よって、厳密に言えばこの肉が残った部分では線膨張による歪みが発生することになる。
この問題に対処するため、孔部6gは軸受け保持部6eの周囲に設けられた少なくとも内外二重のスリットにし、軸受け保持部6eの中心から光学箱底板6dに沿って任意の方向に放射線を引いたとき、内外いずれかのスリットに当たる孔形態にするとよい。
図12はこの例を示すものである。本例では、軸受け保持部6eの周囲に、実施例1の場合と同様に、軸受け保持部6eの周囲に、軸受け保持部6eをほぼ取り囲むように、一部肉を残しながら円周形状のスリット6g−1を設けている。このスリット6g−1を内周スリットとし、その外側に、さらにもう一周、肉残り部の位相をずらしてほぼ円周形状の外周スリット6g−2を設けている。この内外二重のスリットは、軸受け保持部6eの中心から光学箱底板6dに沿って任意の方向に放射線を引いたとき、内外いずれかのスリットに当たる。これにより、内周スリット6g−1の肉残り部で線膨張が発生しても、外周スリット6g−2が吸収するため、より完全に光学箱6の底面の歪みを低減させることができる。
実施例1における画像形成装置の概略構成模型図 図1の部分的な拡大図 蓋部材(上蓋)を取り外して光学箱の内部を見せた状態の光走査装置の斜視図(俯瞰図) 蓋部材を取り外して光学箱の内部を見せた状態の光走査装置の平面図 偏向器と、この偏向器が取り付けられる光学箱底板部分との分解斜視図 偏向器が取り付けられている状態の光学箱底板の部分的断面図 レーザユニットの副走査断面図 1つの光源から1つの被走査面に至る入射側光学系変換光学系と結像光学系の展開図 光学箱の底板がモータの熱により膨張して軸受け保持部を中心にすり鉢状に歪んだ状態を示した誇張図 光学箱底板の偏向器が取り付けられる部分の斜視図 実施例2における孔(スリット)の形態図 実施例3における孔(スリット)の形態図
符号の説明
1a〜1d:半導体レーザ
101a、101b:レーザユニット
2:ポリゴンミラー
3a、3b、4a〜4d:結像レンズ系
5a〜5h:折り返しミラー
6:光学箱
6a:蓋部材
6c:防塵ガラス
6d:光学箱底板
7a、7b、8a、8b:側壁(リブ)
9a、9b:孔(開口部)
11:コリメータレンズ
12:アパーチャ

Claims (6)

  1. 光を出射する光源と、前記光源から出射された光を被走査面に偏向走査する偏向素子及び前記偏向素子を駆動するモータを備えた偏向器と、前記光源と前記偏向器を収納する光学箱と、を有する光走査装置において、
    前記モータの軸受部と嵌合して前記モータの軸受部を保持する保持部を有し、前記保持部には、前記モータの軸受部と嵌合する嵌合部を囲うように孔部が設けられていることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記孔部は前記嵌合部の周囲に設けられたスリットであることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記スリットは前記嵌合部を中心とする円周形状であることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
  4. 前記孔部は前記嵌合部の周囲に設けられた少なくとも内外二重のスリットであり、前記嵌合部の中心から前記保持部に沿って任意の方向に放射線を引いたとき、内外いずれかのスリットに当たることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  5. 前記孔部が前記偏向器の外形を前記保持部に投影した領域の内側にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光走査装置。
  6. 前記孔が前記偏向器を固定するために前記保持部に設けられた3個以上複数の固定部を結んだ領域の内側にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光走査装置。
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