JP2009197965A - 軸受用保持器、及び転がり軸受 - Google Patents

軸受用保持器、及び転がり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】スムーズに加速可能であると共に、優れた高速回転安定性を有し、コストを抑制可能な歯科用ハンドピースの保持器及び軸受を提供する。
【解決手段】一方側に開口kを有し、他方側が閉塞され、転動体案内で回転されるとともに、耐熱性を有する樹脂組成物で成形され、そのベース樹脂がガラス繊維及びカーボン繊維の少なくとも一方を配合した、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのいずれかで構成され、ポケット8pは、挿入される玉30の表面に沿った凹球面状を成しており、外内径の寸法差の半分値をw、内径面8aと内輪2の外径面2bとの間のすきまをa1、外径面8bと外輪4の内径面4aとの間のすきまをa2、ポケット径寸法をd、ポケット底厚をt、玉径をdaとした場合、1.02×da≦d≦1.06×da、0.45×da≦w≦0.55×da、0.40×da≦t≦0.50×da、0.15×da≦a1、0.15×da≦a2なる関係に設定した保持器とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ストレートハンドピースやアングルハンドピースなどの歯科用ハンドピースに使用される転がり軸受に関し、特にエア駆動され、30万rpm以上の高速で回転されるハンドピースに使用される軸受用保持器、及び当該保持器を組み付けた転がり軸受に関する。
従来から、例えば、ストレートハンドピースやアングルハンドピースなどの歯科用ハンドピースが知られている。その一例として図5に示された歯科用ハンドピース(アングルハンドピース)は、歯科治療時に歯科医師が把持するハンドピース本体20と、その先端に設けられたヘッド部22とを備えており、ヘッド部22には、各種の回転切削工具24を着脱自在に装着できるようになっている。
ヘッド部22には、回転切削工具24を所定方向に所定回転速度で回転させる回転機構が内蔵され、回転切削工具24は、回転機構の回転軸(図示しない)に着脱自在に装着されるようになっており、回転軸は、軸方向の上下に設けられた一対の転がり軸受を介して回転自在に支持されている。一対の転がり軸受の間には、エアタービンやエアモータ(いずれも図示しない)が介在されており、当該エアタービンなどを圧縮空気(エア)により制御して回転軸を回転させることにより、回転切削工具24を所定方向に所定回転速度で回転させることができる(いわゆるエア駆動)。
また、回転軸の外周には、回転切削工具24に向けて水を噴射する複数の水噴射孔(図示しない)と、回転切削工具24に向けて空気を噴射する複数の空気噴射孔(図示しない)とが配置されている。各水噴射孔は、水導入路(図示しない)に接続され、各空気噴射孔16は、空気導入路(図示しない)に接続されている。各水噴射孔及び各空気噴射孔は互いに対を成し、回転軸と同心円状に周方向に沿って所定間隔で配置されており、各水噴射孔から噴射された水と空気噴射孔から噴射された空気とが、回転切削工具24へ向かう途中で交差するように設計されている。なお、各空気噴射孔は、各水噴射孔の内側に配置されている。
このような構成において、回転切削工具24で歯科治療中、各水噴射孔から噴射された水は、空気噴射孔から噴射された空気の圧力により外方に押し出され、その噴射範囲が拡散される。これにより、水を回転切削工具24の全体に亘って効率よく噴射させることができる。この場合、各水噴射孔及び各空気噴射孔の噴射圧力を適宜選択的に調整(増減)することにより、回転切削工具24に対する水の噴射範囲や噴射圧力を変化させることができ、歯科治療の状況変化に応じた水噴射が可能となる。
また、上述したような歯科用ハンドピースに使用される転がり軸受(以下、単に軸受という)は、例えば図1(a)に示すように、相対回転可能に対向配置された内輪2及び外輪4と、内外輪2,4の軌道溝2s,4s間に転動自在に配列された複数の転動体(一例として、玉)6と、各転動体6を回転自在に保持する保持器8とを備えている。この場合、内輪2は回転軸(図示しない)の外周に外嵌されており、外輪4はヘッド部22(図5)のハウジング(図示しない)に内嵌されている。
保持器としては、図1(a),(b)に示すような一方側に各転動体6をポケット8pに挿入するための開口kを有し、他方側が閉塞された冠型のタイプ、いわゆる冠型保持器のほか、例えば、特許文献1に開示されているような略円筒状を成し、その側面の周方向に沿って所定間隔で複数のポケットが形成された筒状のタイプ(図6に示す保持器18)などが使用されている。
例えば、特許文献1に開示されている筒状の保持器18は、図6に示すように所定の肉厚を有する略円筒状の構造体として構成されており、当該構造体の側面に周方向へ沿って等間隔で、その内径側から外径側までを貫通する(すなわち、ラジアル方向に貫通する)複数の円筒孔がポケット18pとして形成されている(いわゆる円筒ポケット構成)。
かかる保持器18の材料としては各種の素材が知られており、例えば、特許文献1には多孔質材を用いるとともに、当該多孔質材の成形体に対して潤滑油を含ませる潤滑油処理を施した構成例が開示されている。また、従来からこの他にも、基材に対してグラファイトパウダーを30%程度含有させたもの、あるいはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)3%程度のポリアミドイミド(例えば、トーロン4275など)を用いたもの、さらにはフェノール樹脂などを用いたものなど、各種の材質の保持器が知られている。
ここで、歯科用ハンドピースは、使用後にオートクレーブ(滅菌処理)を行って繰り返し使用されるため、当該ハンドピースに用いられる軸受の保持器には、耐熱性、耐吸水性に優れた材料で成形した上で、上述したように潤滑油処理を施したものがある。このように潤滑剤を含浸させるタイプの保持器は、射出成形によって製作することが難しく、例えば、かかる材料(粗成形体)から削り出すことで製作されている。このように削り出しで製作される場合、保持器のポケットの形状は、図6に示す保持器18のようなラジアル方向への円筒形状に制約を受ける。保持器18のポケット18p形状がこのような円筒形状に制約を受けると、当該保持器18を軸受に組み付ける際、保持器18の内径面18aと内輪の外径面を相互に案内しつつ組み付けるか、又は保持器18の外径面18bと外輪の内径面を相互に案内しつつ組み付ける必要がある。
このため、保持器18の案内面となる内径面18a又は外径面18bは、その寸法精度や真円度、表面粗さを精度よく加工するとともに、管理することが必要となる。また、内外輪の案内面となる内輪外径面、又は外輪内径面に対しては、保持器18の案内面(外径面18b又は内径面18a)とのすきま精度を確保するため、研削加工が施される。これらの保持器18及び内外輪の案内面に対して上述した所定の加工を施すことで、初めて当該案内面間のすきまを高精度にコントロールすることが可能となり、結果として、軸受の高速回転を可能としている。
特開平11−287249号公報
しかしながら、上述したような保持器18の構成では、その製作上のコストが嵩むだけでなく、当該保持器18を案内する内輪や外輪の加工コストも嵩んでしまうという問題があった。また、ポケット18pの形状が円筒形状であるため、軸受10の回転トルクも大きくなり、ハンドピースの回転数をスムーズに上げ難いという問題や、保持器18を案内する際、内輪又は外輪と保持器18とのすきまを極力小さくしておく必要があり、ハンドピースを駆動させるためのエアが抜け難く、回転数が上がり難いという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、保持器の製作コストや内外輪の加工コストを抑制することが可能で、且つスムーズに高速(例えば、30万rpm以上)まで加速させることができるとともに、優れた高速回転安定性を有する歯科用ハンドピースに用いられる軸受用保持器、及び転がり軸受を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る軸受用保持器は、回転軸を中心に相対回転可能に対向配置された内輪及び外輪と、当該内外輪間で転動する複数の玉を備え、歯科治療に用いる回転切削工具を着脱自在に装着可能な歯科用ハンドピースに使用される転がり軸受に組み付けられ、所定間隔で配された複数のポケットに前記玉を1つずつ挿入した状態で前記内外輪間を回転する。かかる軸受用保持器は、前記回転軸方向の一方側に各玉を前記ポケットに挿入するための開口を有し、他方側が閉塞された構造を成し、前記ポケットに挿入された複数の玉によって案内される転動体案内で回転されるとともに、耐熱性を有する樹脂組成物で成形され、当該樹脂組成物のベース樹脂がガラス繊維及びカーボン繊維の少なくとも一方を配合した、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのいずれかで構成され、前記ポケットは、挿入される玉の表面に沿った凹球面状を成している。そして、前記軸受用保持器の外内径の寸法差の半分値をw、当該保持器の内径面と前記内輪の外径面との間のすきまをa1、当該保持器の外径面と前記外輪の内径面との間のすきまをa2、前記ポケットの径寸法をd、当該ポケットの前記回転軸方向への最深部から前記保持器の他方側の側面までのポケット底厚をt、前記玉の直径をdaとした場合、1.02×da≦d≦1.06×da、且つ、0.45×da≦w≦0.55×da、且つ、0.40×da≦t≦0.50×da、且つ、0.15×da≦a1、且つ、0.15×da≦a2なる関係に設定する。
この場合、前記歯科用ハンドピースは、その回転切削工具が30万rpm以上の高速で回転される。
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る転がり軸受は、回転軸を中心に相対回転可能に対向配置された内輪及び外輪と、当該内外輪間で転動する複数の玉を備え、歯科治療に用いる回転切削工具を着脱自在に装着可能な歯科用ハンドピースに使用される。かかる転がり軸受において、各玉は、上述した軸受用保持器により、所定間隔を成して回転自在に保持されている。
本発明によれば、保持器の製作コストや内外輪の加工コストを抑制することができ、歯科用ハンドピースに用いられる軸受用保持器、及びこれを組み付けた転がり軸受を低コストに製造することができる。また、スムーズに高速(例えば、30万rpm以上)まで加速させることができるとともに、優れた高速回転安定性を有する歯科用ハンドピースに用いられる軸受用保持器、及び転がり軸受を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る軸受用保持器、及び転がり軸受について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る転がり軸受は、歯科治療に用いる回転切削工具を着脱自在に装着可能な歯科用ハンドピース(以下、単にハンドピースという)に使用されており、かかるハンドピースとしては、上述したような従来から知られている各種のストレートハンドピースやアングルハンドピースなどを想定することができる。図5に示すアングルハンドピースを一例として説明すると、かかるハンドピースには、歯科治療時に歯科医師が把持するハンドピース本体20と、その先端に設けられたヘッド部22が備えられており、ヘッド部22には、各種の回転切削工具24を着脱自在に装着できるようになっている。
ヘッド部22には、回転切削工具24を所定方向に所定回転速度で回転させる回転機構が内蔵され、回転切削工具24は、回転機構の回転軸(図示しない)に着脱自在に装着されるようになっている。回転切削工具24の回転速度は、ハンドピースの使用条件や使用態様などに応じて任意に設定されるが、本実施形態においては、30万rpm以上の高速で回転切削工具24を回転させる場合を一例として想定する。その際、図1(a)に示す本実施形態に係る転がり軸受10によって回転軸(図示しない)を回転自在に支持することで、回転切削工具24をスムーズに30万rpm以上の高速まで加速させることを可能とするとともに、当該高速回転時における優れた安定性を実現可能としている。
なお、ハンドピースの構成やその回転機構(図示しない)などは、上述した従来技術を適用することが可能であるため、その説明は省略する。また、ハンドピースの駆動方式としては、エアタービンやエアモータなどのエア駆動方式を適用すればよいが、本実施形態においては、より高速での回転を可能とするエアタービン駆動方式を一例として想定する。
本実施形態において、軸受用保持器(以下、単に保持器という)は、図1(b)に示すような冠型のタイプ(いわゆる冠型保持器)を想定している。かかる保持器8は、図1(a)に示すように、ハンドピース(図5)の回転軸(図示しない)を中心に相対回転可能に対向配置された内輪2及び外輪4と、当該内外輪2,4の軌道溝2s,4s間で転動する複数の玉6を備えたハンドピース用の転がり軸受(以下、単に軸受、あるいはハンドピース用軸受という)10に組み付けられ、所定間隔(一例として、等間隔)で配された複数のポケット8pに玉6を1つずつ挿入した状態で内外輪2,4間を回転する。
なお、内外輪2,4間を回転する際、保持器8は、ポケット8pに挿入された複数の玉6によって案内されており、いわゆる転動体案内(玉案内)の回転形式の保持器として構成されている。保持器8を玉案内形式とすることで、ハンドピース用軸受10への組み付けの際、内輪2あるいは外輪4に案内面を必要としないため、内外輪2,4(例えば、内輪2の外径面2bや外輪4の内径面4a)に対して当該案内面を形成するための表面加工を施さずに済み、当該内外輪2,4の加工コストを低減させることができる。
図1(b)に示すように、保持器8は、回転軸方向の一方側に各玉6(同図(a))をポケット8pに挿入するための開口kを有し、他方側が閉塞された冠型の構造を成している。この場合、保持器8には、玉6を保持するポケット8pと、隣り合うポケット8pを連結する柱部8qとが周方向に沿って交互に設けられ、柱部8qには、開口kを一部覆うように突出した一対の爪部jが設けられており、各ポケット8pに挿入された玉6は、これら爪部jにより挟持された状態で当該ポケット8p内へ回転自在に保持される。
その際、ポケット8pは、挿入されて保持する玉6の表面に沿った凹球面状を成すように表面成形された球面ポケットとして構成されている。すなわち、ポケット8pのポケット面8sは、玉6の直径寸法などに応じて所定の曲率の凹球面を成すように成形すればよいが、詳細については後述する。
ポケット8pの形状を球面ポケットとすることで、高速回転時(30万rpm以上を想定)であっても、当該ポケット8pに玉6を非常に安定して保持することができ、ハンドピース用軸受10の回転トルクを低減させることができる。この結果、軸受10をスムーズに高速まで加速させることができるとともに、軸受10の高速安定性を格段に高めることができる。
ここで、ハンドピース用軸受10には、図1(a)に示すように、内外輪2,4の間の両側に、密封部材として非接触型のシールド(例えば、ステンレス板、鉄板等の薄い金属板からプレス成形されたシールドなど)12が介在されている。このようにシールド12を設けることで、軸受10の外部から内部への異物(例えば、水や塵埃など)の侵入を防止することができるとともに、軸受内部に潤滑剤(例えば、グリースや潤滑油など)を封入した場合、当該潤滑剤の軸受外部への漏洩を有効に防止することができる。
そして、この場合、保持器8をハンドピース用軸受10に組み付ける際には、図1(a)に示すように、その開口k側をシールド12の配設側に位置付けて当該保持器8をハンドピース用軸受10に対して組み付ければよい。これにより、軸受10の内部を外部から遮蔽し、その内部を密封状態(気密状態及び液密状態)に保つことができる。
なお、ポケット8pは、保持器8が組み付けられるハンドピース用軸受10の使用条件や使用態様などに基づいて予め設定される組込玉数と同じ数だけ保持器8に対して設ければよい。そして、このように設定された数のポケット8pを所定間隔(一例として等間隔)で配することが可能となるように、柱部8qの大きさ、形状及び数を任意に設定し、保持器8を構成すればよい。
一例として、図1(b)には、8個の玉6(同図(a))を保持することが可能となるように、8つのポケット8pが等間隔で配されるとともに、これらのポケット8pを8つの柱部8qで相互に連結した保持器8の構成を示している。ただし、保持器の構成はこれに限定されず、例えば、7個以下の玉6、あるいは9個以上の玉6を保持可能な保持器構成であってもよく、その設定数と同数のポケット8pと柱部8qを相互に連結させて保持器を構成すればよい。
また、保持器8の材質は、当該保持器8が組み付けられるハンドピース用軸受10の使用条件や使用態様、保持する玉6の材質などに応じて任意に設定すればよいが、本実施形態においては、耐熱性を有する樹脂組成物で成形されており、当該樹脂組成物のベース樹脂がガラス繊維及びカーボン繊維の少なくとも一方を配合したポリフェニレンサルファイド(PPS)、あるいは、当該ガラス繊維及びカーボン繊維の少なくとも一方を配合したポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のいずれかで構成されている場合を想定する。なお、耐熱性のみならず、耐吸水性に優れた樹脂組成物で保持器8を構成してもよい。また、保持器8に対してあらかじめ潤滑剤(例えば、潤滑油やグリースなど)を含浸させておいてもよい。
このような材質とすることで、保持器8を射出成形することが可能となり、耐熱性に優れた保持器8を容易に製作することができるとともに、その製作コストを低減させることができる。なお、保持器8を射出成形することで、ポケット8pを球面ポケットとすること、すなわち、ポケット8pのポケット面8sを所定の曲率の凹球面を成すように容易に成形することができる。また、保持器8に対して設けるポケット8pの数も容易に調整することができ、ハンドピース用軸受10の使用条件や使用態様などに応じて保持器8の組込玉数を柔軟に変更することができる。
ここで、保持器8並びにそのポケット8pの大きさや形状は、当該保持器8が組み付けられるハンドピース用軸受10の大きさや形状などに応じて任意に設定されるが、本実施形態においては、当該保持器8、そのポケット8p、及び玉6との相対的な大きさ及び形状の関係を以下のように設定している。
すなわち、図1(b),(c)に示すように、保持器8のポケット8pの径寸法をd、玉6の直径をdaとした場合、ポケット径寸法dが玉径daの102%以上で、且つ106%以下の寸法に設定されている(1.02×da≦d≦1.06×da)。
また、保持器8の外内径の寸法差の半分値、すなわち保持器8の幅をwとした場合、保持器幅wが玉径daの45%以上で、且つ55%以下の寸法に設定されている(0.45×da≦w≦0.55×da)。
さらに、ポケット8pの回転軸方向への最深部から保持器8の他方側(すなわち閉塞側)の側面までの当該保持器8の肉厚(以下、ポケット底厚という)をtとした場合、ポケット底厚tが玉径daの40%以上で、且つ50%以下の寸法に設定されている(0.40×da≦t≦0.50×da)。なお、ポケット底厚tは、保持器8の回転軸方向の肉厚が最も薄い部位(最薄肉部位)に相当する。
そして、保持器8の内径面8aと内輪2の外径面2bとの間のすきまをa1、当該保持器8の外径面8bと外輪4の内径面4aとの間のすきまをa2とした場合、すきまa1が玉径daの15%以上に設定されている(0.15×da≦a1)とともに、すきまa2が玉径daの15%以上に設定されている(0.15×da≦a2)。すなわち、これにより保持器8は玉案内の回転形式となる。
保持器8の保持器幅w、すきまa1、すきまa2、及びポケット8pの径寸法d、ポケット底厚t、並びに、玉6の玉径daをこのような設定とすることで、高速回転時(30万rpm以上を想定)における保持器8の強度を十分に確保することができる。特に、保持器幅w及びポケット底厚tを玉径daに対して上述した寸法設定とすることで、高速回転時(30万rpm以上を想定)においても保持器8に変形が生じることがなく、当該保持器8の高速安定性を格段に向上させることができる。
したがって、本実施形態に係る保持器8を組み付けることで、ハンドピース用軸受10の低コスト化を図ることができるとともに、高速回転時(30万rpm以上を想定)における低トルク化を図ることができ、ハンドピース(具体的には、回転切削工具24)を非常にスムーズに高速まで加速させること(スムーズに回転数を上げること)ができる。
ここで、本実施形態に係る保持器8、そのポケット8p、及び玉6との相対的な大きさ及び形状の関係を上述した関係にそれぞれ設定するとともに、これらの効果を検証すべく、各種の試験を行った。
図2には、ポケットの形状を球面ポケットとした本実施形態に係る保持器(図1(b)に示す保持器8に相当。以下、球面ポケット保持器という)と、ポケットの形状のみを球面ポケットから円筒ポケットへ変更した保持器(以下、円筒ポケット保持器という)を同一の試験条件の下で、40万rpmの高速で回転させた場合のトルクを比較した結果が示されている。なお、この場合、円筒ポケット保持器のトルクの大きさを1とし、当該トルクの大きさに対する球面ポケット保持器のトルクの大きさを示すことで、両保持器のトルクの低減効果を比較している。
図2に示すように、円筒ポケット保持器のトルクの大きさを1とした場合、球面保持器のトルクの大きさはおよそ0.93となり、当該球面保持器によれば、40万rpmの高速回転時において円筒ポケット保持器と比べ、7%程度のトルク低減効果が得られることが上述した試験により検証できた。
図3には、球面ポケット保持器のポケット径と玉径との比率(以下、ポケット径比という)と、当該球面ポケット保持器と円筒ポケット保持器との回転数の比率(以下、回転数比という)の関係が示されている。なお、回転数比は、エアタービンを一定圧のエアで駆動させ、円筒ポケット保持器を組み付けたハンドピース用軸受(以下、比較軸受という)を回転させた場合の回転数(基準回転数)を1とし、球面ポケット保持器を組み付けたハンドピース用軸受(以下、本件軸受という)を同一圧下でエア駆動させた時の回転数の基準回転数に対する比率として設定した。すなわち、回転数比が1よりも大きければ、同一圧下でのエア駆動時における本件軸受の回転数は、比較軸受の回転数よりも大きく、これ以降、回転数比が大きくなるに従って本件軸受の回転数が増大することを示す。
図3に示すように、ポケット径比が1.02よりも小さい場合、回転数比は1よりも小さくなり、本件軸受の回転数は比較軸受よりも小さいことが判明した。これに対し、ポケット径比が1.02〜1.08程度の場合、回転数比は1よりも大きく(およそ1.11〜1.15程度)、本件軸受の回転数を比較軸受よりも増大可能であることが判明した。ただし、ポケット径比が1.06を超えたあたりから、球面ポケット保持器の振動が大きくなった。なお、ポケット径比が1.08以上の場合、回転数比は略1となり、本件軸受の回転数が比較軸受と同程度になることも判明した。
以上の結果を考慮すれば、ポケット径比は1.02〜1.06程度に設定することが最適であるものと考えられる。すなわち、保持器8において、ポケット径寸法dの最適設定範囲は、玉径daの102%以上で、且つ106%以下の寸法であること(1.02×da≦d≦1.06×da)が上述した試験により検証できた。
図4には、球面ポケット保持器の外内径の寸法差の半分値(保持器幅)と玉径との比率(以下、保持器内外径比という)と、前記回転数比の関係が示されている。
図4に示すように、保持器内外径比が20%〜55%程度の場合、回転数比は1以上(およそ1.0〜1.2程度)で、本件軸受の回転数を比較軸受よりも増大可能であることが判明した。ただし、保持器内外径比を20%〜55%程度に設定した場合、別途の耐久試験を行った結果、高速回転による遠心力で球面ポケット保持器が開き、本件軸受の回転数が急激に低下した。
以上の結果を考慮すれば、保持器内外径比は45%〜55%程度に設定することが最適であるものと考えられる。すなわち、保持器8において、保持器幅wの最適設定範囲は、玉径daの45%以上で、且つ55%以下の寸法であること(0.45×da≦w≦0.55×da)が上述した試験により検証できた。
また、特に図示しないが、球面ポケット保持器のポケット底厚tについても、上述した試験と同様に、回転数比との関係を検証した。この結果、保持器8において、ポケット底厚tの最適設定範囲は、玉径daの40%以上で、且つ50%以下の寸法であること(0.40×da≦t≦0.50×da)が上述した試験により検証できた。
さらに、球面ポケット保持器の内径面と内輪外径面との間のすきま、及び球面ポケット保持器の外径面と外輪内径面との間のすきまは、ハンドピースを駆動させるためのエアを抜け易くするとともに、回転数をスムーズに増大させる観点から検証した。この結果、保持器8において、すきまa1及びすきまa2の最適設定範囲は、いずれも玉径daの15%以上であること(0.15×da≦a1、及び0.15×da≦a2)が検証できた。
本発明の一実施形態に係る転がり軸受、及び軸受用保持器の構成を示す図であって、(a)は、転がり軸受の断面図、(b)は、軸受用保持器(冠型保持器)の全体構成を示す斜視図、(c)は、保持器のポケット部分の拡大斜視図。 球面ポケット保持器と円筒ポケット保持器の回転トルクの関係を示す図。 ポケット径比と回転数比の関係を示す図。 保持器内外径幅比と回転数比の関係を示す図。 歯科用ハンドピースの全体構成例を示す概略図。 従来の軸受用保持器の全体構成を示す斜視図。
符号の説明
2 内輪
2b 内輪外径面
4 外輪
4a 外輪内径面
6 玉
8 保持器
8a 保持器内径面
8b 保持器外径面
8p ポケット
10 転がり軸受
a1 保持器内径面と内輪外径面との間のすきま
a2 保持器外径面と外輪内径面との間のすきま
d ポケット径寸法
da 玉径
k 保持器開口
t ポケット底厚
w 保持器幅

Claims (3)

  1. 回転軸を中心に相対回転可能に対向配置された内輪及び外輪と、当該内外輪間で転動する複数の玉を備え、歯科治療に用いる回転切削工具を着脱自在に装着可能な歯科用ハンドピースに使用される転がり軸受に組み付けられ、所定間隔で配された複数のポケットに前記玉を1つずつ挿入した状態で前記内外輪間を回転する軸受用保持器であって、
    前記回転軸方向の一方側に各玉を前記ポケットに挿入するための開口を有し、他方側が閉塞された構造を成し、前記ポケットに挿入された複数の玉によって案内される転動体案内で回転されるとともに、
    耐熱性を有する樹脂組成物で成形され、当該樹脂組成物のベース樹脂がガラス繊維及びカーボン繊維の少なくとも一方を配合した、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルエーテルケトンのいずれかで構成され、
    前記ポケットは、挿入される玉の表面に沿った凹球面状を成しており、
    前記軸受用保持器の外内径の寸法差の半分値をw、当該保持器の内径面と前記内輪の外径面との間のすきまをa1、当該保持器の外径面と前記外輪の内径面との間のすきまをa2、前記ポケットの径寸法をd、当該ポケットの前記回転軸方向への最深部から前記保持器の他方側の側面までのポケット底厚をt、前記玉の直径をdaとした場合、
    1.02×da≦d≦1.06×da、且つ、0.45×da≦w≦0.55×da、且つ、0.40×da≦t≦0.50×da、且つ、0.15×da≦a1、且つ、0.15×da≦a2なる関係に設定されていることを特徴とする軸受用保持器。
  2. 前記歯科用ハンドピースは、その回転切削工具が30万rpm以上の高速で回転されることを特徴とする請求項1に記載の軸受用保持器。
  3. 回転軸を中心に相対回転可能に対向配置された内輪及び外輪と、当該内外輪間で転動する複数の玉を備え、歯科治療に用いる回転切削工具を着脱自在に装着可能な歯科用ハンドピースに使用される転がり軸受であって、
    各玉は、請求項1又は2に記載の軸受用保持器により、所定間隔を成して回転自在に保持されていることを特徴とする転がり軸受。
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