JP2009197932A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】障害物との衝突の可能性があるときに、運転者の衝突回避意思の有無に応じて自動変速機のシフトポジションを柔軟に設定可能な、車両の制御装置を提供する。
【解決手段】SBW−ECU50は、前方衝突不可避検出部81により、前方の物体と車両との衝突が不可避であることが検出された場合、あるいは後方衝突不可避検出部82により、後方の物体と車両との衝突が不可避であることが検出された場合において、シフト切替え機構48を制御することにより、シフトポジションをニュートラルポジションとするニュートラル制御を実行する。ただし、シフト制御装置10は、運転者によるブレーキ操作が実行されている場合には、ニュートラル制御を禁止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の制御装置に関し、特に、自動変速機のシフトポジションを制御する技術に関する。
従来より、運転者によるシフトレバーの操作に従い自動変速機のシフトポジション(以下の説明においてはレンジともいう)をアクチュエータにより切替えるシフト切替機構が知られている。たとえば特開2004−92849号公報(特許文献1)は、障害物検出装置を搭載する車両に備えられ、アクチュエータによってレンジ切替えを行なう車両用自動変速機のレンジ切替装置を開示する。この装置は、障害物検出装置によって障害物の近接が検知されると、エンジンの動力伝達を遮断するレンジ(P(パーキング)レンジ、あるいはN(ニュートラル)レンジ)に強制的に切替える。上記文献によれば、車両が障害物に近づきつつあるときに、エンジンの動力伝達を遮断するレンジに強制的に切替えられることで、運転者がアクセルを踏んでいたとしても障害物への接近が抑止されて障害物との衝突を回避することができると説明されている。
特開2004−92849号公報 特開2003−65430号公報 実開平6−40510号公報
しかしながら、レンジが強制的に切り換わった場合には、運転者による車両の操作が制限される。運転者が、障害物との衝突の可能性を認識し、かつ、その衝突を回避可能と考えているにもかかわらず、車両の操作が制限された場合、運転者の不安が増す可能性がある。しかしながら、特開2004−92849号公報(特許文献1)では、このような問題については触れられていない。
本発明の目的は、障害物との衝突の可能性があるときに、運転者の衝突回避意思の有無に応じて自動変速機のシフトポジションを柔軟に設定可能な、車両の制御装置を提供することである。
本発明は要約すれば、駆動源と、自動変速機と、駆動源からの駆動力を自動変速機に伝達する摩擦係合要素とを備える車両の制御装置である。制御装置は、車両に対して相対的に近づく物体が存在することを示す情報に基づいて、車両と物体との衝突が不可避であることを検出する検出部と、車両の挙動を制御するために、車両の運転者により操作される操作装置と、制御部とを備える。制御部は、検出部により衝突が不可避であることが検出された場合において、操作装置が操作されていない状態では摩擦係合要素を解放させるニュートラル制御を実行する一方、操作装置が操作された状態ではニュートラル制御を非実行とする制御部とを備える。
好ましくは、操作装置は、ブレーキ装置を含む。
好ましくは、検出部は、車両の進行方向の前方に位置する物体と、車両との衝突が不可避であることを検出する。
好ましくは、検出部は、車両の進行方向の後方に位置する物体と、車両との衝突が不可避であることを検出する。
好ましくは、検出部は、車両の進行方向の前方に位置する物体と、車両との衝突が不可避であることを検出するための第1の衝突不可避検出装置と、車両の進行方向の後方に位置する物体と、車両との衝突が不可避であることを検出するための第2の衝突不可避検出装置とを含む。
好ましくは、制御部は、自動変速機のシフトポジションを切替える切替機構と、切替機構を駆動するアクチュエータ部と、検出部の検出結果および操作装置の操作結果に基づいて、自動変速機のシフトポジションがニュートラルポジションに切替わるようにアクチュエータ部を制御するシフト制御部とを含む。
本発明によれば、障害物との衝突の可能性があるときに、運転者の衝突回避意思の有無に応じて、自動変速機のシフトポジションを柔軟に設定可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の概略ブロック図である。図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両を説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、本実施の形態に係る制御装置を搭載した車両は、FF以外の車両であってもよい。
車両200は、エンジン1と、前輪2と、後輪3と、シフト制御システム10と、前突衝突不可避検出部81と、後突衝突不可避検出部82とを含む。
エンジン1は、車両200の駆動源である。エンジン1は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。なお、車両の100の駆動源は、エンジン1等の内燃機関に限定されるものではない。たとえば、駆動源として、内燃機関に代えて、あるいは内燃機関に加えてモータが搭載されていてもよい。
シフト制御システム10は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する自動変速機30を含む。図示しないが、自動変速機30の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤと噛合っている。ディファレンシャルギヤにはドライブシャフトがスプライン嵌合などによって連結されている。ドライブシャフトを介して、前輪2に動力が伝達される。
なお、シフト制御システム10は、いわゆるシフトバイワイヤ方式のシフト操作装置を備えている。シフト制御システム10の構成の詳細は後述するが、こうした方式のシフト操作装置では、運転者によるシフトレバーの操作がセンサやスイッチ(センサ類)によって検出され、その検出信号に応じて、複数のシフトポジション(以下の説明においてはレンジと呼ぶ場合もある)の中の1つのポジションが選択される。複数のシフトポジションには、前進走行ポジション(以下、「Dポジション」と記載する)、後進走行ポジション(以下、「Rポジション」と記載する)、ニュートラルポジション(以下、「Nポジション」と記載する)、パーキングポジション(以下、「Pポジション」と記載する)が含まれる。
前突衝突不可避検出部81は、車両200の前方の物体と車両200との衝突が不可避な状態となったときに、その状態を検出する。後突衝突不可避検出部82は、車両200の後方の物体と車両200との衝突が不可避な状態になったときにその状態を検出する。なお、前突衝突不可避検出部81および後突衝突不可避検出部82の両方が必ず車両200に搭載されるものと限定されず、いずれか一方のみ車両200に搭載されていてもよい。ただし、車両200の衝突回避の可能性を高める上では両方が車両200に搭載されたほうが好ましい。
シフト制御システム10は、前突衝突不可避検出部81により、前方の物体と車両との衝突が不可避であることが検出された場合において、自動変速機30のシフトポジション(レンジ)をNポジションに設定するニュートラル制御を実行する。同様に、シフト制御システム10は、後突衝突不可避検出部82により、後方の物体と車両との衝突が不可避であることが検出された場合において、ニュートラル制御を実行する。ただし、シフト制御システム10は、運転者によるブレーキ操作が実行されている場合には、ニュートラル制御を実行しない。この場合、自動変速機30のシフトポジションは元のままとなる。
ここで、「前方の物体と車両との衝突」とは、本実施の形態に従う車両200が走行中の場合において、車両200の前方の物体が、車両200に相対的に近づくことによって、車両200と衝突することを指す。したがって、「前方の物体」とは地面に対して静止した物体でもよいし、移動している物体(たとえば車両200の前方を走行する車両)でもよい。同様に、「後方の物体と車両との衝突」とは、走行中の車両200の後方の物体が、車両200に相対的に近づくことによって、その物体と車両とが衝突することを指す。この物体とは、たとえば移動している物体(たとえば図1の車両の後方を走行する車両)である。
図2は、本実施の形態に係るシフト制御システム10の構成を示した図である。シフト制御システム10は自動変速機のシフトポジションを制御するためのものであり、本実施の形態に係る車両の制御装置における「制御部」に相当する。
図2を参照して、シフト制御システム10は、シフト操作部20と、アクチュエータ部40と、シフト切替え機構48と、自動変速機30と、SBW(Shift By Wire)−ECU(Electronic Control Unit)50と、ECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)−ECU52と、EFI(Electronic Fuel Injection)−ECU54と、EPB(Electric Parking brake)−ECU55と、VSC(Vehicle Stability Control)−ECU56と、メータ58と、油温センサ60と、アクセル開度センサ62と、車速センサ64と、ブレーキ圧センサ66と、イグニッションスイッチ(IGSW)70とを含む。
シフト操作部20は、Pスイッチ22と、シフトスイッチ24とを含む。アクチュエータ部40は、アクチュエータ42と、出力軸センサ44と、エンコーダ46とを含む。
上述のような構成において、シフト制御システム10は、電気制御によりシフトポジションを切替えるシフトバイワイヤシステムとして機能する。具体的にはシフト切替え機構48がアクチュエータ42により駆動されてシフトポジションの切替えを行なう。
Pスイッチ22は、シフトポジションをパーキングポジション(以下、「Pポジション」と記載する)とパーキング以外のポジション(以下、「非Pポジション」と記載する)との間で切替えるためのスイッチであり、スイッチの状態をドライバに示すためのインジケータおよびドライバからの指示を受付ける入力部(いずれも図示せず)を含む。ドライバは、入力部を通じて、シフトポジションをPポジションに入れる指示を入力する。入力部はモーメンタリスイッチであってもよい。入力部が受付けたドライバからの指示を示すP指令信号は、SBW−ECU50に送信される。なお、このようなPスイッチ22以外により、非PポジションからPポジションにシフトポジションを切替えるものであってもよい。
SBW−ECU50は、イグニッションスイッチ70(たとえばキースイッチ)が運転者により操作されることによって、以下の各種制御処理を実行する。
SBW−ECU50は、シフトポジションをPポジションと非Pポジションとの間で切替えるために、シフト切替え機構48を駆動するアクチュエータ42の動作を制御し、現在のシフトポジションの状態をメータ58のインジケータ(図示せず)に提示する。シフトポジションが非PポジションであるときにドライバがPスイッチ22の入力部を押下すると、SBW−ECU50はシフトポジションをPポジションに切替えて、インジケータに現在のシフトポジションがPポジションである旨を提示する。
アクチュエータ42は、スイッチドリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」と記載する)により構成され、SBW−ECU50からのアクチュエータ制御信号を受信してシフト切替え機構48を駆動する。エンコーダ46は、アクチュエータ42と一体的に回転し、SRモータの回転状況を検出する。本実施の形態のエンコーダ46は、A相、B相およびZ相の信号を出力するロータリーエンコーダである。SBW−ECU50は、エンコーダ46から出力される信号を取得してSRモータの回転状況を把握し、SRモータを駆動するための通電の制御を行なう。
シフトスイッチ24は、シフトポジションを前進走行ポジション(Dポジション)、後進走行ポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)などのポジションに切替えたり、またPポジションに切替えられているときには、Pポジションを解除したりするためのスイッチである。シフトスイッチ24が受付けたドライバからの指示を示す切替え信号(以下、シフト信号ともいう)はSBW−ECU50に送信される。すなわち、シフトスイッチ24は、運転者により操作された操作部材(たとえば、シフトレバー)の位置に対応したシフトポジションを示すシフト信号をSBW−ECU50に送信する。SBW−ECU50は、ドライバからの指示を示すシフト信号に基づき、アクチュエータ42により、自動変速機30におけるシフトポジションを切替える制御を行なうとともに、現在のシフトポジションの状態をメータ58に提示する。
より具体的には、SBW−ECU50は、シフトスイッチ24から受信するシフト信号に基づくシフトレバーの位置に対応するシフトポジションと、エンコーダ46等により検出される、アクチュエータ42の回転量に基づくシフトポジションとが異なると、シフトレバーの位置に対応するシフトポジションに切り換わるように、アクチュエータ42を駆動する。
本実施の形態において、自動変速機30は、有段式自動変速機であるとして説明するが、特にこれに限定されるものではなく、たとえば、無段式自動変速機であってもよい。自動変速機30には、たとえば、マニュアルバルブ等の各種バルブを含む油圧回路が設けられ、油圧回路における油圧変化により、シフトポジションおよび動力伝達状態が変化される。より具体的には、自動変速機30には、プラネタリーギヤユニット、すなわち遊星歯車機構と、遊星歯車機構の各回転要素(すなわち、サンギヤ、キャリアおよびリングギヤ等)の回転の態様を変化させるブレーキ要素およびクラッチ要素などの摩擦係合要素とが設けられる。
マニュアルバルブにはその内部を摺動するようにスプール弁が設けられる。スプール弁が各シフトポジションに対応する位置に移動されると、移動された位置に応じて油圧回路における油圧が変化する。
このとき、油圧回路における油圧の変化に応じて、摩擦係合要素における係合力が変化して、自動変速機30は、各シフトポジションに対応した状態に変化する。すなわち、自動変速機30におけるエンジンから駆動輪への動力伝達状態(たとえば、前進、後進、動力遮断のいずれかの状態あるいは変速比)が変化する。これらの摩擦係合要素における係合力は、油圧回路に設けられた各種ソレノイドバルブを用いてECT−ECU52により制御される。
シフト切替え機構48は、アクチュエータ42に連結されるシャフトを含む。シャフトには、後述するディテントプレートが設けられる。ディテントプレートは、ロッド等を介在させて自動変速機30のマニュアルバルブのスプール弁に連結される。なお、マニュアルバルブのスプール弁は、シャフトに直接連結されるようにしてもよい。
シャフトは、アクチュエータ42により回転される。また、シャフトの回転により、スプール弁が各シフトポジション(すなわち、Dポジション、RポジションおよびNポジション)に対応する位置に移動可能となる。
すなわち、アクチュエータ42がDポジションに対応する回転位置になると、スプール弁がDポジションに対応する位置に移動される。また、アクチュエータ42がRポジションに対応する回転位置になると、スプール弁がDポジションに対応する位置に移動される。さらに、アクチュエータ42がNポジションに対応する回転位置になると、スプール弁がNポジションに対応する位置に移動される。
本実施の形態において、アクチュエータ42は、回転駆動する電動機であるとして説明するが、特に、回転駆動に限定されるものではなく、たとえば、直線駆動するものであってもよい。また、アクチュエータ42は、電動機に特に限定されるものではない。
出力軸センサ44は、シャフト102の回転位置を検出する。具体的には、SBW−ECU50に接続され、シャフト102の回転角度を示す信号(回転位置信号)をSBW−ECU50に送信する。SBW−ECU50は、受信した回転位置を示す信号に基づいてシフトポジションを検出する。SBW−ECU50のメモリには、各シフトポジションに対応する予め定められた出力値の範囲が定められ、SBW−ECU50は、受信したシャフト102の回転角度を示す信号が、各シフトポジションに対応する範囲のいずれに対応するかを判定することにより、現在選択されているシフトポジションを判定する。また、本実施の形態において出力軸センサ44の出力値の変化はシャフト102の回転位置(角度)の変化に対して線形の関係となるものとする。出力軸センサ44は、アクチュエータ42の作動量に対応する物理量であるシャフト102の回転角度を検出するものである。
また、油温センサ60は、自動変速機30内の作動油の温度(以下、油温と記載する)を検出する。油温センサ60は、ECT−ECU52に接続され、検出された油温を示す信号をECT−ECU52に送信する。ECT−ECU52は、油温センサ60から受信した油温を示す信号をSBW−ECU50に送信する。
アクセル開度センサ62は、アクセルペダルの操作量を検出する。アクセル開度センサ62は、EFI−ECU54に接続され、検出されたアクセル開度を示す信号をEFI−ECU54に送信する。EFI−ECU54は、アクセル開度センサ62から受信したアクセル開度を示す信号をSBW−ECU50に送信する。
車速センサ64は、車両の速度に対応する物理量を検出する。たとえば、車速センサ64は、車輪の回転数を検出するようにしてもよいし、自動変速機30の出力軸の回転数を検出するようにしてもよいし、あるいは、直接的に車両の速度を検出するようにしてもよい。
本実施の形態において車速センサ64は、VSC−ECU56に接続され、検出された車両の速度を示す車速信号SP1をVSC−ECU56に送信する。VSC−ECU56は、車速センサ64から受信した車両の速度を示す信号をSBW−ECU50に送信する。
ブレーキ圧センサ66は、ブレーキマスタシリンダ(図示せず)内の圧力を検出する。ブレーキ圧センサ66は、VSC−ECU56に接続され、検出されたブレーキ圧を示す信号をVSC−ECU56に送信する。VSC−ECU56は、ブレーキ圧センサ66から受信した、ブレーキ圧を示す信号をSBW−ECU50に送信する。
なお、油温センサ60、アクセル開度センサ62、車速センサ64およびブレーキ圧センサ66は、SBW−ECU50に直接接続されるようにしてもよいし、ECT−ECU52、EFI−ECU54およびVSC−ECU56の少なくともいずれか一つに接続されようにしてもよい。
パーキングブレーキスイッチ57は、運転者により操作される。EPB−ECU55は、パーキングブレーキスイッチ57がオンしたことを示す信号PKBを受けて、SBW−ECU50にパーキングブレーキ信号PKBを伝達するとともに、図示しない電動パーキングブレーキを作動させる。
ストップランプスイッチ72は、ユーザにより操作されるブレーキペダル71のオン/オフ状態を検出し、検出結果を表すブレーキ信号STPをSBW−ECU50に送信する。
ECT−ECU60は、油温センサ60により検出される油温のほか、自動変速機30の状態に関連する物理量(たとえば、タービン回転数、出力軸回転数およびエンジン回転数)に基づいて自動変速機30の変速状態を制御する。
EFI−ECU54は、アクセル開度センサ62により検出されるアクセル開度のほか、エンジンの状態に関連する物理量(たとえば、水温、吸入空気量等)に基づいて内燃機関であるエンジンの出力を制御する。
VSC−ECU56は、ブレーキ圧センサ66により検出されるブレーキ油圧のほか、車両の挙動に関連する物理量(たとえば、車輪速)に基づいてブレーキ油圧を制御する。
メータ58は、車両の機器の状態やシフトポジションの状態などを提示する。また、メータ58には、SBW−ECU50が発したドライバに対する指示や警告などを表示する表示部(図示せず)が設けられる。
SBW−ECU50は、前突衝突不可避検出部81から、自車と、自車の前方の物体との衝突が不可避であることの検出結果を示す信号FRCを受信する。同様に、SBW−ECU50は、後突衝突不可避検出部82から、自車と自車の後方の物体との衝突が不可避であることの検出結果を示す信号RRCを受信する。本実施の形態では、SBW−ECU50は、信号FRC、信号RRC、信号STP、信号PKBに基づいて、シフト切替え機構48を制御する。
図3は、シフト切替え機構48の構成図である。以下では、Pポジション以外のポジションを非Pポジション(R、N、Dの各ポジションを含み、さらにDポジションに加えて1速固定のD1ポジションや、2速固定のD2ポジションを含んでも良い)として説明する。
図3を参照して、アクチュエータ42は、減速機構68を介在させてシャフト102に接続される。すなわち、アクチュエータ42の回転数は、減速機構68により減速されたシャフト102に伝達される。減速機構68は、たとえば複数のギヤにより構成される。
シフト切替え機構48は、アクチュエータ42により回転されるシャフト102、シャフト102の回転に伴って回転するディテントプレート100、ディテントプレート100の回転に伴って動作するロッド104、自動変速機30の出力軸に固定されたパーキングロックギヤ108、パーキングロックギヤ108をロックするためのパーキングロックポール106、ディテントプレート100の回転を制限してシフトポジションを固定するディテントスプリング110およびころ112を含む。ディテントプレート100は、アクチュエータ42により駆動されてシフトポジションを切替える。アクチュエータ42には、エンコーダ46が設けられる。エンコーダ46は、アクチュエータ42の回転量に応じた計数値を取得する計数手段として機能する。
エンコーダ46は、電動機のロータ上に等間隔に配置された磁石とホールICにより回転動作時にパルス信号を発生させ、ロータ回転角度を検出するセンサである。エンコーダ46は、アクチュエータ42の回転量の増加とともに、カウンタ値を増加させる(あるいは、回転する方向が負方向であるとすると、カウンタ値を減少させる)。エンコーダ46におけるカウンタ値を示す信号(以下、計数信号ともいう)は、SBW−ECU50に送信される。SBW−ECU50は、カウンタ値の増加分あるいは減少分に基づいて、アクチュエータ42の回転量を検出する。あるいは、SBW−ECU50は、カウンタ値の増加分あるいは減少分と減速機構68における減速比とに基づいて、シャフト102の回転量を検出するようにしてもよい。
なお、図3の斜視図においては、ディテントプレート100の谷(Pポジション位置)しか示していないが、実際には図3の拡大平面図に示すように、ディテントプレート100には、D、N、R、Pの4つのポジションに対応する4つの谷が存在する。なお、以下においては、D、N、Rの各ポジションを(まとめて)非Pポジションとして、Pポジションと非Pポジションとの切替えについて説明する。
図3は、シフトポジションが非Pポジションであるときの状態を示している。この状態では、パーキングロックポール106がパーキングロックギヤ108をロックしていないので、車両の駆動軸の回転は妨げられない。この状態からアクチュエータ42によりシャフト102を時計回り方向に回転させると、ディテントプレート100を介してロッド104が図2に示す矢印Aの方向に押され、ロッド104の先端に設けられたテーパ部によりパーキングロックポール106が図2に示す矢印Bの方向に押し上げられる。ディテントプレート100の回転に伴ってディテントプレート100の頂部に設けられた二つの谷のうちの一方、すなわち非Pポジション位置120にあったディテントスプリング110のころ112は、山122を乗り越えて他方の谷、すなわちPポジション位置124へ移る。ころ112は、その軸方向に回転可能にディテントスプリング110に設けられている。ころ112がPポジション位置124に来るまでディテントプレート100が回転したとき、パーキングロックポール106は、パーキングロックポール106の突起部分がパーキングロックギヤ108の歯部間に嵌合する位置まで押し上げられる。これにより、車両の駆動軸が機械的に固定され、シフトポジションがPポジションに切り替わる。
本実施の形態に係るシフト制御システム10では、シフトポジション切替え時にディテントプレート100、ディテントスプリング110およびシャフト102などのシフト切替え機構の構成部品に係る負荷を低減するために、SBW−ECU50が、ディテントスプリング110のころ112が山122を乗り越えて落ちるときの衝撃を少なくするように、アクチュエータ42の回転量を制御する。
SBW−ECU50は、エンコーダ46で検出された回転量に基づく、アクチュエータ42の回転位置(ディテントプレート100におけるころ112の相対位置)がPポジションに対応する予め定められた範囲内にあるときには、シフトポジションがPポジションであることを判定する。
一方、SBW−ECU50は、エンコーダ46で検出された回転量に基づく、アクチュエータ42の回転位置が非Pポジション(たとえば、D、R、Nのいずれか)に対応する予め定められた範囲内にあるときには、シフトポジションが非Pポジションであることを判定する。
SBW−ECU50は、エンコーダ46により検出されるカウンタ値に基づいてアクチュエータ42の回転量を検出する。
SBW−ECU50は、規制部材により規制されたアクチュエータの回転位置に基づいて、複数のシフトポジションのうちの少なくとも一つのシフトポジションの位置を設定する。したがって、SBW−ECU50は、エンコーダ46により検出されるカウンタ値に基づいてシフトポジションがPポジション、Rポジション、NポジションおよびDポジションのうちのいずれのシフトポジションであるかを判定する。
なお、SBW−ECU50は、エンコーダ46に代えてあるいは加えて出力軸センサ44の出力値に基づいてシフトポジションの位置を判定するようにしてもよい。
図4を参照して、自動変速機30に含まれるプラネタリーギヤユニット3000について説明する。プラネタリーギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3200に接続されている。プラネタリーギヤユニット3000は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と係合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピニオンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と係合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と係合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
図5に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。「○」は係合を表している。「×」は解放を表している。「◎」はエンジンブレーキ時のみの係合を表している。「△」は駆動時のみの係合を表している。この作動表に示された組合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
B2ブレーキ3620と並列にワンウェイクラッチF3660が設けられているため、作動表に「◎」で示されているように、1速ギヤ段(1ST)形成時のエンジン側からの駆動状態(加速時)にはB2ブレーキ3620を係合させる必要は無い。本実施の形態において、ワンウェイクラッチF3660は、1速ギヤ段の駆動時には、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止する。エンジンブレーキを利かせる場合、ワンウェイクラッチF3660は、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止しないのでB2ブレーキ3620を係合する。
トルクコンバータ3200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ3203と、入力軸側のポンプ羽根車3201と、出力軸側のタービン羽根車3202と、ワンウェイクラッチ3204を有し、トルク増幅機能を発現するステータ3205とから構成される。トルクコンバータ3200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサにより検出される。自動変速機の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサにより検出される。
[衝突の不可避の検出]
図6は、前突衝突不可避検出部81および後突衝突不可避検出部82による自車と他車との衝突の不可避を検出する方法例を示した図である。なお、以下に説明する検出方法は一例であって、この方法に限定されるものではないことを確認的に記載する。
図6(A)は、走行中の自車の前方に他車が存在する状態を示した図である。なお他車は走行中でもよいし、停車中でもよい。図6(A)に示されるように、前突衝突不可避検出部81は、自車の進路上に他車がいることを検出するとともに、その位置および自車の速度等を検出する。前突衝突不可避検出部81は、これらの情報に基づいて、他車との衝突が不可避な状態が発生した場合には、その状態を検出する。
図6(B)は、自車の後方に走行中の他車が存在する状態を示した図である。なお自車は停車中であるが走行中でもよい。後突衝突不可避検出部82は、自車の後方に他車がいることを検出するとともに、その位置および自車の速度等を検出する。後突衝突不可避検出部82は、これらの情報に基づいて、他車との衝突が不可避な状態が発生した場合には、その状態を検出する。
[シフトポジション制御]
図7は、前突衝突時にシフトポジションをニュートラルポジションに移行させる処理を示すフローチャートである。図7および図4を参照して、処理が開始されると、ステップS1において、SBW−ECU50はイグニッションスイッチ(IGSW)70がオンしたか否かを判定する。イグニッションスイッチ70がオンしていない場合(ステップS1においてNO)、全体の処理は終了する。一方、イグニッションスイッチ70がオンしている場合(ステップS1においてYES)、処理はステップS2に進む。
ステップS2において、SBW−ECU50はイニシャル処理を実行する。ステップS3において、SBW−ECU50は、VSC−ECU56を介して車速信号SP1を取得し、ストップランプスイッチ72からブレーキ信号STPを取得し、EPB−ECU55を介して、パーキングブレーキ信号PKBを取得する。
ステップS4において、SBW−ECU50は、前突衝突不可避検出部81から前突衝突不可避検出信号FRCを取得する。ステップS5において、SBW−ECU50は、出力軸センサ44より、現在のシフトポジションを示すシフトポジション信号を取得する。
ステップS6において、SBW−ECU50は、前突衝突不可避検出信号FRCがオンであり、かつ、現在のシフトポジションがDポジションかどうかを判定する。信号FRCがオンであることは、自車と、その前方の物体との衝突が不可避であることが前突衝突不可避検出部81により検出されたことを示す。信号FRCがオンであり、かつ、現在のシフトポジションがDポジションである場合(ステップS6においてYES)、処理はステップS7に進む。一方、信号FRCがオンという条件、および、現在のシフトポジションがDポジションであるという条件の少なくとも一方が満たされない場合(ステップS6においてNO)、全体の処理は終了する。
ステップS7において、SBW−ECU50は、ブレーキ信号STPまたはパーキングブレーキ信号PKBがオンしているか否かを判定する。信号STPがオンしていることは、運転者によりブレーキペダルが操作されたことを示す。信号PKBがオンしていることは、運転者によりパーキングブレーキが操作されたことを示す。これら2つの信号の少なくとも1つがオンしている場合(ステップS7においてYES)、SBW−ECU50は、ニュートラル移行許可フラグF_NCONをオフにする(ステップS8)。一方、信号STP,PKBの両方がオフの場合(ステップS7においてNO)、SBW−ECU50は、ニュートラル移行許可フラグF_NCONをオンにする(ステップS9)。
ステップS10において、SBW−ECU50は、ニュートラル移行許可フラグF_NCONがオンしているか否かを判定する。フラグF_NCONがオフしている場合(ステップS10においてNO)、全体の処理は終了する。フラグF_NCONがオンしている場合(ステップS10においてYES)、処理はステップS11に進む。
ステップS11において、SBW−ECU50は、アクチュエータ42を駆動することによって、シフト切替え機構48を駆動させて、シフトポジションをNポジションに移行する。したがって摩擦係合要素が解放される。すなわちステップS11ではニュートラル制御が実行される。
ステップS12において、SBW−ECU50は、EFI−ECU54に対して、シフトポジションがNポジションに移行したことを通知する。EFI−ECU54は、この通知に応じたエンジンの制御(特に限定されないが、たとえば回転数を低下させる)を行なう。
ステップS13において、SBW−ECU50は、メータ58に現在のシフトポジションがNポジションであることを表示させる処理を実行する。ステップS13の処理が終了すると全体の処理が終了する。
図8は、後突衝突時にシフトポジションをニュートラルポジションに移行させる処理を示すフローチャートである。図8および図7を参照して、図8に示したフローチャートは、図7のフローチャートにおけるステップS4,S6の処理を、ステップS4A,S6Aの処理にそれぞれ置き換えたものである。なお、図8に示したフローチャートにおける他のステップの処理は、図7に示したフローチャートにおいて、対応するステップの処理と同様である。
さらに、ステップS4A,S6Aの処理は、ステップS4,S6の処理に対して、「前突衝突不可避検出信号FRC」を「後突衝突不可避検出信号RRC」に置き換えた点で異なるが、他の点についてはステップS4,S6の処理と同様である。
次に、図7および図8の処理について詳しく説明する。まず、自車と他の物体との前突衝突が不可避な状態(ステップS6においてYESの場合)、あるいは、自車と他の物体との後突衝突が不可避な状態(ステップS6AにおいてYESの場合)が発生したとする。このような場合に、運転者のブレーキ操作が行なわれていなければ(ステップS7においてYES)、SBW−ECU50は、ニュートラル移行許可フラグF_NCONをオンにする(ステップS9)。そして、SBW−ECU50はフラグF_NCONがオンである(ステップS10においてYES)ことに応じて、シフトポジションをNポジションに移行させる(ステップS12)。これによって自車が他の物体に衝突した場合においても、たとえば手押し等によって自車を移動させることができる。
また、自車が衝突した状態においては、運転者の正常な判断および車両の的確な操作が困難になると予想される。たとえば衝突直後に運転者が慌ててアクセルペダルを踏み込むことによって、たとえば前突衝突の場合に自車が前方の物体にさらに突っ込んだり、後突衝突の場合に自車の前方の物体(たとえば先行車等)に衝突する可能性が考えられる。しかし、本実施の形態によればシフトポジションをNポジションに切替えることでエンジンと自動変速機との結合が切り離される。これにより上述したような事故(2次被害)の発生の可能性を小さくすることができる。
ただし、前突衝突不可避検出部(または後突衝突不可避検出部)により自車と他の物体との衝突が不可避と検出されていても、運転者が自己の操作によりその衝突を回避可能(あるいはできるだけ回避したい)と判断する場合も考えられる。しかしシフトポジションをNポジションに移行させると車両が慣性で走行した状態となるため、車両の挙動が通常と異なることによって運転者の不安が却って増すことが考えられる。
したがって、本実施の形態では、SBW−ECU50は、運転者によるブレーキ操作(ブレーキペダルまたはパーキングブレーキの操作)を検出した場合(ステップS7においてYES)、ニュートラル移行許可フラグF_NCONをオフにする(ステップS8)。フラグF_NCONがオフである状態は、運転者が衝突回避意思を示した状態に対応する。この場合(ステップS10においてNO)、ニュートラル制御は実行されない。したがってシフトポジションは元のまま(すなわちDポジション)となる。
前突衝突が不可避の状態において、運転者が、少しでも衝突位置がずれるようにハンドル操作を行なったとする。シフトポジションがNポジションであるとタイヤのグリップ力が小さくなることによって車両が滑りやすくなる。しかし、シフトポジションをDポジションのまま変えないことにより、タイヤのグリップ力の低下を防ぐことができる。したがって、運転車の意図したように車両の向きを変えることが可能になる。
また、シフトポジションがNポジションの状態で運転者がブレーキ操作を行なった場合、タイヤの回転を止めてしまう可能性がある。タイヤがロックして滑り始めると、車両の挙動を制御することは難しくなる。本実施の形態では、運転者がブレーキ操作を行なっている場合には、シフトポジションはDポジションのままであり、Nポジションには移行しない。この状態では、車両はわずかであっても駆動されているのでタイヤは低回転する。タイヤが回転することで制動距離を短くすることができるため、衝突を回避できる可能性あるいは、衝突による衝撃を低減できる可能性が高くなる。
一方、後突衝突が不可避な状態においても運転者のブレーキ操作が行なわれた場合(ステップS7においてYES)、SBW−ECU50は、ニュートラル移行許可フラグF_NCONをオフにする(ステップS8)。この場合(ステップS10においてNO)、ニュートラル制御は実行されない。したがって、シフトポジションは元のまま(すなわちDポジション)となる。これにより、前突衝突の場合と同様に、タイヤのグリップ力の低下を防ぐことができる。したがって、運転車の意図したように車両の向きを変えることによって、衝突時の衝撃を小さくすることが可能になる。また、自車の前方に障害物がないことを前提とするが、運転者がアクセルペダルを大きく踏み込むことによって、車両を急加速させて衝突を回避させる(後方の車から離れる)ことも可能になる。
さらに、後突衝突の衝撃によって自車が前方に飛び出した場合において、タイヤの回転が止まっている状態では、車両が路上を滑ることにより車両の向きが制御不能になることが考えられる。しかし、運転者がブレーキ操作を行なっている場合には、シフトポジションはDポジションのままであるので、車両はわずかであっても駆動され、タイヤが回転している。タイヤが回転することによって、車両の姿勢を立て直すことができるので、前方に物体が存在していても、その物体への衝突を回避する可能性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、運転者による衝突回避意思は、前突衝突および後突衝突の両方の場合において、ブレーキ操作(ブレーキペダルあるいはパーキングブレーキ)により示されるものとした。ただし、前突衝突の場合の衝突回避意思がブレーキ操作により示され、後突衝突の場合の衝突回避意思がアクセルペダルの操作によって示されてもよい。
後突衝突が起こりそうになったときには、運転者が後方の車両からできるだけ離れようとしてアクセルペダルを大きく踏み込むことが考えられる。したがって、たとえば、後突衝突不可避検出部により、後突衝突が不可避な状態が検出され、かつ、アクセルペダルの操作量が所定量より大きいときには、ニュートラル制御を非実行としてもよい。このように、本発明は、車両の挙動を制御するために運転者により操作される装置が実際に操作されていればニュートラル制御を非実行とするものであり、その操作装置はブレーキ装置に限定されるものではない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の概略ブロック図である。 本実施の形態に係るシフト制御システム10の構成を示した図である。 シフト切替え機構48の構成図である。 プラネタリーギヤユニットを示すスケルトン図である。 各ギヤ段と、各ブレーキおよび各クラッチの対応を表した作動表を示す図である。 前突衝突不可避検出部81および後突衝突不可避検出部82による自車と他車との衝突の不可避を検出する方法例を示した図である。 前突衝突時にシフトポジションをニュートラルポジションに移行させる処理を示すフローチャートである。 後突衝突時にシフトポジションをニュートラルポジションに移行させる処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン、2 前輪、3 後輪、10 シフト制御システム、20 シフト操作部、22 Pスイッチ、24 シフトスイッチ、30 自動変速機、40 アクチュエータ部、42 アクチュエータ、44 出力軸センサ、46 エンコーダ、48 シフト切替え機構、50 SBW−ECU、52 ECT−ECU、54 EFI−ECU、55 EPB−ECU、56 VSC−ECU、57 パーキングブレーキスイッチ、58 メータ、60 油温センサ、62 アクセル開度センサ、64 車速センサ、66 ブレーキ圧センサ、68 減速機構、70 イグニッションスイッチ、71 ブレーキペダル、72 ストップランプスイッチ、81 前突衝突不可避検出部、82 後突衝突不可避検出部、100 ディテントプレート、102 シャフト、104 ロッド、106 パーキングロックポール、108 パーキングロックギヤ、110 ディテントスプリング、200 車両、3000 プラネタリーギヤユニット。

Claims (6)

  1. 駆動源と、自動変速機と、前記駆動源からの駆動力を前記自動変速機に伝達する摩擦係合要素とを備える車両の制御装置であって、
    前記車両に対して相対的に近づく物体が存在することを示す情報に基づいて、前記車両と前記物体との衝突が不可避であることを検出する検出部と、
    前記車両の挙動を制御するために、前記車両の運転者により操作される操作装置と、
    前記検出部により前記衝突が不可避であることが検出された場合において、前記操作装置が操作されていない状態では前記摩擦係合要素を解放させるニュートラル制御を実行する一方、前記操作装置が操作された状態では前記ニュートラル制御を非実行とする制御部とを備える、車両の制御装置。
  2. 前記操作装置は、ブレーキ装置を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記検出部は、前記車両の進行方向の前方に位置する前記物体と、前記車両との衝突が不可避であることを検出する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記検出部は、前記車両の進行方向の後方に位置する前記物体と、前記車両との衝突が不可避であることを検出する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  5. 前記検出部は、
    前記車両の進行方向の前方に位置する物体と、前記車両との衝突が不可避であることを検出するための第1の衝突不可避検出装置と、
    前記車両の進行方向の後方に位置する物体と、前記車両との衝突が不可避であることを検出するための第2の衝突不可避検出装置とを含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  6. 前記制御部は、
    前記自動変速機のシフトポジションを切替える切替機構と、
    前記切替機構を駆動するアクチュエータ部と、
    前記検出部の検出結果および前記操作装置の操作結果に基づいて、前記自動変速機のシフトポジションがニュートラルポジションに切替わるように前記アクチュエータ部を制御するシフト制御部とを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
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WO2023125127A1 (zh) * 2021-12-29 2023-07-06 长城汽车股份有限公司 新能源车辆安全保护方法、装置、车辆及存储介质

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