JP2009197913A - 摩擦係合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パッククリアランスを自動的に調整することができ簡易な構造の摩擦係合装置を提供する。
【解決手段】 自動パック調整機構20は、クラッチピストン13に具えられ、該ピストンとクラッチプレート14とのパッククリアランスが一定となるように、クラッチピストンによる摩擦係合装置10の断続動作を1サイクル行うことによりクラッチピストンとクラッチプレート13との間隙を自動調整する。これにより、従来のように多数の複雑な工程は不要であり、大幅な工数低減を図ることができる。また、種々の厚さを有する組み替え用のクラッチプレートを在庫として保守・管理する必要が無いので、該保守・管理コストを削減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油圧サーボ装置により油圧を係脱シリンダ内に給排して係脱ピストンを係合部材に離接させて摩擦係合手段を係脱させる摩擦係合装置に関し、特に係脱ピストンと係合部材とのパッククリアランスを常に一定となるように自動調整することができる摩擦係合装置に関する。
特許文献1に記載された自動変速機の多板クラッチにおいては、リテーナに複数のクラッチプレートが横方向に移動可能なように設けられ、このクラッチプレートの各間隙にそれぞれ位置したクラッチディスクがハブに連結されて設けられている。そして、リテーナとハブとの間にはリテーナ上でスライド移動するピストンと位置固定されたスプリングリテーナが設けられ、このスプリングリテーナにはピストンを弾支するスプリングが設けられている。
特開2005−98481号公報(段落〔0006〕、図1)
特許文献1に記載の自動変速機の多板クラッチでは、ピストンとクラッチプレートのパッククリアランスを調整する際には、多板クラッチを仮組みし、クラッチプレート間の距離やクラッチプレートの端部からピストンの端部までの距離等を測定する。そして、所望のパッククリアランスとなるように上記距離から割り出した所定厚の組み替え用のクラッチプレートを選択し、仮組みしたクラッチプレートと交換して多板クラッチを本組みする。このように、パッククリアランス調整には多数の複雑な工程が必要であり、手間が掛かると共にある程度熟練した技術が必要である。また、種々の厚さを有する組み替え用のクラッチプレートを在庫として保守・管理しておく必要がある。
本発明は、パッククリアランスを自動的に調整することができる簡易な構造の摩擦係合装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、係脱シリンダ内に油圧が供給されると、該係脱シリンダに嵌合された係脱ピストンにより係合部材が押動されて摩擦係合手段が係合し、前記係脱シリンダ内から油圧が排出されると、係脱ピストン用弾性部材の弾性力により前記係脱ピストンが前記係合部材から開離されて前記摩擦係合手段が離脱する油圧サーボ装置を備えた摩擦係合装置において、前記係脱ピストンと前記係合部材との間のパッククリアランスが一定となるように、前記係脱ピストンによる前記摩擦係合手段の係脱動作を1サイクル行うことにより前記係脱ピストンと前記係脱シリンダの底面との間隙を自動調整する自動パック調整機構が前記係脱ピストンに備えられていることである。
請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記自動パック調整機構は、前記係脱ピストンに具えられ、前記係脱シリンダ側に所定距離を往復移動自在なパック調整ピストンと、該調整ピストンを前記係脱シリンダ側に押圧する第1調整用弾性部材と、前記パック調整ピストンに具えられ、前記係脱シリンダ側にのみ移動可能なパック調整部材と、該調整部材を前記係脱シリンダ側に押圧する第2調整用弾性部材とを具備することである。
請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、請求項2において、前記パック調整部材は、前記パック調整ピストンに設けられているめねじに螺合可能なおねじを備え、前記おねじ及びめねじのねじ山の両側のフランクはフランク角が異なり、前記ねじ山の両側のフランクのうちの前記第2調整用弾性部材の弾性力により当接される遊び側フランクのフランク角が反対側の圧力側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されていることである。
請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、請求項2又は3において、前記第1調整用弾性部材の弾性率は、前記係脱ピストン用弾性部材の弾性率よりも小さく、前記第2調整用弾性部材の弾性率は、前記第1調整用弾性部材の弾性率よりも小さいことである。
請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記摩擦係合手段は、相対回転可能な第1部材及び第2部材のうちの第1部材にスプライン嵌合された複数のクラッチプレートと該クラッチプレートと交互に配置され前記第2部材にスプライン嵌合されたクラッチディスクとを備えた摩擦クラッチであり、前記係合部材が、前記複数のクラッチプレートのうちの前記ピストンと対向するクラッチプレートであることである。
請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記摩擦係合手段は、回転部材と、該回転部材を取り巻いて配置され一端がケースに連結され他端に前記係合部材が固定されたブレーキバンドを備えたバンドブレーキであることである。
請求項7に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の摩擦係合装置にして、エンジンによって回転駆動される流体トルクコンバータの出力回転を変速する自動変速機のクラッチ又はブレーキに適用されることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、摩擦係合装置を組み立てた後に油圧サーボ装置を作動させて係脱ピストンを係合部材に離接させることにより、係脱ピストンと係脱シリンダとの間隙を自動的に調整してパッククリアランスを一定とすることができるため、従来のように多数の複雑な工程は不要であり、大幅な工数低減を図ることができる。また、種々の厚さを有する組み替え用の摩擦係合手段を在庫として保守・管理する必要が無いので、該保守・管理コストを削減することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、係脱ピストンが係合部材に係合するときは、パック調整ピストンが第1調整用弾性部材により係合シリンダ側に押圧され所定距離移動して係合ピストンと当接すると共に、パック調整部材が第2調整用弾性部材により係合シリンダ側に押圧され移動して該シリンダと当接する。そして、係合ピストンが係合部材から離脱するときは、パック調整部材は係合シリンダ側に一方向のみ移動可能であるため該シリンダに当接したままで、係合ピストンが係合ピストン用弾性部材により係合部材側に押圧され上記所定距離移動してパック調整ピストンと当接する。よって、この所定距離、即ちパック調整ピストンと係合ピストンの相対移動距離がパッククリアランスとなるので、該クリアランスを常に一定となるように自動調整することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、第2調整用弾性部材による押圧力を受けるパック調整部材のおねじとパック調整ピストンのめねじの圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも大きいので、第2調整用弾性部材の押圧によってパック調整部材が遊び側フランクに沿って回転しつつ係合シリンダ側に移動して該シリンダと当接する。一方、第1調整用弾性部材の押圧によってパック調整ピストンが押し込み力を受けても、圧力側フランクにより上記押し込み力を受けるのでパック調整部材の係合部材側への回転移動が抑止される。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、第2調整用弾性部材の弾性率が第1調整用弾性部材の弾性率よりも小さいので、第1調整用弾性部材により係合シリンダ側に押圧されたパック調整ピストンは所定距離移動した後に係合ピストンと当接し、また、第2調整用弾性部材により係合シリンダ側に押圧されたパック調整部材は移動して該シリンダと当接することができる。また、第1調整用弾性部材の弾性率が係合ピストン用弾性部材の弾性率よりも小さいので、係合ピストン用弾性部材により係合シリンダ側に押圧された係合ピストンは上記所定距離移動した後にパック調整ピストンと当接することができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、上記摩擦係合装置を油圧によって作用する多板クラッチや多板ブレーキに適用することができるので、多板クラッチや多板ブレーキの部品コスト、組立工数及び組立コストを大幅に低減することができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、上記クラッチ装置を油圧によって作用するバンドブレーキに適用することができるので、バンドブレーキの部品コスト、組立工数及び組立コストを大幅に低減することができる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、上記クラッチ装置を従来の自動変速機のクラッチやブレーキの稼動部と置き換えることができるので、自動変速機の部品コスト、組立工数及び組立コストを大幅に低減することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るクラッチ装置(摩擦係合装置)を示す概略断面図である。
図1に示すクラッチ装置10では、油圧サーボ装置11が油圧をクラッチシリンダ12(係脱シリンダ)のシリンダ室12a内に給排してクラッチピストン13(係脱ピストン)をクラッチピストン13と対向するクラッチプレート14(係合部材)に離接させるようになっている。
すなわち、図8に示すように、クラッチ装置10は、油圧をシリンダ室12a内に供給し、クラッチピストン13をクラッチプレート14側(図1の右方)に押動させて該プレート14に押圧させることにより、クラッチプレート14を含む複数のクラッチプレート14,51と、該クラッチプレート14,51と交互に配置された複数クラッチディスク53とを圧接させて摩擦クラッチ57(摩擦係合手段)を係合させる。摩擦クラッチ57を構成する複数のクラッチプレート14,51は、第1部材55にスプライン52嵌合され、クラッチディスク53は、第1部材55と相対回転可能な第2部材56にスプライン54係合されているので、摩擦クラッチ57が係合すると第1、第2部材55,56は接続される。
油圧をシリンダ室12a内から排出し、圧縮ばねであるリターンスプリング(ピストン用弾性部材)15の弾性力によりクラッチピストン13をシリンダ12側(図1の左方)に押動させてクラッチプレート14から離脱させることにより、クラッチプレート14,51とクラッチディスク53とを開離させて摩擦クラッチ57を離脱させクラッチ装置10を切断する。クラッチピストン13の外周とクラッチシリンダ12の内周は、外周側シールリング16’及び内周側シールリング16”によりシールされている。また、リターンスプリング15は、クラッチシリンダ12に係合されたスナップリング17に係止されているスプリングリテーナ18とクラッチピストン13の間に配置されている。
そして、このクラッチ装置10には、クラッチピストン13とクラッチプレート14との間のパッククリアランスC(図6参照)を常に一定となるように自動調整する自動パック調整機構20が備えられている。パッククリアランスCとは、リターンスプリング15により後退端に後退されたクラッチピストン13の前端面と、クラッチピストン13が前進してクラッチ装置10を接続したときのクラッチプレート14のクラッチピストン13と対向する面との間の距離である。この自動パック調整機構20は、パック調整ピストン21、ピストン用調整スプリング(第1調整用弾性部材)22、調整スクリュウ(パック調整部材)23及びスクリュウ用調整スプリング(第2調整用弾性部材)24を備えている。そして、少なくとも3つの自動パック調整機構20が、円環状のクラッチピストン13の後端面に等角度配置されている。なお、調整スクリュウ23は、既知のもの(特開2005−127189号公報等参照)が使用される。
パック調整ピストン21は、両端にフランジ21a,21bを有する円筒状に形成されている。そして、クラッチピストン13のクラッチシリンダ12側の後端面に穿設されている円筒穴13a内に軸方向に往復移動自在に挿入されている。この円筒穴13aの開口側内周部には、挿入されたパック調整ピストン21のフランジ21a,21bと当接して該ピストン21の往復移動を所定距離内で規制する小径部13bが環状に設けられている。なお、パック調整ピストン21とクラッチピストン13との組み付け方法は、種々の方法が考えられるが、例えば、フランジ21aを含む部分、小径部13bを含む部分を、パック調整ピストン21の本体部分、クラッチピストン13の本体部分と別体で夫々形成し、これらを、例えば、ボルトのような結合手段にて結合してパック調整ピストン21、クラッチピストン13とすることにより、パック調整ピストン21とクラッチピストン13とを組み付け可能とすることができる。
ピストン用調整スプリング22は、上記円筒穴13aの底面側にさらに穿設されている円筒穴13c内に挿入されている。該スプリング22は圧縮ばねであり、円筒穴13aに挿入されているパック調整ピストン21をクラッチシリンダ12のシリンダ室12aの底面側に付勢する。なお、詳細は後述するが、ピストン用調整スプリング22の弾性率は、リターンスプリング15の弾性率よりも小さくなるように設定されている。
調整スクリュウ23は、円筒穴13aに挿入されたパック調整ピストン21のクラッチシリンダ12の底面側の面に設けられているめねじ25に螺合可能なおねじ26を備えている。図2に示すように、調整スクリュウ23は、パック調整ピストン21に設けられているめねじ25に螺合するおねじ26を備え、互いに螺合おねじ26及びめねじ25のねじ山の両側のフランクはフランク角が異なる。ねじ山の両側のフランクのうち、スクリュウ用調整スプリング24の弾性力により調整スクリュウ23が図2の左方に付勢されることによって当接されるねじ山の一方側の遊び側フランク25b,26bのフランク角f(例えば15°)がねじ山の反対側の圧力側フランク25a,26aのフランク角F(例えば75°)よりも小さい鋸歯状に形成されている。そして、その鋸歯状ねじ山には、スクリュウ用調整スプリング24の弾性力によって遊び側フランク25b,26bが当接されると、調整スクリュウ23が回転しつつ軸方向に移動するリード角が設けられている。また、めねじ25を周方向に分断する複数の軸方向溝25cが形成されている。この軸方向溝25cは、めねじ25とおねじ26のねじ係合面間に介在するオイルの排除効果を高める機能を有する。
スクリュウ用調整スプリング24は、上記めねじ25の底面側にさらに穿設されている円筒穴21c内に挿入されている。スクリュウ用調整スプリング24は圧縮ばねであり、めねじ25に螺合されている調整スクリュウ23をクラッチシリンダ12の底面側に押圧する。なお、詳細は後述するが、スクリュウ用調整スプリング24の弾性率は、ピストン用調整スプリング22の弾性率よりも小さくなるように設定されている。
このような構成によれば、スクリュウ用調整スプリング24の弾性力によって調整スクリュウ23が遊び側フランク25b,26bに沿って回転しつつクラッチシリンダ12の底面側に移動して該シリンダ12底面と当接する。一方、ピストン用調整スプリング22の弾性力によってパック調整ピストン21が押圧されても、圧力側フランク25a,26aによりピストン用調整スプリング22の弾性力を受けるので調整スクリュウ23は回転を阻止されクラッチプレート14側への移動が抑止される。
以上のように構成されたクラッチ装置10のパッククリアランスCが常に一定となるように自動調整する動作を説明する。図1に示すように、クラッチ装置10を組立直後の調整前においては、クラッチピストン13はリターンスプリング15の弾性力によりクラッチシリンダ12の底面側に押圧されて、調整スクリュウ23がクラッチシリンダ12底面に当接してパック調整ピストン21の後退を規制する。調整スクリュウ23はパック調整ピストン21に対してクラッチプレート14側に相対移動できない構造であり、ピストン用調整スプリング22の弾性率はリターンスプリング15の弾性率よりも小さくなるように設定されているので、クラッチピストン13は小径部13bがパック調整ピストン21のフランジ21aと当接するまで移動する。このとき、パック調整ピストン21は円筒穴13a内に押し込まれており、クラッチピストン13とクラッチプレート14は初期クリアランスCIで離間している。
続いて、図3に示すように、油圧サーボ装置11が油圧をクラッチシリンダ12のシリンダ室12aに供給すると、クラッチピストン13が該油圧によりクラッチプレート14側に押圧されて、小径部13bがパック調整ピストン21のフランジ21bと当接するまで移動する。このとき、調整スクリュウ23はクラッチシリンダ12の底面に当接したままであり、パック調整ピストン21は円筒穴13aから突き出ている。
さらに、図4に示すように、油圧サーボ装置11が油圧をシリンダ室12aに供給すると、クラッチピストン13は小径部13bがパック調整ピストン21のフランジ21bと当接したままで該油圧により押動されてクラッチプレート14側に移動し、クラッチプレート14を含む複数のクラッチプレートと複数のクラッチディスクとを圧接させクラッチ装置10を接続して停止する。このとき、調整スクリュウ23は、スクリュウ用調整スプリング24の弾性力によっておねじ26およびめねじ25の遊び側フランク25b,26bが当接され回転しつつクラッチシリンダ12の底面側に移動し、クラッチシリンダ12の底面と当接したままである。
その後、図6に示すように、油圧サーボ装置11が油圧をシリンダ室12aから排出すると、ピストン用調整スプリング22の弾性率はリターンスプリング15の弾性率よりも小さくなるように設定されているので、クラッチピストン13はリターンスプリング15の弾性力により後退されてクラッチプレート14から開離しクラッチシリンダ12の底面側に押圧されてクラッチ装置10を切断する。調整スクリュウ23はパック調整ピストン21に対してクラッチプレート14側に相対移動できない構造であるため、クラッチピストン13は小径部13bがパック調整ピストン21のフランジ21aと当接するまで移動する。このときのクラッチピストン13の移動距離C、すなわちパック調整ピストン21のフランジ21a,21b間を移動するクラッチピストン13の小径部13bの該移動距離Cが調整するパッククリアランスとなる。よって、このクラッチ装置10によれば、該クリアランスCを常に一定となるように自動調整することができる。
本実施形態のクラッチ装置10は、例えば車両の自動変速機のクラッチやブレーキに適用することができる。図7に示す自動変速機30は、図示しないエンジンが入力側に連結される流体伝動装置としてのトルクコンバータ31及びトルクコンバータ31の出力側に連結された前進6速、後進1速の変速機構32から構成されている。トルクコンバータ31は、ポンプインペラ33、タービンランナ34、ステータ35、ステータ35を変速機構32のケース36に一方向の回転のみ許容して支承するワンウェイクラッチ37、ワンウェイクラッチ37のインナレースをケース36に固定するステータシャフト38を備えている。39はポンプインペラ33とタービンランナ34とを直結するロックアップクラッチである。
変速機構32の主要部である変速プラネタリギヤGは、ダブルピニオン型で、大径及び小径サンギヤS1,S3、大径サンギヤS2に直接噛合するとともに小径サンギヤS3にピニオンP3を介して噛合するロングピニオンP2、ロングピニオンP2及びピニオンP3を支持するキャリヤC2(C3)及びロングピニオンP2と噛合するリングギヤR2(R3)から構成されている。大径サンギヤS2は第1ブレーキB−1に連結され、キャリヤC2(C3)は第2クラッチC−2を介して入力軸40に連結されるとともに、ケース36に支持されたワンウェイクラッチF−1及び第2ブレーキB−2に並列に連結されている。
変速機構32の減速プラネタリギヤG1は、シングルピニオン型で、入力要素としてのリングギヤR1が入力軸40に連結され、出力要素としてのキャリヤC1が第1クラッチC−1を介して小径サンギヤS3に連結されるとともに、第3クラッチC−3を介して大径サンギヤS2に連結され、小径サンギヤS1がケース36に固定されて反力を受けるようになっている。このような構成の自動変速機30の第1、第2、第3クラッチC−1,C−2,C−3、第1、第2ブレーキB−1,B−2に本実施形態のクラッチ装置10を適用することができる。
本発明に係る摩擦係合装置としてのクラッチ装置10を自動変速機のクラッチ50に適用した実施の形態は、例えば図8に示すような構成となる。このクラッチ50は、自動パック調整機構20によりクラッチピストン13とクラッチプレート14との間のパッククリアランスCCが既に自動調整された状態にある。複数のクラッチプレート14,51は、クラッチ50によって接離される相対回転可能な第1及び第2部材55,56に夫々スプライン52,54嵌合されている。
クラッチ50は、油圧をシリンダ室12a内に供給し、クラッチピストン13をクラッチプレート14側(図8の右方)に押動させて該プレート14に押圧させることにより、複数のクラッチプレート14,51と、該クラッチプレート14,51と交互に配置された複数のクラッチディスク53とを圧接させて摩擦クラッチ57を係合させ、第1及び第2部材55,56を接続する。一方、油圧をシリンダ室12a内から排出し、圧縮ばねであるリターンスプリング15の弾性力によりクラッチピストン13をシリンダ12側(図8の左方)に押動させてクラッチプレート14から離脱させることにより、クラッチプレート14,51とクラッチディスク53とを開離させてクラッチ50を切断する。
本発明に係る摩擦係脱装置をバンドブレーキに適用した実施の形態は、例えば図9に示すような構成となる。かかるバンドブレーキ60において、摩擦係合手段61は、回転部材62と、該回転部材62を取り巻いて配置され一端がケース63に連結部材64で連結され他端に係合部材65が固定されたブレーキバンド66によって構成される。図9に示す状態は、自動パック調整機構20により係脱ピストン13とブレーキバンド66に固定された係合部材65との間のパッククリアランスCBが既に自動調整された状態にある。
バンドブレーキ60は、油圧をシリンダ室12a内に供給し、係脱ピストン13を係合部材65側(図9の右方)に押動させて該係合部材65に押圧させることにより、ブレーキバンド66の内周と回転部材62の外周とを圧接させて摩擦係合手段61を係合し、回転部材62の回転を規制する。油圧をシリンダ室12a内から排出し、圧縮ばねであるリターンスプリング15の弾性力により係脱ピストン13を係脱シリンダ12側(図9の左方)に押動させて係合部材65から離脱させることにより、ブレーキバンド61の内周と回転部材62の外周とを開離させて摩擦係合手段61を離脱し、回転部材62の回転を許容する。
以上により、部品コスト、組立工数及び組立コストを大幅に低減することができる。そして、従来のような組み替え用のクラッチプレートを在庫として保守・管理しておくことが不要となる。また、クラッチやブレーキの摩擦係合部材の摩擦材の磨耗等によって係脱ピストンストロークが大きくなった場合でも、パッククリアランスは最適値に自動的に調整されるため、変速フィーリングの経時劣化を少なくすることができる。
本発明のクラッチ装置の実施形態を示す概略断面図。 自動パック調整装置のおねじとめねじの螺合状態を示す概略断面図。 図1に示すクラッチ装置の動作を示す概略断面図。 クラッチピストンが前進中の状態を示す概略断面図。 クラッチピストンが前進端で停止しクラッチ装置が接続された状態を示す概略断面図。 クラッチピストンが後退端に後退されパッククリアランスが自動調整された状態を示す概略断面図。 流体トルクコンバータ及び自動変速機を示すスケルトン図。 自動変速機のクラッチに本発明のクラッチ装置を適用した場合を示す概略断面図。 バンドブレーキに本発明のクラッチ装置を適用した場合を示す概略断面図。
符号の説明
10…クラッチ装置、11…油圧サーボ装置、12…クラッチシリンダ、13…クラッチピストン、13a…円筒穴、13b…小径部、21a,21b…フランジ、14…クラッチプレート(係合部材)、15…リターンスプリング、16…シールリング、17…スナップリング、20…自動パック調整装置、21…パック調整ピストン、22…ピストン用調整スプリング(第1調整用弾性部材)、23…調整スクリュウ(パック調整部材)、24…スクリュウ用調整スプリング(第2調整用弾性部材)、25…めねじ、26…おねじ、25a,26a…圧力側フランク、25b,26b…遊び側フランク、25c…軸方向溝、30…自動変速機、32…変速機構、40…入力軸、50…クラッチ、51…クラッチプレート、53…クラッチディスク、55,56…第1、第2部材57…摩擦クラッチ(摩擦係合手段)、60…バンドブレーキ、61…摩擦係合手段、62…回転部材、63…ケース、65…係合部材、66…ブレーキバンド、G…変速プラネタリギヤ、G1…減速プラネタリギヤ、B−1…第1ブレーキ、B−2…第2ブレーキ、C−1…第1クラッチ、C−2…第2クラッチ、C−3…第3クラッチ。

Claims (7)

  1. 係脱シリンダ内に油圧が供給されると、該係脱シリンダに嵌合された係脱ピストンにより係合部材が押動されて摩擦係合手段が係合し、前記係脱シリンダ内から油圧が排出されると、係脱ピストン用弾性部材の弾性力により前記係脱ピストンが前記係合部材から開離されて前記摩擦係合手段が離脱する油圧サーボ装置を備えた摩擦係合装置において、
    前記係脱ピストンと前記係合部材との間のパッククリアランスが一定となるように、前記係脱ピストンによる前記摩擦係合手段の係脱動作を1サイクル行うことにより前記係脱ピストンと前記係脱シリンダの底面との間隙を自動調整する自動パック調整機構が前記係脱ピストンに備えられていることを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 請求項1において、前記自動パック調整機構は、前記係脱ピストンに具えられ、前記係脱シリンダ側に所定距離を往復移動自在なパック調整ピストンと、該調整ピストンを前記係脱シリンダ側に押圧する第1調整用弾性部材と、前記パック調整ピストンに具えられ、前記係脱シリンダ側にのみ移動可能なパック調整部材と、該調整部材を前記係脱シリンダ側に押圧する第2調整用弾性部材とを具備することを特徴とする摩擦係合装置。
  3. 請求項2において、前記パック調整部材は、前記パック調整ピストンに設けられているめねじに螺合可能なおねじを備え、前記おねじ及びめねじのねじ山の両側のフランクはフランク角が異なり、前記ねじ山の両側のフランクのうちの前記第2調整用弾性部材の弾性力により当接される遊び側フランクのフランク角が反対側の圧力側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されていることを特徴とする摩擦係合装置。
  4. 請求項2又は3において、前記第1調整用弾性部材の弾性率は、前記係脱ピストン用弾性部材の弾性率よりも小さく、前記第2調整用弾性部材の弾性率は、前記第1調整用弾性部材の弾性率よりも小さいことを特徴とする摩擦係合装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記摩擦係合手段は、相対回転可能な第1部材及び第2部材のうちの第1部材にスプライン嵌合された複数のクラッチプレートと該クラッチプレートと交互に配置され前記第2部材にスプライン嵌合されたクラッチディスクとを備えた摩擦クラッチであり、前記係合部材が、前記複数のクラッチプレートのうちの前記ピストンと対向するクラッチプレートであることを特徴とする摩擦係合装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記摩擦係合手段は、回転部材と、該回転部材を取り巻いて配置され一端がケースに連結され他端に前記係合部材が固定されたブレーキバンドを備えたバンドブレーキであることを特徴とする摩擦係合装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の摩擦係合装置にして、エンジンによって回転駆動される流体トルクコンバータの出力回転を変速する自動変速機のクラッチ又はブレーキに適用されることを特徴とする摩擦係合装置。
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