JP2009197751A - 消音器 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅広い周波数帯域の騒音を低減可能で、しかも簡素な構造の消音器を提供する。
【解決手段】消音器(10)には、外筒(20)と内管(30)が設けられる。内管(30)は、外筒(20)の内部空間に設けられる。外筒(20)と内管(30)の間には、吸音材(55)が充填されている。内管(30)には、六つの穿孔領域(31〜36)が形成される。この内管(30)では、六つの穿孔領域(31〜36)が、内管(30)の入口端から出口端へ向かって並んでいる。各穿孔領域(31〜36)には、複数の貫通孔(41〜46)が規則的に開口している。内管(30)に形成された貫通孔(41〜46)の直径は、穿孔領域(31〜36)毎に互いに異なっている。内管(30)では、その出口端に近い穿孔領域(31〜36)ほど、そこに開口する貫通孔(41〜46)の直径が小さくなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音を低減するために内燃機関の排気管等に設けられる消音器に関するものである。
例えば内燃機関の排気管等のような内部をガスが圧力変動を伴って流れる管路には、ガスの圧力変動に伴う騒音を抑えるために消音器が設けられる。
特許文献1に開示された消音器は、両端が閉塞された筒状の外筒と、多数の同径の貫通孔が形成された内管とを備えている。この特許文献1の消音器では、内管が外筒と同軸に配置され、内管の内側の空間が内管の一端から他端に亘って連続するガス通路となっている。また、この消音器では、外筒と内管の間の空間に、吸音材としてのグラスウールが充填されている。
また、特許文献2にも、特許文献1に開示されたものと同様に外筒と内管とを備える消音器が開示されている。この特許文献2の消音器において、内管は、複数の管状部材を繋ぎ合わせることによって形成されている。各管状部材には、多数の同径の貫通孔が規則的に形成されている。また、この内管では、ガス流の下流側に位置する管状部材ほど、そこに形成された貫通孔の直径が小さくなっている。
更に、特許文献2に開示された消音器では、外筒と内管の間の空間が複数の拡張室に仕切られている。具体的に、この特許文献2の消音器では、外筒と内管の間に、内管を構成する各管状部材に対応して拡張室が一つずつ形成されている。各拡張室を仕切る仕切板は、内管の外周面と外筒の内周面の両方に接合されており、拡張室同士の間におけるガスの流通を実質的に阻止している。この消音器ににおいて、一つの拡張室には、一つの管状部材に形成された同径の貫通孔だけが連通している。
特開2005−220871号公報 特開2003−328723号公報
上記特許文献1に開示された消音器では、内管に形成された貫通孔の直径が全て同じになっている。このため、騒音に含まれる特定の周波数成分を減衰させることはできるが、騒音に含まれる様々な周波数成分を全体的に減衰させるのは困難であった。
一方、上記特許文献2に開示された消音器では、貫通孔の直径が互いに異なる複数の管状部材によって内管が形成されているため、各管状部材を通過する間に異なる周波数成分の騒音が減衰されることとなる。従って、特許文献2に開示された消音器は、特許文献1に開示された消音器に比べて幅広い周波数帯域の騒音を減衰させることができる。
ところが、上記特許文献2に開示された消音器では、一つの拡張室に直径の等しい一種類の貫通孔だけが開口する構成を採っているため、内管に形成された貫通孔の種類と同数の拡張室を外筒内に区画形成する必要がある。一方、内管に形成する貫通孔の直径を何種類にするかは、消音器の用途や適用対象(例えば内燃機関)の形式等に応じて適宜設定される。このため、特許文献2に開示された消音器では、内管に形成された貫通孔の種類と同数の拡張室を形成しなければならないため、消音器の構造が複雑化し、その製造コストの上昇を招くおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、幅広い周波数帯域の騒音を低減可能で、しかも簡素な構造の消音器を提供することにある。
第1の発明は、両端が閉塞された筒状に形成された外筒(20)と、複数の貫通孔(41,42,…)が側面に開口する管状に形成されて上記外筒(20)内に設けられる内管(30)とを備え、上記内管(30)の内側の空間が内管(30)の入口端から出口端まで連続したガス通路(17)となっている消音器を対象とする。そして、上記内管(30)には、それぞれに複数の同径の貫通孔(41,42,…)が開口する複数の穿孔領域(31,32,…)が、上記内管(30)の軸方向に並んで形成され、上記内管(30)の出口端に近い穿孔領域(31,32,…)ほど、そこに開口する貫通孔(41,42,…)の直径が小さくなっており、隣り合った二つの上記穿孔領域(31,32,…)に開口する貫通孔(41,42,…)が、上記外筒(20)と上記内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通しているものである。
第1の発明では、消音器(10)に外筒(20)と内管(30)が設けられる。内管(30)の内側の空間は、内管(30)の入口端から出口端に亘って連続したガス通路(17)となっている。内管(30)内のガス通路(17)では、内管(30)の入口端から出口端へ向かってガスが流れる。内管(30)の側面には、貫通孔(41,42,…)が開口している。このため、ガス通路(17)を流れるガスの圧力変動が外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)に伝わって減衰される。
第1の発明の内管(30)に形成された各穿孔領域(31,32,…)には、互いに直径の等しい複数の貫通孔(41,42,…)が開口している。また、この内管(30)では、内管(30)の出口端に近い穿孔領域(31,32,…)ほど、そこに開口する貫通孔(41,42,…)の直径が小さくなっている。つまり、この発明の消音器(10)では、内管(30)に直径の異なる複数種類の貫通孔(41,42,…)が開口している。一方、貫通孔(41,42,…)を通過することによって減衰される圧力変動の周波数は、貫通孔(41,42,…)の直径が小さくなるにつれて高くなる。このため、内管(30)内のガス通路(17)をガスが流れる過程では、ガスの圧力変動に含まれる周波数成分のうち低いものから順に減衰されてゆく。
更に、第1の発明の消音器(10)では、隣り合った二つの穿孔領域(31,32,…)に開口する貫通孔(41,42,…)が、外筒(20)と内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通している。つまり、この消音器(10)では、隣接する穿孔領域(31,32,…)に開口した互いに直径の異なる複数の貫通孔(41,42,…)が、共通の空間(16)に連通している。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記内管(30)は、その入口端が上記外筒(20)の一端を、その出口端が上記外筒(20)の他端をそれぞれ貫通しているものである。
第2の発明では、外筒(20)の一端から他端に亘って内管(30)が設けられている。つまり、内管(30)は、外筒(20)をその一端から他端へ向かって貫くように設けられる。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、全ての上記穿孔領域(31,32,…)に開口する全ての貫通孔(41,42,…)が、上記外筒(20)と上記内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通しているものである。
第3の発明では、内管(30)に形成された全ての穿孔領域(31,32,…)に開口する貫通孔(41,42,…)の全部が、外筒(20)と内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通している。つまり、この発明の消音器(10)では、各穿孔領域(31,32,…)に形成された互いに直径の異なる複数の貫通孔(41,42,…)が、外筒(20)と内管(30)の間に形成された共通の空間(16)に連通している。
第4の発明は、上記第1,第2又は第3の発明において、上記外筒(20)と上記内管(30)の間に形成された空間(16)には反射用部材(60)が設けられており、上記反射用部材(60)には、上記内管(30)の側面と向かい合うと共に上記内管(30)の軸方向に対して傾斜する反射面(71〜73)が形成されるものである。
ここで、内管(30)内のガス通路(17)を流れるガスの圧力変動(即ち、音波)は、内管(30)の貫通孔(41,42,…)を通って外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)へ出てゆく。このため、貫通孔(41,42,…)を通って内管(30)の外へ出た音波が外筒(20)の内周面で反射して再び内管(30)内のガス通路(17)へ戻ってくるおそれがある。
それに対し、第4の発明の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)に反射用部材(60)が設置されている。反射用部材(60)には、内管(30)の側面と向かい合った反射面(71〜73)が形成されている。そのため、貫通孔(41,42,…)を通って内管(30)の外部へ伝わった音波は、反射用部材(60)の反射面(71〜73)に当たって反射することになる。また、反射用部材(60)の反射面(71〜73)は、内管(30)の軸方向に対して傾斜した面となっている。従って、貫通孔(41,42,…)を通って内管(30)から出て反射用部材(60)の反射面(71〜73)に当たる前の音波と、この反射面(71〜73)に当たって反射した音波とでは、互いに進行方向が異なる。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記反射用部材(60)の反射面(71〜73)は、上記内管(30)の出口端側を向くように傾斜しているものである。
第5の発明では、反射用部材(60)に形成された反射面(71〜73)が、内管(30)の出口端側を向いた傾斜面となっている。この反射面(71〜73)に当たった音波は、内管(30)の出口側(即ち、ガス通路(17)内におけるガス流の下流側)へ向かって反射される。
第6の発明は、上記第4又は第5の発明において、上記反射用部材(60)は、円錐状に形成されて上記内管(30)が同軸上に位置するように挿通される円錐板(61〜63)によって構成されており、上記円錐板(61〜63)の内周面が上記反射面(71〜73)となるものである。
第6の発明では、円錐状に形成された円錐板(61〜63)が反射用部材(60)として外筒(20)の内部空間に設置されている。この円錐板(61〜63)には、上記内管(30)が円錐板(61〜63)と同軸上に位置するように挿通されている。円錐板(61〜63)の内周面は、内管(30)の側面と向かい合っており、しかも内管(30)の軸方向に対して傾斜している。この円錐板(61〜63)では、その内周面が反射面(71〜73)となっている。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記反射用部材(60)を構成する円錐板(61〜63)が複数設けられており、複数の上記円錐板(61〜63)が上記内管(30)の軸方向に沿って互いに間隔をおいて配置されるものである。
第7の発明では、外筒(20)の内部空間に複数の円錐板(61〜63)が設けられる。複数の円錐板(61〜63)は、内管(30)の軸方向において互いに異なる位置に設けられる。
第8の発明は、上記第4,第5,第6又は第7の発明において、上記反射用部材(60)は、上記内管(30)だけに接合されるものである。
第8の発明の消音器(10)において、反射用部材(60)は、外筒(20)には接合されておらず、内管(30)にだけ接合されている。つまり、反射用部材(60)は、内管(30)と一体になっている。
第9の発明は、上記第7の発明において、上記反射用部材(60)を構成する円錐板(61〜63)が上記内管(30)に接合される一方、上記内管(30)では、最も上記内管(30)の入口端寄りに位置する円錐板(61〜63)が接合された箇所よりも上記内管(30)の入口端側の部分に、上記内管(30)内のガス通路(17)を上記外筒(20)と上記内管(30)の間の空間(16)に連通させるための連通孔(47)が形成されるものである。
第9の発明では、反射用部材(60)としての複数の円錐板(61〜63)が内管(30)に接合される。内管(30)では、最も内管(30)の入口端寄りに位置する円錐板(61〜63)が接続された箇所と内管(30)の入口端との間の部分に、連通孔(47)が形成されている。内管(30)内のガス通路(17)は、連通孔(47)を介して内管(30)の外部と連通している。従って、この発明の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間に形成された空間(16)のうち、最も内管(30)の入口端寄りに位置する円錐板(61)より内管(30)の入口側に位置する部分も、音を減衰させるための膨張室として利用される。
本発明の消音器(10)では、内管(30)に複数の穿孔領域(31,32,…)が形成されており、内管(30)の出口端に近い穿孔領域(31,32,…)ほど、そこに開口する貫通孔(41,42,…)の直径が小さくなっている。このため、ガス流の圧力変動に含まれる周波数成分のうち減衰されるものの周波数は、内管(30)の出口端へ近付くにつれて次第に高くなってゆく。つまり、内管(30)へ流入したガスがガス通路(17)を流れる過程では、ガス流の圧力変動に含まれる周波数成分のうち周波数の低いものから順に減衰されてゆく。従って、本発明によれば、消音器(10)へ流入したガス流の圧力変動を周波数の低いものから高いものまで幅広く減衰させることができ、高い騒音低減効果を得ることができる。
更に、本発明の消音器(10)では、内管(30)に形成された穿孔領域(31,32,…)のうち互いに隣り合った二つの穿孔領域(31,32,…)に開口する貫通孔(41,42,…)(即ち、互いに直径の異なる複数の貫通孔)が、外筒(20)と内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通している。つまり、本発明の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)全体が連続した一つの空間となっていてもよく、その場合には内管(30)の外周面から外筒(20)の内周面に亘って仕切りを設ける必要がなくなる。また、本発明の消音器(10)では、仮に外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)が複数の部屋に仕切られる場合であっても、仕切られた部屋の数は内管(30)に形成された穿孔領域(31,32,…)の数よりも少なくて済む。従って、本発明によれば、互いに直径の異なる複数種類の貫通孔(41,42,…)を内管(30)に形成することで騒音低減効果の向上を図りつつ、消音器(10)の構造を簡素化することができる。
特に、上記第4〜第7の各発明では、消音器(10)における外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)に、反射面(71〜73)を有する反射用部材(60)が設けられる。このため、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)では、貫通孔(41,42,…)から出て内管(30)の外側へ向かう音波と、反射用部材(60)の反射面(71〜73)に当たって進行方向の変化した音波とが存在することになり、互いに進行方向の異なる音波同士が干渉し合って減衰する。従って、これらの発明によれば、消音器(10)の騒音低減効果を一層増大させることができる。
また、上記第8の発明では、反射用部材(60)が内管(30)だけに接合されている。このため、消音器(10)を組み立てる際には、内管(30)を外筒(20)へ挿入する前に反射用部材(60)を内管(30)に接合しておき、反射用部材(60)が取り付けられた状態の内管(30)を外筒(20)へ挿入すればよいこととなる。従って、この発明によれば、消音器(10)の組み立て工程を簡素化することができ、その組み立てに要する労力や時間を削減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の消音器(10)は、自動二輪車用のものである。また、本実施形態の消音器(10)は、ヤマハ発動機株式会社製のYZ250F(2007年モデル、競技専用車両)に付属の消音器(100)(以下では、「純正消音器(100)」という)を改造したものである。
図1に示すように、本実施形態の消音器(10)は、エンジンに接続される排気管(80)の終端に接続されている。この消音器(10)は、両端が閉塞された筒状の外筒(20)と、外筒(20)の内部空間に収容された内管(30)とを備えている。外筒(20)の材質と内管(30)の材質は、何れも金属である。
外筒(20)は、本体筒(21)と、入口側閉塞部材(22)と、出口側閉塞部材(23)とによって構成されている。
本体筒(21)は、両端が開口した筒状の部材である。この本体筒(21)は、その端面側から見た形状が縦長の楕円形あるいは長円形になっている。また、本実施形態の本体筒(21)は、その長さが380mmとなっている。入口側閉塞部材(22)は本体筒(21)の一端に取り付けられ、出口側閉塞部材(23)は本体筒(21)の他端に取り付けられている。本体筒(21)は、その一端が入口側閉塞部材(22)によって閉塞され、その他端が出口側閉塞部材(23)によって閉塞されている。
入口側閉塞部材(22)は、その基端から先端(図1における右端から左端)へ向かって窄まったカップ状あるいはドーム状に形成されている。この入口側閉塞部材(22)は、その基端部が本体筒(21)の一端(図1における左端)に挿入されている。入口側閉塞部材(22)は、基端部の外周面が全周に亘って本体筒(21)の内周面と接しており、リベット等によって本体筒(21)に接合されている。
入口側閉塞部材(22)には、排気管(80)の終端部が挿通されている。この排気管(80)は、内部をガスが流れるガス流通管を構成している。外筒(20)の内部空間において、排気管(80)は、本体筒(21)の内側へ幾分入り込んだ位置まで延びている。また、外筒(20)の内部空間へ侵入した排気管(80)の終端部は、排気管(80)のうち外筒(20)の外部に位置する部分よりも細くなった縮径部(81)となっている。縮径部(81)は、その内径が40.7mmとなっている。
出口側閉塞部材(23)は、テーパー筒部材(24)と、内側管状部材(25)とによって構成されている。
テーパー筒部材(24)は、基端から先端(図1における左端から右端)へ向かってテーパー状に窄まった形状となっている。このテーパー筒部材(24)は、その基端部が本体筒(21)の他端(図1における右端)に挿入されている。テーパー筒部材(24)は、基端部の外周面が全周に亘って本体筒(21)の内周面と接しており、リベット等によって本体筒(21)に接合されている。
内側管状部材(25)は、直管状に形成されてテーパー筒部材(24)の内部に設けられている。内側管状部材(25)の一端は、テーパー筒部材(24)の先端面に形成された開口に接続され、排気口(15)を形成している。内側管状部材(25)の他端は、その内径が一段拡大されており、内管(30)を挿入するためのソケット部(26)となっている。
内管(30)は、真っ直ぐな円管である。内管(30)の内側の空間は、内管(30)の一端から他端に亘って連続する一つのガス通路(17)となっている。本実施形態の内管(30)は、外径が42.7mmで内径が40.7mmとなり、長さが352mmとなっている。内管(30)の外径と内径は、内管(30)の全長に亘って一定である。
内管(30)では、その両端付近の部分を除くほぼ全域に貫通孔(41〜46)が形成されている。この内管(30)では、第1穿孔領域(31)と、第2穿孔領域(32)と、第3穿孔領域(33)と、第4穿孔領域(34)と、第5穿孔領域(35)と、第6穿孔領域(36)とが、内管(30)の入口端(図1における左端)から出口端(同図における右端)へ向かって順に一列に並んで形成されている。各穿孔領域(31〜36)の長さLは、互いに同じ値(本実施形態では55mm)になっている。
各穿孔領域(31〜36)では、内管(30)の側面(即ち、外周面)に多数の貫通孔(41〜46)が規則的に開口している。具体的に、各穿孔領域(31〜36)では、複数の貫通孔(41〜46)が、内管(30)の周方向と軸方向へ規則的に形成されている。各穿孔領域(31〜36)における貫通孔(41〜46)の配置は、隣接する二つの貫通孔(41〜46)の中心間距離が一定となる千鳥配列になっている。
内管(30)では、各穿孔領域(31〜36)に開口する貫通孔(41〜46)の直径が互いに相違している。この内管(30)では、その出口端に近い穿孔領域(31〜36)ほど、そこに開口する貫通孔(41〜46)の直径が小さくなっている。また、この内管(30)では、その出口端に近い穿孔領域(31〜36)ほど、隣接する二つの貫通孔(41〜46)の中心間距離(即ち、貫通孔(41〜46)のピッチ)が狭くなっている。
最も内管(30)の入口端に近い第1穿孔領域(31)では、貫通孔(41)の直径が12mmとなり、貫通孔(41)のピッチが16mmとなっている。第2穿孔領域(32)では、貫通孔(42)の直径が10mmとなり、貫通孔(42)のピッチが13mmとなっている。第3穿孔領域(33)では、貫通孔(43)の直径が8mmとなり、貫通孔(43)のピッチが10mmとなっている。第4穿孔領域(34)では、貫通孔(44)の直径が6mmとなり、貫通孔(44)のピッチが8mmとなっている。第5穿孔領域(35)では、貫通孔(45)の直径が4mmとなり、貫通孔(45)のピッチが6mmとなっている。最も内管(30)の出口端に近い第6穿孔領域(36)では、貫通孔(46)の直径が3mmとなり、貫通孔(46)のピッチが4mmとなっている。
内管(30)の出口端は、出口側閉塞部材(23)の内側管状部材(25)に形成されたソケット部(26)へ挿入されている。一方、内管(30)の入口端は、排気管(80)の終端に形成された縮径部(81)に対し、継手部材(50)を介して接続されている。
継手部材(50)は、比較的短い円形断面の直管である。継手部材(50)の外径は、排気管(80)の縮径部(81)の内径、及び内管(30)の内径と同じ値(40.7mm)となっている。継手部材(50)の外周面では、図1における右端寄りの位置に突出部(51)が形成されている。この突出部(51)は、継手部材(50)の周方向へ延びる畝状に形成されており、その伸長方向と直交する断面形状が矩形状となっている。この継手部材(50)は、突出部(51)よりも一端側の比較的長い部分が排気管(80)の縮径部(81)へ挿入され、突出部(51)よりも他端側の比較的短い部分が内管(30)の入口端へ挿入されている。
本実施形態の消音器(10)において、外筒(20)の本体筒(21)の内周面と内管(30)の外周面との間に形成される空間(16)は、全く仕切られていない一つの連続した空間(16)となっている。従って、この消音器(10)では、内管(30)に形成された全ての貫通孔(41〜46)が、外筒(20)の本体筒(21)と内管(30)との間に形成された一つの連続した空間(16)に連通している。
また、この消音器(10)では、外筒(20)の本体筒(21)と内管(30)との間の空間(16)に、グラスウール製の吸音材(55)が充填されている。この吸音材(55)を構成するグラスウールの密度は、吸音材(55)の全体に亘って実質的に均一となっている。そして、この消音器(10)では、内管(30)に形成された全ての穿孔領域(31〜36)が、その全体に亘って吸音材(55)によって覆われている。
−消音器の騒音低減作用−
エンジンから排出された排気ガスは、排気管(80)を通って消音器(10)へ流入する。排気管(80)から消音器(10)へ流入した排気ガスは、内管(30)内のガス通路(17)へ流入する。ガス通路(17)へ流入した排気ガスは、第1穿孔領域(31)と、第2穿孔領域(32)と、第3穿孔領域(33)と、第4穿孔領域(34)と、第5穿孔領域(35)と、第6穿孔領域(36)とを順に通過し、その間に消音される。
第1穿孔領域(31)では、そこを流れる排気ガスの圧力変動が貫通孔(41)を通って内管(30)の外部へ伝わる。排気ガスの一部は貫通孔(41)を通って第1穿孔領域(31)の外側の空間(16)へ流入する際に膨張するため、それによって排気ガスの圧力変動が減衰する。また、第1穿孔領域(31)の外側の空間(16)へ伝わった排気ガスの圧力変動は、吸音材(55)によっても減衰させられる。第1穿孔領域(31)に形成された貫通孔(41)は、内管(30)に形成された貫通孔(41〜46)の中で最も直径が大きい。このため、第1穿孔領域(31)では、排気ガスの圧力変動のうち周波数の比較的低い成分が、貫通孔(41)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。
第2穿孔領域(32)では、そこを流れる排気ガスの圧力変動が貫通孔(42)を通って内管(30)の外部へ伝わる。排気ガスの一部は貫通孔(42)を通って第2穿孔領域(32)の外側の空間(16)へ流入する際に膨張するため、それによって排気ガスの圧力変動が減衰する。また、第2穿孔領域(32)の外側の空間(16)へ伝わった排気ガスの圧力変動は、吸音材(55)によっても減衰させられる。第2穿孔領域(32)に形成された貫通孔(42)は、第1穿孔領域(31)に形成された貫通孔(41)よりも直径が小さくなっている。このため、第2穿孔領域(32)では、排気ガスの圧力変動のうち第1穿孔領域(31)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分(即ち、第1穿孔領域(31)を通過する際に充分に減衰しなかった周波数成分)が、貫通孔(42)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。
同様に、第3穿孔領域(33)では、排気ガスの圧力変動のうち第2穿孔領域(32)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分が、貫通孔(43)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。また、第4穿孔領域(34)では、排気ガスの圧力変動のうち第3穿孔領域(33)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分が、貫通孔(44)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。また、第5穿孔領域(35)では、排気ガスの圧力変動のうち第4穿孔領域(34)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分が、貫通孔(45)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。また、第6穿孔領域(36)では、排気ガスの圧力変動のうち第5穿孔領域(35)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分が、貫通孔(46)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。
このように、内管(30)内のガス通路(17)を排気ガスが通過する過程では、排気ガスの圧力変動のうち減衰させられる周波数成分が次第に高くなってゆく。つまり、内管(30)内のガス通路(17)を排気ガスが通過する過程では、排気ガスの圧力変動のうち周波数の低い成分から順に減衰してゆく。そして、消音器(10)の排気口(15)からは、内管(30)を通過した排気ガスが大気中へ排出される。
−純正消音器の構造−
本実施形態の消音器(10)のベースとなった純正消音器(100)について説明する。上述したように、この純正消音器(100)は、ヤマハ発動機株式会社製のYZ250F(2007年モデル、競技専用車両)に装着されているものである。
図2に示すように、純正消音器(100)の内管(101)には、多数の同径の貫通孔(102)が規則的に形成されている。この内管(101)に形成された全て貫通孔(102)は、直径が3mmとなっている。つまり、この内管(101)には、直径3mmの貫通孔(102)だけが形成されている。この内管(101)では、貫通孔(102)の配置が千鳥配置となっており、貫通孔(102)のピッチが4mmとなっている。また、この純正消音器(100)では、その内管(101)が排気管(80)と一体に形成されている。
本実施形態の消音器(10)は、互いに直径の異なる六種類の貫通孔(41〜46)が内管(30)に形成されている点と、内管(30)が排気管(80)と別体に形成されている点だけにおいて、純正消音器(100)と相違している。つまり、内管(30)の内径及び外径や、外筒(20)の大きさや、内管(30)と外筒(20)の間にグラスウール製の吸音材(55)が充填されていること等については、本実施形態の消音器(10)と純正消音器(100)の間で共通している。
−排気騒音の測定結果−
本実施形態の消音器(10)と純正消音器(100)のそれぞれについて、排気騒音の計測を行った。排気騒音の計測は、本実施形態の消音器(10)と純正消音器(100)のそれぞれを同一の車両(2007年モデルのYF250F)に装着し、「JIS D 1026:1987」に規定された試験方法に準じて行った。
計測器の設置位置について説明する。計測器は、消音器(10,100)の排気口(15)と同一の高さで、排気ガス流の中心軸を含む垂直面に対して車両の外側に45°の方向で、排気口(15)から50cmの距離に、排気口(15)に向けて設置した。なお、計測器としては、ビーズ株式会社製の「デジタルサウンドレベルメータ GS-04」を用いた。
上記の位置に計測器を設置し、アイドリング時排気騒音と、5000rpm時排気騒音と、近接排気騒音とを計測した。何れの排気騒音を測定する際にも、車両は停止状態とし、変速機はニュートラルとし、クラッチは接続状態とした。また、各排気騒音を測定する際には、車両のエンジン及び消音器(10,100)が充分に暖まってから計測を行った。
アイドリング時排気騒音の計測方法を説明する。エンジンのアイドリング回転数を1200rpm(毎分1200回転)に保った状態で約5秒間に亘って騒音値を計測し、その間に計測された騒音値の最大値をアイドリング時排気騒音の値とした。
5000rpm時排気騒音の計測方法を説明する。エンジンの回転数を5000rpm(毎分5000回転)に約5秒間に亘って保ち、その後にスロットルを急激に閉じた時点からエンジンがアイドリング状態に戻るまでの間に亘って騒音値を計測し、その間に計測された騒音値の最大値を5000rpm時排気騒音の値とした。
近接排気騒音の計測方法を説明する。エンジンの回転数をそのエンジンの最高出力が得られる回転数nの75%の値(0.75n)に約5秒間に亘って保ち、その後にスロットルを急激に閉じた時点からエンジンがアイドリング状態に戻るまでの間に亘って騒音値を計測し、その間に計測された騒音値の最大値を近接排気騒音の値とした。なお、YZ250F(2007年モデル)のエンジンでは、回転数が10500rpmの時に最高出力31.5kWが得られる。
純正消音器(100)についての計測結果は、次の通りである。
・アイドリング時排気騒音 : 87dB
・5000rpm時排気騒音: 96dB
・近接排気騒音 :106dB
一方、本実施形態の消音器(10)についての計測結果は、次の通りである。
・アイドリング時排気騒音 : 83dB
・5000rpm時排気騒音: 93dB
・近接排気騒音 :100dB
このように、本実施形態の消音器(10)については、純正消音器(100)に比べて、アイドリング時排気騒音の値が4dB低下し、5000rpm時排気騒音の値が3dB低下し、近接排気騒音の値が6dB低下した。
−実施形態1の効果−
本実施形態の消音器(10)では、内管(30)に複数の穿孔領域(31〜36)が形成されており、内管(30)の出口端に近い穿孔領域(31〜36)ほど、そこに開口する貫通孔(41〜46)の直径が小さくなっている。このため、ガスの圧力変動に含まれる周波数成分のうち減衰されるものの周波数は、内管(30)の出口端へ近付くにつれて次第に高くなってゆく。つまり、内管(30)へ流入したガスがガス通路(17)を通過する過程では、ガス流の圧力変動に含まれる周波数成分のうち周波数の低いものから順に減衰されてゆく。
従って、本実施形態によれば、消音器(10)へ流入したガス流の圧力変動を周波数の低いものから高いものまで幅広く減衰させることができる。そして、上述したように、本実施形態の消音器(10)によれば、内管(101)に同一径の貫通孔(102)だけが開口する消音器(10)に比べて、高い騒音低減効果を得ることができる。
更に、本実施形態の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間に形成された空間(16)の全体が連続した一つの空間となっており、この一つの空間(16)に内管(30)に形成された全ての貫通孔(41〜46)が連通している。従って、本実施形態によれば、内管(30)の外周面から外筒(20)の内周面に亘って仕切りを設ける必要がなくなり、消音器(10)の構造を簡素化することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の消音器(10)は、乗用車用のものである。また、この消音器(10)は、排気量が2000cc程度のレシプロエンジンを対象としたものである。
図3に示すように、本実施形態の消音器(10)は、両端が閉塞された筒状の外筒(20)と、外筒(20)の内部空間に収容された内管(30)とを備えている。外筒(20)の材質と内管(30)の材質は、何れもステンレス鋼である。
外筒(20)は、本体筒(21)と、入口側閉塞部材(22)と、出口側閉塞部材(23)とによって構成されている。本体筒(21)は、両端が開口した円筒状の部材である。入口側閉塞部材(22)と出口側閉塞部材(23)は、何れも平坦な円板状に形成されており、それぞれの外径が本体筒(21)の外径と等しくなっている。本体筒(21)には、その一端(図3における左端)を塞ぐように入口側閉塞部材(22)が溶接され、その他端(同図における右端)を塞ぐように出口側閉塞部材(23)が溶接される。この外筒(20)は、その外径が180mm程度となっており、その長さが400mm程度となっている。
内管(30)は、真っ直ぐな円管である。内管(30)の内側の空間は、内管(30)の一端から他端に亘って連続する一つのガス通路(17)となっている。本実施形態の内管(30)は、その内径が約40mmとなっている。内管(30)の内径は、内管(30)の全長に亘って一定である。
内管(30)は、その軸心が外筒(20)の軸心と実質的に一致する姿勢で外筒(20)内に設けられている。また、この内管(30)は、その入口端が外筒(20)の入口側閉塞部材(22)を貫通して外筒(20)の外部へ延出し、その出口端が外筒(20)の出口側閉塞部材(23)を貫通して外筒(20)の外部へ延出している。つまり、内管(30)は、外筒(20)に対して同軸に配置され、外筒(20)をその一端から他端に亘って貫通している。本実施形態の消音器(10)では、外筒(20)の外部に露出した内管(30)の出口端が排気口(15)を構成している。
内管(30)では、その両端付近以外の部分に貫通孔(41〜44)が形成されている。具体的に、内管(30)では、第1穿孔領域(31)と、第2穿孔領域(32)と、第3穿孔領域(33)と、第4穿孔領域(34)とが、内管(30)の入口端(図3における左端)から出口端(同図における右端)へ向かって順に一列に並んで形成されている。各穿孔領域(31〜34)の長さは、互いに同じ値になっている。
各穿孔領域(31〜34)では、内管(30)の側面(即ち、外周面)に多数の貫通孔(41〜44)が規則的に開口している。具体的に、各穿孔領域(31〜34)では、複数の貫通孔(41〜44)が、内管(30)の周方向と軸方向へ規則的に形成されている。各穿孔領域(31〜34)における貫通孔(41〜44)の配置は、隣接する二つの貫通孔(41〜44)の中心間距離が一定となる千鳥配列になっている。
内管(30)では、各穿孔領域(31〜34)に開口する貫通孔(41〜44)の直径が互いに相違している。この内管(30)では、その出口端に近い穿孔領域(31〜34)ほど、そこに開口する貫通孔(41〜44)の直径が小さくなっている。また、この内管(30)では、その出口端に近い穿孔領域(31〜34)ほど、隣接する二つの貫通孔(41〜44)の中心間距離(即ち、貫通孔(41〜44)のピッチ)が狭くなっている。
最も内管(30)の入口端に近い第1穿孔領域(31)では、貫通孔(41)の直径が10mmとなり、貫通孔(41)のピッチが15mmとなっている。第2穿孔領域(32)では、貫通孔(42)の直径が8mmとなり、貫通孔(42)のピッチが12mmとなっている。第3穿孔領域(33)では、貫通孔(43)の直径が6mmとなり、貫通孔(43)のピッチが9mmとなっている。最も内管(30)の出口端に近い第4穿孔領域(34)では、貫通孔(44)の直径が4mmとなり、貫通孔(44)のピッチが7mmとなっている。
内管(30)において、第1穿孔領域(31)よりも内管(30)の入口端寄り(図3の左端寄り)の領域は、複数の連通孔(47)が規則的に形成された連通用領域(37)となっている。この連通孔(47)は、内管(30)を貫通する円形の孔である。連通孔(47)の直径は、10mmとなっている。また、内管(30)において、第4穿孔領域(34)よりも内管(30)の出口端寄り(図3の右端寄り)の領域は、そこを貫通する孔が全く形成されていない無孔領域(38)となっている。
内管(30)の入口端には、継手部材(52)が挿入されている。この継手部材(52)は、比較的短い真っ直ぐな円管であって、その外径が内管(30)の内径と実質的に等しくなっている。また、継手部材(52)の一端(図3における左端部)は、他の部分に比べて外径と内径が拡大した拡径部(53)となっている。図示しないが、この拡径部(53)には、エンジンから延びる排気管が接続される。
本実施形態の消音器(10)では、内管(30)に四つの円錐板(61〜64)が取り付けられている。各円錐板(61〜64)は、内管(30)の入口端側から出口端側(図3における左端側から右端側)へ向かって直径が拡大する円錐状に形成されており、内管(30)と同軸に配置されている。各円錐板(61〜64)では、小径側の端部(同図における左端部)の内径が内管(30)の外径と実質的に等しくなっており、この小径側の端部が内管(30)に溶接されている。また、各円錐板(61〜64)では、大径側の端部(同図における右端部)の外径が外筒(20)の本体筒(21)の内径よりも小さくなっている。つまり、外筒(20)の本体筒(21)と各円錐板(61〜64)との間には、隙間が形成されている。
四つの円錐板(61〜64)は、内管(30)の軸方向に互いに等間隔で配置されている。第1円錐板(61)の小径側の端部は、第1穿孔領域(31)と連通用領域(37)の境界付近に接合されている。第2円錐板(62)の小径側の端部は、第2穿孔領域(32)の途中の部分に接合されている。第3円錐板(63)の小径側の端部は、第3穿孔領域(33)の途中の部分に接合されている。第4円錐板(64)の小径側の端部は、第4穿孔領域(34)と無孔領域(38)の境界付近に接合されている。
上述したように、各円錐板(61〜64)は、内管(30)の入口端側から出口端側へ向かって直径が拡大する円錐状に形成されている。このため、各円錐板(61〜64)の内周面は、内管(30)の軸方向に対して内管(30)の出口端側へ向かって傾斜している。一方、第1円錐板(61)の内周面は、第1穿孔領域(31)と向かい合っている。また、第2円錐板(62)の内周面は、第2穿孔領域(32)の一部および第3穿孔領域(33)の一部と向かい合っている。また、第3円錐板(63)の内周面は、第3穿孔領域(33)の一部および第4穿孔領域(34)の一部と向かい合っている。従って、第1円錐板(61)、第2円錐板(62)、及び第3円錐板(63)は、それぞれの内周面が反射面(71〜73)となっている。つまり、第1円錐板(61)、第2円錐板(62)、及び第3円錐板(63)は、反射用部材(60)を構成している。
また、上述したように、本実施形態の消音器(10)では、外筒(20)の本体筒(21)と各円錐板(61〜64)との間に隙間が形成されている。このため、外筒(20)の内部空間のうち内管(30)の外側の部分、即ち、外筒(20)と内管(30)の間に形成された空間(16)は、一つの連続した空間となっている。そして、この消音器(10)では、内管(30)に形成された全ての貫通孔(41〜44)が、外筒(20)と内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通している。また、この消音器(10)では、内管(30)に形成された連通孔(47)も、貫通孔(41〜44)と共通の空間(16)に連通している。
更に、本実施形態の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間に形成された空間(16)に、吸音材は充填されていない。つまり、この消音器(10)において、外筒(20)と内管(30)の間に形成された空間(16)は、内部に何も充填されていない空虚な空間(即ち、空洞)となっている。
−消音器の騒音低減作用−
エンジンから排出された排気ガスは、排気管(80)を通って消音器(10)へ流入する。排気管(80)から消音器(10)へ流入した排気ガスは、内管(30)内のガス通路(17)へ流入する。ガス通路(17)へ流入した排気ガスは、連通用領域(37)と、第1穿孔領域(31)と、第2穿孔領域(32)と、第3穿孔領域(33)と、第4穿孔領域(34)とを順に通過し、その間に消音される。
連通用領域(37)では、そこを流れる排気ガスの圧力変動が連通孔(47)を通って内管(30)の外部へ伝わる。排気ガスの一部は連通孔(47)を通って連通用領域(37)の外側の空間(16)へ流入する際に膨張するため、それによって排気ガスの圧力変動が減衰する。
第1穿孔領域(31)では、そこを流れる排気ガスの圧力変動が貫通孔(41)を通って内管(30)の外部へ伝わる。排気ガスの一部は貫通孔(41)を通って第1穿孔領域(31)の外側の空間(16)へ流入する際に膨張するため、それによって排気ガスの圧力変動が減衰する。第1穿孔領域(31)に形成された貫通孔(41)は、内管(30)に形成された貫通孔(41〜44)の中で最も直径が大きい。このため、第1穿孔領域(31)では、排気ガスの圧力変動のうち周波数の比較的低い成分が、貫通孔(41)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。
第2穿孔領域(32)では、そこを流れる排気ガスの圧力変動が貫通孔(42)を通って内管(30)の外部へ伝わる。排気ガスの一部は貫通孔(42)を通って第2穿孔領域(32)の外側の空間(16)へ流入する際に膨張するため、それによって排気ガスの圧力変動が減衰する。第2穿孔領域(32)に形成された貫通孔(42)は、第1穿孔領域(31)に形成された貫通孔(41)よりも直径が小さくなっている。このため、第2穿孔領域(32)では、排気ガスの圧力変動のうち第1穿孔領域(31)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分(即ち、第1穿孔領域(31)を通過する際に充分に減衰しなかった周波数成分)が、貫通孔(42)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。
同様に、第3穿孔領域(33)では、排気ガスの圧力変動のうち第2穿孔領域(32)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分が、貫通孔(43)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。また、第4穿孔領域(34)では、排気ガスの圧力変動のうち第3穿孔領域(33)で減衰させられたものよりも周波数の幾分高い成分が、貫通孔(44)を通って内管(30)の外部へ伝わって減衰させられる。
更に、本実施形態の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)に反射用部材(60)としての円錐板(61〜63)が設けられている。そして、円錐板(61〜63)の作用によって、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)へ伝わった排気ガスの圧力変動の減衰が促進される。
具体的に、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)のうち第1円錐板(61)と第2円錐板(62)の間の部分には、第1穿孔領域(31)に開口する貫通孔(41)や、第2穿孔領域(32)の一部に開口する貫通孔(42)を通って、内管(30)内の排気ガスの圧力変動(即ち、音波)が伝わる。この音波は、第1円錐板(61)の反射面(71)に当たり、内管(30)の出口端側へ向かって反射される。つまり、この音波は、その進行方向が第1円錐板(61)によって変更される。このため、第1円錐板(61)と第2円錐板(62)の間の空間(16)へ進入した音波は、貫通孔(41,42)を通って再び内管(30)内のガス通路(17)へ戻りにくくなる。更に、第1円錐板(61)と第2円錐板(62)の間の空間(16)では、音波が第1円錐板(61)の反射面(71)に当たって反射するため、様々な方向へ進む音波が存在することになる。このため、第1円錐板(61)と第2円錐板(62)の間の空間(16)では、互いに進行方向の異なる音波同士が干渉して打ち消し合うことによっても音波が減衰される。
同様に、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)のうち第2円錐板(62)と第3円錐板(63)の間の部分には、第2穿孔領域(32)の一部に開口する貫通孔(42)や、第3穿孔領域(33)の一部に開口する貫通孔(43)を通って、内管(30)内の排気ガスの圧力変動(即ち、音波)が伝わる。そして、第2円錐板(62)と第3円錐板(63)の間の空間(16)に伝わった音波は、第2円錐板(62)の反射面(72)に当たって反射することによって、その減衰が促進される。
また、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)のうち第3円錐板(63)と第4円錐板(64)の間の部分には、第3穿孔領域(33)の一部に開口する貫通孔(43)や、第4穿孔領域(34)に開口する貫通孔(44)を通って、内管(30)内の排気ガスの圧力変動(即ち、音波)が伝わる。そして、第3円錐板(63)と第4円錐板(64)の間の空間(16)に伝わった音波は、第3円錐板(63)の反射面(73)に当たって反射することによって、その減衰が促進される。
このように、内管(30)内のガス通路(17)を排気ガスが通過する過程では、排気ガスの圧力変動のうち減衰させられる周波数成分が次第に高くなってゆく。つまり、内管(30)内のガス通路(17)を排気ガスが通過する過程では、排気ガスの圧力変動のうち周波数の低い成分から順に減衰させられてゆく。そして、消音器(10)の排気口(15)からは、内管(30)を通過した排気ガスが大気中へ排出される。
−実施形態2の効果−
本実施形態の消音器(10)では、内管(30)に複数の穿孔領域(31〜34)が形成されており、内管(30)の出口端に近い穿孔領域(31〜34)ほど、そこに開口する貫通孔(41〜44)の直径が小さくなっている。従って、本実施形態によれば、上記実施形態1と同様に、消音器(10)へ流入したガス流の圧力変動を周波数の低いものから高いものまで幅広く減衰させることができる。
更に、本実施形態の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)全体が連続した一つの空間となっており、この一つの空間(16)に内管(30)に形成された全ての貫通孔(41〜44)が連通している。従って、本実施形態によれば、上記実施形態1と同様に、内管(30)の外周面から外筒(20)の内周面に亘って仕切りを設ける必要がなくなり、消音器(10)の構造を簡素化することができる。
また、本実施形態の消音器(10)では、消音器(10)における外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)に、反射用部材(60)としての円錐板(61〜63)が設けられている。このため、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)では、貫通孔(41〜44)から出て内管(30)の外側へ向かう音波と、反射用部材(60)の反射面に当たって進行方向を変えられた音波とが存在することになり、互いに進行方向の異なる音波同士が干渉し合って減衰する。従って、本実施形態によれば、消音器(10)の騒音低減効果を一層増大させることができる。
また、本実施形態の消音器(10)では、円錐板(61〜64)が内管(30)だけに接合されている。このため、消音器(10)を組み立てる際には、内管(30)を外筒(20)へ挿入する前に円錐板(61〜64)を内管(30)に接合しておき、円錐板(61〜64)が取り付けられた状態の内管(30)を外筒(20)へ挿入すればよいこととなる。従って、本実施形態によれば、消音器(10)の組み立て工程を簡素化することができ、その組み立てに要する労力や時間を削減することができる。
−実施形態2の変形例1−
本実施形態の消音器(10)では、内管(30)の連通用領域(37)に開口する連通孔(47)の直径が、第1穿孔領域(31)に開口する貫通孔(41)の直径と等しくなっているが、両者の直径が一致している必要はない。内管(30)の連通用領域(37)に形成された連通孔(47)は、単に内管(30)の内側と外側を連通させるためのものである。つまり、内管(30)の連通用領域(37)では、内管(30)の内側と外側を遮る部分を出来るだけ狭くするのが望ましい。従って、内管(30)の連通用領域(37)では、そこに形成された連通孔(47)の開口面積の合計値を出来るだけ大きくするのが望ましい。
更に、本実施形態の消音器(10)では、図4に示すように、図3に示す内管(30)の連通用領域(37)に対応する部分が省略されていてもよい。この場合には、内管(30)の出口端だけが外筒(20)の外部に露出し、内管(30)の入口端は外筒(20)の内部空間に開口する。また、この場合には、外筒(20)の入口側閉塞部材(22)を貫通する導入管(56)が消音器(10)に設けられる。この導入管(56)は、内管(30)と外径及び内径が等しい短い円管であって、内管(30)と同軸に配置されている。
−実施形態2の変形例2−
本実施形態の消音器(10)では、内管(30)の無孔領域(38)と、第4円錐板(64)とが省略されていてもよい。
図5に示す本変形例の消音器(10)では、外筒(20)の出口側閉塞部材(23)の形状が図3に示すものと相違している。本変形例の出口側閉塞部材(23)は、内管(30)の入口端側から出口端側(図5における左端側から右端側)へ向かって直径が拡大する円錐状に形成されており、内管(30)と同軸に配置されている。この出口側閉塞部材(23)では、小径側の端部(同図における左端部)の内径が内管(30)の外径と実質的に等しくなっており、この小径側の端部が内管(30)の出口端付近に溶接されている。また、この出口側閉塞部材(23)では、大径側の端部(同図における右端部)の外径が外筒(20)の本体筒(21)の内径と実質的に等しくなっており、この大径側の端部が本体筒(21)の端部付近に溶接されている。
また、本変形例の消音器(10)では、図6に示すように、外筒(20)の出口側閉塞部材(23)が、図3に示すものと同様の円板状に形成されていてもよい。この場合、出口側閉塞部材(23)は、内管(30)のうち図6における第4穿孔領域(34)のすぐ右側の部分に溶接される。
−実施形態2の変形例3−
本実施形態の消音器(10)では、内管(30)の連通用領域(37)と、第1円錐板(61)とが省略されていてもよい。ここでは、本変形例を図5に示す変形例2の消音器(10)に適用したものについて、図7を参照しながら説明する。
本変形例の消音器(10)では、外筒(20)の入口側閉塞部材(22)の形状が図5に示すものと相違している。本変形例の入口側閉塞部材(22)は、内管(30)の入口端側から出口端側(図7における左端側から右端側)へ向かって直径が拡大する円錐状に形成されており、内管(30)と同軸に配置されている。この入口側閉塞部材(22)では、小径側の端部(同図における左端部)の内径が内管(30)の外径と実質的に等しくなっており、この小径側の端部が内管(30)の入口端付近に溶接されている。また、この入口側閉塞部材(22)では、大径側の端部(同図における右端部)の外径が外筒(20)の本体筒(21)の内径と実質的に等しくなっており、この大径側の端部が本体筒(21)の端部付近に溶接されている。
本変形例の消音器(10)では、円錐状に形成された入口側閉塞部材(22)の内周面が第1穿孔領域(31)と向かい合っている。このため、本変形例の消音器(10)では、入口側閉塞部材(22)が反射用部材(60)を構成し、入口側閉塞部材(22)の内周面が反射面(71)となる。
−実施形態2の変形例4−
図3に示す本実施形態の消音器(10)では、内管(30)に四つの穿孔領域(31〜34)を形成すると共に、外筒(20)内に四つの円錐板(61〜64)を設けているが、内管(30)に形成される穿孔領域の数や、外筒(20)内に設けられる円錐板の数は、何れも四つに限定されるものではない。内管(30)に形成される穿孔領域の数や、外筒(20)内に設けられる円錐板の数は、消音器(10)の用途や、消音器(10)が接続されるエンジンの形式等に応じて適宜設定されるものである。
例えば、本実施形態の消音器(10)では、図8に示すように、内管(30)に三つの穿孔領域(31〜33)が形成されると共に、外筒(20)内に四つの円錐板(61〜64)が設けられていてもよい。この場合、外筒(20)と内管(30)の間に形成される空間(16)では、第1円錐板(61)と第2円錐板(62)の間の部分に第1穿孔領域(31)の貫通孔(41)だけが連通し、第2円錐板(62)と第3円錐板(63)の間の部分に第2穿孔領域(32)の貫通孔(42)だけが連通し、第3円錐板(63)と第4円錐板(64)の間の部分に第3穿孔領域(33)の貫通孔(43)だけが連通することになる。
−実施形態2の変形例5−
本実施形態の消音器(10)では、円錐板(61〜64)が内管(30)ではなく外筒(20)に接合されていてもよい。図9に示すように、本変形例の円錐板(61〜64)は、その形状が図3に示すものとは異なっている。本変形例の円錐板(61〜64)は、内管(30)の入口端側から出口端側(図9における左端側から右端側)へ向かって直径が拡大する円錐状に形成されており、内管(30)と同軸に配置されている。この点は、図3に示すものと同様である。本変形例の円錐板(61〜64)では、小径側の端部(同図における左端部)の内径が内管(30)の外径よりも大きくなっている。つまり、内管(30)と各円錐板(61〜64)との間には、隙間が形成されている。また、各円錐板(61〜64)では、大径側の端部(同図における右端部)の外径が外筒(20)の本体筒(21)の内径と実質的に等しくなっており、この大径側の端部が外筒(20)の本体筒(21)に溶接されている。
−実施形態2の変形例6−
本実施形態の消音器(10)では、図10に示すように、円錐板(61〜64)の大径側の端部(同図における右端部)が外筒(20)の本体筒(21)の内周面と接していてもよい。この場合、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)では、第1円錐板(61)と第2円錐板(62)の間の部分と、第2円錐板(62)と第3円錐板(63)の間の部分と、第3円錐板(63)と第4円錐板(64)の間の部分とが、互いに仕切られて実質的に非連通状態となった空間になる。
第1円錐板(61)と第2円錐板(62)の間の空間には、第1穿孔領域(31)に開口する貫通孔(41)の全てと、第2穿孔領域(32)に開口する貫通孔(42)の一部とが連通する。第2円錐板(62)と第3円錐板(63)の間の空間には、第2穿孔領域(32)に開口する貫通孔(42)の一部と、第3穿孔領域(33)に開口する貫通孔(43)の一部とが連通する。第3円錐板(63)と第4円錐板(64)の間の空間には、第3穿孔領域(33)に開口する貫通孔(43)の一部と、第4穿孔領域(34)に開口する貫通孔(44)の全てとが連通する。
本変形例の消音器(10)では、外筒(20)と内管(30)の間の空間(16)が円錐板(61〜64)によって複数の部屋に仕切られているが、仕切られた部屋の数は内管(30)に形成された穿孔領域(31〜34)の数よりも少なくて済む。従って、本変形例によっても、互いに直径の異なる複数種類の貫通孔(41〜44)を内管(30)に形成することで騒音低減効果の向上を図りつつ、消音器(10)の構造を簡素化することができる。
−実施形態2の変形例7−
本実施形態の消音器(10)では、内管(30)の出口端へ向かって拡径する円錐状の円錐板(61〜63)が反射用部材(60)を構成しているが、反射用部材(60)を構成する部材の形状は円錐状に限定されない。例えば、内管(30)の外周面から斜め外向きに延びる平板を、反射用部材(60)として外筒(20)内に設置してもよい。また、反射用部材(60)に形成される反射面は、内管(30)の軸方向に対して傾いていればよく、内管(30)の入口端側を向いていてもよい。
以上説明したように、本発明は、騒音を低減するために内燃機関の排気管等に設けられる消音器について有用である。
実施形態1の消音器を示す縦断面図である。 従来の消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の変形例1消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の変形例2消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の変形例2消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の変形例3消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の変形例4消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の変形例5消音器を示す縦断面図である。 実施形態2の変形例6消音器を示す縦断面図である。
符号の説明
10 消音器
20 外筒
30 内管
31 第1穿孔領域
32 第2穿孔領域
33 第3穿孔領域
34 第4穿孔領域
35 第5穿孔領域
36 第6穿孔領域
41〜46 貫通孔
60 反射用部材
61 第1円錐板
62 第2円錐板
63 第3円錐板
71〜73 反射面

Claims (9)

  1. 両端が閉塞された筒状に形成された外筒(20)と、複数の貫通孔(41,42,…)が側面に開口する管状に形成されて上記外筒(20)内に設けられる内管(30)とを備え、
    上記内管(30)の内側の空間が内管(30)の入口端から出口端まで連続したガス通路(17)となっている消音器であって、
    上記内管(30)には、それぞれに複数の同径の貫通孔(41,42,…)が開口する複数の穿孔領域(31,32,…)が、上記内管(30)の軸方向に並んで形成され、
    上記内管(30)の出口端に近い穿孔領域(31,32,…)ほど、そこに開口する貫通孔(41,42,…)の直径が小さくなっており、
    隣り合った二つの上記穿孔領域(31,32,…)に開口する貫通孔(41,42,…)が、上記外筒(20)と上記内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通している
    ことを特徴とする消音器。
  2. 請求項1において、
    上記内管(30)は、その入口端が上記外筒(20)の一端を、その出口端が上記外筒(20)の他端をそれぞれ貫通している
    ことを特徴とする消音器。
  3. 請求項1又は2において、
    全ての上記穿孔領域(31,32,…)に開口する全ての貫通孔(41,42,…)が、上記外筒(20)と上記内管(30)の間に形成された一つの連続した空間(16)に連通している
    ことを特徴とする消音器。
  4. 請求項1,2又は3において、
    上記外筒(20)と上記内管(30)の間に形成された空間(16)には反射用部材(60)が設けられており、
    上記反射用部材(60)には、上記内管(30)の側面と向かい合うと共に上記内管(30)の軸方向に対して傾斜する反射面(71〜73)が形成されている
    ことを特徴とする消音器。
  5. 請求項4において、
    上記反射用部材(60)の反射面(71〜73)は、上記内管(30)の出口端側を向くように傾斜している
    ことを特徴とする消音器。
  6. 請求項4又は5において、
    上記反射用部材(60)は、円錐状に形成されて上記内管(30)が同軸上に位置するように挿通される円錐板(61〜63)によって構成されており、
    上記円錐板(61〜63)の内周面が上記反射面(71〜73)となっている
    ことを特徴とする消音器。
  7. 請求項6において、
    上記反射用部材(60)を構成する円錐板(61〜63)が複数設けられており、複数の上記円錐板(61〜63)が上記内管(30)の軸方向に沿って互いに間隔をおいて配置されている
    ことを特徴とする消音器。
  8. 請求項4,5,6又は7において、
    上記反射用部材(60)は、上記内管(30)だけに接合されている
    ことを特徴とする消音器。
  9. 請求項7において、
    上記反射用部材(60)を構成する円錐板(61〜63)が上記内管(30)に接合される一方、
    上記内管(30)では、最も上記内管(30)の入口端寄りに位置する円錐板(61〜63)が接合された箇所よりも上記内管(30)の入口端側の部分に、上記内管(30)内のガス通路(17)を上記外筒(20)と上記内管(30)の間の空間(16)に連通させるための連通孔(47)が形成されている
    ことを特徴とする消音器。
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