JP2009197724A - エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セタン価の異なる複数の燃料を使用する自着火型のエンジンにおいて、低負荷運転等による低セタン価燃料の着火性の低下を補い、排気性能を向上させる。
【解決手段】セタン価の低い第1の燃料を供給するための第1の燃料噴射弁と、この第1の燃料よりもセタン価の高い第2の燃料を供給するための第2の燃料噴射弁とを設け、第2の燃料噴射弁は、第2の燃料を筒内に直接噴射可能に設置する。第1の燃料の噴射時期として、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期を設定し、第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内全体に拡散する第1の噴射時期ITl1と、噴射された燃料が筒内で局所的に偏在する第2の噴射時期ITl2とを設定し、第1の燃料の均質な混合気に対し、筒内全体に拡散した第2の燃料を重畳させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、エンジンの燃焼制御装置に関し、詳細には、セタン価の異なる複数の燃料を使用し、高セタン価燃料の火炎を火種として低セタン価燃料の自着火による燃焼を生じさせるエンジンにおいて、高セタン価燃料の供給量を抑えて排気性能を向上させるための技術に関する。
セタン価の比較的に低い燃料(ガソリン)を主燃料として使用し、この主燃料の自着火による燃焼を生じさせるエンジンとして、主燃料以外にセタン価の高い副燃料(軽油)を使用する次のようなエンジンが知られている。主燃料(ガソリン)を供給するための第1の燃料噴射弁と、副燃料として主燃料よりもセタン価の高い燃料(軽油)を供給するための第2の燃料噴射弁とを備え、エンジンの吸気行程において、第1の燃料噴射弁により主燃料を吸気ポート内に噴射して、これを筒内全体に均一に拡散させるとともに、圧縮行程において、第2の燃料噴射弁により副燃料を筒内に直接噴射し、副燃料の火炎を火種として筒内全体で主燃料の自着火による燃焼を生じさせるものである(特許文献1)。
特開2004−308423号公報(段落番号0065)
しかしながら、前掲特許文献1に記載されるエンジンについては、次のような問題がある。エンジンの負荷が比較的に低い状態にあるときは、筒内全体に拡散して分布する主燃料が極めて希薄となって、その着火性が低下することから、燃焼不良により未燃HCの排出量が増大することである。他方、この着火性の低下を補うため、副燃料の供給量を増大させることとすれば、副燃料の局所的な集中によりNOx及びPMの排出を助長させてしまうことである。また、圧縮比の低いエンジンにおいても主燃料の着火性が低下することとなるが、これを副燃料の供給量の増大により補うこととすれば、同様にNOx等の排出量が増大するという問題がある。
本発明は、セタン価の異なる複数の燃料を使用する自着火型のエンジンにおいて、低負荷運転等による低セタン価燃料の着火性の低下を、火種とする高セタン価燃料の供給量の増大によらずに補うことを可能として、NOx等の排出を抑制し、排気性能を向上させることを目的とする。
本発明は、以上の問題を考慮したエンジンの燃焼制御装置を提供するものである。
本発明においては、自着火型のエンジンにおいて、セタン価の比較的に低い第1の燃料を供給するための第1の燃料噴射弁と、この第1の燃料よりもセタン価の高い第2の燃料を供給するための第2の燃料噴射弁と、第1及び第2の燃料噴射弁の動作を制御可能に構成されたコントロールユニットと、を設け、第2の燃料噴射弁は、第2の燃料を筒内に直接噴射可能に設置する。第1の燃料噴射弁による第1の燃料の噴射時期として、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期を設定する一方、第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内全体に拡散する、比較的に早い第1の噴射時期と、噴射された燃料が筒内で局所的に偏在する、第1の噴射時期よりも遅い第2の噴射時期と、を設定し、第2の噴射時期に噴射された第2の燃料の燃焼に続いて第1の燃料の自着火による燃焼を生じさせるものである。
本発明によれば、セタン価の低い第1の燃料を筒内全体に拡散させる一方、セタン価の高い第2の燃料を、第1の噴射時期に噴射することにより筒内全体に拡散させて、第1の燃料に重畳して分布させるとともに、この第2の燃料を第2の噴射時期に噴射することにより筒内で偏在させ、この偏在する第2の燃料の火炎を火種として、第1の燃料の自着火による燃焼を生じさせることとした。このため、第1の燃料に重畳する第2の燃料により第1の燃料の着火性が確保され、火種とする第2の燃料の供給量を抑えて第1の燃料の自着火による燃焼を生じさせることが可能となる。たとえば、エンジンの低負荷域においては、筒内全体に拡散して分布する第1の燃料が希薄となり、その着火性が低下することとなるが、第2の燃料をこの第1の燃料に重畳して分布させることで、この着火性の低下を補い、火種とする第2の燃料の供給量を増大させることなく、第1の燃料の自着火による燃焼を生じさせることができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃焼制御装置を備えるエンジン1の構成を示している。
本実施形態に係るエンジン(以下、単に「エンジン」という。)1は、主燃料としてガソリン(「第1の燃料」に相当する。)を使用するものであり、この主燃料の燃焼を自着火により生じさせる第1の燃焼形態(自着火燃焼)と、これを後述する点火プラグの点火動作により生じさせる第2の燃焼形態(ガソリン点火燃焼)とで燃焼形態を切り換えて運転することが可能である。
エンジン1の本体(シリンダ)は、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12を載置するとともに、このシリンダブロック11に対し、シリンダヘッド12を図示しないヘッドボルトにより固定して構成される。シリンダブロック11には、ピストン13が上下に往復自在に挿入されており、シリンダヘッド12の下面と、ピストン13の冠面とにより挟まれた空間として、このエンジン1の燃焼室14が形成される。ピストン13の冠面には、キャビティ13aが設けられており、本実施形態において、このキャビティ13aは、断面が気筒中心軸を中心とした略円形に形成されている。シリンダヘッド12には、燃焼室14に連通させて吸気及び排気のための各ポート(吸気ポート、排気ポート)15,16が形成されるとともに、これらのポート15,16を開閉させるための吸気弁17及び排気弁18が設置されている。吸気弁17及び排気弁18は、図示しないカムにより駆動される。また、エンジン1に燃料を供給するための燃料噴射弁として、主燃料であるガソリンを供給するための第1の燃料噴射弁19と、副燃料としてガソリンよりもセタン価の高い軽油(「第2の燃料」に相当する。)を供給するための第2の燃料噴射弁20とが設けられている。第1の燃料噴射弁19は、ガソリンを吸気ポート15内に噴射するように設置されており、第2の燃料噴射弁20は、軽油を燃焼室14内に直接噴射するように、その噴孔を燃焼室14の上部略中央に臨ませて、気筒中心軸と略平行に設置されている。なお、点火プラグ21は、ガソリン点火燃焼に際して使用するものであり、そのプラグギャップを第2の燃料噴射弁20の噴孔の近傍で燃焼室14に臨ませるように、第2の燃料噴射弁20に隣接させて設置されている。
エンジン1において、図示しないエアクリーナを介して吸入された空気は、吸気弁17の弁開期間中に吸気ポート15を介して燃焼室14に導入される。第1の燃料噴射弁19により吸気ポート15内に噴射されたガソリンが空気とともに燃焼室14に導入される一方、第2の燃料噴射弁20により軽油が燃焼室14内に直接噴射され、燃焼室14において、エンジン1の運転条件に応じたガソリン及び軽油の混合気が形成される。燃焼により生じた排気は、排気弁20の弁開期間中に排気ポート16を介して排気通路に排出され、図示しない排気浄化装置を介して大気中に放出される。
本実施形態では、エンジン1の運転条件に応じ、主燃料であるガソリンの燃焼をその自着火により生じさせる自着火燃焼と、ガソリンの燃焼を点火プラグ21の点火動作により生じさせるガソリン点火燃焼とで燃焼形態を切り換える。この燃焼形態の切り換えは、後述するエンジンコントロールユニットからの指令信号により制御される。自着火燃焼は、エンジン1の運転条件が比較的に低負荷側の領域にあるときに選択され、他方、ガソリン点火燃焼は、エンジン1の運転条件がこの低負荷域よりも高負荷側の領域にあるときに選択される。
自着火燃焼では、第1の燃料噴射弁19によりガソリンを吸気ポート19内に噴射して、これを筒内全体に拡散させ、均質なガソリン混合気を形成する。また、第2の燃料噴射弁20により軽油を燃焼室14内に直接噴射して、これを燃焼室14の略中央に偏在させ、その火炎を火種としてガソリンの自着火を生じさせる。本実施形態では、ピストン13の冠面にキャビティ13aが設けられており、軽油を圧縮行程中、上死点近傍の時期に噴射することにより噴霧をキャビティ13a内に保持させる。本実施形態では、自着火燃焼による運転において、エンジン1の要求負荷(ガソリン噴射量)の低下による着火性の低下を補うため、更に第2の燃料噴射弁20により軽油を吸気行程中に噴射して、これを筒内全体に拡散させ、ガソリン混合気に重畳して分布させる。
他方、ガソリン点火燃焼では、第1の燃料噴射弁19を作動させて、筒内に均質なガソリン混合気を形成する。
第1及び第2の燃料噴射弁19,20、ならびに点火プラグ21等の動作は、マイクロコンピュータを備える電子制御ユニットとして構成されるエンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)101からの指令信号により制御される。ECU101は、本実施形態に係る「燃焼制御装置」のコントロールユニットとしての機能を兼ね備えるものである。ECU101には、エンジン1の運転条件を示す信号として、運転者によるアクセルペダルの操作量(以下「アクセル操作量」という。)を検出するためのアクセルセンサ151からの信号、及びクランク角センサ152からの単位クランク角及び基準クランク角毎の信号が入力されるほか、エンジン冷却水の温度を検出するための冷却水温度センサ153からの信号等が入力される。なお、クランク角センサ152の検出信号に基づいてエンジン回転数を算出することが可能である。
次に、ECU101の動作について、フローチャートにより説明する。
図2,3は、本実施形態に係る燃焼制御の内容を示すフローチャートである。ECU101は、この制御ルーチンを所定の時間毎に繰り返し実行する。
基本的な制御の流れを示す図2において、S101では、エンジン1の運転条件として、アクセル操作量APO(要求負荷)及びエンジン回転数NEを読み込む。
S102では、読み込んだ運転条件に基づいて、エンジン1の運転条件が自着火燃焼による運転が可能な領域(自着火可能域)にあるか否かを判定する。この判定は、図4に示すマップデータの検索により行われ、エンジン1の運転条件がSI運転域として示される高負荷側の領域Eにあるときに、自着火可能域にないとされ、SI運転域E以外の領域A,Bl,Bh,Cにあるときに、自着火可能域にあるとされる。自着火可能域にあると判定したときは、S103へ進み、自着火可能域にないと判定したときは、S104へ進む。
S103では、燃焼形態として自着火燃焼を選択する。
S104では、燃焼形態としてガソリン点火燃焼を選択する。
S103の処理の具体的な内容を示す図3において、S201では、アクセル操作量APO等のエンジン1の運転条件を読み込む。
S202では、エンジン1の運転条件が属する自着火可能域中の領域A〜Cを判定する。この判定は、図4に示すマップデータの検索により行われ、エンジン1の運転条件が自着火可能域A,B(Bl,Bh),Cのうち、負荷Piの比較的に小さい領域(低負荷域)Aにあるときは、S203へ進む。他方、エンジン1の運転条件が低負荷域Aよりも高負荷側の領域(中負荷域)Bにあるときは、S205へ進み、これよりも更に高負荷側の領域(高負荷域)Cにあるときは、S208へ進む。
S203では、軽油の圧縮行程噴射を行う。
図5は、自着火燃焼による運転に際してECU101が設定する軽油の噴射時期(以下「軽油噴射時期」という。)ITl1,ITl2を示している。比較的に早い時期ITl1は、噴射された燃料を筒内全体に拡散させるための時期であり、吸気行程に設定される。この吸気行程中の軽油噴射時期ITl1は、後述する中低負荷域Blにおける燃焼制御に関して「第1の噴射時期」に相当するものである。また、時期ITl1よりも遅い時期ITl2は、噴射された燃料を筒内で、燃焼室14の略中央に偏在させるための時期であり、圧縮行程(特に、燃料がキャビティ13a内に噴射される上死点近傍の時期)に設定される。この圧縮行程中の軽油噴射時期ITl2は、中低負荷域Blにおける燃焼制御に関して「第2の噴射時期」に相当するものである。なお、図5は、軽油噴射時期ITl1,ITl2以外に、第2の燃料噴射弁20により時期ITl1に噴射される軽油の噴射量(以下「軽油均質噴射量」という。)Qlh、第2の燃料噴射弁20により時期ITl2に噴射される軽油の噴射量(以下「軽油成層噴射量」という。)Qls、及び第1の燃料噴射弁19によるガソリンの噴射量(以下「ガソリン噴射量」という。)Qgを併せて示している。
S203では、第2の燃料噴射弁20による軽油の噴射時期として、圧縮行程中の軽油噴射時期ITl2を設定するとともに、エンジン1の運転条件に応じた軽油成層噴射量Qlsを設定する。これにより、第2の燃料噴射弁20によりエンジン1の要求負荷に応じた量の軽油が圧縮行程中に噴射され、着火遅れの後、軽油の燃焼が生じる。軽油噴射時期ITl2が上死点近傍の時期に設定され、軽油がキャビティ13a内に噴射されることで、軽油と空気との混合が促進され、NOx及びPMの発生が抑制される。なお、軽油成層噴射量Qlsは、要求負荷の増大に応じて増加させる。
S204では、第1の燃料噴射弁19によるガソリンの噴射を停止させる。このように、低負荷域Aでは、軽油のみによる運転を行う。
S205では、エンジン1の運転条件が中負荷域Bのうち、比較的に低負荷側の領域(中低負荷域)Blにあるか否かを判定する(図4)。中低負荷域Blにあるときは、S206へ進み、それ以外の中高負荷域Bhにあるときは、S207へ進む。
S206では、軽油の二度噴きを行う。軽油の噴射時期として、吸気行程中の軽油噴射時期(「第1の噴射時期」に相当する。)ITl1、及び圧縮行程中の軽油噴射時期(「第2の噴射時期」に相当する。)ITl2を設定するとともに、エンジン1の運転条件に応じた各時期の軽油の噴射量(軽油均質噴射量Qlh、軽油成層噴射量Qls)を設定する。これにより、第2の燃料噴射弁20により軽油が吸気行程及び圧縮行程の双方で噴射され、吸気行程に噴射された軽油は、筒内全体に拡散し、ガソリン混合気に重畳して分布し、他方、圧縮行程に噴射された軽油は、キャビティ13a内に保持されて、ガソリンの自着火を生じさせるための火種を形成する。また、ガソリン混合気に軽油を重畳させたことで、ガソリンの着火性が向上し、ガソリンの自着火による燃焼が促進される。なお、要求負荷の増大に対し、軽油均質噴射量Qlhを減少させる一方、軽油成層噴射量Qlsを増大させる。
S207では、軽油の圧縮行程噴射を行う。軽油の噴射時期として、圧縮行程中の軽油噴射時期ITl2を設定するとともに、エンジン1の運転条件に応じた軽油成層噴射量Qlsを設定する。噴射された軽油は、燃焼室14の略中央に偏在して、ガソリンの自着火を生じさせるための火種を形成する。なお、軽油噴射時期ITl2は、要求負荷の増大に応じて進角させ、軽油成層噴射量Qlsは、要求負荷の増大に対し、スモーク限界(この限界を定める上限値LMTを一点鎖線により示す。)の制限に応じて減少させる。
S208では、軽油の吸気行程噴射を行う。軽油の噴射時期として、吸気行程中の軽油噴射時期ITl1を設定するとともに、エンジン1の運転条件に応じた軽油均質噴射量Qlhを設定する。噴射された軽油は、筒内全体に拡散する。なお、軽油均質噴射量Qlhは、要求負荷の増大に応じて減少させる。
S209では、第1の燃料噴射弁19を作動させて、エンジン1の運転条件に応じた量のガソリンを吸気ポート15内に噴射する。噴射されたガソリンは、筒内全体に拡散し、均質なガソリン混合気を形成する。SI運転域Eでは、ガソリン混合気に対して点火プラグ21により点火を行い、ガソリンの燃焼を生じさせる。
なお、本実施形態では、自着火可能域のうち、中低負荷域Blが「第1の運転領域」に、高負荷域Cが「第2の運転領域」に、低負荷域Aが「第3の運転領域」に、中高負荷域Bhが「第4の運転領域」に相当する。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
本実施形態では、自着火燃焼による運転(中低負荷域Bl)に際し、セタン価の低いガソリンを筒内全体に均一に拡散させる一方、ガソリンよりもセタン価の高い軽油を第1の噴射時期(吸気行程中の軽油噴射時期ITl1)に噴射することにより、これを筒内全体に拡散させて、ガソリン混合気に重畳して分布させるとともに、軽油を第2の噴射時期(圧縮工程中の軽油噴射時期ITl2)に噴射することにより、これを燃焼室14の略中央に偏在させたことで、この偏在する軽油を断熱圧縮により着火させ、これを火種として、ガソリンの自着火による燃焼を生じさせることができる。特に、本実施形態では、ガソリン混合気に重畳する軽油によりガソリンの着火性が確保されるため、火種とする軽油の供給量(軽油成層噴射量Qls)を増大させることなく、ガソリンの自着火による燃焼を確実に生じさせることができ、中低負荷域Blにおいて、未燃HCの排出を抑制することができる。
図6は、ガソリン混合気に重畳して分布させる軽油の噴射量(軽油均質噴射量Qlh)に対するガソリンの着火性及びHC排出量の関係を示している。軽油均質噴射量Qlhを増大させ(Qlh1<Qlh2)、ガソリン混合気に重畳する軽油の濃度を増大させるほど、ガソリンの着火性が向上し、HC排出量を減少させることができる。
図7は、筒内で偏在させる軽油の噴射量(軽油成層噴射量Qls)に対するこの偏在する軽油の混合気(成層混合気)の濃度及びNOx,PM排出量の関係を示している。上記の通りガソリンの着火性が向上したことで、軽油成層噴射量Qlsを減少させることができる。このため、成層混合気の濃度を低下させ、NOx,PM排出量を減少させることができる。本実施形態では、NOx,PM排出量を利用可能域内の量に抑えることのできる軽油成層噴射量Qls(Qls1)を設定し、この軽油成層噴射量Qls1に関して求められるガソリンの着火性が得られる軽油均質噴射量Qlh(Qlh2)を設定する。
また、本実施形態では、自着火燃焼による低負荷域Aでの運転に際し、第2の燃料噴射弁20により圧縮行程中の軽油噴射時期ITl2に軽油を噴射して、これを筒内で偏在させる一方、第1の燃料噴射弁19によるガソリンの噴射を停止させることで、自着火可能域を低負荷側に拡大させ、より広い運転領域で自着火燃焼による運転を行うことができる。
更に、本実施形態では、高負荷域Cでの運転に際し、ガソリンを筒内全体に拡散させて、均質なガソリン混合気を形成するとともに、第2の燃料噴射弁20により吸気行程中の軽油噴射時期ITl1に軽油を噴射して、これを筒内全体に拡散させることで、軽油均質噴射量Qlhの変化に対するエンジントルクの変動を抑制し、ガソリン点火燃焼による運転に円滑に移行することができる。
更に、中低負荷域Blにおいて、エンジン1の要求負荷の増大に対し、軽油均質噴射量Qlhを減少させるとともに、軽油成層噴射量Qlsを増大させることで、ガソリンの着火性の回復に応じてガソリン混合気に重畳させる軽油を減量させて、燃料消費量を削減することができる。また、軽油成層噴射量Qlsを増大させることで、ガソリン混合気に対する充分な圧縮作用を生じさせて、自着火による燃焼を確実に達成させることができる。
更に、中低負荷域Blにおいて、エンジン1の要求負荷の低下に対し、ガソリン噴射量Qgに対する軽油均質噴射量Qlhの割合を増大させることで、ガソリン混合気の濃度の低下に対して着火性の低下を良好に補い、充分な着火性を確保して、未燃HCの排出を抑制することができる。
なお、ガソリンを噴射するための第1の燃料噴射弁19は、吸気ポート15内に噴射するばかりでなく、筒内に直接噴射するように、その噴孔を筒内に臨ませて設置することも可能である。
本発明の一実施形態に係る燃焼制御装置を備えるエンジンの構成 同上実施形態に係る燃焼制御ルーチン(燃焼形態の選択)のフローチャート 同上実施形態に係る燃焼制御ルーチン(燃焼形態に応じた燃料の噴射時期の設定)のフローチャート 燃焼形態切換判定用のマップデータ エンジンの負荷Piに対する軽油噴射時期ITl1,ITl2、軽油成層噴射量Qls、軽油均質噴射量Qlh及びガソリン噴射量Qgの変化 軽油均質噴射量Qlhと、ガソリンの着火性及びHC排出量との関係 軽油成層噴射量Qlsと、成層混合気の濃度及びNOx,PM排出量との関係
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…ピストン、13a…ピストンの冠面、14…燃焼室、15…吸気ポート、16…排気ポート、17…吸気弁、18…排気弁、19…第1の燃料噴射弁、20…第2の燃料噴射弁、21…点火プラグ、101…エンジンコントロールユニット、151…アクセルセンサ、152…クランク角センサ、153…冷却水温度センサ。

Claims (7)

  1. セタン価の比較的に低い第1の燃料を供給するための第1の燃料噴射弁と、
    前記第1の燃料よりもセタン価の高い第2の燃料を供給するための第2の燃料噴射弁と、
    前記第1及び第2の燃料噴射弁の動作を制御可能に構成されたコントロールユニットと、を含んで構成され、
    前記第2の燃料噴射弁は、前記第2の燃料を筒内に直接噴射可能に設けられ、
    前記コントロールユニットは、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料の噴射時期として、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期を設定する一方、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内全体に拡散する、比較的に早い第1の噴射時期と、噴射された燃料が筒内で局所的に偏在する、前記第1の噴射時期よりも遅い第2の噴射時期と、を設定し、
    前記第2の噴射時期に噴射された第2の燃料の燃焼に続いて前記第1の燃料の自着火による燃焼を生じさせるエンジンの燃焼制御装置。
  2. 前記コントロールユニットは、
    エンジンの第1の運転領域において、前記第1の燃料に関して前記噴射時期を設定するとともに、前記第2の燃料に関して前記第1及び第2の噴射時期を設定する一方、
    前記第1の運転領域よりも高負荷側の第2の運転領域では、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料の噴射時期として、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期を設定する一方、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期のみを設定する請求項1に記載のエンジンの燃焼制御装置。
  3. 前記コントロールユニットは、
    エンジンの第1の運転領域において、前記第1の燃料に関して前記噴射時期を設定するとともに、前記第2の燃料に関して前記第1及び第2の噴射時期を設定する一方、
    前記第1の運転領域よりも低負荷側の第3の運転領域では、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料の供給を停止させる一方、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内で局所的に偏在する時期のみを設定する請求項1又は2に記載のエンジンの燃焼制御装置。
  4. 前記コントロールユニットは、
    エンジンの第1の運転領域において、前記第1の燃料に関して前記噴射時期を設定するとともに、前記第2の燃料に関して前記第1及び第2の噴射時期を設定する一方、
    前記第1の運転領域よりも高負荷側の第2の運転領域では、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料の噴射時期として、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期を設定する一方、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期のみを設定し、
    前記第1の運転領域よりも低負荷側の第3の運転領域では、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料の供給を停止させる一方、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内で局所的に偏在する時期のみを設定し、
    前記第1及び第2の運転領域の中間の第4の運転領域では、前記第1の燃料噴射弁による第1の燃料の噴射時期として、噴射された燃料が筒内全体に拡散する時期を設定する一方、前記第2の燃料噴射弁による第2の燃料の噴射時期として、一サイクルについて、噴射された燃料が筒内で局所的に偏在する時期のみを設定する請求項1に記載のエンジンの燃焼制御装置。
  5. 前記第1の燃料噴射弁が第1の燃料を吸気ポート内に噴射するように設けられた請求項1〜4のいずれかに記載のエンジンの燃焼制御装置。
  6. 前記コントロールユニットは、エンジンの要求負荷の増大に対し、前記第1の噴射時期に噴射する第2の燃料を減量させるとともに、前記第2の噴射時期に噴射する第2の燃料を増量させる請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの燃焼制御装置。
  7. 前記コントロールユニットは、エンジンの要求負荷の低下に対し、前記第1の噴射時期に噴射する第2の燃料の、前記第1の燃料に対する供給量の割合を増大させる請求項1〜6のいずれかに記載のエンジンの燃焼制御装置。
JP2008041755A 2008-02-22 2008-02-22 エンジンの燃焼制御装置 Pending JP2009197724A (ja)

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