JP2009197712A - エンジン冷却装置 - Google Patents

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亮 道川内
Hideo Kobayashi
日出夫 小林
Katsuhiko Arisawa
克彦 蟻沢
Toshihisa Sugiyama
敏久 杉山
Kenichi Yamada
賢一 山田
Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Akihito Hosoi
章仁 細井
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Abstract

【課題】沸騰冷却状態から冷媒循環冷却状態への移行時に、大量の冷媒がウォータジャケット内へ流入することに起因するエンジンの熱変化を抑制することを課題とする。
【解決手段】エンジン冷却装置1は、冷媒循環冷却経路4と沸騰冷却経路3の二系統の冷却回路が形成されている。沸騰冷却回路3は、膨張器7と放熱器8との間に、冷媒抽気経路17への経路切り替えを行う第2三方弁16を備えている。この第2三方弁16に、冷媒抽気経路17が接続されている。冷媒抽気経路17は、放熱器8をバイパスして貯留タンク11に接続されている。放熱器8をバイパスさせることにより高温の蒸発冷媒を貯留タンク11内へ導入することができる。これにより、大量の冷媒がウォータジャケット2a1内へ流入することに起因するエンジン本体2aの熱変化を抑制すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン冷却装置に関し、特に、沸騰冷却状態と冷媒循環冷却状態との切替手段を備えたエンジン冷却装置に関する。
従来、内燃機関(エンジン)の駆動に伴って発生する廃熱を、ランキンサイクルを利用して回収する廃熱回収装置が知られている。このような廃熱回収装置には、例えば、エンジンの水冷冷却系統を密閉構造とし、エンジンにおける廃熱によって気化した冷却水、すなわち蒸気によって膨張器(タービン)を駆動して、その蒸気の持つ熱エネルギーを電気エネルギー等に変換して回収するものがある。このように廃熱回収装置を改良したものが、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2000−345835号公報
特許文献1に開示されたような廃熱回収装置は、冷媒の蒸気を介してエンジンの廃熱を回収する。このように冷媒の蒸気を取り出すとき、エンジン内はいわゆる沸騰冷却状態となっている。沸騰冷却状態では、冷媒が蒸発する際の気化熱によるエンジンの冷却が行われる。
ところが、エンジンが高負荷、高回転で運転され、エンジンの温度が高温となったとき等、場合によっては気化熱による冷却のみではエンジンを適切な温度にまで冷却することができできないことが想定される。このような場合、エンジン内に形成されたウォータジャケット内に冷却水を循環させるいわゆる冷媒循環冷却状態へ移行させることが有効である。この冷媒循環冷却状態は、一般的な水冷エンジンにおいて行われる冷却状態である。
前記のような沸騰冷却状態は、冷媒の気化熱を利用した冷却であるため、沸騰するための空間が確保されていることを要する。従って、冷媒はウォータジャケットの全量を満たすことはない。一方、冷媒循環冷却状態では、ウォータジャケットのほぼ全域を冷媒で満たし、その冷媒を循環させ、熱を持ち去ることによってエンジンの冷却を行う。このように、沸騰冷却状態と冷媒循環冷却状態とでは、ウォータジャケット内に存在する冷媒量が異なるため、これを調整するための貯留タンクが必要となる。すなわち、沸騰冷却状態にあるときは、大量の冷媒を貯留タンク内に留めておき、冷媒循環冷却状態に切り替えると、貯留タンク内の冷媒をウォータジャケット内へ戻す。ところが、このように貯留タンク内の冷媒を高温となったエンジン内に形成されたウォータジャケットへ戻すと、急激な熱変化を招来し、ひいてはエンジンブロック等の破損を招きかねない。
そこで、本発明は、沸騰冷却状態から冷媒循環冷却状態への移行時に、大量の冷媒がウォータジャケット内へ流入することに起因するエンジンの熱変化を抑制すことを課題とする。
かかる課題を解決するための、本発明のエンジン冷却装置は、エンジンにおける沸騰冷却状態と冷媒循環冷却状態との切替手段と、前記沸騰冷却状態のときに沸騰冷媒を介して廃熱を回収する廃熱回収手段と、冷媒の貯留タンクと、当該貯留タンクの保温手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。このようなエンジン冷却装置における前記保温手段は、前記貯留タンクへの沸騰冷媒導入手段とすることができる。沸騰冷却によって生じた沸騰冷媒を貯留タンク内に導入することにより、貯留タンク内の冷媒の温度を上昇させることができる。これにより、沸騰冷却から冷媒循環冷却へ移行する際に温度の高い冷媒をエンジンに供給することができ、エンジンを急激に冷却することを抑制することができる。
廃熱回収手段は、いわゆるランキンサイクルを形成している。ランキンサイクルは、エンジンのウォータジャケット内の冷媒(冷却水)を沸騰冷媒(蒸気)として取り出す。取り出された沸騰冷媒は、沸騰冷媒流通経路を通じてタービン等の膨張器を駆動する。そして、膨張器から電力等として廃熱を回収する。廃熱回収後の沸騰冷媒は、放熱器によって液体冷媒に戻され、再びウォータジャケット内供給される。このように廃熱回収手段には、沸騰冷媒流通経路、放熱器が含まれているので、前記保温手段は、放熱器をバイパスし、沸騰冷媒流通経路から貯留タンクへ引き込まれる冷媒抽気経路とすることができる(請求項3)。
このように、冷媒抽気経路は沸騰冷媒流通経路から引き込む構成とすることができるが、この冷媒抽気経路に沸騰冷媒を引き込むか否かの経路切り替えを行う経路切替手段を備えた構成とすることができる(請求項4)。このような経路切替手段を備えることにより、効率的に貯留タンク内の冷媒を昇温させることができる。
また、貯留タンク自体を保温構造としたり、貯留タンクの周囲に保温部材を配置したりする構成を採用することができる(請求項5)。
本発明のエンジン冷却装置によれば、沸騰冷却状態から冷媒循環冷却状態へ移行する際にエンジンのウォータジャケットへ供給される冷媒の温度を上昇させておくことができる。これにより、温度の低い冷媒が急激にエンジン内へ供給されることを回避し、エンジンの損傷を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施例のエンジン冷却装置1をエンジン本体2aに組み込んだエンジン2の概略構成を示した説明図である。
エンジン本体2a内にはウォータジャケット2a1が形成されている。また、ウォータジャケット2a1の壁温を測定する第1温度センサ13が装着されている。エンジン2には、沸騰冷却状態で冷媒が循環する沸騰冷却回路3と、冷媒循環冷却状態で冷媒循環する冷媒循環冷却回路4が形成されている。これらの沸騰冷却回路3と冷媒循環冷却回路4は、その一部を共用している。この共用している部分には、エンジン本体2a内に形成されたウォータジャケット2a1が含まれている。ウォータジャケット2a1の出口には、沸騰冷却状態と冷媒循環冷却状態との切替手段である第1三方弁5が装着されている。
沸騰冷却回路3は、廃熱回収手段を構成する各要素が配置され、ランキンサイクルを構成している。まず、第1三方弁5の下流側が沸騰冷媒流通経路3aを構成している。この沸騰冷媒流通経路3aには、ウォータジャケット2a1内で蒸発した冷媒が流通する。封筒冷却状態では、エンジン本体2は、冷媒が蒸発する際の気化熱によって冷却される。沸騰冷媒流通経路には、上流側、すなわち、エンジン本体2に近い側から順に過熱器6、膨張器7が配設されており、その端部は放熱器8に接続されている。過熱器6にはエンジン本体2の排気ポートと接続された排気経路9が引き込まれている。過熱器6は、排気経路9中の排気ガスから熱を回収し、沸騰冷媒流通経路3a内を通じる沸騰した冷媒へさらに熱を付与するもので、廃熱の回収効率を向上させるものである。膨張器7は、沸騰冷媒流通経路3aを通じて流入する高温、高圧の蒸気によって作動するタービンである。膨張器7は、動力回生装置10に組み込まれた発電機と共通する駆動軸7aを備えている。このため、膨張器7が駆動されると、動力回生装置10により熱エネルギーが電気エネルギーとして回収される。放熱器8は、沸騰冷却回路3においては、凝縮器として機能する。凝縮器として機能する放熱器8は、沸騰冷媒を液体の冷媒に戻す。膨張器7と放熱器8との間には膨張器8を通過した冷媒の温度を測定する第2温度センサ14が装着されている。放熱器8の下流側には貯留タンク11が接続されており、放熱器8によって液体に戻された冷媒が貯留タンク11内に流入する。貯留タンク11の周囲には保温部材11aが配置されている。また、貯留タンク11には内部の冷媒の温度を測定する第3温度センサ15が装着されている。貯留タンク11とエンジン本体2aとの間にはポンプ12が配設されている。このポンプ12が駆動されることにより、冷媒は再びウォータジャケット2a1内へ供給される。
一方、冷媒循環冷却回路4は、全域に亘って液体の冷媒が循環する経路を形成している。冷媒循環冷却経路4は、第1三方弁5の下流に放熱器8が接続されている。放熱器8は、冷媒循環冷却経路4では、ラジエータとして機能する。すなわち、放熱器8は、選択された冷却回路によって、その機能が異なる。放熱器8の下流には貯留タンク11が配置されている。また、貯留タンク11の下流にはポンプ12が配置されている。冷媒循環冷却経路4のポンプ12から第1三方弁5までの経路は、沸騰冷却経路3と共通の経路となっている。このように、エンジン2は、二系統の冷却回路が形成されている。
沸騰冷却回路3は、沸騰冷媒流通経路3aの膨張器7と放熱器8との間から本発明における沸騰冷媒導入手段に相当する冷媒抽気経路17が分岐している。具体的には、膨張器7と放熱器8との間に、冷媒抽気経路17への経路切り替えを行う経路切替手段である第2三方弁16を備え、この第2三方弁16に、冷媒抽気経路17が接続されている。この冷媒抽気経路17は、放熱器8をバイパスして貯留タンク11に接続されている。このように放熱器8をバイパスさせることにより高温の蒸発冷媒を貯留タンク11内へ導入することができる。
以上の構成に含まれる第1三方弁5、第2三方弁16、第1温度センサ13、第2温度センサ14、第3温度センサ15はそれぞれECU(Electronic control unit)18と電気的に接続されており、エンジン冷却装置1は、このECU18によって制御されている。
以上のように構成されるエンジン冷却装置1の動作及び制御につき、図面を参照しつつ説明する。図2は、ECU18が行う制御の一例を示すフロー図である。
まず、ECU18は、ステップS1において、エンジン2が始動状態にあることを確認し、ステップS2へ進む。ステップS2では、自らが内蔵するカウンタによりT秒をカウントする。これは、図2に示した一連の制御をT秒毎に行うための措置である。ECU18は、T秒カウントした後、ステップS3の処理を行う、ステップS3では、エンジン本体2aの状態が沸騰冷却状態か冷媒循環冷却状態であるかの判断を行う。この判断は、第1温度センサ13から取得されるウォータジャケット2a1の壁温T1に基づいて判断される。すなわち、T1が、予め規定された閾値よりも高い場合は沸騰冷却では冷却性能が不足するとして冷媒循環冷却状態と移行するため、NOと判断する。すなわち、ステップS5へ進む。
一方、ステップS3でYESと判断するときは、ステップS4へ進み、第1三方弁5を沸騰冷却回路3側へ切り替える。なお、本実施例では沸騰冷却領域であるか否かの判断を壁温T1によって判断しているが、エンジン2の回転数と負荷から壁温を予測し、この予測した壁温に基づく判断を行うこともできる。以後の制御処理においても壁温T1が参照されることがあるが、同様に予測した壁温に基づく処理を行うこともできる。
ステップS5では、冷媒循環冷却状態へ移行することが許容されるか否かの判断を行う。すなわち、現状で沸騰冷却状態となっている場合に、冷媒循環冷却状態へ移行する際に、温度の低い貯留タンク11内の冷媒がエンジン本体2aへ供給されることが許容されるか否かの判断を行う。従って、壁温T1と貯留タンク11内の冷媒温度T3との差がクライテリアTC1よりも小さいときは、エンジン本体2aが熱損傷を受けるおそれが小さいと判断しステップS6において冷媒循環冷却へ移行する。
一方、壁温T1と貯留タンク11内の冷媒温度T3との差がクライテリアTC1以上のときは、ステップS7へ進み、エンジン出力を制限するとともに警告灯を点灯させる措置を採る。すなわち、壁温T1によれば、冷媒循環冷却状態へ移行することが求められているが、貯留タンク11内の冷媒温度T3が低いときは、その冷媒をエンジン本体2aへに形成されたウォータジャケット2a1へ導入すべきであることからステップS6の措置を採り、エンジン2の保護を図る。
ステップS3でYESの判断をし、ステップS4において沸騰冷却状態へ移行した後は、ステップS8へ進む。ステップS8では、膨張器7を通過した後の冷媒蒸気の温度T2が貯留タンク11内の冷媒温度T3とを比較する。蒸気冷媒の貯留タンク11への導入は、貯留タンク11内の冷媒温度上昇を目的としていることからこのような措置を採る。ステップS8でYESと判断したときはステップS9へ進む。一方、ステップS8でNOと判断したときは、処理はリターンとなる。
ステップS9では、壁温T1と貯留タンク11内の冷媒温度T3との差がクライテリアTCXよりも大きいか否かの判断を行う。このステップS9においてYESと判断したとき、すなわち、貯留タンク11内の冷媒温度T3が低い場合は第2三方弁16を冷媒抽気経路17側へ切り替える。これにより、高温の冷媒を貯留タンク11内へ導入して、貯留タンク11内の冷媒の温度を上昇させることができる。このとき、第2三方弁16の開度、開弁時間は、冷媒温度T2、壁温T1と貯留タンク11内の冷媒温度T3との差T1−T3に応じて決定することができる。ただし、このような制御は所定時間T秒毎に行われるので、貯留タンク11内の冷媒の温度T3は、所望の温度に近くなるように徐々に制御される。
一方、ステップS9においてNOと判断するときは、貯留タンク11内の冷媒の温度T3は、エンジン本体2a1へ冷媒供給が許容される温度を維持していることから沸騰冷媒流通経路3aへ流通させる。
以上のような制御がされることにより、沸騰冷却状態から冷媒循環冷却状態への移行時に、大量の冷媒がウォータジャケット内へ流入することに起因するエンジンの熱変化を抑制することができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
エンジン冷却装置をエンジン本体に組み込んだエンジンの概略構成を示した説明図である。 エンジン冷却装置の制御の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 エンジン冷却装置
2 エンジン
2a エンジン本体
2a1 ウォータジャケット
3 沸騰冷却回路
4 冷媒循環冷却回路
5 第1三方弁
6 過熱器
7 膨張器
8 放熱器
9 排気経路
10 動力回生装置
11 貯留タンク
12 ポンプ
13 第1温度センサ
14 第2温度センサ
15 第3温度センサ
16 第2三方弁
17 冷媒抽気経路
18 ECU

Claims (5)

  1. エンジンにおける沸騰冷却状態と冷媒循環冷却状態との切替手段と、
    前記沸騰冷却状態のときに沸騰冷媒を介して廃熱を回収する廃熱回収手段と、
    冷媒の貯留タンクと、
    当該貯留タンクの保温手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジン冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジン冷却装置において、
    前記保温手段は、前記貯留タンクへの沸騰冷媒導入手段であることを特徴とするエンジン冷却装置。
  3. 請求項1記載のエンジン冷却装置において、
    前記廃熱回収手段は、沸騰冷媒流通経路と放熱器とを含み、
    前記保温手段は、前記放熱器をバイパスし、前記沸騰冷媒流通経路から前記貯留タンクへ引き込まれる冷媒抽気経路であることを特徴とするエンジン冷却装置。
  4. 請求項1記載のエンジン冷却装置において、
    前記廃熱回収手段は、沸騰冷媒流通経路と放熱器とを含み、
    前記保温手段は、前記放熱器をバイパスし、前記沸騰冷媒流通経路から前記貯留タンクへ引き込まれる冷媒抽気経路と、当該冷媒抽気経路への経路切り替えを行う経路切替手段と、
    を含むことを特徴とするエンジン冷却装置。
  5. 請求項1記載のエンジン冷却装置において、
    前記保温手段は、前記貯留タンクの周囲に配置した保温部材であることを特徴としたエンジン冷却装置。
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KR20200065118A (ko) * 2018-11-29 2020-06-09 한국해양과학기술원 내장 멤브레인 및 냉각 시스템을 이용한 냉매 저장형 수액기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200065118A (ko) * 2018-11-29 2020-06-09 한국해양과학기술원 내장 멤브레인 및 냉각 시스템을 이용한 냉매 저장형 수액기
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