JP2009197279A - スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【課題】 薄膜の結晶粒径の大きさを抑制するためにドーピング材料にメッキ加工が必要でなく、従来と比べて費用が安いターゲット材料を提供すること。
【解決手段】 薄膜1の基本部分となるクロム11(原料粉)と、原料粉の結晶粒径が粗大化を防止するのを防止する窒化クロム12(ドーピング材料)と、クロム11と窒化クロム12を混合して焼結により成形されるスパッタリングターゲット10であって、ドーピング材料の窒化クロムは、原材料と同じクロム11の金属元素とスパッタリングの雰囲気ガスと同じ成分の元素である窒素元素を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 薄膜1の基本部分となるクロム11(原料粉)と、原料粉の結晶粒径が粗大化を防止するのを防止する窒化クロム12(ドーピング材料)と、クロム11と窒化クロム12を混合して焼結により成形されるスパッタリングターゲット10であって、ドーピング材料の窒化クロムは、原材料と同じクロム11の金属元素とスパッタリングの雰囲気ガスと同じ成分の元素である窒素元素を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、被膜材料の表面に薄膜を形成するスパッタリングに使用されるスパッタリングターゲットに関する。
従来技術では、薄膜の基本部分となる原料粉の結晶粒径を微細化するため、原料粉に結晶粒径粗大化を防止する効果(ピン止め効果)を持たせるドーピング材料をメッキして焼結しターゲット材料とすることで、薄膜の結晶粒径の大きさを抑制している。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−171359号公報
しかしながら、ドーピング材料はメッキが可能な物質に限定されるため、メッキができない金属窒化物や酸化物などを用いることができない。また、ドーピング材料にメッキ加工を行った後に焼結するため、メッキ加工が必要な分費用が高くなる問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、薄膜の結晶粒径の大きさを抑制するためにドーピング材料にメッキ加工が必要でなく、従来と比べて費用が安いターゲット材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、薄膜の基本部分となる原料粉と、前記原料粉の結晶粒径が粗大化を防止するドーピング材料と、前記原料粉と前記ドーピング材料を混合して焼結により成形されるスパッタリングターゲットであって、前記ドーピング材料は、前記原材料と同じ金属元素とスパッタリングの雰囲気ガスと同じ成分の元素を持った化合物であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記金属元素はクロムで、雰囲気ガスは窒素であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記原料粉と前記ドーピング材料の混合割合wt%は70/30から30/70の間であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、ターゲットは、原料粉と、原料粉と同じ元素とスパッタリングの雰囲気ガスと同じ元素を備えたドーピング材料と、を焼結して成形するため、ピン止め効果によりクロム金属の結晶粒の粗大化を防ぐことができる。また、スパッタリングターゲット中の結晶粒径が小さいため、スパッタリングによる成膜の際にドロップレットにより飛び出す粒子を小さくできる。これらの効果により成膜後の被膜表面の面粗度が向上する。
また、請求項2に記載の発明では、窒化クロムの被膜成分とすることができ、耐摩耗性、耐潤滑性等にすぐれた被膜を形成できる。
特に、請求項3に記載の発明とすることにより、成膜後の薄膜の面粗度が向上する。
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明のスパッタリングターゲット10の結晶状態を示す説明図である。スパッタリングターゲット10は、クロム11(原料粉)とスパッタリングの雰囲気ガスと同じ窒素の元素を持った化合物である窒化クロム(ドーピング材料)を混合し焼結して成形したものである。クロム11の結晶粒は、窒化クロム12の結晶粒と相互に配置される。クロム11の融点は700℃〜800℃の間であり、窒化クロム12の融点は1500℃である。
クロム11、窒化クロム12の結晶粒径を交互に配置することで、クロム11、窒化クロム12の融点の違いからピン止め効果が得られクロム11の結晶粒の粗大化を防ぐことができる。
図2は、本発明のスパッタリングターゲット10のドロップレット発生を示す説明図である。図2(a)でスパッタリングにおいてアーク放電13の発生初期時は、スパッタリングターゲット10のクロム11をイオン化するエネルギーがなく、溶融する。このとき図2(b)に示すように、スパッタリングターゲット10のクロム11が溶融してドロップレット14が生じる。このとき窒化クロム12がクロム11の周囲にあるため、溶融はクロム11のみであり、スパッタリングターゲット10から飛び出すクロム粒子を小さくできる。図2(c)でイオン化可能なエネルギーをもったアーク放電13があると、スパッタリングターゲット10からイオン化したクロムイオン15、窒素イオン16が飛び出して、被膜材料2(図3〜10)に薄膜1(図3〜10)を形成する。
(実験結果)
図3〜図11は、原料粉のクロム11とドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%を変えた場合の、実験結果である。
図3〜図11は、原料粉のクロム11とドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%を変えた場合の、実験結果である。
実験の条件は、原料粉のクロムの粉末粒径は50μm以下で、ドーピング材料の窒化クロムの粉末粒径は10μm以下である。放電プラズマ焼結の条件は温度1050℃、圧力20MPa、雰囲気は真空50Pa以下、昇温速度25℃/min、保持時間5minである。
図3と図4は、原料粉のクロムとドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%が、100/0の場合(従来)の断面と表面である。
図5と図6は、原料粉のクロムとドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%が、70/30の場合の断面と表面である。
図7と図8は、原料粉のクロムとドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%が、50/50の場合の断面と表面である。
図9と図10は、原料粉のクロムとドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%が、30/70の場合の断面と表面である。
薄膜の断面は、原料粉のクロムとドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%が70/30の場合、50/50の場合に、薄膜が均一に成長(厚く)している。また、薄膜の表面は同様に、原料粉のクロムとドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%が70/30の場合、50/50の場合に滑らかになる。
図11は、原料粉のクロム11とドーピング材料の窒化クロム12の混合割合wt%を変えた場合の面粗度(自乗平均平方根粗さRms、算術平均粗さRa、最大高さRmax、十点平均粗さRz)の測定結果である。原料粉のクロムとドーピング材料の窒化クロムの混合割合wt%が従来の100/0の場合と比較して、70/30、50/50、30/70の場合に面粗度が向上していることがわかる。
本発明では、スパッタリングターゲット10は、クロム11と、窒化クロム12を焼結して成形するため、ピン止め効果によりクロム11の結晶粒の粗大化を防ぐことができる。また、スパッタリングターゲット10中の結晶粒径が小さいため、スパッタリングによる成膜の際にドロップレット14により飛び出す粒子を小さくできる。これらの効果により成膜後の薄膜1の面粗度が向上する。
1 薄膜
10 スパッタリングターゲット
11 クロム(原料粉)
12 窒化クロム(ドーピング材料)
10 スパッタリングターゲット
11 クロム(原料粉)
12 窒化クロム(ドーピング材料)
Claims (3)
- 薄膜の基本部分となる原料粉と、
前記原料粉の結晶粒径が粗大化を防止するドーピング材料と、
前記原料粉と前記ドーピング材料を混合して焼結により成形されるスパッタリングターゲットであって、
前記ドーピング材料は、前記原材料と同じ金属元素とスパッタリングの雰囲気ガスと同じ成分の元素を持った化合物であることを特徴とするスパッタリングターゲット。 - 前記金属元素はクロムで、雰囲気ガスは窒素であることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
- 前記原料粉と前記ドーピング材料の混合割合wt%は70/30から30/70の間であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008040848A JP2009197279A (ja) | 2008-02-22 | 2008-02-22 | スパッタリングターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008040848A JP2009197279A (ja) | 2008-02-22 | 2008-02-22 | スパッタリングターゲット |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009197279A true JP2009197279A (ja) | 2009-09-03 |
Family
ID=41141107
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JP2008040848A Pending JP2009197279A (ja) | 2008-02-22 | 2008-02-22 | スパッタリングターゲット |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009197279A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019131849A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 三菱マテリアル株式会社 | スパッタリングターゲット、及び、スパッタリングターゲットの製造方法 |
-
2008
- 2008-02-22 JP JP2008040848A patent/JP2009197279A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019131849A (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 三菱マテリアル株式会社 | スパッタリングターゲット、及び、スパッタリングターゲットの製造方法 |
JP7008237B2 (ja) | 2018-01-30 | 2022-01-25 | 三菱マテリアル株式会社 | スパッタリングターゲット、及び、スパッタリングターゲットの製造方法 |
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