JP2009192717A - 液晶表示装置 - Google Patents

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将樹 清水
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Abstract

【課題】実際にユーザが注視しがちな画面領域の画像特性に対応した輝度を供給し、かつ、消費電力を極力抑制する。
【解決手段】液晶表示装置のAPL測定部14は、チューナ12等で受信した映像信号の各フレーム領域から所定の部分領域を抽出し、抽出した各フレームの部分領域の部分APLと、各フレームの全領域における全体APLと、部分APLと全体APLとの比によるAPL比率とを測定する。そして制御部であるマイコン21は、測定したAPL比率に応じて、バックライトユニット17のバックライトからの発光量を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、より詳細には、映像の特性に応じてバックライトの輝度を変調するようにした液晶表示装置に関する。
映像信号をバックライト光源の配置に応じて水平方向にm分割、垂直方向にn分割し、更にその分割された各映像信号の平均輝度(APL(Average Picture Level))の高低に応じて、各バックライト光源のインバータのデューティー比を制御して明るさ調整するというエリアアクティブ輝度制御についての発明が開示されている。
例えば、特許文献1では、画面内に明るい範囲や暗い範囲があった場合でも、その範囲が見易くなるように輝度調整を行う技術が開示されている。ここでは、アンテナで受信された放送波に含まれる映像信号をバックライトの光源の配置に応じて水平方向にm分割、垂直方向にn分割し、更にその分割された各映像信号の平均輝度(APL)の高低に応じて、各光源のインバータのデューティー比を制御して明るさ調整している。
また、特許文献2等により、APLの低い画面でコントラストを向上させるために輝度を上げ、APLの高い画面で眩しさを押さえるために輝度を下げる方法が開示されている。
特開2000−321571号公報 特許3863904号公報
上記特許文献1の構成によって、部分的あるいは局所的に暗い画面領域や明るい画面範囲が見易くなりうるものと考えられる。特に、別々の内容の映像情報を画面の左右に表示処理するいわゆる二画面表示等において、左右の映像の明るさレベルが明らかに異なる場合(例えば、シネマ映像とニュース映像等の二画面表示時等)には有効な制御手法とも考えられる。
しかしながら、上記手法は必ずしも有効な手法であるとは言い難い面もある。つまり、バックライト光源の明るさを部分的に制御できるとはいえ、その構成は特許文献1に記載されているように発光領域を縦方向、及び横方向に分割する程度に留まり、その光源を分割して点灯させる分だけ、その駆動回路に必要な部品点数(スイッチング回路等)が必要とされ構成が複雑化する要因にもなりかねない。
その上、上記の構成にて表示する映像が、局所的に明るい領域が画面の(中央ではないという意味で)周辺付近に曲線状に形成されている単一画面の映像である場合は、その曲線領域が2つの分割領域によって表示処理される際、その周辺の輝度レベルが各分割領域ごとに異なると、その曲線領域を液晶パネルの背面から照射する2つの光源の明るさが異なることも考えられる。したがって、必ずしも光源の明るさまで分割するのは最適な視聴状態を提供し得るものとは限らないとも考えられる。
また、分割したバックライトごとに駆動回路等が必要とされ、その構成が複雑化し、コストの大幅アップも考えられる。
一方、近年、液晶表示装置の大画面化(例えば約50型以上等)に伴って増加するバックライトの消費電力に対して、更なる低消費電力化が要求されており、そのために大幅な部品点数増を伴うことのない低消費電力対策や、その商品に必要最低限の条件下で消費電力を低減させる方法が望まれている。
特に、大画面の液晶表示装置においては、シネマ映像等の比較的APLの低い画像を表示することが多い。このような使用条件にあっては、ユーザの注視しがちな画面領域が明るい場合には、その部分を必要以上に明るくしないようにバックライトの輝度を落とすことが適当と考えられる。
また、液晶表示装置の周囲の明るさ(周囲照度)に応じても視聴画面のコントラスト感や明るさ感が変化するため、周囲照度に応じてバックライトの輝度を制御してもよく、このときにユーザの注視しがちな画面領域が明るい場合には、必要以上に画面を明るくしないようにバックライトの輝度を落とすことが適当と考えられる。
そこで本発明は、上記問題点を鑑み、実際にユーザが注視しがちな画面領域の画像特性に対応した輝度を供給し、かつ、消費電力を極力抑制することを可能とする液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、複数フレームで構成される映像信号を受信する受信部と、複数の画素を有し、かつ、映像信号に含まれる各画素の階調数に基づいて画素を所定電圧で駆動する液晶パネルと、液晶パネルの背面から所定の範囲の明るさを提供するバックライト部と、受信部で受信した映像信号の各フレーム領域から所定の部分領域を抽出する部分領域抽出部と、抽出した各フレームの部分領域のAPLである部分APLを測定する部分APL測定部と、各フレームの全領域のAPLである全体APLを測定する全体APL測定部と、測定された部分APLと全体APLとに応じて、バックライト部からの発光量を制御する制御部と、を有することを特徴としたものである。
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、制御部が、部分APLの全体APLに対する比率によってバックライト部からの発光を制御することを特徴としたものである。
本発明の第3の技術手段は、第2の技術手段において、映像信号の全体APLとバックライト部の発光輝度との関係を規定する複数の調光曲線のデータを予め記憶する記憶手段を有し、制御部は、部分APLと全体APLとの比率に応じて調光曲線を選択し、選択した調光曲線に従って前記バックライト部を制御することを特徴としたものである。
本発明の第4の技術手段は、第3の技術手段において、液晶表示装置の周囲照度を検出する周囲照度検出手段と、周囲照度とバックライト部の発光輝度との関係を規定する複数の調光曲線のデータを予め記憶する記憶手段とを有し、制御部は、部分APLと全体APLとの比率に応じて前記調光曲線を選択し、選択した調光曲線に従って前記バックライト部を制御することを特徴としたものである。
本発明の第5の技術手段は、第1〜4のいずれか1の技術手段において、部分APL検出部において抽出される部分領域は、各フレームの少なくとも中央を含む一部の領域であることを特徴としたものである。
本発明の第6の技術手段は、第1〜5の技術手段において、部分APL検出部において抽出される部分領域は、予め定めた映像の特徴に応じて動的に変化する領域であることを特徴としたものである。
本発明の第7の技術手段は、第6の技術手段において、部分領域から部分APLを測定するときの重み付けを行い、その重み付けを、映像信号のジャンルに応じて変化させることを特徴としたものである。
本発明の第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、バックライト部は並列に配置された複数の蛍光管によって構成され、部分APL検出部において抽出される部分領域は、少なくとも複数の蛍光管のうち連続する二本に対応する領域であることを特徴としたものである。
本発明によれば、実際にユーザが注視しがちな画面領域の画像特性に対応した輝度を供給し、かつ、消費電力を極力抑制することを可能とする。
特に本発明によれば、実際にユーザが注視しがちな画面領域の画像特性に対応したバックライトの輝度を、映像信号のAPLに応じて、もしくは液晶表示装置の周囲照度に応じて適切に供給し、かつ消費電力を極力抑制することを可能とする。
本発明に係る液晶表示装置は、バックライト光源の発光輝度を制御するための輝度制御テーブルを保持する。そして液晶表示装置の一実施形態では、輝度制御テーブルは、画像信号の1フレームにおける平均輝度レベル(APL;Average Picture Level)と、バックライト光源の発光輝度との関係を規定する。また、液晶表示装置の他の実施形態によれば、上記輝度制御テーブルは、液晶表示装置周囲の明るさ(周囲照度)と、バックライト光源の発光輝度との関係を規定したものとなる。
また、これらの輝度制御テーブルは、液晶表示装置が有する画調モードやジャンルデータに応じて異なるものであってもよい。
液晶表示装置では、入力映像信号のフレーム全体のAPL(全体APL)と、ユーザが注視しがちな部分領域のAPL(部分APL)とを測定し、部分APLと全体APLとの比からAPL比率を算出し、そのAPL比率に従って輝度制御テーブルを選択する。そして、選択した輝度制御テーブルの輝度制御特性に従って、バックライト光源の発光輝度を制御する。
例えば全体APLとバックライト光源の発光輝度とを規定する輝度制御テーブルの場合には、映像信号から測定したAPL比率に従って輝度制御テーブルを選択し、全体APLに応じてバックライト光源の発光輝度を制御する。一方、周囲照度とバックライト光源の発光輝度とを規定する輝度制御テーブルの場合には、映像信号から測定したAPL比率に従って輝度制御テーブルを選択し、明るさセンサで測定した周囲照度に応じてバックライト光源の発光輝度を制御する。
図1は、本発明による液晶表示装置の一実施形態の構成を説明するためのブロック図である。液晶表示装置1において、受信部であるチューナ12は、アンテナ11により受信した放送信号を選局する。デコーダ13は、チューナ12で選局された放送信号をデコード処理して多重分離し、液晶パネル20を駆動するための映像信号と、放送信号の電子番組情報等に含まれるジャンルデータとを出力する。
デコーダ13で分離された映像信号は、映像処理部18で各種の映像処理が行われた後、液晶パネル20を駆動制御するLCDコントローラ19に入力される。LCDコントローラ19では、入力された映像信号に基づいて液晶パネル20の図示しないゲートドライバ及びソースドライバに対して液晶駆動信号を出力し、これにより映像信号に従う映像が液晶パネル20に表示される。液晶パネル20は、複数の画素を有し、映像信号に含まれる各画素の階調に基づいて各画素が所定電圧で駆動される。
またデコーダ13で分離された上記映像信号は、APL測定部14にも出力される。APL測定部14では、デコーダ13から出力された映像信号の1フレームごとのAPL(全体APL)と、フレーム中のユーザが注視しやすい部分的領域(例えばフレームの中央を含む領域)のAPL(部分APL)と、これら部分APLと全体APLとの比で表されるAPL比率とを測定する。つまりAPL測定部14は、本発明の全体APL測定部、部分領域抽出部及び部分APL測定部に該当する。またAPLを測定する映像信号は、液晶表示装置1に接続された外部機器や記録媒体から入力されるものであってもよい。
本発明の一実施形態では、測定された全体APLとAPL比率はフィルタ15に送られ、各APL変化に対する追従性が調整される。そして、APL比率はマイコン21が輝度制御テーブルを書き換えるか否かを判断するために必要な情報としてマイコン21に送られる。また全体APLはバックライト制御部16に送られて、後述する輝度制御テーブルの輝度制御特性に基づき、全体APLに応じたバックライト光源の発光輝度制御が行われる。
なお、図1に示す例では、デコーダ13でデコード処理された映像信号によりAPLを測定しているが、映像処理部18による映像処理の後にAPLを測定するようにしてもよい。ただし、映像処理部18では、例えばOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示を行う処理や、スケーリング処理、あるいはレターボックス表示(黒マスク等による画面領域の制限)処理を行う場合がある。この場合、デコーダ13から出力された(すなわち映像処理部18による映像処理を行っていない)映像信号からAPLを測定すると、これら映像処理による影響を受けることなく、真の映像信号に対応したバックライト輝度の制御を行うことができる。
フィルタ15は、全体APLの測定値に応じてバックライト光源の発光輝度を制御する際に、フレーム間のAPL変化に対する追従性を規定するもので、例えば多段式のデジタルフィルタより構成されている。また算出されたAPL比率についても、フィルタ15を通すことで実際のAPL比率の時間変化に従う出力APL比率の追従性を適宜設定することができる。
このフィルタ15は、APL測定部14で測定されたフレームごとのAPL(全体APL,APL比率)を入力し、各フレームに対してその過去の1または複数のフレーム分のAPLとの間で、それぞれの重み付けに従って加重平均演算を行って、出力APLを算出する。ここでは、注目フレームに対して反映させる過去のフレーム段数を可変設定可能とし、注目フレームと過去のフレーム(設定された段数分)のそれぞれに対して重み係数を設定しておく。
そして、注目フレームのAPLが入力したときに、その入力APLと、過去の使用段数分のフレームのAPLをそれぞれの重み係数に従って加重平均演算し、得られたAPLを出力する。これにより、実際のAPL変化に従う出力APLの追従性を適宜設定することができる。ここでは、マイコン21に入力されたジャンルデータに応じてフィルタの段数や重み付け値を設定することができる。フィルタ15の段数及び重み付け値は上記のように適宜設定可能で、フィルタ機能のON/OFF設定も可能である。
フィルタ15から出力された全体APLは、バックライト制御部16に入力する。バックライト制御部16は、選択された輝度制御テーブル23に基づき、入力した全体APLに応じてバックライト光源の発光輝度を調整するためのバックライト輝度調整信号を出力し、バックライトユニット17の光源発光輝度を制御する。
バックライトユニット17は、例えば図2に示すように、液晶パネル20の背面に取り付けられる筐体30内に、細管形状の複数の蛍光管31を等間隔に配設して構成される。また拡散板32によって蛍光管31から発光された照明光を均一拡散する。
この場合、例えばバックライトユニット17は、バックライト制御部16から入力するバックライト輝度調整信号に従って、矩形波の高電位レベルと低電位レベルの信号期間比(デューティー比)が変化するパルス幅変調出力を調光信号として出力する調光制御回路と、調光制御回路からの調光信号を受けてその調光信号に応じた周期及び電圧の交流電圧を発生し、これを蛍光管31に印加して点灯駆動するインバータ(いずれも図示せず)とを含んでいる。インバータは、上記調光制御回路の出力が高電位レベルの時に動作し、低電位レベルの時は動作を停止して、調光制御回路の出力デューティーに応じて間欠動作を行うことにより、光源(バックライト部)の輝度が調節される。
またバックライトユニット17は、図3に示すように、液晶パネル20の背面に取り付けられる筐体30内に、赤色,緑色,青色の3原色からなる複数色のLED光源、すなわち赤色光源41,緑色光源42,及び青色光源43を配設して構成してもよい。LED光源の発光輝度は、個々のLED光源に対するLED電流によって制御することができる。また図示しないが、バックライトユニット17として上記のような蛍光管とLEDとを併用した方式のものを適用することもできる。またこのときに、蛍光管やLEDの光源からの光を導光板を用いて面均一化とする、いわゆるサイドエッジ型と呼ばれる構成によって液晶パネル20を照明するようにしてもよい。
また、液晶表示装置1は、液晶表示装置1の周囲の明るさ(周囲の照度)を検出するための明るさ検出手段として明るさセンサ24を備えている。明るさセンサ24としては、例えばフォトダイオードが適用できる。そして明るさセンサ24では、検出した周囲光に応じた直流電圧信号が生成され、マイコン21に対して出力される。マイコン21は、周囲光に応じた直流電圧信号に応じてバックライト光源の発光輝度制御に使用する輝度制御テーブルを選択する制御信号を出力したり、また輝度制御テーブルの輝度制御値を調整するための輝度調整係数を出力したりする。
また、液晶表示装置1は、リモコン装置27から送信されるリモコン制御信号を受光するためのリモコン受光部25を備えている。リモコン受光部25は、例えば、赤外線によるリモコン操作信号を受信するための受光LEDにより構成されている。
リモコン受光部25によって受信したリモコン操作信号は、制御部であるマイコン21に入力される。マイコン21では、入力したリモコン操作信号に従って所定の制御を行う。例えば、本実施形態では、ユーザは予め用意された複数の画調モードから、リモコン装置27を用いて所望の画調モードを選択し、液晶表示装置1に設定制御することができる。
上述のように本例の輝度制御テーブル23は、入力映像信号の全体APLに応じたバックライト光源の発光輝度の関係を定めるものである。そして、予め選択可能な複数の輝度制御テーブル(ルックアップテーブル)をROM等のテーブル格納メモリ22に記憶させておき、APL測定部14で測定されフィルタ15を介してマイコン21に入力したAPL比率に従って輝度制御テーブルが選択される。ここではマイコン21は、APL比率に従って、使用するテーブルNoを指定することにより、制御に使用する輝度制御テーブルを選択することができる。あるいは輝度制御テーブルを選択して変更したときに、演算によって変更後の輝度制御テーブルを得るようにしてもよい。
さらにこの場合、同じAPL比率であっても、画調モードや液晶表示装置周囲の明るさ、ジャンルデータ等に応じて、異なる輝度制御テーブルを選択させることができる。
また、図1において、輝度調整係数は、ユーザ操作に応じて画面全体の明るさ設定を行うために使用される。例えば、液晶表示装置1が保持するメニュー画面において、画面の明るさ調整項目が設定されている。ユーザは、その設定項目を操作することによって、任意の画面明るさを設定することができる。図1のマイコン21は、その明るさ設定を認識して、その設定された明るさに従って乗算器26に対して輝度調整係数を出力する。乗算器26では、現在使用している輝度制御テーブルによる輝度変換値に対して、輝度調整係数を乗算することにより、明るさ設定に応じた明るさでバックライト光源を点灯させる。
輝度調整係数は、輝度制御テーブルの輝度制御特性の傾きを変化させる。すなわち、一定の割合で画面を暗くする輝度調整係数を使用する場合は、輝度制御特性の傾きが小さくなる方向に変化する。また画面を明るくする輝度調整係数を使用する場合は、輝度変更特性の傾きが大きくなっていくが、バックライト光源の100%輝度でリミッタが働き、それ以上には輝度が上がらないように制限される。
上記の輝度調整係数については、本発明に関わる液晶表示装置のAPL比率に応じた輝度制御特性の変更とは異なる制御である。バックライト光源の発光輝度は、テーブル格納メモリ22に格納された輝度制御テーブルのなかから選択された輝度制御テーブル23に基づいて制御され、その輝度制御テーブルの輝度制御特性値に対してユーザ設定に基づく輝度調整係数が乗算されてバックライト制御部16に出力される。
また、上記の例では、輝度制御テーブルとして、全体APLとバックライト光源の発光輝度との関係を定めたものを使用したが、本発明に係る他の実施形態では、輝度制御テーブルとして、液晶表示装置の周囲照度と、バックライト光源の発光輝度との関係を定めたものを用いる。ここでも予め選択可能な複数の輝度制御テーブルを用意してテーブル格納メモリ22に保持しておく。そして、マイコン21は、入力映像信号から測定したAPL比率に従って、使用するテーブルNoを指定することにより、制御に使用する輝度制御テーブルを選択することができる。あるいは輝度制御テーブルを選択して変更したときに、演算によって変更後の輝度制御テーブルを得るようにしてもよい。
さらにこの場合、同じAPL比率であっても、画調モードやジャンルデータ等に応じて、異なる輝度制御テーブルを選択させることができる。
この場合、APL測定部14で測定されたAPL比率はフィルタ15に送られてAPL変化に対する追従性が調整され、マイコン21が輝度制御テーブルを書き換えるか否かを判断するために必要な情報としてマイコン21に送られる。また、明るさセンサ24によって検出された周囲照度情報が、マイコン21からフィルタ15を介して(もしくは直接に)バックライト制御部16に送られて、上記の輝度制御テーブルの輝度制御特性に基づき、周囲照度に応じたバックライトの発光輝度制御が行われる。
本発明に係る液晶表示装置の一実施形態では、APL測定部14で測定した映像信号の全体APLに応じて、表示映像の表示品位(輝度、コントラスト、メリハリ感など)と、バックライト光源の消費電力とを最適化すべく、バックライト光源の発光輝度を制御することができる。
また本発明に係る液晶表示装置の他の実施形態では、上記バックライトの制御特性を、明るさセンサ24を使用して測定した液晶表示装置周囲の明るさ(周囲照度)に応じて変更し、周囲の明るさに応じて、表示映像の表示品位(輝度、コントラスト、メリハリ感など)と、バックライト光源の消費電力とを最適化することができる。また、これらの制御を液晶表示装置が提示可能な画調モードごとに実施してもよい。
図4は、本発明のバックライト部の一例である直下式バックライトシステムの構成例であり、縦列方向に複数配列して複数の蛍光管を同期をとって同時駆動する構成を示している。同図に示すように、2本の蛍光管31a,31bを横方向に並列に配列し、それぞれ左右の両端にインバータ回路A(1)とインバータ回路B(2)を設ける。そして、同様に並列して配設された他の2本の蛍光管31a,31bも、他のインバータ回路A(n)、B(n)(n=1,2,3・・・)に接続されている。
大型かつ薄型のLCDのように長尺(1m以上)かつ小口径(3〜7mm程度)の蛍光管を駆動するインバータ回路の場合は、図4のように各インバータ回路A(n)、B(n)から互いに逆位相で出力される所定の周波数(数十kHz)の交流高圧信号によって蛍光管に電圧印加し、それによる放電現象によって蛍光管内部の蛍光体が発光する。そのために各インバータ回路A(n)、B(n)のいずれにも、少なくとも入力電圧を昇圧して蛍光管31a、31bの電極へ出力する2次巻線がそれぞれ備わっており、またこれら2次巻線から出力される電圧信号を昇圧させるために2次巻線と一体で備えられる1次巻線が備わっている。また更に、この1次巻線に流れる電流の方向を一定周期で切り替えるために2つまたは4つのトランジスタとで構成されるブリッヂ回路(フルブリッジ又はハーフブリッジの両方を含む)と、これらのトランジスタのオン・オフ状態を交互に制御するための制御信号発生回路等が主に備えられている。
また本例では、各インバータ回路A(n),B(n)が備えるインバータトランスのうち、自励発振に使用していないトランスの帰還巻線両端同士を互いに接続する構成(LN)が備えられている。これにより、インバータ回路間に電気的な結合を形成せずに、各インバータトランス間の誘導効果によって互いの位相を同調させるように作用する。各蛍光管31a,31bへの接続に際しては、蛍光管の両端に印加される電圧が互いに逆位相の関係になるように、インバータ回路のそれぞれからインバータトランスの2次巻線の一端子を引き出して接続する。
図4に示すように、各インバータ回路A(n)、B(n)間の接続は各蛍光管31a、31bの両端に位相が反転した交流電力が印加されるように同期をとるか位相反転させて構成されている。尚、上記構成例のような例と同様な例として、上述した2本の蛍光管31a、31bの駆動だけに限定されるものではなく、昇圧トランスの数及び同トランスの巻線構成を変更することにより、3本以上の蛍光管を駆動するようにしてもよい。
そして、液晶表示装置のマイコン21は、APL測定部14で測定したAPL比率に応じて調光曲線を選択し、その調光曲線に従ってAPL測定部14で測定したAPL(全体APL)に応じたバックライトの輝度制御を行うか、もしくは選択した調光曲線に従って明るさセンサ24で検出した周囲照度に応じたバックライトの輝度制御を行う。
バックライト制御部16は、調光信号発生回路を備えている。調光信号発生回路は、マイコン21の制御に従って、調光曲線に従うバックライト輝度を得るためのPWM形式の調光信号を生成する。各インバータ回路A(n)、B(n)は、バックライト制御部16から出力された調光信号を受けてその信号のディーティ比に応じた輝度で蛍光管31を発光させるように制御する。
(実施例1)
図5は、本発明の液晶表示装置による第1の実施例の制御例を説明するためのフローチャートである。本実施例におけるマイコン21の制御フローでは、全体APL及びAPL比率の2つの情報によって最適なバックライト輝度を出力するように制御している。以下は図1の構成を参照しながら説明する。
まずAPL測定部14は、入力映像信号の映像特性値を算出する(ステップS1)。映像特性値は、入力映像信号のフレーム毎の全体APL、フレーム毎の部分APL、部分APL/全体APLで表されるAPL比率である。部分APLを算出する領域は、予め定められたフレーム内の特定の領域であり、例えばフレームの中央を含む一部の領域である。
APL測定部14で計測された映像信号のAPL比率(部分APL/全体APL)の値がマイコン21に入力されると、マイコン21は以下の条件に従って場合分けを行って調光曲線の選択を行う(ステップS2〜S6)。
[条件1−1]APL比率が0.75以下の場合 → 調光曲線C3を選択
[条件1−2]APL比率が0.75〜1.50の場合 → 調光曲線C2を選択
[条件1−3]APL比率が1.50より大きい場合 → 調光曲線C1を選択
そして選択した調光曲線を使用して、全平均輝度レベル(全体APL)に応じたバックライトのデューティー比を決定する(ステップS7)。
上記の調光曲線C1〜C3は、全体APLとバックライト輝度(バックライトの輝度調整信号を示す値)との関係を定めるもので、バックライト制御部16では、選択された調光曲線に応じてバックライト輝度を制御する。
つまり、マイコン21は、APL測定部14で測定された入力映像信号のAPL比率がとる値の範囲に応じて、消費電力と高コントラスト化による見易さとの観点から最適な調光曲線を選択するようになっている。
調光曲線C1〜C3の選択方法について説明する。図6は、映像信号の全体APL値に対するバックライト輝度との関係を示す曲線(調光曲線)を示す図である。上述の条件1−1〜1−3に関連付けて示された各調光曲線C1〜C3の傾向としては、同じ全体APL値を呈する2つの映像信号が入力された場合であっても、フレーム内のうち予め定められた部分領域内での明るさが明るい時の方がバックライトの輝度を暗くするように制御されることを示している。つまり、条件1−3のときに選択される調光曲線C1よりも、よりAPL比率の低い条件1−1の時に選択される調光曲線C3の方が、同じ全体APL値でもバックライト輝度が相対的に高くなるように制御される。なお、各調光曲線において全体APLが低輝度側の所定範囲(この例では約10%以下)、及び高輝度側の所定範囲(この例では約80%以上)では、各調光曲線C1〜C3はバックライト輝度が一定レベルで共通となる。
このような映像信号の全体APLとAPL比率との関係については幾つかの映像信号が例示された図7を参照されたい。図7(A)は、全体APLとAPL比率とが特定の関係をもつ映像信号の例I1〜I6を観念的に示す図で、図7(B)はこれら映像信号I1〜I6に該当する映像の例を模式的に示すものである。
ここでは、計測される入力映像信号の部分領域が、フレームを上下方向に4分割した内の中央の2領域であるものとする。つまりこの例では図8に示すように、斜線で示す部分領域101が、全画面100の上下中央部で全画面の半分の面積を持つ領域として設定されているものとする。例えばこの部分領域101は、並列して配置された複数の蛍光管のうち連続する二本に対応する領域として設定することができる。
この場合、同じAPL(40%)をもつ3つの映像(I1)、(I3)、(I5)を比較すると、それぞれ以下のように相対的な特徴付けを行うことができる。
映像(I1):画面周辺にグレーが分布し、中央は黒の画像であり、全体APLが低く、APL比率≪1.0である。
映像(I3):画面周辺及び中央とも同程度のグレーが分布する画像であり、全体APLが低く、APL比率≒1.0である。
映像(I5):画面中央にグレーが分布し、周辺は黒の画像であり、全体APLが低く、APL比率≫1.0である。
これらの3つの同じAPLの映像(I1,I3,I5)において、中央部のみ明るみがある映像(I5)は、調光曲線C1により低消費電力を優先した明るさで表示し、周辺及び中央のそれぞれに適度な明るさがある映像(I3)は、調光曲線C2により相対的に中程度の明るさで表示し、周辺部のみ明るみがある映像(I1)は、ユーザが注視しがちな領域においてAPLが低く暗い映像であるため、調光曲線C3によりコントラスト感を充実させるべく比較的明るいバックライト輝度で表示する。
一方、映像(I2)、(I4)、(I6)についても、映像(I1)、(I3)、(I5)と同様の相関関係が与えられるので、以下の画像信号の情報によりそれぞれ最適な調光曲線を選択することが可能になる。
映像(I2):画面周辺に白が分布し、中央は黒の画像であり、全体APLが高く、APL比率≪1.0である。この場合調光曲線C3を選択する。
映像(I4):画面周辺及び中央に同程度の白が分布する画像であり、全体APLが高く、APL比率≒1.0である。この場合調光曲線C2を選択する。
映像(I6):画面中央に白が分布し、周辺は黒の画像であり、全体APLが高く、APL比率≫1.0である。この場合調光曲線C1を選択する。
以上のような技術的思想に基づいて、本実施例においては、マイコン21は、入力されたAPL比率の値に応じて、予めテーブル格納メモリ22に保存された各調光曲線C1〜C3から最適な曲線を示すデータ群を選択し、これら一連のデータ群を輝度制御テーブル23に書き込む処理を行う。これにより、入力された映像信号の特徴であるAPL比率から、コントラスト感と低消費電力化との観点を両立させた最適な調光曲線が選択される。
そして最後に、バックライト制御部16は、フィルタ15を介して入力された映像信号の全体APLに従って、予め輝度制御テーブルに書込まれたAPLの値に相当するバックライト輝度調整信号のデューティー比に関する情報を抽出することにより、入力されたAPL値及びAPL比率に対する最適なバックライト輝度調整信号を出力する。
図9は、APL測定部の構成とその処理の詳細について説明するための図である。APL測定部14は、主な構成回路として第1APL測定部141、第2APL測定部(規格化演算回路を含む)142、除算回路143、及びカウンタ回路(1)〜(3)によって構成される。
第1APL測定部では、60枚/秒または120枚/秒で送られてくる各フレーム映像の全画面領域におけるAPL(全体APL)を算出する。ここでは、映像信号中の水平同期信号(Hsync)や垂直同期信号(Vsync)に同期して各画素毎の階調数をメモリ回路等に積算することで全体APLが算出される。
一方、第2APL測定部では、同様に60枚/秒または120枚/秒で送られてくる各フレーム映像の一部の画面領域におけるAPL(部分APL)を算出する。ここでは、映像信号中の水平同期信号(Hsync)や垂直同期信号(Vsync)に同期して、予め特定された映像領域(例えば図8の部分領域101)内における各画素毎の階調数をメモリ回路等に積算することで部分APLが算出される。
上記部分APLを算出する部分領域の特定手法の一例として、以下の手段を用いる。つまりマイコン21からAPL測定部14に対し、APL測定を開始する水平ラインを特定する第1水平ライン数(Hstart)と、APL測定を終了する水平ラインを特定する第2水平ライン(Hend)とに関する情報(V(Hstart)、V(Hend))のそれぞれを予めカウンタ回路(1),(2)に指定しておく。
これらカウンタ回路(1),(2)が、映像信号から送られた水平同期信号(Hsync)を逐次読み込むことにより、それぞれの回路で測定開始あるいは終了するための判定回路144(主にAND回路とインバータ(反転)回路で構成される)で測定するべきタイミングを判断し、第2APL測定部142は、その判断した期間におけるAPL値を積算して、部分領域内のAPL測定を行う。
尚、これら第1APL測定部141及び第2APL測定部142において積算された値をそのまま除算すると、互いの画面領域の面積に差があるためにAPL値同士を除算した値にはならないこともあるので、前述の第2水平ライン(Hend)に関する情報(V(Hstart)、V(Hend))から第1画面領域と第二画面領域の全画素数比を係数演算し、第1APL測定部141と第2APL測定部142との数値規模を規格化した規格化演算回路145を備えても良い。しかし、後段の除算回路143に対する余裕ある計算時間を考慮すると、規格化演算回路145を与えるよりも、除算回路143で算出されるAPL比率の値を上記規格化演算されない数値として出力し、バックライト制御部16に直接その値を送って後段の処理で判断させても良い。
こうして演算された全画面(第1画面領域)及び部分画面(第二画面領域)のAPLに対して、互いの映像の特性を比較するための指標となる値を割り出すための演算回路の一例として本実施例では除算回路143を例示している。そして、この演算回路は各APLの総和を演算するために全てのAPLの積算が完了した時点で演算処理を開始するように制御される。
例えば、カウンタ回路(3)において予めマイコン21から指定された帰線期間に相当する水平ライン数(Hfb)に対応する情報V(Hfb)を記憶しておき、この記憶された数字と1フレーム毎にカウントされた水平同期信号の数とを比較した結果、帰線期間に達したときに演算回路たる除算回路145に演算処理を開始する信号を送信することによって演算処理が開始される。この垂直帰線期間中になされた演算によって得られた数値をAPL比率として後段のフィルタ15に送信する。以上の構成、処理によって、APL測定部14がAPL比率を演算算出する。
尚、上記構成例においては、最良の実施例として、映像信号の全画面領域と部分領域の各APLに対して除算回路を導入しているが、両者の特性差を表す演算回路であってもよく、例えば各APL値の減算回路であってもよく、あるいは加算、減算、乗算、除算の何れかの組合せで構成される関数をなす関数回路であってもよい。
また上記実施例では、APLの測定対象となる全画面領域と部分領域との組合せが、全画面領域と、水平方向に分割された一部画面との2つの画面領域に特定されているが、これら全画面領域及び部分領域の各領域の関係は、これに限らず、一方の領域が他方の領域の少なくとも一部を包含する関係にあるものであってもよい。そしてその中でもより好ましい組合せとしては、一方の領域が他方の領域全体を包含する関係にある組合せである。そしてその際に、第1APL測定部141は、例えば第2APL測定部142に伴って構成されるカウンタ回路(1),(2)と同様な構成を伴うものであってもよい。
(実施例2)
図10は、本発明の液晶表示装置による第2の実施例の制御例を説明するためのフローチャートである。本実施例におけるマイコン21の制御フローでは、液晶表示装置の周囲照度及びAPL比率の2つの情報によって最適なバックライト輝度を出力するように制御している。
まずAPL測定部14は、入力映像信号の映像特性値を算出する(ステップS11)。ここでは、映像特性値は、入力映像信号のフレーム毎の全体APL、フレーム毎の部分APL、部分APL/全体APLで表されるAPL比率である。部分APLは、予め定められたフレーム内の部分領域であり、例えばフレームの中央を含む一部の領域である。
APL測定部14で計測された映像信号のAPL比率(部分APL/全体APL)の値がマイコン21に入力されると、マイコン21はその値を以下の条件によって場合分けを行って調光曲線の選択を行う(ステップS12〜S16)。
[条件2−1]APL比率が0.75以下の場合 → 調光曲線D3を選択
[条件2−2]APL比率が0.75〜1.50の場合 → 調光曲線D2を選択
[条件2−3]APL比率が1.50より大きい場合 → 調光曲線D1を選択
そして選択した調光曲線を使用して、周囲照度に応じたバックライトのデューティー比を決定する(ステップS17)。周囲照度は、明るさセンサ24によって検出された映像表示装置周囲の照度情報である。
調光曲線D1〜D3は、液晶表示装置の周囲照度とバックライト輝度(バックライトの輝度調整信号を示す値)との関係を定めるもので、選択された調光曲線に応じてバックライト輝度を制御する。
つまり、マイコン21は、APL測定部14で測定された入力映像信号のAPL比率がとる値の範囲に応じて、消費電力と高コントラスト化による見易さとの観点から最適な調光曲線を選択するようになっている。
調光曲線D1〜D3の選択方法について説明する。図11は、液晶表示装置の周囲照度に対するバックライト輝度調整信号の特性を示す曲線(調光曲線)を示す図である。上述の条件2−1〜2−3に関連付けて示された各調光曲線D1〜D3の傾向としては、APL測定部14で測定されたAPL比率が高いほど、つまり映像信号のフレーム内のうち予め定められた部分領域内での明るさが相対的に明るいほど、バックライトの輝度を相対的に暗くする調光曲線選択するように制御されることを示している。
つまり、条件2−3のときに選択される調光曲線D1よりも、よりAPL比率の低い条件2−1の時に選択される調光曲線D3の方が、同じ周囲照度でもバックライト輝度が相対的に高くなるように制御される。
このような周囲照度とAPL比率との関係については幾つかの映像信号が例示された図12を参照されたい。図12(A)は、周囲照度とAPL比率とが特定の関係をもつ映像信号の例J1〜J6を観念的に示す図で、図12(B)はこれら映像信号J1〜J6に該当する映像の例を模式的に示すものである。
例えば、計測される入力映像信号の部分領域が、図8に示すようなフレームを上下方向に4分割した内の中央の2領域であった場合に、同じ周囲照度をもつ3つの映像(J1)、(J3)、(J5)を比較すると、それぞれ以下のように相対的な特徴付けを行うことができる。
映像(J1):画面周辺にグレーが分布し、中央は黒の画像であり、APL比率≪1.0である。
映像(J3):画面周辺及び中央とも同程度のグレーが分布する画像であり、APL比率≒1.0である。
映像(J5):画面中央にグレーが分布し、周辺は黒の画像であり、APL比率≫1.0である。
これらの3つの同じ周囲照度の画像(J1,J3,J5)において、中央部のみ明るみがあるAPL比率の高い映像(J5)は、調光曲線D1により低消費電力を優先した明るさで表示し、また周辺及び中央のそれぞれに適度な明るさがあり、APL比率が中程度の映像(J3)は、調光曲線D2により相対的に中程度の明るさで表示する。また周辺部のみ明るみがあり、APL比率が低い映像(J1)は、ユーザが注視しがちな領域においてAPLが低く暗い映像であるため、調光曲線D3によりコントラスト感を充実させるべく比較的明るいバックライト輝度で表示する。
一方、映像(J2)、(J4)、(J6)についても、映像(J1)、(J3)、(J5)と同様の相関関係が与えられるので、以下の画像信号の情報によりそれぞれ最適な調光曲線を選択することが可能になる。
映像(J2):画面周辺に白が分布し、中央は黒の画像であり、APL比率≪1.0であるため、調光曲線D3を選択する。
映像(J4):画面周辺及び中央に同程度の白が分布する画像であり、APL比率≒1.0であるため、調光曲線D2を選択する。
映像(J6):画面中央に白が分布し、周辺は黒の画像であり、APL比率≫1.0であるため、調光曲線D1を選択する。
以上のような技術的思想に基づいて、本実施例においては、マイコン21は、検出された周囲照度の値に応じて、予めテーブル格納メモリ22に保存された周囲照度に対する各調光曲線D1〜D3から最適な曲線を示すデータ群を選択し、これら一連のデータ群を輝度制御テーブル23に書き込む処理を行う。これにより、入力された映像信号の特徴であるAPL比率から、コントラスト感と低消費電力化との観点を両立させた最適な調光曲線が選択される。
そして最後に、バックライト制御部16は、入力された周囲照度の値に従って、予め輝度制御テーブルに書込まれた周囲照度の値に相当するバックライト輝度調整信号のデューティー比に関する情報を抽出することにより、入力された周囲照度及びAPL比率に対する最適なバックライト輝度調整信号を出力する。
(実施例3)
図13は、本発明の液晶表示装置による第3の実施例の制御例を説明するためのフローチャートである。本実施例におけるマイコン21の制御フローでは、上記実施例1と同様に、全体APL及びAPL比率の2つの情報によって最適なバックライト輝度を出力するように制御しているが、さらに本実施例では、部分APLを算出するための各フレームの部分領域を、映像信号の特徴に応じて動的に変化させるようにしている。
つまり上記各実施例では、APL比率の算出に用いる部分APLは、予め定められたフレーム内の領域で測定されていたが、本実施例では、映像に含まれる特徴に応じて部分APLの測定領域を動的に変化させる。映像に含まれる特徴としては、例えば人の顔の映像、あるいはテロップなどが適用できる。本発明に係る実施例では、ユーザが注視しがちな画面領域の画像特性に対応したバックライト輝度変調を行うようにしているが、このような主旨から、ユーザが注視しがちな人の顔やテロップを含む画像領域を、部分APLの測定に用いる部分領域として設定する。
図13に示すとおり、まず入力映像信号の特徴領域を抽出する(ステップS21)。特徴領域は、ユーザが注視しがちな画面領域であり、ここでは、映像信号に含まれる顔の画像部分の領域、もしくはテロップの領域である。
映像から顔を抽出する技術としては、特徴抽出法など様々な技術がすでに公開され、実用化されている。またテロップ検出においても同様であり、時間軸上の閾値以上の輝度変化などからテロップを検出するなど、様々な手法が知られている。本実施例に関わる顔検出及びテロップ検出は、その検出方法自体を特に限定するものではなく、従来公知の技術を適宜適用することができる。そして検出した顔の部分の画像領域と、テロップ含む画像領域とをそれぞれ特徴領域として抽出する。顔の場合には、顔自体の画像部分を特徴領域として定めてもよく、また顔の画像が内接する矩形領域を特徴領域として定めてもよく、定義の方法は適宜定めておくことができる。テロップにおいても同様にテロップを含む領域を適宜定めておくことができる。
上記の特徴領域を抽出する特徴領域抽出部は、図1の構成でAPL測定部14により実行させることができる。もしくはデコーダ13とAPL測定部14との間に、特徴領域抽出部のブロックを設けてもよい。
また、特徴領域としては、上記の顔やテロップに限定されることなく、ユーザが注視しやすくかつ映像信号からの抽出可能な特徴を適宜選択することができる。
そして、ステップS21で上記のような特徴領域が抽出された場合には、その特徴領域の重み付け割合を決定する(ステップS22)。このときに、映像信号に含まれるジャンルデータや、マイコン21に入力した映像信号のジャンルデータが特徴領域抽出部に入力され、このジャンルデータに応じて、重み付け割合を決定する。ジャンルデータに応じた重み付けの割合は予め定めておき、特徴領域抽出部は入力したジャンルデータに従って、部分APLの算出に使用する重み付け割り合いを決定する。例えば、顔とテロップとの両方が検出された場合、部分APLの算出に係る重み付けとして、顔検出領域を50%、テロップ領域を50%として決定することができる。このとき、特徴領域がいずれか一方しか抽出できなかったときには、重み付けは100%となる。
そして、APL測定部14では、決定された特徴量域の重み付けを用いて、映像特性値を算出する(ステップS23)。映像特性値は、入力映像信号のフレーム毎の全体APL、フレーム毎の部分APL、部分APL/全体APLで表されるAPL比率である。部分APLは、上記抽出された特徴領域の重み付けに従うAPLである。
例えば顔検出領域を50%、テロップ領域を50%として決定した場合、顔検出領域のAPL×50%と、テロップ検出領域のAPL×50%との和が部分APLとなる。
また、上記の顔やテロップのいずれも検出されていないときには、予め定めた画像中央部などを注視領域とし、APL測定部14では、その注視領域を部分領域として部分APLを求める(ステップS24)。
このときに画像中央部と顔やテロップとの間で重み付け割合を定めてもよい。あるいは特徴領域が抽出できないときには、本実施例に係る制御を行わないようにしてもよい。また、重み付けの割合は、上記のようなジャンルデータのみならず、画調モードに応じて変更してもよい。
そしてAPL測定部14では、映像信号のAPL比率(部分APL/全体APL)の値を求めてマイコン21に入力する。マイコン21はその値を以下の条件によって場合分けを行って調光曲線の選択を行う(ステップS25〜S29)。これ以後の調光曲線の選択処理は上記実施例1と同様であり、得られたAPL比率に従って図6に示す調光曲線C1〜C3のいずれかを選択する。つまり、
[条件1−1]APL比率が0.75以下の場合 → 調光曲線C3を選択
[条件1−2]APL比率が0.75〜1.50の場合 → 調光曲線C2を選択
[条件1−3]APL比率が1.50より大きい場合 → 調光曲線C1を選択
そして選択した調光曲線を使用して、全平均輝度レベル(全体APL)に応じたバックライトのデューティー比を決定する(ステップS30)。
ここでは、調光曲線の形状とその選択処理及びその作用については、実施例1の図6〜図7と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
このように、マイコン21は、APL測定部14で測定された入力映像信号のAPL比率がとる値の範囲に応じて、消費電力と高コントラスト化による見易さとの観点から最適な調光曲線を選択させることによって、本発明の目的を奏しうる実施形態を実現する。特に本実施例では、ユーザが注視しがちな画像領域を動的に抽出して、バックライト輝度変調を実行するため、上記のようなユーザが注視しがちな画像領域の画像特性に対応した輝度を供給しつつ、かつ、消費電力を低減させることが可能となる。
上記のように本例では、部分APLを算出するための各フレームの部分領域を、映像信号の特徴に応じて動的に変化させ、測定したAPL比率に応じて調光曲線を選択しているが、他の例として、選択する調光曲線を、実施例2に示すような周囲照度とバックライト輝度とを規定する調光曲線としてもよい。この場合、選択した調光曲線に従って、明るさセンサ24で測定した周囲照度に応じてバックライト光源の発光輝度を制御させるようにする。
以上のように本発明に係る実施例により、実際にユーザが注視しがちな画面領域の画像特性に対応したバックライトの輝度を、映像信号のAPLに応じて、もしくは液晶表示装置の周囲照度に応じて適切に供給し、かつ消費電力を極力抑制することが可能となる。
本発明に係る液晶表示装置を表すブロック図である。 本発明の液晶表示装置におけるバックライト部及び液晶パネルの搭載例を示す図である。 本発明の液晶表示装置におけるバックライト部及び液晶パネルの他の搭載例を示す図である。 本発明の液晶表示装置におけるバックライト部の一部構成例を示す図である。 本発明の液晶表示装置による第1の実施例の制御例を説明するためのフローチャートである。 映像信号の全体APL値に対するバックライト輝度との関係を示す曲線(調光曲線)を示す図である。 全体APLとAPL比率とが特定の関係をもつ映像信号の例を説明するための図である。 部分領域の設定例を説明するための図である。 APL測定部の構成とその処理の詳細について説明するための図である。 本発明の液晶表示装置による第2の実施例の制御例を説明するためのフローチャートである。 液晶表示装置の周囲照度に対するバックライト輝度調整信号の特性を示す曲線(調光曲線)を示す図である。 周囲照度とAPL比率とが特定の関係をもつ映像信号の例を説明するための図である。 本発明の液晶表示装置による第3の実施例の制御例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…液晶表示装置、11…アンテナ、12…チューナ、13…デコーダ、14…APL測定部、15…フィルタ、16…バックライト制御部、17…バックライトユニット、18…映像処理部、19…LCDコントローラ、20…液晶パネル、21…マイコン、22…テーブル格納メモリ、23…輝度制御テーブル、24…明るさセンサ、25…リモコン受光部、26…乗算器、27…リモコン装置、31…蛍光管、31a,32b…蛍光管、32…拡散板、41…赤色光源、42…緑色光源、43…青色光源、100…全画面、101…部分領域、141…第1APL測定部、142…第2APL測定部、143…除算回路、144…判定回路、145…規格化演算回路。

Claims (8)

  1. 複数フレームで構成される映像信号を受信する受信部と、
    複数の画素を有し、かつ、映像信号に含まれる各画素の階調数に基づいて前記画素を所定電圧で駆動する液晶パネルと、
    該液晶パネルの背面から所定の範囲の明るさを提供するバックライト部と、
    前記受信部で受信した映像信号の各フレーム領域から所定の部分領域を抽出する部分領域抽出部と、
    抽出した各フレームの部分領域のAPLである部分APLを測定する部分APL測定部と、
    各フレームの全領域のAPLである全体APLを測定する全体APL測定部と、
    測定された前記部分APLと前記全体APLとに応じて、前記バックライト部からの発光量を制御する制御部と、を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記制御部は、前記部分APLの前記全体APLに対する比率によって前記バックライト部からの発光を制御することを特徴とする液晶表示装置。
  3. 請求項2に記載の液晶表示装置において、映像信号の全体APLと前記バックライト部の発光輝度との関係を規定する複数の調光曲線のデータを予め記憶する記憶手段を有し、
    前記制御部は、前記部分APLと全体APLとの比率に応じて前記調光曲線を選択し、選択した調光曲線に従って前記バックライト部を制御することを特徴とする液晶表示装置。
  4. 請求項2に記載の液晶表示装置において、該液晶表示装置の周囲照度を検出する周囲照度検出手段と、
    前記周囲照度と前記バックライト部の発光輝度との関係を規定する複数の調光曲線のデータを予め記憶する記憶手段とを有し、
    前記制御部は、前記部分APLと全体APLとの比率に応じて前記調光曲線を選択し、選択した調光曲線に従って前記バックライト部を制御することを特徴とする液晶表示装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の液晶表示装置において、前記部分APL検出部において抽出される前記部分領域は、各フレームの少なくとも中央を含む一部の領域であることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の液晶表示装置において、前記部分APL検出部において抽出される前記部分領域は、予め定めた映像の特徴に応じて動的に変化する領域であることを特徴とする液晶表示装置。
  7. 請求項6に記載の液晶表示装置において、前記部分領域から前記部分APLを測定するときの重み付けを行い、該重み付けを、映像信号のジャンルに応じて変化させることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載の液晶表示装置において、前記バックライト部は並列に配置された複数の蛍光管によって構成され、前記部分APL検出部において抽出される部分領域は、少なくとも前記複数の蛍光管のうち連続する二本に対応する領域であることを特徴とする液晶表示装置。
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