JP2009192492A - 被測定物の表裏面測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被測定物の第1測定面(表面)がプローブによって測定可能な姿勢に被測定物を設置する設置工程ST1と、この姿勢において、被測定物の輪郭形状および第1測定面を測定する第1輪郭形状測定工程ST2および第1測定面測定工程ST3と、被測定物を反転する反転工程ST4と、反転された姿勢において、被測定物の輪郭形状を測定する第2輪郭形状測定工程ST5と、第1,第2輪郭形状測定工程で得られた輪郭形状データを比較し、第2測定面において、第1測定面測定工程で測定した第1測定面の測定位置に対応する測定位置を求める測定位置算出工程ST6と、測定位置算出工程で求められた測定位置に沿って第2測定面の形状を測定する第2測定面測定工程ST7とを備える。
【選択図】図5
Description
そのため、レンズの表面と裏面との形状などを測定する方法が各種提案されている。
これは、測定対象であるレンズと、3つの基準球とを被測定物保持治具の表裏面側に露出するように配置した被測定物保持治具を用いる。この被測定物保持治具の表面および裏面において、レンズの三次元形状データと基準球の中心点座標とを測定し、基準球の中心点座標を基準にレンズの表裏面の三次元形状データを合成し、このレンズ表裏面合成データからレンズの表面と裏面との間の偏芯および傾きを求める方法である。
また、基準球の露出した部分の一部を測定し、そこから中心点座標などを算出しているため、測定誤差が発生しやすい。
次に、被測定物の第2測定面がプローブによって測定可能な姿勢に被測定物を反転(反転工程)したのち、被測定物とプローブとを相対移動させながら、被測定物の輪郭形状を測定する(第2輪郭形状測定工程)。
このような構成によれば、測定位置算出工程では、第1輪郭形状データと第2輪郭形状データとの特異点を抽出し、その特異点のずれ量を求め、第1測定面での測定位置に対してずれ量分だけ測定位置をずらして第2測定面の測定位置を求めるようにしたから、極めて簡単な処理で第2測定面の測定位置を求めることができる。
このような構成によれば、第1測定面測定工程および第2測定面測定工程において、プローブが被測定物の測定面に一定圧で接触しながら測定する倣い測定を行うようにしたから、被測定物の測定面形状を高精度に測定できる。
このような構成によれば、加振要素によって測定子を振動させ、この状態において、測定子を被測定物の表面に接触させる。測定子が被測定物の表面に接触すると、測定子の振動が拘束されるため、検出素子からの検出信号が減衰される。従って、検出素子からの検出信号の減衰量が常に一定になるように、測定子移動機構を制御しながら測定を行うことにより、高精度な測定を実現できる。とくに、振動式のプローブであるから、測定力が小さくても測定でき、被測定物に対する外力の影響を極力低減できる。
図1は、本発明の方法を実施する表面性状測定装置を示す正面図、図2は、同表面性状測定装置の側面図である。
表面性状測定装置は、基台1と、被測定物を載置するテーブルとしてのXYステージ2と、このXYステージ2を水平面内の互いに直交するXおよびY軸方向へ変位させるX軸駆動機構3およびY軸駆動機構4と、基台1の上面に跨って設けられた門形フレーム5と、この門形フレーム5のクロスレール5Aに設けられた可動部材としてのZ軸スライダ6と、このZ軸スライダ6をXおよびY軸方向に対して直交するZ軸方向へ変位させるZ軸駆動機構7と、Z軸スライダ6に取り付けられたプローブ8とを含んで構成されている。
X軸駆動機構3およびY軸駆動機構4は、例えば、ボールねじ軸と、このボールねじ軸に螺合されたナット部材とを有する送りねじ機構によって構成されている。
Z軸駆動機構7も、X軸駆動機構3やY軸駆動機構4と同様に、例えば、ボールねじ軸と、このボールねじ軸に螺合されたナット部材とを有する送りねじ機構によって構成されている。
プローブ8は、Z軸スライダ6に取り付けられた筐体11と、この筐体11に設けられたセンサ部12と、このセンサ部12をZ軸方向へ変位させる測定子移動機構としての駆動用アクチュエータ17と、この駆動用アクチュエータ17によるセンサ部12の変位量(つまり、筐体11に対するセンサ部12の変位量)を検出する変位検出手段としてのセンサ部変位検出器18(スケールと検出ヘッドからなる)とを含んで構成されている。
スタイラス14が被測定物と非接触状態にあるとき、スタイラス14の共振周波数で一定の振幅をもつ入力信号を加振素子15に加えると、スタイラス14が共振し、検出素子16に振幅Poの出力信号が得られる。スタイラス14が被測定物に接触すると、出力信
号の振幅がPoからPxに減衰する。
従って、センサ部12を被測定物に接触させる際、減衰率(Px/Po)が常に一定となるように、駆動用アクチュエータ17でセンサ部12と被測定物との距離を制御すれば、測定力一定状態で被測定物の形状や粗さを測定することができる。
本制御システムは、制御装置31と、プローブ8と、駆動・変位検出装置41と、表示部51と、入力部61とを含んで構成されている。
駆動・変位検出装置41は、X軸駆動機構3、Y軸駆動機構4およびZ軸駆動機構7のほかに、XYステージ2のXおよびY軸方向への変位量を検出するX軸変位検出器42およびY軸変位検出器43、Z軸スライダ6のZ軸方向への変位量を検出するZ軸変位検出器44を備えている。
計数及び補正演算処理部34は、各軸変位検出器、つまり、X,Y,Z軸変位検出器42,43,44およびセンサ部変位検出器18の検出値からスタイラス14の座標値を算出するほかに、データ記憶部33に記憶された測定データ、具体的には、後述する第1輪郭形状測定工程で得られたレンズ71の第1輪郭形状データと第2輪郭形状測定工程で得られたレンズ71の第2輪郭形状データとを比較し、第2測定面(レンズの裏面)において、第1測定面測定工程で測定した第1測定面(レンズの表面)の測定位置に対応する測定位置を求める処理などを行う。
ここでは、被測定物としてのレンズの表裏面を測定する例について説明する。
レンズの表裏面を測定するには、図5に示すフローチャートに従って各工程が実施される。
図6に示すように、被測定物であるレンズ71を治具81を介してXYステージ2上に設置する。治具81は、円筒形状で、側壁に図示省略の真空ポンプなどに接続されるエアー吸引孔82を有し、このエアー吸引孔82からエアーを吸引することにより、レンズ71が治具81の上端面に吸着保持される。
レンズ71は、例えば、金型の転写によって成形され、略円形の輪郭形状72内の表裏面に凸曲面形状の第1測定面73および第2測定面74を有する形状で、第1測定面73が上になるように設置される。つまり、第1測定面73がプローブ8によって測定可能な姿勢に設置される。
図7に示すように、設置工程によってレンズ71が設置された姿勢において、レンズ71とプローブ8とを相対移動させながら、レンズ71の輪郭形状72を測定する。ここでは、X軸駆動機構3およびY軸駆動機構4を駆動させて、XYステージ2をX軸方向およびY軸方向へ変位させながら、プローブ8のスタイラス14をレンズ71の輪郭形状72に沿って一定間隔毎に接触させて間欠測定を行う。これによって、得られた第1輪郭形状データOLD1は、データ記憶部33に記憶される。
図8に示すように、設置工程によってレンズ71が設置された姿勢において、レンズ71とプローブ8とを相対移動させながら、第1測定面73の形状を測定する。ここでは、プローブ8のスタイラス14をレンズ71の第1測定面73に一定圧で接触させながら、XYステージ2とプローブ8とをX軸方向およびY軸方向の測定ラインSL1,SL2に沿って相対移動させて倣い測定を行う。これによって、得られた第1測定面形状データSDは、データ記憶部33に記憶される。
図9に示すように、レンズ71の第2測定面74がプローブ8によって測定可能な姿勢にレンズ71を反転して設置する。つまり、レンズ71の第2測定面74が上になるように反転して、治具81上に設置する。
図10に示すように、反転工程によってレンズ71が反転された姿勢において、レンズ71とプローブ8とを相対移動させながら、レンズ71の輪郭形状を測定する。ここでは、X軸駆動機構3およびY軸駆動機構4を駆動させて、XYステージ2をX軸方向およびY軸方向へ変位させながら、プローブ8のスタイラス14をレンズ71の輪郭形状72に沿って一定間隔毎に接触させて間欠測定を行う。これによって、得られた第2輪郭形状データOLD2は、データ記憶部33に記憶される。
図11に示すように、第1輪郭形状測定工程で得られた第1輪郭形状データOLD1と第2輪郭形状測定工程で得られた第2輪郭形状データOLD2とを比較し、第2測定面74において、第1測定面測定工程で測定した第1測定面73の測定位置である測定ラインSL1,SL2に対応する測定ライン(測定位置)を求める。
つまり、第1輪郭形状データOLD1と第2輪郭形状データOLD2との共通する特異点を抽出し、第2輪郭形状データOLD2の特異点が、第1輪郭形状データOLD1の特異点に対してどれだけずれている(回転しているか)を求め、第1測定面73の測定ラインSL1,SL2に対して求めたずれ量(回転角)だけ測定ラインをずらして、第2測定面74における測定ラインBL1,BL2を求める。
図12に示すように、反転工程によってレンズ71が反転された姿勢において、レンズ71とプローブ8とを相対移動させながら、測定位置算出工程で求められた測定ラインBL1,BL2に沿って第2測定面74の形状を測定する。ここでは、プローブ8のスタイラス14をレンズの第2測定面74に一定圧で接触させながら、XYステージ2とプローブ8とを測定ラインBL1,BL2に沿って相対移動させて倣い測定を行う。これによって、得られた第2測定面形状データBDは、データ記憶部33に記憶される。
データ記憶部33に記憶された第1測定面形状データSDおよび第2測定面形状データBDのうち、第2測定面形状データBDを反転すると、図13に示すように、レンズ71の第1測定面形状データSDと、第2測定面形状データBDが得られる。ここから、レンズ71の表面および裏面での光軸のずれや傾きなどを測定できる。
本実施形態によれば、レンズ71の第1測定面73で測定した測定ラインSL1,SL2に対応する第2測定面74の測定ラインBL1,BL2を、第1輪郭形状測定工程で得られた第1輪郭形状データOLD1と第2輪郭形状測定工程で得られた輪郭形状データOLD2とを比較して求めるようにしたから、基準球などを用いることなく、レンズ71の表裏面形状を高精度かつ効率的に測定できる。従って、レンズ71の光軸のずれや傾きなども高精度に測定できる。
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、レンズ71を、円筒形状の治具81を用いてXYステージ2上に吸着載置したが、これに限られない。
例えば、図14に示すように、エアー吸引孔がない円筒形状の治具81の上端面に3つの鋼球83を120度間隔で配置し、この3つの鋼球83の上にレンズ71を載置するようにしてもよい。本実施形態で用いるプローブ8は、測定力が極めて小さくも測定できるため、レンズ71を3つの鋼球83上に載置しただけでも、レンズ71がずれることなく測定できる。
また、レンズ71の輪郭形状が特徴的な場合、例えば、Dカット形状をしている場合には、第1輪郭形状測定工程および第2輪郭形状測定工程において、輪郭全体ではなく、Dカット部分のみについて、線ないし面形状の測定としてもよい。
11…筐体、
13…ベース、
14…スタイラス(測定子)、
15…加振要素、
16…検出要素、
71…レンズ(被測定物)、
72…輪郭形状、
73…第1測定面、
74…第3測定面、
OLD1…第1輪郭形状データ、
OLD2…第2輪郭形状データ、
SL1,SL2…測定ライン(表面測定位置)、
BL1,BL2…測定ライン(裏面側測定位置)、
SD…第1測定面形状データ、
BD…第2測定面形状データ。
Claims (4)
- 輪郭形状内の表裏面に第1測定面および第2測定面を有する被測定物とプローブとを相対移動させながら、前記被測定物の表裏面形状を測定する被測定物の表裏面測定方法において、
前記被測定物の第1測定面が前記プローブによって測定可能な姿勢に前記被測定物を設置する設置工程と、
前記設置工程によって前記被測定物が設置された姿勢において、前記被測定物と前記プローブとを相対移動させながら、前記被測定物の輪郭形状を測定する第1輪郭形状測定工程と、
前記設置工程によって前記被測定物が設置された姿勢において、前記被測定物と前記プローブとを相対移動させながら、前記第1測定面の形状を測定する第1測定面測定工程と、
前記被測定物の第2測定面が前記プローブによって測定可能な姿勢に前記被測定物を反転する反転工程と、
前記反転工程によって前記被測定物が反転された姿勢において、前記被測定物と前記プローブとを相対移動させながら、前記被測定物の輪郭形状を測定する第2輪郭形状測定工程と、
前記第1輪郭形状測定工程で得られた第1輪郭形状データと前記第2輪郭形状測定工程で得られた第2輪郭形状データとを比較し、前記第2測定面において、前記第1測定面測定工程で測定した第1測定面の測定位置に対応する測定位置を求める測定位置算出工程と、
前記反転工程によって前記被測定物が反転された姿勢において、前記被測定物と前記プローブとを相対移動させながら、前記測定位置算出工程で求められた測定位置に沿って前記第2測定面の形状を測定する第2測定面測定工程と、を備えたことを特徴とする被測定物の表裏面測定方法。 - 請求項1に記載の被測定物の表裏面測定方法において、
前記測定位置算出工程では、前記第1輪郭形状データと前記第2輪郭形状データとの特異点を抽出し、前記第1輪郭形状データの特異点に対して前記第2輪郭形状データの特異点のずれ量を求め、前記第1測定面での測定位置に対して前記ずれ量分測定位置をずらして前記第2測定面の測定位置を求める、ことを特徴とする被測定物の表裏面測定方法。 - 請求項1または請求項2に記載の被測定物の表裏面測定方法において、
前記第1測定面測定工程および第2測定面測定工程では、前記プローブを前記被測定物の測定面に一定圧で接触させながら測定する倣い測定を行う、ことを特徴とする被測定物の表裏面測定方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の被測定物の表裏測定方法において、
前記プローブは、筐体と、この筐体に設けられたベースと、このベースに設けられ先端に接触部を有する測定子と、この測定子を振動させる加振素子と、前記測定子の振動状態を検出し検出信号として出力する検出素子とを含んで構成されている、ことを特徴とする被測定物の表裏面測定方法。
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