JP2009191772A - 内燃機関のegr装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関のEGR装置において、EGRクーラを適切に使用することを可能とする。
【解決手段】内燃機関のEGR装置(300)は、内燃機関の排気系から分岐し、排気系を流れる排気の一部をEGRガスとして吸気系に循環させるEGR通路(310)と、EGR通路に設けられ、EGRガスを冷却可能な冷却手段(320)と、冷却手段の上流側においてEGR通路から分岐し、冷却手段をバイパスさせつつEGRガスを吸気系に導入可能なバイパス通路(330)と、バイパス通路の流路断面積の一部の遮断を行う弁体(343)を有し、弁体による遮断が行われるか否かによって、EGRガスの循環経路を、バイパス通路の流路断面積の他部を含む第1の経路と、バイパス通路の流路断面積の全部を含む第2の経路との間で選択的に切り換える切り換え手段(340)とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関のEGR装置(300)は、内燃機関の排気系から分岐し、排気系を流れる排気の一部をEGRガスとして吸気系に循環させるEGR通路(310)と、EGR通路に設けられ、EGRガスを冷却可能な冷却手段(320)と、冷却手段の上流側においてEGR通路から分岐し、冷却手段をバイパスさせつつEGRガスを吸気系に導入可能なバイパス通路(330)と、バイパス通路の流路断面積の一部の遮断を行う弁体(343)を有し、弁体による遮断が行われるか否かによって、EGRガスの循環経路を、バイパス通路の流路断面積の他部を含む第1の経路と、バイパス通路の流路断面積の全部を含む第2の経路との間で選択的に切り換える切り換え手段(340)とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関のEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)装置の技術分野に関する。
この種の内燃機関のEGR装置として、EGRガスを冷却するEGRクーラと、EGRクーラをバイパスさせる経路とを備え、バイパスさせる経路のバルブ開度を調整することで、適正な温度のEGRガスを吸気系に再循環させるものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、この種の内燃機関のEGR装置として、EGRクーラの冷却効率の低下を防止するために、冷却管の内周に沿って温度変化で伸縮可能な螺旋部材を設けるものが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、上述した特許文献1等によれば、EGRクーラの使用を開始した初期段階、言い換えると、新品時から間もない時間において、失火の発生を抑制するためにEGRガスの流量を低減させたり、燃料の噴射時期を進角させたりするなどの失火を防止するための複雑な運転状態の制御が必要となってしまい、ひいては、失火が発生する可能性が高くなってしまい、排気に含有されるNOxの量やスモークの量が多量になってしまう可能性があるという技術的な問題点が生じる。
そこで、本発明は、例えば上記の問題点に鑑みなされたものであり、EGRクーラを適切に使用することが可能な内燃機関のEGR装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関のEGR装置は、内燃機関の排気系から分岐し、前記排気系を流れる排気の一部をEGRガス(所謂、還流ガス)として前記内燃機関の吸気系に循環させるEGR通路と、前記EGR通路に設けられ、前記EGRガスを冷却可能な冷却手段と、前記冷却手段の上流側において前記EGR通路から分岐し、前記冷却手段をバイパスさせつつ前記EGRガスを前記吸気系に導入可能なバイパス通路と、前記バイパス通路の流路断面の一部の遮断を行う弁体を有し、前記弁体による遮断が行われるか否かによって、前記EGRガスの循環経路を、前記バイパス通路の流路断面の他部を含む第1の経路と、前記バイパス通路の流路断面の全部を含む第2の経路との間で選択的に切り換える切り換え手段とを備える。
本発明に係る「内燃機関」とは、一又は複数の気筒を有し、当該気筒の各々における燃焼室において、例えばガソリン、軽油或いは各種アルコール等の燃料と吸入空気との混合体である混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランクシャフト等の機械的な伝達経路を経る等して、動力として取り出すことが可能に構成された機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。
本発明に係る内燃機関のEGR装置(以下、適宜「本発明のEGR装置」等と略称する)によれば、例えば排気ポート、排気マニホールド及び排気管(フロントパイプやリアパイプ等といった、気筒配列上生じるものを含む)等を適宜に含み得る概念としての排気系から分岐する(好適な一形態としては、各気筒からの排気が集約される排気マニホールド、或いはそれよりも下流側の排気管から分岐する)、EGR通路を備える。このEGR通路は、例えば吸気ポート、吸気マニホールド及び吸気管等を適宜に含み得る概念としての吸気系に、直接若しくは間接的に、又はEGRバルブ等、EGRガスの流量(即ち、循環量であり、以下、適宜「EGRガス量」等と略称する)を制御可能な弁装置等の状態に応じて限定的に連通する構成となっており、EGR通路に導かれる、上記排気系に排出される排気の一部が、不活性のCO2を比較的大量に含むEGRガスとして吸気系に還流される構成となっている。定性的に言えば、当該EGRガスが、吸気系に供給される吸気と幾らかなり混合されることによって、例えばNOx等(内燃機関の形態によっては、PM(Particulate Matter:粒子状物質)等を含む)、各種対象物質の発生が幾らかなり抑制される。
一方、当該対象物質の発生を抑制する観点から言えば、内燃機関の燃焼温度は低い方が、或いは少なくとも当該対象物質の発生量を実践上問題が生じる程度に増加させる程には高くない方が良い。従って、本発明のEGR装置には、EGR通路に、例えば内燃機関の冷却水循環系を利用した、又は当該冷却水循環系統から独立した冷却水循環系を利用した、或いは冷却水循環系を使用した冷却とはその冷却態様の少なくとも一部が物理的に、機械的に、機構的に、電気的に又は化学的に異なる、例えばEGRクーラ等の冷却手段が備わる。EGRガスは、好適な一形態として、例えばこの冷却手段が設置された区間を通過する際に行われる、例えば冷却手段との熱交換等によって、相対的に冷却され、少なくとも排気温と較べて温度が低下された状態で吸気系に循環される。
他方、吸気系に導かれた新気とEGRガスとの混合体たる吸気(気筒内に吸入される気体)の温度たる吸気温は、内燃機関の燃焼に少なからず影響を与え、吸気温の低下は失火に直結し易い。また、このような失火を招かずとも、少なくとも内燃機関の燃焼性能を低下させ易い。燃焼性能の低下は、HC(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)の排出量を増加させるため、エミッションの悪化を招き易い他、出力トルクの不足等動力性能の低下を招き易い。特に、ディーゼルエンジン等、点火装置を有さぬ圧縮自着火式の内燃機関等においては、その傾向が顕著である。
従って、冷却手段により冷却されたEGRガスを吸気系に循環させることによるこの種の不具合が実践的にみて顕在化し得る程度に吸気温が低い場合、或いは内燃機関の運転条件(好適な一形態として、例えば噴射量及び機関回転速度等によって規定される条件、或いはそれに加えて又は代えて、例えば始動時であるか否かといった限定的な条件、又は外気温や湿度等の環境条件を適宜含み得る)に基づいて、その旨の実践上の判断を下し得る場合(即ち、吸気温がそのように低いと推定される場合)には、冷却手段によるEGRガスの冷却がかえって内燃機関の総合的な性能を低下させる懸念がある。
このため、本発明のEGR装置には、少なくとも冷却手段をバイパスしてEGRガスを吸気系に導くためのバイパス通路が、冷却手段の上流側においてEGR通路から分岐している。尚、「上流側」とは、EGRガスの流れる方向を基準として規定される方向概念であって、この場合、即ち、排気系側(必ずしも、三次元空間上の位置関係において排気系に近接している必要はない)を指す。このバイパス通路の構成は、少なくとも冷却手段をバイパスさせつつEGRガスを吸気系に導き得る限りにおいて自由であり、例えば、冷却手段下流側においてEGR通路に合流してもよいし、EGR通路から分岐したまま再度合流することなく吸気系と接続されていてもよい。
典型的には、本発明のEGR装置には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る各種の制御系による、然るべき駆動系或いは駆動部材の制御等により、例えば物理的、機械的、機構的、電気的、磁気的又は化学的に生成又は供給される或いは発生する各種の駆動力等に応じた、例えば駆動対象の位置変化、形状変化又は運動状態の変化等によって、EGRガスの循環経路を、この第1の経路と第2の経路との間で選択的に切り換えることが可能な切り換え手段が備わる。
この切り換え手段は、バイパス通路の一部を遮断可能な弁体を有する。この切り換え手段に有される弁体による遮断が行われるか否かによって、EGRガスの循環経路を、バイパス通路の流路断面の他部を含む第1の経路(言い換えると、一部を含まない第1の経路)と、バイパス通路の流路断面の全部を含む第2の経路との間で選択的に切り換えられる。特に、少なくとも定常的な状態では、第1の経路が選択された場合、EGRガスは相対的に低温となり、NOx等の対象物質の発生を抑制する旨の上述した効果が奏される。また、第2の経路が選択された場合、EGRガスは相対的に高温となり(EGR通路を流れる過程における冷却効果を無視すれば、実質的には排気温又はそれに準じる高温である)、燃焼安定性の向上(少なくとも燃焼性能の低下抑制)に係る効果が奏される。
尚、この弁体による遮断は、遮断が行われるか否かの2値的な状態を意味することに加えて又は代えて、例えば50%や70%だけ遮断するなど遮断の程度や度合いを意味してよい。
典型的には、この切り換え手段に有される弁体による遮断が行われる場合、EGRガスの循環経路として、バイパス通路の流路断面の他部を含む第1の経路(言い換えると、一部を含まない第1の経路)が形成される。他方、この切り換え手段に有される弁体による遮断が行われない場合、EGRガスの循環経路として、バイパス通路の流路断面の全部を含む第2の経路が形成される。
これにより、切り換え手段の弁体がバイパス通路の流路断面の一部を遮断しバイパス通路を流れるEGRガスの流量を減少させる場合、EGRガスは、切り換え手段の弁体によって遮断されないバイパス通路の流路断面の他部、言い換えると、弁体の外周とバイパス通路の内径との間の隙間空間を流れる。これにより、EGRガスは、バイパス通路の流路断面の一部を除いた、バイパス通路の流路断面の他部を常に流れる。従って、このバイパス通路の流路断面の他部を流れるEGRガスは、弁体の遮断が行われるか否かに関係なく冷却手段をバイパスすることができる。従って、冷却手段の冷却対象となるEGRガスの流量を減少させ、切り換え手段の弁体によって、バイパス通路の流路断面の全部が遮断される場合と比較して、EGR装置全体での冷却効率を低減させることができる。ここに本発明に係るEGR装置全体での冷却効率とは、冷却手段単体での冷却効率とは異なる趣旨であり、冷却手段に加えてバイパス通路を含むEGR装置全体でのEGRガスを冷却する効率を意味する。特に、EGR装置全体での冷却効率は、数日、数十日、数ヶ月、数十ヶ月等の冷却手段の交換としての指標となるようなより長期間における冷却効率を意味することが好ましい。
以上より、冷却手段の使用を開始した初期段階、言い換えると、冷却手段の新品時から間もない時間においては、EGR装置全体での冷却効率を積極的に低減させ、失火が発生する可能性を簡便に低減させることができる。
特に、冷却手段の使用を開始した初期段階において、EGR装置全体での冷却効率を低減させることは、冷却手段の過剰な或いは不必要な冷却作用を初期段階において、省くことができ、冷却手段の冷却作用をより長時間に亘って継続的に維持することができる。
仮に、切り換え手段の弁体によって、バイパス通路の流路断面の全部が遮断される場合、冷却手段の使用を開始した初期段階において、EGR装置全体での冷却効率は、不必要に高くなってしまい、失火の発生を抑制するためにEGRガスの流量を低減させたり、燃料の噴射時期を進角させたりするなどの失火を防止するための複雑な運転状態の制御が必要となってしまい、ひいては、失火が発生する可能性が高くなってしまい、排気に含有されるNOxの量やスモークの量が多量になってしまう可能性があるという技術的な問題点が生じる。
本発明に係る内燃機関のEGR装置の一の態様では、前記切り換え手段は、前記弁体を閉弁することによって前記バイパス通路の流路断面の一部を遮断し、前記バイパス通路の流路断面の他部として、前記弁体と、前記バイパス通路の内径との間に形成される隙間空間を備える。
この態様によれば、切り換え手段の弁体がバイパス通路の流路断面の一部を遮断しバイパス通路を流れるEGRガスの流量を減少させる場合、EGRガスは、切り換え手段の弁体によって遮断されないバイパス通路の流路断面の他部である、弁体の外周とバイパス通路の内径との間の隙間空間を流れる。これにより、EGRガスは、バイパス通路の流路断面の一部を除いた、バイパス通路の流路断面の他部を常に流れる。従って、このバイパス通路の流路断面の他部を流れるEGRガスは、弁体の遮断が行われるか否かに関係なく冷却手段をバイパスすることができる。従って、冷却手段の冷却対象となるEGRガスの流量を減少させ、切り換え手段の弁体によって、バイパス通路の流路断面の全部が遮断される場合と比較して、EGR装置全体での冷却効率を低減させることができる。
本発明に係る内燃機関のEGR装置の他の態様では、前記隙間空間には、前記EGRガスに含まれる煤を堆積させる煤堆積部を有する。
この態様によれば、上述したように、切り換え手段の弁体がバイパス通路の流路断面の一部を遮断しバイパス通路を流れるEGRガスの流量を減少させる場合、EGRガスは、切り換え手段の弁体によって遮断されないバイパス通路の流路断面の他部、言い換えると、弁体の外周とバイパス通路の内径との間の隙間空間を流れる。
加えて、時間が経過するに従って、煤堆積部において、この隙間空間を流れるEGRガスに含まれる煤が、例えば付着されるなどして堆積していく。これにより、ひいては、隙間空間に有される煤堆積部に煤が堆積され、隙間空間を流れるEGRガスの流量は、時間が経過するに従って減少する。
これにより、冷却手段の使用を開始した初期段階では、バイパス通路を流れるEGRガスのうち隙間空間を流れるEGRガスの流量が、バイパス通路の流路断面の全部が遮断される場合と比較して多量になるので、初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を、バイパス通路の流路断面の全部が遮断される場合と比較して低くさせることができる。
このことに加えて、例えば冷却手段が新品時から所定の使用時間だけ経過した時間、即ち、後期段階では、隙間空間に有される煤堆積部に煤が徐々に堆積していくので、隙間空間を流れるEGRガスの流量は、時間の経過に従って減少し、ひいては、隙間空間の煤堆積部が煤で埋まってしまう。これにより、バイパス通路の流路断面の他部としての隙間空間は常時、EGRガスの流れを遮断していることになるので、初期段階においてバイパス通路の流路断面の他部を流れていたEGRガスは、後期段階では、弁体の遮断が行われるか否かに関係なく冷却手段をバイパスできなくなる。従って、後期段階では、冷却手段の冷却対象となるEGRガスの流量を初期段階より増加させ、初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率と比較して、後期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を積極的に増加させることができる。
この結果、冷却手段を長期間に亘ってより効率的に使用することができ、排気に含有されるNOxの量やスモークの量を顕著に低減させることが可能である。
本発明に係る内燃機関のEGR装置の他の態様では、前記隙間空間の流路には、前記EGRガスに含まれる煤を堆積させる網目形状の部材を備える。
この態様によれば、隙間空間に備えられた網目形状の部材にEGRガスに含まれる煤を簡便に付着させることができる。特に、網目形状の網目の大きさや網目形状の網の太さを変化させることで、隙間空間の網目形状の部材が煤で埋まってしまう時間を調整することができる。
本発明に係る内燃機関のEGR装置の他の態様では、前記切り換え手段は、前記冷却手段に通じる前記EGR通路の遮断を行う他の弁体を有し、前記弁体による遮断が行われ且つ前記他の弁体による遮断が行われない場合、前記第1の経路として、前記バイパス通路の流路断面の他部を含み且つ前記冷却手段を含む経路を形成し、前記弁体による遮断が行われなく且つ前記他の弁体による遮断が行われる場合、前記第2の経路として、前記バイパス通路の流路断面の全部を含み且つ前記冷却手段を含まない経路を形成する。
この態様によれば、弁体による遮断が行われるか否かに加えて又は代えて、他の弁体による遮断が行われるか否かによって、第1の経路と第2の経路とを簡便に形成することができるので、切り換え手段は、第1の経路と、第2の経路とを簡便に切り換えることができる。
本発明に係る内燃機関のEGR装置の他の態様では、前記切り換え手段は、前記弁体に対し所定の圧力供給路を介して供給される圧力に応じた駆動力を付与することにより、前記弁体の位置を、前記EGRガスを前記第1の経路に導く第1の位置と前記EGRガスを前記第2の経路に導く第2の位置との間で切り換えることが可能な駆動力付与手段とを含む。
この態様によれば、切り換え手段は、弁体と駆動力付与手段を備え、駆動力付与手段を介した弁体の位置制御によって、弁体は第1の経路に対応する第1の位置と第2の経路に対応する第2の位置との間で切り換えられる。尚、弁体は単数であっても複数であってもよく、またその位置変化の態様は何ら限定されず、例えば弁体は回転してもよいし、一定方向へスライドしてもよい。
この駆動力付与手段は、その物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な態様が如何なるものであれ、所定の圧力供給路を介して供給される圧力、好適な一形態としては、内燃機関で生成される大気圧未満の負圧に応じて段階的又は連続的に変化する駆動力を弁体に付与することにより弁体を駆動するように構成されている。
上記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関のEGR装置は、内燃機関の排気系から分岐し、前記排気系を流れる排気の一部をEGRガス(所謂、還流ガス)として前記内燃機関の吸気系に循環させるEGR通路と、前記EGR通路に設けられ、前記EGRガスを冷却可能な冷却手段と、前記冷却手段の上流側において前記EGR通路から分岐し、前記冷却手段をバイパスさせつつ前記EGRガスを前記吸気系に導入可能な第1バイパス通路と、前記EGRガスに含まれる煤を堆積させる煤堆積部を有すると共に、前記冷却手段の上流側において前記EGR通路から分岐し、前記冷却手段をバイパスさせつつ前記EGRガスを前記吸気系に導入可能な第2バイパス通路と、前記第1バイパス通路の遮断を行う弁体を有し、前記EGRガスの循環経路を、前記第1バイパス通路を含まなく且つ前記第2バイパス通路を含む第1の経路と、前記第1バイパス通路及び前記第2バイパス通路を含む第2の経路との間で選択的に切り換え可能な切り換え手段と、を備える。
本発明に係る内燃機関のEGR装置によれば、切り換え手段は、第1バイパス通路を遮断可能な弁体を有する。この切り換え手段に有される弁体による遮断が行われるか否かによって、EGRガスの循環経路を、第1バイパス通路を含まなく且つ第2バイパス通路を含む第1の経路と、第1バイパス通路及び前記第2バイパス通路を含む第2の経路との間で選択的に切り換えられる。
これにより、切り換え手段の弁体が第1バイパス通路を遮断し第1バイパス通路を流れるEGRガスの流量を減少させる場合、EGRガスは、切り換え手段の弁体によって遮断されない第2バイパス通路を流れる。これにより、EGRガスは、第2バイパス通路を常に流れる。従って、この第2バイパス通路を流れるEGRガスは、弁体の遮断が行われるか否かに関係なく冷却手段をバイパスすることができる。従って、冷却手段の冷却対象となるEGRガスの流量を減少させ、切り換え手段の弁体によって、第1バイパス通路及び第2バイパス通路が遮断される場合と比較して、EGR装置全体での冷却効率を低減させることができる。従って、冷却手段の使用を開始した初期段階、言い換えると、冷却手段の新品時から間もない時間においては、EGR装置全体での冷却効率を積極的に低減させ、失火が発生する可能性を簡便に低減させることができる。
加えて、時間が経過するに従って、第2バイパス通路に有される煤堆積部において、第2バイパス通路を流れるEGRガスに含まれる煤が、例えば付着されるなどして堆積していく。これにより、ひいては、第2バイパス通路に有される煤堆積部に煤が堆積され、第2バイパス通路を流れるEGRガスの流量は、時間が経過するに従って減少する。
このことに加えて、例えば冷却手段が新品時から所定の使用時間だけ経過した時間、即ち、後期段階では、第2バイパス通路に有される煤堆積部に煤が徐々に堆積していくので、第2バイパス通路を流れるEGRガスの流量は、時間の経過に従って減少し、ひいては、第2バイパス通路の煤堆積部が煤で埋まってしまう。これにより、後期段階では、第2バイパス通路は常時、EGRガスの流れを遮断していることになるので、初期段階において第2バイパス通路を流れていたEGRガスは、後期段階では、弁体の遮断が行われるか否かに関係なく冷却手段をバイパスできなくなる。従って、後期段階では、冷却手段の冷却対象となるEGRガスの流量を初期段階より増加させ、初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率と比較して、後期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を積極的に増加させることができる。
この結果、冷却手段を長期間に亘ってより効率的に使用することができ、排気に含有されるNOxの量やスモークの量を顕著に低減させることが可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(基本構成)
先ず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
(基本構成)
先ず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、第1実施形態に係るエンジンシステム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)100、エンジン200及びEGR装置300を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジン200の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、ROMに格納される制御プログラムに従って、後述するEGR制御を実行することが可能に構成されている。
エンジン200は、軽油を燃料とする、本発明に係る「内燃機関」の一例たる直列4気筒ディーゼルエンジンである。エンジン200の概略について説明すると、エンジン200は、シリンダブロック201に4本のシリンダ202が並列配置された構成を有している。そして、各気筒内において燃料を含む混合気が圧縮自着火した際に生じる熱エネルギが、不図示のピストンの往復運動を生じさせ、更にコネクティングロッドを介してピストンに連結されるクランクシャフト(いずれも不図示)の回転運動に変換される構成となっている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
尚、本実施形態に係るエンジン200は、シリンダ202が図1において紙面と垂直な方向に4本並列してなる直列4気筒ディーゼルエンジンであるが、個々のシリンダ202の構成は相互に等しいため、ここでは一のシリンダ202についてのみ説明することとする。
シリンダ202内における混合気の燃焼に際し、外部から吸入された空気は、各シリンダについて共通に設置された吸気マニホールド203に導かれた後、各シリンダについて独立に設けられた吸気ポート204に導かれ、吸気ポート204とシリンダ内部とを連通可能に構成された不図示の吸気バルブの開弁時にシリンダ202内に吸入される。シリンダ202内には、筒内直噴型のインジェクタ205から燃料たる軽油が噴射される構成となっており、噴射された燃料が各シリンダ内部で、吸入された空気(以下、「吸気」と略称する)と混合され、上述した混合気となる。
エンジン200において、燃料は、不図示の燃料タンクに貯留されている。この燃料タンクに貯留される燃料は、不図示のフィードポンプの作用により燃料タンクから汲み出され、不図示の低圧配管を介して高圧ポンプ206に圧送される構成となっている。高圧ポンプ206は、コモンレール207に対し、燃料を供給することが可能に構成されている。尚、高圧ポンプ206は、公知の各種態様を採り得、ここでは、その詳細については省略することとする。
コモンレール207は、ECU100と電気的に接続され、上流側(即ち、高圧ポンプ206側)から供給される高圧燃料をECU100により設定される目標レール圧まで蓄積することが可能に構成された、高圧貯留手段である。尚、コモンレール207には、レール圧を検出することが可能なレール圧センサ及びレール圧が上限値を超えないように蓄積される燃料量を制限するプレッシャリミッタ等が配設されるが、ここではその図示を省略することとする。前述したインジェクタ205は、シリンダ202毎に搭載されており、夫々が高圧デリバリ208を介してコモンレール207に接続されている。
ここで、インジェクタ205の構成について補足すると、インジェクタ205は、ECU100から供給される指令に基づいて作動する電磁弁と、この電磁弁への通電時に燃料を噴射するノズル(いずれも不図示)とを備える。当該電磁弁は、コモンレール207の高圧燃料が印加される圧力室と、当該圧力室に接続された低圧側の低圧通路との間の連通状態を制御することが可能に構成されており、通電時に当該加圧室と低圧通路とを連通させると共に、通電停止時に当該加圧室と低圧通路とを相互に遮断する。
一方、ノズルは、噴孔を開閉するニードルを内蔵し、圧力室の燃料圧力がニードルを閉弁方向(噴孔を閉じる方向)に付勢している。従って、電磁弁への通電により加圧室と低圧通路とが連通し、圧力室の燃料圧力が低下すると、ニードルがノズル内を上昇して開弁する(噴孔を開く)ことにより、コモンレール207より供給された高圧燃料を噴孔より噴射することが可能に構成される。また、電磁弁への通電停止により加圧室と低圧通路とが相互に遮断されて圧力室の燃料圧力が上昇すると、ニードルがノズル内を下降して閉弁することにより、噴射が終了する構成となっている。
尚、燃料は、個々のシリンダ202において、インジェクタ205を介し、目標噴射量に相当する燃料が、燃焼室内の急激な温度上昇を防止するための少量のパイロット噴射と、目標噴射量とパイロット噴射量との差分に相当するメイン噴射とに分割して噴射される構成となっている。
上述した混合気は、圧縮工程において自着火して燃焼し、燃焼済みガスとして、或いは一部未燃の混合気として、吸気バルブの開閉に連動して開閉する排気バルブ(不図示)の開弁時に排気ポート209を介して排気マニホールド210に導かれる構成となっている。この排気マニホールド210は、排気管211に連通しており、排気の大部分は、この排気管211に導かれる構成となっている。
一方、排気管211には、タービンハウジング213に収容される形でタービン212が設置されている。タービン212は、排気管211に導かれた排気の圧力(以下、適宜「排圧」と略称する)により所定の回転軸を中心として回転可能に構成されている。このタービン212の回転軸は、コンプレッサハウジング216に収容される形で吸気管214に設置されたコンプレッサ215と共有されており、タービン212が排圧により回転すると、コンプレッサ215も当該回転軸を中心として回転する構成となっている。
コンプレッサ215は、図示せぬクリーナを介して外界から吸気管214に導かれた吸気を、その回転に伴う圧力により上述した吸気マニホールド203へ圧送することが可能に構成されており、このコンプレッサ215による吸気の圧送効果により、所謂過給が実現される構成となっている。即ち、タービン212とコンプレッサ215とにより、一種のターボチャージャが構成されている。また、コンプレッサ215と吸気マニホールド203との間には、インタークーラ217が設置されており、過給された吸気を冷却することが可能に構成される。このインタークーラ217の冷却効果によって、過給効率が向上せしめられている。
吸気管214には、吸気の量を調節可能なディーゼルスロットルバルブ218が配設されている。このディーゼルスロットルバルブ218は、ECU100と電気的に接続され且つECU100により上位に制御されるスロットルバルブモータ219から供給される駆動力により回転可能に構成された回転弁であり、ディーゼルスロットルバルブ218を境にした吸気管214の上流部分と下流部分とをほぼ遮断する全閉位置から、ほぼ全面的に連通させる全開位置まで、その回転位置が連続的に制御される構成となっている。尚、エンジン200は、ディーゼルエンジンであり、その出力は、ガソリン等を燃料とするエンジンにおける空燃比制御(吸入空気量制御)と異なり、噴射量の増減制御を介してコントロールされる。従って、ディーゼルスロットルバルブ218は、エンジン200の動作期間において、基本的に全開位置(図示するディーゼルスロットルバルブ218の位置が全開位置に相当する)に制御される。
吸気マニホールド203には、吸気の温度たる吸気温Timを検出する吸気温センサ220が設置されている。吸気温センサ220は、ECU100と電気的に接続されており、検出された吸気温Timは、ECU100によって一定又は不定のタイミングで検出される構成となっている。
尚、排気管211には、不図示のDPF(Diesel Particulate Filter)が設置されている。DPFは、エンジン200から排出されるPMを捕集可能且つ浄化可能に構成されている。また、シリンダ202を収容するシリンダブロック201における、シリンダ202の外周部位には、LLC等の冷却水を循環供給するためのウォータジャケットが設けられており、シリンダ202を含むエンジン200全体を冷却可能に構成されている。この冷却水の温度は、不図示の水温センサにより検出され、水温センサと電気的に接続されたECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
また、エンジンシステム10において、ECU100には、図示する以外にも、エンジン200の、或いはエンジン200が搭載される車両の運転条件を規定する各種の指標値が、各指標値について設置された各種のセンサ(不図示)を介して電気的に入力される構成となっている。例えば、ECU100は、エンジン200の機関回転速度NEをNEセンサから、またアクセルペダルの開度(即ち、アクセル開度)をアクセルポジションセンサから取得することが可能に構成されている。
尚、本実施形態において、エンジン200はディーゼルエンジンとして構成されるが、本発明に係る内燃機関は、ガソリン或いはアルコールを燃料とするエンジンにも同様に適用可能である。更には、気筒配列も多種多様であってよい。
次に、EGR装置300について説明する。EGR装置300は、EGRパイプ310、EGRクーラ320、バイパスパイプ330、切換弁340、負圧ダイアフラム350及びEGRバルブ360を備え、排気の一部を吸気管214に循環させることが可能に構成された、本発明に係る「内燃機関のEGR装置」の一例である。
EGRパイプ310は、一端部が排気マニホールド210に接続され、その内部が排気マニホールド210に連通する中空且つ金属製の配管であり、本発明に係る「EGR通路」の一例である。EGRパイプ310の他端部は、吸気マニホールド203との接続部位近傍において吸気管214に接続され、その内部で吸気管214と連通する構成となっている。尚、吸気マニホールド203又は上述した吸気管214は、本発明に係る「吸気系」の一例である。
EGRクーラ320は、EGRパイプ310に設けられた冷却装置であり、本発明に係る「冷却手段」の一例である。EGRクーラ320は、外周部にエンジン200の冷却水配管が張り巡らされた構成を有し、EGRパイプ310に導かれEGRクーラ320を通過する排気(即ち、本発明に係る「EGRガス」の一例であり、以下、「EGRガス」と称する)は、この冷却水との熱交換により冷却され、下流側(即ち、吸気管214側)へ導かれる構成となっている。EGRクーラ320には、夫々が上述したウォータジャケットに連通するインレットパイプ321及びアウトレットパイプ322が接続されており、冷却水は、インレットパイプ321から当該冷却水配管に流入し、アウトレットパイプ322を介して当該冷却水配管の外に排出される。排出された冷却水は、エンジン200の冷却水循環系に還流され、所定の経路を経て再びインレットパイプ321から供給される。尚、EGRクーラ320のインレットパイプ321内の冷却水の温度Twは、図示されない水温センサーによって測定され、その測定値は、ECU100に通知される。
バイパスパイプ330は、EGRクーラ320の上流側(即ち、排気マニホールド210側)の所定部位においてEGRパイプ310から分岐し、EGRクーラ320の下流側且つEGRバルブ360の上流側においてEGRパイプ310へ合流するように配置された、本発明に係る「バイパス通路」の一例たる中空の金属製配管である。パイパスパイプ330に導かれたEGRガスは、バイパスパイプ330の物理構成上、EGRクーラ320をバイパスすることとなり、積極的に冷却されることのないまま、吸気管214に還流される。
切換弁340は、EGRパイプ310とバイパスパイプ330との接続部位(即ち、上述した所定部位)に設置された、本発明に係る「弁体」の一例たる開閉弁を含んだ弁装置である。尚、この切換弁340は、熱エネルギーを有する排気系からの距離が長いEGRクーラ320の下流側において設けられることが好ましいが、この限りではなく、EGRクーラ320の上流側において設けられてよい。また、この切換弁340によって、本発明に係る「切り換え手段」の一例が構成されている。
切換弁340は、その弁体の位置として、EGRクーラ320及び切換弁340の隙間空間SPを含む第1の経路を使用してEGRガスを循環させる第1の位置と、バイパスパイプ330における弁体343によって開放(又は開弁)された空間及び切換弁340の隙間空間SPを含む第2の経路を使用してEGRガスを循環させる第2の位置とを採ることが可能に構成されている。この第1の経路は、言い換えると、バイパスパイプ330における弁体343によって開放(又は開弁)された空間を含まない経路であり、本発明に係る「第1の経路」の一例である。また、第2の経路は、言い換えると、EGRクーラ320を含まない経路であると共に、バイパスパイプ330の全体空間であり、本発明に係る「第2の経路」の一例である。
この弁体の位置は、負圧ダイアフラム350から供給される駆動力により制御される構成となっている。
負圧ダイアフラム350は、切換弁340の弁体に対し物理的な駆動力を付与することが可能に構成された、本発明に係る「駆動力付与手段」の一例たる圧力駆動型のアクチュエータである。負圧ダイアフラム350は、圧力供給路352を介して供給される圧力に応じた駆動力を、駆動力伝達路351を介して当該弁体に付与することが可能に構成されている。より具体的には、負圧ダイアフラム350は、圧力供給路352を介して大気圧未満の負圧が供給されている状態において、弁体を駆動する駆動力を付与可能であり、当該負圧が所定値以下である場合に、当該弁体の位置を上述した第1の位置に維持する駆動力を付与することが可能に構成されている。一方で、圧力供給路352が大気解放された状態(即ち、負圧が供給されない状態)において、弁体に対して駆動力が付与されない構成となっている。切換弁340の弁体は、デフォルトの位置が第2の位置に設定されており、負圧ダイアフラム350に負圧が供給されない状態(即ち、駆動力の付与がなされない状態)では、第2の位置に維持される構成となっている。即ち、EGR装置300では、負圧ダイアフラム350に負圧が供給されている場合に第1の経路が選択され、負圧ダイアフラム350に大気圧が供給されている場合に第2の経路が選択される構成となっている。尚、このような弁体の位置制御の態様は一例に過ぎず、駆動力の付与と弁体の位置との関係は、ここに例示するものと一部が異なっていてもよいし、真逆であってもよい。
負圧ダイアフラム350に圧力を供給する圧力供給路352には、VSV(Vacuum Switching Valve)353が設置されている。VSV353は、圧力供給路352にエンジン200内で生成される負圧を導く不図示の負圧供給路と、圧力供給路352を大気解放する不図示の大気解放路とのいずれか一方を圧力供給路352に接続するためのスイッチング素子である。VSV353は、ECU100と電気的に接続されており、その作動状態は、ECU100により制御される構成となっている。尚、VSV353の制御態様は特に限定されないが、本実施形態では、ECU100によりVSV353に通電がなされると、圧力供給路352と負圧供給路とが連通するように、またVSV353への通電が停止されると、圧力供給路352と大気解放路とが連通するように、VSV353の作動状態が制御される構成となっている。即ち、総体的に言えば、EGR装置300では、ECU100によりVSV353に対する通電がなされた場合に、EGRガスの循環経路として第1の経路が選択される構成となっている。
一方、圧力供給路352にはオリフィス354が設置されている。オリフィス354は、圧力供給路352を介した負圧ダイアフラム350への圧力の伝達速度を一定に維持するための調圧手段である。オリフィス354が設置されていることにより、VSV353の作動状態が切り換えられた場合の圧力供給路352における圧力の変化速度(大気圧から負圧、又は負圧から大気圧への変化速度)は、オリフィス354が設置されない場合と比較して低下する構成となっている。尚、オリフィス354によって、圧力の変化速度がどの程度低下せしめられるかについては、後述する。
EGRバルブ360は、バイパスパイプ330との合流部位よりも下流側においてEGRパイプ310に設置され、開度制御によりEGRガス量を可変に制御することが可能に構成された電磁開閉弁である。EGRバルブ360は、ECU100と電気的に接続されており、その開度はECU100により上位に制御される構成となっている。
尚、EGRガスの導入可否を含めたEGRガス量自体は、EGRバルブ360の開度制御により可変に制御されるものであり、EGRバルブ360を如何なる開度に制御するかについては、ECU100により、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に、又はシミュレーション等に基づいて、定常状態において、ドライバビリティに影響する動力性能を始め、エミッションとは異なる各種の要求性能を実践上問題が生じる程低下させることのない範囲で、NOx及びPMの発生を可及的に高効率に抑制し得るように適合されている。
(詳細構成)
次に、図2を参照して、本実施形態に係る内燃機関のEGR装置の切換弁の詳細構成について説明する。ここに、図2は、本実施形態に係る切換弁の内部を概念的に示した外観斜視図(図2(a))、本実施形態に係る切換弁をEGRガスが流れる方向から場合における断面図(図2(b))、及び比較例に係る切換弁をEGRガスが流れる方向から場合における断面図(図2(c))である。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る内燃機関のEGR装置の切換弁の詳細構成について説明する。ここに、図2は、本実施形態に係る切換弁の内部を概念的に示した外観斜視図(図2(a))、本実施形態に係る切換弁をEGRガスが流れる方向から場合における断面図(図2(b))、及び比較例に係る切換弁をEGRガスが流れる方向から場合における断面図(図2(c))である。
図2(a)に示されるように、切換弁340は、バイパスパイプ330と連通した部分において、弁体343を備えると共に、EGRクーラ320と連通した部分において弁体345を備えて構成されている。典型的には、弁体343が閉弁しバイパスパイプ330の一部を遮断することによってバイパスパイプ330を流れるEGRガスの流量は最小となる。このことに加えて又は代えて、弁体345が閉弁し、EGRクーラ320に通じるEGRパイプ310の流路を遮断することによってEGRクーラ320を流れるEGRガスの流量は最小となる。弁体343が開弁又は閉弁するタイミングと、弁体345が開弁又は閉弁するタイミングとは同期していてよい、或いは、同期していなくてよい。
詳細には、図2(b)に示されるように、切換弁340においては、切換弁340の本体ボディ341の内径部342と切換弁340の弁体343の外周との間の隙間空間SPが存在し、この隙間空間SPには網目形状の部材344が備えられている。これにより、この網目形状の部材344にEGRガスに含まれる煤が付着し、時間が経過するに従って、部材344の網目に煤が付着する付着量が多くなる。これにより、ひいては、網目形状の部材344の網目の空間が煤で埋まり、弁体343から漏れるEGRガスの流量は、時間が経過するに従って少量になる。尚、本発明に係る隙間空間の一具体例が隙間空間SPによって構成されている。
図2(c)に示されるように、比較例に係る切換弁340においては、切換弁340の本体ボディ341の内径部342と切換弁340の弁体343の外周との間の隙間空間は殆ど又は完全に存在しない、或いは、図2(b)に示された隙間空間より小さい隙間空間が存在する。加えて、比較例に係る切換弁340においては、網目形状の部材344が備えられていない。
特に、本実施形態に係る隙間空間SPの断面積と、バイパスパイプ330を流れるEGRガスを遮断する弁体343の面積との割合は、EGR装置全体での所定の冷却効率が得られるように、実験的、理論的、経験的、又はシミュレーション等によって、規定することができる。具体的には、本実施形態に係る隙間空間SPの断面積を、バイパスパイプ330を流れるEGRガスを遮断する弁体343の面積を基準にして、大きくした場合、EGRクーラの使用を開始した初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を減少側に変化させることができる。尚、EGR装置全体での冷却効率については、後述される。他方、本実施形態に係る隙間空間SPの断面積を、バイパスパイプ330を流れるEGRガスを遮断する弁体343の面積を基準にして、小さくした場合、EGRクーラの使用を開始した初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を増加側に変化させることができる。
(本実施形態の作用と効果との検討)
次に、図3を参照して、本実施形態に係る内燃機関のEGR装置の作用と効果とについて説明する。ここに、図3は、本実施形態に係るEGR装置全体での冷却効率の時間経過に伴う変化、EGRクーラ単体での冷却効率の時間経過に伴う変化、バイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体から漏れるEGRガスの流量の時間経過に伴う変化、吸気マニフォールド内の吸気の温度の時間経過に伴う変化を示したグラフ(図3(a)、図3(b)、図3(c)及び図3(d))である。尚、図3中の4つのグラフ中の、実線は本実施形態を示し、点線は比較例を示す。また、図3中の4つのグラフの横軸は時間軸を示す。また、図3(a)の縦軸は、EGR装置全体での冷却効率(所謂、システム冷却効率)をパーセントで示す。図3(b)の縦軸は、EGRクーラ単体での冷却効率(所謂、クーラ側冷却効率)をパーセントで示す。図3(c)の縦軸は、バイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体から漏れるEGRガスの流量(所謂、漏れ量)を単位時間当たりの流量(ml/sec)で示す。図3(d)の縦軸は、吸気マニフォールド203内の吸気の温度(セ氏°)を示す。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る内燃機関のEGR装置の作用と効果とについて説明する。ここに、図3は、本実施形態に係るEGR装置全体での冷却効率の時間経過に伴う変化、EGRクーラ単体での冷却効率の時間経過に伴う変化、バイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体から漏れるEGRガスの流量の時間経過に伴う変化、吸気マニフォールド内の吸気の温度の時間経過に伴う変化を示したグラフ(図3(a)、図3(b)、図3(c)及び図3(d))である。尚、図3中の4つのグラフ中の、実線は本実施形態を示し、点線は比較例を示す。また、図3中の4つのグラフの横軸は時間軸を示す。また、図3(a)の縦軸は、EGR装置全体での冷却効率(所謂、システム冷却効率)をパーセントで示す。図3(b)の縦軸は、EGRクーラ単体での冷却効率(所謂、クーラ側冷却効率)をパーセントで示す。図3(c)の縦軸は、バイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体から漏れるEGRガスの流量(所謂、漏れ量)を単位時間当たりの流量(ml/sec)で示す。図3(d)の縦軸は、吸気マニフォールド203内の吸気の温度(セ氏°)を示す。
先ず、図3(c)の時間Time0に示されるように、例えば車両が新車であるためEGRクーラが新品であり、且つ、切換弁340の弁体343が閉弁しバイパスパイプ330を流れるEGRガスの流量を減少させると共に、切換弁340の弁体345が開弁しEGRクーラ320側の通路にEGRガスを導く際、本実施形態のバイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体から漏れるEGRガスの流量は、比較例と較べて多量になる。
何故ならば、本実施形態では、上述したように、バイパスパイプ330を流れるEGRガスのうち切換弁340の弁体343から漏れるEGRガスの流路、即ち、切換弁340の本体ボディ341の内径部342と切換弁340の弁体343の外周との間の隙間空間が、比較例と較べて大きいためである。尚、この隙間空間には、網目形状の部材344を備えるが、EGRクーラの使用を開始した初期段階、言い換えると、新品時から間もない時間においては、この網目形状の部材344にEGRガスに含まれる煤が付着する付着量が殆ど無い或いは顕著に少量である。これにより、初期段階では、弁体343から漏れるEGRガスの流量は、この隙間空間の大きさに依存するので、バイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体から漏れるEGRガスの流量は、比較例と較べて多量になる。
これにより、切換弁340の下流側における、EGRクーラ320によって冷却されない高温度のEGRガスの流量が、比較例と較べて多量になる。この際、EGRクーラの使用を開始した初期段階において、失火が発生する可能性を比較例と較べて簡便に低減させることができる。
この結果、図3(a)の時間Time0から時間Time1に示されるように、例えばEGRクーラが新品時から所定の使用時間だけ経過した時間までにおいては、EGR装置全体での冷却効率は、比較例と較べて低くなる。
特に、EGR装置全体での冷却効率は、次の式(1)によって示される。
(EGR装置全体での冷却効率)=
(Tin − Tout) / (Tin − Tw) …… (1)
但し、
Tin:EGRパイプ310がバイパスパイプ330に分岐する分岐点より上流側の部分におけるEGRガスの温度
Tout:切換弁340より下流側の部分におけるEGRガスの温度
Tw:EGRクーラ320のインレットパイプ321内の冷却水の温度である。尚、これらの温度Tin、Tout、及びTwは、図示されない温度センサーによって夫々測定される。
(Tin − Tout) / (Tin − Tw) …… (1)
但し、
Tin:EGRパイプ310がバイパスパイプ330に分岐する分岐点より上流側の部分におけるEGRガスの温度
Tout:切換弁340より下流側の部分におけるEGRガスの温度
Tw:EGRクーラ320のインレットパイプ321内の冷却水の温度である。尚、これらの温度Tin、Tout、及びTwは、図示されない温度センサーによって夫々測定される。
加えて、図3(d)の時間Time0から時間Time3に示されるように、例えばEGRクーラが新品時から所定の使用時間だけ経過した時間においては、吸気マニフォールド203内の吸気の温度は、比較例と較べて高くなる。
図3(b)に示されるように、一般的に、EGRクーラは、当該EGRクーラの内部やEGRガスの流入部には煤などが堆積するので、EGRクーラ単体での冷却効率も時間が経過するに従って低下する。よって、例えばEGRクーラが新品時から所定の使用時間だけ経過した時間Time4において、ほぼ一定になる。
尚、EGRクーラ単体での冷却効率は、次の式(2)によって示される。
(EGRクーラ単体での冷却効率)=
(Tin − Tc) / (Tc − Tw) …… (2)
但し、
Tcは、EGRクーラ320と切換弁340との間におけるEGRガスの温度である。尚、上述した温度Tin、及びTwに加えて、温度Tcは、図示されない温度センサーによって夫々測定される。
(Tin − Tc) / (Tc − Tw) …… (2)
但し、
Tcは、EGRクーラ320と切換弁340との間におけるEGRガスの温度である。尚、上述した温度Tin、及びTwに加えて、温度Tcは、図示されない温度センサーによって夫々測定される。
このEGRクーラ単体での冷却効率の時間経過に伴う変化については、本実施形態と比較例とでは略同じである。
本実施形態では、上述したように、バイパスパイプ330を流れるEGRガスのうち切換弁340の弁体343から漏れるEGRガスの流路、即ち、切換弁340の本体ボディ341の内径部342と切換弁340の弁体343の外周との間の流路に網目形状の部材344を備える。これにより、この網目形状の部材344にEGRガスに含まれる煤が付着し、時間が経過するに従って、部材344の網目に煤が付着する付着量が多くなる。これにより、ひいては、網目形状の部材344の網目の空間が煤で埋まり、弁体343から漏れるEGRガスの流量は、時間が経過するに従って減少する。
図3(c)の時間Time2に示されるように、切換弁340の弁体343がバイパスパイプ330を閉じさせると共に、切換弁340の弁体345が開弁しEGRクーラ320側の通路にEGRガスを導く際、本実施形態のバイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体343から漏れるEGRガスの流量は、比較例と較べて少量になる。そして、図3(c)の時間Time5に示されるように、本実施形態のバイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体から漏れるEGRガスの流量は、比較例と較べて少ない流量で略一定になる。
以上の結果、図3(a)の時間Time1の以降の時間に示されるように、例えばEGRクーラが新品時から所定の使用時間だけ経過した時間においては、EGR装置全体での冷却効率は、比較例と較べて高くなり、本実施形態では、排気に含有されるNOxの量やスモークの量を比較例と較べて顕著に低減させることが可能である。
特に、本実施形態では、EGRクーラの使用を開始した初期段階、言い換えると、新品時から間もない時間において、EGR装置全体での冷却効率を、比較例と較べて低くさせると共に、例えばEGRクーラが新品時から所定の使用時間だけ経過した時間、即ち、後期段階においては、EGR装置全体での冷却効率を、比較例と較べて高くさせる。
この結果、図3(a)に示されるように、本実施形態に係る、EGRクーラの使用を開始した初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率と、上述した後期段階におけるEGR装置全体での冷却効率との差分S1を、比較例に係る差分S2と較べて小さくさせることができる。従って、本実施形態では、EGRクーラを長期間に亘ってより効率的に使用することができ、排気に含有されるNOxの量やスモークの量を比較例と較べて顕著に低減させることが可能である。
仮に、比較例では、EGRクーラの使用を開始した初期段階、言い換えると、新品時から間もない時間において、EGR装置全体での冷却効率は、本実施形態と較べて、不必要に高くなってしまうため、失火の発生を抑制するためにEGRガスの流量を低減させたり、燃料の噴射時期を進角させたりするなどの失火を防止するための複雑な運転状態の制御が必要となってしまい、ひいては、失火が発生する可能性が高くなってしまい、排気に含有されるNOxの量やスモークの量が多量になってしまう可能性があるという技術的な問題点が生じる。
これに対して、本実施形態では、上述したように初期段階では、バイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体343から漏れるEGRガスの流量が比較例と較べて多量になるので、EGRクーラの使用を開始した初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を比較例と較べて低くさせることができる。加えて、上述したように後期段階では、網目形状の部材344の網目に煤が徐々に付着していくので、バイパスパイプを流れるEGRガスのうち弁体343から漏れるEGRガスの流量は、比較例と較べて少量になるので、後期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を、比較例と較べて高くさせることができる。従って、本実施形態では、EGRクーラを長期間に亘ってより効率的に使用することができ、排気に含有されるNOxの量やスモークの量を比較例と較べて顕著に低減させることが可能である。
(他の実施形態)
次に、図4及び図5を参照して、他の実施形態に係る内燃機関のEGR装置の詳細構成について説明する。ここに、図4は、第2実施形態に係るEGR装置の基本構成を示したブロック図(図4(a))及び第3実施形態に係るEGR装置の基本構成を示したブロック図(図4(b))である。図5は、第2及び第3実施形態に係る切換弁をEGRガスが流れる方向から場合における断面図である。尚、他の実施形態においては、上述した第1実施形態の構成要素と概ね同一の構成要素については、同一の符号番号を付し、それらの構成要素の説明及び図示は適宜省略する。
次に、図4及び図5を参照して、他の実施形態に係る内燃機関のEGR装置の詳細構成について説明する。ここに、図4は、第2実施形態に係るEGR装置の基本構成を示したブロック図(図4(a))及び第3実施形態に係るEGR装置の基本構成を示したブロック図(図4(b))である。図5は、第2及び第3実施形態に係る切換弁をEGRガスが流れる方向から場合における断面図である。尚、他の実施形態においては、上述した第1実施形態の構成要素と概ね同一の構成要素については、同一の符号番号を付し、それらの構成要素の説明及び図示は適宜省略する。
(第2実施形態)
図4(a)に示されるように、第2実施形態に係るEGR装置においては、上述した第1実施形態に係るバイパスパイプ330及び切換弁340に代えて、第1バイパスパイプ330a、第2バイパスパイプ330b及び切換弁340aを備えて構成されている。
図4(a)に示されるように、第2実施形態に係るEGR装置においては、上述した第1実施形態に係るバイパスパイプ330及び切換弁340に代えて、第1バイパスパイプ330a、第2バイパスパイプ330b及び切換弁340aを備えて構成されている。
第1バイパスパイプ330aは、EGRクーラ320の上流側においてEGRパイプ310から分岐し、EGRクーラ320をバイパスさせつつEGRガスを吸気マニフォールド203に導入可能な通路である。尚、この第1バイパスパイプ330aによって本発明に係る第1バイパス通路の一例が構成されている。
第2バイパスパイプ330bは、EGRクーラ320の上流側においてEGRパイプ310から分岐し、EGRクーラ320をバイパスさせつつEGRガスを吸気マニフォールド203に導入可能な通路である。特に、第2バイパスパイプ330bの流路の断面積は第1バイパスパイプ330aの流路の断面積より小さいことが好ましい。これにより、EGRクーラの使用を開始した初期段階におけるEGR装置全体での冷却効率を高精度に調整することができる。尚、この第2バイパスパイプ330bによって本発明に係る第2バイパス通路の一例が構成されている。
図5に示されるように、第2実施形態に係る切換弁340aにおいては、切換弁340aの本体ボディ341の内径部342と切換弁340aの弁体343の外周との間の隙間空間は無くてよい。加えて、第2実施形態に係る切換弁340aにおいては、網目形状の部材344が備えられていない。
特に、図5に示されるように、第2バイパスパイプ330bの流路空間SPaには網目形状の部材344が備えられている。これにより、この網目形状の部材344にEGRガスに含まれる煤が付着し、時間が経過するに従って、部材344の網目に煤が付着する付着量が多くなる。これにより、ひいては、網目形状の部材344の網目の空間が煤で埋まり、第2バイパスパイプ330bを流れるEGRガスの流量は、時間が経過するに従って少量になる。尚、本発明に係る隙間空間の他の具体例が流路空間SPaによって構成されている。
(第3実施形態)
図4(b)に示されるように、第3実施形態に係るEGR装置においては、上述した第1実施形態に係るバイパスパイプ330及び切換弁340に代えて、第1バイパスパイプ330a、第3バイパスパイプ330c及び切換弁340aを備えて構成されている。
図4(b)に示されるように、第3実施形態に係るEGR装置においては、上述した第1実施形態に係るバイパスパイプ330及び切換弁340に代えて、第1バイパスパイプ330a、第3バイパスパイプ330c及び切換弁340aを備えて構成されている。
第1バイパスパイプ330aは、上述した第2実施形態と概ね同様にして、EGRクーラ320の上流側においてEGRパイプ310から分岐し、EGRクーラ320をバイパスさせつつEGRガスを吸気マニフォールド203に導入可能な通路である。
第3バイパスパイプ330cは、第1バイパスパイプ330aから分岐し、EGRクーラ320をバイパスさせつつEGRガスを吸気マニフォールド203に導入可能な通路である。尚、この第3バイパスパイプ330cによって本発明に係る第2バイパス通路の他の例が構成されている。
図5に示されるように、第3実施形態に係る切換弁340aは、第2実施形態に係る切換弁340aと概ね同様である。特に、第3バイパスパイプ330cの流路空間SPaには、上述した第2バイパスパイプ330bと概ね同様にして、網目形状の部材344が備えられている。これにより、この網目形状の部材344にEGRガスに含まれる煤が付着し、時間が経過するに従って、部材344の網目に煤が付着する付着量が多くなる。これにより、ひいては、網目形状の部材344の網目の空間が煤で埋まり、第2バイパスパイプ330bを流れるEGRガスの流量は、時間が経過するに従って少量になる。尚、本発明に係る隙間空間の他の具体例が流路空間SPaによって構成されている。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関のEGR装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、300…EGR装置、310…EGRパイプ、320…EGRクーラ、330…バイパスパイプ、330a…第1バイパスパイプ、330b…第2バイパスパイプ、330c…第3バイパスパイプ、340…切換弁、340a…切換弁、343、345…弁体、350…負圧ダイアフラム、352…圧力供給路、353…VSV、354…オリフィス、360…EGRバルブ、SP…隙間空間、SPa…流路空間。
Claims (7)
- 内燃機関の排気系から分岐し、前記排気系を流れる排気の一部をEGRガスとして前記内燃機関の吸気系に循環させるEGR通路と、
前記EGR通路に設けられ、前記EGRガスを冷却可能な冷却手段と、
前記冷却手段の上流側において前記EGR通路から分岐し、前記冷却手段をバイパスさせつつ前記EGRガスを前記吸気系に導入可能なバイパス通路と、
前記バイパス通路の流路断面の一部の遮断を行う弁体を有し、前記弁体による遮断が行われるか否かによって、前記EGRガスの循環経路を、前記バイパス通路の流路断面の他部を含む第1の経路と、前記バイパス通路の流路断面の全部を含む第2の経路との間で選択的に切り換える切り換え手段と
を備えることを特徴とする内燃機関のEGR装置。 - 前記切り換え手段は、前記弁体を閉弁することによって前記バイパス通路の流路断面の一部を遮断し、
前記バイパス通路の流路断面の他部として、前記弁体と、前記バイパス通路の内径との間に形成される隙間空間を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のEGR装置。 - 前記隙間空間には、前記EGRガスに含まれる煤を堆積させる煤堆積部を有することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のEGR装置。
- 前記隙間空間の流路には、前記EGRガスに含まれる煤を堆積させる網目形状の部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のEGR装置。
- 前記切り換え手段は、前記冷却手段に通じる前記EGR通路の遮断を行う他の弁体を有し、
前記弁体による遮断が行われ且つ前記他の弁体による遮断が行われない場合、前記第1の経路として、前記バイパス通路の流路断面の他部を含み且つ前記冷却手段を含む経路を形成し、前記弁体による遮断が行われなく且つ前記他の弁体による遮断が行われる場合、前記第2の経路として、前記バイパス通路の流路断面の全部を含み且つ前記冷却手段を含まない経路を形成することを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置。 - 前記切り換え手段は、前記弁体に対し所定の圧力供給路を介して供給される圧力に応じた駆動力を付与することにより、前記弁体の位置を、前記EGRガスを前記第1の経路に導く第1の位置と前記EGRガスを前記第2の経路に導く第2の位置との間で切り換えることが可能な駆動力付与手段とを含むことを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置。
- 内燃機関の排気系から分岐し、前記排気系を流れる排気の一部をEGRガスとして前記内燃機関の吸気系に循環させるEGR通路と、
前記EGR通路に設けられ、前記EGRガスを冷却可能な冷却手段と、
前記冷却手段の上流側において前記EGR通路から分岐し、前記冷却手段をバイパスさせつつ前記EGRガスを前記吸気系に導入可能な第1バイパス通路と、
前記EGRガスに含まれる煤を堆積させる煤堆積部を有すると共に、前記冷却手段の上流側において前記EGR通路から分岐し、前記冷却手段をバイパスさせつつ前記EGRガスを前記吸気系に導入可能な第2バイパス通路と、
前記第1バイパス通路の遮断を行う弁体を有し、前記EGRガスの循環経路を、前記第1バイパス通路を含まなく且つ前記第2バイパス通路を含む第1の経路と、前記第1バイパス通路及び前記第2バイパス通路を含む第2の経路との間で選択的に切り換え可能な切り換え手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関のEGR装置。
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JP2008034386A JP2009191772A (ja) | 2008-02-15 | 2008-02-15 | 内燃機関のegr装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2674603A1 (en) * | 2011-02-10 | 2013-12-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Exhaust gas recirculation device |
-
2008
- 2008-02-15 JP JP2008034386A patent/JP2009191772A/ja active Pending
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EP2674603A1 (en) * | 2011-02-10 | 2013-12-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Exhaust gas recirculation device |
EP2674603A4 (en) * | 2011-02-10 | 2014-10-01 | Toyota Motor Co Ltd | EXHAUST GAS RECIRCULATION DEVICE |
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