JP2009191480A - 天然芝の広場 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベランダ、屋上、グランドなどの舗装面においても天然芝を使用することができ、手入れも容易な天然芝の広場を提供すること。
【解決手段】 軽石とポルトランドセメントと水とを混練した状態の生コンクリートを打設した保水性・透水性コンクリート層1と、この保水性・透水性コンクリート層1の上に敷かれて水を毛細管現象により水平方向に導く合成樹脂繊維製の不織布3と、この合成樹脂繊維製の不織布3の上に敷設され、適当な間隔をあけて漏水穴41をあけて終端を閉じた給水パイプ4と、不織布3および給水パイプ4の上に植生した天然芝7とを具備し、給水パイプ4の一端を給水口とするものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、コートやグランドなどの広場に天然芝を植生して活着させた天然芝の広場に関し、土壌の他に屋上や舗装されたグランドを緑化してヒートアイランド現象を抑制するように構成したものである。
従来より、ベランダ、屋上、グランドなどを自然に近い雰囲気を出すため、ウッドデッキを並べたり、砂利を撒いたりしている。また、従来のゴルフ練習用マットやパターマットは、塩化ビニルやナイロンで作られた人工芝が用いられている。また、人工芝では、打球したときの感触が、天然芝における感触と著しく相違しているので、天然芝を用いたゴルフ練習用マットが下記特許文献に開示されているように提案されている。
特開2004−209035号公報 登録実用新案第3115572号公報
ベランダ、屋上、グランドなどの舗装面に天然芝を敷きたいという要望が多い。しかし、天然芝は地面に植生されるものであって、コンクリートの舗装面上に植生する場合には、土を入れて天然芝を育成しなければならない。
特許文献1に記載のゴルフ練習用マットは、ゴルフ練習場の個々の打席におけるボール打撃場所に形成された凹所と、この凹所に嵌め込み・取り出し自在の金属製、合成樹脂製、木製などの浅い箱に土を入れて天然芝を植えたマットであり、箱の側壁を取外して天然芝のマットをボール打撃場所の凹所に嵌め込んで練習を行う。多くのディボットが生じたら、前後方向を反転させて再度凹所に嵌め込んで練習を行う。マット表面の天然芝が傷むとマット自体を搬出して天然芝を再生させるものである。
そこで、この発明は、土壌の他にベランダ、屋上、グランドなどの舗装面においても床材として天然芝を使用することができ、手入れも容易な天然芝の広場を提供するものである。
この発明の天然芝の広場は、軽石とポルトランドセメントと水とを混練した状態の生コンクリートを打設した保水性・透水性コンクリート層と、この保水性・透水性コンクリート層の上に敷かれて水を毛細管現象により水平方向に導く合成樹脂繊維製の不織布と、この合成樹脂繊維製の不織布の上に敷設され、適当な間隔をあけて漏水穴をあけて終端を閉じた給水パイプと、上記不織布および給水パイプの上に植生した天然芝とを具備し、上記給水パイプの一端を給水口とするものである。
この発明の天然芝の広場は、土壌に間隔をあけて設置され、底部をパイプで連通した複数の貯水タンクと、この貯水タンクを除く土壌の上に打設された軽石の保水性・透水性コンクリート層と、この軽石の保水性・透水性コンクリート層の上に形成された軽石の砂の層と、この軽石の砂の層に拡げて埋設された合成樹脂繊維製の不織布と、上記貯水タンクから引き出して上記埋設された合成樹脂繊維製の不織布に毛細管現象により導水する布の帯と、上記軽石の砂の層に植生した天然芝とを具備し、複数の貯水タンクの底部を連通したパイプの一端を給水口とすることこともできる。
この発明の天然芝の広場によると、舗装された広場や、土壌に天然芝を植生して活着させることができるので、屋上や舗装されたグランドを緑化してヒートアイランド現象を抑制することができる。
軽石の保水性・透水性コンクリート層を設けているので、給水パイプから供給された水は適度に保水されて天然芝に与えられる。また、合成樹脂繊維製の不織布を備えているので、給水パイプの一端から供給することにより全面にむらなく水を供給できて、手入れも簡単である。
この発明の天然芝の広場によると、天然芝の下に軽石の保水性・透水性コンクリート層を設けているので、ハイヒールで歩行してもかかとが芝生に刺さることなく容易に歩行することができる。
(第1の実施形態)
この発明の天然芝の広場の第1の実施形態は、図1の給水パイプ4と平行な面で裁断した縦断面図(a)および給水パイプ4と直交する面で裁断した縦断面図(b)に示すように、コート、グランド、屋上や、土壌8の上に、砂を混合することなく、軽石と、ポルトランドセメントと水とを混練した状態の生コンクリートを3cm程度の厚みに打設して保水性・透水性コンクリート層1を形成する。
この保水性・透水性コンクリート層1の打設時に、図1の縦断面図(b)に示すように、給水パイプ4を敷設する溝条が予め形成されている。
図1の縦断面図(b)および平面図(c)に示すように、この保水性・透水性コンクリート層1の上に、合成樹脂繊維製の不織布3を敷き込み、この不織布3の上から保水性・透水性コンクリート層1の溝条に給水パイプ4を敷設する。
保水性・透水性コンクリート層1の表面レベルが不揃いの場合には、低い部分に砂を散布してレベルを一定にしたのち、合成樹脂繊維製の不織布3を敷き込む。
敷設される給水パイプ4は、適当な間隔をあけて複数の漏水穴41をあけ、終端を閉じたものであり、広場の面積が大きい場合には、複数本の給水パイプ4を平行に配列させ、それぞれの一端部より給水する。
合成樹脂繊維製の不織布3および給水パイプ4の上に天然芝7を植生する。植生する天然芝としては、寒地型芝草(ベントグラス、ブルーグラス)と暖地型芝草(野芝、高麗芝、バミューダグラス)があり、使用目的により選択して使用する。あるいは、寒地型芝草と暖地型芝草とを混植してもよいのである。なお、図示する符号71は、天然芝7の土が付いた根である。
このように天然芝7を植生して、給水口より給水パイプ4を経て水を供給すると、給水パイプ4の漏水穴41から漏れた水が、合成樹脂繊維製の不織布3の毛細管現象により水平方向に拡がって、天然芝の根に与えられるとともに保水性・透水性コンクリート層1にも供給されて保水される。温暖な季節では、約2週間で天然芝7の根が合成樹脂繊維製の不織布3を経て保水性・透水性コンクリート層1まで伸びて活着する。
給水口にタイマーで動作する電磁弁を設けておくことにより、設定された時間に自動的に給水することができる。
過剰に供給した水や雨水は、軽石の保水性・透水性コンクリート層1により保水されるが、過剰な水は、土壌8の場合には土壌に浸透し、屋上や舗装面の場合には保水性・透水性コンクリート層1の周囲から排出される。
(第2の実施形態)
この発明の天然芝の広場の第2の実施形態は、図2の縦断面図に示すように、コートやグランドなどの土壌8に適当な間隔をあけて貯水タンク5を同一レベルに埋設し、各貯水タンク5の底部相互間を給水パイプ4で連通して給水パイプ4の一端を給水口とする。
なお、給水パイプ4で連通された複数の貯水タンク5のうち、給水口から最も離れた給水パイプ4に液面検知手段を設けて、貯水タンク5内の水を監視する。
この液面検知手段として、地表から給水パイプ4の終端に縦方向にパイプ6を結合しておき、このパイプ6の上端に蓋61を設けたものでよく、点検する際には、蓋61を外して乾いた棒をパイプ6の屈曲部に突き当たるまで挿入して引き上げ、棒の濡れた部分の長さより液面を知ることができる。
貯水タンク5を土壌に埋設する際に、土壌8の表面より3〜5cm程度突出させておく。そして、砂を使用することなく粒径3〜10mmの軽石とポルトランドセメントと水とを混練した状態の生コンクリートを土壌8の上に3〜5cm程度の厚みに打設して軽石の保水性・透水性コンクリート層1を形成する。
孔のあいた蓋51を用意し、この蓋51の孔に合成樹脂繊維を編んだ帯31を挿通して、貯水タンク5に蓋をする。
軽石の保水性・透水性コンクリート層1および貯水タンク5の蓋51の上に、粒径が3mm以下の軽石の砂を厚さ10mm程度に敷きつめたのち、合成樹脂繊維の帯31を中心として合成樹脂繊維製の不織布3を拡げて敷き、さらに軽石の砂を散布して不織布3を埋没させる。そして、形成された軽石の砂の層2の上に第1の実施形態と同様に天然芝7を植生する。
このように天然芝を植生して、給水口より給水パイプ4を経て各貯水タンク5に水を供給して充満させると、貯水タンク5の水が、合成樹脂繊維の帯31の毛細管現象によって吸い上げられ、さらに不織布3の毛細管現象により水平方向に拡がって軽石の砂2および保水性・透水性コンクリート層1に供給されて保水され、天然芝7の根に与えられる。
第1の実施形態においては、給水パイプ4によって合成樹脂繊維製の不織布3および保水性・透水性コンクリート層1に直接水を供給するが、この第2の実施形態においては、貯水タンク5の水を合成樹脂繊維の帯31の毛細管現象によって水を吸い上げており、水の供給量が少ないので、合成樹脂繊維製の不織布3によって拡がった水を軽石の砂2の層で保水させている。
雨が降ると、雨水は、軽石の砂2の層および軽石の保水性・透水性コンクリート層1により保水されるが、過剰な雨水は土壌に浸透する。
晴天が続いたときには、給水口から最も離れた貯水タンク5に設けた液面検知手段を点検し、貯水タンク5の水のレベルが低下していると、給水口を開いて各貯水タンク5に給水すればよいのである。
この発明の天然芝の広場の第1の実施形態を示す直交する2方向で裁断した縦断面図(a)、(b)および平面図(c)、 この発明の天然芝の広場の第2の実施形態を縦断面図である。
符号の説明
1 保水性・透水性コンクリート層
2 軽石の砂の層
3 合成樹脂繊維製の不織布
31 合成樹脂繊維製の帯
4 給水パイプ
41 漏水穴
5 貯水タンク
6 液面検知用パイプ
7 天然芝
8 土壌

Claims (4)

  1. 軽石と、ポルトランドセメントと水とを混練した状態の生コンクリートを打設した保水性・透水性コンクリート層と、
    該保水性・透水性コンクリート層の上に敷かれて水を毛細管現象により水平方向に導く合成樹脂繊維製の不織布と、
    該合成樹脂繊維製の不織布の上に敷設され、適当な間隔をあけて漏水穴をあけて終端を閉じた給水パイプと、
    上記不織布および給水パイプの上に植生した天然芝と、
    を具備し、上記給水パイプの一端を給水口とすることを特徴とする天然芝の広場。
  2. 保水性・透水性コンクリート層の給水パイプを敷設する部分に溝条を形成することを特徴とする請求項1に記載の天然芝の広場。
  3. 土壌に間隔をあけて設置され、底部をパイプで連通した複数の貯水タンクと、
    該貯水タンクを除く土壌の上に打設された軽石の保水性・透水性コンクリート層と、
    該軽石の保水性・透水性コンクリート層および貯水タンクの蓋の上に形成された軽石の砂の層と、
    該軽石の砂の層に拡げて埋設された合成樹脂繊維製の不織布と、
    上記貯水タンクから引き出して上記埋設された合成樹脂繊維製の不織布に毛細管現象により導水する布の帯と、
    上記軽石の砂の層に植生した天然芝と、
    を具備し、複数の貯水タンクの底部を連通したパイプの一端を給水口とすることを特徴とする天然芝の広場。
  4. 給水口より離れた給水パイプに液面検知手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の天然芝の広場。
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